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*ぼくらはカセキホリダー 【ぼくらはかせきほりだー】 |ジャンル|ロールプレイング|CENTER:&amazon(B0014YRP36)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|DSカード|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|任天堂&br()レッド・エンタテインメント&br()アートディンク&br()M2|~| |発売日|2008年4月17日|~| |定価|4,800円|~| |プレイ人数|1人(ワイヤレス通信では2人)|~| |セーブデータ|2個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''カセキホリダーシリーズ''&br;''ぼくらはカセキホリダー''/[[スーパーカセキホリダー]]/ [[カセキホリダー ムゲンギア]]| #contents(fromhere) ---- **概要 昔から子ども達の間で人気の高い「恐竜」をテーマにした作品。ただし本作はただ恐竜を戦わせるだけではなく、「リバイバー」と呼ばれる恐竜型モンスターの化石の探索・発掘やクリーニングといった作業も重要な要素を秘めている。~ 特にクリーニングはDSの売りであるタッチペンを生かしたものとなっており、本パートのみパズルゲームとしての側面が強い。~ 開発者曰く、「それぞれのパートを取っても一本の作品として成り立ちそう」とのこと。以下に各パートを記す。 ---- **ゲームパート ***発掘 -作中に存在する「発掘エリア」においてレーダーを使い、カセキ岩(本作では化石はこう称される)の反応がある場所を探しツルハシで掘り当てる。スタート時点ではただの石と誤反応してしまう事もあるが、ゴロリ((本作における通貨))を貯めることによって性能を上げたり、探索範囲を広げたりする事ができる。 --カセキ岩はリバイバーの体だけではなく、「ホウセキ石」という高価な宝石が埋められたカセキ岩を見つける事もできる。 --リバイバーは頭・体・手・足の4つのパートで構成されており、頭以外のカセキ岩を発掘しても復活させる事はできない。頭だけ掘り当てても戦わせる事は出来るが、体のパーツがあるとより成長が楽になる。 --カセキ岩の中には赤い「レア化石」が入った物や、クリーニングしてみるまで中身の分からない「黒カセキ岩」もある。 ---黒カセキ岩は「表面の黒い部分はハンマーで剥がさないとクリーニングできない」「弟子ロボに預ける事ができない」と言った特徴がある。 --ホウセキ石やレア化石の入ったカセキ岩は他のカセキホリダーとのバトルに勝たなければ手に入らないが、その分高価な宝石や強力なパーツが入っている。 ***クリーニング -タッチペンをハンマーとドリルに見立て、カセキ岩から化石を掘り出していく。当時流れていたCMでも積極的に推されていた部分なので、覚えている方も多いかもしれない。 --もちろん、ただ闇雲に掘るのではなくレントゲンを使えば無駄な作業をしなくても済む。また、ドリルとハンマーもゴロリを貯めればより性能のいい物を手に入れる事が可能。 --掘っていくうちに細かいクズが出てくるので、マイクに息を吹きかける、またはLボタンかRボタンを押して吹き飛ばす必要がある。 -クリーニング画面では成功判定が記されたラインが存在するので、時間内に青いメーターをラインまでの到達させる事が目標となる。うっかりして化石を壊したりすると、画面上から赤いメーターが登場して成功ラインを押しつぶしてしまうので注意。 //--難易度の高いカセキ岩や下手な人への救済策として、時間を増やすアイテムがあるのも嬉しい。 //それスーパーカセキホリダーから -クリーニングの結果に応じてポイントが入り、高い点数を出せば出すほどリバイバーが強力になる。 --クリーニングの結果がその化石の過去最高点以下だった場合にはキフポイントに変換される。キフポイントは特別なリバイバーと交換することが出来る。 -一度でもクリーニングした事のある化石は弟子ロボに任せる事もできる。 --最初は60点台しか出さないため不要な化石を任せる程度の役目だが、レベルマックスまで成長した弟子ロボは90点台を出すようになる。プレーヤーにとって難しい化石も軽々こなしてくれるので、ある種の救済措置にもなっている。 ***バトル -バトルフィールドに三体のリバイバーを配置して戦う。フィールドにはそれぞれAA(アタックエリア)とSA(サポートエリア)があり、それぞれの地形が得意なリバイバーが存在する。 --例として挙げると、強力な攻撃力を持つリバイバーはAAに置くと抜群の破壊力を持つが、SAに置くとAAにいるリバイバーの性能を下げてしまう事が多い。逆にサポート能力に優れるリバイバーはAAにいると真っ先に敵の攻撃を食らい倒されてしまう事がザラ。 --技を使うにはKP(カセキポイント)という数値が必要。他のRPGで言うMPのようなものだが、ターン開始時に双方のパーティーに同じ数が振られる。攻撃タイプはKPを多く消費するが、リバイバーの数を問わず同じ数値が割り振られるのでSAのメンバーが倒されてもAAで大技を駆使して勝つ、という一発逆転の戦術も可能。 -また、各リバイバーには属性が割り振られているため弱いリバイバーでも属性の相性次第で強いリバイバーを倒す事も不可能ではない。 -日本で発見された恐竜である「フタスズ」(フタバスズキリュウ)、「ミフネン」(ミフネキリュウ((紛らわしいが、同じくマイナーで一文字違いの「ミフネリュウ」とは別種である)))、「フクラプ」(フクイラプトル)による「フジヤマジャポン」などの合体攻撃もある。 ---- **評価点 -中毒性の高いゲーム性。持っていない化石を探して奔走し、高得点を目指してクリーニングを行う独特のゲームシステムは遊んでいて中々飽きが来ない。 --特にクリーニングで満点を出すためには、化石に少しの傷も許されないのでやり込み性が高く、成功した時の達成感も抜群。嵌る人はとことん嵌るゲームである。 --ストーリーを早く進めたい人は化石掘りをほとんど無視して先へ進む事もできる。多くのニーズに答えられる設計である点もマル。 -リバイバーは架空の存在ではあるが、全てが実在した恐竜・古代生物((厳密には恐竜ではない翼竜や首長竜、哺乳類など。))をモデルに作られている((カセキとして発掘と復元ができる「リバイバー」に限る。リバイバーと言うのかが怪しい隠しキャラにはモデルが存在しない。))。ゲーム中では「本名」と言う設定でモデルとなった恐竜・古代生物を確認できる。 --本作は恐竜の専門家が監修している。そのためかティラノサウルスやトリケラトプスといった有名な種類から、ミフネキリュウのようなまだ謎が多い種類まで幅広い種類が網羅されている。 -弟子ロボのおかげで発掘~クリーニングの流れが作業ゲーにならない。しかも、最高点の更新かキフポイントの獲得に使えるので不要な化石も無駄にならない。 -シナリオは『僕の血を吸わないで』などで知られるライトノベル作家で、後に『[[俺達の世界わ終っている。]]』などを手掛ける阿智太郎氏が担当((阿智氏は本作の開発元の1つであるレッド・エンタテインメントにかつて所属していた。))。 --『[[ポケモン>ポケットモンスターシリーズ]]』『[[メダロット>メダロットシリーズ]]』のようにカセキホリダー同士のバトルを悪用する組織・BB団との戦い、そして地球を狙う宇宙人・ディノリアンとの戦いが骨子となっているが、(ネタばれ)&color(white){「島の治安を守る人物が悪の親玉」「組織を抜け出したBB団の幹部やディノリアンとの共闘」}といった王道ながらも熱い作風となっている。 --BB団の幹部は『タイムボカンシリーズ』を思わせるコミカルな三人組で、ディノリアンはクールな性格ながら人間との共存を望むようになることから「ツンデレ」として評価されることもある。とりわけディノリアンの少女・デュナは人気が高く、正ヒロインのベルゼットよりも好きというファンも。 -カセキバトルには何気に実況と解説がつく。彼らのやりとりも見ていて楽しい。 -リバイバーはバトルを繰り返すだけでも強くなる。クリーニングが苦手・レア化石を探すのが辛いという人でもバトルだけで最高ランクまで成長させられる。 -キャラコンプリートを阻む障害が少ない。 --収集とバトルをテーマにしたゲームにありがちな通信しないとコンプリートできないキャラが存在しない。そればかりか配信限定キャラの類も存在しない((オンライン配信はあったが、そのキャラは配信で入手していなくても手に入れられるようになっている。))ため、一切の通信を行わずに全てのリバイバーを集められる。 ---ちなみに(余談気味ではあるが)続編では配信でしか手に入らないリバイバーが収録されている。 ---- **賛否両論点 -一部のリバイバーが高性能すぎる。例えば「コンプソン」(コンプソグナトゥス)はSAに置くだけで相手AAのリバイバーの攻撃力・防御力を激減する上、スーパースキル「KPプラス」(KPの増加を多く増やす)という非常に強力な能力を持っている。 --ただし、手に入れるには高額のキフポイントが必要になるためそれに見合った性能と言えなくも無い。 -一部キャラの扱いが酷く、ギャグだとしても好みが分かれる描写がある。 --特にペルゼットはヒロインにも関わらず扱いが酷過ぎる。リバイバーを盗まれたり、誘拐されたり…はまだヒロインに降りかかる災難としては珍しくないが、語尾を無理やり覚えさせられたり、退化光線を浴びてしまったりと何かと不運。 --ペルゼットが記憶喪失になったり、デュナがコールドスリープに失敗して目覚めなくなるシーンがある。これらの問題を解決するのがよりにもよって''ディグディグ族の腰振りダンス''。それはちょっとふざけ過ぎではないだろうか。 -海外でも発売されたためか、キャラクターの顔が日本的なデザインとは少しかけ離れている。例えるなら「マンガ」ではなく「カートゥーン」といったイメージで、勿論好みの問題だが、日本人向けとは少々言い難い。 --次回作ではキャラデザインが日本向けになっている。 ---- **問題点 -中盤から掘り出す事が可能になる「黒カセキ岩」は中身がランダムで、当たりの場合「赤いカセキ」などが出るが、ハズレの場合出てくるのは''ウンコ''さらにそのウンコにも複数配置パターンがあり、稀に巨大なウンコが入っている事もある。ここまで来ると下品を通り越して悪趣味。 --ウンコの化石はあるキャラクターに渡す事でアイテムが貰える、[[ドラクエ>ドラゴンクエストシリーズ]]で言う「ちいさなメダル」ポジションなのだが、30個以降は使い道のない完全なゴミと化す。しかも頻繁に出現するので30個なんてあっという間。 --一応フォローしておくと、実際の恐竜の化石でも「糞石」というウンコの化石が発掘される事もある。恐竜が何を食べていたか、どんな病気にかかっていたかが分かるため研究者の間では重宝されている。 ---ただし、その割には1ゴロリでしか買い取ってくれず、資金源にはまるっきりならない((クリーニングせずに打った方が高く売れる))。多く見つかりすぎて値崩れしているのだろうか? --糞の化石は古生物の実像に迫る貴重な資料であり、化石を題材に据えた作品としてそれ自体は下品とも悪趣味とも言えない。それなら買取金額を値上げするだけで十分に改善されていたはずだが。 ---実際に「[[古代王者 恐竜キング 7つのかけら]]」では4000チェルで買い取ってもらえる為、十分な資金になる。参考までに他の化石の買取金額を記載すると、三葉虫が1000チェル、アンモナイトが1200チェル、マンモスの牙が3000チェル、恐竜の卵5000チェル。 -クリーニング中に上画面で弟子ロボが頻繁にメッセージを出すのだが、役に立つ情報は何一つない。むしろ腹が立つ。 --細かい作業をやっている最中にウロチョロされても気が散るだけなのでせめてオンオフ機能が欲しかったところ。実際、後述する『ムゲンギア』では削除されている。 -プレーヤーが行うクリーニングへの救済措置が無く、成績がプレーヤースキルに委ねられてしまう。点数目当てなら弟子ロボに任せる事もできるが醍醐味の一つが失われるのは残念。 --購入できる強化版のドリルやハンマーは岩を一気に削りやすいが化石もダメージを受けやすいため無暗には使えず、強化前のドリルやハンマーとは使い分けができるようになっている。ゲーム中でも使い分けるよう促す台詞が見られる。つまりこれらは救済目的ではなく後半に増えてくる頑丈なカセキ岩の対策用道具なのである。 --続編では制限時間を増やすアイテムといった救済措置が用意されるようになった。 -カセキ岩の中には、岩の形状のせいでハンマーを使うと化石へのヒビが不可避、しかしハンマーを使わなければ化石を掘り出し切れずに時間切れを迎えるため、プレーヤーが高得点を出すのは恐らく無理ゲーという物がある。 --中身が脆い化石の黒カセキ岩、覆っている岩に切れ込みが入ったタイプの黒カセキ岩は難易度が跳ね上がる。特に前者は黒い部分を剥がそうとしただけで中身まで粉々にしてしまいやすい。 ---入手方法が特殊で、上記の両方に当て嵌まる黒カセキ岩でしか手に入らない「ディアリン(頭)」の化石は多くの人が苦労したと言われる。何度もやり直して形を把握し、ハンマーの効果範囲にも慣れなければ、最低限のクリーニングですら成功は厳しい。 -毒のダメージは技とそれを受けた側の最大LPで変わるが、この値が少し多すぎる。 --どんな貧弱なリバイバーでも勝てるようにする為の調整なのだろうが、中盤以降は技の使用に必要なKPの増加量が多くなり毎ターン状態異常攻撃をされる事もザラなのでやり過ぎ感は否めない。 ---また、状態異常の中でも恐怖、興奮に比べて混乱、毒の間に格差が感じられる((恐怖はランダムで使用技が制限、興奮はSAのリバイバーとの交代が不可能になる))。 -サポート技「弱肉強食」「命のバトン」が非常に扱いづらく、むしろ邪魔な技と化している。 --それぞれ「味方の中で最もLPが高いリバイバーからLPを奪って回復する」「味方の中で最もLPが低いリバイバーに自分のLPを与える」というもの。事もあろうにLPを奪われた・与えたリバイバーは問答無用でLPが''1''まで減らされてしまうため、実戦に活かすのはかなり難しい。 --これだけならまだ使わなければいいだけの話だが、ここで状態異常の一つ・混乱の存在が厄介になる。混乱状態になったリバイバーはターン頭に必ず勝手に行動し、ランダムに技を使用する。そして当然この2つの補助技も選ばれる技の対象なので、運が悪いと確実に味方のリバイバーが一人瀕死になってしまう。状態異常が重要な戦闘システムとなっているバトルの 仕様上、この欠点には目を瞑れない。これらの技を持っているという理由だけで何体ものリバイバー(特に大型肉食リバイバー)が評価を下げてしまっている。 --一応、スキル「ラストパワー」を持つリバイバーに弱肉強食を使うなど、実用的な戦法には組み込める。ただし、使ったが最後、次のターンで「ラストパワー」を持つ恐竜がほぼ倒されるが。 ---実際次回作では「サポートの重ね掛け&ラストパワーで超火力となったトリケラの全体攻撃で戦闘を即終了に持ち込む」という究極のゴリ押し戦法が編み出されている。 ---- **総評 決してアラが無いわけではないが、「恐竜によるバトル」という一見すればありがちな題材を~ 『[[古代王者 恐竜キング]]』『[[ディノクライシス]]』といった他作品とは違う視点から捉えた点は大いに評価できる。~ 後述する続編も含め、メインターゲット層である子どもたちの心を掴むことに成功した作品と言っていいだろう。 ---- **その後 -ゴールデンタイムにCMが放送されたことや『デンゲキニンテンドーDS』でマンガ版が連載されていた事もあり、1作目ながら週間ソフトセールスランキングでは初登場3位という高記録をマーク。 -2010年には続編『スーパーカセキホリダー』が発売された。こちらはリバイバーの大量増加とそれに伴うカセキ岩の種類の変化、「きせきのカセキ岩」によるスーパーリバイバーへの進化が話題となった。キャラクターデザインも日本人向けに大幅に変更されたほか、主人公の性別変更可能、作中のムービー挿入なども手伝い大幅に売れ、コミカライズ版も2012年までとなる長期連載となった。 -2014年には初の3DS作品『カセキホリダー ムゲンギア』が発売されたが、一部リバイバーの削除や変更・通信対戦のマナーの悪さなどが問題となり、売上は良かったものの前二作程好評ではない。 ----
*ぼくらはカセキホリダー 【ぼくらはかせきほりだー】 |ジャンル|ロールプレイング|CENTER:&amazon(B0014YRP36)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|DSカード|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|任天堂&br()レッド・エンタテインメント&br()アートディンク&br()M2|~| |発売日|2008年4月17日|~| |定価|4,800円|~| |プレイ人数|1人(ワイヤレス通信では2人)|~| |セーブデータ|2個|~| |レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''カセキホリダーシリーズ''&br;''ぼくらはカセキホリダー''/[[スーパーカセキホリダー]]/ [[カセキホリダー ムゲンギア]]| #contents(fromhere) ---- **概要 昔から子ども達の間で人気の高い「恐竜」をテーマにした作品。ただし本作はただ恐竜を戦わせるだけではなく、「リバイバー」と呼ばれる恐竜型モンスターの化石の探索・発掘やクリーニングといった作業も重要な要素を秘めている。~ 特にクリーニングはDSの売りであるタッチペンを生かしたものとなっており、本パートのみパズルゲームとしての側面が強い。~ 開発者曰く、「それぞれのパートを取っても一本の作品として成り立ちそう」とのこと。以下に各パートを記す。 ---- **ゲームパート ***発掘 -作中に存在する「発掘エリア」においてレーダーを使い、カセキ岩(本作では化石はこう称される)の反応がある場所を探しツルハシで掘り当てる。スタート時点ではただの石と誤反応してしまう事もあるが、ゴロリ((本作における通貨))を貯めることによって性能を上げたり、探索範囲を広げたりする事ができる。 --カセキ岩はリバイバーの体だけではなく、「ホウセキ石」という高価な宝石が埋められたカセキ岩を見つける事もできる。 --リバイバーは頭・体・手・足の4つのパートで構成されており、頭以外のカセキ岩を発掘しても復活させる事はできない。頭だけ掘り当てても戦わせる事は出来るが、体のパーツがあるとより成長が楽になる。 --カセキ岩の中には赤い「レア化石」が入った物や、クリーニングしてみるまで中身の分からない「黒カセキ岩」もある。 ---黒カセキ岩は「表面の黒い部分はハンマーで剥がさないとクリーニングできない」「弟子ロボに預ける事ができない」と言った特徴がある。 --ホウセキ石やレア化石の入ったカセキ岩は他のカセキホリダーとのバトルに勝たなければ手に入らないが、その分高価な宝石や強力なパーツが入っている。 ***クリーニング -タッチペンをハンマーとドリルに見立て、カセキ岩から化石を掘り出していく。当時流れていたCMでも積極的に推されていた部分なので、覚えている方も多いかもしれない。 --もちろん、ただ闇雲に掘るのではなくレントゲンを使えば無駄な作業をしなくても済む。また、ドリルとハンマーもゴロリを貯めればより性能のいい物を手に入れる事が可能。 --掘っていくうちに細かいクズが出てくるので、マイクに息を吹きかける、またはLボタンかRボタンを押して吹き飛ばす必要がある。 -クリーニング画面では成功判定が記されたラインが存在するので、時間内に青いメーターをラインまでの到達させる事が目標となる。うっかりして化石を壊したりすると、画面上から赤いメーターが登場して成功ラインを押しつぶしてしまうので注意。 //--難易度の高いカセキ岩や下手な人への救済策として、時間を増やすアイテムがあるのも嬉しい。 //それスーパーカセキホリダーから -クリーニングの結果に応じてポイントが入り、高い点数を出せば出すほどリバイバーが強力になる。 --クリーニングの結果がその化石の過去最高点以下だった場合にはキフポイントに変換される。キフポイントは特別なリバイバーと交換することが出来る。 -一度でもクリーニングした事のある化石は弟子ロボに任せる事もできる。 --最初は60点台しか出さないため不要な化石を任せる程度の役目だが、レベルマックスまで成長した弟子ロボは90点台を出すようになる。プレーヤーにとって難しい化石も軽々こなしてくれるので、ある種の救済措置にもなっている。 ***バトル -バトルフィールドに三体のリバイバーを配置して戦う。フィールドにはそれぞれAA(アタックエリア)とSA(サポートエリア)があり、それぞれの地形が得意なリバイバーが存在する。 --例として挙げると、強力な攻撃力を持つリバイバーはAAに置くと抜群の破壊力を持つが、SAに置くとAAにいるリバイバーの性能を下げてしまう事が多い。逆にサポート能力に優れるリバイバーはAAにいると真っ先に敵の攻撃を食らい倒されてしまう事がザラ。 --技を使うにはKP(カセキポイント)という数値が必要。他のRPGで言うMPのようなものだが、ターン開始時に双方のパーティーに同じ数が振られる。攻撃タイプはKPを多く消費するが、リバイバーの数を問わず同じ数値が割り振られるのでSAのメンバーが倒されてもAAで大技を駆使して勝つ、という一発逆転の戦術も可能。 -また、各リバイバーには属性が割り振られているため弱いリバイバーでも属性の相性次第で強いリバイバーを倒す事も不可能ではない。 -日本で発見された恐竜である「フタスズ」(フタバスズキリュウ)、「ミフネン」(ミフネキリュウ((紛らわしいが、同じくマイナーで一文字違いの「ミフネリュウ」とは別種である)))、「フクラプ」(フクイラプトル)による「フジヤマジャポン」などの合体攻撃もある。 ---- **評価点 -中毒性の高いゲーム性。持っていない化石を探して奔走し、高得点を目指してクリーニングを行う独特のゲームシステムは遊んでいて中々飽きが来ない。 --特にクリーニングで満点を出すためには、化石に少しの傷も許されないのでやり込み性が高く、成功した時の達成感も抜群。嵌る人はとことん嵌るゲームである。 --ストーリーを早く進めたい人は化石掘りをほとんど無視して先へ進む事もできる。多くのニーズに答えられる設計である点もマル。 -リバイバーは架空の存在ではあるが、全てが実在した恐竜・古代生物((厳密には恐竜ではない翼竜や首長竜、哺乳類など。))をモデルに作られている((カセキとして発掘と復元ができる「リバイバー」に限る。リバイバーと言うのかが怪しい隠しキャラにはモデルが存在しない。))。ゲーム中では「本名」と言う設定でモデルとなった恐竜・古代生物を確認できる。 --本作は恐竜の専門家が監修している。そのためかティラノサウルスやトリケラトプスといった有名な種類から、ミフネキリュウのようなまだ謎が多い種類まで幅広い種類が網羅されている。 -弟子ロボのおかげで発掘~クリーニングの流れが作業ゲーにならない。しかも、最高点の更新かキフポイントの獲得に使えるので不要な化石も無駄にならない。 -シナリオは『僕の血を吸わないで』などで知られるライトノベル作家で、後に『[[俺達の世界わ終っている。]]』などを手掛ける阿智太郎氏が担当((阿智氏は本作の開発元の1つであるレッド・エンタテインメントにかつて所属していた。))。 --『[[ポケモン>ポケットモンスターシリーズ]]』『[[メダロット>メダロットシリーズ]]』のようにカセキホリダー同士のバトルを悪用する組織・BB団との戦い、そして地球を狙う宇宙人・ディノリアンとの戦いが骨子となっているが、(ネタばれ)&color(white){「島の治安を守る人物が悪の親玉」「組織を抜け出したBB団の幹部やディノリアンとの共闘」}といった王道ながらも熱い作風となっている。 --BB団の幹部は『タイムボカンシリーズ』を思わせるコミカルな三人組で、ディノリアンはクールな性格ながら人間との共存を望むようになることから「ツンデレ」として評価されることもある。とりわけディノリアンの少女・デュナは人気が高く、正ヒロインのベルゼットよりも好きというファンも。 -カセキバトルには何気に実況と解説がつく。彼らのやりとりも見ていて楽しい。 -リバイバーはバトルを繰り返すだけでも強くなる。クリーニングが苦手・レア化石を探すのが辛いという人でもバトルだけで最高ランクまで成長させられる。 -キャラコンプリートを阻む障害が少ない。 --収集とバトルをテーマにしたゲームにありがちな通信しないとコンプリートできないキャラが存在しない。そればかりか配信限定キャラの類も存在しない((オンライン配信はあったが、そのキャラは配信で入手していなくても手に入れられるようになっている。))ため、一切の通信を行わずに全てのリバイバーを集められる。 ---ちなみに(余談気味ではあるが)続編では配信でしか手に入らないリバイバーが収録されている。 ---- **賛否両論点 -一部のリバイバーが高性能すぎる。例えば「コンプソン」(コンプソグナトゥス)はSAに置くだけで相手AAのリバイバーの攻撃力・防御力を激減する上、スーパースキル「KPプラス」(KPの増加を多く増やす)という非常に強力な能力を持っている。 --ただし、手に入れるには高額のキフポイントが必要になるためそれに見合った性能と言えなくも無い。 -一部キャラの扱いが酷く、ギャグだとしても好みが分かれる描写がある。 --特にペルゼットはヒロインにもかかわらず扱いが酷過ぎる。リバイバーを盗まれたり、誘拐されたり…はまだヒロインに降りかかる災難としては珍しくないが、語尾を無理やり覚えさせられたり、退化光線を浴びてしまったりと何かと不運。 --ペルゼットが記憶喪失になったり、デュナがコールドスリープに失敗して目覚めなくなるシーンがある。これらの問題を解決するのがよりにもよって''ディグディグ族の腰振りダンス''。それはちょっとふざけ過ぎではないだろうか。 -海外でも発売されたためか、キャラクターの顔が日本的なデザインとは少しかけ離れている。例えるなら「マンガ」ではなく「カートゥーン」といったイメージで、勿論好みの問題だが、日本人向けとは少々言い難い。 --次回作ではキャラデザインが日本向けになっている。 ---- **問題点 -中盤から掘り出す事が可能になる「黒カセキ岩」は中身がランダムで、当たりの場合「赤いカセキ」などが出るが、ハズレの場合出てくるのは''ウンコ''さらにそのウンコにも複数配置パターンがあり、稀に巨大なウンコが入っている事もある。ここまで来ると下品を通り越して悪趣味。 --ウンコの化石はあるキャラクターに渡す事でアイテムが貰える、[[ドラクエ>ドラゴンクエストシリーズ]]で言う「ちいさなメダル」ポジションなのだが、30個以降は使い道のない完全なゴミと化す。しかも頻繁に出現するので30個なんてあっという間。 --一応フォローしておくと、実際の恐竜の化石でも「糞石」というウンコの化石が発掘される事もある。恐竜が何を食べていたか、どんな病気にかかっていたかが分かるため研究者の間では重宝されている。 ---ただし、その割には1ゴロリでしか買い取ってくれず、資金源にはまるっきりならない((クリーニングせずに打った方が高く売れる))。多く見つかりすぎて値崩れしているのだろうか? --糞の化石は古生物の実像に迫る貴重な資料であり、化石を題材に据えた作品としてそれ自体は下品とも悪趣味とも言えない。それなら買取金額を値上げするだけで十分に改善されていたはずだが。 ---実際に「[[古代王者 恐竜キング 7つのかけら]]」では4000チェルで買い取ってもらえる為、十分な資金になる。参考までに他の化石の買取金額を記載すると、三葉虫が1000チェル、アンモナイトが1200チェル、マンモスの牙が3000チェル、恐竜の卵5000チェル。 -クリーニング中に上画面で弟子ロボが頻繁にメッセージを出すのだが、役に立つ情報は何一つない。むしろ腹が立つ。 --細かい作業をやっている最中にウロチョロされても気が散るだけなのでせめてオンオフ機能が欲しかったところ。実際、後述する『ムゲンギア』では削除されている。 -プレーヤーが行うクリーニングへの救済措置が無く、成績がプレーヤースキルに委ねられてしまう。点数目当てなら弟子ロボに任せる事もできるが醍醐味の一つが失われるのは残念。 --購入できる強化版のドリルやハンマーは岩を一気に削りやすいが化石もダメージを受けやすいため無暗には使えず、強化前のドリルやハンマーとは使い分けができるようになっている。ゲーム中でも使い分けるよう促す台詞が見られる。つまりこれらは救済目的ではなく後半に増えてくる頑丈なカセキ岩の対策用道具なのである。 --続編では制限時間を増やすアイテムといった救済措置が用意されるようになった。 -カセキ岩の中には、岩の形状のせいでハンマーを使うと化石へのヒビが不可避、しかしハンマーを使わなければ化石を掘り出し切れずに時間切れを迎えるため、プレーヤーが高得点を出すのは恐らく無理ゲーという物がある。 --中身が脆い化石の黒カセキ岩、覆っている岩に切れ込みが入ったタイプの黒カセキ岩は難易度が跳ね上がる。特に前者は黒い部分を剥がそうとしただけで中身まで粉々にしてしまいやすい。 ---入手方法が特殊で、上記の両方に当て嵌まる黒カセキ岩でしか手に入らない「ディアリン(頭)」の化石は多くの人が苦労したと言われる。何度もやり直して形を把握し、ハンマーの効果範囲にも慣れなければ、最低限のクリーニングですら成功は厳しい。 -毒のダメージは技とそれを受けた側の最大LPで変わるが、この値が少し多すぎる。 --どんな貧弱なリバイバーでも勝てるようにする為の調整なのだろうが、中盤以降は技の使用に必要なKPの増加量が多くなり毎ターン状態異常攻撃をされる事もザラなのでやり過ぎ感は否めない。 ---また、状態異常の中でも恐怖、興奮に比べて混乱、毒の間に格差が感じられる((恐怖はランダムで使用技が制限、興奮はSAのリバイバーとの交代が不可能になる))。 -サポート技「弱肉強食」「命のバトン」が非常に扱いづらく、むしろ邪魔な技と化している。 --それぞれ「味方の中で最もLPが高いリバイバーからLPを奪って回復する」「味方の中で最もLPが低いリバイバーに自分のLPを与える」というもの。事もあろうにLPを奪われた・与えたリバイバーは問答無用でLPが''1''まで減らされてしまうため、実戦に活かすのはかなり難しい。 --これだけならまだ使わなければいいだけの話だが、ここで状態異常の一つ・混乱の存在が厄介になる。混乱状態になったリバイバーはターン頭に必ず勝手に行動し、ランダムに技を使用する。そして当然この2つの補助技も選ばれる技の対象なので、運が悪いと確実に味方のリバイバーが一人瀕死になってしまう。状態異常が重要な戦闘システムとなっているバトルの 仕様上、この欠点には目を瞑れない。これらの技を持っているという理由だけで何体ものリバイバー(特に大型肉食リバイバー)が評価を下げてしまっている。 --一応、スキル「ラストパワー」を持つリバイバーに弱肉強食を使うなど、実用的な戦法には組み込める。ただし、使ったが最後、次のターンで「ラストパワー」を持つ恐竜がほぼ倒されるが。 ---実際次回作では「サポートの重ね掛け&ラストパワーで超火力となったトリケラの全体攻撃で戦闘を即終了に持ち込む」という究極のゴリ押し戦法が編み出されている。 ---- **総評 決してアラが無いわけではないが、「恐竜によるバトル」という一見すればありがちな題材を~ 『[[古代王者 恐竜キング]]』『[[ディノクライシス]]』といった他作品とは違う視点から捉えた点は大いに評価できる。~ 後述する続編も含め、メインターゲット層である子どもたちの心を掴むことに成功した作品と言っていいだろう。 ---- **その後 -ゴールデンタイムにCMが放送されたことや『デンゲキニンテンドーDS』でマンガ版が連載されていた事もあり、1作目ながら週間ソフトセールスランキングでは初登場3位という高記録をマーク。 -2010年には続編『スーパーカセキホリダー』が発売された。こちらはリバイバーの大量増加とそれに伴うカセキ岩の種類の変化、「きせきのカセキ岩」によるスーパーリバイバーへの進化が話題となった。キャラクターデザインも日本人向けに大幅に変更されたほか、主人公の性別変更可能、作中のムービー挿入なども手伝い大幅に売れ、コミカライズ版も2012年までとなる長期連載となった。 -2014年には初の3DS作品『カセキホリダー ムゲンギア』が発売されたが、一部リバイバーの削除や変更・通信対戦のマナーの悪さなどが問題となり、売上は良かったものの前二作程好評ではない。 ----

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