「イレギュラーハンターX」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

イレギュラーハンターX - (2017/12/30 (土) 10:47:11) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*イレギュラーハンターX 【いれぎゅらーはんたーえっくす】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000BPL6P2)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|パッケージ版:2005年12月15日&br()ダウンロード版:2009年12月16日|~| |定価|パッケージ版:5,040円&br()ダウンロード版:1,500円|~| |廉価版|カプコレ:2007年1月25日/2,079円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『ロックマンX』シリーズは『[[X4>ロックマンX4]]』までテンポの良いアクション性とバランスを持った人気シリーズであったが、『[[X5>ロックマンX5]]』以降迷走が続いていた。~ ところが、元『[[ブレスオブファイアシリーズ]]』のスタッフ製作による『[[X8>ロックマンX8]]』は、荒削りながらも『X1~4』に近いアクション性を持った良作となり、過去のシリーズの輝きを甦らせたのである。 それから9ヵ月後。『X8』を製作したスタッフが次いでリリースしたのが、シリーズの原点である『[[X1>ロックマンX]]』に新解釈を加えてリメイクされた本作である。~ 製作には『X8』のスタッフのほか、『X1~4』まで携わっていた稲船敬二が参加。ディレクターは『[[ロックマン8 メタルヒーローズ]]』のプランナー・松江一樹が担当した。~ 特典として、発売時期が近かった『ロックマンロックマン』の体験版が収録されている。 ---- **新たに書き直された設定 -今作のストーリーは&bold(){『ロックマンX』の設定をベースにした新作}で、オープニングの「Based On RockmanX」という表記が全てを物語っており、オリジナルの『X1』とは設定が大幅に異なっている。 --オリジナルではゲーム起動時に表示されていたエックスに関するライト博士の警告メッセージも使われている場所、内容が若干異なっている。 --クリア後に、今作のラスボスであるシグマが反乱を起こす理由等を丁寧に描いたアニメーション『The day of ∑』を鑑賞可能になり、ストーリーに新たな広がりを見せている。本作が出るまで謎に包まれていた前日談であったため、ファンにとっては必見とも言える内容である。 ---『The day of ∑』及び、ゲーム中のアニメムービーは『X4』『ロックマン8』でもムービー製作を手掛けたXEBEC(ジーベック)が担当、アニメーションの監督はアニメ版『ロックマンエグゼ』シリーズを手掛けた加戸誉夫氏。そのほか、アニメ版エグゼに関与していたスタッフが参加している。 ---- **特徴・評価点 -アクション性 --スーパーファミコン時代のスピード感や挙動を損ねることなく再現している。 ---更にボスにダメージを与えた時の効果音も、スーパーファミコン時代と同じなど凝っている。 --グラフィックは3D化されているが、3Dアクションを要求される部分はなく、『X8』と同様に2.5Dといえるゲーム性である。 --ステージも『X1』を基本としているため、『X8』のような陰湿トラップの配置が無く、純粋にアクションを楽しめるステージとなっている。 --一部のボスは攻撃に新たなパターンが追加されているのでオリジナル版よりも手強くなっている他、原作から大幅に弱体化し倒しやすくなったボスも存在している事から、ゲームバランスの調整も絶妙になったとも言える。 -演出面の大幅強化 --ボス戦前に主人公とボスとの掛け合いが追加された事により、ボス達に個性がついた。原作『X1』でセリフがあった個所も全て全く違うセリフに変更されている。 --終盤のいつものボス再戦も、実は本来の性格を持たないデッドコピーだったり…など芸が細かい。 --例によってBGMもアレンジされているが、現代の音楽技術によって、全体的にサイバーな雰囲気の漂う楽曲群として生まれ変わっている。 -ステージ構成の大幅な変更 --エックスのパワーアップパーツが手に入るカプセル配置場所は『X1』とほぼ同じだが、種類は並べ替えられている。例えばボディパーツが手に入った所ではアームパーツに変わっている。 ---アームパーツは性能が変わっており、カプセルから手に入るアームパーツは『X1』に比べて弱くなっている。またイベントでゼロから受け取るバスターは差別化され、こちらは威力が非常に高くなっている。 ---初代で強制取得だったフットパーツを取らずにボス戦に挑めるなど、初代と異なるステージ攻略や縛りプレイが楽しめる。 --また、最後のシグマステージに至ってはラストのステージ4を除き、全てが新規になっている。 ---本作のシグマステージは、オリジナル同様にステージの道中で8ボスとの再戦が待ち受けるが、オクトパルドステージの中ボスが再登場したり、ペンギーゴステージ前半のスパイキー地帯が強化されて復活する等、『ロックマン&フォルテ』のワイリーステージよろしく道中が8ボスのステージを彷彿とさせる雑魚やギミックが登場するのが特徴的。~ 加えて、シグマステージ1の冒頭及びボス直前のエリアや、各種シグマステージで戦う事になるボスの顔ぶれ等、オリジナルのシグマステージへのリスペクトも欠かしていないのは見事。 ---また、原作では終盤に位置しながらもかなり地味なステージだったステージ3では、D-REX戦に加えて原作での重要イベントが発生する様になり、正に「最終防衛ライン」といった旨のステージに変化したと言えよう。 -難易度選択が可能になった。 --難易度はNORMALと被ダメージ量が上がるHARDの2種類から選択可能。 ---HARDでは更に、ペンギーゴに「大きくジャンプしつつショットガンアイスを三連射」する攻撃が、シグマには「三角跳びの際にエックスが下に居ると斬り下ろし攻撃を繰り出してくる」といった具合に、オリジナル及びNORMALには存在しない、本作オリジナルの攻撃が追加されるボスも。 -VAVAモードの追加 --エックスとの死闘を繰り広げたVAVAを主人公にしたifストーリーである「VAVAモード」がプレイ可能。 --エックスとは違ったシステムと操作性で敵と戦うことができる。 ---VAVAは「腕」「肩」「足」の三部位にそれぞれ異なる「兵装」を装備し、それぞれを使い分けながら戦闘する。~ 各種兵装はコストが設定されていて、三装備のコスト合計が上限を上回ってしまうと出撃する事が出来ない。~ この事から、VAVAモードはエックス以上に戦術が求められるモードと言えよう。 ---ステージの敵配置も基本的にオリジナル準拠であったエックスの物から、各種兵装の使い分けを想定した配置にガラリと変化する事から新鮮味もある。 ---ほぼ全てのステージで彼の愛機であるVAVA専用ライドアーマーに搭乗する事が出来る。~ VAVA専用ライドアーマーは通常の物とほぼ同様だが、『X7』や『X8』の様な専用ライフ制に移行する他、使用の際に制限時間が設けられていたり、高威力のバルカンを撃つ事が出来る為、短時間で爽快感のあるプレーが可能。~ なお、専用ライドアーマーのライフゲージは道中の武器エネルギーを拾えば回復させる事が出来るが、VAVAの武器ゲージは高速かつ自動で回復する仕様になっている為、実質ライドアーマー用回復アイテムに変化していると言える。 ---ほぼ全てのステージBGMもVAVAモード専用のBGMに差し替えられる。~ エックスでのBGMは前述の通りサイバーな雰囲気が漂うテクノ調がメインであったが、VAVAモードでは打って変わって、「ダークヒーロー」という特徴を捉えたダークで渋いなロック調の楽曲になり、本作における彼のキャラクター性も相まってプレイヤーから人気が高い。 --また『X8』で不評であった声優もシグマ役の麦人から下崎紘史に変更され、大幅なイメージチェンジが図られた。 ---性格・ストーリーもダークヒーローテイストになり、ユーザーからは高評価を得ている。 --因みにVAVAを使用可能にした理由は「ゼロだと当たり前すぎて面白くないから」とのこと。 -細かな改善点 --シリーズお馴染みのエスケープユニットも存在するが、本作の場合はステージボスを撃破しなくてもステージから脱出が出来る仕様に変更された。 ---これにより、間違えて選択してしまったステージから瞬時に脱出して仕切り直しが出来る他、この仕様を利用し「特定のパーツを入手→ボスを倒さずにステージ脱出→そのまま他のステージに突入しボスを撃破」という変則的な攻略チャートも作る事が出来る。 --エックス限定だが、ボスを撃破し特殊武器を入手すると、入手した特殊武器のアイコンが常に画面上部のライフ・武器エネルギーゲージと共に表示される様になった。 ---これに伴い、シリーズの課題の一つだった「メニューを経由せずに特殊武器を切り替える場合、プレイヤーの色で使用する特殊武器を判断しなければならない」という点が大幅に改善される事になった。 ---- **問題点 -処理落ち --敵が多く表示されたり、ストームトルネードのような多段ヒットする武器を使うと多少処理落ちがおきる。 --敵をほったらかしたり、終盤になるとそうなることが多いので注意。 -ダッシュボタン(○ボタン)の使い難さ --PSP本体の設計都合により、初代より押し難い。但し、オプションでキーコンフィング可能。 --GBAの『ロックマンゼロ』シリーズのようにLボタンにダッシュを割り振るとそこそこ使い易くなるが、その場合は本作の持ち味である特殊武器切り替え機能を犠牲にしなければならず、一長一短といった所か。 -ボディパーツの弱体化 --ボディパーツを付けていても、ダメージを受ければオリジナルより''少し遅いスピード''で大きく後退する。 --その為一部ステージでの進行がオリジナルより多少難しくなっている。 -ストーリー --オリジナルとは別物なので、それを受け入れた上で見ないと違和感が残る。 --ただ一部ではおかしな方向に進み始めていたストーリーを仕切りなおすという意味ではありという声もある。 --もちろん本作がより掘り下げた面も見受けられるので、それは賛否あり程度であろう。 -操作面 --X1の難点だった「ダッシュ壁蹴りの動作にはダッシュボタンとジャンプボタンを同時に押す」が受け継がれた。 --ダッシュの暴発を招くコマンドダッシュ((十字キーの左右どちらかを素早く2回押してダッシュ))をオフにする機能が無い -特殊武器に関しては相変わらずバランスに難がある --ファイヤーウェーブはオリジナルではチャージ版の性能に癖があったのだが、本作でもそれが踏襲されている。 --オリジナルではチャージ版カメレオンスティングとストームトルネードがかなり強力であったが、本作でも踏襲している…どころか、後者に至っては唯一の欠点だった弾速が上昇した事から、オリジナルから輪を掛けて強力になり、バスターが『X5』基準の壁を貫通しない性能に変化した点も相まって、道中は基本的にこれ一本で行けるレベルになってしまった。 ---一応、オリジナルから攻撃範囲が狭くなった事と、チャージ版の発生が遅くなった事といった点で弱体化自体はしているのだが、それでも強すぎる。 --加えて、エックスの周りにバリアを貼るチャージ版ローリングシールドの性能も基本的に原作を踏襲しているものの、本作では「発動中に他の特殊武器で攻撃が可能」という効果も追加され、只でさえ多かった強すぎる特殊武器も更に強化されてしまっていると言わざるを得ないだろう。 -VAVAの性格の変化 --オリジナルでは描写の少なさもあって、残虐だが狡猾さも持ち合わせ狙った獲物をしとめるハンターのようなイレギュラーだったが、今作では''他のレプリロイドやイレギュラー達がエックスの事ばかりもてはやすのが気に入らないので、エックスを倒し自分が優れている事を証明する。''と言う性格に変えられている。 ---ボスとの会話もエックスの事になるとムキになり、エックスに対して(過剰な)敵対心がある等『[[X3>ロックマンX3]]』以前のVAVAと比べると若干違和感がある。 -VAVA編のゲームバランス --新要素を多数取り入れただけあってX編と比べるとゲームバランスがあまりよろしくない(X編が良すぎるだけだが)。 --HARDモードでは敵の攻撃力が上昇した影響で特に武装が揃っていない序盤は辛い。 ---VAVA編では大抵のプレイヤーが最序盤にペンギーゴステージで強力な装備(後述)を入手しにいく傾向がある為、『HARDモードの最大の鬼門はオープニング及びペンギーゴステージ』とも言われている。 --また、腕兵装は「ディスタンスニードラー」が強すぎて他の腕装備が空気になりがち。 ---「高威力かつ貫通性能付き」「射程無制限」と只でさえも強力なのだが、「エネルギー消費が低い上、回復速度も早く連発可能」「コストが低くどんな装備にも組み込みやすい」「オープニングステージ後に最弱ボスのペンギーゴを倒すとすぐに手に入り、同時にボディパーツ相当のフローズンキャッスルも取得出来る」「全ボスに安定した量の大ダメージを与える事が出来て弱点武器いらず」な事から、本家『2』におけるメタルブレードとタメを張れるレベルの最凶クラスの性能と呼ばれている。 ---とはいえ、この武器には「攻撃範囲が狭く一直線のみ」という弱点が存在する為、VAVAモードの醍醐味である「3装備の使い分けによる戦略性の高さ」は保たれているのは幸いか。 -『The day of ∑』鑑賞後の変化 --エックス編においてボスたちとの会話デモの内容と、タイトル画面が変化するのだが、元に戻せない。変化前の会話などを見たい場合、メモリースティックを抜く必要に迫られる。 ---- **総評 リメイク作品としても一つの作品としても出来は非常によく、Xシリーズは今作で完全な復活を遂げたといえる。~ しかし『X7』でのファン離れもあるが、今作はCM等の宣伝は一切されず、PSPがまだ普及していない時期での発売だったこともあり、売り上げは『X8』同様散々な結果となってしまった。~ これによりXシリーズは現在打ち止め状態である。 ---- ---- **その後の展開 -開発は『[[ロックマンロックマン]]』と並行して行われていた(スタッフも今作と一緒)。その『ロックマンロックマン』は、今作の発売から3ヶ月後という脅威のハイペースで発売された。 --こちらも非常に完成度が高く、プレイしたユーザーからは好評の声が相次いだ。 -ゲームアーカイブスでの配信まで入手困難になっていた『X8』とは異なり、今作はベスト版(カプコレ)やダウンロード版、また『ロックマンロックマン』とのセットによるバリューパックがリリースされており、入手は容易である。 ---- **余談 -『The day of ∑』は『X4』のアニメムービーと同じくとある動画投稿者にネタにされ、妙な方向で有名になった。
*イレギュラーハンターX 【いれぎゅらーはんたーえっくす】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000BPL6P2)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売・開発元|カプコン|~| |発売日|パッケージ版:2005年12月15日&br()ダウンロード版:2009年12月16日|~| |定価|パッケージ版:5,040円&br()ダウンロード版:1,500円|~| |廉価版|カプコレ:2007年1月25日/2,079円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ロックマンシリーズリンク>ロックマンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『ロックマンX』シリーズは『[[X4>ロックマンX4]]』までテンポの良いアクション性とバランスを持った人気シリーズであったが、『[[X5>ロックマンX5]]』以降迷走が続いていた。~ ところが、元『[[ブレスオブファイアシリーズ]]』のスタッフ製作による『[[X8>ロックマンX8]]』は、荒削りながらも『X1~4』に近いアクション性を持った良作となり、過去のシリーズの輝きを甦らせたのである。 それから9ヵ月後。『X8』を製作したスタッフが次いでリリースしたのが、シリーズの原点である『[[X1>ロックマンX]]』に新解釈を加えてリメイクされた本作である。~ 製作には『X8』のスタッフのほか、『X1~4』まで携わっていた稲船敬二が参加。ディレクターは『[[ロックマン8 メタルヒーローズ]]』のプランナー・松江一樹が担当した。~ 特典として、発売時期が近かった『ロックマンロックマン』の体験版が収録されている。 ---- **新たに書き直された設定 -今作のストーリーは&bold(){『ロックマンX』の設定をベースにした新作}で、オープニングの「Based On RockmanX」という表記が全てを物語っており、オリジナルの『X1』とは設定が大幅に異なっている。 --オリジナルではゲーム起動時に表示されていたエックスに関するライト博士の警告メッセージも使われている場所、内容が若干異なっている。 --クリア後に、今作のラスボスであるシグマが反乱を起こす理由等を丁寧に描いたアニメーション『The day of ∑』を鑑賞可能になり、ストーリーに新たな広がりを見せている。本作が出るまで謎に包まれていた前日談であったため、ファンにとっては必見とも言える内容である。 ---『The day of ∑』及び、ゲーム中のアニメムービーは『X4』『ロックマン8』でもムービー製作を手掛けたXEBEC(ジーベック)が担当、アニメーションの監督はアニメ版『ロックマンエグゼ』シリーズを手掛けた加戸誉夫氏。そのほか、アニメ版エグゼに関与していたスタッフが参加している。 ---- **特徴・評価点 -アクション性 --スーパーファミコン時代のスピード感や挙動を損ねることなく再現している。 ---更にボスにダメージを与えた時の効果音も、スーパーファミコン時代と同じなど凝っている。 --グラフィックは3D化されているが、3Dアクションを要求される部分はなく、『X8』と同様に2.5Dといえるゲーム性である。 --ステージも『X1』を基本としているため、『X8』のような陰湿トラップの配置が無く、純粋にアクションを楽しめるステージとなっている。 --一部のボスは攻撃に新たなパターンが追加されているのでオリジナル版よりも手強くなっている他、原作から大幅に弱体化し倒しやすくなったボスも存在している事から、ゲームバランスの調整も絶妙になったとも言える。 -演出面の大幅強化 --ボス戦前に主人公とボスとの掛け合いが追加された事により、ボス達に個性がついた。原作『X1』でセリフがあった個所も全て全く違うセリフに変更されている。 --終盤のいつものボス再戦も、実は本来の性格を持たないデッドコピーだったり…など芸が細かい。 --例によってBGMもアレンジされているが、現代の音楽技術によって、全体的にサイバーな雰囲気の漂う楽曲群として生まれ変わっている。 -ステージ構成の大幅な変更 --エックスのパワーアップパーツが手に入るカプセル配置場所は『X1』とほぼ同じだが、種類は並べ替えられている。例えばボディパーツが手に入った所ではアームパーツに変わっている。 ---アームパーツは性能が変わっており、カプセルから手に入るアームパーツは『X1』に比べて弱くなっている。またイベントでゼロから受け取るバスターは差別化され、こちらは威力が非常に高くなっている。 ---初代で強制取得だったフットパーツを取らずにボス戦に挑めるなど、初代と異なるステージ攻略や縛りプレイが楽しめる。 --また、最後のシグマステージに至ってはラストのステージ4を除き、全てが新規になっている。 ---本作のシグマステージは、オリジナル同様にステージの道中で8ボスとの再戦が待ち受けるが、オクトパルドステージの水中エリアや中ボスが再登場したり、ペンギーゴステージ前半のスパイキー地帯が強化されて復活する等、『[[ロックマン&フォルテ]]』のワイリーステージよろしく道中が8ボスのステージを彷彿とさせる雑魚やギミックが登場するのが特徴的。~ それでいて、ステージ1の冒頭及びボス直前のエリアや、各種ステージで戦う事になるボスの顔ぶれの一部等、オリジナルのシグマステージへのリスペクトも欠かしていないのは見事。 ---また、原作では終盤に位置しながらもかなり地味なステージだったステージ3では、D-REX戦に加えて原作での重要イベントが発生する様になり、正に「最終防衛ライン」といった旨のステージに変化したと言えよう。 -難易度選択が可能になった。 --難易度はNORMALと被ダメージ量が上がるHARDの2種類から選択可能。 ---HARDでは更に、ペンギーゴに「大きくジャンプしつつショットガンアイスを三連射」する攻撃が、シグマには「三角跳びの際にエックスが下に居ると斬り下ろし攻撃を繰り出してくる」といった具合に、オリジナル及びNORMALには存在しない、本作オリジナルの攻撃が追加されるボスも。 -VAVAモードの追加 --エックスとの死闘を繰り広げたVAVAを主人公にしたifストーリーである「VAVAモード」がプレイ可能。 --エックスとは違ったシステムと操作性で敵と戦うことができる。 ---VAVAは「腕」「肩」「足」の三部位にそれぞれ異なる「兵装」を装備し、それぞれを使い分けながら戦闘する。~ 各種兵装はコストが設定されていて、三装備のコスト合計が上限を上回ってしまうと出撃する事が出来ない。~ この事から、VAVAモードはエックス以上に戦術が求められるモードと言えよう。 ---ステージの敵配置も基本的にオリジナル準拠であったエックスの物から、各種兵装の使い分けを想定した配置にガラリと変化する事から新鮮味もある。 ---ほぼ全てのステージで彼の愛機であるVAVA専用ライドアーマーに搭乗する事が出来る。~ VAVA専用ライドアーマーは通常の物とほぼ同様だが、『X7』や『X8』の様な専用ライフ制に移行する他、使用の際に制限時間が設けられていたり、高威力のバルカンを撃つ事が出来る為、短時間で爽快感のあるプレーが可能。~ なお、専用ライドアーマーのライフゲージや制限時間は道中の武器エネルギーを拾えば回復させる事が出来るが、VAVAの武器ゲージは高速かつ自動で回復する仕様の為、実質ライドアーマー用回復アイテムに変化していると言える。 ---ほぼ全てのステージBGMもVAVAモード専用のBGMに差し替えられる。~ エックスでのBGMは前述の通りサイバーな雰囲気が漂うテクノ調がメインであったが、VAVAモードでは打って変わって、「ダークヒーロー」という特徴を捉えたダークで渋いなロック調の楽曲になり、本作における彼のキャラクター性も相まってプレイヤーから人気が高い。 --また『X8』で不評であった声優もシグマ役の麦人から下崎紘史に変更され、大幅なイメージチェンジが図られた。 ---性格・ストーリーもダークヒーローテイストになり、ユーザーからは高評価を得ている。 --因みにVAVAを使用可能にした理由は「ゼロだと当たり前すぎて面白くないから」とのこと。 -細かな改善点 --シリーズお馴染みのエスケープユニットも存在するが、本作の場合はステージボスを撃破しなくてもステージから脱出が出来る仕様に変更された。 ---これにより、間違えて選択してしまったステージから瞬時に脱出し仕切り直しが可能な他、この仕様を利用し「特定のパーツを入手→ボスを倒さずにステージ脱出→そのまま他のステージに突入しボスを撃破」という変則的な攻略チャートも作る事が出来る。 --エックス限定だが、ボスを撃破し特殊武器を入手すると、入手した特殊武器のアイコンが常に画面上部のライフ・武器エネルギーゲージと共に表示される様になった。 ---これに伴い、シリーズの課題の一つだった「メニューを経由せずに特殊武器を切り替える場合、プレイヤーの色で使用する特殊武器を判断しなければならない」という点が大幅に改善される事になった。 ---- **賛否両論点 -ストーリー --オリジナルとは別物なので、それを受け入れた上で見ないと違和感が残る。 --ただ一部ではおかしな方向に進み始めていたストーリーを仕切りなおすという意味ではありという声もある。 --もちろん本作がより掘り下げた面も見受けられるので、それは賛否あり程度であろう。 -VAVAの性格の変化 --オリジナルでは描写の少なさもあって、残虐だが狡猾さも持ち合わせ狙った獲物をしとめるハンターのようなイレギュラーだったが、今作では''他のレプリロイドやイレギュラー達がエックスの事ばかりもてはやすのが気に入らないので、エックスを倒し自分が優れている事を証明する。''と言う性格に変えられている。 ---ボスとの会話もエックスの事になるとムキになり、エックスに対して(過剰な)敵対心がある等『[[X3>ロックマンX3]]』以前のVAVAと比べると若干違和感がある。 -未収録曲について --本作はSFCで発売されたゲームのBGMアレンジ収録されているのだが、オリジナル版のタイトルデモやエンディングクレジット等、本作未収録の楽曲も少なくはなく、これら楽曲群もイレハン流アレンジ版で聞きたかったというプレイヤーも多い。 -一部ステージの地形の変化 --8ボスステージは基本的にオリジナルを踏襲した作りになっているが、うちマンドリラーとクワンガーステージのライフアップがある地形が微妙に変化している関係でダッシュジャンプでライフアップを入手出来なくなってしまった。 ---この点や上述のパーツの設置場所が変更された事により、オリジナルで通用していた攻略法も効かなくなり、SFCで築き挙げた攻略チャートも見直す必要があり、タイムアタック関連では地味に痛い点と言えよう。 ---- **問題点 -処理落ち --敵が多く表示されたり、ストームトルネードのような多段ヒットする武器を使うと多少処理落ちがおきる。 --敵をほったらかしたり、終盤になるとそうなることが多いので注意。 -ダッシュボタン(○ボタン)の使い難さ --PSP本体の設計都合により、初代より押し難い。但し、オプションでキーコンフィング可能。 --GBAの『ロックマンゼロ』シリーズのようにLボタンにダッシュを割り振るとそこそこ使い易くなるが、その場合は本作の持ち味である特殊武器切り替え機能を犠牲にしなければならず、一長一短といった所か。 -ボディパーツの弱体化 --ボディパーツを付けていても、ダメージを受ければオリジナルより''少し遅いスピード''で大きく後退する。 --その為一部ステージでの進行がオリジナルより多少難しくなっている。 -操作面 --X1の難点だった「ダッシュ壁蹴りの動作にはダッシュボタンとジャンプボタンを同時に押す」が受け継がれた。 --ダッシュの暴発を招くコマンドダッシュ((十字キーの左右どちらかを素早く2回押してダッシュ))をオフにする機能が無い -特殊武器に関しては相変わらずバランスに難がある --ファイヤーウェーブはオリジナルではチャージ版の性能に癖があったのだが、本作でもそれが踏襲されている。 --オリジナルではチャージ版カメレオンスティングとストームトルネードがかなり強力であったが、本作でも踏襲している…どころか、後者に至っては唯一の欠点だった弾速が上昇した事から、オリジナルから輪を掛けて強力になり、バスターが『X5』基準の壁を貫通しない性能に変化した点も相まって、道中は基本的にこれ一本で行けるレベルになってしまった。 ---一応、オリジナルから攻撃範囲が狭くなった事と、チャージ版の発生が遅くなった事といった点で弱体化自体はしているのだが、それでも強すぎる。 --加えて、エックスの周りにバリアを貼るチャージ版ローリングシールドの性能も基本的に原作を踏襲しているものの、本作では「発動中に他の特殊武器で攻撃が可能」という効果も追加され、只でさえ多かった強すぎる特殊武器も更に強化されてしまっていると言わざるを得ないだろう。 -VAVA編のゲームバランス --新要素を多数取り入れただけあってX編と比べるとゲームバランスがあまりよろしくない(X編が良すぎるだけだが)。 --HARDモードでは敵の攻撃力が上昇した影響で特に武装が揃っていない序盤は辛い。 ---VAVA編では大抵のプレイヤーが最序盤にペンギーゴステージでディスタンスニードラー等の強力な装備(後述)を入手しにいく傾向がある為、『HARDモードの最大の鬼門はオープニング及びペンギーゴステージ』とも言われている。 --また、腕兵装は「ディスタンスニードラー」が強すぎて他の腕装備が空気になりがち。 ---「高威力かつ貫通性能付き」「射程無制限」と只でさえも強力なのだが、「エネルギー消費が低い上、回復速度も早く連発可能」「コストが低くどんな装備にも組み込みやすい」「オープニングステージ後に最弱ボスのペンギーゴを倒すとすぐに手に入り、同時にボディパーツ相当のフローズンキャッスルも取得出来る」「全ボスに安定した量の大ダメージを与える事が出来て弱点武器いらず」な事から、本家『2』におけるメタルブレードとタメを張れるレベルの最凶クラスの性能と呼ばれている。 ---とはいえ、この武器には「攻撃範囲が狭く一直線のみ」という弱点が存在する為、VAVAモードの醍醐味である「3装備の使い分けによる戦略性の高さ」は保たれているのは幸いか。~ また、「最も簡単に攻略出来るボスを倒すと入手出来る」というメリットを生かし、激戦が続くHARDモードの救済措置としてフローズンキャッスル共々利用してしまう手もアリだろう。 -『The day of ∑』鑑賞後の変化 --エックス編においてボスたちとの会話デモの内容と、タイトル画面が変化するのだが、元に戻せない。変化前の会話などを見たい場合、メモリースティックを抜く必要に迫られる。 ---- **総評 リメイク作品としても一つの作品としても出来は非常によく、Xシリーズは今作で完全な復活を遂げたといえる。~ しかし『X7』でのファン離れもあるが、今作はCM等の宣伝は一切されず、PSPがまだ普及していない時期での発売だったこともあり、売り上げは『X8』同様散々な結果となってしまった。~ これによりXシリーズは現在打ち止め状態である。 ---- ---- **その後の展開 -開発は『[[ロックマンロックマン]]』と並行して行われていた(スタッフも今作と一緒)。その『ロックマンロックマン』は、今作の発売から3ヶ月後という脅威のハイペースで発売された。 --こちらも非常に完成度が高く、プレイしたユーザーからは好評の声が相次いだ。 -ゲームアーカイブスでの配信まで入手困難になっていた『X8』とは異なり、今作はベスト版(カプコレ)やダウンロード版、また『ロックマンロックマン』とのセットによるバリューパックがリリースされており、入手は容易である。 ---- **余談 -『The day of ∑』は『X4』のアニメムービーと同じくとある動画投稿者にネタにされ、妙な方向で有名になった。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: