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*ZombiU 【ぞんびゆー】 |ジャンル|サバイバルホラーアクション|&amazon(B009LUE5BA)| |対応機種|Wii U|~| |発売・開発元|ユービーアイソフト|~| |発売日|2012年12月8日|~| |定価|ディスク版:7,180円(税5%込)&br()ダウンロード版:6,480円(税5%込)|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|WiiUゲームパッドを余すところなくほぼ使い切った意欲作&br()任天堂ハードにしてはグロさがキツい&br()ゲームパッドを考慮しなければゾンビゲーとしては普通&br()ファンは多いが売り上げはふるわなかった|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 公式サイトにも「Wii Uのためだけに開発されたゾンビゲーム」とされているように、WiiUの、ひいてはWiiUゲームパッド(以下ゲームパッド)の性能を示すために作られたと言っても過言ではないゲーム。~ UBIソフトがゲームパッドを見て、「これを活かしたゲームを作る」と意気込み、その通りフルに活用するゲームデザインとなった。ゲームとの親和性も抜群でゲームプレイにうまく作用している。~ プレイヤーは、ゾンビに支配された街の中で奇跡的に生き残っていた生存者となり、プレッパーなる謎の人物に導かれながら、彼とともに協力して生存を果たすことを目指す。~ 地味に強力なゾンビの襲撃に耐え、物資を集め、プレッパーからの指示を時折聞きながら、このゾンビの巣窟となった街の謎も解明していくことになる。 **本作の特徴 -冒頭でも記したが、ゲームパッドを活用したゲーム性が本ゲームの最大の特徴である。逆に言えば、ゲームパッドが存在しなければ凡庸なゾンビゲームと言っても良いくらいである。 --主人公は「プレッパーパッド」というタブレット型ツール(見た目はほぼゲームパッドそのまま)を携帯しており、ゲーム中はこれをフル活用する。 --アイテムの操作にはゲームパッドを使用する。アイテムの使用、装備の変更、資料を読む、生体反応レーダー、手持ちライトのON・OFFなどの行動は、全てゲームパッドに依存している。 --ゲームパッドを見るということは、メインとなるテレビ画面からは目を離すことになる。一見鬱陶しい要素だが、アイテムなどを操作している間は周囲を見られないという恐怖は、いつゾンビに襲われるかわからないという臨場感を盛り上げる。 --普段、ゲームパッドにはマップが表示されている。ゲームパッドの画面をタッチすると発信して、周囲の生体反応の位置を探ることができる。ゲームの途中からはタッチしなくても常時レーダー発信が行われる。 ---いきなり生体反応を発見し、電子音がなるとなかなか心臓に悪く、ホラーゲームとしての雰囲気作りに貢献している。後半から端末が改良され、常時レーダーを発信するようになるとそれが特に顕著に。 ---あくまでもゾンビではなく生体反応を探知するので、大量のゾンビかと思いきやただの動物だったり、ゾンビと動物の反応がごっちゃになっていることもある。 ---レーダーに反応がなければ絶対に安全とは限らず、探知できない高所や狭い穴などから突然ゾンビが出現して、咄嗟の対応が求められることもある。 --ゲームパッドでゲーム内のさまざまなものをスキャンして情報を得る、本作のキモともいえる機能がある。 ---一度スキャンしたものはマップ上に位置が常時表示されるようになる。 ---開けられる箱などの中にアイテムが入っているかどうか、ゾンビがアイテムを持っているかどうか、どのアイテムを持っているか、などもスキャンすることで簡単に分かる。 ---『バイオハザード リベレーションズ』のスキャン機能に近いが、こちらはジャイロセンサーに対応しており、より体感的な操作が可能となっている。 --各エリアのマップは最初は明らかになっておらず、特定地点にある「監視カメラハブ」をスキャンすることで、一帯のマップが表示されるようになる。そのため自力での探索も必要。 --その他、かんぬきを外す、バリケードの撤去、ピッキング、暗証番号操作などもゲームパッドのタッチパネルで操作する。ミニゲーム的な要素ではあるが、これもまたWii・WiiUらしい体感的なゲーム性を演出している。 -本作は主人公が何ら戦闘の知識を持っておらず、基本武器はクリケットバットと拳銃のみという貧相さである。ゾンビを突き飛ばすことも出来るが、基本的にはノーダメージ。 --メイン武装となるクリケットバットは使用回数に制限がないが、振りが遅く、スタミナを消費するため複数戦には不向き。 --銃は威力が高く、ゾンビの手が届かない(一部遠距離攻撃をしてくるゾンビもいるが)位置から攻撃できるが、当然弾数制限があり、リロードも手動であるため、考えなしに使うと泣きを見る。 ---ゾンビに囲まれて慌てて撃ちまくり弾が切れ、数発空撃ちをしてからリロードの存在を思い出すプレイヤーも多い。パニック映画にありそうなシチュエーションだが、こういったプレイヤーの失念にも計算ずくな部分を思わせる。 --手榴弾・発煙筒などの投擲武装もあるが、こちらもそこまでお手軽に使っていけるものではない。 -ゾンビサバイバルゲームであるため、基本的には街で手に入るものしか入手することが出来ない。つまり武器・弾薬・その他アイテムなどは一切販売されない。 --イベント上物資を売ってくれるという人間に会うことはできるが…。 --アイテムを所持できる数は限られており、武器・弾薬・回復その他消費アイテムなどをどういう組み合わせでバッグの中に入れるか、新たなアイテムを入手した時にバッグの中が一杯だったらどうするかなど、アイテムの取捨選択を考える必要がある。 --武器は特定の地点でカスタマイズすることが可能。 -主人公は死ぬと、ストーリーの進行度を引き継いでどんどん新しい主人公に交代していく。性別・名前・職業なども全て異なるが、キャラの性能差は無く、警官などでも性能は同じ。 --新しい主人公のゲームで、前回の主人公の死亡地点まで行くと、''前回の主人公がゾンビとなって登場する''。 ---この前主人公ゾンビを倒せば、前主人公が死亡時に持っていた所持品を回収することができる。[[デモンズソウル>Demon's Souls]]の血痕と似たようなシステムである。 --主人公が交代すると、各マップのランダム配置アイテムも新たに配置し直される。 -非同期オンラインに対応している。これもまたデモンズソウルのようなシステムといえば分かりやすいか。 --プレイヤーのキャラが死ぬと、ゾンビとなって他のプレイヤーのゲームに登場する。この他プレイヤーゾンビを倒せば、そのゾンビが死亡時に持っていた所持品を入手できる。 ---これによって先に他プレイヤーに倒されても、自分のデータに残っているプレイヤーゾンビが消えることはない。 --フィールドの壁や地面にスプレー缶でメッセージを残すことができる。メッセージは他のプレイヤーからも見ることができ、危険を事前に知らせるなど攻略のヒントになったりする。 ---ちなみに公式からの告知もこの機能を利用して行われたりしている。 ---他プレイヤーのメッセージに対して「信用するな!」という評価を送信することも可能。この評価数でメッセージの信用度をある程度判断できる。 -ロンドン各地はマンホールを通じて繋がっており、一度発見したマンホールは簡易移動手段として自由に行き来できるようになる。 **評価点 -ゲームパッドの魅力を知ることが出来る。DSのツースクリーンとは違う魅力があることを実感出来る。 --特に仕掛けを作動・解除させるパートや、スナイピングはかなり楽しく、スナイピングは特に敵を狙撃しているようにプレイ出来る。 --ゲームパッドの画面に目を移した矢先に、一定条件でゲームパッドの画面一杯にゾンビの顔が表示されるといった、ゲームパッドならではのドッキリ要素もあったりする。 -難易度は高めで、やりごたえがある。 --ゾンビの噛み付き攻撃は即死扱いで、当然だが全てのゾンビが使ってくる。操作に不慣れなプレイヤーを序盤から殺しにかかってくる。 --基本的に電気がストップしたり消えているところが多く、手持ちのライトを使わないと前が見えない。ライトは充電式であり、使い続けるとバッテリーが切れて消灯するため、電気を一度切ってバッテリーを回復させるなど、こまめな管理が必要。 --アイテムの入手手段は限られているため、無闇にアイテムを消費することが出来ず、サバイバル感を堪能出来る。特に弾は枯渇しやすい。 ---かといってケチケチしていると倉庫にも入りきらなくなるので、消費していくことも大事。 --無消費のバットだけでも戦うことはできるが、複数戦や包囲戦には向いていないため、それだけでクリアするのは困難。 --特に最大難易度のサバイバルモードは、一度でも死ぬと全データが消えるというレトロゲームのような仕様なので、縛りプレイにもそれなりのスキルが必要。 -非同期オンラインは上手く機能しており、複数の生存者がいるという世界観の演出も含めて面白さに一役買っている。 -臨場感の演出はかなり高いクオリティ。 --ゾンビゲームやアクションゲームに慣れていない人は、特にゲーム内のプレイヤーキャラクターと状況がマッチングするため楽しめる。 --ゾンビに囲まれた、追い詰められた時にバットを振るとプレイヤーキャラが声を震わせたり、喚きながらバットを振るので、プレイヤーの焦燥感も煽られる。 -ローカライズが丁寧。 --前面に出されていないが、吹き替え声優はゲーム中で一番声を聞くだろうプレッパー役の大川透を始め、地味に豪華である。 -ゾンビを迎え撃つ生存者側と、ゾンビをあてがうゾンビ側に分かれて勝負するマルチプレイモードがあるのだがこれが中々に面白い。 --生存者側は配置されたアイテムなどをうまく利用、配分してゾンビを迎え撃ち、ゾンビ側は手持ちにある数種のゾンビを生存者の状況によって的確な場所に配置していく。 --生存者側とゾンビ側それぞれプレイヤーに求められる駆け引きのスキルが異なり、これ単体でも結構遊べる。 --惜しむらくはバリエーションに乏しいこと、二人いないと遊べないこと、別途コントローラーが必要なことだろうか……。 **賛否両論点 -ゲームパッド自体癖のあるコントローラなので、かなり人を選ぶ。 --アイテムの操作だけでなく、スナイパーライフルによるスナイピングなど、ほとんどの操作がゲームパッドのみに依存しているため、嫌いな人にとっては煩わしさが否めない。 --Wii Uのゲームのほとんどは、ゲームパッド単体でもプレイすることが可能だが、このゲームではテレビとゲームパッドのUIが分けられているため実質的に不可能となっている。 --もっとも、それを前提としているゲームであり、抵抗がある人はそもそも買うべきではないのだが…。 -洋ゲーなのでかなりグロい。 --ゾンビゲームなので当然ではあるのだが、近年の任天堂ハードで発売されたゲームの中でもかなり過激でグロテスクな表現がされている。 --実はこれでもまだマシな方であり、海外のオリジナル版は欠損したゾンビの頭から脳が見えるなど、さらに過激な表現だった。 -テレビ画面とゲームパッドを交互に見るという都合上、どうしても「ゲーム」から「現実」に意識が引き戻されやすい。 --ゲームパッドを扱うのは面白い遊びではあるものの、一つの画面だけに集中する他のゲームに比べて、没入感や恐怖感で劣る面もある。 -ゲームが上手い人がやるほど臨場感がなくなってしまう。 --特に恐怖感に関してはグロに頼っている部分があるため、ゾンビゲームをやりなれた人には物足りない。 --前述の突き飛ばしは、ゾンビの背後をとった形になると転ばすことが出来る。そこからの顔面踏み砕きのコンボが成立すると、基本的にゾンビはあっという間に死ぬ。 ---主人公は何の変哲もない一般人であり、一般人が災厄から生き残るというゲームであるため、ゲームパッドでせっかく演出した危機的状況の臨場感も、手慣れた上級者がプレイするとそれが全て死んだ形になってしまうという妙な状況に陥る。 --ある程度ゲームに慣れたプレイヤーにとっては、アイテム管理や仕掛けの解除などで「ゲームパッドの画面を見なければいけない」という仕様が恐怖感の演出に繋がるということはあまりない。 ---付近の敵に襲われるかもしれない状況ではアイテム操作のためにゲームパッドを見たりなど迂闊なことはしない。戦闘中の装備切り替えもワンタッチで一瞬で行えるので、テレビ画面から目を離すこともほぼない。謎解きなどでゲームパッドの画面を見続けて操作する必要がある場面でも、テレビ画面を一瞬でもチラ見すれば背後の状況は確認できるので、「ゲームパッドの画面だけ見ていたら不意に襲われた」ということはない。 **問題点 ''ゲームバランス・レベルデザインの問題'' -ゲーム内の武器性能とレベルデザインが合っていない。 --2番目に手に入るであろう銃器のカービンは、威力こそ初期のハンドガンより高いものの、低い命中精度と発射速度、しかも一発ごとに長めのモーションで大きなスキをさらしてしまう上級者向けの銃。 ---この銃が手に入る時期と同じ位に新たなタイプのゾンビが出てくることもあり、初見プレイヤーが軽い気持ちで使うと確実に痛い目を見る罠武器。 --アサルトライフルやサブマシンガンは、弾薬を多く消費するタイプの銃であるにも関わらず、道中で手に入る弾薬があまりにも少なすぎる。 -いくつかの消費アイテムは使いにくすぎたり、使いどころがほとんどなく存在意義が薄い。 --「木の板」は扉に打ち付けてバリケードにするアイテムだが、敵の襲撃に備える場面や敵から逃げる必要のある場面が数える程度しかなく、また「どこでそのような場面に遭遇するか」も予測しにくいので、ほとんど活用できない。貴重なアイテム欄を圧迫してまで持っておく利点はほぼ無い。 ---一度作ったバリケードを除去すると、木の板も無くなってしまうので再利用は不可能。そのため適当な扉に打ち付けておけばいいというものでもない。 --「地雷」は敵の出現前に設置しておき、上手く敵を誘導できれば非常に強力なアイテム。しかし初回プレイでは敵がいつどこで出現するか分からない上、一度設置したら回収不可能なので活用しにくい。 -拠点である隠れ家が多数のゾンビに襲撃されるという、非常にスリルのある展開が前半で起きるのだが、その後は…。 #region(一応ネタバレ注意) --最終盤の特殊イベントを除けば、通常のゲーム中はこの1回しか襲撃イベントは起きない。 --一度襲撃を受けた後は、隠れ家に帰還する度に突然の襲撃を受けないかとヒヤヒヤさせられるが、杞憂に終わる。今後の襲撃に備えてバリケードを作っておこうなどとしても無駄に終わる(最終盤のイベントでは敵を迎撃するよりもさっさと先に進んだ方が良い)。 ---隠れ家は、余りがちな「木の板」や「地雷」などを倉庫にストックしたり、倉庫から取り出して襲撃に備えやすい絶好の場所なのに、襲撃が1回しか起きないというのは勿体ない。 #endoregion -いかにも敵襲を受けそうな、何か起きそうな場所で「地雷を設置したりバリケードを作っておくか」…と思っても結局何も起きないという、逆に期待外れな場面もある。 -「急いで逃げろ」「立ち止まらずに走れ」などと言われる場面でも、実際には急がずにゾンビを迎撃して数を減らしていった方が安全なことが多い。制限時間などはなく、ゾンビの数も基本的に有限。 -全主人公共通の初期装備である「ライト」「クリケットバット」「ハンドガン(L9A1)」は手放すことができない。 --ライトやバットはともかく、ハンドガンは隠れ家の倉庫にある他の銃と取り換えたいこともあるのだが。 -銃のカスタマイズは、各銃ごとに各カスタマイズパーツを1回ずつしか使用できず、自由度が低く底の浅いシステム。 --中盤以降はパーツの入手機会が多い割に、お気に入りの銃に沢山のパーツを注ぎ込むといったことはできず、ほぼ使わない銃もあったりするので、パーツが余りがちになる。 -銃器の種類はそこそこある割に、近接武器はクリケットバット1種だけというのは物足りない。 ''その他の問題点'' -ストーリーについて。 --基本的にストーリーはあって無いようなものなのだが、一部投げっぱなしな部分がある(プレッパーなど本筋関連はそれとなくわかるようにはなっている)。 --UBI的には成功すれば続編も…と目論んでいた節があり、擁護するならそれに向けて伏線を置いておいたということなのかもしれない。 #region(その代表例があるゾンビの描写) --幼稚園で初登場する強敵、通称「ワープゾンビ」は意味深な存在感を放っているが、最後まで謎の存在のままゲームが終了する。 ---登場する場所と撃破後に同じ服装をした首吊り死体があることから、正体は音声記録を残した保母であると推測できる…と思いきやこの死体は出現しないこともあるため他と同じただのオブジェクト。 ---さらに後半、2体出現するため特定の個人ではないことが確定。ここまでなら特にキャラクター設定のないただのモブ敵で片付くのだが…。 ---終盤にもう一度このゾンビの接近を感知、プレイヤーは出現を警戒しながら進むことになる。そして扉の前で後ろ姿を発見、この時はすぐに消えるが3目がくるのは確実、プレイヤーが覚悟を決め歩みを進め……''もう出てきません!'' ---登場人物も当然のようにこのゾンビについては言及せず結局謎なまま、推理する材料も無いのでどうしようもない。ストーリー的にちゃんとした設定を持っているキャラクターなのかどうかも分からない。何故最後にこのような描写を入れたのか? #endregion --盛り上がりに欠けるラストの展開。 #region(詳細) ---「今から脱出するぞ」という最後の局面に向かうところで、唐突に淡々としたムービーとスタッフロールが延々流れ続け、唖然とさせられる。 ---スタッフロールでプレイヤーのテンションが下がった後にゲームの最終局面がスタートするのだが、スタッフロールで流れが中断されたことと、場面が飛びすぎている(ゾンビから逃げながら自力で脱出地点まで向かうつもりだったのに、途中の道中が省略された)こともあって、いまいち盛り上がらない。 ---エンディングもあっさりし過ぎていて、スタッフロールなども何も無いのでいまいちゲームクリアの達成感が無い。 #endregion --主人公が交代する度に、新しい主人公は毎回プレッパーパッドやハンドガンなどの初期装備一式を持っていて、ストーリーの進行度も引き継いでいるという設定はやや不自然。 --主人公の交代や非同期オンラインのシステムの都合上、ロンドンには複数の生存者が生き残っているという設定だが、その割には「現在の主人公」以外の生存者を発見することはほとんどなく、隠れ家には主人公一人以外に誰もいないというのも不自然。 -バットで叩くと必ず頭部ヒットとなり頭が砕ける。当たりどころは一切関係無い。 --プレッパーに「頭をねらえ」と言われているとはいえ、明らかに当たってないように見えてもヒットは全て頭になってしまう。 --ただしこの仕様のおかげで、難敵のヘルメットゾンビ戦でバットが有効武器となっている面もある。 -わりと致命的なバグが多い。 --グラフィックが微妙におかしくなったりする小さなバグから、ゲーム進行が不可能になるバグなどいくつかあった。 --主人公が死亡した場合オートセーブされる仕様のため、進行不可能になった場合は取り返しがつかなくなる。 --現在ではかなり修正されているが、まだ残っているバグもちらほら見られる。 -扉を開けた瞬間などにドキッとさせるような大きなSEが鳴る場面がいくつかあるのだが、不具合なのか何も起きない場所でも同様に鳴ることがあり煩わしい。 -同期によるオンラインプレイが存在しない。 --オフマルチプレイは存在するが、オンラインで複数のゾンビからみんなで生き残るモードがあっても良かったのではないかとはよく言われる。 -体験版のステージのチョイスが明らかに間違っている。 --その場所というのが、ゲーム中もっとも怖い+難易度が高いと言われている幼稚園ステージ。 --一番のびっくりポイントと言われているイベントもそこで消化されるため、体験版後に本編プレイをすると白ける。 --もっとも、他のステージはほとんどがかなり開けた場所のため、建物内でなおかつ広さ的に丁度良いのが、この幼稚園しかなかったとも言える。 **総評 粗削りな部分も多いものの、非常に意欲的なゲーム内容であり、ゲームパッドを活かしたゲームソフトとしてあげられることが多いソフトである。~ ゲームパッドの操作が煩わしいという声も多いが、これがないと本当に普通のゾンビゲームでしかないため、ゲームパッドが苦手という人はまずプレイしない方が良いだろう。~ 一方高い評価を受けてはいるが、WiiU本体の初期の売れ行きが今一つであったこと、任天堂が特に支持を受けているファミリー層に受けなかったこと、さらにゲームパッドの入門編的なゲームでないのにも関わらずゲームパッドに依存したゲーム性((強いて例えるならSDガンダム スカッドハンマーズのような立ち位置。))という不遇が重なり、売り上げは芳しくなかった。~ この影響からか、小売店やインターネットショップでは1,000円以下で投げ売られていることもある。~ 一部の問題点は今後シリーズ化した時に改善出来そうな部分であり、続編を望む声もあるのだが、UBIソフトは「(ノウハウは今後活かしたいが)売れなかったので続編は作りません」という趣旨のコメントをしており、開発される可能性は薄い。 ---- **その後の展開 -PS4、Xbox One、PCへの移植版『ZOMBI』が2015年8月19日に発売された。 --新打撃武器「釘バット」が追加された。 --ローカライズは日本語テキストのみ。日本語音声は削除され、音声は英語で固定となった。 --非同期オンライン要素は削除され、完全にオフラインプレイ用となった。 ---- //ゾンビU
*ZombiU 【ぞんびゆー】 |ジャンル|サバイバルホラーアクション|&amazon(B009LUE5BA)| |対応機種|Wii U|~| |発売・開発元|ユービーアイソフト|~| |発売日|2012年12月8日|~| |定価|ディスク版:7,180円(税5%込)&br()ダウンロード版:6,480円(税5%込)|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|WiiUゲームパッドを余すところなくほぼ使い切った意欲作&br()任天堂ハードにしてはグロさがキツい&br()ゲームパッドを考慮しなければゾンビゲーとしては普通&br()ファンは多いが売り上げはふるわなかった|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 公式サイトにも「Wii Uのためだけに開発されたゾンビゲーム」とされているように、WiiUの、ひいてはWiiUゲームパッド(以下ゲームパッド)の性能を示すために作られたと言っても過言ではないゲーム。~ UBIソフトがゲームパッドを見て、「これを活かしたゲームを作る」と意気込み、その通りフルに活用するゲームデザインとなった。ゲームとの親和性も抜群でゲームプレイにうまく作用している。~ プレイヤーは、ゾンビに支配された街の中で奇跡的に生き残っていた生存者となり、プレッパーなる謎の人物に導かれながら、彼とともに協力して生存を果たすことを目指す。~ 地味に強力なゾンビの襲撃に耐え、物資を集め、プレッパーからの指示を時折聞きながら、このゾンビの巣窟となった街の謎も解明していくことになる。 **本作の特徴 -冒頭でも記したが、ゲームパッドを活用したゲーム性が本ゲームの最大の特徴である。逆に言えば、ゲームパッドが存在しなければ凡庸なゾンビゲームと言っても良いくらいである。 --主人公は「プレッパーパッド」というタブレット型ツール(見た目はほぼゲームパッドそのまま)を携帯しており、ゲーム中はこれをフル活用する。 --アイテムの操作にはゲームパッドを使用する。アイテムの使用、装備の変更、資料を読む、生体反応レーダー、手持ちライトのON・OFFなどの行動は、全てゲームパッドに依存している。 --ゲームパッドを見るということは、メインとなるテレビ画面からは目を離すことになる。一見鬱陶しい要素だが、アイテムなどを操作している間は周囲を見られないという恐怖は、いつゾンビに襲われるかわからないという臨場感を盛り上げる。 --普段、ゲームパッドにはマップが表示されている。ゲームパッドの画面をタッチすると発信して、周囲の生体反応の位置を探ることができる。ゲームの途中からはタッチしなくても常時レーダー発信が行われる。 ---いきなり生体反応を発見し、電子音がなるとなかなか心臓に悪く、ホラーゲームとしての雰囲気作りに貢献している。後半から端末が改良され、常時レーダーを発信するようになるとそれが特に顕著に。 ---あくまでもゾンビではなく生体反応を探知するので、大量のゾンビかと思いきやただの動物だったり、ゾンビと動物の反応がごっちゃになっていることもある。 ---レーダーに反応がなければ絶対に安全とは限らず、探知できない高所や狭い穴などから突然ゾンビが出現して、咄嗟の対応が求められることもある。 --ゲームパッドでゲーム内のさまざまなものをスキャンして情報を得る、本作のキモともいえる機能がある。 ---一度スキャンしたものはマップ上に位置が常時表示されるようになる。 ---開けられる箱などの中にアイテムが入っているかどうか、ゾンビがアイテムを持っているかどうか、どのアイテムを持っているか、などもスキャンすることで簡単に分かる。 ---『バイオハザード リベレーションズ』のスキャン機能に近いが、こちらはジャイロセンサーに対応しており、より体感的な操作が可能となっている。 --各エリアのマップは最初は明らかになっておらず、特定地点にある「監視カメラハブ」をスキャンすることで、一帯のマップが表示されるようになる。そのため自力での探索も必要。 --その他、かんぬきを外す、バリケードの撤去、ピッキング、暗証番号操作などもゲームパッドのタッチパネルで操作する。ミニゲーム的な要素ではあるが、これもまたWii・WiiUらしい体感的なゲーム性を演出している。 -本作は主人公が何ら戦闘の知識を持っておらず、基本武器はクリケットバットと拳銃のみという貧相さである。ゾンビを突き飛ばすことも出来るが、基本的にはノーダメージ。 --メイン武装となるクリケットバットは使用回数に制限がないが、振りが遅く、スタミナを消費するため複数戦には不向き。 --銃は威力が高く、ゾンビの手が届かない(一部遠距離攻撃をしてくるゾンビもいるが)位置から攻撃できるが、当然弾数制限があり、リロードも手動であるため、考えなしに使うと泣きを見る。 ---ゾンビに囲まれて慌てて撃ちまくり弾が切れ、数発空撃ちをしてからリロードの存在を思い出すプレイヤーも多い。パニック映画にありそうなシチュエーションだが、こういったプレイヤーの失念にも計算ずくな部分を思わせる。 --手榴弾・発煙筒などの投擲武装もあるが、こちらもそこまでお手軽に使っていけるものではない。 -ゾンビサバイバルゲームであるため、基本的には街で手に入るものしか入手することが出来ない。つまり武器・弾薬・その他アイテムなどは一切販売されない。 --イベント上物資を売ってくれるという人間に会うことはできるが…。 --アイテムを所持できる数は限られており、武器・弾薬・回復その他消費アイテムなどをどういう組み合わせでバッグの中に入れるか、新たなアイテムを入手した時にバッグの中が一杯だったらどうするかなど、アイテムの取捨選択を考える必要がある。 --武器は特定の地点でカスタマイズすることが可能。 -主人公は死ぬと、ストーリーの進行度を引き継いでどんどん新しい主人公に交代していく。性別・名前・職業なども全て異なるが、キャラの性能差は無く、警官などでも性能は同じ。 --新しい主人公のゲームで、前回の主人公の死亡地点まで行くと、''前回の主人公がゾンビとなって登場する''。 ---この前主人公ゾンビを倒せば、前主人公が死亡時に持っていた所持品を回収することができる。[[デモンズソウル>Demon's Souls]]の血痕と似たようなシステムである。 --主人公が交代すると、各マップのランダム配置アイテムも新たに配置し直される。 -非同期オンラインに対応している。これもまたデモンズソウルのようなシステムといえば分かりやすいか。 --プレイヤーのキャラが死ぬと、ゾンビとなって他のプレイヤーのゲームに登場する。この他プレイヤーゾンビを倒せば、そのゾンビが死亡時に持っていた所持品を入手できる。 ---これによって先に他プレイヤーに倒されても、自分のデータに残っているプレイヤーゾンビが消えることはない。 --フィールドの壁や地面にスプレー缶でメッセージを残すことができる。メッセージは他のプレイヤーからも見ることができ、危険を事前に知らせるなど攻略のヒントになったりする。 ---ちなみに公式からの告知もこの機能を利用して行われたりしている。 ---他プレイヤーのメッセージに対して「信用するな!」という評価を送信することも可能。この評価数でメッセージの信用度をある程度判断できる。 -ロンドン各地はマンホールを通じて繋がっており、一度発見したマンホールは簡易移動手段として自由に行き来できるようになる。 **評価点 -ゲームパッドの魅力を知ることが出来る。DSのツースクリーンとは違う魅力があることを実感出来る。 --特に仕掛けを作動・解除させるパートや、スナイピングはかなり楽しく、スナイピングは特に敵を狙撃しているようにプレイ出来る。 --ゲームパッドの画面に目を移した矢先に、一定条件でゲームパッドの画面一杯にゾンビの顔が表示されるといった、ゲームパッドならではのドッキリ要素もあったりする。 -難易度は高めで、やりごたえがある。 --ゾンビの噛み付き攻撃は即死扱いで、当然だが全てのゾンビが使ってくる。操作に不慣れなプレイヤーを序盤から殺しにかかってくる。 --基本的に電気がストップしたり消えているところが多く、手持ちのライトを使わないと前が見えない。ライトは充電式であり、使い続けるとバッテリーが切れて消灯するため、電気を一度切ってバッテリーを回復させるなど、こまめな管理が必要。 --アイテムの入手手段は限られているため、無闇にアイテムを消費することが出来ず、サバイバル感を堪能出来る。特に弾は枯渇しやすい。 ---かといってケチケチしていると倉庫にも入りきらなくなるので、消費していくことも大事。 --無消費のバットだけでも戦うことはできるが、複数戦や包囲戦には向いていないため、それだけでクリアするのは困難。 --特に最大難易度のサバイバルモードは、一度でも死ぬと全データが消えるというレトロゲームのような仕様なので、縛りプレイにもそれなりのスキルが必要。 -非同期オンラインは上手く機能しており、複数の生存者がいるという世界観の演出も含めて面白さに一役買っている。 -臨場感の演出はかなり高いクオリティ。 --ゾンビゲームやアクションゲームに慣れていない人は、特にゲーム内のプレイヤーキャラクターと状況がマッチングするため楽しめる。 --ゾンビに囲まれた、追い詰められた時にバットを振るとプレイヤーキャラが声を震わせたり、喚きながらバットを振るので、プレイヤーの焦燥感も煽られる。 -ローカライズが丁寧。 --前面に出されていないが、吹き替え声優はゲーム中で一番声を聞くだろうプレッパー役の大川透を始め、地味に豪華である。 -ゾンビを迎え撃つ生存者側と、ゾンビをあてがうゾンビ側に分かれて勝負するマルチプレイモードがあるのだがこれが中々に面白い。 --生存者側は配置されたアイテムなどをうまく利用、配分してゾンビを迎え撃ち、ゾンビ側は手持ちにある数種のゾンビを生存者の状況によって的確な場所に配置していく。 --生存者側とゾンビ側それぞれプレイヤーに求められる駆け引きのスキルが異なり、これ単体でも結構遊べる。 --惜しむらくはバリエーションに乏しいこと、二人いないと遊べないこと、別途コントローラーが必要なことだろうか……。 **賛否両論点 -ゲームパッド自体癖のあるコントローラなので、かなり人を選ぶ。 --アイテムの操作だけでなく、スナイパーライフルによるスナイピングなど、ほとんどの操作がゲームパッドのみに依存しているため、嫌いな人にとっては煩わしさが否めない。 --Wii Uのゲームのほとんどは、ゲームパッド単体でもプレイすることが可能だが、このゲームではテレビとゲームパッドのUIが分けられているため実質的に不可能となっている。 --もっとも、それを前提としているゲームであり、抵抗がある人はそもそも買うべきではないのだが…。 -洋ゲーなのでかなりグロい。 --ゾンビゲームなので当然ではあるのだが、近年の任天堂ハードで発売されたゲームの中でもかなり過激でグロテスクな表現がされている。 --実はこれでもまだマシな方であり、海外のオリジナル版は欠損したゾンビの頭から脳が見えるなど、さらに過激な表現だった。 -テレビ画面とゲームパッドを交互に見るという都合上、どうしても「ゲーム」から「現実」に意識が引き戻されやすい。 --ゲームパッドを扱うのは面白い遊びではあるものの、一つの画面だけに集中する他のゲームに比べて、没入感や恐怖感で劣る面もある。 -ゲームが上手い人がやるほど臨場感がなくなってしまう。 --特に恐怖感に関してはグロに頼っている部分があるため、ゾンビゲームをやりなれた人には物足りない。 --前述の突き飛ばしは、ゾンビの背後をとった形になると転ばすことが出来る。そこからの顔面踏み砕きのコンボが成立すると、基本的にゾンビはあっという間に死ぬ。 ---主人公は何の変哲もない一般人であり、一般人が災厄から生き残るというゲームであるため、ゲームパッドでせっかく演出した危機的状況の臨場感も、手慣れた上級者がプレイするとそれが全て死んだ形になってしまうという妙な状況に陥る。 --ある程度ゲームに慣れたプレイヤーにとっては、アイテム管理や仕掛けの解除などで「ゲームパッドの画面を見なければいけない」という仕様が恐怖感の演出に繋がるということはあまりない。 ---付近の敵に襲われるかもしれない状況ではアイテム操作のためにゲームパッドを見たりなど迂闊なことはしない。戦闘中の装備切り替えもワンタッチで一瞬で行えるので、テレビ画面から目を離すこともほぼない。謎解きなどでゲームパッドの画面を見続けて操作する必要がある場面でも、テレビ画面を一瞬でもチラ見すれば背後の状況は確認できるので、「ゲームパッドの画面だけ見ていたら不意に襲われた」ということはない。 **問題点 ''ゲームバランス・レベルデザインの問題'' -ゲーム内の武器性能とレベルデザインが合っていない。 --2番目に手に入るであろう銃器のカービンは、威力こそ初期のハンドガンより高いものの、低い命中精度と発射速度、しかも一発ごとに長めのモーションで大きなスキをさらしてしまう上級者向けの銃。 ---この銃が手に入る時期と同じ位に新たなタイプのゾンビが出てくることもあり、初見プレイヤーが軽い気持ちで使うと確実に痛い目を見る罠武器。 --アサルトライフルやサブマシンガンは、弾薬を多く消費するタイプの銃であるにも関わらず、道中で手に入る弾薬があまりにも少なすぎる。 -いくつかの消費アイテムは使いにくすぎたり、使いどころがほとんどなく存在意義が薄い。 --「木の板」は扉に打ち付けてバリケードにするアイテムだが、敵の襲撃に備える場面や敵から逃げる必要のある場面が数える程度しかなく、また「どこでそのような場面に遭遇するか」も予測しにくいので、ほとんど活用できない。貴重なアイテム欄を圧迫してまで持っておく利点はほぼ無い。 ---一度作ったバリケードを除去すると、木の板も無くなってしまうので再利用は不可能。そのため適当な扉に打ち付けておけばいいというものでもない。 --「地雷」は敵の出現前に設置しておき、上手く敵を誘導できれば非常に強力なアイテム。しかし初回プレイでは敵がいつどこで出現するか分からない上、一度設置したら回収不可能なので活用しにくい。 -拠点である隠れ家が多数のゾンビに襲撃されるという、非常にスリルのある展開が前半で起きるのだが、その後は…。 #region(一応ネタバレ注意) --最終盤の特殊イベントを除けば、通常のゲーム中はこの1回しか襲撃イベントは起きない。 --一度襲撃を受けた後は、隠れ家に帰還する度に突然の襲撃を受けないかとヒヤヒヤさせられるが、杞憂に終わる。今後の襲撃に備えてバリケードを作っておこうなどとしても無駄に終わる(最終盤のイベントでは敵を迎撃するよりもさっさと先に進んだ方が良い)。 ---隠れ家は、余りがちな「木の板」や「地雷」などを倉庫にストックしたり、倉庫から取り出して襲撃に備えやすい絶好の場所なのに、襲撃が1回しか起きないというのは勿体ない。 #endregion -いかにも敵襲を受けそうな、何か起きそうな場所で「地雷を設置したりバリケードを作っておくか」…と思っても結局何も起きないという、逆に期待外れな場面もある。 -「急いで逃げろ」「立ち止まらずに走れ」などと言われる場面でも、実際には急がずにゾンビを迎撃して数を減らしていった方が安全なことが多い。制限時間などはなく、ゾンビの数も基本的に有限。 -全主人公共通の初期装備である「ライト」「クリケットバット」「ハンドガン(L9A1)」は手放すことができない。 --ライトやバットはともかく、ハンドガンは隠れ家の倉庫にある他の銃と取り換えたいこともあるのだが。 -銃のカスタマイズは、各銃ごとに各カスタマイズパーツを1回ずつしか使用できず、自由度が低く底の浅いシステム。 --中盤以降はパーツの入手機会が多い割に、お気に入りの銃に沢山のパーツを注ぎ込むといったことはできず、ほぼ使わない銃もあったりするので、パーツが余りがちになる。 -銃器の種類はそこそこある割に、近接武器はクリケットバット1種だけというのは物足りない。 ''その他の問題点'' -ストーリーについて。 --基本的にストーリーはあって無いようなものなのだが、一部投げっぱなしな部分がある(プレッパーなど本筋関連はそれとなくわかるようにはなっている)。 --UBI的には成功すれば続編も…と目論んでいた節があり、擁護するならそれに向けて伏線を置いておいたということなのかもしれない。 #region(その代表例があるゾンビの描写) --幼稚園で初登場する強敵、通称「ワープゾンビ」は意味深な存在感を放っているが、最後まで謎の存在のままゲームが終了する。 ---登場する場所と撃破後に同じ服装をした首吊り死体があることから、正体は音声記録を残した保母であると推測できる…と思いきやこの死体は出現しないこともあるため他と同じただのオブジェクト。 ---さらに後半、2体出現するため特定の個人ではないことが確定。ここまでなら特にキャラクター設定のないただのモブ敵で片付くのだが…。 ---終盤にもう一度このゾンビの接近を感知、プレイヤーは出現を警戒しながら進むことになる。そして扉の前で後ろ姿を発見、この時はすぐに消えるが3目がくるのは確実、プレイヤーが覚悟を決め歩みを進め……''もう出てきません!'' ---登場人物も当然のようにこのゾンビについては言及せず結局謎なまま、推理する材料も無いのでどうしようもない。ストーリー的にちゃんとした設定を持っているキャラクターなのかどうかも分からない。何故最後にこのような描写を入れたのか? #endregion --盛り上がりに欠けるラストの展開。 #region(詳細) ---「今から脱出するぞ」という最後の局面に向かうところで、唐突に淡々としたムービーとスタッフロールが延々流れ続け、唖然とさせられる。 ---スタッフロールでプレイヤーのテンションが下がった後にゲームの最終局面がスタートするのだが、スタッフロールで流れが中断されたことと、場面が飛びすぎている(ゾンビから逃げながら自力で脱出地点まで向かうつもりだったのに、途中の道中が省略された)こともあって、いまいち盛り上がらない。 ---エンディングもあっさりし過ぎていて、スタッフロールなども何も無いのでいまいちゲームクリアの達成感が無い。 #endregion --主人公が交代する度に、新しい主人公は毎回プレッパーパッドやハンドガンなどの初期装備一式を持っていて、ストーリーの進行度も引き継いでいるという設定はやや不自然。 --主人公の交代や非同期オンラインのシステムの都合上、ロンドンには複数の生存者が生き残っているという設定だが、その割には「現在の主人公」以外の生存者を発見することはほとんどなく、隠れ家には主人公一人以外に誰もいないというのも不自然。 -バットで叩くと必ず頭部ヒットとなり頭が砕ける。当たりどころは一切関係無い。 --プレッパーに「頭をねらえ」と言われているとはいえ、明らかに当たってないように見えてもヒットは全て頭になってしまう。 --ただしこの仕様のおかげで、難敵のヘルメットゾンビ戦でバットが有効武器となっている面もある。 -わりと致命的なバグが多い。 --グラフィックが微妙におかしくなったりする小さなバグから、ゲーム進行が不可能になるバグなどいくつかあった。 --主人公が死亡した場合オートセーブされる仕様のため、進行不可能になった場合は取り返しがつかなくなる。 --現在ではかなり修正されているが、まだ残っているバグもちらほら見られる。 -扉を開けた瞬間などにドキッとさせるような大きなSEが鳴る場面がいくつかあるのだが、不具合なのか何も起きない場所でも同様に鳴ることがあり煩わしい。 -同期によるオンラインプレイが存在しない。 --オフマルチプレイは存在するが、オンラインで複数のゾンビからみんなで生き残るモードがあっても良かったのではないかとはよく言われる。 -体験版のステージのチョイスが明らかに間違っている。 --その場所というのが、ゲーム中もっとも怖い+難易度が高いと言われている幼稚園ステージ。 --一番のびっくりポイントと言われているイベントもそこで消化されるため、体験版後に本編プレイをすると白ける。 --もっとも、他のステージはほとんどがかなり開けた場所のため、建物内でなおかつ広さ的に丁度良いのが、この幼稚園しかなかったとも言える。 **総評 粗削りな部分も多いものの、非常に意欲的なゲーム内容であり、ゲームパッドを活かしたゲームソフトとしてあげられることが多いソフトである。~ ゲームパッドの操作が煩わしいという声も多いが、これがないと本当に普通のゾンビゲームでしかないため、ゲームパッドが苦手という人はまずプレイしない方が良いだろう。~ 一方高い評価を受けてはいるが、WiiU本体の初期の売れ行きが今一つであったこと、任天堂が特に支持を受けているファミリー層に受けなかったこと、さらにゲームパッドの入門編的なゲームでないのにも関わらずゲームパッドに依存したゲーム性((強いて例えるならSDガンダム スカッドハンマーズのような立ち位置。))という不遇が重なり、売り上げは芳しくなかった。~ この影響からか、小売店やインターネットショップでは1,000円以下で投げ売られていることもある。~ 一部の問題点は今後シリーズ化した時に改善出来そうな部分であり、続編を望む声もあるのだが、UBIソフトは「(ノウハウは今後活かしたいが)売れなかったので続編は作りません」という趣旨のコメントをしており、開発される可能性は薄い。 ---- **その後の展開 -PS4、Xbox One、PCへの移植版『ZOMBI』が2015年8月19日に発売された。 --新打撃武器「釘バット」が追加された。 --ローカライズは日本語テキストのみ。日本語音声は削除され、音声は英語で固定となった。 --非同期オンライン要素は削除され、完全にオフラインプレイ用となった。 ---- //ゾンビU

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