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*ピクミン3 【ぴくみんすりー】 |ジャンル|AIアクション|&amazon(B00CTK1JR2)| |対応機種|Wii U|~| |メディア|Wii U専用12cm高密度光ディスク&br;ダウンロードソフト|~| |発売・開発元|任天堂|~| |発売日|2013年7月13日|~| |対象年齢|CERO:A(全年齢対象) |~| |定価|パッケージ版:5,985円&br;DL版:5,700円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|新たな3人の主人公で効率的に攻略&br()非常に美麗なグラフィック&br()ややボリューム不足なストーリーモード&br()『2』の要素の大幅縮小|~| |>|>|CENTER:''[[ピクミンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 2013年の夏にWii Uで発売されたピクミンシリーズ最新作。『[[2>ピクミン2]]』から9年ぶりとなる。~ 元々はWii用ソフトとして開発されていたが、開発途中にWii U用ソフトとして生まれ変わることになった。~ 前作から主人公が変更され、新ピクミンの追加を始め、様々な新要素が追加された。 ---- **ストーリー >星暦20XX年。深刻な食料危機に陥ってしまったコッパイ星の住民は食料のある星を探しあて、~ 3人の専門家にPNF-404と名付けられた惑星を調査させる事になった。 調査員たちはその星で出会ったピクミンとともに食料を集めていくことになる。 ---- **特徴 -新ピクミン・新キャラ --今作から新たに登場した『岩』『羽』のピクミンは従来のピクミンに負けず個性的。 ---&font(#808080){岩ピクミン}&br;ゴツゴツとした体が特徴の黒色のピクミン。攻撃力が高く他のピクミンでは破壊できない硬い物を壊せたり、敵の生物に潰されない耐久力もある。ただし他のピクミンと違い、敵生物に張り付くことが出来ないため、ボス戦では状況に応じて使い分けることが必須となる。 ---&font(#f09199){羽ピクミン}&br;空中や水上の飛行が可能なピンク色のピクミン。全ピクミンの中で最も機動力が高く、高い部分の仕掛けを解けたり、地上の生物にあまり干渉されずに運搬することも可能。ただし五色のピクミンの中で攻撃力が最低という欠点もある。 --なお、「紫」「白」はミッションモード、ビンゴバトルモードにのみ登場。 --主人公はコッパイ星からやってきたアルフ、チャーリー、ブリトニーの3人に変更。前作のオリマーやルーイに負けず劣らず個性的である。 --今作で初登場した原生生物も気味の悪さなどが好評。特にストーリーモードのラスボスは必見。 -ストーリーモード --今作のメインモード。ピクミンシリーズ独特のテキストやキャラの会話も変わらず存在。 --本作では食料が無いと空腹でゲームオーバーになるため、エリアに落ちている果物を回収する必要がある。なお、ノルマは存在せず、必要最低限でもクリアは可能。 --三人制なので、一人でやるのは困難な部分は、他のキャラと手分けして探索・討伐・運搬できる。 --また、本作ではデータコピーをせずとも指定した日を遡ってやり直せるようになっている。 -ミッションモード --様々なミッションをこなしていくモード。「時間内にお宝を集める」「原住生物を倒す」「巨大生物を倒す」という計3種類のミッションがある。 --初回プレイではマップの把握すら難しいが、うまく立ち回りピクミンを段取りよく指示する事でパーフェクトクリアも可能。その先はタイムボーナスを極めることになる。 --巨大生物との戦いはピクミンや時間の制限もあるが、ボスと好きな時に再戦できる。地形も同じため練習にもなる。 --今回はDLCも存在。2013年12月に無料の追加ミッションと、有料の追加コンテンツが更新された。 --世界ランキングにも対応。日々世界のユーザーと競い合える。また2013年10月の更新で画面が一新され詳細な情報が表示されるようになった。 -ビンゴバトルモ-ド --対戦用モード。指定されたアイテムを集めてビンゴで対戦が出来る。 --相手にピクミンを投げたりと、対戦要素も搭載されている。前作は能力に差のない赤と青のピクミンだったが、本作では葉っぱの光でチーム分けされたため通常プレイ同様に色の使い分けが重要になった。 -システム面 --豊富な操作形式 ---パッドオンリープレイやPROコンでの操作、Wiiリモコン&ヌンチャクにも対応しており、TVから離れてやる場合はパッド単独プレイ、パッドにマップを映しながらリモコンでプレイなど様々な状況に応じて使い分けられる。アップデートによりタッチペン操作に対応し、直感的に操作できるようになった。 ---また、マップをなぞり自動的に移動したり、エリアのどこに何があるかなどを確認できる。 --ロックオン機能の導入。敵の生物に狙いを定めてピクミンを投げられる。また、ピクミンの操作に敵の攻撃を回避する回避アクションや、突撃アクションが追加された。 -Miiverse --Wii UのSNS機能であるMiiverseにも対応。 --またスクショを撮影できる。他のユーザーに見せたり、高精細なグラフィックを眺めて楽しめる。ゲームパッドから風景を隊員視点で見渡せるカメラモードも付いており、アップのピクミンの群れや隊員から見た原生生物などの景色も見られる。 ---- **評価点 -美麗なグラフィック --現行機でもトップレベルの美しいグラフィック。ピクミンや原生生物もかなりリアルになっており、後者は気味の悪さにも磨きがかかっている。また、エリアの水や木々の美しさも相当なもの。 ---しかも、フレームレートは60fpsであり、大量のピクミンを連れ歩いてもめったに処理落ちは起こらない。 -快適な操作性・システム --ゲームパッドに広いエリアがマップに描写されることで探索や進行速度の確認が快適に。 ---行ったことのあるエリアなら指示することでその場所まで自動で移動できるようになり、時間の無駄がなくなった。 ---また画面で起きたことはほぼ遅延なくパッドに反映される。作中で使われている端末扱いなので、ストーリーモードでは他キャラとの通信画面も映ったりと没入感を深める演出にも一役買っている。 --ロックオン機能の登場により、好きな対象にロックオンしてピクミンを一気に当てることが出来る。敵だけでなく壊せる壁や大地のエキスの様なピクミンが反応する大抵の物に対応している為便利。 --味方キャラが投げられるようになり、隊列の整理が楽になった。 --各色のオニヨンは発見した日の終わりに合体し、翌日以降全色のピクミンを同時に引き出せるようになった。 -ミッションモード --ピクミンシリーズで恒例だったスコアアタックなどのやりこみ要素をインターネットによるランキングで競い合えるようになったのは大きい。 --またDLCで発売当初よりもボリュームはかなり増えている。一部無料配信もされているのも親切な所。 -Miiverse --Miiverseを生かしたゲームとの連動要素も好評。他ユーザーとのコミュニケーションやスクショの見せ合いも可能。 --また美しいグラフィックで描写されるピクミンや原生生物のスクショを撮れるようになったのは嬉しい。 ---- **賛否両論点 -ゲキカラスプレーが便利過ぎる --前作のメリットはそのままに使うことで対象が全員花になる仕様が追加された。初心者にはありがたいものの、中級者以上にはバランスがやや崩壊気味に感じやすい。 --回収も全自動でやってくれるようになったことで、非常に使いやすくなっているのも目につきやすい要因になっている。 -オニヨンの見栄え --前述の通り、オニヨンが合体するようになり、便利になった一方でオニヨンが一体しかないことやマーブル状のオニヨンは『1』『2』の赤青黄の3点と比べ見栄えが悪く感じることも。 -あるキャラの暴走 --ストーリーを進めていくうちにエリアボスからあるキャラを救助するが、助けた翌日に食料を全部盗んで逃げ出し、さらに別のエリアボスに捕まってしまう。 --日没までにそのボスを倒す必要はないが、食料を確保しないとゲームオーバーになる。恩を仇で返すクズっぷりは賛否両論。なお、話を進めるためには嫌でも助ける必要がある。 -主人公の交代 --主人公が代わったことで本作がシリーズ初めてでも遊びやすくなっている。 --しかし、アルフ達に魅力を感じられなかったり、オリマーが好きだった過去作プレイヤーからは惜しむ声も少なくない。 ---- **問題点 -ピクミン間のバランスの悪さ・固有の役割の少なさ --羽ピクミンは空を飛べることで運搬時に妨害を受けにくいメリットに加え、高い地形や水上を無視できるせいで他種、特に黄ピクミンと青ピクミンの使い所が減っている。攻撃力が低いというデメリットもゲキカラスプレーで容易に補えてしまうので、他のピクミンの役割を奪う要因になっている。 --黄ピクミンは通電させ明かりをつけるギミックや電気柵の破壊など固有の役目はあるものの、電気による即死がなくなったり、『1』で黄ピクミンのみ扱えた爆弾岩をすべてのピクミンが扱えるようになるなど過去作にあった強みが減っている。 --青ピクミンは水中の果物を水揚げするぐらいしか使いみちが無い上に、前作にあった溺れた他のピクミンを救出する能力が削除され個性が薄くなった。その上、加入時期が最終盤な上に加入後も果実全回収を目指すので無ければ青ピクミンが必要になる場面は一切無く、活躍の場が用意されていない。 --赤ピクミンは果物の近くに前作のヤキチャッピーのような原生生物や間欠炎といったギミックはほぼなく((一応全身に火をまとうカジオコシという生物は登場するが、岩ピクミンをぶつければダメージを与えられる上に触覚部分には炎の判定が無いためわざわざ赤ピクミンを用いる必要性は無い))、火に強いという個性をあまり活かせない。 --岩ピクミンも圧死しない以外に水晶やガラスでコーティングされた敵や壁を破壊できるぐらいしかなく、それも爆弾岩で代用できてしまう。 --総じて固有の役割がギミック破壊程度しかなく「このピクミンでないといけない」という場面が非常に少なくなっている。 -ストーリーモードの問題点 --本作のストーリーモードのボリュームは『2』と比べかなり少なく、プレイヤーにもよるがクリア時間は7~10時間程度。 ---ミッションモードなどが充実しているため、全体的にはボリューム不足では無いものの、肝心のミッションモードでのやり込みはプレイヤー次第というスタンスの為、『2』と同程度と認識をしていたプレイヤーからの評価は芳しくない。また、同じシステムの「1」とは違い、果実をコンプリートしてもムービーのラストに表示される文章の内容が変わるだけで、「1」に有った遊び心のあるムービーが流れない為、コンプリートのし甲斐はやや薄く感じてしまう。 --ストーリーモードのデータが1つしか作れず、「クリア寸前のデータを残したまま初日からプレイする」ことができない。初日からやりたい場合、それまでのデータは消す必要がある。 --収集物にノルマがないこと ---『1』では30日以内に宇宙船のパーツ25種、『2』はお宝10,000ポコ分とあるキャラの救出が目標になっていたが、''本作ではそういったノルマがなく、ボスを倒していくだけで果物を全回収していなくてもクリアできてしまう。'' ---果物は何種集めてもその日の空腹を凌ぐためのものでしかなく、クリアに十分な日数分もかなり容易に集められるので、集め甲斐が薄い。さらに、集めるのが果物のみなのも『1』の宇宙船のパーツや『2』のバラエティに飛んだお宝と比べると非常に味気なく、収集する楽しみにも欠ける。 --果物の確認シーンのテンポの悪さ。 ---具体的には、回収した果物を確認→ジュース化してビンに入れる→ジュースを飲む→食料の残量の確認…といったことがいちいち繰り返された。しかも&font(l){スキップが一切不可能}だった。アップデートによりスキップ可能になったものの依然としてテンポがいいとは言い難い。 -自機が3キャラである必要性が希薄 --『2』では2人プレイ・対戦を前提とした自機2キャラだったが、本作は3人同時プレイに対応しておらず、ストーリーモードは1人、ミッションモードは2人までしか一緒にプレイできない。 ---3人同時プレイは画面分割の事情があり無理だったのかもしれないが、ストーリーモードの2人プレイも不可能だったのだろうか。 --全員性能が同じ ---小柄なアルフ、女性のブリトニー、大柄なキャプテンと見た目は差別化されているものの、性能はみんな同じ。~ 『2』では笛の音もオリマー、ルーイ、社長で違っていたが今作は笛の音まで全員同じ。~ 『2』の社長はオリマーやルーイと比べ耐久が少し上がっていることもあり、こちらもなにかしら差別化して欲しかったところ。 --さらにチャレンジモードでは・・・。 #region(ネタバレ有り) -チャレンジモード限定で一部のミッションでオリマーやルーイを操作可能。しかし前作と同様に性能は全く同じ。~ それどころか先述の''ルーイの笛の音がオリマーと同じ(というか5人全員同じ)''と、明らかに劣化している。 --ちなみに前作でのルーイの耐久表示のアイコンの背景は青色だったが、アルフと色が被るためか今作では黄色に変更されている。~ このため、アルフ=青、ブリトニー=ピンク、キャプテン=緑、オリマー=赤、ルーイ=黄色、となっている。~ なお、社長は名前のみの登場で本人は登場しない。 #endregion -自機がもう1人の自機を投げるギミック --2キャラ以上を別々の場所で同時に作業させる際も、このギミックのせいで作業を中断して合流することになる。本シリーズの特徴である効率プレイを阻害していると言える。 ---これ以外に3人であることを意識したギミックは終盤の逃走イベントのみなのも難点。 -『2』の要素の大幅な縮小・変更 --紫・白ピクミンがストーリーモードで使えないことや、地下の探索やチャレンジモードが撤廃されたことから『2』を好むユーザーからは不評を買うことも多い。 ---紫・白ピクミンに関しては、種類が多いと隊列の整理に支障が出ることや、岩・羽ピクミンの役割を減らさないようにする配慮もあっただろうが。 --前作のような黒いネタなどが少なめ。一応本作にもトラウマ的な敵生物は存在するが。 --''生物図鑑がない。'' ---前作ではこういった細かい設定の補完は生物図鑑で行っていたが、本作は図鑑が無いので謎のまま終わってしまう。ただし、シリーズを通してボカしている設定も多く、考察が賑わっている一面もある。 -一部の操作が不親切 --Wiiリモコン&ヌンチャクでのプレイでもゲームパッドの電池が切れるとプレイが中断されてしまう。リモコンプレイの場合はパッドも使えるが、必要としないユーザーも多く、なぜパッドに依存する仕様にしたのか疑問に思うプレイヤーもいる。 ---パッドに映されているマップは、タッチ操作でしかマップを動かして見渡せず、スティックによるマップ操作はできない。 --今作の新要素『ロックオン』も好評ではあるが、ポインターの反応が悪いという指摘も多い。 ---Wii Uのゲームパッドを活用したゲームが少ない中で頑張った方ではあるが、使いあぐねている感は否めない。 --『1』『2』でできた隊列操作が不可能になっている。そのため足の遅いピクミンとはぐれやすくなった。 ---上記の仕様のためなのか、本作はピクミンの回避アクションの追加などが行われている。しかし結果的に探索のしやすさがこの点においては劣化している。 -秘密メモと追加ムービーについて --各エリアのあちこちには「秘密メモ」と呼ばれる黄色いSDカードのようなアイテムが散りばめられているが、全て集めても特に''何の恩恵も無い。'' ---一応、秘密メモには「数字」が描かれた物も幾つかあり、これを入力する事で見られるムービーが追加されたが、これが何故か''ゲームの中に純粋に追加データとして入れられた訳ではなく、Wii U専用のインターネットブラウザで専用の画面に行った上で数字の暗号を入力しないと観られない。'' ---Wii U本体専用の機能である為PCや他のハードのブラウザーでは''数字入力が出来ないばかりか、「Wii Uでここに来て下さい」などというメッセージが表示されてしまう。''回りくどさも甚だしい。Wii Uはゲームソフトを作りにくい本体仕様であり、このムービーも純粋にゲームの中に入れるのは大変だったのだろうか。 ---- **総評 9年の時を経て発売されたシリーズ最新作。 収集要素や生物図鑑など、主に『2』で好評だった要素が軒並み縮小・削除されていたり、隊列移動の廃止を始めとした仕様の違いなどから過去作を好んだユーザーからの賛否は分かれやすくなっている。 一方、Wii Uというハードをうまく使いこなし、美しいグラフィック、高いゲーム性、誰にでも楽しめる難易度と、ゲームソフトとして大事な部分はしっかりと作りこまれており、完成度は高い。~ ピクミンシリーズに触れたことのない人にもおすすめできる良作である。 //賛否両論的な記述で締めると判定とかみ合わないので修正。 ---- **余談 -お笑い芸人・ダウンタウンの松本人志氏は、本シリーズと宮本氏の熱烈なファンであることを公言しており、2013年の6月に放送された「ピクミン3 Direct」では、氏が発売前の本作を一足先にプレイしている。 ---同放送では宮本茂氏と対談もしている。興味深い話が多いのでファン必見である。なお、ダイレクトの動画はピクミン3の公式サイトで閲覧できる。 -2014年にWii Uで『PIKMIN Short Movies HD』のOVAが配信されていた。内容は前作『[[ピクミン2]]』に該当する。若干グロい成分も含まれるので少し注意。ただし有料なため、お金を払わないと視聴できない。 --後述する『ピクミン3 デラックス』発売記念に応じてYouTubeの任天堂公式チャンネルで無料公開となった。それに伴って2020年10月8日に配信が終了された -本作の主人公であるアルフは2014年に発売された『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』にて、オリマーのカラーバリエーション扱いとしてだがプレイキャラとして参戦している。 --2018年発売の『[[SP>大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』にも同様の仕様で参戦している。 -Nintendo Switchにおいて追加要素ありの『ピクミン3 デラックス』が2020年10月30日に発売予定であることが発表された。
*ピクミン3 【ぴくみんすりー】 |ジャンル|AIアクション|&amazon(B00CTK1JR2)| |対応機種|Wii U|~| |メディア|Wii U専用12cm高密度光ディスク&br;ダウンロードソフト|~| |発売・開発元|任天堂|~| |発売日|2013年7月13日|~| |対象年齢|CERO:A(全年齢対象) |~| |定価|パッケージ版:5,985円&br;DL版:5,700円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|新たな3人の主人公で効率的に攻略&br()非常に美麗なグラフィック&br()ややボリューム不足なストーリーモード&br()『2』の要素の大幅縮小|~| |>|>|CENTER:''[[ピクミンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 2013年の夏にWii Uで発売されたピクミンシリーズ最新作。『[[2>ピクミン2]]』から9年ぶりとなる。~ 元々はWii用ソフトとして開発されていたが、開発途中にWii U用ソフトとして生まれ変わることになった。~ 前作から主人公が変更され、新ピクミンの追加を始め、様々な新要素が追加された。 ---- **ストーリー >星暦20XX年。深刻な食料危機に陥ってしまったコッパイ星の住民は食料のある星を探しあて、~ 3人の専門家にPNF-404と名付けられた惑星を調査させる事になった。 調査員たちはその星で出会ったピクミンとともに食料を集めていくことになる。 ---- **特徴 -新ピクミン・新キャラ --今作から新たに登場した『岩』『羽』のピクミンは従来のピクミンに負けず個性的。 ---&font(#808080){岩ピクミン}&br;ゴツゴツとした体が特徴の黒色のピクミン。攻撃力が高く他のピクミンでは破壊できない硬い物を壊せたり、敵の生物に潰されない耐久力もある。ただし他のピクミンと違い、敵生物に張り付くことが出来ないため、ボス戦では状況に応じて使い分けることが必須となる。 ---&font(#f09199){羽ピクミン}&br;空中や水上の飛行が可能なピンク色のピクミン。全ピクミンの中で最も機動力が高く、高い部分の仕掛けを解けたり、地上の生物にあまり干渉されずに運搬することも可能。ただし五色のピクミンの中で攻撃力が最低という欠点もある。 --なお、「紫」「白」はミッションモード、ビンゴバトルモードにのみ登場。 --主人公はコッパイ星からやってきたアルフ、チャーリー、ブリトニーの3人に変更。前作のオリマーやルーイに負けず劣らず個性的である。 --今作で初登場した原生生物も気味の悪さなどが好評。特にストーリーモードのラスボスは必見。 -ストーリーモード --今作のメインモード。ピクミンシリーズ独特のテキストやキャラの会話も変わらず存在。 --本作では食料が無いと空腹でゲームオーバーになるため、エリアに落ちている果物を回収する必要がある。なお、ノルマは存在せず、必要最低限でもクリアは可能。 --三人制なので、一人でやるのは困難な部分は、他のキャラと手分けして探索・討伐・運搬できる。 --また、本作ではデータコピーをせずとも指定した日を遡ってやり直せるようになっている。 -ミッションモード --様々なミッションをこなしていくモード。「時間内にお宝を集める」「原住生物を倒す」「巨大生物を倒す」という計3種類のミッションがある。 --初回プレイではマップの把握すら難しいが、うまく立ち回りピクミンを段取りよく指示する事でパーフェクトクリアも可能。その先はタイムボーナスを極めることになる。 --巨大生物との戦いはピクミンや時間の制限もあるが、ボスと好きな時に再戦できる。地形も同じため練習にもなる。 --今回はDLCも存在。2013年12月に無料の追加ミッションと、有料の追加コンテンツが更新された。 --世界ランキングにも対応。日々世界のユーザーと競い合える。また2013年10月の更新で画面が一新され詳細な情報が表示されるようになった。 -ビンゴバトルモ-ド --対戦用モード。指定されたアイテムを集めてビンゴで対戦が出来る。 --相手にピクミンを投げたりと、対戦要素も搭載されている。前作は能力に差のない赤と青のピクミンだったが、本作では葉っぱの光でチーム分けされたため通常プレイ同様に色の使い分けが重要になった。 -システム面 --豊富な操作形式 ---パッドオンリープレイやPROコンでの操作、Wiiリモコン&ヌンチャクにも対応しており、TVから離れてやる場合はパッド単独プレイ、パッドにマップを映しながらリモコンでプレイなど様々な状況に応じて使い分けられる。アップデートによりタッチペン操作に対応し、直感的に操作できるようになった。 ---また、マップをなぞり自動的に移動したり、エリアのどこに何があるかなどを確認できる。 --ロックオン機能の導入。敵の生物に狙いを定めてピクミンを投げられる。また、ピクミンの操作に敵の攻撃を回避する回避アクションや、突撃アクションが追加された。 -Miiverse --Wii UのSNS機能であるMiiverseにも対応。 --またスクショを撮影できる。他のユーザーに見せたり、高精細なグラフィックを眺めて楽しめる。ゲームパッドから風景を隊員視点で見渡せるカメラモードも付いており、アップのピクミンの群れや隊員から見た原生生物などの景色も見られる。 ---- **評価点 -美麗なグラフィック --現行機でもトップレベルの美しいグラフィック。ピクミンや原生生物もかなりリアルになっており、後者は気味の悪さにも磨きがかかっている。また、エリアの水や木々の美しさも相当なもの。 ---しかも、フレームレートは60fpsであり、大量のピクミンを連れ歩いてもめったに処理落ちは起こらない。 -快適な操作性・システム --ゲームパッドに広いエリアがマップに描写されることで探索や進行速度の確認が快適に。 ---行ったことのあるエリアなら指示することでその場所まで自動で移動できるようになり、時間の無駄がなくなった。 ---また画面で起きたことはほぼ遅延なくパッドに反映される。作中で使われている端末扱いなので、ストーリーモードでは他キャラとの通信画面も映ったりと没入感を深める演出にも一役買っている。 --ロックオン機能の登場により、好きな対象にロックオンしてピクミンを一気に当てることが出来る。敵だけでなく壊せる壁や大地のエキスの様なピクミンが反応する大抵の物に対応している為便利。 --味方キャラが投げられるようになり、隊列の整理が楽になった。 --各色のオニヨンは発見した日の終わりに合体し、翌日以降全色のピクミンを同時に引き出せるようになった。 -ミッションモード --ピクミンシリーズで恒例だったスコアアタックなどのやりこみ要素をインターネットによるランキングで競い合えるようになったのは大きい。 --またDLCで発売当初よりもボリュームはかなり増えている。一部無料配信もされているのも親切な所。 -Miiverse --Miiverseを生かしたゲームとの連動要素も好評。他ユーザーとのコミュニケーションやスクショの見せ合いも可能。 --また美しいグラフィックで描写されるピクミンや原生生物のスクショを撮れるようになったのは嬉しい。 ---- **賛否両論点 -ゲキカラスプレーが便利過ぎる --前作のメリットはそのままに使うことで対象が全員花になる仕様が追加された。初心者にはありがたいものの、中級者以上にはバランスがやや崩壊気味に感じやすい。 --回収も全自動でやってくれるようになったことで、非常に使いやすくなっているのも目につきやすい要因になっている。 ---なお、ゲキニガスプレーは削除されてしまった -オニヨンの見栄え --前述の通り、オニヨンが合体するようになり、便利になった一方でオニヨンが一体しかないことやマーブル状のオニヨンは『1』『2』の赤青黄の3点と比べ見栄えが悪く感じることも。 -あるキャラの暴走 --ストーリーを進めていくうちにエリアボスからあるキャラを救助するが、助けた翌日に食料を全部盗んで逃げ出し、さらに別のエリアボスに捕まってしまう。 --日没までにそのボスを倒す必要はないが、食料を確保しないとゲームオーバーになる。恩を仇で返すクズっぷりは賛否両論。なお、話を進めるためには嫌でも助ける必要がある。 ---なお本人としては「コッパイ星人に捕らえられていた」という認識だったことがムービーで判明する。だからって全ての食料を盗まなくても... -主人公の交代 --主人公が代わったことで本作がシリーズ初めてでも遊びやすくなっている。 --しかし、アルフ達に魅力を感じられなかったり、オリマーが好きだった過去作プレイヤーからは惜しむ声も少なくない。 ---- **問題点 -ピクミン間のバランスの悪さ・固有の役割の少なさ --羽ピクミンは空を飛べることで運搬時に妨害を受けにくいメリットに加え、高い地形や水上を無視できるせいで他種、特に黄ピクミンと青ピクミンの使い所が減っている。攻撃力が低いというデメリットもゲキカラスプレーで容易に補えてしまうので、他のピクミンの役割を奪う要因になっている。 --黄ピクミンは通電させ明かりをつけるギミックや電気柵の破壊など固有の役目はあるものの、電気による即死がなくなったり、『1』で黄ピクミンのみ扱えた爆弾岩をすべてのピクミンが扱えるようになるなど過去作にあった強みが減っている。 --青ピクミンは水中の果物を水揚げするぐらいしか使いみちが無い上に、前作にあった溺れた他のピクミンを救出する能力が削除され個性が薄くなった。その上、加入時期が最終盤な上に加入後も果実全回収を目指すので無ければ青ピクミンが必要になる場面は一切無く、活躍の場が用意されていない。 --赤ピクミンは果物の近くに前作のヤキチャッピーのような原生生物や間欠炎といったギミックはほぼなく((一応全身に火をまとうカジオコシという生物は登場するが、岩ピクミンをぶつければダメージを与えられる上に触覚部分には炎の判定が無いためわざわざ赤ピクミンを用いる必要性は無い))、火に強いという個性をあまり活かせない。 --岩ピクミンも圧死しない以外に水晶やガラスでコーティングされた敵や壁を破壊できるぐらいしかなく、それも爆弾岩で代用できてしまう。 --総じて固有の役割がギミック破壊程度しかなく「このピクミンでないといけない」という場面が非常に少なくなっている。 -ストーリーモードの問題点 --本作のストーリーモードのボリュームは『2』と比べかなり少なく、プレイヤーにもよるがクリア時間は7~10時間程度。 ---ミッションモードなどが充実しているため、全体的にはボリューム不足では無いものの、肝心のミッションモードでのやり込みはプレイヤー次第というスタンスの為、『2』と同程度と認識をしていたプレイヤーからの評価は芳しくない。また、同じシステムの「1」とは違い、果実をコンプリートしてもムービーのラストに表示される文章の内容が変わるだけで、「1」に有った遊び心のあるムービーが流れない為、コンプリートのし甲斐はやや薄く感じてしまう。 --ストーリーモードのデータが1つしか作れず、「クリア寸前のデータを残したまま初日からプレイする」ことができない。初日からやりたい場合、それまでのデータは消す必要がある。 --収集物にノルマがないこと ---『1』では30日以内に必須となる宇宙船のパーツを25種、『2』では10.000ポコ分のお宝の回収という回収数ノルマが存在したが、本作ではそういった回収数ノルマがない。つまり、&bold(){果物の回収状況はゲームオーバー以外にクリアにほぼ関係がない。} ---果物は何種集めてもその日の空腹を凌ぐためのものでしかなく、クリアに十分な日数分もかなり容易に集められるので、集め甲斐が薄い。さらに、集めるのが果物のみなのも『1』の宇宙船のパーツや『2』のバラエティに飛んだお宝と比べると非常に味気なく、収集する楽しみにも欠ける。 ---『2』における探検キットのようなアイテムも登場するが、&bold(){わずか6個}。『2』の半分以下な上に、内2つはエリア開放アイテムである。 --果物の確認シーンのテンポの悪さ。 ---具体的には、回収した果物を確認→ジュース化してビンに入れる→ジュースを飲む→食料の残量の確認…といったことがいちいち繰り返された。しかも&font(l){スキップが一切不可能}だった。アップデートによりスキップ可能になったものの依然としてテンポがいいとは言い難い。 //『2』では~の部分のある人物の回収は、本作もオリマーの救出がノルマなのでちょっとかみ合わないかと思う -自機が3キャラである必要性が希薄 --『2』では2人プレイ・対戦を前提とした自機2キャラだったが、本作は3人同時プレイに対応しておらず、ストーリーモードは1人、ミッションモードは2人までしか一緒にプレイできない。 ---3人同時プレイは画面分割の事情があり無理だったのかもしれないが、ストーリーモードの2人プレイも不可能だったのだろうか。 --全員性能が同じ ---小柄なアルフ、女性のブリトニー、大柄なキャプテンと見た目は差別化されているものの、性能はみんな同じ。~ 『2』では笛の音もオリマー、ルーイ、社長で違っていたが今作は笛の音まで全員同じ。~ 『2』の社長はオリマーやルーイと比べ耐久が少し上がっていることもあり、こちらもなにかしら差別化して欲しかったところ。 --さらにチャレンジモードでは・・・。 #region(ネタバレ有り) -チャレンジモード限定で一部のミッションでオリマーやルーイを操作可能。しかし前作と同様に性能は全く同じ。~ それどころか先述の''ルーイの笛の音がオリマーと同じ(というか5人全員同じ)''と、明らかに劣化している。 --ちなみに前作でのルーイの耐久表示のアイコンの背景は青色だったが、アルフと色が被るためか今作では黄色に変更されている。~ このため、アルフ=青、ブリトニー=ピンク、キャプテン=緑、オリマー=赤、ルーイ=黄色、となっている。~ なお、社長は名前のみの登場で本人は登場しない。 #endregion -自機がもう1人の自機を投げるギミック --2キャラ以上を別々の場所で同時に作業させる際も、このギミックのせいで作業を中断して合流することになる。本シリーズの特徴である効率プレイを阻害していると言える。 ---これ以外に3人であることを意識したギミックは終盤の逃走イベントのみなのも難点。 -『2』の要素の大幅な縮小・変更 --紫・白ピクミンがストーリーモードで使えないことや、地下の探索やチャレンジモードが撤廃されたことから『2』を好むユーザーからは不評を買うことも多い。 ---紫・白ピクミンに関しては、種類が多いと隊列の整理に支障が出ることや、岩・羽ピクミンの役割を減らさないようにする配慮もあっただろうが。 --前作のような黒いネタなどが少なめ。一応本作にもトラウマ的な敵生物は存在するが。 --''生物図鑑がない。'' ---前作ではこういった細かい設定の補完は生物図鑑で行っていたが、本作は図鑑が無いので謎のまま終わってしまう。ただし、シリーズを通してボカしている設定も多く、考察が賑わっている一面もある。 -一部の操作が不親切 --Wiiリモコン&ヌンチャクでのプレイでもゲームパッドの電池が切れるとプレイが中断されてしまう。リモコンプレイの場合はパッドも使えるが、必要としないユーザーも多く、なぜパッドに依存する仕様にしたのか疑問に思うプレイヤーもいる。 ---パッドに映されているマップは、タッチ操作でしかマップを動かして見渡せず、スティックによるマップ操作はできない。 --今作の新要素『ロックオン』も好評ではあるが、ポインターの反応が悪いという指摘も多い。 ---Wii Uのゲームパッドを活用したゲームが少ない中で頑張った方ではあるが、使いあぐねている感は否めない。 --『1』『2』でできた隊列操作が不可能になっている。そのため足の遅いピクミンとはぐれやすくなった。 ---上記の仕様のためなのか、本作はピクミンの回避アクションの追加などが行われている。しかし結果的に探索のしやすさがこの点においては劣化している。 -秘密メモと追加ムービーについて --各エリアのあちこちには「秘密メモ」と呼ばれる黄色いSDカードのようなアイテムが散りばめられているが、全て集めても特に''何の恩恵も無い。'' ---一応、秘密メモには「数字」が描かれた物も幾つかあり、これを入力する事で見られるムービーが追加されたが、これが何故か''ゲームの中に純粋に追加データとして入れられた訳ではなく、Wii U専用のインターネットブラウザで専用の画面に行った上で数字の暗号を入力しないと観られない。'' ---Wii U本体専用の機能である為PCや他のハードのブラウザーでは''数字入力が出来ないばかりか、「Wii Uでここに来て下さい」などというメッセージが表示されてしまう。''回りくどさも甚だしい。Wii Uはゲームソフトを作りにくい本体仕様であり、このムービーも純粋にゲームの中に入れるのは大変だったのだろうか。 ---- **総評 9年の時を経て発売されたシリーズ最新作。 収集要素や生物図鑑など、主に『2』で好評だった要素が軒並み縮小・削除されていたり、隊列移動の廃止を始めとした仕様の違いなどから過去作を好んだユーザーからの賛否は分かれやすくなっている。 一方、Wii Uというハードをうまく使いこなし、美しいグラフィック、高いゲーム性、誰にでも楽しめる難易度と、ゲームソフトとして大事な部分はしっかりと作りこまれており、完成度は高い。~ ピクミンシリーズに触れたことのない人にもおすすめできる良作である。 //賛否両論的な記述で締めると判定とかみ合わないので修正。 ---- **余談 -お笑い芸人・ダウンタウンの松本人志氏は、本シリーズと宮本氏の熱烈なファンであることを公言しており、2013年の6月に放送された「ピクミン3 Direct」では、氏が発売前の本作を一足先にプレイしている。 ---同放送では宮本茂氏と対談もしている。興味深い話が多いのでファン必見である。なお、ダイレクトの動画はピクミン3の公式サイトで閲覧できる。 -2014年にWii Uで『PIKMIN Short Movies HD』のOVAが配信されていた。内容は前作『[[ピクミン2]]』に該当する。若干グロい成分も含まれるので少し注意。ただし有料なため、お金を払わないと視聴できない。 --後述する『ピクミン3 デラックス』発売記念に応じてYouTubeの任天堂公式チャンネルで無料公開となった。それに伴って2020年10月8日に配信が終了された -本作の主人公であるアルフは2014年に発売された『[[大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U]]』にて、オリマーのカラーバリエーション扱いとしてだがプレイキャラとして参戦している。 --2018年発売の『[[SP>大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』にも同様の仕様で参戦している。 -Nintendo Switchにおいて生物図鑑をはじめとする要素が追加された『ピクミン3 デラックス』が2020年10月30日に発売された。

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