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---- #contents ---- *みんなでスペランカー 【みんなですぺらんかー】 |ジャンル|アクション|&ref(supe.jpg)| |対応機種|プレイステーション3(PlayStation Store)|~| |メディア|ダウンロード専売ソフト|~| |発売元|アイレムソフトウェアエンジニアリング→Tozai Games|~| |開発元|Tozai Games|~| |発売日|2009年3月26日&br()2011年12月21日(Tozai Games移譲後)|~| |定価|1,300円(税込)|~| |プレイ人数|1~4人(オンライン最大6人)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|最弱ゲームヒーロー復活&br()''みんなデスペランカー''&br()6人のオンライン同時プレイが売り&br()操作性の悪さ、死にやすさも全部再現&br()クラシックドットでも遊べる&br()1人プレイも充実、でもみんなの方が楽しい|~| |>|>|CENTER:''[[スペランカーシリーズ]]''| **概要 ゲーム史上最も虚弱体質な主人公が活躍するゲームとして有名な『[[スペランカー]]』。その22年振りの続編で、今作は最も有名なファミコン版を元にした作品。~ 簡単にいうとグラフィックをリメイクしつつ、わざわざ当時の操作感や難易度を再現したスペランカーであり、やりごたえや笑えるほどの死にやすさは健在。 本作の特徴は最大6人のオンラインマルチプレイである。大方の予想通り非常にカオスな''連帯責任ゲーム''ができる。~ リニューアルグラフィックはPS3相応のグラフィックでありながら、操作感は当時にかなり近くなっており、そのギャップだけでもかなり楽しめる内容である。~ なお、クラシックモードと呼ばれるドット絵バージョンのモードも存在。ファミコン版の雰囲気ほぼそのままにプレイ出来る。 ただのリニューアル作品ではなく、新しいギミックや敵キャラが大量に増加しており、既プレイヤーでもやりごたえのあるゲームとなっている。 ---- **特徴 -スペランカーのアクションには''一切追加なし''。ジャンプと使用制限のあるポータブルファン・フラッシュ・爆弾で敵をやり過ごしつつ進んでいく。 --ただアイテム自体は難易度を上げるという意味合いで増えており、鍵は6種類になった。その他、石板と呼ばれる収集要素があり、全て集める事で絵が完成するという仕組み。 --スペランカーの実家のような安心感とは裏腹に、ギミックや敵キャラは''大増量''。特に敵キャラはオリジナル版ではコウモリと幽霊程度しかいなかったが、''今作では10種類以上にまで増加''。本気でスペランカーを殺しに掛かっている。 ---コウモリ:お馴染みのフンを落とす敵。色違いのコウモリはフンを落とす間隔が短く、ゴリ押しの突破が出来なくなっている。 ---幽霊:ファンを当てて消さないとどこまでも追いかけてくる敵。今回は二回ファンを当てないと倒せない巨大幽霊や、ファンを当てると分裂してくる強化版が出てくることも。強化版の幽霊が出ると音楽が普段と少し違うものが流れてくる。 ---クモ:糸で天井からぶら下がっており、スペランカーが近づくと落下してくる。爆弾で退治可能。白は上下するが、青はほとんど動かないため、爆弾で撃退しないと進めない局面も。 ---ヘビ:窪みの中を往復している。爆弾を当てると一時的に画面から姿を消す。タイミングが良ければジャンプでスルー可能。色のバリエーションが豊富で、通常の緑の他に、動きの早い茶ヘビや、プレイヤーに飛びかかって飛び越えを阻止する赤ヘビもいる。 ---ムカデ:ロープを往復する敵、タイミング良くスルーしたり、爆弾で退治も出来る。青は往復の速度が早い。 ---カラス:上空を飛んでおり、スペランカーを見つけると降下してくる。フラッシュで撃破可能。赤いカラスはスペランカーに気づく範囲が広く、遠目でも襲い掛かってくる。 --操作感は若干差異を感じる部分もあるが、リニューアル・クラシックグラフィック共に殆どそのまま。下り坂で前にジャンプすると死んでしまう仕様等も全て健在である。 -最大の追加点・オンライン要素。 --本作のタイトルの由来ともなっているマルチプレイ要素。オフラインでは4人まで、オンラインでは6人までプレイできる。 --協力プレイの「''みんなで探検''」と、誰が一番速くゴールに辿り着くかを競う対戦プレイの「''みんなで競争''」とがある。 --「みんなで探検」の場合どういうシステムになるかというと、まず残機はいきなり30くらいと大盤振る舞いなのだが、この残機は''全員で共有''する。 ---通常コースならひとりあたりの残機5×6人で30。Tozai版のチャンピオンシップ(高難易度モード)なら残機50×6人でなんと''300''から始まる。 --アイテム等も共有であり、例えば黄色・赤・青の扉があったとしたら、その色の鍵を所持している人が集まらないと突破出来ない。 ---よって息が合わないと、扉の前で待っている間にエネルギー切れで仲間が死んだり、慌てる余り余計なミスが増えたり、間違えて爆弾を設置して全員吹き飛ぶ等ということがままある。 ---エネルギーや爆弾、フラッシュといった攻略上必要となるアイテムと石版は、誰かが取っても一定時間で再配置される。それ以外のスコアアイテムや薬等の特殊アイテムは再配置されない。 ---トロッコ等の操作も難しく、先頭のプレイヤーがトロッコを操縦するのだが、6人乗っている事を考慮しないと、吹き上がる炎に後方のプレイヤーがあたって死亡という事も。むしろ無理に全員で乗るより2、3人ずつ行った方が安全と言える。 --尚、共有残機がゼロになってからミスすると、プレイヤーはそれぞれ仮死状態となる。30秒以内に他のプレイヤー仮死状態中のスペランカーに触れると復活するが、間に合わないと脱落となる。 --多人数を計算に入れたギミックも仕込まれている、3人以上掴まると切れる赤いロープや、3人以上乗ると沈む船等は知らずに全員で乗り込むと大惨事に。また3人以上掴まると伸びる黄色いロープがあり、これを使わないと収集できない石版もある。 ---- **評価点 -リメイクとしての質の高さ。 --拘り深いプレイヤーからすると挙動がやや異なるようだが、普通に見れば十分過ぎるほど操作感覚が再現できている。 --その上で、そこそこ違和感のない程度の追加要素が仕込まれており、新鮮な気持ちでもプレイできる、これまでのスペランカーにはない続編らしい続編である。 -オンラインプレイならではのワイワイガヤガヤ感。 --本作のオンラインプレイはボイスチャットに対応しており、ファミコンゲームによくあった、足の引っ張り合いでもかなり楽しむ事が可能。扉の鍵を待つ間のハラハラ感すらも楽しめる。 ---勿論、待っている間、おもむろに爆弾を置いてその場をパニックに陥らせる無理心中プレイ等も可能。野良プレイでは流石に嫌われるが。 --ただ足を引っ張り合うだけではなく、残機ゼロのピンチの時はお互い助けあうプレイも可能で、初めてのマルチプレイながら完成度が高い。 -1人プレイモードも充実している点。 --全10エリア、1エリアにつき10ステージの計100ステージという大ボリューム。 ---途中セーブ機能もあるので、休みながらの進行も可能。ゲームは一日一時間という主義の人も安心。 --100ステージをクリアすると1ステージ目へと戻る周回プレイ。ただし、フラッシュなどのアイテムを使わないとカギが見えない、カギが一切見えない上にジャンプしないと取れないなどの制限がついたハードモードとなるので、見慣れたステージでも一味違ったやりごたえが楽しめる。 --Tozai版ではチャンピオンシップモードという1ランク上の難易度にも挑戦可能。最初から残機50も持った状態で始まるが、一筋縄ではいかない。 --なお、チャンピオンシップモードのお題はDLCでも配信されている。 -グラフィック・BGM共に、リニューアル版とクラシック版をちゃんと用意している隙の無さ。 --前者はややリアルな描写になったスペランカーを操りプレイする。これだけでなく、BGMは既存のものが全てアレンジして起用されている。 ---しかもアレンジの多くはオーケストラ風であり、あの有名なメインテーマも恐ろしく荘厳なBGMとなっている。 --後者はオリジナル版とほぼ同じ。本作で追加されたBGMもあるが、ファミコン音源になっており違和感なく溶け込んでいる。 --クラシック版はこれまで通りミスすると点滅してお馴染みのBGMが鳴るが、リニューアル版は死んだ要素によって様々なモーションをとる。 ---フラッシュや爆弾に当たると消し炭となって死亡、炎に当たると黒焦げになって死亡、落とし穴に落ちると打った足を庇いつつ片足で跳ねながら死亡、等々。スペランカーの死にやすさを上手く昇華してシュールな笑いを演出している。 --なお、ゲームオーバーになると「何処まで進んだ上でどういう死因で冒険が終了したか」という冒険報告が最後に表示される。 ---例えば敵に当たって死ぬと「''触れてはならないものに触れてしまい…''」などと出てきて終わる。シュールの極み。 ---ちなみにプレイ内容によって称号が付く。アイテムの使用率等によって判定されるが、死亡率が高いとスペランカーをもじった''デスペランカー''なる称号を与えられる。 -初心者に向けた要素の数々。 --残機無限のチュートリアルモードを搭載。これで初見で陥りやすい「開始直後エレベーターから落下」があっても理不尽さを軽減できる。 ---ちなみにその時にちゃんと死因(ミス理由)が出るため、どうするとミスになるのかを自由に学ぶ事ができる。ただ内容は「今のは落下ミスだ!」など、これまたシュールである。 --オリジナル版でやり辛かったと評判(?)のロープアクションにはロープアシストを搭載し、細かな操作ミスで落ちないようになった。 ---オリジナルの理不尽さが良いという人のためにこのロープアシストはオフにもできる。 ---- **問題点 -やはり若干オリジナルの操作感とは違和感が生じる点。 --とは言っても微差であり、よほど拘りのある人でもなければ十分な再現度は確保されているだろう。 --リニューアル版とクラシック版とではステージ構成はまったく同じだが、やはり操作感の違いは否めない。 -リニューアルグラフィックはやたら画面が暗く、見辛いところがある。 --一応スペランカーのヘルメットの明かりで照らすことが出来るため、自分の目前はわかりやすくすることが可能。 --対するクラシック版は背景が真っ黒なため逆に他のドット絵がかなり見易くなっており、プレイしやすさという観点でクラシックを選ぶプレイヤーも多い。 --一方、リニューアル版はスコアアイテムの隠されている破壊可能な壁がわかりやすいという利点がある。 -敵やギミックの増加に対して、スペランカー自身には一切の新要素がなく、そういう意味では目新しさに欠ける。 --安心感はあるが、自分で放ったフラッシュや爆弾で死ぬのも変わっていないのはもちろんのこと、天井が低いとフラッシュが発動せず無駄に終わるなど制約も多い。 --特に幽霊は強化されたため、1人プレイだと詰んでしまう局面が増えた。例えば岩に追いかけられている時に前から巨大幽霊がくるとどう考えても打破出来ず、幽霊・岩のどちらかに殺される。 ---- **総評 レトロゲームリメイクブームに乗っかった便乗ゲームの1つでしかないが、その中でも高い完成度を誇る作品。~ 誰も想像しなかったスペランカーのマルチプレイはまったく新しい「死んで騒ぐゲーム」という新境地を開拓し、ファンには暖かく受け止められた。~ ファミコン版からほぼゲームシステムを変えず、ここまで新たなゲーム性を構築した点は特筆に値するだろう。~ 複数人プレイはオンラインでも、本作に対応しているインカムや何らかの通話ソフトを使えばワイワイプレイが可能であり、現代の進歩にもよく合っている作品と言える。 ---- **余談 -「いまさら」みんなでスペランカー体験版が配信されていた。 --エリア1のみ全てプレイ出来る(オンライン込み)の体験版が2012年12月19日から配信され、プレイのハードルはかなり下がっていた。 --現在は残念ながら配信終了している。 -アイレムのゲーム事業縮小化に伴い、開発を担当したTozai Gamesが版権とともに配信を担当することとなった。 -2015年にはまさかの続編、『みんなでスペランカーZ』が配信された。 --まさかの''基本無料''で、装備を有料課金ガチャから手に入れる方式となった。 --また、キャラクターデザインが旧作を思わせるような可愛らしいデフォルメ系に変化。 ---- *みんなでスペランカー ブラック |ジャンル|アクション|~| |対応機種|プレイステーション3(PlayStation Store)|~| |メディア|ダウンロード専売ソフト|~| |発売元|アイレムソフトウェアエンジニアリング|~| |開発元|Tozai Games|~| |発売日|2010年1月7日|~| |定価|1,200円(税込)|~| |プレイ人数|1~4人(オンライン最大6人)|~| |判定|なし|~| |備考|現在は配信停止|~| |ポイント|ゲーム画面を暗くした上級者用スペランカー&br()ステージ構成などは一切変化なし&br()今では幻のゲームに|~| **概要(ブラック) 自分の周囲以外は見えないようになり、難易度が増したみんなでスペランカーのマイナーチェンジバージョン。 **特徴(ブラック) 暗くなって先が見えづらくなった以外は、元の『みんなでスペランカー』とステージ構成を含めて何ら変わらない仕様である。~ 手抜きと言われてしまえばそれまでのゲームであり、価格が元作品とほぼ変わらず高めであることがネック。~ 元の作品を持っておらず、それでも骨太なゲームを欲するプレイヤーには薦められるが、流石にそういった需要はニッチ過ぎることは否めない。 **総評(ブラック) 文字通り、シリーズの黒歴史となってしまったが、ゲーム自体の出来が良いのはそのままなため、ファンには十分楽しめる内容ではある。 **その後(ブラック) -アイレムがゲーム事業を縮小した際に配信を停止。版権譲渡後のTozai Gamesでも本作は取り扱われることがなかった。 ----
---- #contents ---- *みんなでスペランカー 【みんなですぺらんかー】 |ジャンル|アクション|&ref(supe.jpg)| |対応機種|プレイステーション3(PlayStation Store)|~| |メディア|ダウンロード専売ソフト|~| |発売元|アイレムソフトウェアエンジニアリング→Tozai Games|~| |開発元|Tozai Games|~| |発売日|2009年3月26日&br()2011年12月21日(Tozai Games移譲後)|~| |定価|1,300円(税込)|~| |プレイ人数|1~4人(オンライン最大6人)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|最弱ゲームヒーロー復活&br()''みんなデスペランカー''&br()6人のオンライン同時プレイが売り&br()操作性の悪さ、死にやすさも全部再現&br()クラシックドットでも遊べる&br()1人プレイも充実、でもみんなの方が楽しい|~| |>|>|CENTER:''[[スペランカーシリーズ]]''| **概要 ゲーム史上最も虚弱体質な主人公が活躍するゲームとして有名な『[[スペランカー]]』。その22年振りの続編で、今作は最も有名なファミコン版を元にした作品。~ 簡単にいうとグラフィックをリメイクしつつ、わざわざ当時の操作感や難易度を再現したスペランカーであり、やりごたえや笑えるほどの死にやすさは健在。 本作の特徴は最大6人のオンラインマルチプレイである。大方の予想通り非常にカオスな''連帯責任ゲーム''ができる。~ リニューアルグラフィックはPS3相応のグラフィックでありながら、操作感は当時にかなり近くなっており、そのギャップだけでもかなり楽しめる内容である。~ なお、クラシックモードと呼ばれるドット絵バージョンのモードも存在。ファミコン版の雰囲気ほぼそのままにプレイ出来る。 ただのリニューアル作品ではなく、新しいギミックや敵キャラが大量に増加しており、既プレイヤーでもやりごたえのあるゲームとなっている。 ---- **特徴 -スペランカーのアクションには''一切追加なし''。ジャンプと使用制限のあるポータブルファン・フラッシュ・爆弾で敵をやり過ごしつつ進んでいく。 --ただアイテム自体は難易度を上げるという意味合いで増えており、鍵は6種類になった。その他、石板と呼ばれる収集要素があり、全て集める事で絵が完成するという仕組み。 --スペランカーの実家のような安心感とは裏腹に、ギミックや敵キャラは''大増量''。特に敵キャラはオリジナル版ではコウモリと幽霊程度しかいなかったが、''今作では10種類以上にまで増加''。本気でスペランカーを殺しに掛かっている。 ---コウモリ:お馴染みのフンを落とす敵。色違いのコウモリはフンを落とす間隔が短く、ゴリ押しの突破が出来なくなっている。 ---幽霊:ファンを当てて消さないとどこまでも追いかけてくる敵。今回は二回ファンを当てないと倒せない巨大幽霊や、ファンを当てると分裂してくる強化版が出てくることも。強化版の幽霊が出ると音楽が普段と少し違うものが流れてくる。 ---クモ:糸で天井からぶら下がっており、スペランカーが近づくと落下してくる。爆弾で退治可能。白は上下するが、青はほとんど動かないため、爆弾で撃退しないと進めない局面も。 ---ヘビ:窪みの中を往復している。爆弾を当てると一時的に画面から姿を消す。タイミングが良ければジャンプでスルー可能。色のバリエーションが豊富で、通常の緑の他に、動きの早い茶ヘビや、プレイヤーに飛びかかって飛び越えを阻止する赤ヘビもいる。 ---ムカデ:ロープを往復する敵、タイミング良くスルーしたり、爆弾で退治も出来る。青は往復の速度が早い。 ---カラス:上空を飛んでおり、スペランカーを見つけると降下してくる。フラッシュで撃破可能。赤いカラスはスペランカーに気づく範囲が広く、遠目でも襲い掛かってくる。 --操作感は若干差異を感じる部分もあるが、リニューアル・クラシックグラフィック共に殆どそのまま。下り坂で前にジャンプすると死んでしまう仕様等も全て健在である。 -最大の追加点・オンライン要素。 --本作のタイトルの由来ともなっているマルチプレイ要素。オフラインでは4人まで、オンラインでは6人までプレイできる。 --協力プレイの「''みんなで探検''」と、誰が一番速くゴールに辿り着くかを競う対戦プレイの「''みんなで競争''」とがある。 --「みんなで探検」の場合どういうシステムになるかというと、まず残機はいきなり30くらいと大盤振る舞いなのだが、この残機は''全員で共有''する。 ---通常コースならひとりあたりの残機5×6人で30。Tozai版のチャンピオンシップ(高難易度モード)なら残機50×6人でなんと''300''から始まる。 --アイテム等も共有であり、例えば黄色・赤・青の扉があったとしたら、その色の鍵を所持している人が集まらないと突破出来ない。 ---よって息が合わないと、扉の前で待っている間にエネルギー切れで仲間が死んだり、慌てる余り余計なミスが増えたり、間違えて爆弾を設置して全員吹き飛ぶ等ということがままある。 ---エネルギーや爆弾、フラッシュといった攻略上必要となるアイテムと石版は、誰かが取っても一定時間で再配置される。それ以外のスコアアイテムや薬等の特殊アイテムは再配置されない。 ---トロッコ等の操作も難しく、先頭のプレイヤーがトロッコを操縦するのだが、6人乗っている事を考慮しないと、吹き上がる炎に後方のプレイヤーがあたって死亡という事も。むしろ無理に全員で乗るより2、3人ずつ行った方が安全と言える。 --尚、共有残機がゼロになってからミスすると、プレイヤーはそれぞれ仮死状態となる。30秒以内に他のプレイヤー仮死状態中のスペランカーに触れると復活するが、間に合わないと脱落となる。 --多人数を計算に入れたギミックも仕込まれている、3人以上掴まると切れる赤いロープや、3人以上乗ると沈む船等は知らずに全員で乗り込むと大惨事に。また3人以上掴まると伸びる黄色いロープがあり、これを使わないと収集できない石版もある。 ---- **評価点 -リメイクとしての質の高さ。 --拘り深いプレイヤーからすると挙動がやや異なるようだが、普通に見れば十分過ぎるほど操作感覚が再現できている。 --その上で、そこそこ違和感のない程度の追加要素が仕込まれており、新鮮な気持ちでもプレイできる、これまでのスペランカーにはない続編らしい続編である。 -オンラインプレイならではのワイワイガヤガヤ感。 --本作のオンラインプレイはボイスチャットに対応しており、ファミコンゲームによくあった、足の引っ張り合いでもかなり楽しむ事が可能。扉の鍵を待つ間のハラハラ感すらも楽しめる。 ---勿論、待っている間、おもむろに爆弾を置いてその場をパニックに陥らせる無理心中プレイ等も可能。野良プレイでは流石に嫌われるが。 --ただ足を引っ張り合うだけではなく、残機ゼロのピンチの時はお互い助けあうプレイも可能で、初めてのマルチプレイながら完成度が高い。 -1人プレイモードも充実している点。 --全10エリア、1エリアにつき10ステージの計100ステージという大ボリューム。 ---途中セーブ機能もあるので、休みながらの進行も可能。ゲームは一日一時間という主義の人も安心。 --100ステージをクリアすると1ステージ目へと戻る周回プレイ。ただし、フラッシュなどのアイテムを使わないとカギが見えない、カギが一切見えない上にジャンプしないと取れないなどの制限がついたハードモードとなるので、見慣れたステージでも一味違ったやりごたえが楽しめる。 --Tozai版ではチャンピオンシップモードという1ランク上の難易度にも挑戦可能。最初から残機50も持った状態で始まるが、一筋縄ではいかない。 --なお、チャンピオンシップモードのお題はDLCでも配信されている。 -グラフィック・BGM共に、リニューアル版とクラシック版をちゃんと用意している隙の無さ。 --前者はややリアルな描写になったスペランカーを操りプレイする。これだけでなく、BGMは既存のものが全てアレンジして起用されている。 ---しかもアレンジの多くはオーケストラ風であり、あの有名なメインテーマも恐ろしく荘厳なBGMとなっている。 --後者はオリジナル版とほぼ同じ。本作で追加されたBGMもあるが、ファミコン音源になっており違和感なく溶け込んでいる。 --クラシック版はこれまで通りミスすると点滅してお馴染みのBGMが鳴るが、リニューアル版は死んだ要素によって様々なモーションをとる。 ---フラッシュや爆弾に当たると消し炭となって死亡、炎に当たると黒焦げになって死亡、落とし穴に落ちると打った足を庇いつつ片足で跳ねながら死亡、等々。スペランカーの死にやすさを上手く昇華してシュールな笑いを演出している。 --なお、ゲームオーバーになると「何処まで進んだ上でどういう死因で冒険が終了したか」という冒険報告が最後に表示される。 ---例えば敵に当たって死ぬと「''触れてはならないものに触れてしまい…''」などと出てきて終わる。シュールの極み。 ---ちなみにプレイ内容によって称号が付く。アイテムの使用率等によって判定されるが、死亡率が高いとスペランカーをもじった''デスペランカー''なる称号を与えられる。 -初心者に向けた要素の数々。 --残機無限のチュートリアルモードを搭載。これで初見で陥りやすい「開始直後エレベーターから落下」があっても理不尽さを軽減できる。 ---ちなみにその時にちゃんと死因(ミス理由)が出るため、どうするとミスになるのかを自由に学ぶ事ができる。ただ内容は「今のは落下ミスだ!」など、これまたシュールである。 --オリジナル版でやり辛かったと評判(?)のロープアクションにはロープアシストを搭載し、細かな操作ミスで落ちないようになった。 ---オリジナルの理不尽さが良いという人のためにこのロープアシストはオフにもできる。 ---- **問題点 -やはり若干オリジナルの操作感とは違和感が生じる点。 --とは言っても微差であり、よほど拘りのある人でもなければ十分な再現度は確保されているだろう。 --リニューアル版とクラシック版とではステージ構成はまったく同じだが、やはり操作感の違いは否めない。 -リニューアルグラフィックはやたら画面が暗く、見辛いところがある。 --一応スペランカーのヘルメットの明かりで照らすことが出来るため、自分の目前はわかりやすくすることが可能。 --対するクラシック版は背景が真っ黒なため逆に他のドット絵がかなり見易くなっており、プレイしやすさという観点でクラシックを選ぶプレイヤーも多い。 --一方、リニューアル版はスコアアイテムの隠されている破壊可能な壁がわかりやすいという利点がある。 -敵やギミックの増加に対して、スペランカー自身には一切の新要素がなく、そういう意味では目新しさに欠ける。 --安心感はあるが、自分で放ったフラッシュや爆弾で死ぬのも変わっていないのはもちろんのこと、天井が低いとフラッシュが発動せず無駄に終わるなど制約も多い。 --特に幽霊は強化されたため、1人プレイだと詰んでしまう局面が増えた。例えば岩に追いかけられている時に前から巨大幽霊がくるとどう考えても打破出来ず、幽霊・岩のどちらかに殺される。 ---- **総評 レトロゲームリメイクブームに乗っかった便乗ゲームの1つでしかないが、その中でも高い完成度を誇る作品。~ 誰も想像しなかったスペランカーのマルチプレイはまったく新しい「死んで騒ぐゲーム」という新境地を開拓し、ファンには暖かく受け止められた。~ ファミコン版からほぼゲームシステムを変えず、ここまで新たなゲーム性を構築した点は特筆に値するだろう。~ 複数人プレイはオンラインでも、本作に対応しているインカムや何らかの通話ソフトを使えばワイワイプレイが可能であり、現代の進歩にもよく合っている作品と言える。 ---- **余談 -「いまさら」みんなでスペランカー体験版が配信されていた。 --エリア1のみ全てプレイ出来る(オンライン込み)の体験版が2012年12月19日から配信され、プレイのハードルはかなり下がっていた。 --現在は残念ながら配信終了している。 -アイレムのゲーム事業縮小化に伴い、開発を担当したTozai Gamesが版権とともに配信を担当することとなった。 -2015年にはまさかの続編、『みんなでスペランカーZ』が配信された。 --まさかの''基本無料''で、装備を有料課金ガチャから手に入れる方式となった。 --また、キャラクターデザインが旧作を思わせるような可愛らしいデフォルメ系に変化。 -2021年には『元祖みんなでスペランカー』として本作がリバイバルされた。販売と開発は同じく『Tozai Games』。 --ただのリマスターかと思いきやグラフィックを一新。特に3D版はオリジナル版よりも明るい色彩となり、視認性が向上している。 ---無限洞窟NEOモードが新規追加。強制スクロール+ランダム洞窟生成というサバイバルモード。 ---なお限定版にはオリジナル・サウンドトラック、ソフビフィギュア、アーケード版のインストカードを印字した下敷きなど、これでもかという特典を詰め込んだ付属品が同梱されている。 ---- *みんなでスペランカー ブラック |ジャンル|アクション|~| |対応機種|プレイステーション3(PlayStation Store)|~| |メディア|ダウンロード専売ソフト|~| |発売元|アイレムソフトウェアエンジニアリング|~| |開発元|Tozai Games|~| |発売日|2010年1月7日|~| |定価|1,200円(税込)|~| |プレイ人数|1~4人(オンライン最大6人)|~| |判定|なし|~| |備考|現在は配信停止|~| |ポイント|ゲーム画面を暗くした上級者用スペランカー&br()ステージ構成などは一切変化なし&br()今では幻のゲームに|~| **概要(ブラック) 自分の周囲以外は見えないようになり、難易度が増したみんなでスペランカーのマイナーチェンジバージョン。 **特徴(ブラック) 暗くなって先が見えづらくなった以外は、元の『みんなでスペランカー』とステージ構成を含めて何ら変わらない仕様である。~ 手抜きと言われてしまえばそれまでのゲームであり、価格が元作品とほぼ変わらず高めであることがネック。~ 元の作品を持っておらず、それでも骨太なゲームを欲するプレイヤーには薦められるが、流石にそういった需要はニッチ過ぎることは否めない。 **総評(ブラック) 文字通り、シリーズの黒歴史となってしまったが、ゲーム自体の出来が良いのはそのままなため、ファンには十分楽しめる内容ではある。 **その後(ブラック) -アイレムがゲーム事業を縮小した際に配信を停止。版権譲渡後のTozai Gamesでも本作は取り扱われることがなかった。 ----

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