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*ファイアーエムブレム 烈火の剣 【ふぁいあーえむぶれむ れっかのけん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/51TMS49589L.jpg,width=200);[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4411&file=fea.JPG]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4411&file=feb.JPG]]| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|128MbitROMカートリッジ|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|2003年4月25日|~| |定価|4,800円(税別)|~| |プレイ人数|1~4人|~| |セーブデータ|3個(製造時期によって電池版,フラッシュ版が存在)|~| |レーティング|CERO:全年齢(全年齢対象)|~| |周辺機器|通信ケーブル,GBAケーブル対応|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii U】2014年5月14日/702円(税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|初心者から上級者まで満足のゲームバランス&br;GBA三部作の中で最もボリュームがある|~| |>|>|CENTER:''[[ファイアーエムブレムシリーズ関連作品リンク>ファイアーエムブレムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 前作『[[封印の剣>ファイアーエムブレム 封印の剣]]』より20数年前を舞台とした作品。~ 前作キャラや縁ある人物が登場するなど前作のファンには嬉しいストーリー。~ システム、グラフィック共に前作の流用だが、ゲームバランスが絶妙に調整されている。 前作の過去の話という事で『前作をプレイしていないとストーリーが分からないのでは?』という不安の声も挙がっているが、後の『[[暁の女神>ファイアーエムブレム 暁の女神]]』や『[[新紋章>ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 ~光と影の英雄~]]』などとは違い、本作単体でもキャラクターやシナリオは独立して完成されており、1つの作品としても充分に馴染める構成となっており、あくまで『前作ファンなら察してニヤリと出来る』程度の繋がりに留まっている。~ (あくまで前者二作は前作の完結編…つまり前作ありきの構成になっている故単純比較は難しいが) なお、長い歴史を重ねてきたファイアーエムブレムシリーズにおいて、初めて海外でも発売された作品である。 **特徴・評価点 ***3人の主人公とマルチオープニング -ストーリーは新キャラの女剣士リンを主人公とする「リン編」、前作主人公の父エリウッドが主人公となる「エリウッド編」、そしてエリウッドの親友ヘクトルが主人公の「ヘクトル編」の3つ。 --ただし、初めてプレイする場合はかならずリン編からのスタートとなる。これはリン編が実質ゲームのチュートリアルであるため。リン編がすべて終了すると、ユニットの能力や軍師の設定などを引き継いでエリウッド編が始まる。 --2周目からは前作にも存在したハードモード((この時点ではリン編とエリウッド編のみ選択可能。ヘクトル編でハードモードを選択するには1回クリアする必要がある。))とヘクトル編が解禁。また、リン編をスキップできるようになる(その場合、リン編から参入してくるキャラはある程度育った状態からスタートする)。 ---ヘクトル編は基本的にエリウッドに同行するヘクトル視点で展開している為、大筋はエリウッド編と被りがち。しかし随所で彼視点の展開や専用の章が幾つか追加変更されていたり敵構成や行動等が抜本的に変更されていたり、ヘクトル編でしか仲間にならないキャラが数名存在したりと、エリウッド編との差別化はなされている。本作の黒幕の過去に深く触れる展開や、エリウッド編では途中半端な出番に終わったキャラの顛末が用意されているのもヘクトル編のみ。 --分岐や外伝章も多く、中にはエリウッド編、ヘクトル編のどちらかでしか出現しない面があるなど、ボリュームはかなり増量している。 -本作では「国家同士の戦争」は起こっておらず、「歴史の陰で暗躍している一大組織と戦う」というシリーズ異色のストーリーとなっている。国家単位での争い自体はあるが、諸侯内の反乱や跡継ぎ争い程度に留まっている。 --そのために戦争の重さなどの描写に乏しく、従来ファンからは「物足りない」「ストーリーがFEじゃない」と言われることもある。 --しかしその分ヒューマン・ドラマを重視した構成になっており、キャラの描写においては他作品以上に濃厚。展開自体も緻密に作りこまれている為評価は高い。敵組織である「黒い牙」に焦点を当てた展開が多さゆえに、敵サイドのキャラクターにも人気者が多い。[[最後まで仲間にならない敵幹部のロイドが公式人気投票7位に入る>http://www.nintendo.co.jp/n08/ae7j/k_tohyo/07loyd.html]]などはその最たる例だろう。 ---戦争こそ起こらないが、作中の会話から国家情勢そのものは当時からかなり不安定で((オスティア領地内に各国のスパイが多数潜んでいたり、「封印」で戦争を勃発させたベルン王国が本作当時から不穏な動きを見せて脅威として扱われている等。))、それらの作品では描けない『他国との軋轢に揺れ動く国家の負の一面』や『戦争寸前の駆け引きによる緊張感』等、暗く陰湿な描写そのものは少なくない。 ***ゲームバランス面 -前作の問題点であった「初心者への配慮」「戦闘バランスの悪い個所」は改善され、高評価であった支援会話システムは良さはそのままに後からの閲覧も可能になるなど、全般にわたってテコ入れがなされており、様々な面で前作から大幅にパワーアップしている。 --全体的な敵のステータスは前作より低下したほか取得経験値も増えている為、ノーマルなら同シリーズ作品に不慣れな人でも十分最後まで行けるようになっている。 --ハードモードも前作での序盤の詰将棋っぷりが改善された一方で、出現枠の大幅減少、敵の編成が1週目と違うマップがあるなど「難しいが理不尽ではない」絶妙な調整となっている。特に顕著なのはヘクトル編ハードで、これまでの知識を総動員することでクリアが見えてくる。 ---ハードブーストも健在だが、全体的にパラメータ補正が控えめ&均一になり、前作のように飛び抜けた初期値を持つ寝返りユニットはほぼ居なくなった。 -前作から引き続き、オートセーブシステムやRボタンによるヘルプ機能など充実したサポート周り。 --設定オプションの項目も大変充実しており、設定次第ではSFC時代のFEとまったく変わらない遊び方もできる。 -クラス・戦闘バランス --一部クラス性能の調整 ---前作では必殺率+30%と高いステータスで驚異のキルマシーンっぷりを発揮していたソードマスターは必殺率補正が+15%に下がったおかげで鳴りはひそまっている。 ---同じ必殺補正を持つバーサーカー(本作では狂戦士と表記)も同様。 ---同じく前作において剣と弓の2つの武器を使える、ステータス上限がソードマスターとほぼ同値・キャラの成長率も高く騎馬特攻を受けないなど、ソードマスターと対をなす強クラスだった遊牧騎兵も全体的に成長率が抑えられ、騎馬特攻が有効になった((厳密には遊牧騎兵に弱点が増えたのではなく、特攻武器の効果が「ナイト系に特攻」から「騎馬全般に特攻」に効果範囲が広がったため、トルバドールやヴァルキュリアにも特効が付く。その為か「ナイトキラー」が「ホースキラー」に変更。))、本作では1人しか加入しないなどの理由により弱体化した。 --能力値の上限も見直され、総合的には歩兵>騎馬系となり、マップの広さも全体的に見れば減少したため、前作では高能力かつ高機動力の騎馬系ユニットのせいで割を食っていた歩兵系も活躍できるようになった。 ---ただし要所要所で広大なマップや素早い進軍が求められるマップもあり、両兵種共に平等に活躍させるよう調整されている。 --前作では一流の光魔法使いを育てるのに苦労したが、本作では下級職の時点で光魔法が使える「修道士」が追加されたため楽になった。 ---光魔法自体も威力、命中等の低さでオマケ程度でしかなかった前作から強化。『威力は低めだが命中と必殺が高い』というポジションになり、魔法の数も幾つか追加されている。 --輸送隊は最初は動けないテントだが、出撃枠を食わずに出撃させる事が出来る。そして死なせずにマップをクリアする事で成長していくと、馬車に自動でクラスチェンジする。死んでもノーリスクで復活する囮としての運用ができるようになった。 ---前作ではアイテムを持ちきれなくなった時に輸送隊に送る事が出来たが、今作では輸送隊がマップにいないと不可能になるなど、輸送隊を防衛させる意義は大きい。 --「貴重品を持った敵や宝箱が各ステージに配置される」「上級職の『アサシン』にクラスチェンジできるようになった」といった変更により、盗賊の運用がより重要になった。 ---その分、仲間になる盗賊や鍵の使用回数も減少し、アサシンにクラスチェンジすると戦闘力は上がるが盗むコマンドが使えなくなるなど、慎重に運用する必要が出てきた。 --複数の武器LVをSにすることができなくなった。 ---例えばパラディンの場合、槍をSにすると、剣と斧をどれほど使ってもAで止まる。 ---そのため弓Sのウォーリアや斧Sのパラディンなどを育成するのが困難になっている。 ---杖をSにしてしまうと他の魔法をSにできなくなり、しかも杖Sでないと使えない魔法は存在しないといった問題が発生している。詳しいことは下記。 --武器の命中が全体的に底上げされ、武器の三すくみによる命中率補正も強化されたため、封印の剣で問題になっていた避けゲー化の問題が緩和された。 ---特に斧の強化が目覚ましく、斧不遇の時代は本作で終わったといってもいい。主人公の1人ヘクトルは強力な専用武器も幾つか用意されており、攻守共に高い成長率を誇る為、シリ-ズを通しても最強クラスの斧使いである。 --また、武器の3すくみについては「バスター」系の武器に専用の補正も追加されている。この武器と相性が悪い種類の武器で戦うと、((同じ「バスター」系の武器の場合は通常の3すくみが適用される))通常の3すくみの2倍命中面で不利になってしまい、回避が高いユニットでも躱せない事が多い。逆に有利なら+30%の補正がつく為、これらの武器の価値が良くも悪くも高まったと言える。 ---その中でも「ソードキラー」という斧は上記のバスター系の強力な補正に加え、素の命中率が全斧中でもトップクラス+歩兵剣士系クラス(傭兵や剣士系)に対する特効があるなど凄まじい強さを誇る。重さもそれほどではなく、必殺率+5も地味に大きい。終盤で1つだけ入手出来るが基本的には敵専用なので、前作で回避ゲーの中心を担っていた味方の剣士系ユニットの運用により気を使う必要が出た。~ あまりの高性能ぶりから、「神器ソードキラー」とネタにされる事も。 --ラスボスが飛躍的に強化された ---HPが120まで上昇、守備や魔防も特効武器以外では満足にダメージにならない程に上昇、攻撃面も180近くの命中と守備力無視の37もの固定ダメージ、射程も1~3と長弓並になった。更に特効武器の重さ上昇…等、前作とは比較にならない程強化されている。前作のように特効武器の間接攻撃で一撃必殺…という事はまず不可能。 ---動かないのが唯一の救いだが、周囲から強力な遠距離魔法や異常状態杖が飛んでくる事もあり、単純に特攻を繰り返すだけでは倒せないようにもなっている。…のだが(後述) --魔道書の『重さ』が前作に比べて全体的に増加した。 ---恐らく前作における魔法が強力過ぎた((前作では重さが殆ど無く、敵の魔防も軒並み低めだった))為の処置と思われる。中位レベルの時点で重さが10前後になってる他、特に遠距離魔法は重さが最大の20になった等、使いづらくなっている。ボスの魔防も全体的に上げられている。 --アーチャー&スナイパー専用の『シューター』の仕様が変わった。 ---前作では固定されており、配置も敵側に有利で奪ってもあまりおいしくない微妙なものだったが、本作では移動式になった上、自軍に有利な位置に配置される事も多くなり、ある程度使いやすくなった。アーチャー系ユニットの成長率上昇等も合わさって、アーチャー系ユニットの存在価値の向上の一員となっている。 ---ただしシューターを使うには一度『乗る』コマンドでシューターに乗っている状態にしないとならないのだが、このコマンドを実行した時点でそのユニットは待機状態になってしまう。動かしたり攻撃するのは次ターン以降になる。『降りる』も同様。また前作にはあったシューター専用の戦闘画面も無くなっている。重さも全て20なので、手軽に使えるとは言い難いが。 -前作の勝利条件が「敵拠点の制圧」のみだったのに対し、「敵の全滅」「特定人物の護衛」「○ターンの間拠点を防衛する」等が追加された。 ***システム面 -支援会話システムの強化・改良 --発生条件が前作から変更され、1つの章で2段階支援レベルを上げるような事は出来なくなった代わりに、1つの章につき一段階のみだが支援会話の発生に制限が無くなった。 ---肝心の中身もボリュームアップ。非常にテンポがよく、範囲もギャグからシリアスまで幅広い。 --クリア後に前作では無かった支援会話、戦績履歴が閲覧可能に。これにより全ての支援会話を埋めるやりこみ要素が生まれた。 --主人公以外の一部のキャラも支援によって後日談が変わるようになった。キャラのファンにとっても嬉しい仕様であり、以降のシリーズではこの後日談の仕様が引き継がれることになる。 --しかし支援会話をすることによって発生する支援効果については、前作ほどではないもののゲームバランスに影響する程強すぎるため、賛否両論である(後述)。 --また、本作では味方だけではなく一部ボス敵にも支援関係がある。 ---しかも全ての組み合わせが支援Aと最高レベルだが、マップ上では互いの距離が離れ過ぎていたり同時に参戦しなかったりとその効果を実感する場面は少ない。しかし終章で出てくる2人は一緒に行動する為、ほぼ確実に支援効果が上乗せされる。効果も短所を大きく補う絶妙なものな為、此方のエースユニットすら凌駕するパラメーターも相まって本作屈指の強敵ペアとして立ちはだかる。 -「占い師」の登場により、これまでノーヒントだったイベント発生条件が事前に分かるようになった。 -前作に引き続き、育てたユニット同士で戦わせることが出来る通信闘技場も搭載。 -サウンドルームでは前作の曲のアレンジバージョンが数曲聴ける(条件あり。また、ストーリー上でもアレンジされ使われている前作曲はある)など前作ファンにも嬉しい要素も。 --BGM自体もバリエーションや曲数が増えた他楽曲自体の評価が高く、前作のアレンジも数多い。 --戦闘曲は通常戦闘からボス戦などたくさんあるのだが、そのどれもが高い評価を得ている。特に通常戦闘曲はとても印象に残りやすいと高評価。後にスマブラXにて伊藤賢治氏がアレンジを担当している。 -出撃準備の段階でアイテムを使用出来るようになった。 --前作ではクラスチェンジや能力強化アイテムを前の章で入手し、「あっ、使い忘れた」という場合になっても使えるのは次の章が始まってからであり、その為に1ターン分の行動を無駄にしないといけなかった。複数のアイテムを使う場合はその分のターンがほぼ無駄な行動になってしまいがちであった。 --本作ではこれらのアイテムを出撃画面で使えるようになり、章を攻略する前にキャラをクラスチェンジさせたり、複数の能力強化アイテムを費やした上で攻略が開始出来るようになった。 ***その他 -「外伝」の仕様の変更 --前作ではトゥルーエンドを見る為には全ての外伝を回らなければならず、初心者には厳しい所もあったが、本作ではあくまで『シナリオの更なる掘り下げ兼育成、貴重なアイテム入手の場』といったものになり、1つも外伝に行かなくても最後まで進めるようになった。「外伝」から更に分岐する「異伝」も存在する。 ---外伝への進出も選択制になっており、条件を満たしても敢えて外伝に進まないことも可能。ただ外伝の多くは貴重なアイテムや武具が・経験値の多い敵キャラも多く出現する。外伝でしか出て来ない設定や展開・キャラクターも多く居る為、進んでおいて損は無い。 -イベントの随所で一枚絵が挿入されるようになった。 --後から見返すこともできるようになっている。 -クリア回数に応じた隠しエンディングも用意された。 --なお、この隠しエンディングはコンビニ連動を使用すれば1周目から見ることもできた。 -シリーズの中でも顔グラフィックの評価が高い。 --本作はシリーズの中でもとりわけ美形キャラが多いという特徴があるが、従来のような童顔や細面の美形ばかりでなくハリウッド俳優のようなワイルドな無精髭を蓄えていたり、中性的なビジュアル系など年齢の高いキャラもファッション性の高い描き分けがされるようになり、また従来少年として描かれる事の多かった主人公キャラも青年といった風貌に描かれ、年齢以上に幼く見えるキャラクターデザインなどは少なくなってきた。 --前作『封印の剣』の一部キャラクターも若い姿で登場する。中には前作をやっているとそのギャップに驚くであろう容姿と性格のキャラクターもおり、「なぜあのような性格のキャラクターが封印の剣でこうなってしまったのか」といった考察も面白い。これについては断片的ではあるが伏線も張られている。 ---また主人公3人のみだが、イベントの場面によって顔グラフィックが変化するのも特徴。バリエーションは『怒り』『悲しみ』『正面(軍師≒プレイヤーの方)を向く』程度と少なめだが、その場面での主人公達の感情がより分かりやすくなり、臨場感を高めるのに一役買っている。 -キャラごとの戦闘時のグラフィックが、汎用グラの改変で個別に髪型や服装などかなりの数が追加されたため、顔グラと戦闘時がまるで別人という事態はほとんどなくなった。一部の敵ユニットにも用意されている。 --狂戦士のクラスで仲間になるホークアイに至っては、汎用クラスでありながら完全オリジナルのグラフィックと攻撃モーションが与えられる等、他作品以上にキャラの個性を尊重しているつくりになっている。 -細かい部分だが、一部クラスのグラフィックも前作から変化している。 --『アーチャー&スナイパー』『ソードマスター』『司祭』『賢者』等。前作ではやや不明瞭だった頭部(髪)や顔面がしっかり描かれ、一部は衣服も更に作りこまれている。 -前作でも搭載された総合評価システムは健在。全体的に前作より基準が厳しくなっており、そう簡単に最大評価である評価Sは取れない。 --特に、ヘクトル編ハードで最高評価を狙うと最近シリーズ作品の最高難易度にも勝るとも劣らない鬼畜難易度と化す。~ インフレした敵とのギリギリの一線でのガチンコ勝負になりがちなルナティックとの決定的な違いは、全てにおいて一切の無駄が無い超効率的なプレイを要求されるという事である。 ---つまり最速ターンを目指しつつ出撃ユニット全員に平均的な育成の機会を与え、かつ戦闘になった相手の打ち漏らしを極限まで無くし、その中で入手出来る限られた金銭やアイテムを無駄無く使いきらなければならない。((資金評価の対象は純粋な持ち金のみならず所有アイテム自体にもある為、不要なCC・ドーピング・果ては換金用アイテムも迂闊な売却は出来ない))無論仲間の全員加入&全員生存は必須。回り道的な育成や資金稼ぎがほぼ不可能になる為、技能のみならず咄嗟の機転やあらゆる応用テクを駆使しなければ評価Sの達成は出来ない。「ルナティック」の攻略ともまた異質なベクトルでの難易度である。 --最大評価で隠し要素が解禁されたりなどといったものはないので、あくまでやりこみ要素の範疇なのが幸い。 -所謂「魔法剣」の攻撃力の計算が変更された。 --前作での「ひかりの剣」は間接攻撃の場合一律10ダメージだったのが、「力÷2+武器の威力-相手の魔防」というものに変更。より魔法剣らしくなった。「ルーンソード」も同様。 -前作ではこちらが入手出来なかった、一部の武器や杖等が通常入手出来るようになった。((「ゆうしゃの剣」「フィンブル」「スレンドスピア」等)) -若干ながらソフトリセットの仕様が変化している。 --前作ではソフトリセットをすると無条件にタイトル画面に戻っていたが、本作ではソフトリセットのコマンドを長押しすると一気に中断データが再開されるようになった。育成の吟味等におけるテンポの向上等に繋がっている。 **問題点、賛否両論点 ***ゲームバランス面 -エリウッド専用武器の「デュランダル」、リン専用武器の「ソール・カティ」が扱いづらい --デュランダルはそれなりに高い性能と竜特効を持つ代りにかなりの重量を誇り、エリウッドの体格の低さも相まって攻速が大きく下がる。結果追撃がほぼ出来ず総合的な火力が低い((エリウッドの体格は上級職では9で速さ上限値は24。デュランダルの重量は17でこの時の攻速は16。))。最悪こちらが追撃されて即死というあんまりな事態になることも…((特にラスボスは速さをカンストさせるか体格をドーピングしないと必ず追撃される。『新暗黒竜』のマルスの前身と言える。))。体格を上げる「ボディリング」も幾つか手に入るが全て費やしても完全に解決出来ない上、体格を補うことで強くなるキャラも他に居る為実用的ではない。 ---前作でも要求武器LVSの神将器として入手出来るが、重さは12と本作よりも軽く、更に特定ユニットの専用武器という訳でもなかった。しかも威力や命中は据え置きである。使用回数は僅かに本作の方が多いが、使うマップが2つしか無い為、前作と異なりあまり重視されない。同じ専用武器なら、終章の前半ではレイピアの方が活躍できる。 --更に、デュランダルを装備したエリウッドが劇中のイベントである重大な失態を犯してしまう事も批判の一端を担っている。イベントではあたかも「強力であるがゆえに悲劇を生んでしまった武器」かのように見せておきながらいざ入手するとご覧の有様なため、「''劣化''の剣」「デブ剣」などと散々にこき下ろされてしまった。 ---唯一の救いは、かなり凝った専用アニメーションが用意されている事。特に必殺時のモーションは一見の価値あり。 --ソール・カティもその重さからリンの長所である速さを潰すという同様の難点を持つ。必殺率25や竜特効はあるものの威力単体で見れば汎用武器のぎんの剣より弱く、リンの力やHPの低さと相まっていまいち効果的ではない。 ---さらに「国内版では専用アニメーションを見ることができない」という不具合まであり、彼女には手軽かつレイピアと同等の特効があるマーニ・カティがある為、支援等で攻撃力や必殺率を固めればこちらの方が使いやすい事も多々。終章の敵やボスにもこの特効が発生するクラスが多い。 ---また、エリウッドやヘクトルの専用武器は前作でも重要アイテム『神将器』として登場していたものだが、ソール・カティはポッと出の武器であり、序盤からイベントを経て手に入る彼女の愛刀マーニ・カティの方が印象に残りがち。 ---因みに国内版で専用アニメが見られない原因は&bold(){リンがデュランダルを装備した時に見られる設定になっているため}。当然正規の方法では見られないが、非正規の方法で見られるアニメを見る限り、開発当初はデュランダルがリンの専用武器となっていたと思われる。エリウッドの件といいつくづく報われない武器である。 --なお、これらの武器は手に入るタイミングも最終マップの直前(2マップ構成だが、後半は事実上ラスボスとの戦いのみ)なので、人によっては全く使われずに終わることも。 -使い辛すぎる上位武器 --上記の「デュランダル」「ソール・カティ」以外にも、一部武器はやりすぎなくらいに重量が重く設定されており、本編、対戦どちらでも全く使い物にならない武器が存在する。 --魔法、特に光や闇魔法の上位武器は異常に重く、使い手の速さがカンストしていても雑魚相手にすら追撃が出せないほどに重い((前者は体格6程度のキャラに重さ14~16、後者は体格8に対して18や20。))ため、よっぽどのことが無ければ軽い下級魔法で追撃した方が強く、使う意義がまるで見いだせない。 --当然、これらを主力とするキャラが通信闘技場で出ても、上位武器を持った瞬間にジェネラル(体格と武器の都合でまず攻速落ちしない)にすら容易に追撃される以上戦力にならない始末。 -闇魔法「ルナ」の強力すぎる性能 --魔法自体の威力が0である代わりに、敵の魔防を完全無視してダメージを与えられる。さらに命中95、必殺値20と他の性能も極めて優秀。「攻撃力は高いが命中が低い」という特徴の闇魔導士との相性は極めて抜群で、これさえあればラスボスですら1ターンキルが可能になってしまうほどの極悪性能を誇り、プレイヤーからは「闇の神将器」とまで言われる((実際、ラスボス相手に神将器よりこちらのほうが威力が出ることが多い))。重さ12とやや重いが、歯止めをかけるほどにはなっていない。 --自軍側で使えるユニットが専門家1人+最終マップ限定のお助けキャラ1人だけなので、知らないと利用価値に気付かず終わることも少なくない。しかし、ハードモードではこれを所持した闇魔道士が頻繁に登場し、必殺を受けると最悪HPカンストからの即死もありうるので若干運ゲーとなってしまう。ただし、これは極端な回避ゲーにならない程度に難易度にメリハリをつけるための意図的な調整であると思われ、事実ある程度進めば支援効果や特定のアイテムで必殺率を0に抑えることもできるため完全な運ゲーにはならない。 --とはいえこの調整はプレイヤーからは非難囂々であり、さすがにこれはまずかったとスタッフも思ったのか、次回作では命中を50まで低下させてバランスを取った。 -依然支援効果が強すぎる --発生条件の変更や闘技場では適用されなくなる、組み合わせも所々見直されてはいるが、支援効果を強力な要素にしているステータス補正そのものは前作と同じな為、多少時間をかけて支援関係を固めるとユニットが凄まじく強くなり、結果的に前作と大差無い避けゲーor必殺による無双ゲーになりうる。 ---また、全体的に敵の幸運が低い((事実、ザコ敵の幸運は殆ど0な上、終盤のボスの多くも幸運もとある設定上0。GBA版FEでザコ敵の幸運が軒並み0なのは本作のみ。))ことからか必殺率上昇が強く目立っている。必殺重視の支援を組み、武器LVをSにするだけでも常に40前後もの高い必殺率を保ててしまう。支援会話とセットなため支援しなければいいという手も使いにくいのも困ったところ。~ -編成画面で武器を買えなくなったため、買い置きを忘れると最悪詰む可能性がある。 --意図的な仕様であり、ゲーム内でも警告される。 ***システム面 -軍師システム --本作の新要素の一つに、「プレイヤーの分身である『軍師』を設定できる」というものがあるが、いまいち存在感が薄い。 ---ゲーム的な効果は軍師と同じ属性(誕生日・血液型で決定される)のユニットの命中と回避と必殺回避が評価分の数値が上昇するのみ。違う属性のキャラでも必殺回避率のみ上昇するが。~ ただ、最高評価でもキャラ同士の支援よりも効果が小さく、今ひとつ実感しづらい。普通の支援効果と違い闘技場でも恩恵を受けられるという利点はあるが…。 ---「同行する占い師や笛吹き(バード)から次の面のヒントを有料で聞ける((但し非常に格安。また、中半以降は無料になる))」というシステムがあるので軍師の立場がない。救済措置としてはありか。 ---リン編は軍師の存在を前提にストーリーが作られており、またチュートリアルも兼ねているので頻繁に話しかけられるが、エリウッド・ヘクトル編では時々話しかけられる程度で基本空気。2周目以降、エリウッド・ヘクトル編から始める場合は設定しないことも可能。ただし設定することによるデメリットは無く、逆に設定することで得られるメリットはある(軍師を設定しないと見られないエンディングもある)のでとりあえず設定した方が得。 ---「全く喋らない」「顔グラフィックもない(ユニットとしてのグラフィックはごく一部の場面でちらっと映る程度)」というのが難。新しい試みであったため、慎重気味であったと思われる。後にこの試みを踏み台に『新・紋章の謎』や『覚醒』ではプレイヤーの分身たる「マイユニット」が登場するが、『覚醒』のそれはストーリーの根本に深く関わり作中での活躍も表立っている等、もはや独立したキャラになりつつある事から賛否両論となったため、このぐらいの存在感がよいとする声も。 -リン編のチュートリアルはあまりにも丁寧なのに1周目では「強制的に」見せられる。 --しかも説明だけではなく、いちいちその通りの行動を強制されてしまう。経験者にとってはかなり煩わしい。 ---特に序章では、「当たれば倒せるけど外れれば反撃で死ぬかもしれない」攻撃を実行させられる((この戦闘結果は固定されているので実際に死ぬことはないが))。死亡のリスクを冒さないのが本シリーズの鉄則であり、チュートリアルとして明らかに不適切。 --ハードモードならチュートリアルを見なくてすむのだが、そのハードモードもリン編スキップの仕様も一周クリア後に解禁されるため、FEに慣れ親しんだ昔からのファンにはおせっかいに感じてしまう。 ---更に言うと、ノーマルとの差はチュートリアルの有無だけで、エリウッド編以降のような難易度上昇が無い為、わざわざ2つのモードで分ける必要性自体疑わしい。 --前作『封印の剣』のクリアデータを連動させるとリン編を飛ばしていきなりエリウッド編から始められる……のだが、リン編の予備知識がないとエリウッド編のシナリオが少々唐突に感じられる部分もあるので、結局1回はプレイしておかないと何かしら困る。 -トライアルマップが無くなっている。 --前作ではクリアを重ねることによって、重要な敵として登場したユニットや劇中に登場したが戦闘に参加しなかったユニットがトライアルマップで使用できた。今作にも魅力的な敵ユニットやNPCユニットがいただけに残念。 --また、これによって通信闘技場以外でクリアデータのパーティーを使う機会が無くなってしまった。 -「杖」の武器LVをSにする意味が無い。 --本作では武器や魔法のLVを最高のSにすると命中、必殺率に+5の補正がかかるようになる他、一部の神将器や最強武器を装備出来るようになる。しかし、杖LVはSにしても何ら恩恵が無く、封印での「聖女の杖」や聖魔での「ラトナ」といったLVSでなければ装備出来ない杖も存在せず、杖を極める意味が無い。 ---しかも厄介な事に、本作では複数の武器を扱うキャラでもSに出来る武器は一種類のみで、杖主体のトルバドールからクラスチェンジしたヴァルキュリアや、シスターからクラスチェンジした司祭等が魔法よりも杖LVを先に極めてしまう事態は意識しない限り簡単に起こる((普通にライブなどを振って下級LV20まで育ててきた場合、クラスチェンジすると大体杖AとSの中間程度の状態からスタートしてしまう。))。せめて回復量や射程範囲の補正をかけるなり、LVSを要求する杖を用意するなりやりようがあったはず。 //ドルバドールではなく「ト」ルバドールです ***ストーリー面 全体で見れば緻密に作りこまれているが、一部の描写や展開に粗が見受けられる。 -とあるキャラの復活 --終盤のイベントで、悲惨な死を遂げたハズのキャラが伏線も何も無く唐突に蘇生する。理由は軽く推測する程度に触れられているが、唐突感を打ち消すにはあまりに力不足。 --今作は特にTVCMでまで「失った仲間には二度と会えない」とキャッチコピーを強調しているのでより目につく。 ---また、それより前にそのキャラを失ったエリウッドが失意の渦中に陥るも、そこから立ち直り再び戦う意思を取り戻す…という大きな見せ場を経る為、ナチュラルにそれを台無しにしているとも取れる。 --他にも「システム上ロストするが、設定上死なないキャラ」が結構な割合で存在する。それらのキャラは『封印の剣』との兼ね合いがあるため仕方のないところではある。一方で、死亡してもさほど支障はなさそうなのに撤退扱いのキャラもいたりする。 //--FEは死んだキャラはシナリオ上においても二度と生き返らないシビアさを売りにしていた側面もあるので、この辺りは好みが分かれてしまうだろう。ただし、条件、手段共に厳しいが初代作から復活させる手段は存在していたことを忘れてはならない(本作での演出もそれらと同等に難しいものであることを伺わせている)。 //ストーリー中の描写の問題で、システム面での「蘇生」とはまた違う為このフォローは見当違い //ちなみに『聖戦の系譜』にも隠し要素として、とある重要人物の蘇生がある。 //↑何の事ですか? バグでもない限りそんなものはないと思いますが。 //バルキリーは別に隠しではないですし、レヴィンかエーヴェルの事を言っているのならそれはストーリー上の表現だと思います。 -一部支援会話の状況が不自然。 --『封印』の頃から一部戦場で見るには不自然な状況が見られたが、本作では家族への手紙を書く、飾りを作る、因縁があるとは言え味方同士で殺し合うなどを戦場でやらかしている。 --この現象はGBAシリーズ通しての問題点だったが、蒼炎以降は拠点で支援会話を行うようにすることで解消された。 -一部演出に難有り。 --マップ開始、イベント→敵兵や敵将が自軍の目の前まで走って(もしくはワープで)やってきて宣戦布告→そそくさと帰ってゆく→出撃準備画面~ という流れが序盤から終盤までかなりの頻度で用いられている。ここまで来るとギャグか? ---本作のシナリオの流れは従来作品のように「こちらから攻め込む」というより「襲撃を受けて応戦する」というシチュエーションが多い為、致し方ない面も無い訳ではない。 ---また、やってきた敵将等が逃げずその場で戦闘を始めてしまうと、「出撃の準備」という行為自体が状況的に矛盾しSRPGとして成り立たなくなるため、多少不自然でも敵を退かせないとならない一面もある。 --当時の雑誌インタビューによると本作では「満足のゆく演出ができた」らしい。おそらくは一枚絵の事なのだろうが。 ***その他 -誤字・脱字が妙に多い。 --単なる似た漢字の変換間違いから「こそどろ」→「ころどろ」などのオイオイという間違いまで。 -細かい不具合・バグも多い --セリフを言うキャラや、イベントでのマップ上グラフィックの指定が間違っている。 --魔道書の「フィンブル」を装備してラスボスに「反撃」すると必ずフリーズする。 --「フレイボム」と言うアイテムの効果が発動すると同時にリセットして再開すると、敵軍を操作可能になる。これにより相手のアイテムをかなりいじれる事が可能で、ある章のボスが持つ武器をこのバグで装備するとステータスにかなりの補正がかかる。ただし、セーブデータに不具合が起きる可能性もある。 --リン編とエリウッド・ヘクトル編のラスの体格の値が異なる。また、ノーマルでは汎用職でありながら上限値を突破しているあるボスが、ハードでは上限値が職通りになり、大きく弱体化している。 --斧使いの山賊なのに剣の武器レベルがあったり、剣使いの傭兵なのに槍を持っているところも一部見られる。 ---どうやらこれらの起因は前述の誤字・脱字と同じくか、開発期間の短さ故にチェックしきれずにリリースされてしまった模様。 --後発の北米版ではこれらの不具合・バグは修正されている。 -限定アイテム・限定BGMの存在。 --「月刊任天堂店頭デモ」(当時一部の店頭にあったゲームキューブの試遊台。新作の体験版のプレイやムービーの再生ができた。)の2003年5月号と6月号にてアイテムなどの配信が行われた。(内容は各月で異なる。)~ 軍師の名を冠する「○○の(武器)」など他では入手不可能なものも含めたアイテムのセットや、同じく入手不可能なBGM「神竜伝説」を受け取れた。~ セットは各月それぞれ二者択一であり、「○○○の剣を含むセットを貰うと○○○の斧が貰えない」という、コンプ派を困らせる仕様だった。 ---データをダウンロードする時は、八神将の一人である聖女エリミーヌがボイス付きで登場した。非常に短い内容ながら、『[[ファイアーエムブレム 覚醒]]』などとは違いフルボイスである。 ---月刊任天堂はその名の通り毎月内容が変わる上に、限られた店舗にしか設置されておらず、コントローラなどを繋がずにムービーの再生のみを行っていた店舗もあったので、入手に苦労した人も少なくなかった。 --雑誌「Vジャンプ」では、特別なデータの入った本作のプレゼントが行われた。こちらには竜特効のある武器「ドラゴンアクス」や限定BGM「シレジア王宮」が収録されている。 ---雑誌の懸賞品なので、入手難易度は月刊任天堂とは比較にならないほど高かった。もっとも、今となってはどちらも入手はほぼ不可能だが…。 --北米版に限っては、これらのアイテム・BGMは北米版『[[マリオカート ダブルダッシュ!!]]』のボーナスディスクを使えば簡単に取る事が可能。~ このディスクで手に入るものの中には、間接攻撃可能な「かぜの剣」など、日本では最後まで手に入らなかったアイテムも含まれている。 --ちなみに、ドラゴンアクスやかぜの剣は[[次回作>ファイアーエムブレム 聖魔の光石]]で通常入手することが可能。~ ただし、限定アイテムがなくなった訳ではなく、あちらには国内ではイベント配布限定(二者択一)で海外では完全に入手不可能というアイテムが存在する。 **総評 前作の不満点を洗い出して改良した結果非常に高い完成度となり、現在ではGBA三部作の中において最も高く評価されている。~ それだけに細かい不備や不具合がどうしても目に付いてしまうのが残念である。 **余談 -今作の主人公の1人であるヘクトルのキャラが受けたためか、後継作品にて登場してくるメインの男主人公はマルスのような品行方正な王子系ではなく、ワイルドなヘクトルタイプが主流となっている。 --そしてそのどれもが高い人気を得ている。なお『新・紋章』に新たな主人公として登場するマイユニットも(意図したかどうかは定かではないが)これに近い性格付けをされている。対して『覚醒』のマイユニットはこの兼ね合いにより、マルスに近い冷静なタイプがデフォルトとなる。 -前作で交わされたやりとりによると、ヘクトルには「オルン」という従弟がいたらしいのだが、本作ではチラリとも(名前はおろかそれを臭わす描写すら)出てこない。 --ヘクトルが本作でもサブキャラ相当なら妥当だったが、仮にも主役(の一人)の血縁者が話題にも上らないとは…。 -公式設定資料集『ファイアーエムブレムキャラクターズ 封印の剣&烈火の剣』は、地方の本屋では「売れない」と言う理由で予約しないと入荷しない程の扱いになってしまった。 --現在はプレミア価格だがそのメインであるキャラクター紹介のほとんどがネットに違法流出してしまっている。 --更に、この作品と前作込みで以降のFE作品で公式設定資料集は2010年6月30日に発売の小学館「20th Anniversary ファイアーエムブレム大全」の間、出ていない。 -光文社から烈火の剣の4コマ漫画が発売する予定だったが、途中で発売中止になった。 -ある女密偵のクラスが[[ゲーム上・公式設定では盗賊>http://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/rekka/character/character08.html]]だが、[[能力上はアサシン>http://www.pegasusknight.com/mb/fe7/et_bugs.html#IDX19]]だという疑惑がある。 -CMに平井堅のLIFE is…、まだデビューしたての堀北真希が起用されている。%%現在は本人的に無かったことにされているが。%% --ちなみに公式サイトでは、[[現在でも(当時の)堀北真希のPC用壁紙が配布されている。>http://www.nintendo.co.jp/n08/ae7j/etc/index.html]] -『[[スマブラX>大乱闘スマッシュブラザーズX]]』及び『[[スマブラfor>大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』にリンがアシストキャラクターとして登場する。 --またニニアン,ヘクトル,ギィ,エリウッドは『X』にシールとして登場している。 -Wii Uで本作が配信された直後(5月19日)のダウンロードソフトランキングで首位を獲得した。
*ファイアーエムブレム 烈火の剣 【ふぁいあーえむぶれむ れっかのけん】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&image(http://ecx.images-amazon.com/images/I/51TMS49589L.jpg,width=200);[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4411&file=fea.JPG]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=4411&file=feb.JPG]]| |対応機種|ゲームボーイアドバンス|~| |メディア|128MbitROMカートリッジ|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|2003年4月25日|~| |定価|4,800円(税別)|~| |プレイ人数|1~4人|~| |セーブデータ|3個(製造時期によって電池版,フラッシュ版が存在)|~| |レーティング|CERO:全年齢(全年齢対象)|~| |周辺機器|通信ケーブル,GBAケーブル対応|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii U】2014年5月14日/702円(税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|初心者から上級者まで満足のゲームバランス&br;GBA三部作の中で最もボリュームがある|~| |>|>|CENTER:''[[ファイアーエムブレムシリーズ関連作品リンク>ファイアーエムブレムシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 前作『[[封印の剣>ファイアーエムブレム 封印の剣]]』より20数年前を舞台とした作品。~ 前作キャラや縁ある人物が登場するなど前作のファンには嬉しいストーリー。~ システム、グラフィック共に前作の流用だが、ゲームバランスが絶妙に調整されている。 前作の過去の話という事で『前作をプレイしていないとストーリーが分からないのでは?』という不安の声も挙がっているが、後の『[[暁の女神>ファイアーエムブレム 暁の女神]]』や『[[新紋章>ファイアーエムブレム 新・紋章の謎 ~光と影の英雄~]]』などとは違い、本作単体でもキャラクターやシナリオは独立して完成されており、1つの作品としても充分に馴染める構成となっており、あくまで『前作ファンなら察してニヤリと出来る』程度の繋がりに留まっている。~ (あくまで前者二作は前作の完結編…つまり前作ありきの構成になっている故単純比較は難しいが) なお、長い歴史を重ねてきたファイアーエムブレムシリーズにおいて、初めて海外でも発売された作品である。 **特徴・評価点 ***3人の主人公とマルチオープニング -ストーリーは新キャラの女剣士リンを主人公とする「リン編」、前作主人公の父エリウッドが主人公となる「エリウッド編」、そしてエリウッドの親友ヘクトルが主人公の「ヘクトル編」の3つ。 --ただし、初めてプレイする場合はかならずリン編からのスタートとなる。これはリン編が実質ゲームのチュートリアルであるため。リン編がすべて終了すると、ユニットの能力や軍師の設定などを引き継いでエリウッド編が始まる。 --2周目からは前作にも存在したハードモード((この時点ではリン編とエリウッド編のみ選択可能。ヘクトル編でハードモードを選択するには1回クリアする必要がある。))とヘクトル編が解禁。また、リン編をスキップできるようになる(その場合、リン編から参入してくるキャラはある程度育った状態からスタートする)。 ---ヘクトル編は基本的にエリウッドに同行するヘクトル視点で展開している為、大筋はエリウッド編と被りがち。しかし随所で彼視点の展開や専用の章が幾つか追加変更されていたり敵構成や行動等が抜本的に変更されていたり、ヘクトル編でしか仲間にならないキャラが数名存在したりと、エリウッド編との差別化はなされている。本作の黒幕の過去に深く触れる展開や、エリウッド編では途中半端な出番に終わったキャラの顛末が用意されているのもヘクトル編のみ。 --分岐や外伝章も多く、中にはエリウッド編、ヘクトル編のどちらかでしか出現しない面があるなど、ボリュームはかなり増量している。 -本作では「国家同士の戦争」は起こっておらず、「歴史の陰で暗躍している一大組織と戦う」というシリーズ異色のストーリーとなっている。国家単位での争い自体はあるが、諸侯内の反乱や跡継ぎ争い程度に留まっている。 --そのために戦争の重さなどの描写に乏しく、従来ファンからは「物足りない」「ストーリーがFEじゃない」と言われることもある。 --しかしその分ヒューマン・ドラマを重視した構成になっており、キャラの描写においては他作品以上に濃厚。展開自体も緻密に作りこまれている為評価は高い。敵組織である「黒い牙」に焦点を当てた展開が多さゆえに、敵サイドのキャラクターにも人気者が多い。[[最後まで仲間にならない敵幹部のロイドが公式人気投票7位に入る>http://www.nintendo.co.jp/n08/ae7j/k_tohyo/07loyd.html]]などはその最たる例だろう。 ---戦争こそ起こらないが、作中の会話から国家情勢そのものは当時からかなり不安定で((オスティア領地内に各国のスパイが多数潜んでいたり、「封印」で戦争を勃発させたベルン王国が本作当時から不穏な動きを見せて脅威として扱われている等。))、それらの作品では描けない『他国との軋轢に揺れ動く国家の負の一面』や『戦争寸前の駆け引きによる緊張感』等、暗く陰湿な描写そのものは少なくない。 ***ゲームバランス面 -前作の問題点であった「初心者への配慮」「戦闘バランスの悪い個所」は改善され、高評価であった支援会話システムは良さはそのままに後からの閲覧も可能になるなど、全般にわたってテコ入れがなされており、様々な面で前作から大幅にパワーアップしている。 --全体的な敵のステータスは前作より低下したほか取得経験値も増えている為、ノーマルなら同シリーズ作品に不慣れな人でも十分最後まで行けるようになっている。 --ハードモードも前作での序盤の詰将棋っぷりが改善された一方で、出現枠の大幅減少、敵の編成が1週目と違うマップがあるなど「難しいが理不尽ではない」絶妙な調整となっている。特に顕著なのはヘクトル編ハードで、これまでの知識を総動員することでクリアが見えてくる。 ---ハードブーストも健在だが、全体的にパラメータ補正が控えめ&均一になり、前作のように飛び抜けた初期値を持つ寝返りユニットはほぼ居なくなった。 -前作から引き続き、オートセーブシステムやRボタンによるヘルプ機能など充実したサポート周り。 --設定オプションの項目も大変充実しており、設定次第ではSFC時代のFEとまったく変わらない遊び方もできる。 -クラス・戦闘バランス --一部クラス性能の調整 ---前作では必殺率+30%と高いステータスで驚異のキルマシーンっぷりを発揮していたソードマスターは必殺率補正が+15%に下がったおかげで鳴りはひそまっている。 ---同じ必殺補正を持つバーサーカー(本作では狂戦士と表記)も同様。 ---同じく前作において剣と弓の2つの武器を使える、ステータス上限がソードマスターとほぼ同値・キャラの成長率も高く騎馬特攻を受けないなど、ソードマスターと対をなす強クラスだった遊牧騎兵も全体的に成長率が抑えられ、騎馬特攻が有効になった((厳密には遊牧騎兵に弱点が増えたのではなく、特攻武器の効果が「ナイト系に特攻」から「騎馬全般に特攻」に効果範囲が広がったため、トルバドールやヴァルキュリアにも特効が付く。その為か「ナイトキラー」が「ホースキラー」に変更。))、本作では1人しか加入しないなどの理由により弱体化した。 --能力値の上限も見直され、総合的には歩兵>騎馬系となり、マップの広さも全体的に見れば減少したため、前作では高能力かつ高機動力の騎馬系ユニットのせいで割を食っていた歩兵系も活躍できるようになった。 ---ただし要所要所で広大なマップや素早い進軍が求められるマップもあり、両兵種共に平等に活躍させるよう調整されている。 --前作では一流の光魔法使いを育てるのに苦労したが、本作では下級職の時点で光魔法が使える「修道士」が追加されたため楽になった。 ---光魔法自体も威力、命中等の低さでオマケ程度でしかなかった前作から強化。『威力は低めだが命中と必殺が高い』というポジションになり、魔法の数も幾つか追加されている。 --輸送隊は最初は動けないテントだが、出撃枠を食わずに出撃させる事が出来る。そして死なせずにマップをクリアする事で成長していくと、馬車に自動でクラスチェンジする。死んでもノーリスクで復活する囮としての運用ができるようになった。 ---前作ではアイテムを持ちきれなくなった時に輸送隊に送る事が出来たが、今作では輸送隊がマップにいないと不可能になるなど、輸送隊を防衛させる意義は大きい。 --「貴重品を持った敵や宝箱が各ステージに配置される」「上級職の『アサシン』にクラスチェンジできるようになった」といった変更により、盗賊の運用がより重要になった。 ---その分、仲間になる盗賊や鍵の使用回数も減少し、アサシンにクラスチェンジすると戦闘力は上がるが盗むコマンドが使えなくなるなど、慎重に運用する必要が出てきた。 --複数の武器LVをSにすることができなくなった。 ---例えばパラディンの場合、槍をSにすると、剣と斧をどれほど使ってもAで止まる。 ---そのため弓Sのウォーリアや斧Sのパラディンなどを育成するのが困難になっている。 ---杖をSにしてしまうと他の魔法をSにできなくなり、しかも杖Sでないと使えない魔法は存在しないといった問題が発生している。詳しいことは下記。 --武器の命中が全体的に底上げされ、武器の三すくみによる命中率補正も強化されたため、封印の剣で問題になっていた避けゲー化の問題が緩和された。 ---特に斧の強化が目覚ましく、斧不遇の時代は本作で終わったといってもいい。主人公の1人ヘクトルは強力な専用武器も幾つか用意されており、攻守共に高い成長率を誇る為、シリ-ズを通しても最強クラスの斧使いである。 --また、武器の3すくみについては「バスター」系の武器に専用の補正も追加されている。この武器と相性が悪い種類の武器で戦うと、((同じ「バスター」系の武器の場合は通常の3すくみが適用される))通常の3すくみの2倍命中面で不利になってしまい、回避が高いユニットでも躱せない事が多い。逆に有利なら+30%の補正がつく為、これらの武器の価値が良くも悪くも高まったと言える。 ---その中でも「ソードキラー」という斧は上記のバスター系の強力な補正に加え、素の命中率が全斧中でもトップクラス+歩兵剣士系クラス(傭兵や剣士系)に対する特効があるなど凄まじい強さを誇る。重さもそれほどではなく、必殺率+5も地味に大きい。終盤で1つだけ入手出来るが基本的には敵専用なので、前作で回避ゲーの中心を担っていた味方の剣士系ユニットの運用により気を使う必要が出た。~ あまりの高性能ぶりから、「神器ソードキラー」とネタにされる事も。 --ラスボスが飛躍的に強化された ---HPが120まで上昇、守備や魔防も特効武器以外では満足にダメージにならない程に上昇、攻撃面も180近くの命中と守備力無視の37もの固定ダメージ、射程も1~3と長弓並になった。更に特効武器の重さ上昇…等、前作とは比較にならない程強化されている。前作のように特効武器の間接攻撃で一撃必殺…という事はまず不可能。 ---動かないのが唯一の救いだが、周囲から強力な遠距離魔法や異常状態杖が飛んでくる事もあり、単純に特攻を繰り返すだけでは倒せないようにもなっている。…のだが(後述) --魔道書の『重さ』が前作に比べて全体的に増加した。 ---恐らく前作における魔法が強力過ぎた((前作では重さが殆ど無く、敵の魔防も軒並み低めだった))為の処置と思われる。中位レベルの時点で重さが10前後になってる他、特に遠距離魔法は重さが最大の20になった等、使いづらくなっている。ボスの魔防も全体的に上げられている。 --アーチャー&スナイパー専用の『シューター』の仕様が変わった。 ---前作では固定されており、配置も敵側に有利で奪ってもあまりおいしくない微妙なものだったが、本作では移動式になった上、自軍に有利な位置に配置される事も多くなり、ある程度使いやすくなった。アーチャー系ユニットの成長率上昇等も合わさって、アーチャー系ユニットの存在価値の向上の一員となっている。 ---ただしシューターを使うには一度『乗る』コマンドでシューターに乗っている状態にしないとならないのだが、このコマンドを実行した時点でそのユニットは待機状態になってしまう。動かしたり攻撃するのは次ターン以降になる。『降りる』も同様。また前作にはあったシューター専用の戦闘画面も無くなっている。重さも全て20なので、手軽に使えるとは言い難いが。 -前作の勝利条件が「敵拠点の制圧」のみだったのに対し、「敵の全滅」「特定人物の護衛」「○ターンの間拠点を防衛する」等が追加された。 ***システム面 -支援会話システムの強化・改良 --発生条件が前作から変更され、1つの章で2段階支援レベルを上げるような事は出来なくなった代わりに、1つの章につき一段階のみだが支援会話の発生に制限が無くなった。 ---肝心の中身もボリュームアップ。非常にテンポがよく、範囲もギャグからシリアスまで幅広い。 --クリア後に前作では無かった支援会話、戦績履歴が閲覧可能に。これにより全ての支援会話を埋めるやりこみ要素が生まれた。 --主人公以外の一部のキャラも支援によって後日談が変わるようになった。キャラのファンにとっても嬉しい仕様であり、以降のシリーズではこの後日談の仕様が引き継がれることになる。 --しかし支援会話をすることによって発生する支援効果については、前作ほどではないもののゲームバランスに影響する程強すぎるため、賛否両論である(後述)。 --また、本作では味方だけではなく一部ボス敵にも支援関係がある。 ---しかも全ての組み合わせが支援Aと最高レベルだが、マップ上では互いの距離が離れ過ぎていたり同時に参戦しなかったりとその効果を実感する場面は少ない。しかし終章で出てくる2人は一緒に行動する為、ほぼ確実に支援効果が上乗せされる。効果も短所を大きく補う絶妙なものな為、此方のエースユニットすら凌駕するパラメーターも相まって本作屈指の強敵ペアとして立ちはだかる。 -「占い師」の登場により、これまでノーヒントだったイベント発生条件が事前に分かるようになった。 -前作に引き続き、育てたユニット同士で戦わせることが出来る通信闘技場も搭載。 -サウンドルームでは前作の曲のアレンジバージョンが数曲聴ける(条件あり。また、ストーリー上でもアレンジされ使われている前作曲はある)など前作ファンにも嬉しい要素も。 --BGM自体もバリエーションや曲数が増えた他楽曲自体の評価が高く、前作のアレンジも数多い。 --戦闘曲は通常戦闘からボス戦などたくさんあるのだが、そのどれもが高い評価を得ている。特に通常戦闘曲はとても印象に残りやすいと高評価。後にスマブラXにて伊藤賢治氏がアレンジを担当している。 -出撃準備の段階でアイテムを使用出来るようになった。 --前作ではクラスチェンジや能力強化アイテムを前の章で入手し、「あっ、使い忘れた」という場合になっても使えるのは次の章が始まってからであり、その為に1ターン分の行動を無駄にしないといけなかった。複数のアイテムを使う場合はその分のターンがほぼ無駄な行動になってしまいがちであった。 --本作ではこれらのアイテムを出撃画面で使えるようになり、章を攻略する前にキャラをクラスチェンジさせたり、複数の能力強化アイテムを費やした上で攻略が開始出来るようになった。 ***その他 -「外伝」の仕様の変更 --前作ではトゥルーエンドを見る為には全ての外伝を回らなければならず、初心者には厳しい所もあったが、本作ではあくまで『シナリオの更なる掘り下げ兼育成、貴重なアイテム入手の場』といったものになり、1つも外伝に行かなくても最後まで進めるようになった。「外伝」から更に分岐する「異伝」も存在する。 ---外伝への進出も選択制になっており、条件を満たしても敢えて外伝に進まないことも可能。ただ外伝の多くは貴重なアイテムや武具が・経験値の多い敵キャラも多く出現する。外伝でしか出て来ない設定や展開・キャラクターも多く居る為、進んでおいて損は無い。 -イベントの随所で一枚絵が挿入されるようになった。 --後から見返すこともできるようになっている。 -クリア回数に応じた隠しエンディングも用意された。 --なお、この隠しエンディングはコンビニ連動を使用すれば1周目から見ることもできた。 -シリーズの中でも顔グラフィックの評価が高い。 --本作はシリーズの中でもとりわけ美形キャラが多いという特徴があるが、従来のような童顔や細面の美形ばかりでなくハリウッド俳優のようなワイルドな無精髭を蓄えていたり、中性的なビジュアル系など年齢の高いキャラもファッション性の高い描き分けがされるようになり、また従来少年として描かれる事の多かった主人公キャラも青年といった風貌に描かれ、年齢以上に幼く見えるキャラクターデザインなどは少なくなってきた。 --前作『封印の剣』の一部キャラクターも若い姿で登場する。中には前作をやっているとそのギャップに驚くであろう容姿と性格のキャラクターもおり、「なぜあのような性格のキャラクターが封印の剣でこうなってしまったのか」といった考察も面白い。これについては断片的ではあるが伏線も張られている。 ---また主人公3人のみだが、イベントの場面によって顔グラフィックが変化するのも特徴。バリエーションは『怒り』『悲しみ』『正面(軍師≒プレイヤーの方)を向く』程度と少なめだが、その場面での主人公達の感情がより分かりやすくなり、臨場感を高めるのに一役買っている。 -キャラごとの戦闘時のグラフィックが、汎用グラの改変で個別に髪型や服装などかなりの数が追加されたため、顔グラと戦闘時がまるで別人という事態はほとんどなくなった。一部の敵ユニットにも用意されている。 --狂戦士のクラスで仲間になるホークアイに至っては、汎用クラスでありながら完全オリジナルのグラフィックと攻撃モーションが与えられる等、他作品以上にキャラの個性を尊重しているつくりになっている。 -細かい部分だが、一部クラスのグラフィックも前作から変化している。 --『アーチャー&スナイパー』『ソードマスター』『司祭』『賢者』等。前作ではやや不明瞭だった頭部(髪)や顔面がしっかり描かれ、一部は衣服も更に作りこまれている。 -前作でも搭載された総合評価システムは健在。全体的に前作より基準が厳しくなっており、そう簡単に最大評価である評価Sは取れない。 --特に、ヘクトル編ハードで最高評価を狙うと最近シリーズ作品の最高難易度にも勝るとも劣らない鬼畜難易度と化す。~ インフレした敵とのギリギリの一線でのガチンコ勝負になりがちなルナティックとの決定的な違いは、全てにおいて一切の無駄が無い超効率的なプレイを要求されるという事である。 ---つまり最速ターンを目指しつつ出撃ユニット全員に平均的な育成の機会を与え、かつ戦闘になった相手の打ち漏らしを極限まで無くし、その中で入手出来る限られた金銭やアイテムを無駄無く使いきらなければならない。((資金評価の対象は純粋な持ち金のみならず所有アイテム自体にもある為、不要なCC・ドーピング・果ては換金用アイテムも迂闊な売却は出来ない))無論仲間の全員加入&全員生存は必須。回り道的な育成や資金稼ぎがほぼ不可能になる為、技能のみならず咄嗟の機転やあらゆる応用テクを駆使しなければ評価Sの達成は出来ない。「ルナティック」の攻略ともまた異質なベクトルでの難易度である。 --最大評価で隠し要素が解禁されたりなどといったものはないので、あくまでやりこみ要素の範疇なのが幸い。 -所謂「魔法剣」の攻撃力の計算が変更された。 --前作での「ひかりの剣」は間接攻撃の場合一律10ダメージだったのが、「力÷2+武器の威力-相手の魔防」というものに変更。より魔法剣らしくなった。「ルーンソード」も同様。 -前作ではこちらが入手出来なかった、一部の武器や杖等が通常入手出来るようになった。((「ゆうしゃの剣」「フィンブル」「スレンドスピア」等)) -若干ながらソフトリセットの仕様が変化している。 --前作ではソフトリセットをすると無条件にタイトル画面に戻っていたが、本作ではソフトリセットのコマンドを長押しすると一気に中断データが再開されるようになった。育成の吟味等におけるテンポの向上等に繋がっている。 **問題点、賛否両論点 ***ゲームバランス面 -エリウッド専用武器の「デュランダル」、リン専用武器の「ソール・カティ」が扱いづらい --デュランダルはそれなりに高い性能と竜特効を持つ代りにかなりの重量を誇り、エリウッドの体格の低さも相まって攻速が大きく下がる。結果追撃がほぼ出来ず総合的な火力が低い((エリウッドの体格は上級職では9で速さ上限値は24。デュランダルの重量は17でこの時の攻速は16。))。最悪こちらが追撃されて即死というあんまりな事態になることも…((特にラスボスは速さをカンストさせるか体格をドーピングしないと必ず追撃される。『新暗黒竜』のマルスの前身と言える。))。体格を上げる「ボディリング」も幾つか手に入るが全て費やしても完全に解決出来ない上、体格を補うことで強くなるキャラも他に居る為実用的ではない。 ---前作でも要求武器LVSの神将器として入手出来るが、重さは12と本作よりも軽く、更に特定ユニットの専用武器という訳でもなかった。しかも威力や命中は据え置きである。使用回数は僅かに本作の方が多いが、使うマップが2つしか無い為、前作と異なりあまり重視されない。同じ専用武器なら、終章の前半ではレイピアの方が活躍できる。 --更に、デュランダルを装備したエリウッドが劇中のイベントである重大な失態を犯してしまう事も批判の一端を担っている。イベントではあたかも「強力であるがゆえに悲劇を生んでしまった武器」かのように見せておきながらいざ入手するとご覧の有様なため、「''劣化''の剣」「デブ剣」などと散々にこき下ろされてしまった。 ---唯一の救いは、かなり凝った専用アニメーションが用意されている事。特に必殺時のモーションは一見の価値あり。 --ソール・カティもその重さからリンの長所である速さを潰すという同様の難点を持つ。必殺率25や竜特効はあるものの威力単体で見れば汎用武器のぎんの剣より弱く、リンの力やHPの低さと相まっていまいち効果的ではない。 ---さらに「国内版では専用アニメーションを見ることができない」という不具合まであり、彼女には手軽かつレイピアと同等の特効があるマーニ・カティがある為、支援等で攻撃力や必殺率を固めればこちらの方が使いやすい事も多々。終章の敵やボスにもこの特効が発生するクラスが多い。 ---また、エリウッドやヘクトルの専用武器は前作でも重要アイテム『神将器』として登場していたものだが、ソール・カティはポッと出の武器であり、序盤からイベントを経て手に入る彼女の愛刀マーニ・カティの方が印象に残りがち。 ---因みに国内版で専用アニメが見られない原因は&bold(){リンがデュランダルを装備した時に見られる設定になっているため}。当然正規の方法では見られないが、非正規の方法で見られるアニメを見る限り、開発当初はデュランダルがリンの専用武器となっていたと思われる。エリウッドの件といいつくづく報われない武器である。 --なお、これらの武器は手に入るタイミングも最終マップの直前(2マップ構成だが、後半は事実上ラスボスとの戦いのみ)なので、人によっては全く使われずに終わることも。 -使い辛すぎる上位武器 --上記の「デュランダル」「ソール・カティ」以外にも、一部武器はやりすぎなくらいに重量が重く設定されており、本編、対戦どちらでも全く使い物にならない武器が存在する。 --魔法、特に光や闇魔法の上位武器は異常に重く、使い手の速さがカンストしていても雑魚相手にすら追撃が出せないほどに重い((前者は体格6程度のキャラに重さ14~16、後者は体格8に対して18や20。))ため、よっぽどのことが無ければ軽い下級魔法で追撃した方が強く、使う意義がまるで見いだせない。 --当然、これらを主力とするキャラが通信闘技場で出ても、上位武器を持った瞬間にジェネラル(体格と武器の都合でまず攻速落ちしない)にすら容易に追撃される以上戦力にならない始末。 -闇魔法「ルナ」の強力すぎる性能 --魔法自体の威力が0である代わりに、敵の魔防を完全無視してダメージを与えられる。さらに命中95、必殺値20と他の性能も極めて優秀。「攻撃力は高いが命中が低い」という特徴の闇魔導士との相性は極めて抜群で、これさえあればラスボスですら1ターンキルが可能になってしまうほどの極悪性能を誇り、プレイヤーからは「闇の神将器」とまで言われる((実際、ラスボス相手に神将器よりこちらのほうが威力が出ることが多い))。重さ12とやや重いが、歯止めをかけるほどにはなっていない。 --自軍側で使えるユニットが専門家1人+最終マップ限定のお助けキャラ1人だけなので、知らないと利用価値に気付かず終わることも少なくない。しかし、ハードモードではこれを所持した闇魔道士が頻繁に登場し、必殺を受けると最悪HPカンストからの即死もありうるので若干運ゲーとなってしまう。ただし、これは極端な回避ゲーにならない程度に難易度にメリハリをつけるための意図的な調整であると思われ、事実ある程度進めば支援効果や特定のアイテムで必殺率を0に抑えることもできるため完全な運ゲーにはならない。 --とはいえこの調整はプレイヤーからは非難囂々であり、さすがにこれはまずかったとスタッフも思ったのか、次回作では命中を50まで低下させてバランスを取った。 -依然支援効果が強すぎる --発生条件の変更や闘技場では適用されなくなる、組み合わせも所々見直されてはいるが、支援効果を強力な要素にしているステータス補正そのものは前作と同じな為、多少時間をかけて支援関係を固めるとユニットが凄まじく強くなり、結果的に前作と大差無い避けゲーor必殺による無双ゲーになりうる。 ---また、全体的に敵の幸運が低い((事実、ザコ敵の幸運は殆ど0な上、終盤のボスの多くも幸運もとある設定上0。GBA版FEでザコ敵の幸運が軒並み0なのは本作のみ。))ことからか必殺率上昇が強く目立っている。必殺重視の支援を組み、武器LVをSにするだけでも常に40前後もの高い必殺率を保ててしまう。支援会話とセットなため支援しなければいいという手も使いにくいのも困ったところ。~ -編成画面で武器を買えなくなったため、買い置きを忘れると最悪詰む可能性がある。 --意図的な仕様であり、ゲーム内でも警告される。 ***システム面 -軍師システム --本作の新要素の一つに、「プレイヤーの分身である『軍師』を設定できる」というものがあるが、いまいち存在感が薄い。 ---ゲーム的な効果は軍師と同じ属性(誕生日・血液型で決定される)のユニットの命中と回避と必殺回避が評価分の数値が上昇するのみ。違う属性のキャラでも必殺回避率のみ上昇するが。~ ただ、最高評価でもキャラ同士の支援よりも効果が小さく、今ひとつ実感しづらい。普通の支援効果と違い闘技場でも恩恵を受けられるという利点はあるが…。 ---「同行する占い師や笛吹き(バード)から次の面のヒントを有料で聞ける((但し非常に格安。また、中半以降は無料になる))」というシステムがあるので軍師の立場がない。救済措置としてはありか。 ---リン編は軍師の存在を前提にストーリーが作られており、またチュートリアルも兼ねているので頻繁に話しかけられるが、エリウッド・ヘクトル編では時々話しかけられる程度で基本空気。2周目以降、エリウッド・ヘクトル編から始める場合は設定しないことも可能。ただし設定することによるデメリットは無く、逆に設定することで得られるメリットはある(軍師を設定しないと見られないエンディングもある)のでとりあえず設定した方が得。 ---「全く喋らない」「顔グラフィックもない(ユニットとしてのグラフィックはごく一部の場面でちらっと映る程度)」というのが難。新しい試みであったため、慎重気味であったと思われる。後にこの試みを踏み台に『新・紋章の謎』や『覚醒』ではプレイヤーの分身たる「マイユニット」が登場するが、『覚醒』のそれはストーリーの根本に深く関わり作中での活躍も表立っている等、もはや独立したキャラになりつつある事から賛否両論となったため、このぐらいの存在感がよいとする声も。 -リン編のチュートリアルはあまりにも丁寧なのに1周目では「強制的に」見せられる。 --しかも説明だけではなく、いちいちその通りの行動を強制されてしまう。経験者にとってはかなり煩わしい。 ---特に序章では、「当たれば倒せるけど外れれば反撃で死ぬかもしれない」攻撃を実行させられる((この戦闘結果は固定されているので実際に死ぬことはないが))。死亡のリスクを冒さないのが本シリーズの鉄則であり、チュートリアルとして明らかに不適切。 --ハードモードならチュートリアルを見なくてすむのだが、そのハードモードもリン編スキップの仕様も一周クリア後に解禁されるため、FEに慣れ親しんだ昔からのファンにはおせっかいに感じてしまう。 ---更に言うと、ノーマルとの差はチュートリアルの有無だけで、エリウッド編以降のような難易度上昇が無い為、わざわざ2つのモードで分ける必要性自体疑わしい。 --前作『封印の剣』のクリアデータを連動させるとリン編を飛ばしていきなりエリウッド編から始められる……のだが、リン編の予備知識がないとエリウッド編のシナリオが少々唐突に感じられる部分もあるので、結局1回はプレイしておかないと何かしら困る。 -トライアルマップが無くなっている。 --前作ではクリアを重ねることによって、重要な敵として登場したユニットや劇中に登場したが戦闘に参加しなかったユニットがトライアルマップで使用できた。今作にも魅力的な敵ユニットやNPCユニットがいただけに残念。 --また、これによって通信闘技場以外でクリアデータのパーティーを使う機会が無くなってしまった。 -「杖」の武器LVをSにする意味が無い。 --本作では武器や魔法のLVを最高のSにすると命中、必殺率に+5の補正がかかるようになる他、一部の神将器や最強武器を装備出来るようになる。しかし、杖LVはSにしても何ら恩恵が無く、封印での「聖女の杖」や聖魔での「ラトナ」といったLVSでなければ装備出来ない杖も存在せず、杖を極める意味が無い。 ---しかも厄介な事に、本作では複数の武器を扱うキャラでもSに出来る武器は一種類のみで、杖主体のトルバドールからクラスチェンジしたヴァルキュリアや、シスターからクラスチェンジした司祭等が魔法よりも杖LVを先に極めてしまう事態は意識しない限り簡単に起こる((普通にライブなどを振って下級LV20まで育ててきた場合、クラスチェンジすると大体杖AとSの中間程度の状態からスタートしてしまう。))。せめて回復量や射程範囲の補正をかけるなり、LVSを要求する杖を用意するなりやりようがあったはず。 //ドルバドールではなく「ト」ルバドールです -輸送隊の有無によるアイテムの扱いの変化 --前作に引き続き、輸送隊のマリナスを出撃させなければマップ中で輸送隊システムを使う事が出来ない点は変わらないが、彼が居ない(倒された)場合所持限界数以上のアイテムを輸送隊に送る事が出来なくなり、所持してるものか入手したアイテムを捨てなければならなくなった。同時に、買い物時も所持限界数以上のアイテムを購入できない。 --2章で加入する前作と異なり、彼が加入するの外伝を進んだとしてもエリウッド(ヘクトル)編の序盤の中ごろ、進まなかった場合は序盤の終わり頃で、前作と異なりそれまでの章には店や敵が落とすアイテムもそれなりの数がある為、彼が加入するまでこうした取捨選択を迫られる事も。リン編に至っては彼が登場しない為、輸送隊システム自体使用不可。 --極めつけに、''終章では出撃不可能''。理由付けとなるやり取りは冒頭であるものの、終章のボス達の多くの強力かつ資金評価上大きな価格になるSランク武器を落とす為、アイテムの管理が非常に煩わしくなる。会話イベントを見て「危険な場所だからこそ、輸送隊が必要なのに」と嘆いた人も居るだろう。 ***ストーリー面 全体で見れば緻密に作りこまれているが、一部の描写や展開に粗が見受けられる。 -とあるキャラの復活 --終盤のイベントで、悲惨な死を遂げたハズのキャラが伏線も何も無く唐突に蘇生する。理由は軽く推測する程度に触れられているが、唐突感を打ち消すにはあまりに力不足。 --今作は特にTVCMでまで「失った仲間には二度と会えない」とキャッチコピーを強調しているのでより目につく。 ---また、それより前にそのキャラを失ったエリウッドが失意の渦中に陥るも、そこから立ち直り再び戦う意思を取り戻す…という大きな見せ場を経る為、ナチュラルにそれを台無しにしているとも取れる。 --他にも「システム上ロストするが、設定上死なないキャラ」が結構な割合で存在する。それらのキャラは『封印の剣』との兼ね合いがあるため仕方のないところではある。一方で、死亡してもさほど支障はなさそうなのに撤退扱いのキャラもいたりする。 //--FEは死んだキャラはシナリオ上においても二度と生き返らないシビアさを売りにしていた側面もあるので、この辺りは好みが分かれてしまうだろう。ただし、条件、手段共に厳しいが初代作から復活させる手段は存在していたことを忘れてはならない(本作での演出もそれらと同等に難しいものであることを伺わせている)。 //ストーリー中の描写の問題で、システム面での「蘇生」とはまた違う為このフォローは見当違い //ちなみに『聖戦の系譜』にも隠し要素として、とある重要人物の蘇生がある。 //↑何の事ですか? バグでもない限りそんなものはないと思いますが。 //バルキリーは別に隠しではないですし、レヴィンかエーヴェルの事を言っているのならそれはストーリー上の表現だと思います。 -一部支援会話の状況が不自然。 --『封印』の頃から一部戦場で見るには不自然な状況が見られたが、本作では家族への手紙を書く、飾りを作る、因縁があるとは言え味方同士で殺し合うなどを戦場でやらかしている。 --この現象はGBAシリーズ通しての問題点だったが、蒼炎以降は拠点で支援会話を行うようにすることで解消された。 -一部演出に難有り。 --マップ開始、イベント→敵兵や敵将が自軍の目の前まで走って(もしくはワープで)やってきて宣戦布告→そそくさと帰ってゆく→出撃準備画面~ という流れが序盤から終盤までかなりの頻度で用いられている。ここまで来るとギャグか? ---本作のシナリオの流れは従来作品のように「こちらから攻め込む」というより「襲撃を受けて応戦する」というシチュエーションが多い為、致し方ない面も無い訳ではない。 ---また、やってきた敵将等が逃げずその場で戦闘を始めてしまうと、「出撃の準備」という行為自体が状況的に矛盾しSRPGとして成り立たなくなるため、多少不自然でも敵を退かせないとならない一面もある。 --当時の雑誌インタビューによると本作では「満足のゆく演出ができた」らしい。おそらくは一枚絵の事なのだろうが。 ***その他 -誤字・脱字が妙に多い。 --単なる似た漢字の変換間違いから「こそどろ」→「ころどろ」などのオイオイという間違いまで。 -細かい不具合・バグも多い --セリフを言うキャラや、イベントでのマップ上グラフィックの指定が間違っている。 --魔道書の「フィンブル」を装備してラスボスに「反撃」すると必ずフリーズする。 --「フレイボム」と言うアイテムの効果が発動すると同時にリセットして再開すると、敵軍を操作可能になる。これにより相手のアイテムをかなりいじれる事が可能で、ある章のボスが持つ武器をこのバグで装備するとステータスにかなりの補正がかかる。ただし、セーブデータに不具合が起きる可能性もある。 --リン編とエリウッド・ヘクトル編のラスの体格の値が異なる。また、ノーマルでは汎用職でありながら上限値を突破しているあるボスが、ハードでは上限値が職通りになり、大きく弱体化している。 --斧使いの山賊なのに剣の武器レベルがあったり、剣使いの傭兵なのに槍を持っているところも一部見られる。 ---どうやらこれらの起因は前述の誤字・脱字と同じくか、開発期間の短さ故にチェックしきれずにリリースされてしまった模様。 --後発の北米版ではこれらの不具合・バグは修正されている。 -限定アイテム・限定BGMの存在。 --「月刊任天堂店頭デモ」(当時一部の店頭にあったゲームキューブの試遊台。新作の体験版のプレイやムービーの再生ができた。)の2003年5月号と6月号にてアイテムなどの配信が行われた。(内容は各月で異なる。)~ 軍師の名を冠する「○○の(武器)」など他では入手不可能なものも含めたアイテムのセットや、同じく入手不可能なBGM「神竜伝説」を受け取れた。~ セットは各月それぞれ二者択一であり、「○○○の剣を含むセットを貰うと○○○の斧が貰えない」という、コンプ派を困らせる仕様だった。 ---データをダウンロードする時は、八神将の一人である聖女エリミーヌがボイス付きで登場した。非常に短い内容ながら、『[[ファイアーエムブレム 覚醒]]』などとは違いフルボイスである。 ---月刊任天堂はその名の通り毎月内容が変わる上に、限られた店舗にしか設置されておらず、コントローラなどを繋がずにムービーの再生のみを行っていた店舗もあったので、入手に苦労した人も少なくなかった。 --雑誌「Vジャンプ」では、特別なデータの入った本作のプレゼントが行われた。こちらには竜特効のある武器「ドラゴンアクス」や限定BGM「シレジア王宮」が収録されている。 ---雑誌の懸賞品なので、入手難易度は月刊任天堂とは比較にならないほど高かった。もっとも、今となってはどちらも入手はほぼ不可能だが…。 --北米版に限っては、これらのアイテム・BGMは北米版『[[マリオカート ダブルダッシュ!!]]』のボーナスディスクを使えば簡単に取る事が可能。~ このディスクで手に入るものの中には、間接攻撃可能な「かぜの剣」など、日本では最後まで手に入らなかったアイテムも含まれている。 --ちなみに、ドラゴンアクスやかぜの剣は[[次回作>ファイアーエムブレム 聖魔の光石]]で通常入手することが可能。~ ただし、限定アイテムがなくなった訳ではなく、あちらには国内ではイベント配布限定(二者択一)で海外では完全に入手不可能というアイテムが存在する。 **総評 前作の不満点を洗い出して改良した結果非常に高い完成度となり、現在ではGBA三部作の中において最も高く評価されている。~ それだけに細かい不備や不具合がどうしても目に付いてしまうのが残念である。 **余談 -今作の主人公の1人であるヘクトルのキャラが受けたためか、後継作品にて登場してくるメインの男主人公はマルスのような品行方正な王子系ではなく、ワイルドなヘクトルタイプが主流となっている。 --そしてそのどれもが高い人気を得ている。なお『新・紋章』に新たな主人公として登場するマイユニットも(意図したかどうかは定かではないが)これに近い性格付けをされている。対して『覚醒』のマイユニットはこの兼ね合いにより、マルスに近い冷静なタイプがデフォルトとなる。 -前作で交わされたやりとりによると、ヘクトルには「オルン」という従弟がいたらしいのだが、本作ではチラリとも(名前はおろかそれを臭わす描写すら)出てこない。 --ヘクトルが本作でもサブキャラ相当なら妥当だったが、仮にも主役(の一人)の血縁者が話題にも上らないとは…。 -公式設定資料集『ファイアーエムブレムキャラクターズ 封印の剣&烈火の剣』は、地方の本屋では「売れない」と言う理由で予約しないと入荷しない程の扱いになってしまった。 --現在はプレミア価格だがそのメインであるキャラクター紹介のほとんどがネットに違法流出してしまっている。 --更に、この作品と前作込みで以降のFE作品で公式設定資料集は2010年6月30日に発売の小学館「20th Anniversary ファイアーエムブレム大全」の間、出ていない。 -光文社から烈火の剣の4コマ漫画が発売する予定だったが、途中で発売中止になった。 -ある女密偵のクラスが[[ゲーム上・公式設定では盗賊>http://www.nintendo.co.jp/fe/fe_museum/rekka/character/character08.html]]だが、[[能力上はアサシン>http://www.pegasusknight.com/mb/fe7/et_bugs.html#IDX19]]だという疑惑がある。 -CMに平井堅のLIFE is…、まだデビューしたての堀北真希が起用されている。%%現在は本人的に無かったことにされているが。%% --ちなみに公式サイトでは、[[現在でも(当時の)堀北真希のPC用壁紙が配布されている。>http://www.nintendo.co.jp/n08/ae7j/etc/index.html]] -『[[スマブラX>大乱闘スマッシュブラザーズX]]』及び『[[スマブラfor>大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』にリンがアシストキャラクターとして登場する。 --またニニアン,ヘクトル,ギィ,エリウッドは『X』にシールとして登場している。 -Wii Uで本作が配信された直後(5月19日)のダウンロードソフトランキングで首位を獲得した。

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