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*ぷよぷよ! Puyopuyo 15th anniversary 【ぷよぷよ ふぃふてぃーんす あにばーさりー】 |ジャンル|アクションパズル|&amazon(B000PTF9K2)| |対応機種|ニンテンドーDS&br;プレイステーション2&br;プレイステーション・ポータブル&br;Wii|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|【DS】2006年12月14日&br;【PS2/PSP】2007年3月21日&br;【Wii】2007年7月26日|~| |定価|【共通】4,800円(税別)|~| |プレイ人数|【DS】1~8人&br;【PS2/PSP/Wii】1~4人|~| |セーブデータ|【DS】1個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|【共通】スペシャルプライス&br;2008年6月19日/2,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|『ぷよぷよ』シリーズ15周年記念作品&br;様々なルールで遊べる記念に相応しい良作|~| |>|>|CENTER:''[[魔導物語・ぷよぷよシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『ぷよぷよ』シリーズ15周年記念作品。「記念作品」という位置付けであり、ナンバリングには含まれていない。~ 今作のストーリーの舞台は、『[[ぷよぷよフィーバー]]』の舞台である「プリンプタウン」で、ぷよぷよ大会が開催され優勝者には何でも願いのかなうメダルが授与されると言う。~ ルール数は12種類搭載。キャラクターは全部で22名。今回は『ぷよぷよフィーバー』以前の旧作のキャラも数名復活している。~ DS版では、ニンテンドーWi-Fiコネクションによるネット対戦をシリーズでは初めて搭載。 ---- **評価点 &font(b,16){豊富なルール} -「ぷよぷよ」「ぷよぷよ通」「ぷよぷよフィーバー」といった定番ルールをはじめ、「はっくつ」「ばくだん」「だいかいてん」「サーチライト」「ずっとフィーバー」「すいちゅう」「こおりづけ」「なぞぷよ」「でかぷよ」の計12種類収録されている。 -同じく記念作品である過去作『[[ぷよぷよBOX]]』で収録されていた「ほりあてぷよぷよ」をアレンジした「はっくつ」と、おじゃまぷよのかわりに凍り付けにされた色ぷよが降ってくる「こおりづけ」に加え、ぷよを水中に浮かべて連鎖を作る「すいちゅう」など、従来のぷよぷよとは異なる戦略を求められるさまざまなルールが搭載されている。 &font(b,16){キャラクター} #region(登場キャラクター) -『[[ぷよぷよフィーバー]]』『[[2>ぷよぷよフィーバー2]]』より:アミティ・ラフィーナ・シグ・リデル・クルーク・アコール先生・おしゃれコウベ・ユウちゃん&レイくん・さかな王子・おにおん・どんぐりガエル・レムレス・フェーリ・バルトアンデルス・あくま -初代『[[ぷよぷよ]]』より:アルル・ナスグレイブ(隠)・すけとうだら(隠)・ぞう大魔王(隠)・シェゾ(隠)・ルルー(隠)・サタン(隠) 初代からの復活キャラ達はストーリーのボスとして登場し、倒すと解禁される。 #endregion -『ぷよぷよフィーバー』シリーズのキャラと初代『ぷよぷよ』主人公のアルルに加えて、さらに初代から6名が復活(全て隠し扱い)。 --絵柄は『フィーバー2』準拠にアレンジされ、キャラ性能の差がある「ぷよぷよフィーバー」ルールでは、初代キャラ達にも新たな性能が設定された。 --舞台そのものは『フィーバー』シリーズのプリンプタウンであり、初代キャラ達はアルルが元々居た異世界(魔導世界)から転移してきたという設定になっている。 --操作キャラではないが、アルルとともに出現するカーバンクル、さかな王子とともに出現するオトモ、アコール先生とともに出現するポポイなど、連鎖カットインなどに登場するキャラも。 -ぞう大魔王は、旧作では組ぷよが地面に着地したときに「ドスン」という効果音とともに画面が揺れる演出があったが、今作でもその演出が再現されている。 -一部の特殊なルールでの背景を除き、対戦中の背景にて『[[ぷよぷよSUN]]』のようにキャラの全身イラストがフィールドのバックに表示されるようになった。 &font(b,16){ストーリー} -これまでの作品のストーリーモードでは、主人公キャラのストーリーのみだったが、今作ではプレイヤーが操作できるキャラ22名全員に個別のストーリーが用意された。これにより、今までは脇役だったキャラ視点のまんざいデモも多数用意された。 --また、リデルとサタン、アコール先生とルルーなど、ぷよぷよフィーバー以降のキャラとアルル以外の旧ぷよ(魔導物語)のキャラとの会話が初めて実現した。 &font(b,16){ネット対戦} -DS版のみではあるが、『ぷよぷよ』シリーズでは初めてニンテンドーWi-Fiコネクションによるネット対戦が搭載された。 --ネット対戦のランダムマッチングでは「ぷよぷよ通」「ぷよぷよフィーバー」の2ルールがプレイ可能で、フレンドコード交換によるマッチングでのみ初代の「ぷよぷよ」ルールもプレイ可能。 -ランダムによるマッチングでは、レーティングの数値が近いもの同士がマッチングされやすくなっている。 &font(b,16){「じゅぎょう」モード} -連鎖の作り方が練習できる「じゅぎょう」モードが搭載された。 --テンプレートにあわせて連鎖を作っていくモードで、いろいろな連鎖パターンを練習でき、初心者でも自力では作れないような大連鎖を体験できる。用意されている問題数は300種類。 &font(b,16){その他} -各キャラごとに専用の対戦BGMが用意された。 -ぷよのデザインを「ソニック」や「モジ」など、別デザインへ変更できる(デザインの種類は機種によって異なる)。 -今回はある程度の数のおじゃまぷよを返しきったときに、「お返しボイス」と呼ばれるカットインが挿入されるようになった((アミティの「お返しだよ!」やアルルの「よーし!」など。))。 -Wii版では「いっしょにぷよぷよ」や「リモコンぷよぷよ」など独自のモードが搭載された。 -連鎖ボイスの法則は基本的にフィーバー式なのだが、Wii版のみ「ぷよぷよ」「ぷよぷよ通」ルールでの連鎖ボイス法則が『[[ぷよぷよ通]]』風のものに変化する。 --ただし完全再現しているわけではなく、2連鎖目まで掛け声、3連鎖以降にフィニッシュボイスを順番に再生し、連鎖末尾のみカットインを出すというもの。~ 例えばアルルなら「えい → いっくよー → ファイヤー → アイスストーム → ブレインダムド → ヘブンレイ → ばよえーん → ばよえーん」となり、カットイン演出は最後だけ。このため旧作から見ると「ファイヤーが3連鎖」という違和感もある。 --このボイス法則は後のシリーズでの初代・通ルールでも採用されることになり、『20th』以降はアルルのボイス法則のみ旧作に準じたものに変更された。 ---- **問題点 &font(b,16){バグ} -DS初期出荷版ではセーブ回数が一定数を超えると、それ以上セーブができなくなるバグがあった。 --DS版ではオートセーブシステムが搭載されており、上記の「じゅぎょうモード」を全問クリアしようとすると、必ずこのバグが発生することとなる。 --後にセガにより該当ROMの回収・修正版への交換が行われた。以降の出荷されたソフトは修正版となった。 -その他、「赤と緑のぷよを同時に消したときの複色ボーナスがない」「とことんたいせんで連鎖ボーナスや一部ルールの予告ぷよが間違っている」「とことんなぞぷよで条件をクリアしてもクリア扱いにならないことがある」「クルークのつもパターンが説明書やキャラ選択画面と異なる」といった数々のバグが存在する。 --このうち「とことんたいせん」「とことんなぞぷよ」に関するバグについては廉価版では修正されている模様。 &font(b,16){ルールに関する問題点} -「ぷよぷよフィーバー」ルールでは、過去作では自分の送ったおじゃまぷよが相殺されるたびに、自分のフィーバータイムが増えていたが、今作では相手におじゃまぷよを送ったときに増加するというシステムに変更された。 --また、「フィーバーモード」時に降ってくる「連鎖のタネ」のパターンも新規の形に変更された。連鎖のタネにぷよを置いてさらに連鎖をのばす「フィバ伸ばし」がやりにくい、発火点がわかりにくいタネが多いという声も。 -「ずっとフィーバー」ルールでは、慣れた者同士の対戦では対戦がなかなか終わらず非常に時間がかかる場合がある。 -「すいちゅう」は他のルールと大きく違いすぎて取っつきにくいなど、一部のルールは慣れていないと難しいものも。 -ストーリーモードのルール選択はルーレットで決定されるため、目押しが不得意だと不慣れな特殊ルールでの対戦を余儀なくされてしまう。 --ルールが多いのは本作の特徴のひとつではあるのだが、ストーリーでの特殊ルールを自分で選びづらいことについては批判がある。 &font(b,16){キャラクターに関する問題点} -『ぷよぷよ』シリーズでは恒例であるが、登場キャラの選定には不満の声がある。 --キャラクター数やバランスを考えての選考だと思われるが、それでも旧作で人気だったキャラが一部登場しないことについては惜しまれた。 --前作『フィーバー2』から比較すると「タルタル」「ほほうどり」「こづれフランケン」「ゴゴット」「あやしいクルーク」が脱落しており、これらのキャラのファンからは惜しまれた。 ---なお、タルタルについてはアコール先生が「タルタルくんはおやすみなのよ」と言及している。 --また、初代『ぷよぷよ』からの復活キャラに関しても「ドラコケンタウロス」「ウィッチ」などが登場してほしかったという声もある((ただし、彼女達は後の作品で復活した。))。 //今作に出場したキャラへのネガティブな意見は個人の好みによるため削除 -今作で復活したアルル以外の初代キャラクターは最初から使用できるわけではなく、「ストーリー」モードで対戦相手として登場し倒したキャラが新たに使用できるようになるが、どのキャラのストーリーをクリアすれば自分の使いたいキャラが解放されるのかがわかりにくい。 --本作の旧作キャラは4人目か8人目に必ず出現するのだが、組み合わせはキャラ毎に固定であるため目当てのキャラが誰のストーリーで出るのか判別しづらい。 --一応「アミティ(ナス&シェゾ)・ラフィーナ(ぞう&サタン)・シグ(たら&ルルー)」というフィーバー主人公組3人のストーリーを全てこなせば旧キャラを全員出現できる((他には「リデル(ぞう&サタン)・ユウ&レイ(たら&シェゾ)・おにおん(ナス&ルルー)」「アルル(シェゾ&サタン)・おにおん(ナス&ルルー) → ナスグレイブ(たら&ぞう)」などが最短ルート。))。旧作キャラ限定でも「アルル → シェゾorサタン → ルルー → ナスグレイブ」で全て出すことが可能。 --なお、救済措置としてか、すべての隠し要素を一気に解放する裏技コマンドがある。 -COMが使用する際「ユウちゃん&レイくん」「どんぐりガエル」「すけどうだら」は従来のシリーズと同様の組み方をするのに対し、従来では組ぷよの回転をしなかった「おしゃれコウベ」「おにおん」「バルトアンデルス」が今作では普通にぷよの回転をするようになっている。 --これは、今作でのCPUの強さ(思考レベル)がぷよの回転の可否含めキャラクター個別ではなく何回戦目かに依存するため。 &font(b,16){ストーリーに関する問題点} -本作のストーリーは全員共通で「プリンプ魔導学校主催のぷよバトル大会に参加し、なんでも願いが叶うメダルを手に入れるため優勝を目指す」というもの。 --このため漫才デモの背景画像は全て「ぷよ大会」の背景を使い回し(一部色変更)となっており、あまり代わり映えがしない。 --「誰か一人が優勝する」というストーリー設定上、どのストーリーも結末はパラレルになっている。 --「優勝メダルに願いを掛ける」というストーリーではあるのだが、願いがまともに叶わないキャラクターもかなり多く不完全燃焼。また、本作で願いが叶ったとされるキャラ達も、続編以降ではその願い自体無かったことにされている。 -ストーリー中、違和感のある描写がある。 --言葉を喋れない系統のキャラクターと対峙した時、一方のルートでは言動を理解できているのに、別のルートでは理解できない、など。 --旧シリーズでのルルーは18歳という設定だったが、今作ではルルーがアコール先生に「まだお若いのに」と声をかける、アミティがルルーを「マダム」と呼ぶ、クルークがルルーを「おばさん」と言いかける、レムレスがルルーに敬語を使うなど、ルルーの年齢設定がやや高いとも受け取れるようなシーンが多数存在する。ただし、今作での年齢は明確には設定されていない。 ---公式ウェブラジオにて、ルルー役の近藤佳奈子氏の「ルルーは18歳なんですよね」という言葉に対して本作ディレクターの細山田水紀氏が「それは…」と口ごもったという逸話がある。 --その他にも、例えばサタンがカーバンクルを呼び捨てにする((旧作では主に「カーバンクルちゃん」、もしくはアルル同様「カーくん」と呼んでいた。))など、キャラの呼称などで一部違和感のある場面もある。 --これらの違和感のある描写については後の作品で改善されている((例としてサタンは本作の漫才デモを流用したメダルゲーム版で「カーバンクルちゃん」に修正されるなど。))。 &font(b,16){ネット対戦での問題点} -対戦できるルールは「ぷよぷよ」「ぷよぷよ通」「ぷよぷよフィーバー」の3つ。ただし、「ぷよぷよ」ルールはフレンドとの対戦のみ。 -Wi-Fiでのネット対戦で負けそうになると回線を切断するという行為が多発した。 --どちらかが切断行為を行うと、両者のレーティングが下がってしまうが、廉価版では切断した側のみレーティングが下がるように変更された。 &font(b,16){その他問題点} -『ぷよぷよフィーバー2』の「はくぶつかん」のような、ストーリーモード以外で世界観を楽しめる要素がなくなった。 //スタッフ交代やお祭りクロスオーバーに関する記載は余談に移動しました。 -プレイ動画の保存機能がなくなった。 -DS版の漫才デモは前作まではフルボイスだったが、本作からはボイスがなくなってしまった。 -ゲーム内収録のミニゲームがなくなった(Wii版以外)。 --ただし、本作の[[>公式サイトhttp://puyo.sega.jp/puyopuyo!/enjoy/index.html]]ではWeb上で遊べるFLASHミニゲームが複数公開されている ---上記Webミニゲームのうち、Wii版のみぷよをひたすら登らせる「ぷよぷよ! ノボランカー」がリモコン操作に置き換える形で移植されている。 --また、解析によるとDSの廉価版にはミニゲーム「ぷよぷよ! スナイパー」が移植されていることが確認されている([[参考>http://tcrf.net/Puyo_Puyo!_15th_Anniversary_(Nintendo_DS)]])。 ---現状チートで強引に出現させることはできる模様で、モードとしては完全な形で実装されているようだが、単なる没データなのかそれとも隠し要素として正式な出し方が存在するのかは現状明らかになっていない。 ---- **総評 いくつもの問題点を抱えて入るものの、豊富なルール・多数のキャラでぷよぷよが楽しめる魅力は充分。~ 初期版には致命的なバグが存在していたが、公式の対応によって修正された。~ ~ ハンデをつけて対戦したり、「じゅぎょう」モードで練習したり、初心者から上級者まで楽しめ、『魔導物語』や旧ぷよからのファンも、『ぷよぷよフィーバー』からのファンも、本作からのプレイヤーも楽しめるように工夫されている。~ またネット対戦という新要素も追加されており、総じて「ぷよぷよ誕生15周年の記念にふさわしい出来栄え」である。 //人によっては些細と言えないものであるかもしれない為、文章を多少修正 ---- **携帯端末版(参考記述) -ガラケーのiアプリ・S!アプリ、スマホのAndroid版が存在する。 --いずれもたいかいモードが簡略化されて全7面になっており、道中の漫才デモはなくエンディングのみ存在。 --ルールやキャラクターは追加パック形式でポイントなどを消費して解禁する形となっている。 ---- **余談 -前作までプロデューサーやディレクターを務めていた中裕司氏および湯田高志氏に代わって、本作では後に『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーとなる細山田水紀氏がディレクターに就任している。 -後に、本作のシステムなどを多く引き継いでナンバリング本編7作目『[[ぷよぷよ7]]』が、さらに本作と同様の記念作品として20周年に『[[ぷよぷよ!! Puyopuyo 20th anniversary]]』が発売された。 --また、2009年には本作をベースにしたメダルゲーム『ぷよぷよ! The Medal Edition』も稼働している。 //本作の話ではなくなってしまっているため総評から分離しました。 -本作以降、ぷよぷよシリーズは『魔導物語』ならびにコンパイル制作時代のキャラと『フィーバー』以降のセガ制作時代のキャラが共に活躍するお祭りクロスオーバー風な世界観へと作風が大きく変化した。 --『7』では新主人公のりんごや新キャラが登場しているが、『フィーバー』の時と比べると新キャラの追加は控えめになっており、その分アルルやアミティら過去作のキャラが多めに参戦している。
*ぷよぷよ! Puyopuyo 15th anniversary 【ぷよぷよ ふぃふてぃーんす あにばーさりー】 |ジャンル|アクションパズル|&amazon(B000PTF9K2)| |対応機種|ニンテンドーDS&br;プレイステーション2&br;プレイステーション・ポータブル&br;Wii|~| |発売・開発元|セガ|~| |発売日|【DS】2006年12月14日&br;【PS2/PSP】2007年3月21日&br;【Wii】2007年7月26日|~| |定価|【共通】4,800円(税別)|~| |プレイ人数|【DS】1~8人&br;【PS2/PSP/Wii】1~4人|~| |セーブデータ|【DS】1個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |廉価版|【共通】スペシャルプライス&br;2008年6月19日/2,800円(税別)|~| |備考|DS初期出荷版はセーブ不可になるバグあり|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|『ぷよぷよ』シリーズ15周年記念作品&br;様々なルールで遊べる記念に相応しい良作|~| |>|>|CENTER:''[[魔導物語・ぷよぷよシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『ぷよぷよ』シリーズ15周年記念作品。「記念作品」という位置付けであり、ナンバリングには含まれていない。~ 今作のストーリーの舞台は、『[[ぷよぷよフィーバー]]』の舞台である「プリンプタウン」で、ぷよぷよ大会が開催され優勝者には何でも願いのかなうメダルが授与されると言う。~ ルール数は12種類搭載。キャラクターは全部で22名。今回は『ぷよぷよフィーバー』以前の旧作のキャラも数名復活している。~ DS版では、ニンテンドーWi-Fiコネクションによるネット対戦をシリーズでは初めて搭載。 ---- **評価点 &font(b,16){豊富なルール} -「ぷよぷよ」「ぷよぷよ通」「ぷよぷよフィーバー」といった定番ルールをはじめ、「はっくつ」「ばくだん」「だいかいてん」「サーチライト」「ずっとフィーバー」「すいちゅう」「こおりづけ」「なぞぷよ」「でかぷよ」の計12種類収録されている。 -同じく記念作品である過去作『[[ぷよぷよBOX]]』で収録されていた「ほりあてぷよぷよ」をアレンジした「はっくつ」と、おじゃまぷよのかわりに凍り付けにされた色ぷよが降ってくる「こおりづけ」に加え、ぷよを水中に浮かべて連鎖を作る「すいちゅう」など、従来のぷよぷよとは異なる戦略を求められるさまざまなルールが搭載されている。 &font(b,16){キャラクター} #region(登場キャラクター) -『[[ぷよぷよフィーバー]]』『[[2>ぷよぷよフィーバー2]]』より:アミティ・ラフィーナ・シグ・リデル・クルーク・アコール先生・おしゃれコウベ・ユウちゃん&レイくん・さかな王子・おにおん・どんぐりガエル・レムレス・フェーリ・バルトアンデルス・あくま -初代『[[ぷよぷよ]]』より:アルル・ナスグレイブ(隠)・すけとうだら(隠)・ぞう大魔王(隠)・シェゾ(隠)・ルルー(隠)・サタン(隠) 初代からの復活キャラ達はストーリーのボスとして登場し、倒すと解禁される。 #endregion -『ぷよぷよフィーバー』シリーズのキャラと初代『ぷよぷよ』主人公のアルルに加えて、さらに初代から6名が復活(全て隠し扱い)。 --絵柄は『フィーバー2』準拠にアレンジされ、キャラ性能の差がある「ぷよぷよフィーバー」ルールでは、初代キャラ達にも新たな性能が設定された。 --舞台そのものは『フィーバー』シリーズのプリンプタウンであり、初代キャラ達はアルルが元々居た異世界(魔導世界)から転移してきたという設定になっている。 --操作キャラではないが、アルルとともに出現するカーバンクル、さかな王子とともに出現するオトモ、アコール先生とともに出現するポポイなど、連鎖カットインなどに登場するキャラも。 -ぞう大魔王は、旧作では組ぷよが地面に着地したときに「ドスン」という効果音とともに画面が揺れる演出があったが、今作でもその演出が再現されている。 -一部の特殊なルールでの背景を除き、対戦中の背景にて『[[ぷよぷよSUN]]』のようにキャラの全身イラストがフィールドのバックに表示されるようになった。 &font(b,16){ストーリー} -これまでの作品のストーリーモードでは、主人公キャラのストーリーのみだったが、今作ではプレイヤーが操作できるキャラ22名全員に個別のストーリーが用意された。これにより、今までは脇役だったキャラ視点のまんざいデモも多数用意された。 --また、リデルとサタン、アコール先生とルルーなど、ぷよぷよフィーバー以降のキャラとアルル以外の旧ぷよ(魔導物語)のキャラとの会話が初めて実現した。 &font(b,16){ネット対戦} -DS版のみではあるが、『ぷよぷよ』シリーズでは初めてニンテンドーWi-Fiコネクションによるネット対戦が搭載された。 --ネット対戦のランダムマッチングでは「ぷよぷよ通」「ぷよぷよフィーバー」の2ルールがプレイ可能で、フレンドコード交換によるマッチングでのみ初代の「ぷよぷよ」ルールもプレイ可能。 -ランダムによるマッチングでは、レーティングの数値が近いもの同士がマッチングされやすくなっている。 &font(b,16){「じゅぎょう」モード} -連鎖の作り方が練習できる「じゅぎょう」モードが搭載された。 --テンプレートにあわせて連鎖を作っていくモードで、いろいろな連鎖パターンを練習でき、初心者でも自力では作れないような大連鎖を体験できる。用意されている問題数は300種類。 &font(b,16){その他} -各キャラごとに専用の対戦BGMが用意された。 -ぷよのデザインを「ソニック」や「モジ」など、別デザインへ変更できる(デザインの種類は機種によって異なる)。 -今回はある程度の数のおじゃまぷよを返しきったときに、「お返しボイス」と呼ばれるカットインが挿入されるようになった((アミティの「お返しだよ!」やアルルの「よーし!」など。))。 -Wii版では「いっしょにぷよぷよ」や「リモコンぷよぷよ」など独自のモードが搭載された。 -連鎖ボイスの法則は基本的にフィーバー式なのだが、Wii版のみ「ぷよぷよ」「ぷよぷよ通」ルールでの連鎖ボイス法則が『[[ぷよぷよ通]]』風のものに変化する。 --ただし完全再現しているわけではなく、2連鎖目まで掛け声、3連鎖以降にフィニッシュボイスを順番に再生し、連鎖末尾のみカットインを出すというもの。~ 例えばアルルなら「えい → いっくよー → ファイヤー → アイスストーム → ブレインダムド → ヘブンレイ → ばよえーん → ばよえーん」となり、カットイン演出は最後だけ。このため旧作から見ると「ファイヤーが3連鎖」という違和感もある。 --このボイス法則は後のシリーズでの初代・通ルールでも採用されることになり、『20th』以降はアルルのボイス法則のみ旧作に準じたものに変更された。 ---- **問題点 &font(b,16){バグ} -DS初期出荷版ではセーブ回数が一定数を超えると、それ以上セーブができなくなるバグがあった。 --DS版ではオートセーブシステムが搭載されており、上記の「じゅぎょうモード」を全問クリアしようとすると、必ずこのバグが発生することとなる。 --後にセガにより該当ROMの回収・修正版への交換が行われた。以降の出荷されたソフトは修正版となった。 -その他、「赤と緑のぷよを同時に消したときの複色ボーナスがない」「とことんたいせんで連鎖ボーナスや一部ルールの予告ぷよが間違っている」「とことんなぞぷよで条件をクリアしてもクリア扱いにならないことがある」「クルークのつもパターンが説明書やキャラ選択画面と異なる」といった数々のバグが存在する。 --このうち「とことんたいせん」「とことんなぞぷよ」に関するバグについては廉価版では修正されている模様。 &font(b,16){ルールに関する問題点} -「ぷよぷよフィーバー」ルールでは、過去作では自分の送ったおじゃまぷよが相殺されるたびに、自分のフィーバータイムが増えていたが、今作では相手におじゃまぷよを送ったときに増加するというシステムに変更された。 --また、「フィーバーモード」時に降ってくる「連鎖のタネ」のパターンも新規の形に変更された。連鎖のタネにぷよを置いてさらに連鎖をのばす「フィバ伸ばし」がやりにくい、発火点がわかりにくいタネが多いという声も。 -「ずっとフィーバー」ルールでは、慣れた者同士の対戦では対戦がなかなか終わらず非常に時間がかかる場合がある。 -「すいちゅう」は他のルールと大きく違いすぎて取っつきにくいなど、一部のルールは慣れていないと難しいものも。 -ストーリーモードのルール選択はルーレットで決定されるため、目押しが不得意だと不慣れな特殊ルールでの対戦を余儀なくされてしまう。 --ルールが多いのは本作の特徴のひとつではあるのだが、ストーリーでの特殊ルールを自分で選びづらいことについては批判がある。 &font(b,16){キャラクターに関する問題点} -『ぷよぷよ』シリーズでは恒例であるが、登場キャラの選定には不満の声がある。 --キャラクター数やバランスを考えての選考だと思われるが、それでも旧作で人気だったキャラが一部登場しないことについては惜しまれた。 --前作『フィーバー2』から比較すると「タルタル」「ほほうどり」「こづれフランケン」「ゴゴット」「あやしいクルーク」が脱落しており、これらのキャラのファンからは惜しまれた。 ---なお、タルタルについてはアコール先生が「タルタルくんはおやすみなのよ」と言及している。 --また、初代『ぷよぷよ』からの復活キャラに関しても「ドラコケンタウロス」「ウィッチ」などが登場してほしかったという声もある((ただし、彼女達は後の作品で復活した。))。 //今作に出場したキャラへのネガティブな意見は個人の好みによるため削除 -今作で復活したアルル以外の初代キャラクターは最初から使用できるわけではなく、「ストーリー」モードで対戦相手として登場し倒したキャラが新たに使用できるようになるが、どのキャラのストーリーをクリアすれば自分の使いたいキャラが解放されるのかがわかりにくい。 --本作の旧作キャラは4人目か8人目に必ず出現するのだが、組み合わせはキャラ毎に固定であるため目当てのキャラが誰のストーリーで出るのか判別しづらい。 --一応「アミティ(ナス&シェゾ)・ラフィーナ(ぞう&サタン)・シグ(たら&ルルー)」というフィーバー主人公組3人のストーリーを全てこなせば旧キャラを全員出現できる((他には「リデル(ぞう&サタン)・ユウ&レイ(たら&シェゾ)・おにおん(ナス&ルルー)」「アルル(シェゾ&サタン)・おにおん(ナス&ルルー) → ナスグレイブ(たら&ぞう)」などが最短ルート。))。旧作キャラ限定でも「アルル → シェゾorサタン → ルルー → ナスグレイブ」で全て出すことが可能。 --なお、救済措置としてか、すべての隠し要素を一気に解放する裏技コマンドがある。 -COMが使用する際「ユウちゃん&レイくん」「どんぐりガエル」「すけどうだら」は従来のシリーズと同様の組み方をするのに対し、従来では組ぷよの回転をしなかった「おしゃれコウベ」「おにおん」「バルトアンデルス」が今作では普通にぷよの回転をするようになっている。 --これは、今作でのCPUの強さ(思考レベル)がぷよの回転の可否含めキャラクター個別ではなく何回戦目かに依存するため。 &font(b,16){ストーリーに関する問題点} -本作のストーリーは全員共通で「プリンプ魔導学校主催のぷよバトル大会に参加し、なんでも願いが叶うメダルを手に入れるため優勝を目指す」というもの。 --このため漫才デモの背景画像は全て「ぷよ大会」の背景を使い回し(一部色変更)となっており、あまり代わり映えがしない。 --「誰か一人が優勝する」というストーリー設定上、どのストーリーも結末はパラレルになっている。 --「優勝メダルに願いを掛ける」というストーリーではあるのだが、願いがまともに叶わないキャラクターもかなり多く不完全燃焼。また、本作で願いが叶ったとされるキャラ達も、続編以降ではその願い自体無かったことにされている。 -ストーリー中、違和感のある描写がある。 --言葉を喋れない系統のキャラクターと対峙した時、一方のルートでは言動を理解できているのに、別のルートでは理解できない、など。 --旧シリーズでのルルーは18歳という設定だったが、今作ではルルーがアコール先生に「まだお若いのに」と声をかける、アミティがルルーを「マダム」と呼ぶ、クルークがルルーを「おばさん」と言いかける、レムレスがルルーに敬語を使うなど、ルルーの年齢設定がやや高いとも受け取れるようなシーンが多数存在する。ただし、今作での年齢は明確には設定されていない。 ---公式ウェブラジオにて、ルルー役の近藤佳奈子氏の「ルルーは18歳なんですよね」という言葉に対して本作ディレクターの細山田水紀氏が「それは…」と口ごもったという逸話がある。 --その他にも、例えばサタンがカーバンクルを呼び捨てにする((旧作では主に「カーバンクルちゃん」、もしくはアルル同様「カーくん」と呼んでいた。))など、キャラの呼称などで一部違和感のある場面もある。 --これらの違和感のある描写については後の作品で改善されている((例としてサタンは本作の漫才デモを流用したメダルゲーム版で「カーバンクルちゃん」に修正されるなど。))。 &font(b,16){ネット対戦での問題点} -対戦できるルールは「ぷよぷよ」「ぷよぷよ通」「ぷよぷよフィーバー」の3つ。ただし、「ぷよぷよ」ルールはフレンドとの対戦のみ。 -Wi-Fiでのネット対戦で負けそうになると回線を切断するという行為が多発した。 --どちらかが切断行為を行うと、両者のレーティングが下がってしまうが、廉価版では切断した側のみレーティングが下がるように変更された。 &font(b,16){その他問題点} -『ぷよぷよフィーバー2』の「はくぶつかん」のような、ストーリーモード以外で世界観を楽しめる要素がなくなった。 //スタッフ交代やお祭りクロスオーバーに関する記載は余談に移動しました。 -プレイ動画の保存機能がなくなった。 -DS版の漫才デモは前作まではフルボイスだったが、本作からはボイスがなくなってしまった。 -ゲーム内収録のミニゲームがなくなった(Wii版以外)。 --ただし、本作の[[公式サイト>http://puyo.sega.jp/puyopuyo!/enjoy/index.html]]ではWeb上で遊べるFLASHミニゲームが複数公開されている ---上記Webミニゲームのうち、Wii版のみぷよをひたすら登らせる「ぷよぷよ! ノボランカー」がリモコン操作に置き換える形で移植されている。 --また、解析によるとDSの廉価版にはミニゲーム「ぷよぷよ! スナイパー」が移植されていることが確認されている([[参考>http://tcrf.net/Puyo_Puyo!_15th_Anniversary_(Nintendo_DS)]])。 ---現状チートで強引に出現させることはできる模様で、モードとしては完全な形で実装されているようだが、単なる没データなのかそれとも隠し要素として正式な出し方が存在するのかは現状明らかになっていない。 ---- **総評 いくつもの問題点を抱えて入るものの、豊富なルール・多数のキャラでぷよぷよが楽しめる魅力は充分。~ 初期版には致命的なバグが存在していたが、公式の対応によって修正された。~ ~ ハンデをつけて対戦したり、「じゅぎょう」モードで練習したり、初心者から上級者まで楽しめ、『魔導物語』や旧ぷよからのファンも、『ぷよぷよフィーバー』からのファンも、本作からのプレイヤーも楽しめるように工夫されている。~ またネット対戦という新要素も追加されており、総じて「ぷよぷよ誕生15周年の記念にふさわしい出来栄え」である。 //人によっては些細と言えないものであるかもしれない為、文章を多少修正 ---- **携帯端末版(参考記述) -ガラケーのiアプリ・S!アプリ、スマホのAndroid版が存在する。 --いずれもたいかいモードが簡略化されて全7面になっており、道中の漫才デモはなくエンディングのみ存在。 --ルールやキャラクターは追加パック形式でポイントなどを消費して解禁する形となっている。 ---- **余談 -前作までプロデューサーやディレクターを務めていた中裕司氏および湯田高志氏に代わって、本作では後に『ぷよぷよ』シリーズの総合プロデューサーとなる細山田水紀氏がディレクターに就任している。 -後に、本作のシステムなどを多く引き継いでナンバリング本編7作目『[[ぷよぷよ7]]』が、さらに本作と同様の記念作品として20周年に『[[ぷよぷよ!! Puyopuyo 20th anniversary]]』が発売された。 --また、2009年には本作をベースにしたメダルゲーム『ぷよぷよ! The Medal Edition』も稼働している。 //本作の話ではなくなってしまっているため総評から分離しました。 -本作以降、ぷよぷよシリーズは『魔導物語』ならびにコンパイル制作時代のキャラと『フィーバー』以降のセガ制作時代のキャラが共に活躍するお祭りクロスオーバー風な世界観へと作風が大きく変化した。 --『7』では新主人公のりんごや新キャラが登場しているが、『フィーバー』の時と比べると新キャラの追加は控えめになっており、その分アルルやアミティら過去作のキャラが多めに参戦している。

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