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SIMPLE1500シリーズ Vol.92 THE 登山RPG 銀嶺の覇者 - (2012/08/08 (水) 22:46:08) の1つ前との変更点

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**SIMPLE1500シリーズ Vol.92 THE 登山RPG 銀嶺の覇者 【しんぷるせんごひゃくしりーず ぼりゅーむ92 ざ とざんあーるぴーじー ぎんれいのはしゃ】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005V8DY)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|D3パブリッシャー|~| |開発元|ヒューネックス|~| |発売日|2002年3月28日|~| |定価|1,500円(税別)|~| |ポイント|そこに山があるからだ|~| |>|>|CENTER:''[[SIMPLEシリーズリンク>SIMPLEシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 D3パブリッシャーによる廉価版ゲームシリーズ『SIMPLE1500シリーズ』の1作。~ SIMPLEシリーズは年を経るに従って万人向けの特徴のないゲームが中心だった状態から、バカゲー要素を盛り込んだコアユーザー向けゲームが混じるようになっていったのだが、このソフトは後者の典型例といえる。 タイトル通り、&font(red){「登山」をRPG化する}という類を見ないコンセプトのソフトで、プレイヤーは登山者''という名の戦士達''を操作して、山''という名のバトルフィールド''に挑み、様々な障害・困難''という名のザコモンスター共''に打ち勝ち、山頂''という名のボスモンスター''を''ぶっ倒さなければならない''。 ゲームシステムは、分かりやすく言えば『伝説のオウガバトル』系であり、プロデューサーの岡島氏自身も類似性を認めている。 *特徴 **パーティ まず4人1組のパーティを編成する。パーティキャラは、次の4つの職業がある。 -アタッカー --パーティにいないと、''そのマップのボス「山頂」に挑む事ができない''。 --攻撃力が高い、所謂「戦士」。必殺技は、前列にいる時は単体に、後列にいる時は全体にダメージを与えられる。 -クライマー --パーティにいると、マップ上での移動速度が上がる…というか、''いないとすっげーノロい''。 --素早さが高く、戦闘では真っ先に攻撃できる。必殺技の効果はアタッカーと同じだが、威力は劣る。 -シェルパ --パーティにいないと、''キャンプ(休息)が行えない''。 --防御力とHPが高く、瀕死の味方を庇う事もある。必殺技は列に関係なく単体攻撃だが、威力は平凡。 -ナース --''戦闘中に味方を回復できる唯一の職業''。HPが減った味方に単体回復を行う。 --必殺技は全員のHPの大幅回復。 --回復以外の行動は、後列では味方の攻撃・防御・素早さのどれかをアップする「注射」、前列では敵の能力をダウンさせる「注射」。後者の注射は1ポイントだけダメージも与えられるが、通常攻撃は行えない。 …とまあ、''太字の部分の特徴が原因で、全ての職を1人ずつ入れざるを得ず、実質編成の自由度は無いに等しい''。せいぜいボスバトル時にアタッカーを増やした即席パーティを作るぐらいだろう。~ 多くのパーティを作ればそれだけ攻略は楽にはなるが、1日ごとに人数に応じた「給料」が引かれていく。資金が0になるとそのマップでは敗北となる。 **マップ -ゲームの舞台となるマップは、「富士山」「アルプス」「アンデス」など6種類あり、順番にクリアしていく事になる。クリア済みのマップに再度挑む事もできる。 -マップには「洞窟」というイベントマスがあり、そこにパーティを送ると資金を入手できる。入手額はランダムで、1度入った洞窟は消滅する。 --洞窟は1マップに4個所出現するが、出現場所はランダム。 **バトル -戦闘はシンボルエンカウント式で、高山病・落石・凍傷といった現実の登山における障害が''擬人化してモンスターとして襲いかかってくる''。 --山頂に近付くと、中ボス「守り神」(とザコ2匹)との戦闘がある。倒さないと進めない。 --山頂では、そのマップの大ボス「山頂」(とザコ2匹)との戦闘があり、倒すとその山を征服したとしてクリアとなる。 ---クリアするまでに消費した時間・資金によってクリアランクが決まり、全てのマップをAランク以上でクリアするとエンディングを見る事ができる。 -戦闘はオートで行われる。プレイヤーにできるのは、特定の敵を集中攻撃させる「突撃」、資金を消費して4種類のお助けキャラを呼び出す「アイテム」、最寄りのキャンプ場所まで退却させる「逃げる」という3つの指示のみ。 --全員のHPが0になると全滅し、そのパーティは「遭難」扱いになる。一定時間内に救助しないと多額の資金を失う。 --パーティの「やる気」を意味する「スピリットゲージ」という物があり、時間経過やダメージを受ける事で減っていく。減ると移動速度が落ちる上、0になったパーティは強制的にバトルから逃げ出すので、キャンプさせて回復させる必要がある。 *問題点 -仲間にできるキャラは何人もいるが、職業とレベルが同じキャラは完全に同一のステータスとなる。 --顔グラフィックやセリフ、組み合わせの相性などは存在しない為、名前以外に個性は一切無い。 --装備品やステータスアップアイテムも存在しない。 --しかもキャラの人数は無駄に多く、パーティ編成にいちいち時間がかかる。 -どのマップも戦闘と洞窟以外のイベントは一切無い上、マップの形自体も広さが違うだけで、ただ真上の山頂を目指すのみという内容。殆ど「作業ゲー」である。 -移動先指定カーソルの動きがやたらノロい。 -戦闘は敵味方共に、クリティカルが全てのカギを握るという「クリティカルゲー」である。いくらレベルを上げたパーティでも、後半のボスはHPが異常に高い為、いつまでもクリティカルを出せないと''HPより先にやる気を無くして逃げ出す確率の方が高い''。 --敵キャラの必殺技デモはやたらと時間がかかる。しかも「ただ雪玉を''延々延々延々''ぶつけてくる」とかそういうのばかりだから、気の短い人は確実に「もうわかったよ!」と叫ぶだろう。 -データをセーブし、リセットして再開すると''味方のHPが全快している''。リセットではなく「ロード」のコマンドで再開した場合は変化なし。 --ダメージを受けた状態でセーブせずに元のデータをロードすると、''逆になぜかHPが減った状態で再開される''。明らかにバグである。 -戦闘中にメッセージスピードを切り換えられるが、ロードすると初期化される。まあ切り換えてもあまり変わりは無いのだが。 *総括 障害となる現象をモンスターに見立てて登山をRPG化するという企画自体は、非常にユニークではあった。しかし実際はそのユニークさのみが全てで、「ただザコを倒してボスに挑む''だけ''」の作業ゲーとなってしまった。~ まさに「そこに山(という敵)があるから」挑む、それだけの代物だった。 企画の段階では、面白いバカゲーになりえていたのかもしれないのだが…。
*SIMPLE1500シリーズ Vol.92 THE 登山RPG 銀嶺の覇者 【しんぷるせんごひゃくしりーず ぼりゅーむ92 ざ とざんあーるぴーじー ぎんれいのはしゃ】 |ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005V8DY)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|D3パブリッシャー|~| |開発元|ヒューネックス|~| |発売日|2002年3月28日|~| |定価|1,500円(税別)|~| |ポイント|そこに山があるからだ|~| |>|>|CENTER:''[[SIMPLEシリーズリンク>SIMPLEシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 D3パブリッシャーによる廉価版ゲームシリーズ『SIMPLE1500シリーズ』の1作。~ SIMPLEシリーズは当初は万人向けの無難なゲームが中心だったが、徐々にバカゲー要素を盛り込んだコアユーザー向けゲームが混じるようになっていったが、本作は後者の典型例といえる。 タイトル通り、&font(red){「登山」をRPG化する}という類を見ないコンセプトのソフトで、プレイヤーは登山者''という名の戦士達''を操作して、山''という名のバトルフィールド''に挑み、様々な障害・困難''という名のザコモンスター共''に打ち勝ち、山頂''という名のボスモンスター''を''ぶっ倒さなければならない''。 ゲームシステムは、分かりやすく言えば『伝説のオウガバトル』系であり、プロデューサーの岡島氏自身も類似性を認めている。 ---- **特徴 ***パーティ まず4人1組のパーティを編成する。パーティキャラは、次の4つの職業がある。 -アタッカー --パーティにいないと、''そのマップのボス「山頂」に挑む事ができない''。 --攻撃力が高い、所謂「戦士」。必殺技は、前列にいる時は単体に、後列にいる時は全体にダメージを与えられる。 -クライマー --パーティにいると、マップ上での移動速度が上がる…というか、''いないとすっげーノロい''。 --素早さが高く、戦闘では真っ先に攻撃できる。必殺技の効果はアタッカーと同じだが、威力は劣る。 -シェルパ --パーティにいないと、''キャンプ(休息)が行えない''。 --防御力とHPが高く、瀕死の味方を庇う事もある。必殺技は列に関係なく単体攻撃だが、威力は平凡。 -ナース --''戦闘中に味方を回復できる唯一の職業''。HPが減った味方に単体回復を行う。 --必殺技は全員のHPの大幅回復。 --回復以外の行動は、後列では味方の攻撃・防御・素早さのどれかをアップする「注射」、前列では敵の能力をダウンさせる「注射」。後者の注射は1ポイントだけダメージも与えられるが、通常攻撃は行えない。 …とまあ、''太字の部分の特徴が原因で、全ての職を1人ずつ入れざるを得ず、実質編成の自由度は無いに等しい''。せいぜいボスバトル時にアタッカーを増やした即席パーティを作るぐらいだろう。~ 多くのパーティを作ればそれだけ攻略は楽にはなるが、1日ごとに人数に応じた「給料」が引かれていく。資金が0になるとそのマップでは敗北となる。 ***マップ -ゲームの舞台となるマップは、「富士山」「アルプス」「アンデス」など6種類あり、順番にクリアしていく事になる。クリア済みのマップに再度挑む事もできる。 -マップには「洞窟」というイベントマスがあり、そこにパーティを送ると資金を入手できる。入手額はランダムで、1度入った洞窟は消滅する。 --洞窟は1マップに4個所出現するが、出現場所はランダム。 ***バトル -戦闘はシンボルエンカウント式で、高山病・落石・凍傷といった現実の登山における障害が''擬人化してモンスターとして襲いかかってくる''。 --山頂に近付くと、中ボス「守り神」(とザコ2匹)との戦闘がある。倒さないと進めない。 --山頂では、そのマップの大ボス「山頂」(とザコ2匹)との戦闘があり、倒すとその山を征服したとしてクリアとなる。 ---クリアするまでに消費した時間・資金によってクリアランクが決まり、全てのマップをAランク以上でクリアするとエンディングを見る事ができる。 -戦闘はオートで行われる。プレイヤーにできるのは、特定の敵を集中攻撃させる「突撃」、資金を消費して4種類のお助けキャラを呼び出す「アイテム」、最寄りのキャンプ場所まで退却させる「逃げる」という3つの指示のみ。 --全員のHPが0になると全滅し、そのパーティは「遭難」扱いになる。一定時間内に救助しないと多額の資金を失う。 --パーティの「やる気」を意味する「スピリットゲージ」という物があり、時間経過やダメージを受ける事で減っていく。減ると移動速度が落ちる上、0になったパーティは強制的にバトルから逃げ出すので、キャンプさせて回復させる必要がある。 ---- **問題点 -仲間にできるキャラは何人もいるが、職業とレベルが同じキャラは完全に同一のステータスとなる。 --顔グラフィックやセリフ、組み合わせの相性などは存在しない為、名前以外に個性は一切無い。 --装備品やステータスアップアイテムも存在しない。 --しかもキャラの人数は無駄に多く、パーティ編成にいちいち時間がかかる。 -どのマップも戦闘と洞窟以外のイベントは一切無い上、マップの形自体も広さが違うだけで、ただ真上の山頂を目指すのみという内容。殆ど「作業ゲー」である。 -移動先指定カーソルの動きがやたらノロい。 -戦闘は敵味方共に、クリティカルが全てのカギを握るという「クリティカルゲー」である。いくらレベルを上げたパーティでも、後半のボスはHPが異常に高い為、いつまでもクリティカルを出せないと''HPより先にやる気を無くして逃げ出す確率の方が高い''。 --敵キャラの必殺技デモはやたらと時間がかかる。しかも「ただ雪玉を''延々延々延々''ぶつけてくる」とかそういうのばかりだから、気の短い人は確実に「もうわかったよ!」と叫ぶだろう。 -データをセーブし、リセットして再開すると''味方のHPが全快している''。リセットではなく「ロード」のコマンドで再開した場合は変化なし。 --ダメージを受けた状態でセーブせずに元のデータをロードすると、''逆になぜかHPが減った状態で再開される''。明らかにバグである。 -戦闘中にメッセージスピードを切り換えられるが、ロードすると初期化される。まあ切り換えてもあまり変わりは無いのだが。 ---- **総評 障害となる現象をモンスターに見立てて登山をRPG化するという企画自体は、非常にユニークではあった。~ しかし実際はそのユニークさのみが全てで、「ただザコを倒してボスに挑む''だけ''」の作業ゲーとなってしまった。~ まさに「そこに山(という敵)があるから」挑む、それだけの代物だった。企画の段階では、面白いバカゲーになりえていたのかもしれないのだが…。 ----

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