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ベルセルク 千年帝国の鷹篇 聖魔戦記の章 - (2014/08/04 (月) 10:39:12) の1つ前との変更点

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この記事の判定を良作に変更する提案がなされています。意見等あれば[[ゲームカタログ判定なし用・総合意見箱>http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1397132960/l50]]まで。~ なお、この記事の判定変更は早期決着がされる可能性があります。 ---- *ベルセルク 千年帝国の鷹篇 聖魔戦記の章 【べるせるく みれにあむふぁるこんへん せいませんきのしょう】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B0002TB698)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|サミー|~| |発売日|2004年10月7日|~| |定価|6,980円(税抜)|~| |レーティング|CERO:18歳以上対象(当時)|~| //|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ガッツの辛さを味わうゲーム&br()''凄まじい原作再現度''|~| ---- #center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20)''本作はCEROからZ指定を受けている18歳以上のみ対象のゲームです。''} ---- **概要 月刊ヤングアニマルにて不定期連載中の三浦建太郎の漫画、『ベルセルク』を原作とする家庭用ゲーム第二弾。~ 原作ありきのゲームとしてはかなり異例の''CERO:Z指定''作である((現在のCEROレーティングにおける指定。2006年3月までは「18歳以上対象」だった。))。~ シナリオはタイトル通り原作の千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇前半部を元にしている(大体黄金期編の終わりからシールケが仲間に加わり共に旅立つ辺りまで、22巻~27巻)だが、オリジナルの登場人物も出てきたり、本来はないグリフィスやゾッドとの対峙もあるややパラレルなストーリー。 ---- **システム -基本的には『無双シリーズ』辺りをイメージしてもらえればそう間違ってはいない。主人公ガッツを操り、むらがる魔物を大剣「ドラゴンころし((原作未読者の方に説明しておくと「ドラゴン殺し」の誤記ではない。平仮名が正式名称。))」でなぎ倒してステージごとに決められた目的を達成するのを繰り返していく。 --特殊攻撃は、ガッツが全身に仕込んだ武装(投げナイフ、炸裂弾、義手大砲、ボウガン)と仲間キャラのサポートであるパートナーアサルト(回復のパック、攻撃のイシドロ、敵の動きを止めるセルピコ、防御力を上げるシールケ)を使い分ける。一度使った特殊能力は、各能力ごとに定められたクーリングタイムが経過するまで使えなくなる。なお、仲間キャラのサポートはシナリオでその仲間が加わるまでは使えない。 --時折、体力ゲージに「烙印」が表示されることがあり、この瞬間に△ボタンを押すと、敵を一撃で倒せる「ガッツアクション」が発動する。 --また、他にもバーサクゲージというゲージを消費して、一定時間攻撃速度を大幅に向上させる「バーサクモード」というシステムもある。 -成長システムは経験値制だがやや特殊で、獲得した経験値を任意のパラメーターに割り振ることで、パラメーターごとに成長させる方式になっている。原作の関係上ガッツ以外の操作キャラがいないので、プレイヤーごとに個性を出すためにこのようなシステムにしたと思われる。 --パラメーターは、耐久力、バーサク(バーサクの持続時間延長)、剣速、剣技(コンボの種類が増える)、溜め斬り(溜め斬りの威力上昇)、各種兵器及びサポートキャラのレベルアップ。攻撃力は上昇することはない。 ---兵器やサポートキャラのレベルを上げると、クーリングタイムが短くなったり性能が向上したりする。 --経験値は敵を倒したときの他コンボをうまく繋げることでも稼げる。 --また各地に点在する隠しキャラ「スプリガン」を集めることで経験値が手に入ったり、追加要素が入手できる。 -セーブは各ステージクリア時か、ステージ途中に設置されたセーブポイントで行う。この際経験値の振り分けも行う。 ---- **評価点 -原作の重厚でグロテスクな世界観は良く再現されている。 --グラフィックレベルはPS2全体で見てもかなり上質。全体的なグラフィックの方向性は、暗い雰囲気で固められており原作の世界観を壊していない。青空が見えるシーンすらほとんどなく、大抵吹雪だったり曇天だったり大雨だったり。まぁこれは原作からしてそうなのだが…。 --本作にまともな安全地帯はほとんどない。基本的にセーブポイントだろうが容赦なく敵は襲ってくる。原作でも''ほとんど眠る暇が無い''レベルでガッツは敵に襲われているのでこれも原作再現。 --OPのクオリティが異常にいいことで知られる。 #region( (`Д´)ワージッ! ) #nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm151158) -テーマソングには、テレビアニメ版や「ベルセルク 千年帝国の鷹篇 喪失花の章」と同じく平沢進氏を起用。 --上質なグラフィックで送られるムービーと、テーマソングの「Sign」が良くマッチしており、ベルセルクの世界観の再現度が高い。 --なお、歌詞の意味について度々議論されるが、特に意味はないとのこと。またネタ的に「(`Д´)ワージッ!」と書いているがここの正しい歌詞は「プラーマシップ」である。 #endregion() ---これに限らず、ムービーの質はかなり良く原作の名場面を良く再現している。序盤の「蝕」のシーンなどほぼトラウマもの。「狂戦士の甲冑」使用のシーンは効果音も非常にエグイ。元々この辺りはアニメ化されていないので、映像化は初となるのもインパクトを強めている。 --原作付きのゲームとしては珍しい「CERO:Z」指定だがそれにふさわしくグロ描写に関して遠慮は一切ない。 ---通常攻撃でも血飛沫は当たり前で、ガッツアクションを使用すると胴体切断、脳天から一突き、剣で地面に押し倒して踏みにじるなど、魔物ごとに固有のアクションで思いっきり殺し尽くす。原作でもガッツの戦い方は大体こんな感じなので、「原作再現にこだわったら自然とCERO:Zになってしまった」のかもしれない。 -アクションゲームとして見るとやや動作がモッサリしており、攻撃速度も遅めだが、むしろガッツの攻撃の重量感を再現する上ではこの演出は上々だと言える。 --バーサクモード発動で大幅な高速化は可能。ただし、終了時に若干隙がありコンボが途切れてしまうのが難点。 --大砲発射からの反動斬りなども使えるなど、アクションゲームとしても原作再現を重視している。 --ボスキャラクターに対するカウンターアクションはショートムービー仕立てになっており、演出としてカッコイイだけでなく、成功させると大ダメージを与えられる。 ---しかもアクション・モーションは原作再現の嵐である。例えば原作「生誕祭の章」でモズグスにトドメを刺したアクションが、本作では別の敵へという形で取り入れられている。 --操作はやや複雑だが、冒頭にチュートリアルがあり、ロード画面で応用アクションの解説もされるなど配慮されている。 --最低難易度のEASYならゲームに慣れていなくてもサクサク進める程度の難易度になっている。 -シナリオは多少の変更・修正はあれど、基本的に原作に忠実。先述したアクションも含めて原作再現度は非常に高い。 --声優もテレビアニメ版や「ベルセルク 千年帝国の鷹篇 喪失花の章」と同じ神奈延年氏や渕崎ゆり子女史を起用。そちらからベルセルクに入った人でも違和感なくプレイできる。 --ゲームオリジナルの使徒が登場するが、世界観は壊さずキチンとキャラが立っており、ガッツの過去を掘り下げる内容になっているため問題視されていない。 ---追加されたシーンは、ガッツのトラウマをえぐるかのような精神的にえげつないものが多い。それだけにとある原作の名台詞がより引き立つという効果もある。 --なお、クライマックスはグルンベルド→ゾッドの連戦となっている。原作が(未だに)連載中なので、「原作を踏まえたオリジナルの展開」という形にされたのだろう。 -設定集なども存在し、よりベルセルクの世界観に迫れるようになっている。未読の方も安心・・・というにはショッキングなシーンが多すぎるが。 -クリア後にはボス敵などを制限時間や装備に制限が加えられた上で倒す「100-animal murder」というモードが追加。クリアすることで追加武器が手に入る。 --追加される武器は傭兵時代のガッツの剣、サラマンデルの短剣、エンジョイ&エキサイティングな気分になれる棍棒、ゾッドの剣などの原作再現武器からなぜか世界観完全無視のエレキギターまで様々。 ---ただし、武器を変えても変化するのはリーチだけでモーションや攻撃力に違いは出ない。そのため一番強いのは結局初期装備のドラゴンころしである。まぁドラゴンころしよりエレキギターが強かったら色々台無しなのである意味仕方がないが・・・。 ---- **問題点 -テンポの悪さ --ガッツのモーションに重量感があり、若干もっさりしているのは原作再現としてむしろ好評なのだが、唯一の例外が移動速度の遅さ。 --移動速度が遅い上にマップがやたら広いため、ステージクリア条件を達成するためにマップ中を駆け回る必要がある事もあるのでかなり面倒。 --ロード時間もやや長めな上に、頻度も多い。人によってはかなり気になるだろう。 -ボリューム --全6章8ステージ。ゲーム全体のボリュームはそれなりにあり、総プレイ時間も決して短くはならない。 --しかし難易度を変えてゲームクリアしても特に特典はなく、クリア後の「100-animal murder」のみ。つまりボリューム自体はそれなりだが、1回クリアしてしまうと他にやる事が殆どない。 --クリア済みのマップには、魔物を倒していく事で「魔物残存率」を減らしていくというやりこみ要素があるが、達成特典が(ネタ的にはおいしいが)微妙。 --ガッツの成長を他難易度に引き継ぐ事も出来ず、ゲーム開始時の難易度で固定されてしまう。このため最高難易度のEXPERTだろうが誤魔化し一切なしに自分の腕だけで戦う必要がある。ある意味これも原作らしいと言えなくもないが・・・。 -パートナーアサルトは使用する度にスキップ不可のムービーを見せられテンポが悪い。 --レベルアップする度に演出が変わるなど凝ってはいるが、2回目以降は流石に鬱陶しい。ゲーム攻略の上で必須アクションなので何度も使う必要がある。 --また、仲間キャラはサポートではなく、ガッツと共に戦ってくれた方が良かったとの意見もある。セルピコやイシドロを操作できるシーンもない。((尤も、この時のイシドロは実戦で通用するレベルではなかったが。)) ---一応同行している仲間は時々台詞をしゃべるのだがパターンが少なく何度も同じことをしゃべるので、これも鬱陶しい。 -いくつかのバグが報告されている。再現性や頻度、数は多くないが、ステージをクリアできなくなるという厄介なものも存在する。 ---- **総評 BGM・グラフィック・アクション・原作再現を非常に高いレベルで纏めた、キャラゲーの鏡との呼べる作品。~ 特に重厚な世界観や原作アクションの再現精度は極めて高く、原作ファンの誰もが唸らされる出来となっている。~ ロード時間や移動速度といった問題点もあるが、それを補って余りある魅力を持つ作品であり、原作ファンなら是非手に取ってもらいたい逸品である。 ----
この記事の判定を良作に変更する提案がなされています。意見等あれば[[ゲームカタログ判定なし用・総合意見箱>http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/51440/1397132960/l50]]まで。~ なお、この記事の判定変更は早期決着がされる可能性があります。 ---- *ベルセルク 千年帝国の鷹篇 聖魔戦記の章 【べるせるく みれにあむふぁるこんへん せいませんきのしょう】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B0002TB698)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売・開発元|サミー|~| |発売日|2004年10月7日|~| |定価|6,980円(税抜)|~| |レーティング|CERO:18歳以上対象(当時)|~| //|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|ガッツの辛さを味わうゲーム&br()''凄まじい原作再現度''|~| ---- #center{&size(35){''WARNING!!!!!!!''}&br()&size(20)''本作はCEROからZ指定を受けている18歳以上のみ対象のゲームです。''} ---- **概要 月刊ヤングアニマルにて不定期連載中の三浦建太郎の漫画、『ベルセルク』を原作とする家庭用ゲーム第二弾。~ 原作ありきのゲームとしてはかなり異例の''CERO:Z指定''作である((現在のCEROレーティングにおける指定。2006年3月までは「18歳以上対象」だった。))。~ シナリオはタイトル通り原作の千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇前半部を元にしている(大体黄金期編の終わりからシールケが仲間に加わり共に旅立つ辺りまで、22巻~27巻)だが、オリジナルの登場人物も出てきたり、本来はないグリフィスやゾッドとの対峙もあるややパラレルなストーリー。 ---- **システム -基本的には『無双シリーズ』辺りをイメージしてもらえればそう間違ってはいない。主人公ガッツを操り、むらがる魔物を大剣「ドラゴンころし((原作未読者の方に説明しておくと「ドラゴン殺し」の誤記ではない。平仮名が正式名称。))」でなぎ倒してステージごとに決められた目的を達成するのを繰り返していく。 --特殊攻撃は、ガッツが全身に仕込んだ武装(投げナイフ、炸裂弾、義手大砲、ボウガン)と仲間キャラのサポートであるパートナーアサルト(回復のパック、攻撃のイシドロ、敵の動きを止めるセルピコ、防御力を上げるシールケ)を使い分ける。一度使った特殊能力は、各能力ごとに定められたクーリングタイムが経過するまで使えなくなる。なお、仲間キャラのサポートはシナリオでその仲間が加わるまでは使えない。 --時折、体力ゲージに「烙印」が表示されることがあり、この瞬間に△ボタンを押すと、敵を一撃で倒せる「ガッツアクション」が発動する。 --また、他にもバーサクゲージというゲージを消費して、一定時間攻撃速度を大幅に向上させる「バーサクモード」というシステムもある。 -成長システムは経験値制だがやや特殊で、獲得した経験値を任意のパラメーターに割り振ることで、パラメーターごとに成長させる方式になっている。原作の関係上ガッツ以外の操作キャラがいないので、プレイヤーごとに個性を出すためにこのようなシステムにしたと思われる。 --パラメーターは、耐久力、バーサク(バーサクの持続時間延長)、剣速、剣技(コンボの種類が増える)、溜め斬り(溜め斬りの威力上昇)、各種兵器及びサポートキャラのレベルアップ。攻撃力は上昇することはない。 ---兵器やサポートキャラのレベルを上げると、クーリングタイムが短くなったり性能が向上したりする。 --経験値は敵を倒したときの他コンボをうまく繋げることでも稼げる。 --また各地に点在する隠しキャラ「スプリガン」を集めることで経験値が手に入ったり、追加要素が入手できる。 -セーブは各ステージクリア時か、ステージ途中に設置されたセーブポイントで行う。この際経験値の振り分けも行う。 ---- **評価点 -原作の重厚でグロテスクな世界観は良く再現されている。 --グラフィックレベルはPS2全体で見てもかなり上質。全体的なグラフィックの方向性は、暗い雰囲気で固められており原作の世界観を壊していない。青空が見えるシーンすらほとんどなく、大抵吹雪だったり曇天だったり大雨だったり。まぁこれは原作からしてそうなのだが…。 --本作にまともな安全地帯はほとんどない。基本的にセーブポイントだろうが容赦なく敵は襲ってくる。原作でも''ほとんど眠る暇が無い''レベルでガッツは敵に襲われているのでこれも原作再現。 --OPのクオリティが異常にいいことで知られる。 #region( (`Д´)ワージッ! ) #nicovideo2(http://www.nicovideo.jp/watch/sm151158) -テーマソングには、テレビアニメ版や「ベルセルク 千年帝国の鷹篇 喪失花の章」と同じく平沢進氏を起用。 --上質なグラフィックで送られるムービーと、テーマソングの「Sign」が良くマッチしており、ベルセルクの世界観の再現度が高い。 --なお、歌詞の意味について度々議論されるが、特に意味はないとのこと。またネタ的に「(`Д´)ワージッ!」と書いているがここの正しい歌詞は「プラーマシップ」である。 #endregion() ---これに限らず、ムービーの質はかなり良く原作の名場面を良く再現している。序盤の「蝕」のシーンなどほぼトラウマもの。「狂戦士の甲冑」使用のシーンは効果音も非常にエグイ。元々この辺りはアニメ化されていないので、映像化は初となるのもインパクトを強めている。 --原作付きのゲームとしては珍しい「CERO:Z」指定だがそれにふさわしくグロ描写に関して遠慮は一切ない。 ---通常攻撃でも血飛沫は当たり前で、ガッツアクションを使用すると胴体切断、脳天から一突き、剣で地面に押し倒して踏みにじるなど、魔物ごとに固有のアクションで思いっきり殺し尽くす。原作でもガッツの戦い方は大体こんな感じなので、「原作再現にこだわったら自然とCERO:Zになってしまった」のかもしれない。 -アクションゲームとして見るとやや動作がモッサリしており、攻撃速度も遅めだが、むしろガッツの攻撃の重量感を再現する上ではこの演出は上々だと言える。 --バーサクモード発動で大幅な高速化は可能。ただし、終了時に若干隙がありコンボが途切れてしまうのが難点。 --大砲発射からの反動斬りなども使えるなど、アクションゲームとしても原作再現を重視している。 --ボスキャラクターに対するカウンターアクションはショートムービー仕立てになっており、演出としてカッコイイだけでなく、成功させると大ダメージを与えられる。 ---しかもアクション・モーションは原作再現の嵐である。例えば原作「生誕祭の章」でモズグスにトドメを刺したアクションが、本作では別の敵へという形で取り入れられている。 --操作はやや複雑だが、冒頭にチュートリアルがあり、ロード画面で応用アクションの解説もされるなど配慮されている。 --最低難易度のEASYならゲームに慣れていなくてもサクサク進める程度の難易度になっている。 -シナリオは多少の変更・修正はあれど、基本的に原作に忠実。先述したアクションも含めて原作再現度は非常に高い。 --声優もテレビアニメ版や「ベルセルク 千年帝国の鷹篇 喪失花の章」と同じ神奈延年氏や渕崎ゆり子女史を起用。そちらからベルセルクに入った人でも違和感なくプレイできる。 --ゲームオリジナルの使徒が登場するが、世界観は壊さずキチンとキャラが立っており、ガッツの過去を掘り下げる内容になっているため問題視されていない。 ---追加されたシーンは、ガッツのトラウマをえぐるかのような精神的にえげつないものが多い。それだけにとある原作の名台詞がより引き立つという効果もある。 --なお、クライマックスはグルンベルド→ゾッドの連戦となっている。原作が(未だに)連載中なので、「原作を踏まえたオリジナルの展開」という形にされたのだろう。 -設定集なども存在し、よりベルセルクの世界観に迫れるようになっている。未読の方も安心・・・というにはショッキングなシーンが多すぎるが。 -クリア後にはボス敵などを制限時間や装備に制限が加えられた上で倒す「100-animal murder」というモードが追加。クリアすることで追加武器が手に入る。 --追加される武器は傭兵時代のガッツの剣、サラマンデルの短剣、エンジョイ&エキサイティングな気分になれる棍棒、ゾッドの剣などの原作再現武器からなぜか世界観完全無視のエレキギターまで様々。 ---ただし、武器を変えても変化するのはリーチだけでモーションや攻撃力に違いは出ない。そのため一番強いのは結局初期装備のドラゴンころしである。まぁドラゴンころしよりエレキギターが強かったら色々台無しなのである意味仕方がないが・・・。 ---- **問題点 -テンポの悪さ --ガッツのモーションに重量感があり、若干もっさりしているのは原作再現としてむしろ好評なのだが、唯一の例外が移動速度の遅さ。 --移動速度が遅い上にマップがやたら広いため、ステージクリア条件を達成するためにマップ中を駆け回る必要がある事もあるのでかなり面倒。 --ロード時間もやや長めな上に、頻度も多い。人によってはかなり気になるだろう。 -ボリューム --全6章8ステージ。ゲーム全体のボリュームはそれなりにあり、総プレイ時間も決して短くはならない。 --しかし難易度を変えてゲームクリアしても特に特典はなく、クリア後の「100-animal murder」のみ。つまりボリューム自体はそれなりだが、1回クリアしてしまうと他にやる事が殆どない。 --クリア済みのマップには、魔物を倒していく事で「魔物残存率」を減らしていくというやりこみ要素があるが、達成特典が(ネタ的にはおいしいが)微妙。 --ガッツの成長を他難易度に引き継ぐ事も出来ず、ゲーム開始時の難易度で固定されてしまう。このため最高難易度のEXPERTだろうが誤魔化し一切なしに自分の腕だけで戦う必要がある。ある意味これも原作らしいと言えなくもないが・・・。 -パートナーアサルトは使用する度にスキップ不可のムービーを見せられテンポが悪い。 --レベルアップする度に演出が変わるなど凝ってはいるが、2回目以降は流石に鬱陶しい。ゲーム攻略の上で必須アクションなので何度も使う必要がある。 --また、仲間キャラはサポートではなく、ガッツと共に戦ってくれた方が良かったとの意見もある。セルピコやイシドロを操作できるシーンもない。((尤も、この時のイシドロは実戦で通用するレベルではなかったが。)) ---一応同行している仲間は時々台詞をしゃべるのだがパターンが少なく何度も同じことをしゃべるので、これも鬱陶しい。 -いくつかのバグが報告されている。再現性や頻度、数は多くないが、ステージをクリアできなくなるという厄介なものも存在する。 ---- **総評 BGM・グラフィック・アクション・原作再現を非常に高いレベルで纏めた、キャラゲーの鑑と呼べる作品。~ 特に重厚な世界観や原作アクションの再現精度は極めて高く、原作ファンの誰もが唸らされる出来となっている。~ ロード時間や移動速度といった問題点もあるが、それを補って余りある魅力を持つ作品であり、原作ファンなら是非手に取ってもらいたい逸品である。 ----

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