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*ガンダムバトルユニバース 【がんだむばとるゆにばーす】 |ジャンル|3Dアクション|&amazon(B0017XFC0C)&amazon(B002RL974A)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|アートディンク|~| |発売日|2008年7月17日|~| |定価|5,040円|~| |廉価版|GUNDAM 30th ANNIVERSARY COLLECTION&br;2009年12月17日/2,800円&br;PSP the best&br;パッケージ版:2010年6月3日/2,800円&br;ダウンロード版:2013年11月7日/2,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|取り扱い分野はF91までの宇宙世紀限定&br;その分非常に濃厚なボリューム&br;やりこみ度もまた高い|~| |>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>ガンダムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 [[ガンダムバトルタクティクス]]から始まった&bold(){ガンダムバトルシリーズ}の4作目。~ 宇宙世紀作品は『F91』までほとんど収録され、「ユニバース」の名に恥じない作品になっている。 ---- **特徴・評価点 -キャンペーンモード --前作ではエクストラ扱いだった『ZZ』『CCA』のミッションが正式に収録され、ファンを大いに喜ばせた。 ---この2つの追加により、総ミッション数は200以上と膨大な数に。恒例のパスワードミッションも勿論存在する。 --エクストラでは、本作の目玉とされる『センチネル』『閃光のハサウェイ』『F91』が主に扱われている。 ---同時に少数ながら『TV版1st』『ミラーズ・リポート』が新規機体と共に収録された。 --システムの改良 ---ミッション数の更なる増加に伴い、分岐ミッションや連続ミッションでは失敗しても途中からやり直し可能となった。これによりキャプチャーモードでの鹵獲が比較的楽になっている。 ---前作までは『1st』から年代順にプレイする必要があったが、収録作品の増加により本作では時代選択が可能となった。『CCA』からプレイする事も可能であり、自由度が広がっている。 ---ステージとしては「宇宙鉱山」「平原」「空中」が追加。少なすぎると言われた前作の問題点にメスが入っている。 --小ネタ ---本作は基本的に「プレイヤーがいちパイロットとして各作品に参加する」というスタンスなのだが、使用パイロットを原作キャラにしていると、特定のステージで変化が起こる。 ---例えば「ラスト・リゾート」でシローを使用すると、アプサラスにギニアスが乗り、更に味方増援としてアイナが出現する等、原作における「震える山」の再現となる。「強行突破作戦」でアムロを使用すると、敵を撃破する度に撃墜数をつぶやくという「コンスコン強襲」の再現となる。 ---その他、ハマーン様をプレイヤーキャラにした状態でマシュマーをパートナーに・・・等、細かな演出が面白い。 -登場機体・登場パイロット --前作までに登場したものはほぼそのまま続投する形で、機体は140機から200機、パイロットは44人から69人へと大幅に増加。携帯機としては勿論、''ダムゲー全体で見ても驚異のボリュームである''。 ---収録作品は公式的には『1st』『0083』『Z』『ZZ』『CCA』とされているが、正確にはこれ以外に『センチネル』『閃光のハサウェイ』『F91』『MSV』『MSX』『CCA-MSV』『0080』『08小隊』『ギレンの野望』『BLUE DESTINY』『コロニーの落ちた地で・・・』『ジオニックフロント』『宇宙、閃光の果てに・・・』『グリーンダイバーズ』等から大量に収録されており、非常に「濃い」。 ---フルアーマーZZガンダムやEx-Sガンダム、Hi-νガンダム等の比較的有名な機体から、ZプラスA2型やνガンダム(ダブルフィンファンネル装備)((前者はZプラスA1型の頭部にメガキャノンを搭載した超マイナー機体。後者はそこまでマイナーではないが、HGUCや後のMG等と違って肩アーマーやビームライフルの形状の差異が再現されている。))等のマニアックなものまで網羅。''6機の高機動型ザク''が使用できるダムゲーなんて後にも先にも本作(及びその派生作品)ぐらいのものだろう。タイガーバウム仕様のアッグガイなんかは「マニアック過ぎてついて行けない」とまで言われたほど。 --追加機体に目が行きがちだが、前作までの続投機体にもきっちりメスが入っている。強すぎるものは弱く、弱過ぎるものは強くと性能調整が施され、格闘モーションにも改善・改良が施されている。前作ではイマイチ役に立たなかったミサイルも改善され、実用に耐えうる性能となった。 --オペレーターは前作の5人から連邦側に1人、ジオン側に1人追加され計7人となった。 ---具体的には、連邦・ジオン共に3人を選択でき、『クライマックスU.C.』の「エレン・ロシュフィル」のみどの勢力でも選べる形となる。 ---ちなみに連邦側オペレーターは『宇宙、閃光の果てに・・・』に登場した「ミユ・タキザワ」、ジオン側オペレーターは『08小隊』に登場した「ケルゲレン子((出典は「08小隊」。作中で病院船ケルゲレンのオペレーターを務めていた。名前が設定されていないかったため、ファンからはこう呼ばれる。ちなみにゲーム中では「女性兵士」と表記される。))」である。&s(){開発スタッフ様、ばんざぁぁぁぁぁぁい!} -新システムの実装 --パイロットには常時発動する「パッシブスキル」とHP低下で発動する「アディショナルスキル」が用意された。 ---射撃or格闘ダメージが2倍になる「スナイパー/猛打」や、窮地に陥るとSPAゲージが全回復する「激情」、弾数が1.5倍になるがリロード時間も1.5倍になる「ジャンク屋」等、多種多様なスキルが存在している。 ---プレイヤーが使用するオリジナルパイロットの場合、名前・オールドタイプ(以下OT)/ニュータイプ(以下NT)・オペレーターによって所持スキルが変更される。 --僚機にはセレクトボタン+十字キーで「格闘/射撃/防御/SP」の行動指示ができるようになった。 ---特に僚機SPアタックを任意に発動させられるようになったのは大きく、これが状況を左右する事にもなりうる。 -ゲームバランス --全体的に大味なバランスになっており、グフやホビーハイザック等の極端なMSでない限りは簡単に雑魚を撃墜できるし、各勢力の最終ボス以外のエースでも(機体とチューンによるが)SPアタック1発で沈む。 ---慣れてしまえばこちらが雑魚にやられるような事は殆どなく、エースにやられる時も敵SPアタックが直撃した時くらいで、かなり簡単な部類と言っていい。 --しかし、本作の最大の評価点は「恐ろしく豊富な機体数」であり、それをバンバン使ってガンガン強化する事がコンセプトである。 ---つまりこの大味なゲームバランスは、豊富な機体をバリバリチューンする本作には実に都合がいいのである。そういう意味では実に良好なゲームバランスと言える。 ---元々低難易度である上に、気軽に遊べる携帯機という事もあり、軽快にサクサクプレイする事ができる。 --サクサク遊べるからと言ってボリュームがない訳ではない。機体は勿論、各種モードも大量に用意されているため、やり込もうとすればガッチガチにやり込む事も可能。 --前作ではSPアタックで敵を撃破した際、SPAゲージが増加していたが、本作ではSPアタックで倒した場合に限りSPAゲージが増加しなくなっている。これにより「SPAゲージが溜まり次第、SPアタック連発で殲滅」ということが出来なくなり、いつ使用するか、という戦略性が増した。 -グラフィック --流石に地面や戦艦・飛行機は近寄るとそれなりに粗があるが、MSやMAのグラフィックはPSPながらすこぶる良好。~ ガンダム史で観ても線が多い部類のSガンダム系からシンプルなジオン水泳部まで、モデルの完成度はボリュームを考えると相当な完成度。~ 細部にも拘っており、一例として高機動型ザク特有のスパイクアーマーのモールドや、ザクマインレイヤーの胸部・腕部の赤いマーキングが正確に再現されている。高機動型ザクが6機使える事といい、制作スタッフには重度のMSVファンがいる模様である。 --ちなみに一度でもキャンペーンで使えるようになれば、ギャラリー(MS図鑑)からいつでも鑑賞可能。しかし…(後述) --攻撃エフェクトもちゃんと作りこまれており、例えばズサ((「機動戦士ガンダムZZ」より。支援用と割り切ってミサイルを大量に搭載した、文字通りの移動式ミサイル砲台とでも言うべきMS))のような「ミサイルを乱射できる機体」で出撃すれば多数のミサイルが尾を引いて飛んでいく、所謂「板野サーカス」を堪能できる。 ---- **問題点 -更に影が薄くなる格闘 --シリーズ自体・・・というか原作の世界観からしてそうなのだが、格闘が今ひとつ使いにくい。~ システムからして、格闘を行う際に踏み込み(相手に接近する)が無く、その場で近接武器を振るので自分で密接しないとまず当たらない。~ 空中格闘は誘導があるものの、空中では一回しか格闘攻撃を行えず、外した場合は一度着地する必要があるため空中戦もできない。 --ガンガン使ってガンガン強化する本シリーズでは、効率よくクリアするためにはどうしても射撃を多用する事になるため((また高ランククリアを狙うためには、攻撃回数をいかに少なくするかを考える必要がある))、結果として格闘を使わなくなる。 --これまではガード不能だった格闘系SPAもガード可能になった、という点も多少影響している。 ---そのせいで前述のようにグフ系などの「格闘が得意なMS」が使いづらくなってしまった。 -更に目立つようになったフィールドの狭さ --機体の増加やルード分岐ミッションの追加により、より一層フィールドの狭さが目立つようになった。 --「EXAM」や「ALICE」など、SPAが機動力を大幅に上げるタイプの機体を使用した際に、一回のステップ動作でフィールド端の壁にぶつかる等、機動力が高くなった際に逆に移動に支障が出る様になってしまっている。 ---敵がエース機の場合は、体力が低下するとSPAを発動してくる場合も多く、それを避けようとしたら壁にぶつかって全弾命中したり、下記の分岐に接触してしまったりと、高機動との相性が致命的に悪くなってしまっている。 --ルート分岐ミッションでは戦闘中に一定範囲に入ると派生分岐し、ミッションが進行するのだが、フィールドが狭く、交戦中に分岐範囲が出現することがあり、敵の攻撃をステップで回避したら分岐に入ってしまう等が多い。 ---範囲の置きさもフィールドはマップの1/5ぐらいとなっているが、上記の通り高機動の機体は1回のステップで隅から隅へ行けてしまう為、意図せず入ってしまいやすい。 -相変わらず練り込みの足りないコンテナ輸送ミッション --ミッションの中にはフィールドに散らばったコンテナを指定箇所に集めるものがあるが、これが非常にめんどくさい。 --コンテナはロックオンできるものの、回収位置はロックオン等が出来ない為、完全マニュアルで行かなければならない。 ---その為、機動力の高い機体(ホバータイプ)等は、指定範囲でなかなか停止できず、飛び出してしまうこともしばしば。 --一番の問題は宇宙空間で、マップは2D表示にもかかわらず、回収位置は高さの範囲指定されている為、指定地に持って行っても回収扱いにならず、回収位置が自分より高いのか低いのかわからない。 -「MSチューン限界解除」のめんどくささ --MSチューン限界解除は「全勢力+全ビックターゲット+全ハイパーボスをS以上でクリア」で解禁される。 --しかし機体とミッションが大幅に増えた本作では、これの解禁がかなりめんどくさくなってしまった。各勢力クリアで非常に強力な機体が使用可能になるため、Sランククリア自体は難しくないのだが、すこぶる時間が掛かる。 -パイロットの「パッシブスキル」と「アディショナルスキル」のランダム生成 --任意で選べず、名前と「NT」か「OT」か等で自動で決定される為、狙ったスキルを取得するのが難しい。 ---名前も選出材料にされている為、好きな名前に付けたいスキルで理想のパイロット等は絶対に出来ない仕様となっている。 -パイロット選択で自分が作成したパートナーのパイロットが選べない --本作の成長システムは戦闘中の行動に紐づいてスキルが上がる仕様なので、プレイヤーの成長度合いに対して相方が育ちにくい。~ それに加えて「パートナーは操作キャラにできない」という仕様があり、意図的な育成が難しい状態となっている。 --また、パートナーは戦力にはなるものの、被弾時と何らかの指示を出した時の応答でしか喋らない為、かなり影が薄い。 -相変わらずのNT優遇 --これも原作からしてそうなのだが、オリジナルパイロットをパートナー共々OTにすると、「君は、刻の涙をみる」羽目になる。 --OTは初期能力が高くEXAM搭載機が使えるが、成長率の関係からゲーム中盤辺りでNTに逆転される上に、EXAM搭載機は『1st』にしか無く((しかも連邦・ジオンそれぞれに2機しかいないため、乗れなくても大したマイナスにはならない。また同時代にもこれより強い機体はいくらでもある。))、『Z』以降は強力な機体はNT専用に偏っており、これが使えないのが非常に痛い。 ---特に『CCA』ミッションは、OTだと搭乗機体があまりに少なすぎる。リ・ガズィやギラ・ドーガでも十分クリア可能なのだが、主役機のνガンダムや&s(){ヤクト・ドーガ}サザビーが使えないのは悲しい。 --救済策なのかは不明だが、「特定のミッションを一定以上の評価」でクリアすることで原作に登場したパイロットを代わりに使用可能となるため、こだわりがなければアムロとかシャアとかハマーン様を使うようにすればなんとかなる他、12個までデータを持てるためどうしても困ったらNTにした上で最初から始めればいいのだが。 ---ただし「0083・デラーズ紛争編」には&bold(){一人もNTパイロットが登場しない}((原作ではハマーン様がちらっと出ていたが、MSに乗っての戦闘シーンがない事もあって登場しない))。NT専用機が登場しないのでOTでもすべてのMSが使用可能なのは救いだが・・・。 -相変わらずステージの使い回しが多い --追加ステージもあるが、一つのステージが違う年代や勢力で何度も出るのは違和感がある。 -僚機に出せる指示も大雑把すぎる --僚機には「戦闘についてどういう行動を重視するか」の指示を出せるようになったが、残念ながら「護衛対象の近くで迎撃させる」「撃墜目標を集中砲火する」などの細かい指示までは出せない。 ---ただし、「僚機に近い敵」「プレイヤー機がロックオンしている敵」を優先的に攻撃するらしいので、少なくとも後者については実際には(こちらで撃墜目標をロックオンしてやれば僚機もその敵を攻撃するため)そこまで困らないのだが。 --問題はコンテナ回収ミッションの場合、&bold(){コンテナに対して全く興味を示してくれない}。そのため手分けして回収するのは不可能。コンテナに勝手に攻撃して勝手に壊さない、と言えば利点なのだが。 ---こちらも、コンテナを拾ったら即座に敵機にロックオンを移すことでプレイヤー機がコンテナ回収を、僚機が敵機掃討を担当する形になるため、少なくとも単機で挑むよりは楽になる。 -コレクションモードのMS鑑賞がボリュームに比べると薄い --出てくるすべての機体(+戦艦・飛行機などの非プレイアブルユニット)を鑑賞できるのはいいのだが、のっしのっし歩いている姿((ホバー移動できるMSはホバー移動を、MAはただ前進をそれぞれしている))しか見られない。攻撃したりシールドを構えたり変形したり、あるいはガワラ立ちしたりカトキ立ちしたりはさせられない。 --武装も凝っている機体が多いだけに、コレクションでそこらへんも見せてほしいと思うプレイヤーもいるだろう。 --ただし、ただ突っ立ってるだけの敵機%%を思う存分いたぶれる%%相手に機体の試し乗りができる「演習」なるミッションがあるため、そこに行けばいつでもノーリスクで攻撃動作などを見ることはできる。 ---- **総評 軽快なプレイ感に圧倒的なボリューム、細かい粗もあるが、それを含めても余りある魅力を持っている。~ 特にガノタにとっては(実質「逆シャア」までとはいえ)その宇宙世紀規模のボリュームから血の涙を流して喜ぶ内容であろう。 ---- **余談 前作からゲーム自体はほぼそのままボリュームアップした本作だが、次作である「[[ガンダムアサルトサヴァイブ]]」では、宇宙世紀作品以外も取り入れ、システム周りなども別路線にシフトしてしまった。~ また、登場MSが大幅に増えたものの、逆にキャラが大幅に削除されてしまった((正確にはグラフィック・声が削除され名前のみになった))ため、この路線の続きを期待したファンにとっては残念な作品となってしまった。
*ガンダムバトルユニバース 【がんだむばとるゆにばーす】 |ジャンル|3Dアクション|&amazon(B0017XFC0C)&amazon(B002RL974A)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|アートディンク|~| |発売日|2008年7月17日|~| |定価|5,040円|~| |廉価版|GUNDAM 30th ANNIVERSARY COLLECTION&br;2009年12月17日/2,800円&br;PSP the best&br;パッケージ版:2010年6月3日/2,800円&br;ダウンロード版:2013年11月7日/2,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|取り扱い分野はF91までの宇宙世紀限定&br;その分非常に濃厚なボリューム&br;やりこみ度もまた高い|~| |>|>|CENTER:''[[ガンダムゲームリンク>ガンダムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 [[ガンダムバトルタクティクス]]から始まった&bold(){ガンダムバトルシリーズ}の4作目。~ 宇宙世紀作品は『F91』までほとんど収録され、「ユニバース」の名に恥じない作品になっている。 ---- **特徴・評価点 -キャンペーンモード --前作ではエクストラ扱いだった『ZZ』『CCA』のミッションが正式に収録され、ファンを大いに喜ばせた。 ---この2つの追加により、総ミッション数は200以上と膨大な数に。恒例のパスワードミッションも勿論存在する。 --エクストラでは、本作の目玉とされる『センチネル』『閃光のハサウェイ』『F91』が主に扱われている。 ---同時に少数ながら『TV版1st』『ミラーズ・リポート』が新規機体と共に収録された。 --システムの改良 ---ミッション数の更なる増加に伴い、分岐ミッションや連続ミッションでは失敗しても途中からやり直し可能となった。これによりキャプチャーモードでの鹵獲が比較的楽になっている。 ---前作までは『1st』から年代順にプレイする必要があったが、収録作品の増加により本作では時代選択が可能となった。『CCA』からプレイする事も可能であり、自由度が広がっている。 ---ステージとしては「宇宙鉱山」「平原」「空中」が追加。少なすぎると言われた前作の問題点にメスが入っている。 --小ネタ ---本作は基本的に「プレイヤーがいちパイロットとして各作品に参加する」というスタンスなのだが、使用パイロットを原作キャラにしていると、特定のステージで変化が起こる。 ---例えば「ラスト・リゾート」でシローを使用すると、アプサラスにギニアスが乗り、更に味方増援としてアイナが出現する等、原作における「震える山」の再現となる。「強行突破作戦」でアムロを使用すると、敵を撃破する度に撃墜数をつぶやくという「コンスコン強襲」の再現となる。 ---その他、ハマーン様をプレイヤーキャラにした状態でマシュマーをパートナーに・・・等、細かな演出が面白い。 -登場機体・登場パイロット --前作までに登場したものはほぼそのまま続投する形で、機体は140機から200機、パイロットは44人から69人へと大幅に増加。携帯機としては勿論、''ダムゲー全体で見ても驚異のボリュームである''。 ---収録作品は公式的には『1st』『0083』『Z』『ZZ』『CCA』とされているが、正確にはこれ以外に『センチネル』『閃光のハサウェイ』『F91』『MSV』『MSX』『CCA-MSV』『0080』『08小隊』『ギレンの野望』『BLUE DESTINY』『コロニーの落ちた地で・・・』『ジオニックフロント』『宇宙、閃光の果てに・・・』『グリーンダイバーズ』等から大量に収録されており、非常に「濃い」。 ---フルアーマーZZガンダムやEx-Sガンダム、Hi-νガンダム等の比較的有名な機体から、ZプラスA2型やνガンダム(ダブルフィンファンネル装備)((前者はZプラスA1型の頭部にメガキャノンを搭載した超マイナー機体。後者はそこまでマイナーではないが、HGUCや後のMG等と違って肩アーマーやビームライフルの形状の差異が再現されている。))等のマニアックなものまで網羅。''6機の高機動型ザク''が使用できるダムゲーなんて後にも先にも本作(及びその派生作品)ぐらいのものだろう。タイガーバウム仕様のアッグガイなんかは「マニアック過ぎてついて行けない」とまで言われたほど。 --追加機体に目が行きがちだが、前作までの続投機体にもきっちりメスが入っている。強すぎるものは弱く、弱過ぎるものは強くと性能調整が施され、格闘モーションにも改善・改良が施されている。前作ではイマイチ役に立たなかったミサイルも改善され、実用に耐えうる性能となった。 --オペレーターは前作の5人から連邦側に1人、ジオン側に1人追加され計7人となった。 ---具体的には、連邦・ジオン共に3人を選択でき、『クライマックスU.C.』の「エレン・ロシュフィル」のみどの勢力でも選べる形となる。 ---ちなみに連邦側オペレーターは『宇宙、閃光の果てに・・・』に登場した「ミユ・タキザワ」、ジオン側オペレーターは『08小隊』に登場した「ケルゲレン子((出典は「08小隊」。作中で病院船ケルゲレンのオペレーターを務めていた。名前が設定されていないかったため、ファンからはこう呼ばれる。ちなみにゲーム中では「女性兵士」と表記される。))」である。&s(){開発スタッフ様、ばんざぁぁぁぁぁぁい!} -新システムの実装 --パイロットには常時発動する「パッシブスキル」とHP低下で発動する「アディショナルスキル」が用意された。 ---射撃or格闘ダメージが2倍になる「スナイパー/猛打」や、窮地に陥るとSPAゲージが全回復する「激情」、弾数が1.5倍になるがリロード時間も1.5倍になる「ジャンク屋」等、多種多様なスキルが存在している。 ---プレイヤーが使用するオリジナルパイロットの場合、名前・オールドタイプ(以下OT)/ニュータイプ(以下NT)・オペレーターによって所持スキルが変更される。 --僚機にはセレクトボタン+十字キーで「格闘/射撃/防御/SP」の行動指示ができるようになった。 ---特に僚機SPアタックを任意に発動させられるようになったのは大きく、これが状況を左右する事にもなりうる。 -ゲームバランス --全体的に大味なバランスになっており、グフやホビーハイザック等の極端なMSでない限りは簡単に雑魚を撃墜できるし、各勢力の最終ボス以外のエースでも(機体とチューンによるが)SPアタック1発で沈む。 ---慣れてしまえばこちらが雑魚にやられるような事は殆どなく、エースにやられる時も敵SPアタックが直撃した時くらいで、かなり簡単な部類と言っていい。 --しかし、本作の最大の評価点は「恐ろしく豊富な機体数」であり、それをバンバン使ってガンガン強化する事がコンセプトである。 ---つまりこの大味なゲームバランスは、豊富な機体をバリバリチューンする本作には実に都合がいいのである。そういう意味では実に良好なゲームバランスと言える。 ---元々低難易度である上に、気軽に遊べる携帯機という事もあり、軽快にサクサクプレイする事ができる。 --サクサク遊べるからと言ってボリュームがない訳ではない。機体は勿論、各種モードも大量に用意されているため、やり込もうとすればガッチガチにやり込む事も可能。 --前作ではSPアタックで敵を撃破した際、SPAゲージが増加していたが、本作ではSPアタックで倒した場合に限りSPAゲージが増加しなくなっている。これにより「SPAゲージが溜まり次第、SPアタック連発で殲滅」ということが出来なくなり、いつ使用するか、という戦略性が増した。 -グラフィック --流石に地面や戦艦・飛行機は近寄るとそれなりに粗があるが、MSやMAのグラフィックはPSPながらすこぶる良好。~ ガンダム史で観ても線が多い部類のSガンダム系からシンプルなジオン水泳部まで、モデルの完成度はボリュームを考えると相当な完成度。~ 細部にも拘っており、一例として高機動型ザク特有のスパイクアーマーのモールドや、ザクマインレイヤーの胸部・腕部の赤いマーキングが正確に再現されている。高機動型ザクが6機使える事といい、制作スタッフには重度のMSVファンがいる模様である。 --ちなみに一度でもキャンペーンで使えるようになれば、ギャラリー(MS図鑑)からいつでも鑑賞可能。しかし…(後述) --攻撃エフェクトもちゃんと作りこまれており、例えばズサ((「機動戦士ガンダムZZ」より。支援用と割り切ってミサイルを大量に搭載した、文字通りの移動式ミサイル砲台とでも言うべきMS))のような「ミサイルを乱射できる機体」で出撃すれば多数のミサイルが尾を引いて飛んでいく、所謂「板野サーカス」を堪能できる。 ---- **問題点 -更に影が薄くなる格闘 --シリーズ自体…というか原作の世界観からしてそうなのだが、格闘が今ひとつ使いにくい。~ システムからして、格闘を行う際に踏み込み(相手に接近する)が無く、その場で近接武器を振るので自分で密接しないとまず当たらない。~ 空中格闘は誘導があるものの、空中では一回しか格闘攻撃を行えず、外した場合は一度着地する必要があるため空中戦もできない。 --ガンガン使ってガンガン強化する本シリーズでは、効率の良いクリアには射撃の多用を余儀なくされるため((また高ランククリアを狙うためには、攻撃回数をいかに少なくするかを考える必要がある))、結果として格闘を使わなくなる。 --従来はガード不能だった格闘系SPAがガード可能になったという点も、格闘向きMSの使い勝手を下げている。 -更に目立つようになったフィールドの狭さ --機体の増加やルード分岐ミッションの追加により、より一層フィールドの狭さが目立つようになった。 --「EXAM」や「ALICE」など、SPAが機動力を大幅に上げるタイプの機体を使用した際に、一回のステップ動作でフィールド端の壁にぶつかる等、機動力が高くなった際に逆に移動に支障が出る様になってしまっている。 ---敵がエース機の場合は、体力が低下するとSPAを発動してくる場合も多く、それを避けようとしたら壁にぶつかって全弾命中したり、下記の分岐に接触してしまったりと、高機動との相性が致命的に悪くなってしまっている。 --ルート分岐ミッションでは戦闘中に一定範囲に入ると派生分岐し、ミッションが進行するのだが、フィールドが狭く、交戦中に分岐範囲が出現することがあり、敵の攻撃をステップで回避したら分岐に入ってしまう等が多い。 ---範囲の置きさもフィールドはマップの1/5ぐらいとなっているが、上記の通り高機動の機体は1回のステップで隅から隅へ行けてしまう為、意図せず入ってしまいやすい。 -相変わらず練り込みの足りないコンテナ輸送ミッション --ミッションの中にはフィールドに散らばったコンテナを指定箇所に集めるものがあるが、これが非常にめんどくさい。 --コンテナはロックオンできるものの、回収位置はロックオン等が出来ない為、完全マニュアルで行かなければならない。 ---その為、機動力の高い機体(ホバータイプ)等は、指定範囲でなかなか停止できず、飛び出してしまうこともしばしば。 --一番の問題は宇宙空間で、マップは2D表示にもかかわらず、回収位置は高さの範囲指定されている為、指定地に持って行っても回収扱いにならず、回収位置が自分より高いのか低いのかわからない。 -相変わらずのNT優遇 --これも原作からしてそうなのだが、オリジナルパイロットをパートナー共々OTにすると、「君は、刻の涙をみる」羽目になる。 --OTは初期能力が高くEXAM搭載機を使用できるが、成長率の関係からゲーム中盤辺りでどうしてもNTに逆転されてしまう。~ EXAM搭載機は『1st』にしか無く((しかも連邦・ジオンそれぞれに2機しかいないため、乗れなくても大したデメリットはない。また同時代にもこれより強い機体はいくらでもある。))、『Z』以降は強力な機体の大半がNT専用機であり、これを使えないのは戦力的にかなり痛い。 --特に映画作品である『CCA』のミッションは、元より登場機体が少ないため、OTだと3~4機にしか乗れない事になる。~ 一応リ・ガズィやギラ・ドーガでも十分クリアはできるが、主役機のνガンダムや&s(){ヤクト・ドーガ}サザビーが使えないのは悲しい。 --ただしセーブデータは12個まで作れる上、稼いだポイントも全データで共有されるので、困った時のやり直しは容易に行える。~ また、「特定ミッションを一定評価以上でクリア」すれば原作パイロットを使用できるため、そちらに頼るという手段もある。 -相変わらずステージの使い回しが多い --追加ステージもあるが、一つのステージが違う年代や勢力で何度も出るのは違和感がある。 -「MSチューン限界解除」のめんどくささ --MSチューン限界解除は「全勢力+全ビックターゲット+全ハイパーボスをS以上でクリア」が解禁条件になっている。~ しかし本作は機体とミッションが大幅に増加したため、これの解禁がかなりめんどくさくなってしまった。各勢力クリアで非常に強力な機体が使用可能になるため、Sランククリア自体は難しくないのだが、すこぶる時間が掛かる。 -パイロットの「パッシブスキル」と「アディショナルスキル」のランダム生成 --各スキルは任意で選べず、名前・オペレーター・NTか否かで算出・決定されるため、狙ったスキルの取得が難しい。~ 他はまだしも名前が特にネックで、「好きな名前に付けたいスキルで理想のパイロット」等はまずできない仕様である。 -パイロット選択で自分が作成したパートナーのパイロットが選べない --本作の成長システムは戦闘中の行動に紐づいてスキルが上がる仕様なので、プレイヤーの成長度合いに対して相方が育ちにくい。~ それに加えて「パートナーは操作キャラクターにできない」という仕様があり、意図的な育成が難しい状態となっている。 --また、パートナーは十分な戦力になるものの、被弾時と指示を受けた時しか喋らない。下手に目立つよりはいいかもしれないが… -僚機に出せる指示も大雑把すぎる --僚機には「戦闘についてどういう行動を重視するか」の指示を出せるようになったが、残念ながら「護衛対象の近くで迎撃させる」「撃墜目標を集中砲火する」などの細かい指示までは出せない。 ---ただし、「僚機に近い敵」「プレイヤー機がロックオンしている敵」を優先的に攻撃するらしいので、少なくとも後者については実際には(こちらで撃墜目標をロックオンしてやれば僚機もその敵を攻撃するため)そこまで困らないのだが。 --問題はコンテナ回収ミッションの場合、&bold(){コンテナに対して全く興味を示してくれない}。そのため手分けして回収するのは不可能。コンテナに勝手に攻撃して勝手に壊さない、と言えば利点なのだが。 ---こちらも、コンテナを拾ったら即座に敵機にロックオンを移すことでプレイヤー機がコンテナ回収を、僚機が敵機掃討を担当する形になるため、少なくとも単機で挑むよりは楽になる。 -コレクションモードのMS鑑賞がボリュームに比べると薄い --出てくるすべての機体(+戦艦・飛行機などの非プレイアブルユニット)を鑑賞できるのはいいのだが、のっしのっし歩いている姿((ホバー移動できるMSはホバー移動を、MAはただ前進をそれぞれしている))しか見られない。攻撃したりシールドを構えたり変形したり、あるいはガワラ立ちしたりカトキ立ちしたりはさせられない。 --武装も凝っている機体が多いだけに、コレクションでそこらへんも見せてほしいと思うプレイヤーもいるだろう。 --ただし、ただ突っ立ってるだけの敵機%%を思う存分いたぶれる%%相手に機体の試し乗りができる「演習」なるミッションがあるため、そこに行けばいつでもノーリスクで攻撃動作などを見ることはできる。 ---- **総評 軽快なプレイ感に圧倒的なボリューム、細かい粗もあるが、それを含めても余りある魅力を持っている。~ 特にガノタにとっては(実質「逆シャア」までとはいえ)その宇宙世紀規模のボリュームから血の涙を流して喜ぶ内容であろう。 ---- **余談 前作からゲーム自体はほぼそのままボリュームアップした本作だが、次作である「[[ガンダムアサルトサヴァイブ]]」では、宇宙世紀作品以外も取り入れ、システム周りなども別路線にシフトしてしまった。~ また、登場MSが大幅に増えたものの、逆にキャラが大幅に削除されてしまった((正確にはグラフィック・声が削除され名前のみになった))ため、この路線の続きを期待したファンにとっては残念な作品となってしまった。

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