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*キノの旅 -the Beautiful World- 【きののたび ざ びゅーてぃふる わーるど】 |ジャンル|デジタルノベル&アドベンチャー|&amazon(B000094FX4)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|メディアワークス|~| |開発元|ゼロワン|~| |発売日|2003年7月17日|~| |定価|4,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|名も無き旅人視点が意外と秀逸&br()悠木碧氏の声優キャリアの始まりの一つ&br()『店の話』がかなり有名|~| |>|>|CENTER:''[[電撃文庫シリーズリンク>電撃文庫シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 時雨沢恵一氏の代表作『キノの旅』を原作とするアドベンチャーゲームの第一弾。同作初のゲーム化作品でもある。~ ほぼフルボイスで内容が音読されるほか、主にTVアニメ版を元とするキャストがキャラクターの声も当てている。~ 収録エピソードは『森の中で・b,a』『病気の国』『店の話』『優しい国』『旅の途中』『機械人形の話』『帰郷』。さらに原作者書きおろしの『卑怯者の国』が収録されている。 オリジナルの物語として合間合間に名も無き旅人の視点でプレイするパートがある。~ 中には原作でも有名なエピソードの一つである『優しい国』のアナザーストーリーとして、この旅人がキノが来る前の『優しい国』に訪れるエピソードもある。~ 他にもこの旅人が原作のキャラと絡むアドベンチャーパートのエピソードはあるのだが、本作ではその中でも優しい国アナザー「噂どおりの国」が非常に評価が高い。 **特徴 -本作は『キノの旅』を原作とする内容を声優が読み上げるノベルパートと、合間に挿入される、名も無き旅人がキノが旅した場所を偶然訪れることから始まるアドベンチャーパートが存在する。 --逆に言えばゲームとして取り上げて目立った特徴はない。ミニゲームなども名も無き旅人が遭遇するエピソードで一部存在するだけ。 **評価点 -ノベルパートの雰囲気作りがしっかりと出来ている。 --発売時期を見ても、おそらく本作は放送されたアニメ版(2003年4月~7月まで放送)より先に開発が始まっているが、本作はしっかりキノの旅の特徴を捉え、その空気を壊さないよう製作されているのがわかる。 --収録されているエピソードはキノにまつわるのものばかりであるが、チョイス自体はさほど悪くない。 --『店の話』では、店主の声優に若本規夫氏を起用。まだ若本氏が若本節で有名になる前の作品であったことから、朗読の調子も間延びした感じがなく、雰囲気を崩してはいない。 ---ちなみにIIではお馴染みの若本節がやや取り入れられており、店主の印象も異なる。 --悠木碧氏(当時・八武崎碧)にとっては正式な意味での声優デビュー作でもある。 --BGMなども作品の雰囲気を決して壊してはいない。ちなみにそれぞれのエピソード専用のBGMが用意されている。 -アドベンチャーパートの良い塩梅。 --キノがかつて訪れた場所に、偶然名も無き旅人が訪れ、様々な出来事に遭遇するという内容。 --個性を出来る限り取り払っているため、IIのセイ以上にこちらのほうがキャラが曖昧で逆に没入出来るというプレイヤーもいる。 --なお、IIにおけるバッドエンドに繋がる選択肢の一つ「金を出せ」→「冗談、だったのに…」のネタは元々本作で生まれた流れである。 --特に『優しい国アナザー -噂どおりの国-』の評価は高い。このエピソードに限り、旅人はキノより早く『優しい国』に訪れることになるのだが…。 #region(close,噂どおりの国の内容) 名も無き旅人が、以前の旅の仲間から「とても親切で良い国」だと紹介されて『優しい国』へと向かった。~ しかし、国の入り口を守る門番の態度は野盗のようで、そこで暮らす住民は子供も大人も余所者である旅人に対し敵意を示し、意地悪ばかりする。~ あげく、泊まった宿の待遇も劣悪で、旅人は騙されたと知ってガッカリする。~ ところがその中で、宿の娘である「さくら」だけは彼にとても親切にしてくれたため、彼女ととても仲良くなる。~ 旅人はさくらから「『金色の羽を持つ鳩』に、鈴を付けて塔から飛ばすと願いが叶う」という国の言い伝えを聞き、親切にしてくれた彼女の願いを叶えるため、奔走する。~ なんとか旅人は『金色の羽根を持つ鳩』を捕まえ、さくらに渡すことが出来た。さくらはこの国の人々が余所者に親切になるよう願って鳩を放つ。~ すると、翌日から国の人々の態度が一変し、親切になった。願いが叶ったと喜ぶさくらに見送られながら、旅人は心地良い気持ちで国を絶つ。~ 道中で、これから『優しい国』に向かうという若い旅人キノと名も無き旅人は出会う((ゲーム中、唯一キノと名も無き旅人が接触するシーン。))。キノに国の印象を聞かれた旅人はこう答えた。~ 『''噂どおりの国でしたよ。少なくとも私にとってはね''』 #endregion -グラフィックは、原作のイラストレーターである黒星紅白氏のものが使われている。 --描き下ろしも多数で、いずれも良質。『旅の途中』ではデフォルメされたキノ達のイラストを観ることが出来る。 --書きおろしエピソード『卑怯者の国』の存在。 ---唯一プレイヤーが「キノ」の選択肢を選ぶパートでもある。後に原作でも収録された。 **問題点 //-ゲームとしては目立った特徴はない。 //--ノベルゲーム故にそんなものは必要ないと言われればそこまでであるが、アドベンチャーパートにいくらか仕掛けが施されていたのを見ると惜しい点ではある。 //--また、音読されるだけでもノベル作品として最低限の内容は保持しているので、フルボイスノベルゲームとしての問題点は特に見られない。 //別に問題じゃないだろう、これは -パズルパートだけ別ゲーム。 --特になんてことのないパズルゲームなのだが、失敗すると旅人が死亡するため、悠長にパズルを解くわけにもいかなかったりする。 -子供キャラの声優にリアルに子役の声を使っていることに批判が多い。 --この辺はTVアニメ版とある程度意識を合わせた様子。子供の声は当時子役だった悠木氏を含めて、仕方ないとはいえ棒読み気味である。 --なお、『病気の国』のイナーシャは、本作から時間が経過したためという理由もあるだろうが、劇場版では子役の春日清花氏から声優の川澄綾子氏に変更されている。 **総評 初めてのゲーム化でありながら、よく原作の特徴や空気を捉えており、人によっては同時期に放送されたTVアニメ版よりも好評である。~ アドベンチャーパートの内容も実によく練られており、コメディ要素からシリアス要素まで隙は少ない。~ 地味な内容ではあるが、ファンアイテムとしては良質な作品であると言えるだろう。 **余談 -2005年12月1日には続編の『[[キノの旅II -the Beautiful World-]]』が発売。 --本作と同じく原作の雰囲気を再現できている。 -本作を契機に悠木碧氏は声優業界に興味を持ったとのだが、彼女は巡り巡ってなんとアニメに限定すれば二代目のキノ役として抜擢されることとなった。 --このことから、演技こそ褒められたものではないものの「''人材を発掘した''」という意味で本作を評価する声も一部存在する。 --ちなみに本作はアドベンチャーパートの「優しい国」の前日譚でも出演しているため、非常にセリフ量が多い。
*キノの旅 -the Beautiful World- 【きののたび ざ びゅーてぃふる わーるど】 |ジャンル|デジタルノベル&アドベンチャー|&amazon(B000094FX4)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|メディアワークス|~| |開発元|ゼロワン|~| |発売日|2003年7月17日|~| |定価|4,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|名も無き旅人視点が意外と秀逸&br()悠木碧氏の声優キャリアの始まりの一つ&br()『店の話』がかなり有名|~| |>|>|CENTER:''[[電撃文庫シリーズリンク>電撃文庫シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 時雨沢恵一氏の代表作『キノの旅』を原作とするアドベンチャーゲームの第一弾。同作初のゲーム化作品でもある。~ ほぼフルボイスで内容が音読されるほか、主にTVアニメ版を元とするキャストがキャラクターの声も当てている。~ 収録エピソードは『森の中で・b,a』『病気の国』『店の話』『優しい国』『旅の途中』『機械人形の話』『帰郷』。さらに原作者書きおろしの『卑怯者の国』が収録されている。 オリジナルの物語として合間合間に名も無き旅人の視点でプレイするパートがある。~ 中には原作でも有名なエピソードの一つである『優しい国』のアナザーストーリーとして、この旅人がキノが来る前の『優しい国』に訪れるエピソードもある。~ 他にもこの旅人が原作のキャラと絡むアドベンチャーパートのエピソードはあるのだが、本作ではその中でも優しい国アナザー「噂どおりの国」が非常に評価が高い。 **特徴 -本作は『キノの旅』を原作とする内容を声優が読み上げるノベルパートと、合間に挿入される、名も無き旅人がキノが旅した場所を偶然訪れることから始まるアドベンチャーパートが存在する。 --逆に言えばゲームとして取り上げて目立った特徴はない。ミニゲームなども名も無き旅人が遭遇するエピソードで一部存在するだけ。 **評価点 -ノベルパートの雰囲気作りがしっかりと出来ている。 --発売時期を見ても、おそらく本作は放送されたアニメ版(2003年4月~7月まで放送)より先に開発が始まっているが、本作はしっかりキノの旅の特徴を捉え、その空気を壊さないよう製作されているのがわかる。 --収録されているエピソードはキノにまつわるのものばかりであるが、チョイス自体はさほど悪くない。 --『店の話』では、店主の声優に若本規夫氏を起用。まだ若本氏が若本節で有名になる前の作品であったことから、朗読の調子も間延びした感じがなく、雰囲気を崩してはいない。 ---ちなみにIIではお馴染みの若本節がやや取り入れられており、店主の印象も異なる。 --悠木碧氏(当時・八武崎碧)にとっては正式な意味での声優デビュー作でもある。 --BGMなども作品の雰囲気を決して壊してはいない。ちなみにそれぞれのエピソード専用のBGMが用意されている。 -アドベンチャーパートの良い塩梅。 --キノがかつて訪れた場所に、偶然名も無き旅人が訪れ、様々な出来事に遭遇するという内容。 --個性を出来る限り取り払っているため、IIのセイ以上にこちらのほうがキャラが曖昧で逆に没入出来るというプレイヤーもいる。 --なお、IIにおけるバッドエンドに繋がる選択肢の一つ「金を出せ」→「冗談、だったのに…」のネタは元々本作で生まれた流れである。 --特に『優しい国アナザー -噂どおりの国-』の評価は高い。このエピソードに限り、旅人はキノより早く『優しい国』に訪れることになるのだが…。 #region(close,噂どおりの国の内容) 名も無き旅人が、以前の旅の仲間から「とても親切で良い国」だと紹介されて『優しい国』へと向かった。~ しかし、国の入り口を守る門番の態度は野盗のようで、そこで暮らす住民は子供も大人も余所者である旅人に対し敵意を示し、意地悪ばかりする。~ あげく、泊まった宿の待遇も劣悪で、旅人は騙されたと知ってガッカリする。~ ところがその中で、宿の娘である「さくら」だけは彼にとても親切にしてくれたため、彼女ととても仲良くなる。~ 旅人はさくらから「『金色の羽を持つ鳩』に、鈴を付けて塔から飛ばすと願いが叶う」という国の言い伝えを聞き、親切にしてくれた彼女の願いを叶えるため、奔走する。~ なんとか旅人は『金色の羽根を持つ鳩』を捕まえ、さくらに渡すことが出来た。さくらはこの国の人々が余所者に親切になるよう願って鳩を放つ。~ すると、翌日から国の人々の態度が一変し、親切になった。願いが叶ったと喜ぶさくらに見送られながら、旅人は心地よい気持ちで国を絶つ。~ 道中で、これから『優しい国』に向かうという若い旅人キノと名も無き旅人は出会う((ゲーム中、唯一キノと名も無き旅人が接触するシーン。))。キノに国の印象を聞かれた旅人はこう答えた。~ 『''噂どおりの国でしたよ。少なくとも私にとってはね''』 #endregion -グラフィックは、原作のイラストレーターである黒星紅白氏のものが使われている。 --描き下ろしも多数で、いずれも良質。『旅の途中』ではデフォルメされたキノ達のイラストを観ることが出来る。 --書きおろしエピソード『卑怯者の国』の存在。 ---唯一プレイヤーが「キノ」の選択肢を選ぶパートでもある。後に原作でも収録された。 **問題点 //-ゲームとしては目立った特徴はない。 //--ノベルゲーム故にそんなものは必要ないと言われればそこまでであるが、アドベンチャーパートにいくらか仕掛けが施されていたのを見ると惜しい点ではある。 //--また、音読されるだけでもノベル作品として最低限の内容は保持しているので、フルボイスノベルゲームとしての問題点は特に見られない。 //別に問題じゃないだろう、これは -パズルパートだけ別ゲーム。 --特になんてことのないパズルゲームなのだが、失敗すると旅人が死亡するため、悠長にパズルを解くわけにもいかなかったりする。 -子供キャラの声優にリアルに子役の声を使っていることに批判が多い。 --この辺はTVアニメ版とある程度意識を合わせた様子。子供の声は当時子役だった悠木氏を含めて、仕方ないとはいえ棒読み気味である。 --なお、『病気の国』のイナーシャは、本作から時間が経過したためという理由もあるだろうが、劇場版では子役の春日清花氏から声優の川澄綾子氏に変更されている。 **総評 初めてのゲーム化でありながら、よく原作の特徴や空気を捉えており、人によっては同時期に放送されたTVアニメ版よりも好評である。~ アドベンチャーパートの内容も実によく練られており、コメディ要素からシリアス要素まで隙は少ない。~ 地味な内容ではあるが、ファンアイテムとしては良質な作品であると言えるだろう。 **余談 -2005年12月1日には続編の『[[キノの旅II -the Beautiful World-]]』が発売。 --本作と同じく原作の雰囲気を再現できている。 -本作を契機に悠木碧氏は声優業界に興味を持ったとのだが、彼女は巡り巡ってなんとアニメに限定すれば二代目のキノ役として抜擢されることとなった。 --このことから、演技こそ褒められたものではないものの「''人材を発掘した''」という意味で本作を評価する声も一部存在する。 --ちなみに本作はアドベンチャーパートの「優しい国」の前日譚でも出演しているため、非常にセリフ量が多い。

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