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*クリミナルガールズ 【くりみなるがーるず】 |ジャンル|少女おしおきRPG|&amazon(B0041IY44U,image);| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |メディア|UMD 1枚orダウンロードソフト|~| |発売元|日本一ソフトウェア|~| |開発元|イメージエポック|~| |発売日|2010年11月18日|~| |定価|UMD版:6,090円(税5%込)&br;DL版:4,800円(税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:D(17歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|独特な戦闘システム&br;おしおきは微妙|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -シンプルでオーソドックスな2DRPG。 -少女おしおきRPGのジャンル名の通り、作中の少女キャラクターにおしおきするという独特なシステムが取り入れられている。 -開発はイメージエポックで、『[[世界樹の迷宮]]』シリーズで知られた新納一哉氏が原案を担当している。 **特徴 -基本的な作りはオーソドックスなRPG。 --2Dキャラクターを操作して、複数の階層に分かれたダンジョンをバトルやイベントを交えつつ攻略する。 --しかし、既存のRPGでは当然のように存在する武器や防具などの装備品の概念がなく、非常にシンプルな構成になっている。 -「おしおき」と呼ばれる本作のウリでもあるシステム。 --おしおきに必要な道具を入手すると、その道具に対応したミニゲームがプレイできるようになる。例えば「やわらかムチ」を入手すると「スパンキング」のおしおきがプレイできるようになる。内容はミニゲームだが、クリアすることで探索や戦闘で役立つスキルを入手できるので、おしおきは攻略上必須となる。また、最大難易度でクリアすると、おしおきしたキャラクターの一枚絵がギャラリーモードで閲覧できるようになる。 -シンプルだが、独特なターン制のコマンド式バトル。 --戦闘メンバーは4人だが、それぞれのキャラクターが1回ずつ行動するのではなく、ターン開始時に4人のキャラクターがそれぞれ行動を提案し、その中から指揮官であるプレイヤーが1つだけ選ぶことで行動できる。詳しくは評価点の項を参照。 **評価点 -個性を出しながらも取っ付きやすく、ストレスの少ない設計の独自のコマンドシステム。 -特徴の項にもあるが、プレイヤーはキャラクターに覚えさせたスキルを必ずしも使える訳ではなく、出された提案の中から有効なコマンドを選んで戦っていくという新感覚の楽しさを味わえる。 --目当てのスキルが使えないもどかしさはあるものの、ピンチの際にはほぼ確実に回復スキルを提示してくれるキャラがいたり、敵の大技に繋がる力溜めが出た後はほぼ確実に全体を防御するスキルを出してくれるキャラ、チャージ系のスキルを使った後には高確率で大技を提案してくれるキャラなど、本当に必要なタイミングではしっかりと期待に応えてくれるケースが多く、ストレスを感じるまでは至らない絶妙なバランスを保っている。 --目当てのスキルが無いときは1ターンに1度行動の前に行えるキャラ交換や、アイテム使用によって提案を変えてくる時もある。また任意のタイミングで各キャラごとに存在する奥義と呼ばれる必殺技を提案させるものや、連携技と呼ばれる特定の2人のキャラクターが場に出ている時に提案してくれる強力なスキルを提案させるアイテムなど、行動をある程度自由に出来る強力なアイテムもある。 ---ただしそれらのアイテムは終盤でしか手に入らない上、入手数も僅か。最終盤になるとショップで買えるようになるが非常に高価で量産できるものではないので、バランスが崩れているわけではない。 -個性的で魅力的なキャラクター。 --メインキャラクターは7人いるが、それぞれのキャラクターに個性がある。物に異様なまでのホンモノを求める女子高生や、溺愛するほど妹思いの双子の姉など。 --キャラクターの個性の違いはバトルにも反映されており、毒や麻痺などの状態異常を駆使するキャラクターや、回復に特化したキャラクターなど様々。 --フィールド上や戦闘中などキャラクター同士の掛け合いも豊富で、ゲームを彩っている。 -キャラクター間の性能差が少なく、役割の被るキャラクターが少ない。 --キャラゲーの側面を持つゲームとしては重要な要素。終盤のボス戦にも状態非常は通るため、状態異常を得意とするキャラクターがお役御免になったりはしないなど、好きなキャラクターが弱くて使えないという場面は殆どない。 --敵によって相性の良し悪しがあり、扱いやすいキャラクターでも常に最適解になるようなことはない。とはいえ後述するようにゲームの難易度自体は高くないので、好きなキャラだけを使い続けたり、特定のキャラを使わないなどの制限プレイを設けると高い難易度になってくるが、攻略不能という訳でもないので良い塩梅となっている。 --使えるキャラクターが7人と多くないので、役割の被るキャラは少ない。その一方で特定のキャラを必ずしも使わなくとも、他のキャラで似たような動きは出来たりと特定のキャラが必須級の役割になったりすることはほぼ(詳しくは後述)ない。 -王道的だが秀逸なシナリオ。 --終始明るいノリで展開していくシナリオではなく、仲間同士のすれ違いやそれぞれの罪に向き合うイベントなどシリアスな場面も展開される。 -バリエーション豊富なボイス。 --イベントでの会話シーンやバトルでのキャラクター同士の掛け合いなどはフルボイスで展開される。中でも、バトルではストーリーの進行状況やキャラクターの組み合わせによって様々な掛け合いボイスが存在するので、退屈することなくバトルを楽しめる一要素になっている。 --さらに、7人それぞれに専用のテーマソングがあり、ボリュームは相当なものである。 **賛否両論点 -ストーリーがかなり暗め。 --王道的で評価の高いストーリー面だが、特にシナリオ中盤の3層以降は結構シリアスなストーリー展開がなされる。 ---公式でかわいいキャラクターにおしおきをする微エロRPGのような体で売り出しているので、明るいストーリーを期待しているとまず裏切られる。 -終盤で少女たちが自分の罪に向き合うシーンがあるが、その罪のレベルがかなりバラバラ --例えば、あるキャラのことが好きすぎるが故に自分がバカの振りをして構ってもらってたなど罪かどうかも微妙なエピソードから、子供の頃に盗撮被害に会ったせいで男嫌いになり、関係のない男にも暴力を振るっていたキャラ、霊視能力が使えたせいで周囲の大人に担がれ、自分の力では解決できないことでも叶えるフリをして新興宗教の教祖になってたキャラなど置かれた境遇のせいもあって同情できるようなエピソードから、品行方正で成績優秀だったため、自分の周りに人が集まってくるが、その人々を弄び、人間関係を崩壊させることを趣味としていたようなキャラなど、かなり印象に差がある。 -評価点の項にキャラクターの性能差が少ないと書いたが、あるキャラクターを使わないと突破が非常に難しい局面が多々ある。 そのキャラクターは初期メンバーのラン。防御力が高く、防御系のスキルを多く覚えるパラディン型のキャラだが、その彼女の使う「全体防御」という発動ターンに味方全体が防御行動を取るスキルを使わないと突破が難しい場面が非常に多い。 --今作の大型モンスターには、力溜めで1ターンを消費した次のターンに高威力の大技を使ってくる敵が非常に多く、力を溜めた次のターンでランがほぼ確実に提案する全体防御を選択し、味方の非ダメージを抑えるという流れが基本の形になっている。全体防御を使わずに直撃した場合、適正レベル帯では全滅必至なくらいのダメージを受ける場合が殆ど。これではランを使うことを半ば強制されている。 --一応、バフやデバフをしっかりかけ、防御の強いキャラで受ければ1人、2人は生き残れることもある。しかし、そもそも物理防御力(DEF)が一番高いのは先述のランであり、戦闘不能の味方を蘇生させ、パーティ全員を回復させる強力なスキルを使えるのもランだけである。ランのスキルに頼らずとも、アイテムでも回復させることは一応出来るが、味方全員を蘇生して体力を回復させるアイテムは終盤でしか手に入らず、しかもかなり高額である。 --最終盤になると、ランの全体防御を使っても防ぎきれないような火力の大技を出してくる敵もいる。この火力の前では勿論バフやデバフをかけたくらいではどうにもならないことが多い。ではどうするかというと、騎士化という、各キャラに決められた奥義と呼ばれるスキルを使えるようにする儀式を行ったランが使える、味方が受けるダメージを2ターンの間0にするという「騎士の護り」というスキルに頼ることになる。 --このように、殆どのボス戦においてランを使うことが半ば必須であるような調整となっている。ただし、時間をかけてレベリングをして、万全の対策を取ればラン無しでも突破は不可能というレベルではない。また、ラン以外のキャラは誰を使っても特別有利不利になることはあまりない。 **問題点 -ボイスに音割れが存在するものがあったり、音質が微妙。 -とあるおしおきの難易度が非常に高い。 --そのおしおきの概要を説明すると、画面上をランダムに動くマークに照準を合わせて○ボタンを押すというミニゲームなのだが、照準の慣性が非常に強く、方向転換が困難なのでマークに照準を合わせることが難しい。 --とはいえ、慣れればどうにかなるレベルではある。ゲーム上ではアナログスティックで照準を動かすという説明があるが、十字キーでも照準が操作でき、こちらで操作すると多少楽になる。 --ただ、パーフェクトを取らなくてはならない、取ったから特典がある、と言った物ではなく、オールMISSでもオールVERY GOOD(最高評価)の半分の経験値は獲得出来る。おしおきに必要なOPを余分に稼ぐ必要はあるが、おしおきが上手く出来ずともコンプリートは問題なく可能。 -おしおきの内容自体が微妙。 --内容自体は単なるミニゲームなので、過度におしおきに期待していると肩透かしを食らう可能性も。 --キャラクター強化のためには単純なミニゲームを人数分こなさなければならないので、作業感も非常に強い。 //--問題点というべきかは微妙だが、おしおきを売りにした萌えゲームの割にはキャラデザインはその方面受けしない。 //個人の好み -良くも悪くもシンプルな作り。 --装備品の概念が無く、ストーリーの分岐や、やり込み要素はほとんど無く、そういった要素が好きな人には不向き。 //-エンカウント防止スキルを使うたびにボイスと演出を毎回見ないといけない。 //--各キャラのガールズオーダー(いわゆる好感度イベント)をこなすのに一度クリアしたダンジョンをうろついたりしないといけない仕様上、エンカウント防止スキルは効果時間の短さ含め、快適さに欠く。 //そうそう多用する訳ではないスキルの2秒とかからないボイスに文句を言うとかちょっと病気だと思う -プレイヤーは教官の立場のため、各キャラからは基本的に教官や先生などと呼ばれているが、たまにプレイヤーが入力した名前で呼ばれる。だが例えば「○○(プレイヤー名)にあげる」という文ならボイスは「にあげる」と再生される場合、助詞含めてボイスがない場合、ボイスだと「先生にあげる」に変換されている場合等があり、かなりバラバラ。スタッフ間でうまく連携が取れていなかったのだろうか? **総評 発売前には広報誌などでおしおきシステムばかりがピックアップされていたが、蓋を開ければRPGとしての作りこみが秀逸で、ストーリーやバトルに惹き付けられれたユーザーも多い。~ シンプルながら細部まで丁寧に作られている良作。 ---- *クリミナルガールズ INVITATION 【くりみなるがーるず いんびてーしょん】 |ジャンル|少女おしおきRPG|&amazon(B00EE0Y5NU,image);&amazon(B00M3ZQTPU,image);| |対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~| |発売元|日本一ソフトウェア|~| |開発元|イメージエポック|~| |発売日|2013年11月18日|~| |定価|パッケージ版:6,264円(税5%込)&br()DL版:5,143円(税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:D(17歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル|~| |廉価版|PlayStation Vita the Best:2014年9月11日&br;パッケージ版:4,104円(税8%込)&br;DL版:3,600円(税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|おしおきが変更&br;前作で仲間にならなかった2人が仲間になる|~| **概要(VITA) -PSPからの移植版。 -おしおきがキー操作からタッチパネル・背面タッチパネルのインターフェイスに変更。 -解像度、アニメーション、ボイスともに(いろいろな方向に)パワーアップ。 **特徴(VITA) -おしおきの種類が増えた。タップ、ロングタップ、フリック、こすりなどタッチインターフェイスを駆使したおしおきが実装。 --さらに、前面2・背面2のマルチタップも駆使する必要がある。 -おしおきの際の衣装がおしおきに合わせたコスプレになった。 -加入するのは通常エンド後となるが、PSP版で仲間にならなかった2名がパーティキャラに追加。それにともないダンジョンとイベントも追加されている。 **賛否両論点(VITA) -おしおきの難易度がかなり下がっている。前半はフロントタッチパネルの2点タッチ、後半は背面含めて4点タッチであるが、判定がぬるいため、繰り返すと作業感が強くなってくる。 -おしおきのオプション「黙らせる」が陵辱モノギリギリである。それっぽいボイスと合わせて属性がない人にはちょっときついかもしれない。 -おしおきの段階が低いと画面全体にピンクの「もや」がかかっており、レベルをあげることで少しずつ晴れていくのだが、初期状態の「もや」が濃すぎる。 -「もや」とともに何故か衣服がはだけて露出が上がるのだが、前述の理由で露出が少ない状態のイラストがほとんど見えない。むしろ着ている方が良い派には実にもどかしい思いである、イヤイヤ‥‥ --ただし、一度エンディングを見れば、「PUNISH GALLERY」にて全レベルの衣服・ボイスを思う存分堪能できるようになる。 **問題点(VITA) -本作の売りであるおしおきだが、種類を変えても衣装が変わる程度でポーズはキャラによって一種類のみなので最初は目新しいものの、後半では作業になってくる。 -またおしおきの衣装がコスプレになったため、本来の囚人服でのお仕置きがなくなってしまった事を残念がる人も多い。 -無印版でもあったボイスの問題だが、今作で追加されたキャラクターはプレイヤーの名前を呼ぶ時は「○○君」と呼ぶのだが、この時「くん」とだけボイスが入る。スタッフはいくらなんでも違和感を覚えなかったのだろうか? また他のキャラのボイスの修正もなし。 **総評(VITA) -おしおきが高解像度機種で大幅パワーアップしたが、ゲーム自体に大幅な追加要素ややりこみ要素は追加されていない。 -キャラバランスなどは無印版でまとまっていたので、それを崩すような要素を入れずに上手く移植した佳作と言えるが、やはりゲーム的なボリュームを求めると物足りなさはある。 -戦闘面含めやや不便なデザインはあるものの、耐性やバフやデバフなどを色々考える幅がある戦略を作る余地があるともとらえることができる。 -それなんてエロゲなボイス、あるキャラの必殺技((松葉崩し、浮き橋、乱れ牡丹etc。どう見ても48ryありがとうございました。しかもフルボイスで叫んでくれる。))など、携帯機ながら公共の場でのプレイは控えた方が無難である。 **余談 -『[[セブンスドラゴン2020]]』に『巴御前』,『ランドウの釘バット』というアイテムが登場する。 --本作のトモエ,ランが元ネタと思われる。開発元は同じくイメージエポック。 **その後の展開 -2015年1月6日から始まったブラウザゲーム『クリミナルガールズブーセ』は今作のエンディング後の世界が舞台となっている。 --しかし、2015年5月29日をもってサービス終了という結末を迎えてしまった。半年を迎える事もないままに。 --原作の開発会社・イメージエポック倒産やローグライクダンジョンとブラウザゲームの食い合わせの悪さなど、様々な原因が推測されているが… -2015年11月26日に続編『クリミナルガールズ2』が発売。
*クリミナルガールズ 【くりみなるがーるず】 |ジャンル|少女おしおきRPG|&amazon(B0041IY44U,image);| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |メディア|UMD 1枚orダウンロードソフト|~| |発売元|日本一ソフトウェア|~| |開発元|イメージエポック|~| |発売日|2010年11月18日|~| |定価|UMD版:6,090円(税5%込)&br;DL版:4,800円(税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:D(17歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|独特な戦闘システム&br;おしおきは微妙|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -シンプルでオーソドックスな2DRPG。 -少女おしおきRPGのジャンル名の通り、作中の少女キャラクターにおしおきするという独特なシステムが取り入れられている。 -開発はイメージエポックで、『[[世界樹の迷宮]]』シリーズで知られた新納一哉氏が原案を担当している。 **特徴 -基本的な作りはオーソドックスなRPG。 --2Dキャラクターを操作して、複数の階層に分かれたダンジョンをバトルやイベントを交えつつ攻略する。 --しかし、既存のRPGでは当然のように存在する武器や防具などの装備品の概念がなく、非常にシンプルな構成になっている。 -「おしおき」と呼ばれる本作のウリでもあるシステム。 --おしおきに必要な道具を入手すると、その道具に対応したミニゲームがプレイできるようになる。例えば「やわらかムチ」を入手すると「スパンキング」のおしおきがプレイできるようになる。内容はミニゲームだが、クリアすることで探索や戦闘で役立つスキルを入手できるので、おしおきは攻略上必須となる。また、最大難易度でクリアすると、おしおきしたキャラクターの一枚絵がギャラリーモードで閲覧できるようになる。 -シンプルだが、独特なターン制のコマンド式バトル。 --戦闘メンバーは4人だが、それぞれのキャラクターが1回ずつ行動するのではなく、ターン開始時に4人のキャラクターがそれぞれ行動を提案し、その中から指揮官であるプレイヤーが1つだけ選ぶことで行動できる。詳しくは評価点の項を参照。 **評価点 -個性を出しながらも取っ付きやすく、ストレスの少ない設計の独自のコマンドシステム。 -特徴の項にもあるが、プレイヤーはキャラクターに覚えさせたスキルを必ずしも使える訳ではなく、出された提案の中から有効なコマンドを選んで戦っていくという新感覚の楽しさを味わえる。 --目当てのスキルが使えないもどかしさはあるものの、ピンチの際にはほぼ確実に回復スキルを提示してくれるキャラがいたり、敵の大技に繋がる力溜めが出た後はほぼ確実に全体を防御するスキルを出してくれるキャラ、チャージ系のスキルを使った後には高確率で大技を提案してくれるキャラなど、本当に必要なタイミングではしっかりと期待に応えてくれるケースが多く、ストレスを感じるまでは至らない絶妙なバランスを保っている。 --目当てのスキルが無いときは1ターンに1度行動の前に行えるキャラ交換や、アイテム使用によって提案を変えてくる時もある。また任意のタイミングで各キャラごとに存在する奥義と呼ばれる必殺技を提案させるものや、連携技と呼ばれる特定の2人のキャラクターが場に出ている時に提案してくれる強力なスキルを提案させるアイテムなど、行動をある程度自由に出来る強力なアイテムもある。 ---ただしそれらのアイテムは終盤でしか手に入らない上、入手数も僅か。最終盤になるとショップで買えるようになるが非常に高価で量産できるものではないので、バランスが崩れているわけではない。 -個性的で魅力的なキャラクター。 --メインキャラクターは7人いるが、それぞれのキャラクターに個性がある。物に異様なまでのホンモノを求める女子高生や、溺愛するほど妹思いの双子の姉など。 --キャラクターの個性の違いはバトルにも反映されており、毒や麻痺などの状態異常を駆使するキャラクターや、回復に特化したキャラクターなど様々。 --フィールド上や戦闘中などキャラクター同士の掛け合いも豊富で、ゲームを彩っている。 -キャラクター間の性能差が少なく、役割の被るキャラクターが少ない。 --キャラゲーの側面を持つゲームとしては重要な要素。終盤のボス戦にも状態非常は通るため、状態異常を得意とするキャラクターがお役御免になったりはしないなど、好きなキャラクターが弱くて使えないという場面は殆どない。 --敵によって相性の良し悪しがあり、扱いやすいキャラクターでも常に最適解になるようなことはない。とはいえ後述するようにゲームの難易度自体は高くないので、好きなキャラだけを使い続けたり、特定のキャラを使わないなどの制限プレイを設けると高い難易度になってくるが、攻略不能という訳でもないので良い塩梅となっている。 --使えるキャラクターが7人と多くないので、役割の被るキャラは少ない。その一方で特定のキャラを必ずしも使わなくとも、他のキャラで似たような動きは出来たりと特定のキャラが必須級の役割になったりすることはほぼ(詳しくは後述)ない。 -王道的だが秀逸なシナリオ。 --終始明るいノリで展開していくシナリオではなく、仲間同士のすれ違いやそれぞれの罪に向き合うイベントなどシリアスな場面も展開される。 -バリエーション豊富なボイス。 --イベントでの会話シーンやバトルでのキャラクター同士の掛け合いなどはフルボイスで展開される。中でも、バトルではストーリーの進行状況やキャラクターの組み合わせによって様々な掛け合いボイスが存在するので、退屈することなくバトルを楽しめる一要素になっている。 --さらに、7人それぞれに専用のテーマソングがあり、ボリュームは相当なものである。 **賛否両論点 -ストーリーがかなり暗め。 --王道的で評価の高いストーリー面だが、特にシナリオ中盤の3層以降は結構シリアスなストーリー展開がなされる。 ---公式でかわいいキャラクターにおしおきをする微エロRPGのような体で売り出しているので、明るいストーリーを期待しているとまず裏切られる。 -終盤で少女たちが自分の罪に向き合うシーンがあるが、その罪のレベルがかなりバラバラ --例えば、あるキャラのことが好きすぎるが故に自分がバカの振りをして構ってもらってたなど罪かどうかも微妙なエピソードから、子供の頃に盗撮被害に会ったせいで男嫌いになり、関係のない男にも暴力を振るっていたキャラ、霊視能力が使えたせいで周囲の大人に担がれ、自分の力では解決できないことでも叶えるフリをして新興宗教の教祖になってたキャラなど置かれた境遇のせいもあって同情できるようなエピソードから、品行方正で成績優秀だったため、自分の周りに人が集まってくるが、その人々を弄び、人間関係を崩壊させることを趣味としていたようなキャラなど、かなり印象に差がある。 -評価点の項にキャラクターの性能差が少ないと書いたが、あるキャラクターを使わないと突破が非常に難しい局面が多々ある。 --そのキャラクターは初期メンバーのラン。防御力が高く、防御系のスキルを多く覚えるパラディン型のキャラだが、その彼女の使う「全体防御」という発動ターンに味方全体が防御行動を取るスキルを使わないと突破が難しい場面が非常に多い。 --今作の大型モンスターには、力溜めで1ターンを消費した次のターンに高威力の大技を使ってくる敵が非常に多く、力を溜めた次のターンでランがほぼ確実に提案する全体防御を選択し、味方の非ダメージを抑えるという流れが基本の形になっている。全体防御を使わずに直撃した場合、適正レベル帯では全滅必至なくらいのダメージを受ける場合が殆ど。これではランを使うことを半ば強制されている。 --一応、バフやデバフをしっかりかけ、防御の強いキャラで受ければ1人、2人は生き残れることもある。しかし、そもそも物理防御力(DEF)が一番高いのは先述のランであり、戦闘不能の味方を蘇生させ、パーティ全員を回復させる強力なスキルを使えるのもランだけである。ランのスキルに頼らずとも、アイテムでも回復させることは一応出来るが、味方全員を蘇生して体力を回復させるアイテムは終盤でしか手に入らず、しかもかなり高額である。 --最終盤になると、ランの全体防御を使っても防ぎきれないような火力の大技を出してくる敵もいる。この火力の前では勿論バフやデバフをかけたくらいではどうにもならないことが多い。ではどうするかというと、騎士化という、各キャラに決められた奥義と呼ばれるスキルを使えるようにする儀式を行ったランが使える、味方が受けるダメージを2ターンの間0にするという「騎士の護り」というスキルに頼ることになる。 --このように、殆どのボス戦においてランを使うことが半ば必須であるような調整となっている。ただし、時間をかけてレベリングをして、万全の対策を取ればラン無しでも突破は不可能というレベルではない。また、ラン以外のキャラは誰を使っても特別有利不利になることはあまりない。 **問題点 -ボイスに音割れが存在するものがあったり、音質が微妙。 -とあるおしおきの難易度が非常に高い。 --そのおしおきの概要を説明すると、画面上をランダムに動くマークに照準を合わせて○ボタンを押すというミニゲームなのだが、照準の慣性が非常に強く、方向転換が困難なのでマークに照準を合わせることが難しい。 --とはいえ、慣れればどうにかなるレベルではある。ゲーム上ではアナログスティックで照準を動かすという説明があるが、十字キーでも照準が操作でき、こちらで操作すると多少楽になる。 --ただ、パーフェクトを取らなくてはならない、取ったから特典がある、と言った物ではなく、オールMISSでもオールVERY GOOD(最高評価)の半分の経験値は獲得出来る。おしおきに必要なOPを余分に稼ぐ必要はあるが、おしおきが上手く出来ずともコンプリートは問題なく可能。 -おしおきの内容自体が微妙。 --内容自体は単なるミニゲームなので、過度におしおきに期待していると肩透かしを食らう可能性も。 --キャラクター強化のためには単純なミニゲームを人数分こなさなければならないので、作業感も非常に強い。 //--問題点というべきかは微妙だが、おしおきを売りにした萌えゲームの割にはキャラデザインはその方面受けしない。 //個人の好み -良くも悪くもシンプルな作り。 --装備品の概念が無く、ストーリーの分岐や、やり込み要素はほとんど無く、そういった要素が好きな人には不向き。 //-エンカウント防止スキルを使うたびにボイスと演出を毎回見ないといけない。 //--各キャラのガールズオーダー(いわゆる好感度イベント)をこなすのに一度クリアしたダンジョンをうろついたりしないといけない仕様上、エンカウント防止スキルは効果時間の短さ含め、快適さに欠く。 //そうそう多用する訳ではないスキルの2秒とかからないボイスに文句を言うとかちょっと病気だと思う -プレイヤーは教官の立場のため、各キャラからは基本的に教官や先生などと呼ばれているが、たまにプレイヤーが入力した名前で呼ばれる。だが例えば「○○(プレイヤー名)にあげる」という文ならボイスは「にあげる」と再生される場合、助詞含めてボイスがない場合、ボイスだと「先生にあげる」に変換されている場合等があり、かなりバラバラ。スタッフ間でうまく連携が取れていなかったのだろうか? **総評 発売前には広報誌などでおしおきシステムばかりがピックアップされていたが、蓋を開ければRPGとしての作りこみが秀逸で、ストーリーやバトルに惹き付けられれたユーザーも多い。~ シンプルながら細部まで丁寧に作られている良作。 ---- *クリミナルガールズ INVITATION 【くりみなるがーるず いんびてーしょん】 |ジャンル|少女おしおきRPG|&amazon(B00EE0Y5NU,image);&amazon(B00M3ZQTPU,image);| |対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~| |発売元|日本一ソフトウェア|~| |開発元|イメージエポック|~| |発売日|2013年11月18日|~| |定価|パッケージ版:6,264円(税5%込)&br()DL版:5,143円(税5%込)|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:D(17歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|セクシャル|~| |廉価版|PlayStation Vita the Best:2014年9月11日&br;パッケージ版:4,104円(税8%込)&br;DL版:3,600円(税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|おしおきが変更&br;前作で仲間にならなかった2人が仲間になる|~| **概要(VITA) -PSPからの移植版。 -おしおきがキー操作からタッチパネル・背面タッチパネルのインターフェイスに変更。 -解像度、アニメーション、ボイスともに(いろいろな方向に)パワーアップ。 **特徴(VITA) -おしおきの種類が増えた。タップ、ロングタップ、フリック、こすりなどタッチインターフェイスを駆使したおしおきが実装。 --さらに、前面2・背面2のマルチタップも駆使する必要がある。 -おしおきの際の衣装がおしおきに合わせたコスプレになった。 -加入するのは通常エンド後となるが、PSP版で仲間にならなかった2名がパーティキャラに追加。それにともないダンジョンとイベントも追加されている。 **賛否両論点(VITA) -おしおきの難易度がかなり下がっている。前半はフロントタッチパネルの2点タッチ、後半は背面含めて4点タッチであるが、判定がぬるいため、繰り返すと作業感が強くなってくる。 -おしおきのオプション「黙らせる」が陵辱モノギリギリである。それっぽいボイスと合わせて属性がない人にはちょっときついかもしれない。 -おしおきの段階が低いと画面全体にピンクの「もや」がかかっており、レベルをあげることで少しずつ晴れていくのだが、初期状態の「もや」が濃すぎる。 -「もや」とともに何故か衣服がはだけて露出が上がるのだが、前述の理由で露出が少ない状態のイラストがほとんど見えない。むしろ着ている方が良い派には実にもどかしい思いである、イヤイヤ‥‥ --ただし、一度エンディングを見れば、「PUNISH GALLERY」にて全レベルの衣服・ボイスを思う存分堪能できるようになる。 **問題点(VITA) -本作の売りであるおしおきだが、種類を変えても衣装が変わる程度でポーズはキャラによって一種類のみなので最初は目新しいものの、後半では作業になってくる。 -またおしおきの衣装がコスプレになったため、本来の囚人服でのお仕置きがなくなってしまった事を残念がる人も多い。 -無印版でもあったボイスの問題だが、今作で追加されたキャラクターはプレイヤーの名前を呼ぶ時は「○○君」と呼ぶのだが、この時「くん」とだけボイスが入る。スタッフはいくらなんでも違和感を覚えなかったのだろうか? また他のキャラのボイスの修正もなし。 **総評(VITA) -おしおきが高解像度機種で大幅パワーアップしたが、ゲーム自体に大幅な追加要素ややりこみ要素は追加されていない。 -キャラバランスなどは無印版でまとまっていたので、それを崩すような要素を入れずに上手く移植した佳作と言えるが、やはりゲーム的なボリュームを求めると物足りなさはある。 -戦闘面含めやや不便なデザインはあるものの、耐性やバフやデバフなどを色々考える幅がある戦略を作る余地があるともとらえることができる。 -それなんてエロゲなボイス、あるキャラの必殺技((松葉崩し、浮き橋、乱れ牡丹etc。どう見ても48ryありがとうございました。しかもフルボイスで叫んでくれる。))など、携帯機ながら公共の場でのプレイは控えた方が無難である。 **余談 -『[[セブンスドラゴン2020]]』に『巴御前』,『ランドウの釘バット』というアイテムが登場する。 --本作のトモエ,ランが元ネタと思われる。開発元は同じくイメージエポック。 **その後の展開 -2015年1月6日から始まったブラウザゲーム『クリミナルガールズブーセ』は今作のエンディング後の世界が舞台となっている。 --しかし、2015年5月29日をもってサービス終了という結末を迎えてしまった。半年を迎える事もないままに。 --原作の開発会社・イメージエポック倒産やローグライクダンジョンとブラウザゲームの食い合わせの悪さなど、様々な原因が推測されているが… -2015年11月26日に続編『クリミナルガールズ2』が発売。

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