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サイドワインダーV - (2024/03/13 (水) 21:23:20) の1つ前との変更点
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*サイドワインダーV
【さいどわいんだーぶい】
|ジャンル|フライトシューティング|&amazon(B0000A1WL3)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|アスミック・エース エンタテインメント|~|
|開発元|ピット・タウン|~|
|発売日|2003年12月13日|~|
|定価|6,800円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[サイドワインダーシリーズリンク>サイドワインダーシリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
サイドワインダーシリーズの5作目。前作とほぼ同じシステムに、いくつかの新要素が盛り込まれた、事実上の最終作。~
ストーリーは前作の続編に当たる。ただし、主人公は前作とは別人。前作の作風は暗くて地味だったが、本作では逆に明るくて派手になっている。
**ストーリー
>西暦20XX年。~
「世界連合」傘下の超国家的軍隊「フロンティア・ネーションズ(略称FN)」と、敵対陣営「WORF」間に勃発した地球規模の戦争は、のべ一年の長きにわたる戦いの末、「FN」側の勝利によって終結した。~
~
しかし終戦後の世界再編をめぐり、対立を深めていく「世界連合」陣営各国。~
北アメリカ大陸を最重要拠点と定め、事態の立て直しを図ろうとする主流派。~
覇権を握られ、自らの国家が衰退していくことを恐れた反主流派のヨーロッパ各国。~
~
旧WORF陣営の残存勢力は秘密裡に反主流派に接触を図り結託、「世界連合」反主流派各国が持つ軍事/工業力と、旧WORFの遺産である巨大兵器プロジェクトの技術が一体になり、新たな陣営が形成された。~
~
「FN-WORF戦争」終結からおよそ三年後。~
「ANGIL」と名乗るその陣営は、「世界連合」主流国及び、超国家的軍隊「FN」へとついに反旗を翻した。
※取扱説明書より
**特徴
***システム
-新たにVTOL機による垂直離着陸が可能になった。一部ミッションでこれを活用する。
-難易度ハードのみ、チャフ/フレアは手動で発射する。
-追加兵器
--AAG-700:短射程万能ミサイル。対潜攻撃も可能。フレアで回避される。
--AAM-170:短射程対空ミサイル。チャフ/フレアに対して耐性を持つ。
--ASM-99:中射程対潜対艦ミサイル。対地攻撃は不可能。
--HLAU-02:万能ホーミングランチャー。対潜攻撃も可能。
--HG-01B:放水ランチャー。SPミッション2のみで使用。
--PM-610A:高貫通ガトリング砲。対潜攻撃も可能。
-ミッション中に僚機に対して行動指示を出せる。
--援護:一番近くにいる僚機がプレイヤーを援護する。
--対空:全僚機に対空攻撃させる。
--対地:全僚機に対地攻撃させる。対地兵器のない僚機はこの指示を無視する。
-ゲーム進行状況に応じて、タミヤのボックスアートを収集できる。全100種類。
***ゲームモード
-キャンペーン
--与えられたミッションをクリアしていくメインモード。
--一度クリアしたミッションでも再挑戦可能。
--一部のミッションをクリアするとムービーが流れる。
--「i.LINK」を使った2人協力プレイも可能。
-トレーニング
--ミッション
---各種訓練が行える。
---着陸訓練では難易度に応じて、空港、空母、VTOL基地への帰還の練習ができる。
--ドッグファイト
---前作と同様の対戦訓練。
--フリーフライト
---マップ内を自由に飛行できる。
---一部マップのオブジェクトは破壊可能。
-2プレイヤー
--画面分割プレイと「i.LINK」プレイのどちらかを選択する。
--ドッグファイトと、撃墜数を競ったり峡谷突破レースでタイムを競ったりするタイムトライアルがある。
**評価点
***システム
-自機の仕様にさらなる改良が加えられた。
--機動性と安定性が大きく向上。F-25やX-29などの高機動機で特に実感しやすい。
--HUD視点でもカメラを動かせる。
--コンパスリボンで、全方位にいる敵味方の航空機及びその高度、ミサイルの位置を確認できる。
--ミサイルアラートで、敵のミサイルとの距離が数値で表示される。
--ミッション中に僚機に指示を出せる。このため、臨機応変な戦いが可能になった。
--ポーズしなくてもGPSでリアルタイムにマップを確認可能。
-''リプレイがより進化した。普段リプレイを見ないフライトゲームファンでも一見の価値あり。''
--BGMと効果音の両方が流れる。
--視点が追加され、計5種類になった。
--各視点でカメラ切り替え時間を変更できる。
--各種フォーカス視点の迫力が増した。
---遠方カメラを使った臨場感ある視点で見られる。
---ある機体を映しながら遠方にいる機体をズームアップして対比させるなどの、様々な演出が用意されている。
---''何らかのユニットへのミサイル攻撃が命中する時間が近付くと、最優先でミサイルカメラに切り替わる。''ミサイルにはカメラがズームアップされるため、非常にスピード感がある。しかも、一部のミサイルの場合、赤外線カメラ視点にも切り替わる。そして最後に、画面一杯に命中シーンが映し出される。
---''ミサイルが外れるシーンは映らないので、命中シーンを見逃すことが最小限に抑えられている((エースコンバット、エアロダンシング、エナジーエアフォースなどのリプレイにもミサイル視点はあるが、非命中シーンまでカットしてくれるものはほとんどない。))。''
---地上部隊などを映したくなければ、航空機のみのフォーカスも選択できる。
--自機専用カメラでは様々な視点を選択可能。前作では好きな視点で見られなかったことが改善されている。
--前作では隠し要素だったACMIモードが標準搭載された。
---自機、僚機、友軍機、敵機など、航空機であれば全てのユニットにフォーカスを当てられる。
---アングルは任意で変更可能。
---ミサイル、機銃の軌跡も分かる。さらに、命中したかどうかも表示してくれる。
-作品全体の雰囲気作りが徹底している。
--簡素で未来的だった前作とは全く異なり、80年代風の派手な作風に変わった。
--メニュー画面やブリーフィング中のBGMも作風に似合ったものが使用されている。
--項目選択時の演出は凝っているが、『MAX』のようにゲームテンポを崩すものではなく、邪魔にならない。
--ブリーフィング時に表示される一枚絵は、タミヤボックスアート風のもの。
--一枚絵のみならず、プリレンダリングムービーでさえボックスアート風になっている。普通のCGとは違った趣がある。
***機体
-使用可能機体数は19機。『2』には及ばずとも、著名な機体は一通り抑えられている。
-架空機が増えた。続投したF-25以外にも、オリジナルの架空機1機と、実在機を基にした超高性能型が2機存在する。
-VTOL機で垂直離着陸が可能になった。
-各機に3つのカラーパターンが用意されている。
***ミッション
-総数が25個に増え、ボリュームが増した。
-''非常に個性的なミッションの数々。その派手さはエースコンバットにも全く引けを取らない。''架空兵器も登場する。以下一例。
--乱気流下、間欠泉が噴き出る峡谷内を突き進み、敵基地へ強行着陸、潜入中の諜報員を救出し、その後素早く脱出する特殊任務。
--高性能VTOL機が多数防衛する、大橋に偽装された軍事空港の破壊。
--VTOL機を使って敵の捕虜収容所内部に着陸し、味方工作部隊の脱出口を破壊する共同作戦。
--暴風雪が吹き荒れるロッキー山脈上空での大規模制空戦。敵エース部隊との対決もあり。
--富士山火口に設置された敵地熱プラント施設の破壊。
--『2』以来となる火災消火任務。
--4体の二足歩行機動兵器が防衛する超巨大要塞攻略戦。
--多数の護衛機を相手にしつつ高高度浮遊要塞を破壊し、最後に敵エース部隊隊長機と決着を付ける最終ミッション。
-ゲームクリアし、なおかつ一定条件を満たすと、敵側の立場でミッションをプレイできるエクストラミッションが追加される。
--立場が反転するだけで全く違う内容となっており、新鮮さがある。
--難易度は元のミッションより高いが、特殊な攻略を要するものがないため、程よいやり応えとなっている。
-一部ミッションでは、マップ内の基地・空母に着陸・着艦することで補給が可能になった。
-一つのデータで全ての難易度設定でプレイできるようになった。
***BGM
-ミッション用BGMは全28曲も用意されている。
-オリジナルBGMのみならず、アスミックの過去作に使用されたBGMも登場する。
--『エアダイバー』『スーパーエアダイバー』の一部BGMのアレンジ版。
--『2』『MAX』のほぼ全てのBGM。全て新規に名称が付けられた。『2』にはエンディング曲「Count Down(旧名・ENDING)」も存在する。
-''BGMはミッション開始前に自由に選曲可能。''
--過去作に存在したものと似たような内容のミッションで、同じBGMを選んで懐かしむこともできる。以下一例。
---大橋を破壊するSPミッション1で「RUN!RUN!RUN!」((『MAX』のミッション8の再現。))。
---火災消火を行うSPミッション2で「Scuffle(旧名・THEME)」((『2』のミッション2-3の再現。))。
---夜間ミッションで「Wind up」((『MAX』の夜間ミッションはこれで統一されている。))。
--''最終ミッションで『2』のエンディング曲を使えば、曲調とミッション内容が合致していて盛り上がること間違いなし。''
**賛否両論点
***難易度
-''ただでさえ難しかった前作よりもさらに上がった難易度。''イージーの時点で同時期に発売されていたエースコンバットの難易度エースよりも難しい。
--特殊な攻略法や綿密なパターン化を要し、初見ではまずクリア不可能なミッションが多い。その象徴とも言えるのがミッション4の峡谷突破。
---まず、狭い空間を飛ぶことが基礎の不十分な初心者にとって厳しく、『MAX』以降のシリーズ独特の挙動への慣れの必要性もあって、飛ぶだけでも常にミスと隣り合わせの状態である。
---峡谷内には多数の対空砲や障害物の氷塊、突如噴出してくる間欠泉があり、ただ飛ぶだけでは攻略できない。ただし難易度によってスタート地点が変更される。イージーでは峡谷の中盤以降から始まる上に氷塊や間欠泉は無い。
---そして、敵基地に辿り着いたら対空砲の弾幕を掻い潜り、着陸を行わなければならない。前作同様、自機の仕様故に着陸が難しく、その上これを素早くする必要があるので、慣れていないと非常にミスしやすい。悠長に飛べば集中砲火を受け、たとえ耐え抜いても体勢を無理矢理崩されて着陸失敗というオチが待っている。
--相変わらず、戦闘艦と超兵器の破壊部位の当たり判定が小さい。
--説明書の内容、トレーニングモード、イージー操作設定、ミッション開始前の難易度変更、攻略用リプレイなど、初心者に対する配慮は豊富に存在する。腕に自信がない人は、これら(特に攻略用リプレイの参照)を有効に活用しないとクリアは難しい。
-前作同様、難易度ハードによる一部ミッションでのSランク獲得が運ゲー。本作もやり込みにハードは関わってこないので、挑戦はプレイヤーの意志次第。
-破壊目標が最初から配置されているステージが多く、1ステージは短め。
--慣れていると1分程度で終わるステージも出てくる
--エースコンバットのように無線や演出で待たされるようなステージは無いため、テンポ良くプレイしたい人にとっては高評価。
**問題点
***ストーリー
#region(ネタバレ)
-続編を匂わせておきながら解説不足なラスト。
--敵エース部隊隊長は元FNのパイロットで、前作の僚機でもあった人物である。彼は最終ミッションで最期に、「高高度浮遊要塞を開発したのはFNで、我々はその研究結果を利用したに過ぎず、FNが本性を表した時こそが世界の終わりになる」という台詞を残す。
--しかし、エピローグなどではそのことに触れておらず、そのまま物語は終了する。僚機の内の一人が唯一その発言を気にかけるが、別の僚機に気にするなと言われるだけ。
--また、彼がFNを裏切った理由が「やり方が気に入らなかった」程度しか分からず、明確な理由に欠ける。
#endregion
***システム
-機銃を長時間連射し続けると温度が上昇してオーバーヒートする。このため、気楽に撃てなくなった。ゲームに直接関わる自機の仕様については唯一改悪された点。
-前作同様、ロックできない敵の名前と距離は表示されない。
-コクピット視点にするとBGMの音量が下がる。
-VTOL機は垂直離着陸機能でしか着陸・着艦できない。このため、素早い補給が難しく、一部ミッションでは足枷になる。
-機体カラーを選択できるのはミッション4終了後のみ。途中変更は不可能。別のカラーを選択したい場合は、新たなデータを作る必要がある。
***BGM
-『2』『MAX』のBGMは完全網羅ではない。
--『2』では唯一「DIVER」が登場せず。
--『MAX』ではジム及びビリーとの対戦訓練用BGMがない。
**総評
サイドワインダーだけではなくエアダイバーも含めた、''アスミック・エースのフライトシューティングゲームの集大成と呼べる作品。''~
エアダイバー時代から受け継いできたシステムと『MAX』基準のシステムは本作で完成したと言える。~
システムだけでなく、ミッションやBGMも、シリーズ経験者を楽しませる要素になっており、本作の特徴や評価点に含まれる。~
やり込み要素は豊富で、機体とミッションを全て揃えるだけでも長く楽しめる。難易度ノーマル以下でもSランク制覇はかなり歯応えがある。~
「難しいフライトゲームをやってみたい」というプレイヤーに向いている反面、フライトゲーム未経験者には大変厳しい。ハードルの高さはフライトシミュレーションにも匹敵する。
*サイドワインダーV
【さいどわいんだーぶい】
|ジャンル|フライトシューティング|&amazon(B0000A1WL3)|
|対応機種|プレイステーション2|~|
|発売元|アスミック・エース エンタテインメント|~|
|開発元|BIT TOWN|~|
|発売日|2003年12月13日|~|
|定価|6,800円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[サイドワインダーシリーズリンク>サイドワインダーシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
サイドワインダーシリーズの5作目。前作とほぼ同じシステムに、いくつかの新要素が盛り込まれた、事実上の最終作。~
ストーリーは前作の続編に当たる。ただし、主人公は前作とは別人。前作の作風は暗くて地味だったが、本作では逆に明るくて派手になっている。
**ストーリー
>西暦20XX年。~
「世界連合」傘下の超国家的軍隊「フロンティア・ネーションズ(略称FN)」と、敵対陣営「WORF」間に勃発した地球規模の戦争は、のべ一年の長きにわたる戦いの末、「FN」側の勝利によって終結した。~
~
しかし終戦後の世界再編をめぐり、対立を深めていく「世界連合」陣営各国。~
北アメリカ大陸を最重要拠点と定め、事態の立て直しを図ろうとする主流派。~
覇権を握られ、自らの国家が衰退していくことを恐れた反主流派のヨーロッパ各国。~
~
旧WORF陣営の残存勢力は秘密裡に反主流派に接触を図り結託、「世界連合」反主流派各国が持つ軍事/工業力と、旧WORFの遺産である巨大兵器プロジェクトの技術が一体になり、新たな陣営が形成された。~
~
「FN-WORF戦争」終結からおよそ三年後。~
「ANGIL」と名乗るその陣営は、「世界連合」主流国及び、超国家的軍隊「FN」へとついに反旗を翻した。
※取扱説明書より
**特徴
***システム
-新たにVTOL機による垂直離着陸が可能になった。一部ミッションでこれを活用する。
-難易度ハードのみ、チャフ/フレアは手動で発射する。
-追加兵器
--AAG-700:短射程万能ミサイル。対潜攻撃も可能。フレアで回避される。
--AAM-170:短射程対空ミサイル。チャフ/フレアに対して耐性を持つ。
--ASM-99:中射程対潜対艦ミサイル。対地攻撃は不可能。
--HLAU-02:万能ホーミングランチャー。対潜攻撃も可能。
--HG-01B:放水ランチャー。SPミッション2のみで使用。
--PM-610A:高貫通ガトリング砲。対潜攻撃も可能。
-ミッション中に僚機に対して行動指示を出せる。
--援護:一番近くにいる僚機がプレイヤーを援護する。
--対空:全僚機に対空攻撃させる。
--対地:全僚機に対地攻撃させる。対地兵器のない僚機はこの指示を無視する。
-ゲーム進行状況に応じて、タミヤのボックスアートを収集できる。全100種類。
***ゲームモード
-キャンペーン
--与えられたミッションをクリアしていくメインモード。
--一度クリアしたミッションでも再挑戦可能。
--一部のミッションをクリアするとムービーが流れる。
--「i.LINK」を使った2人協力プレイも可能。
-トレーニング
--ミッション
---各種訓練が行える。
---着陸訓練では難易度に応じて、空港、空母、VTOL基地への帰還の練習ができる。
--ドッグファイト
---前作と同様の対戦訓練。
--フリーフライト
---マップ内を自由に飛行できる。
---一部マップのオブジェクトは破壊可能。
-2プレイヤー
--画面分割プレイと「i.LINK」プレイのどちらかを選択する。
--ドッグファイトと、撃墜数を競ったり峡谷突破レースでタイムを競ったりするタイムトライアルがある。
**評価点
***システム
-自機の仕様にさらなる改良が加えられた。
--機動性と安定性が大きく向上。F-25やX-29などの高機動機で特に実感しやすい。
--HUD視点でもカメラを動かせる。
--コンパスリボンで、全方位にいる敵味方の航空機及びその高度、ミサイルの位置を確認できる。
--ミサイルアラートで、敵のミサイルとの距離が数値で表示される。
--ミッション中に僚機に指示を出せる。このため、臨機応変な戦いが可能になった。
--ポーズしなくてもGPSでリアルタイムにマップを確認可能。
-''リプレイがより進化した。普段リプレイを見ないフライトゲームファンでも一見の価値あり。''
--BGMと効果音の両方が流れる。
--視点が追加され、計5種類になった。
--各視点でカメラ切り替え時間を変更できる。
--各種フォーカス視点の迫力が増した。
---遠方カメラを使った臨場感ある視点で見られる。
---ある機体を映しながら遠方にいる機体をズームアップして対比させるなどの、様々な演出が用意されている。
---''何らかのユニットへのミサイル攻撃が命中する時間が近付くと、最優先でミサイルカメラに切り替わる。''ミサイルにはカメラがズームアップされるため、非常にスピード感がある。しかも、一部のミサイルの場合、赤外線カメラ視点にも切り替わる。そして最後に、画面一杯に命中シーンが映し出される。
---''ミサイルが外れるシーンは映らないので、命中シーンを見逃すことが最小限に抑えられている((エースコンバット、エアロダンシング、エナジーエアフォースなどのリプレイにもミサイル視点はあるが、非命中シーンまでカットしてくれるものはほとんどない。))。''
---地上部隊などを映したくなければ、航空機のみのフォーカスも選択できる。
--自機専用カメラでは様々な視点を選択可能。前作では好きな視点で見られなかったことが改善されている。
--前作では隠し要素だったACMIモードが標準搭載された。
---自機、僚機、友軍機、敵機など、航空機であれば全てのユニットにフォーカスを当てられる。
---アングルは任意で変更可能。
---ミサイル、機銃の軌跡も分かる。さらに、命中したかどうかも表示してくれる。
-作品全体の雰囲気作りが徹底している。
--簡素で未来的だった前作とは全く異なり、80年代風の派手な作風に変わった。
--メニュー画面やブリーフィング中のBGMも作風に似合ったものが使用されている。
--項目選択時の演出は凝っているが、『MAX』のようにゲームテンポを崩すものではなく、邪魔にならない。
--ブリーフィング時に表示される一枚絵は、タミヤボックスアート風のもの。
--一枚絵のみならず、プリレンダリングムービーでさえボックスアート風になっている。普通のCGとは違った趣がある。
***機体
-使用可能機体数は19機。『2』には及ばずとも、著名な機体は一通り抑えられている。
-架空機が増えた。続投したF-25以外にも、オリジナルの架空機1機と、実在機を基にした超高性能型が2機存在する。
-VTOL機で垂直離着陸が可能になった。
-各機に3つのカラーパターンが用意されている。
***ミッション
-総数が25個に増え、ボリュームが増した。
-''非常に個性的なミッションの数々。その派手さはエースコンバットにも全く引けを取らない。''架空兵器も登場する。以下一例。
--乱気流下、間欠泉が噴き出る峡谷内を突き進み、敵基地へ強行着陸、潜入中の諜報員を救出し、その後素早く脱出する特殊任務。
--高性能VTOL機が多数防衛する、大橋に偽装された軍事空港の破壊。
--VTOL機を使って敵の捕虜収容所内部に着陸し、味方工作部隊の脱出口を破壊する共同作戦。
--暴風雪が吹き荒れるロッキー山脈上空での大規模制空戦。敵エース部隊との対決もあり。
--富士山火口に設置された敵地熱プラント施設の破壊。
--『2』以来となる火災消火任務。
--4体の二足歩行機動兵器が防衛する超巨大要塞攻略戦。
--多数の護衛機を相手にしつつ高高度浮遊要塞を破壊し、最後に敵エース部隊隊長機と決着を付ける最終ミッション。
-ゲームクリアし、なおかつ一定条件を満たすと、敵側の立場でミッションをプレイできるエクストラミッションが追加される。
--立場が反転するだけで全く違う内容となっており、新鮮さがある。
--難易度は元のミッションより高いが、特殊な攻略を要するものがないため、程よいやり応えとなっている。
-一部ミッションでは、マップ内の基地・空母に着陸・着艦することで補給が可能になった。
-一つのデータで全ての難易度設定でプレイできるようになった。
***BGM
-ミッション用BGMは全28曲も用意されている。
-オリジナルBGMのみならず、アスミックの過去作に使用されたBGMも登場する。
--『エアダイバー』『スーパーエアダイバー』の一部BGMのアレンジ版。
--『2』『MAX』のほぼ全てのBGM。全て新規に名称が付けられた。『2』にはエンディング曲「Count Down(旧名・ENDING)」も存在する。
-''BGMはミッション開始前に自由に選曲可能。''
--過去作に存在したものと似たような内容のミッションで、同じBGMを選んで懐かしむこともできる。以下一例。
---大橋を破壊するSPミッション1で「RUN!RUN!RUN!」((『MAX』のミッション8の再現。))。
---火災消火を行うSPミッション2で「Scuffle(旧名・THEME)」((『2』のミッション2-3の再現。))。
---夜間ミッションで「Wind up」((『MAX』の夜間ミッションはこれで統一されている。))。
--''最終ミッションで『2』のエンディング曲を使えば、曲調とミッション内容が合致していて盛り上がること間違いなし。''
**賛否両論点
***難易度
-''ただでさえ難しかった前作よりもさらに上がった難易度。''イージーの時点で同時期に発売されていたエースコンバットの難易度エースよりも難しい。
--特殊な攻略法や綿密なパターン化を要し、初見ではまずクリア不可能なミッションが多い。その象徴とも言えるのがミッション4の峡谷突破。
---まず、狭い空間を飛ぶことが基礎の不十分な初心者にとって厳しく、『MAX』以降のシリーズ独特の挙動への慣れの必要性もあって、飛ぶだけでも常にミスと隣り合わせの状態である。
---峡谷内には多数の対空砲や障害物の氷塊、突如噴出してくる間欠泉があり、ただ飛ぶだけでは攻略できない。ただし難易度によってスタート地点が変更される。イージーでは峡谷の中盤以降から始まる上に氷塊や間欠泉は無い。
---そして、敵基地に辿り着いたら対空砲の弾幕を掻い潜り、着陸を行わなければならない。前作同様、自機の仕様故に着陸が難しく、その上これを素早くする必要があるので、慣れていないと非常にミスしやすい。悠長に飛べば集中砲火を受け、たとえ耐え抜いても体勢を無理矢理崩されて着陸失敗というオチが待っている。
--相変わらず、戦闘艦と超兵器の破壊部位の当たり判定が小さい。
--説明書の内容、トレーニングモード、イージー操作設定、ミッション開始前の難易度変更、攻略用リプレイなど、初心者に対する配慮は豊富に存在する。腕に自信がない人は、これら(特に攻略用リプレイの参照)を有効に活用しないとクリアは難しい。
-前作同様、難易度ハードによる一部ミッションでのSランク獲得が運ゲー。本作もやり込みにハードは関わってこないので、挑戦はプレイヤーの意志次第。
-破壊目標が最初から配置されているステージが多く、1ステージは短め。
--慣れていると1分程度で終わるステージも出てくる
--エースコンバットのように無線や演出で待たされるようなステージは無いため、テンポ良くプレイしたい人にとっては高評価。
**問題点
***ストーリー
#region(ネタバレ)
-続編を匂わせておきながら解説不足なラスト。
--敵エース部隊隊長は元FNのパイロットで、前作の僚機でもあった人物である。彼は最終ミッションで最期に、「高高度浮遊要塞を開発したのはFNで、我々はその研究結果を利用したに過ぎず、FNが本性を表した時こそが世界の終わりになる」という台詞を残す。
--しかし、エピローグなどではそのことに触れておらず、そのまま物語は終了する。僚機の内の一人が唯一その発言を気にかけるが、別の僚機に気にするなと言われるだけ。
--また、彼がFNを裏切った理由が「やり方が気に入らなかった」程度しか分からず、明確な理由に欠ける。
#endregion
***システム
-機銃を長時間連射し続けると温度が上昇してオーバーヒートする。このため、気楽に撃てなくなった。ゲームに直接関わる自機の仕様については唯一改悪された点。
-前作同様、ロックできない敵の名前と距離は表示されない。
-コクピット視点にするとBGMの音量が下がる。
-VTOL機は垂直離着陸機能でしか着陸・着艦できない。このため、素早い補給が難しく、一部ミッションでは足枷になる。
-機体カラーを選択できるのはミッション4終了後のみ。途中変更は不可能。別のカラーを選択したい場合は、新たなデータを作る必要がある。
***BGM
-『2』『MAX』のBGMは完全網羅ではない。
--『2』では唯一「DIVER」が登場せず。
--『MAX』ではジム及びビリーとの対戦訓練用BGMがない。
**総評
サイドワインダーだけではなくエアダイバーも含めた、''アスミック・エースのフライトシューティングゲームの集大成と呼べる作品。''~
エアダイバー時代から受け継いできたシステムと『MAX』基準のシステムは本作で完成したと言える。~
システムだけでなく、ミッションやBGMも、シリーズ経験者を楽しませる要素になっており、本作の特徴や評価点に含まれる。~
やり込み要素は豊富で、機体とミッションを全て揃えるだけでも長く楽しめる。難易度ノーマル以下でもSランク制覇はかなり歯応えがある。~
「難しいフライトゲームをやってみたい」というプレイヤーに向いている反面、フライトゲーム未経験者には大変厳しい。ハードルの高さはフライトシミュレーションにも匹敵する。