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*ゲームセンターCX 3丁目の有野 【げーむせんたーしーえっくす さんちょうめのありの】 |ジャンル|ゲームinゲーム|&amazon(B00FAL5MMA)| |対応機種|ニンテンドー3DS|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|グレフ&br()クアドラソフトウェア&br()スーパースィープ (サウンド制作)&br()M2 (一部ミドルウェア提供)|~| |発売日|2014年3月20日|~| |定価|通常版:5,480円 / 限定版:7,480円|~| |分類|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|&color(blue){''2014年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点''}&br()総じて出来が悪いゲームinゲーム&br()80年代というものを解っていない出来栄え&br()限定版付属DVDは大部分が好評|~| |>|>|CENTER:''ゲームセンターCXシリーズ''&br()[[有野の挑戦状>ゲームセンターCX 有野の挑戦状]] / スペースインベーダーCX / [[有野の挑戦状2>ゲームセンターCX 有野の挑戦状2]] / ''3丁目の有野''| |>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''| //KOTY確定まで除去 //4/27確定のためCO解除 #contents(fromhere) ---- **概要 CSフジテレビONE・NEXTで放映しているテレビ番組『ゲームセンターCX (GCCX)』とタイアップしたレトロゲーム風ミニゲーム集。~ 今作は『[[有野の挑戦状>ゲームセンターCX 有野の挑戦状]]』『[[有野の挑戦状2>ゲームセンターCX 有野の挑戦状2]]』を開発したインディーズゼロが忙しかった((発売時期から見て、『ファミコンリミックス』シリーズや『シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール』の開発が重なっていたものと思われる。))ため、開発はグレフ((『旋光の輪舞』シリーズなどの販売・開発元。))が担当している。~ 限定版にはGCCX本編二本(『ハロー!パックマンに挑戦』『ドラゴンボール 神龍の謎に挑戦』)、『有野の挑戦状2』の挑戦、本作の裏ワザ、収録ゲームの「BREAK SHOOT」選手権が収録されたDVDが付属している。~ **あらすじ 有野少年はなんと記憶喪失に!!~ ゲームをやれば思い出すかも・・・という事で、主人公と一緒に様々なジャンルのゲームをプレイして、~ 有野少年の記憶を取り戻すべく奮闘する!!(公式サイトより引用)~ **ゲームinゲーム一覧 -メインゲーム --各ゲームごとに課せられたノルマをクリアしていくとストーリーが進み、一個ずつ新たなゲームが登場する。 -「ルーミーと魔法のホウキ」 --最初にプレイするソフト。『マリオブラザーズ』風味のゲーム。 --ブロックを下からジャンプで崩し、そこに落ちた敵に箒をかけて倒すシステム。 --滑るブロックや動くブロック、飛び道具を撃ったり、こちらの操作を逆にするなど敵も豊かだが、それ故に中盤からは安全地帯を探したり、逃げまくりながら一匹ずつ潰すプレイを強いられる。アイテムも登場するがランダムに得られる効果は極端であり、高難易度且つ無敵アイテム頼りの運ゲーとなっている。 ---アイテムの効果は、最下段や破壊不能ブロックの上にいる敵はどうやっても倒せないうえ制限時間が100秒しかないのに10秒も敵の動きが止まったり、全てのブロックが崩れて逆に不利になったり、5000点入るだけだったり、一方で無敵だけはゲームバランスを壊すほど強力だったりする。 -「ウイングヒーロー」 --横スクロールシューティング。見た目は『スカイキッド』に酷似している。 ---しかし宙返りや斜め向き、左方向スクロールなど、元ネタの特徴がとことん削られており、アクション性や戦略性が大きく劣化している。 --自機墜落中にマイクに息を吹きかけると復帰できるという点があるのだが、大々的に宣伝していたのにゲーム内での家庭用移植版でないと使用できない((最初にプレイするのはアーケード版。流石にアーケードゲームに息を吹きかけるのは妙だからこうなったのだろう。))。 -「ソーマの秘宝」 --周囲の隠し通路や宝箱が見えるうえに無敵状態になる「ハイドモード」という機能を使いながら迷路を進んでいき、隠された宝箱を回収する。 --ステージの表現が「FLOOR」であることや迷路の構成、ステージごとに出現が固定されたアイテムを使った攻略は『[[ドルアーガの塔]]』を思わせるが、謎解き要素は特にない。 --中盤からはマップがだだっ広くなり、ゲームを進めるのに必須なハイドモードもゲージ回復に時間がかかる。攻撃・スピードアップなどのアイテムはあるが持てるのは一個だけなど、とにかく時間がかかる。それに見合うようなゲーム性もなく非常に面倒くさくてだれる。 --ワープを駆使すると一気に進めるが、終盤のワープはクリアに必要なアイテムのあるフロアを飛ばして進んでしまうという嫌がらせの様な罠となっている。 -「ザウルスボーイ」 --着ぐるみでの性能チェンジを活かしながら進んでいく、横スクロールアクション。ゲームデザインは『[[高橋名人の冒険島]]』に近い。 --歯ごたえのあるアクションゲームで、本作の中ではなかなか評価が高い。 --このゲームと後述のブラッドオブドラゴンは外注のクアドラソフトウェアである。 -「BREAK SHOOT」 --サッカーの様なブロック崩し。必殺シュートの使い方がカギ。ネオジオの隠れた名作「[[フライングパワーディスク]]」を退化させたような内容。 --試合の前に前哨戦という名のブロック崩しをやらされるが、的が小さく壁が多いなどやたら難易度が高い。ここで点を取られたり、自分チームの壁を破壊されると後の試合に響く。その試合自体もCPUの反応が鋭いなどかなりの高難易度。 -「ゾリアテス」 --縦スクロールシューティング。武器を切り替えたり、オプションを付けながら進んでいく。 --無難でオーソドックスな内容で特に目を引く要素もないが、特定の武器を遮断する壁が非常に厄介。 -「ブラッドオブドラゴン」 --FF風味のRPG。本作随一の出来の悪さ。 --お互い攻撃が外れやすい、攻撃魔法すらも頻繁に外れる、エンカウント率が高い、ドラクエで言うリレミトもルーラもない、会話がやけに長い、デッサンの狂った立ち絵、文字はぼけて読みにくい、暗赤色の強調文字はもっと読めない、UIは劣悪、ストーリーも単調で、先の展開を予想するのが簡単な部分もある……と、当時と現在の双方から悪い部分を取り入れ、さらに本作独自の悪い要素をプラスした悪夢のようなゲームである。 -「ネジマキングダム」 --おもちゃの兵隊を操作して進む、『[[ゼルダの伝説]]』風の見下ろし型アクションRPG。 --死ぬと死骸が壁になり、それを動かして進めるのがウリだが、それを活かそうとしたのか残機が溜まりやすく、それを使わずにごり押しで何とかなってしまう。 ---死骸は足場やスイッチの重石にもなるのだが、ギリジャンを行う地点では死骸が残らない。重石は死骸とは別に用意されている。肝心な時に使わせようとすらしてくれない。 --BGMはおもちゃの行進のような軽快な曲で質はいいのだが、全6ワールド中4ワールドで同じ曲が使われているため、飽きてしまう。 --ゲーム進行も淡々とステージを進んでいく形となり、店もなければ会話する人もいない寂しい雰囲気。『ゼルダの伝説』のような攻略に直接関係のない所々に配置された隠し部屋を見つける楽しみもない。 --剣がパワーアップする度に段階ごとのチャージ攻撃を繰り出す事ができ、レベル2の剣で1段階チャージの剣ビームは利用価値が高いのだが、レベル3の剣で2段階チャージをするとダッシュ攻撃を繰り出す。~ しかしこのダッシュ攻撃で敵を吹き飛ばす事はできず、敵にダメージを与えると同時にその敵にぶつかりダメージを受ける。しかも途中で止まる事もできない。~ 剣ビームのほうが便利なのだが、レベル3の剣でチャージしすぎるとダッシュ攻撃となり、ビームが出しづらくなる。 -サブゲーム --ストーリーとは特に関係なく、選択肢などによって手に入るノルマもないエンドレスゲーム。 -「SWORD MAN」「チーズポケット」 --LSIゲーム(電子ゲームともいう、『ゲーム&ウオッチ』が代表格)……なのだが、本来のLSIゲームではありえない表示となっている。(詳細は問題点で) -「10円ゲーム」 --十字キーで10円を弾いてゴールに入れる。駄菓子屋にあったアレ。3種類ある。 -「コロコロゲーム」 --ジャイロセンサーを使い、3DSを動かして玉をゴールに入れる。4種類ある。 -「ジャンケンダーEX」「スーパールーラー」 --前者はジャンケン。後者はルーレット。両方ともコインを賭けて楽しむ。これも表現がおかしい。(問題点で) -「DEFLINE」 --「BREAK SHOOT」の元となったとの事である作品。グラフィックに大きな違いはある((「BREAK SHOT」はハード相応にカラフルだが、こちらは『PONG』風。))が、内容はあまり変わらない。 -「登郎」 --積みあがるブロックを登っていくシンプルなゲーム。''今作の良心''。 **問題点 -''ゲームinゲームの出来が総じて悪い。'' --上述の通り、「ウイングヒーロー」「ソーマ」「ブラドラ」「ネジマキ」は元ネタをプレイした方が楽しい。元ネタより変わった点は多少はあれど、結局は難化や劣化している。 --「ルーミー」「BREAK SHOOT」は無限コンティニューによるごり押しが出来る代わりに、中盤からは非常に難易度が高い。 --一方で、高難易度の「ザウルスボーイ」やシンプルなシューティングの「ゾリアテス」はハマったとの声もある。 ---しかし''その2作より「登郎」の方がもっと面白い''と言われる始末。 --「ルーミー」「ウイングヒーロー」はサウンドのクオリティが低い。 ---BGMはともに12秒程度のチープなフレーズの繰り返しで、効果音も単調。ともに過去作のコズミックゲートやWIZ-MANとは違い、ツボを外しておりメリハリも感じられない。設定上の発売年である1984~1985年当時の水準に達していない。 --サブゲームは再現が不十分なエレメカゲームやLSIゲームに、ただの10円ゲームやコロコロゲーム。「DEFLINE」はただの水増しで、真っ当に評価できるのは「登郎」くらい。 --アンロックされていないゲームは「?」パネル表示になっているため、作中に収録されているゲームの数がわかってしまい、いくつ収録されているかのワクワク感がない。 -''ノルマの難易度が高い・設定がおかしい。'' --何度も失敗し、ノルマがクリア出来ない時は友達(AD)に頼んでクリアして貰えるが、それを前提にした・それにしたっておかしいと言いたくなるノルマ設定が目立つ。 --最初のゲームである「ルーミー」のノルマに「3-5クリア」があるが、ここはこのゲームでも屈指の難関ステージである。床が滑る時点で不利なのに、敵は床を滑って穴に落ちる高性能な飛び道具を使ってきたりする。無限コンティニューでごり押しできるのが救い。 --「ソーマ」の「30Fクリア」は、10Fのドラゴンを倒してワープする攻略法を知らないとまず気力が持たない。 --「ゾリアテス」ではスコアアタック大会が開かれるものの、大会での勝利がノルマとなっているため、勝負に負けても何度でも挑めるという、大会を根本から無視した設定から始まる。 ---一回戦の相手はステージ1で約18万点、準決勝では同じくステージ1で約25万点が勝利に必要((18万点はゲームに慣れればいける数値だが、25万点は点数が倍々に増えるブロックを徹底して狙わないと無理と言った具合。))。負けると相手のスコアが少しずつ下がっていく救済措置はあるが、1万点ずつなのであまり恩恵が感じられない。 ---決勝戦の相手は鈴井名人((インディーズゼロの社長が元。))。ここではステージ2までのスコアを競うが、なんと名人は''約120万点''を叩き出す。一応勝つ事は出来るのだが、準決勝を辛勝したレベルでは間違いなく無理だろう。 ---これも負ける度にスコアが下がっていく措置もあるのだが、やはり減少は緩やか。しかし何度も負けまくると選択肢が出て、それを選べば鈴井名人が腹を壊してミスを連発、結果としてノルマクリアになる。この方法でノルマクリアしても不戦勝なのに優勝した扱いになって周囲から褒められるため、あまりに違和感が激しい。 --「ブラドラ」はレベル上げノルマを課せられる。ノルマ開始時のレベルは普通に進めて5~7程度だが、その付近の雑魚敵はそのまま戦えば全滅・レベル10でも冷や汗をかく強さな上、レベルアップが非常に遅いのに目標レベルは13。 ---実はただの越境出現((該当地点の目と鼻の先にあるダンジョンを通って港町経由で目的地の小島に到着する頃には自然にレベル12~13程度になる))なのだが、そこは約15キャラ分の長さの道であり''越境にしては範囲が広すぎる''ため気付けない。 ---そもそもレベル上げは「やっていて厳しくなった時に自分からする物」であって、「ノルマのためにさせられる物」ではない。時間がかかるのもあって、自然とモチベーションは低くなる。 ---ある人物が「レベル上げが好きなのでやらせて欲しい」と言ってくる救済措置があるが、頼むと金が増えていない。元ネタの人物はわざと金を使いきる嫌な奴とでも言いたいのだろうか。 --「ネジマキ」のノルマは「ステージ○をクリアしろ」と言った物が主。まるでゲームをさせられている様な気分になる。 ---最終ノルマに至っては「ラスボスを倒せ」。ゲームクリアはノルマなのだろうか? ---これらの設定のため、ごり押せる上に難易度がかなり易しめなのは救いだろう。 ---「隠し部屋を探せ!」と言った感じのノルマもあるのだが、鍵を持った状態でノルマを友達に頼んでクリアしてもらうと、鍵が消滅してそのデータでは進行不能になるバグも発見されている((友達に頼むとデータが上書きされてしまうのが原因だとされている。))。この方法でノルマをクリアすると、そのセーブデータのプレイ時間が''強制的にカンストする''おまけつき。 --この通り、ゲームが全体的に高難易度且つ、ノルマもハードルが高かったり面倒なものが多いため投げ出す人も多かった。 ---ここまで難易度が高いため、『挑戦状』にある最終挑戦「全ゲームのEDを見ろ!」が本作にはないのが救いと言えるかも知れない。 -アドベンチャーパートの練り込み不足。 --町を歩いてゲームの攻略情報に関わるヒントを聞き出す事が出来る。これ自体のアイデアは悪くないものの、これ以外の点では蛇足気味な所が目立つ。 ---序盤はゲーセンに怖い人がいるからと言った理由でゲームが出来なくなる。移動して話すのを繰り返すだけのイベントも地味に多い。 ---しかし中盤からは家庭用ゲームをプレイする事が多くなった関係上、こう言ったイベントがぱったりと無くなる。 --エンディングを迎えると、ストーリーモードの各章を選択して遊ぶ形式となる。エンディング後ならではの楽しみもなく、ストーリーモードのやり残しを埋める作業となる。 -80年代の懐かしさの再現がまったく出来ていない。制作者は本当にレトロゲームを知っているのだろうかと聞きたくなる内容が続く。 --ゲームinゲームは、その時代のゲームにしては滑らか過ぎるドット絵など、当時にしてはオーバースペックである。 ---解像度が上がった3DSの画面の4:3部分をフルに使用しているため、古いゲーム機よりも妙に画面が広々としている。 ---最初の「ルーミー」からして、パケ絵やカラフルな画面などが1984年という設定上の発売年にまったくそぐわず、「コレジャナイ感」が際立っている。中途半端なアイテムのシステムも、数年単位で後の時代のシステムである。 ---「ネジマキ」の死骸はかなりの数を画面内に残す事ができ、しかも別マップに移動しようが、ドット単位の細かい位置や向きまでもしっかりと記憶している。~ 死骸がスプライトだとしても、数十体あろうが処理落ちやちらつきは起らず、設定当時のゲーム機に備わった表示やメモリの能力を軽く超えている。 ---「ネジマキ」はセーブデータ選択画面にセーブをした現実の年月日が表示されている。しかしゲーム機に時計機能が備わったのは21世紀の話であり、そもそも現実の現在日時が画面に表示されること自体がぶちこわしである。わざわざ表示する必要性自体も薄い。 ---PONGがモチーフの「DEFLINE」はCPUと対戦する事になるのだが、この当時は人VS人の対戦が主流で、当時の技術で対戦が可能なAIを組めるほどなのかが疑問である。また、このゲームで遊ぶ際には有野少年はコントローラには一切手を触れていない。 ---そもそも、アーケードから家庭用に移植されても何一つ変化がない。当時はスペック的にアーケードより家庭用機が大幅に劣っており、移植にあたり何らかの劣化は必然だったのにも関わらず、である。 --LSIゲームやエレメカゲームが、現実に有り得ない表示を平気で行う。 ---「ゲーム&ウォッチ」に代表されるLSIゲームは、画面が電卓と同じ表示方式なので、同じ場所に状況によって違う絵を切り替えることは一切できない((たとえば自機と敵がいるようなゲームの場合、重ならないようにお互いの隙間を縫って表示パターンが敷き詰められている。))、はずである。しかし、本作でLSIゲームとされている「SWORD MAN」「チーズポケット」は、平気でその場でキャラが倒れ込んだり、さっきネズミがいた場所に手が伸びたりチーズが置かれたり、あるいはお互いの表示が重なったりする。これではただの「キャラを黒一色にして動きを荒くし、音をピーピーにした手抜きゲーム」でしかない。 ---表示される液晶パターンも一切アンチエイリアスのかかっていない「黒一色のドット絵」であるうえ、画面周囲のLSIゲーム機本体を模した枠もインターネット初期のホームページ素材のような酷いクオリティで、異様なまでのこだわりの無さがこの1つのミニゲーム内だけからも垣間見ることができる。 ---エレメカゲームとされている「ジャンケンダーEX」もLEDランプの位置がいい加減で、手の形になるよう並べて埋め込まれた手首あたりのLEDが、ジャンケンの手によって位置が微妙にぶれたり、数が減ったりする。物理的に埋め込まれたLEDの配置が微妙に動くはすがない。 --「ブラドラ」は1991年(ドラクエ5やFF5発売の前年)に発売という設定で、SFCを意識していると思われるが、中途半端に現代的な見た目や要素が多く見られ、今遊ぶとレトロゲームと言うより、最近のスマホの2DRPGや、PC版「RPGツクール」で作ったような出来栄えに感じてしまう。 ---キャラクターの立ち絵はプレイステーション以降に徐々に主流になったものであり、当時のSFC、とりわけRPGにおいて採用されたゲームはほぼない。 ---さらに立ち絵や戦闘背景はドット絵を打って作っているわけでなく手書きイラストをスキャンしたような感じなうえ、画像圧縮に失敗したような出来栄えで画質もかなり悪い。 ---ゲーム内に表示される文字も、3DS本体に内蔵されよく見慣れた滑らかなシステムフォントをそのまま使用していて、レトロ感を帳消しする大きな原因のひとつとなっている。 --「友達の家でゲームやってる当時の感覚」という訳で今作もまた有野少年が隣にいるが、ツッコミの種類がやけに少ないため同じ事を喋りまくる。状況に合わないつぶやきも散見される。喋る機会自体が多くないが、音声をOFFにすることもできない。 --『挑戦状』ではゲームプレイ中、下画面は「主人公と有野少年を後ろから眺める第三者視点」となっていたが、今作では「主人公と有野少年を前から見るテレビからの視点」というおかしな事になっている。 ---「自宅では何をやってもコントローラーを握る」仕様も重なり、''何か言ったと思えばさっきと同じ事を言う有野少年と、10円ゲームをやっててもコントローラーを握っている主人公をテレビ側から見るプレイヤー''という懐かしさどころか異様さしか感じない光景が出来てしまった。 --遊び心のある説明書や、攻略記事に新作の情報が書かれたゲーム雑誌と言った、懐かしさを出す物があまり出てこない。 ---「ブラドラ」は大人気シリーズの新作という設定だが、その点のフォローをするべき説明書も雑誌もないために完全に死んでいる設定である。 ---ファミコンのライバルハードポジションとして「キングV-3」も出て来るのだが、プレイする側からすれば、''何が違うのかさっぱり分からない''ためこの設定も死んでいる。((しいて違いを挙げるなら、タイトル画面の前に「KING-V3」という文字がゆったりとフェードインアウトし、その間の8秒ほどはスキップできない。ゲームオーバー後でも毎回表示されるため大変邪魔である。)) ---一応、攻略情報は町を歩いて聞き込みする事で手に入るという点では昔を再現出来ている……かもしれない。 --登場する人物は友達から大人までほぼ全員がGCCXのスタッフ((例外として劇場版に登場した主人公たちが登場するが、主人公とは絡みもしないファンサービス的要素である。))のため、懐かしさを感じさせる言動ではなく自分の持ちネタを喋っていたりするため、ここでも懐かしさを出す事に失敗している。 ---ちなみに製作したグレフの丸山氏は丸山神社として登場しているが、「神気取りか」と不評を浴びている。 --ロゴなどに現代のパソコンに入った既成フォントを安易に使用したものがある。些細な点とはいえ、前作まではきちんと拘っていた点である((ゲーム画面のタイトルロゴに既成フォントが使われるようになったのは90年代末期あたりから。それ以前はロゴ制作に耐えうるフォント自体が普及していない。過去作では、タイトルロゴまで当時に倣い全てドットの手打ちでデザインされている。))。 ---「ルーミー」のロゴが、Windowsパソコンに大抵インストールされている「創英角ポップ体」をベースにしているほか、「ザウルスボーイ」の安易なフォント使用の酷さが際立っており、近年の低予算で作られたダウンロード販売ゲームやFlashゲームを想起させる。 ---「ジャンケンダーEX」では盤面にWindowsユーザーにはおなじみの「メイリオ」が平気で使われており、オートシェイプをベタに使ったようなデザインの貧相さもあいまってPowerPointのスライドのように見える。 --アドベンチャーパート内に登場する、あるおもちゃ屋や10円ゲームの一部が、80年代の風景に全くそぐわない現代的な萌えキャラのイラストを看板に掲げているなど、時代設定を考慮していないとしか思えない点も問題に挙がる。 -UIが劣悪。 --メニュー画面はタッチ強制で、メッセージ送りやゲームinゲームではボタン強制。 ---本編セーブは「セーブして続ける」ことが不可能でセーブするたびにロードしなくてはならないなど、全体的に親切な作りとは言えない。 --ノルマや攻略情報((攻略情報の半分は、知らないとプレイに差し支える取説レベルの情報である))は、ゲームinゲームを終了してから読む必要がある。 --ゲームinゲームをポーズしたまま見れる説明書は「タッチでメニュー」(絵に埋もれて見づらい文字で常時表示)→「こうかん」→説明書を見たいゲームを選択→ゲームのあおり文の''隣のページ''、という奥まった場所にある。面白くなく読む必要もない文章の続きをわざわざ読む人がどれだけいるのか。 ---説明書は「十字キー…移動」「Aボタン…決定」程度のボタン操作の箇条書きで、ゲームによっては攻略情報とあわせて読んでも操作が分かりにくい始末。 ---リセットがないので、上記の「タッチ→こうかん→ゲーム選択」からリロード。 --「ブラドラ」はSFC大作風設定なのにFC以下もしくはFC並みのUIで、十字ボタンを押しっぱなしにしてもカーソルがスクロールしない、現在の装備と新しく買う装備の性能の比較が出来ない、装備を買う時に現在装備している物は現在所持している個数に含まれない、など細かい点で苛立たせてくれる。 -とにかく微妙なゲームセンターCXネタ。 --本作では番組ネタが特に多く登場するのだが、この番組のファンであればある程喜べない内容である。 --「ブラドラ」でGCCX本編の『ベスト競馬 ダービースタリオン』に出た最低ランクのジョッキー「おがわ」(有野のお気に入りキャラ)を参考にしたのか、オガワという名の村人が登場する。だが、「おがわ」は有野の妄想では老人だったが、アイコンや口調は若者のそれ。そもそも「ブラドラ」と『ベスト競馬 ダービースタリオン』に特に関係もなく、再現もしきれていないのに何故出したのか。ちなみに「おがわ」は後述の名言リストに登録される。 --「うるせいよ!((『クイズ 殿様の野望』回にて、カメラマン阿部が自ら得意ジャンルだと言っていた映画に関するクイズを間違え、管Pにツッコまれた時に吐いたややキレ気味の言葉。本作では照れる様な場所で言われるため、なんとなく違う。))」など番組の名言も前後の流れを切り取って出している傾向がある上に、本作の登場人物は80年代の人々でなくGCCXのスタッフなのだと痛感させ、番組ファンと懐かしさに浸りたいプレイヤーの両方にダブルパンチを食らわせてくる。 //「3は犯人だろ」と書いても何のことやらとなってしまうと思ったので、ツッコまれたとしておきます。 ---「ヘビーなCXファンの方に脚本を担当していただいている」との事だが、レゲー要素や懐かしさよりも番組に比重がかかり過ぎているのはどうか。その脚本自体も、GCCX本編をほぼそのまま使用している手抜きシーンが目立つ。 --前述の通りGCCXのスタッフが登場するが、人物の絵は特徴を捉えきれておらず、「言われればそう見えなくもない」か「全く似てない((D浦川、作家岐部辺り。))」のどちらかになっている。 -収集要素が''完全にノーヒント'' --「名言リスト」として、プレイ中に飛び出してくる上述の様な名言を集めていくものがあるが、収集しようとすれば只管に虚無感しか現れない。 ---ストーリーをやり直して特定の地点に行ったり選択肢を選んだり、ゲームinゲームで特定の操作をすると名言が言われて集まっていく……が、完全にノーヒントで条件から内容まで一切教えてくれないのである。 ---特定の地点で「はなす」を何度も行うと名言が手に入るなど、まったく集めさせる気すら見られないのもある。 ---ヒントがないからどうすればいいか分からず、虱潰しに選択肢や行動を試さないといけない。ストーリーの途中で出る名言はノルマまでやる必要がある。''そこまでやっても名言が出るかどうかは定かでない。''更に''全部集めても何もない。''という追撃まで加えてくる。 --「攻略法リスト」もあるが、これも町を歩いて攻略情報を聞き回っているだけでは間違いなく埋まらない。 ---特定のステージの特定の地点で特定の行動を起こして埋める必要がある。条件は基本的に不明だが、名言リストよりかは種類も少なく集めやすい。 ---ボスの攻略情報は特定のボスに負けまくると入手できる。それが入手できてもプレイ中に読めないのだから意味が薄い。 --攻略法リストの中には裏ワザもあり、それを使えばやや快適に進める事も出来るのだが、それを入手する方法すらもノーヒント。 ---そもそも本作では裏ワザが少なく((『挑戦状』では一応全ゲームに存在した。))、ないゲームも多い。 --全ゲーム収集についても、内容が大して変わらない10円ゲーム3種とコロコロゲーム4種程度で収集意欲が湧くかどうかは不明。 ---コロコロゲームに至っては''特定の章プレイ中に特定の10円ゲームをクリアする、もしくは「ジャンケンダーEX」か「スーパールーラー」でコインを100枚集める''という、あまりに理不尽な方法でしか手に入らない。 --「ブラドラ」はジョブを集めていく要素もあるが、一部ノーヒントである。本家FFと比べてジョブの種類((初期ジョブ含めて1キャラ4種))も選択肢も多くないのも大きい。 --一部のメインゲームはストーリーモードで家庭用を収集しないと自宅やフリープレイで遊べない。単に面倒なだけである。 **評価点 -当時のレトロゲームを再現した様な、難易度が高めのゲームが多く収録されている。 --「ルーミー」は運任せだが十分難易度は高く、「ザウルスボーイ」は歯ごたえある難易度。「ソーマ」「ゾリアテス」でスコアアタックやノーミスプレイに撃ち込んでもよい。 --サブゲームはレトロゲームの未再現という点に目をつぶれば「ソードマン」「チーズポケット」も面白く、「登郎」は単純ながらも中毒性は高い。 -サウンド制作にスーパースィープが協力しており、ゲームinゲームのBGMについては「ルーミー」「ウイングヒーロー」を除き良質な部類。 --むしろ時代設定の割には音源が高性能すぎるのではないかという意見もあるが。 -『挑戦状』になかった要素が追加された。 --一部のゲームは他のプレイヤーとの協力プレイや対戦プレイが出来たりする。 ---『2』にもあるにはあるのだが、相手は有野少年のみで他のプレイヤー相手には出来ない。 --「ブラドラ」「ネジマキ」はセーブデータが三つ保存できるように。『挑戦状』では一つだけである。 --ブロック崩しや見下ろし型アクションRPGなど、新たなゲームジャンルも追加された。 --すれ違い通信として、お互いのゲームのやり込み度を知れる「名刺」というものもある。 ---要素としては悪くないものの、発売後しばらくしてから2chのスレで「すれ違ったけど全然進んでいない人ばかりだった」と言う意見が出る有様であったが。 -有野課長のみならず、各スタッフのボイスも僅かながら新緑されている。 --『挑戦状』は有野課長のみ、『2』では有野課長と管Pのみ。 ---素人なため棒読みが酷く、ファンの意見は「ないよりマシ」「ないほうがマシ」「どうでもいい」で割れている。 -限定版の付属DVDにはDVD-BOXに収録されていなかった『ドラゴンボール 神龍の謎』と『ハロー!パックマン』が収録されている。 --本作の出来があまりもあんまりであったことも手伝って、「本作の唯一評価出来るところは特典DVDがあることだけ」という救いようがない評価をされることも少なくない。 --しかし「BREAK SHOOT」選手権では本作のゲームを知らない鈴井氏をグレフの丸山氏がボコボコにしており、前述の鈴井名人や丸山神社のネタもあり、「丸山氏は鈴井氏に何か恨みがあるのか」と思いたくなる内容である。 ---もっとも、この「鈴井氏対丸山氏」をセッティングしたのは当然丸山氏ではなくDVDスタッフであり(トーナメント式だが対戦くじ引きはしていない)、このセッティングは前作品挑戦中に有野がしくじった際に鈴井氏を「スズイ~~!!」と呼び捨てにしており(鈴井氏は有野よりも1歳下)、その流れからスタッフの「鈴井社長いじり」をするための演出と思われる。 ---結果的に特典DVDでも本作は足を引っ張る形になってしまった。 -初回版にはトレーディングカードが3種類の内に1枚が封入されているが、作家岐部、タニー、AD高橋(純)と人気と地味の間くらいのメンツである。 --今となっては遅いが、関連商品を買い漁って全種類収集するのはあまりに無謀なのでプレゼントキャンペーンに応募した方が賢明。 -10周年を記念してゲームが出た事。 --武道館公演や映画化、パリ出張にサウンドトラック発売など大イベントが行われた10周年記念を締めくくるにはやや不十分な出来だが、それでも発売された事に変わり無い。 --シリーズが2009年の『2』を最後に音沙汰が無かったため、発表当初は発売されると言うだけでも歓迎する意見もあったが、結果的に「グレフに開発依頼してまで無理矢理10周年に間に合わせようとせず、インディーズゼロに余裕が出来てからおもむろに(同社製作で)開発を開始する形を取って欲しかった」と嘆かれることになってしまった。 ---番組側としては「10周年」という点に価値があると判断してのことであるのは間違いないが、プレイヤーからすれば前述の通り「10周年を記念してゲームシリーズ新作の発売決定」というだけでも十分に価値があり、むしろ、発売時期よりもゲームの完成度の方が余程重要だったのである。 **総評 本作は『挑戦状』と開発が異なっているために、多くのノウハウが流用できなかったものと思われる。 しかし、流用出来なかったとはいえそれを質の悪さの言い訳にしてよいわけはなく、レトロゲームらしさ、ゲームとしての面白さ、番組のノリを再現したゲームとしての出来のよさを期待していたレトロゲームファン・番組ファン双方からそっぽを向かれることになってしまった この記事でも『挑戦状』と比べられがちな傾向にあるが、『挑戦状』の存在を抜きにして単体で見たとしても、このゲームの出来は褒められた物ではないだろう。~ クリア後の章セレクト画面でのボイスの中に、「3が2を超える事ってあるんかなー?」という物があるが、どうも超えられなかったようである。~ **余談 -このゲームは1月23日(GCCX#173の放送日と同日)発売予定だったが、約2か月延期した。 --結果、延期後の発売日は第17シーズン終了後の一か月の休止期間中という非常に間の悪いタイミングになってしまった。 ---尚、延期したために本作付属のプレゼントキャンペーンにある「劇場版(2月22日公開)のスタッフロールに名前が載る」が完全に意味を失くしている。 -攻略サイトも多くが放置されていたため、2chのスレでは本作に対する不満が噴出しながらも、ゲームに対する質問が飛び交っていた。 --ゲームの出来がこれのため、この手探り感を懐かしめたり楽しめたりするプレイヤーはいなかったのだが。 &br

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