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プチコン - (2015/05/24 (日) 17:55:47) の1つ前との変更点

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#contents(fromhere) ---- *プチコン / プチコンmkII 【ぷちこん / ぷちこん まーくつー】 |ジャンル|ツール|&image(http://www.famitsu.com/images/000/011/017/l_4f545d140191b.jpg,height=200)| |対応機種|ニンテンドーDS&br()(ニンテンドーDSiウェア)|~| |メディア|ダウンロード専売ソフト|~| |発売元&br()開発元(mkII)|スマイルブーム|~| |開発元(無印)|スマイルブーム&br()JOEDOWN&br()ロケットスタジオ|~| |発売日|無印:2011年3月9日(配信終了済み)&br()mkII:2012年3月14日|~| |定価|800DSiポイント|~| |判定|なし|~| //判定なしも記述するルールになりました **概要 「手のひらでプログラミング」を合言葉に、ニンテンドーDSi上でBASICプログラムを走らせるツールとして開発されたダウンロード用ソフト。~ BASIC言語での開発となるが、スプライトやBG、MMLによる作曲といった拡張要素が追加されゲーム開発も可能となっている。~ 海外でも『Petit Computer』のタイトルで配信され、愛好者も多いソフトである。~ なお、続編の『mkII』は無印に機能追加などを行ったバージョンアップ版でほぼ同じ内容のため、同時に解説する。 **特徴 -かつてのマイコンを彷彿とさせる単純ながら扱いやすいBASICでの開発をサポートしている。 --実行画面と編集画面により手軽にプログラムを編集しながら実行してテストすることが可能。ある程度プログラムをかじった経験があれば、すぐに使えるようになる。 -スプライト機能、BG機能によるグラフィックをサポート。 --ゲーマーなら聞いたことがあると思われるが、スプライトとはFCなどで使用されているキャラクターを描画するための機能、BGは背景を滑らかにスクロールするための機能といったところ。これらを使用することで高速な画面描画を実現している。 --回転、拡大機能、パレット機能にも対応しているため、グラフィックパターンの圧縮も容易。 -音楽再生などにももちろん対応。 --命令も豊富でピッチや音量なども自由にいじることが出来る。 -DSらしく、入力はボタン操作に加えタッチペン入力にも対応。 --ソフトウェアキーボードを搭載しており、このキーボードからの入力も読み取ることが出来る。 -サンプルプログラムとして、ドット絵作成ツールや簡単なゲーム、サンプルグラフィックも収録されている。 --これらのサンプルは読み込んで自由に改造が可能。シューティングなどゲームの基本は詰め込まれているので、なかなか参考になる。 -無印はバージョンアップ版の『mkII』配信に伴い、現在は配信終了している。 **mkIIの追加・変更点 -製作したデータをSDカードに保存する事が可能になり、データ保存数の問題を解決。 -QRコード読み取り機能を追加。公式サイトのQRコード作成ツールで変換したデータを読み込むことが可能になった。 --これにより、ネット上を通じて他のプチコンユーザーにデータを配布することが可能になった。従来通りの通信によるやり取りも可能。 -MML((一言で言えばプログラムで楽譜を書く作曲機能。決まった文言に従って入力したプログラムを音に変換して出力できる。本Wikiに記事のある『マビノギ』でも使用されている。))の再生が可能になった。 --8チャンネル同時再生、16音同時発音に対応。音色は128種類+ドラム68種類+PSG8パターン+ユーザー定義波形32パターン+ノイズと豊富。 --他にも細かい設定が存在し、FCやSFCの楽曲を再現することすら可能になっている。 -音声合成機能の追加。 --12種類の声質を用いて合成音声を鳴らすことが可能になった。さすがに機械的ではあるが、これによって作成できるソフトの幅も大きく広がった。 -スプライト機能の拡張。 --スプライトのサイズが選択出来るようになり、合わせて衝突判定の機能も拡張。 --他にも回転、拡大の基点がスプライトの中心に変更されたり、アニメーション状態のチェック機能の拡充など細かいが便利な変更が多数盛り込まれた。 -プログラム部分の変更点。 --実行速度がアップ。複雑なプログラムもサクサク動くようになった。 --命令の追加・拡張。 ---ELSEによる分岐、ラベル指定に変数が使えるようになった、ACLS命令での画面初期化、GPAGE命令により4枚の画面を同時に扱える…など多彩な命令が追加された。 --その他、変数名・ラベル名が最大16文字まで可能に、配列バッファサイズが256K個になるなどの拡張が施され、柔軟なプログラムに対応した。 --パッケージ化の追加により、実行に必要なファイルを一括読み込み可能になった。 -他にも非常に多くの変更点が存在し、全体的に完成度が向上している。 **評価点 -非常に高い自由度。 --プログラムでの製作なので当たり前だが、製作できるソフトの幅は広い。 --ゲームはもちろん自作OS、ファイル管理ソフトなど様々なソフトが製作されている。動画サイトやTwitter、自身のHPで公開している作者も多い。 -豊富なサンプルゲーム。 --ドットイート、3DダンジョンRPG、シューティング、CPUとの対戦格闘、会話ゲームやゲームに使えそうなサンプルも豊富に用意されている。 --特に3Dダンジョンやシューティングはなかなかの出来栄えなので、これを改造するだけでもそこそこのゲームは作れる。 **問題点・賛否両論点 -この手のソフト共通の問題として敷居が高め。 --ほとんどのゼロの状態から手を着けねばならないので、プログラム初心者がいきなりちゃんとしたゲームを作成するには当然不向き。 --当たり前だが、初心者はまずサンプルの改造から手を付けてみるといい。サンプルと説明書を見比べながらプログラムの構成を理解することで自分のモノにしていく根気が重要である。 -マニュアルもリファレンスを兼ねているため、内容が非常に膨大でDSで見るには向いていない。公式サイトに同様のマニュアルが掲載されているので、そちらを開きながらプログラムした方が良い。 --あくまでリファレンスなので、数学三角関数なども書式、引数、戻り値、エラーが掲載されているのみで、具体的な使い方は解説されていない。どうやって使うのかは自力で学ぶ必要がある。 -画面が見づらい。 --基本的にプログラム画面は黒背景に白文字だけの構成。現代は命令部分を色分けして見やすくするのが当たり前なので、さすがに古すぎる。 --続編の『プチコン3号』では文字の色分けが実装された。 -リソースゆえ仕方のないことだが、基本文字がカタカナとアルファベット、記号類しか対応していない。 --漢字はまだしもひらがな未対応なので、ひらがなを使うには工夫が必要になる。 -ソフトウェアキーボードにしか対応していない。 --DSゆえの問題点だが、USBキーボードなどが使えないためプログラムは下画面のソフトウェアキーボードでタッチ入力していく方法以外存在しないため、非常に書きづらい。 --これにより、ユーザーによってPC上で書いたプログラムをプチコンで読み込める形式に変換するソフトウェアやQRコード精製ツールが作成された。 **総評 DS上で手軽にプログラミングを行え、かつてのマイコンを彷彿とさせるツールとして一部で話題になった。~ その高い自由度により、昔のゲームをDS上で再現するユーザーも多く((ただし、著作権に配慮してダウンロードには応じていない場合が多い。動画サイトに多くの動画が投稿されているので、検索してみるとよいだろう。))、他にも1画面内に収まるプログラムだけでゲームを作るなどといった遊びも行われている。~ プログラムゆえにハードルは高いが、現状DS上でゲームを製作できるツールは本作や『[[RPGツクールDS]]』、『[[メイドイン俺]]』くらいしかないため、貴重なタイトルと言えよう。~ ---- *プチコン3号 SMILE BASIC 【ぷちこんさんごう すまいる べーしっく】 |ジャンル|ツール|&image(http://www.nintendo.co.jp/3ds/eshop/jpkj/img/ico_software.jpg)| |対応機種|ニンテンドー3DS&br()(ニンテンドー3DSダウンロードソフト)|~| |メディア|ダウンロード専売ソフト|~| |発売元|スマイルブーム|~| |開発元|スマイルブーム&br()JOEDOWN&br()ポリフォニー|~| |発売日|2014年11月19日|~| |定価|1,000円|~| |判定|なし|~| **概要(3号) ハードを3DSに移したプチコンシリーズの現最新バージョン。~ **特徴・評価点(3号) -作品の配布がより簡単になった。 --公式サーバーにデータをアップロードし、発行されるパスワードを公開することで手軽にダウンロードしてもらえるようになった。パスワード自体も比較的短め。 --前作は作品規模によっては100個以上のQRコードを読み取る必要があったため非常に手間がかかっていたので公開する側も受け取る側も楽になっている。 --また、公式サーバーにアップされる関係で作品の精査も行われるようになり、著作権違反作品(『[[テトリス]]』のコピーなど)は公開停止される措置が働き、健全化に成功している。 -必要なファイルをプロジェクトごとのフォルダにまとめられるようになった。 --前作までは様々なプロジェクトのデータが一緒くたになっていたため管理が大変だったが、このお陰で管理しやすくなっている。 --不要になったらプロジェクトフォルダごと削除できるので、面倒な手間が減った。 --データはSDカードに保存されるようになったので、一度に大量のデータを保存できるようになった。 -本体のメモリーが増えたことで使用できる文字数、スプライト数などが大幅に増えた。 --標準でひらがなも使用可能になったので従来のように文字セットを自作する必要がなくなった。記号類もさらに増えている。 --内部構造も見直され、命令セットも大幅に変更されている。 --実行速度も大幅に上昇。ほぼ同じ動作のプログラムでも約10倍の高速化が確認されている。 ---実は地味にNew3DSの恩恵を受けられるソフトであり、さらに高速での実行が可能になる。 -サブルーチン用にユーザー定義関数が使えるようになった。 --これまで擬似的に再現する必要のあった引数、戻り値が定義できるようになったので非常に便利に。 --再帰処理も可能になったので、前作では工夫が必要だった複雑な処理もコンパクトに組めるようになった。 -3DSならではの機能に対応。 --立体視、3DSで追加された入力(スライドパッド、加速度センサー、ジャイロセンサー、拡張スライドパッド、マイク)に対応し、より豊富なゲームを組めるようになった。 -さらにワイヤレス通信に対応した。 --これにより、通信対戦ゲームを組むことが可能になった。前作で対人戦ゲームを作るには工夫が必要だったので大きな進歩と言えよう。 --もっとも、テストのために2台以上の本作が入った3DSが必要なので開発は容易ではないが。 -サンプルもより実用的にパワーアップしている。 --技術デモも用意されたので、各種命令でどんな事ができるか視覚的に理解しやすくなった。もっとも、実際にプログラムを解析して理解する必要はある。 --サンプルゲームもクオリティがアップしており、立体視対応の3DダンジョンRPGや上下2画面を使った縦STGなどが楽しめる。 ---もちろん、これらサンプルを読み込んで改造することも可能。 --プログラムを一度プレイした後プログラム作成に行くと、プレイしたプログラムが読み込まれた状態になるため読み込む手間が減った。 -ヘルプ機能が強化され、プログラミング中でも各命令の詳細やエラー表などを確認できるようになった。 --命令の例文がある場合、例文をコピーすることも可能に。 --特にプログラム中の命令にカーソルを合わせた状態でヘルプキーを押すと即座にその命令の詳細を確認できるため、サンプルやDLしたプログラムの解読がしやすくなった。 -今作でも頻繁にアップデートが行われているが、アップデート内容がタイトル画面にテロップ表示されるようになり重要な変更点が分かりやすくなった。 **問題点(3号) -QRコードの読み込みやローカル通信による交換、前作のファイルの読み込みには対応していない。 --このため、前作で開発した作品やPC上で組んだプログラムを読み込むことが出来なくなり、プログラミングの手間が増えた。 --もっとも、BASICの仕様が前作から大きく変化しているため、読み込んでもかなり修正の手間がかかるという問題もある。 --QRコードとローカル通信での交換が廃止されたのは任天堂から「本体だけでデータを交換できる機能」にストップがかかったためとのこと。 -合成音声を鳴らすTALK命令だけ機能縮小されてしまった。 --前作ではTALK命令用のコマンドが用意されており、声色や抑揚、イントネーションやピッチ制御など細かく制御できたが、今作では指定した文字列を男声で読み上げるだけになってしまった。 --これは音声合成エンジンが『[[しゃべる! DSお料理ナビ]]』などで使用されている「Ruby Talk」からオープンソースの「Galatea Talk」に変更になったためな模様。 **総評(3号) 3DSにハードを移したことで、自由度と快適性を大幅に上げた良質なツールになっている。~ コンシューマー向けコントラクションツールの中でも上位に位置しながら価格も安価なのも魅力的であろう。~ 開発のハードルの高さは相変わらずなので手軽さはないが、今後に期待したい一本である。
#contents(fromhere) ---- *プチコン / プチコンmkII 【ぷちこん / ぷちこん まーくつー】 |ジャンル|ツール|&image(http://www.famitsu.com/images/000/011/017/l_4f545d140191b.jpg,height=200)| |対応機種|ニンテンドーDS&br()(ニンテンドーDSiウェア)|~| |メディア|ダウンロード専売ソフト|~| |発売元&br()開発元(mkII)|スマイルブーム|~| |開発元(無印)|スマイルブーム&br()JOEDOWN&br()ロケットスタジオ|~| |発売日|無印:2011年3月9日(配信終了済み)&br()mkII:2012年3月14日|~| |定価|800DSiポイント|~| |判定|なし|~| **概要 「手のひらでプログラミング」を合言葉に、ニンテンドーDSi上でBASICプログラムを走らせるツールとして開発されたダウンロード用ソフト。~ BASIC言語での開発となるが、スプライトやBG、MMLによる作曲といった拡張要素が追加されゲーム開発も可能となっている。~ 海外でも『Petit Computer』のタイトルで配信され、愛好者も多いソフトである。~ なお、続編の『mkII』は無印に機能追加などを行ったバージョンアップ版でほぼ同じ内容のため、同時に解説する。 **特徴 -かつてのマイコンを彷彿とさせる単純ながら扱いやすいBASICでの開発をサポートしている。 --実行画面と編集画面により手軽にプログラムを編集しながら実行してテストすることが可能。ある程度プログラムをかじった経験があれば、すぐに使えるようになる。 -スプライト機能、BG機能によるグラフィックをサポート。 --ゲーマーなら聞いたことがあると思われるが、スプライトとはFCなどで使用されているキャラクターを描画するための機能、BGは背景を滑らかにスクロールするための機能といったところ。これらを使用することで高速な画面描画を実現している。 --回転、拡大機能、パレット機能にも対応しているため、グラフィックパターンの圧縮も容易。 -音楽再生などにももちろん対応。 --命令も豊富でピッチや音量なども自由にいじることが出来る。 -DSらしく、入力はボタン操作に加えタッチペン入力にも対応。 --ソフトウェアキーボードを搭載しており、このキーボードからの入力も読み取ることが出来る。 -サンプルプログラムとして、ドット絵作成ツールや簡単なゲーム、サンプルグラフィックも収録されている。 --これらのサンプルは読み込んで自由に改造が可能。シューティングなどゲームの基本は詰め込まれているので、なかなか参考になる。 -無印はバージョンアップ版の『mkII』配信に伴い、現在は配信終了している。 **mkIIの追加・変更点 -製作したデータをSDカードに保存する事が可能になり、データ保存数の問題を解決。 -QRコード読み取り機能を追加。公式サイトのQRコード作成ツールで変換したデータを読み込むことが可能になった。 --これにより、ネット上を通じて他のプチコンユーザーにデータを配布することが可能になった。従来通りの通信によるやり取りも可能。 -MML((一言で言えばプログラムで楽譜を書く作曲機能。決まった文言に従って入力したプログラムを音に変換して出力できる。本Wikiに記事のある『マビノギ』でも使用されている。))の再生が可能になった。 --8チャンネル同時再生、16音同時発音に対応。音色は128種類+ドラム68種類+PSG8パターン+ユーザー定義波形32パターン+ノイズと豊富。 --他にも細かい設定が存在し、FCやSFCの楽曲を再現することすら可能になっている。 -音声合成機能の追加。 --12種類の声質を用いて合成音声を鳴らすことが可能になった。さすがに機械的ではあるが、これによって作成できるソフトの幅も大きく広がった。 -スプライト機能の拡張。 --スプライトのサイズが選択出来るようになり、合わせて衝突判定の機能も拡張。 --他にも回転、拡大の基点がスプライトの中心に変更されたり、アニメーション状態のチェック機能の拡充など細かいが便利な変更が多数盛り込まれた。 -プログラム部分の変更点。 --実行速度がアップ。複雑なプログラムもサクサク動くようになった。 --命令の追加・拡張。 ---ELSEによる分岐、ラベル指定に変数が使えるようになった、ACLS命令での画面初期化、GPAGE命令により4枚の画面を同時に扱える…など多彩な命令が追加された。 --その他、変数名・ラベル名が最大16文字まで可能に、配列バッファサイズが256K個になるなどの拡張が施され、柔軟なプログラムに対応した。 --パッケージ化の追加により、実行に必要なファイルを一括読み込み可能になった。 -他にも非常に多くの変更点が存在し、全体的に完成度が向上している。 **評価点 -非常に高い自由度。 --プログラムでの製作なので当たり前だが、製作できるソフトの幅は広い。 --ゲームはもちろん自作OS、ファイル管理ソフトなど様々なソフトが製作されている。動画サイトやTwitter、自身のHPで公開している作者も多い。 -豊富なサンプルゲーム。 --ドットイート、3DダンジョンRPG、シューティング、CPUとの対戦格闘、会話ゲームやゲームに使えそうなサンプルも豊富に用意されている。 --特に3Dダンジョンやシューティングはなかなかの出来栄えなので、これを改造するだけでもそこそこのゲームは作れる。 **問題点・賛否両論点 -この手のソフト共通の問題として敷居が高め。 --ほとんどのゼロの状態から手を着けねばならないので、プログラム初心者がいきなりちゃんとしたゲームを作成するには当然不向き。 --当たり前だが、初心者はまずサンプルの改造から手を付けてみるといい。サンプルと説明書を見比べながらプログラムの構成を理解することで自分のモノにしていく根気が重要である。 -マニュアルもリファレンスを兼ねているため、内容が非常に膨大でDSで見るには向いていない。公式サイトに同様のマニュアルが掲載されているので、そちらを開きながらプログラムした方が良い。 --あくまでリファレンスなので、数学三角関数なども書式、引数、戻り値、エラーが掲載されているのみで、具体的な使い方は解説されていない。どうやって使うのかは自力で学ぶ必要がある。 -画面が見づらい。 --基本的にプログラム画面は黒背景に白文字だけの構成。現代は命令部分を色分けして見やすくするのが当たり前なので、さすがに古すぎる。 --続編の『プチコン3号』では文字の色分けが実装された。 -リソースゆえ仕方のないことだが、基本文字がカタカナとアルファベット、記号類しか対応していない。 --漢字はまだしもひらがな未対応なので、ひらがなを使うには工夫が必要になる。 -ソフトウェアキーボードにしか対応していない。 --DSゆえの問題点だが、USBキーボードなどが使えないためプログラムは下画面のソフトウェアキーボードでタッチ入力していく方法以外存在しないため、非常に書きづらい。 --これにより、ユーザーによってPC上で書いたプログラムをプチコンで読み込める形式に変換するソフトウェアやQRコード精製ツールが作成された。 **総評 DS上で手軽にプログラミングを行え、かつてのマイコンを彷彿とさせるツールとして一部で話題になった。~ その高い自由度により、昔のゲームをDS上で再現するユーザーも多く((ただし、著作権に配慮してダウンロードには応じていない場合が多い。動画サイトに多くの動画が投稿されているので、検索してみるとよいだろう。))、他にも1画面内に収まるプログラムだけでゲームを作るなどといった遊びも行われている。~ プログラムゆえにハードルは高いが、現状DS上でゲームを製作できるツールは本作や『[[RPGツクールDS]]』、『[[メイドイン俺]]』くらいしかないため、貴重なタイトルと言えよう。~ ---- *プチコン3号 SMILE BASIC 【ぷちこんさんごう すまいる べーしっく】 |ジャンル|ツール|&image(http://smileboom.com/special/ptcm3/image/logo-titlearea-ptcm3.png,height=160)|&image(http://smileboom.com/special/ptcm3/image/photo-titlearea-new3ds.png,height=160)| |対応機種|ニンテンドー3DS&br()(ニンテンドー3DSダウンロードソフト)|~|~| |メディア|ダウンロード専売ソフト|~|~| |発売元|スマイルブーム|~|~| |開発元|スマイルブーム&br()JOEDOWN&br()ポリフォニー|~|~| |発売日|2014年11月19日|~|~| |定価|1,000円|~|~| |判定|なし|~|~| **概要(3号) ハードを3DSに移したプチコンシリーズの現最新バージョン。~ **特徴・評価点(3号) -作品の配布がより簡単になった。 --公式サーバーにデータをアップロードし、発行されるパスワードを公開することで手軽にダウンロードしてもらえるようになった。パスワード自体も比較的短め。 --前作は作品規模によっては100個以上のQRコードを読み取る必要があったため非常に手間がかかっていたので公開する側も受け取る側も楽になっている。 --また、公式サーバーにアップされる関係で作品の精査も行われるようになり、著作権違反作品(『[[テトリス]]』のコピーなど)は公開停止される措置が働き、健全化に成功している。 -必要なファイルをプロジェクトごとのフォルダにまとめられるようになった。 --前作までは様々なプロジェクトのデータが一緒くたになっていたため管理が大変だったが、このお陰で管理しやすくなっている。 --不要になったらプロジェクトフォルダごと削除できるので、面倒な手間が減った。 --データはSDカードに保存されるようになったので、一度に大量のデータを保存できるようになった。 -本体のメモリーが増えたことで使用できる文字数、スプライト数などが大幅に増えた。 --標準でひらがなも使用可能になったので従来のように文字セットを自作する必要がなくなった。記号類もさらに増えている。 --内部構造も見直され、命令セットも大幅に変更されている。 --実行速度も大幅に上昇。ほぼ同じ動作のプログラムでも約10倍の高速化が確認されている。 ---実は地味にNew3DSの恩恵を受けられるソフトであり、さらに高速での実行が可能になる。 -サブルーチン用にユーザー定義関数が使えるようになった。 --これまで擬似的に再現する必要のあった引数、戻り値が定義できるようになったので非常に便利に。 --再帰処理も可能になったので、前作では工夫が必要だった複雑な処理もコンパクトに組めるようになった。 -3DSならではの機能に対応。 --立体視、3DSで追加された入力(スライドパッド、加速度センサー、ジャイロセンサー、拡張スライドパッド、マイク)に対応し、より豊富なゲームを組めるようになった。 -さらにワイヤレス通信に対応した。 --これにより、通信対戦ゲームを組むことが可能になった。前作で対人戦ゲームを作るには工夫が必要だったので大きな進歩と言えよう。 --もっとも、テストのために2台以上の本作が入った3DSが必要なので開発は容易ではないが。 -サンプルもより実用的にパワーアップしている。 --技術デモも用意されたので、各種命令でどんな事ができるか視覚的に理解しやすくなった。もっとも、実際にプログラムを解析して理解する必要はある。 --サンプルゲームもクオリティがアップしており、立体視対応の3DダンジョンRPGや上下2画面を使った縦STGなどが楽しめる。 ---もちろん、これらサンプルを読み込んで改造することも可能。 --プログラムを一度プレイした後プログラム作成に行くと、プレイしたプログラムが読み込まれた状態になるため読み込む手間が減った。 -ヘルプ機能が強化され、プログラミング中でも各命令の詳細やエラー表などを確認できるようになった。 --命令の例文がある場合、例文をコピーすることも可能に。 --特にプログラム中の命令にカーソルを合わせた状態でヘルプキーを押すと即座にその命令の詳細を確認できるため、サンプルやDLしたプログラムの解読がしやすくなった。 -今作でも頻繁にアップデートが行われているが、アップデート内容がタイトル画面にテロップ表示されるようになり重要な変更点が分かりやすくなった。 **問題点(3号) -QRコードの読み込みやローカル通信による交換、前作のファイルの読み込みには対応していない。 --このため、前作で開発した作品やPC上で組んだプログラムを読み込むことが出来なくなり、プログラミングの手間が増えた。 --もっとも、BASICの仕様が前作から大きく変化しているため、読み込んでもかなり修正の手間がかかるという問題もある。 --QRコードとローカル通信での交換が廃止されたのは任天堂から「本体だけでデータを交換できる機能」にストップがかかったためとのこと。 -合成音声を鳴らすTALK命令だけ機能縮小されてしまった。 --前作ではTALK命令用のコマンドが用意されており、声色や抑揚、イントネーションやピッチ制御など細かく制御できたが、今作では指定した文字列を男声で読み上げるだけになってしまった。 --これは音声合成エンジンが『[[しゃべる! DSお料理ナビ]]』などで使用されている「Ruby Talk」からオープンソースの「Galatea Talk」に変更になったためな模様。 **総評(3号) 3DSにハードを移したことで、自由度と快適性を大幅に上げた良質なツールになっている。~ コンシューマー向けコントラクションツールの中でも上位に位置しながら価格も安価なのも魅力的であろう。~ 開発のハードルの高さは相変わらずなので手軽さはないが、今後に期待したい一本である。

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