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*さくら、咲きました。 【さくらさきました】 |ジャンル|エモーション学園ヒューマンビジュアルノベル|&amazon(B007V2RUW6)| |対応機種|Windows XP~7|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|SORAHANE|~| |発売日|2012年8月24日|~| |定価|8,800円(税別)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |配信|2013年10月18日/2,287円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|CG・音楽は標準水準以上&br;自己中が激しすぎてキャラ萌えは難しい&br;''読み物としてもSFとしても低レベルな出来''|~| |>|>|CENTER:''SORAHANE作品''&br()[[AQUA]] - ''さくら、咲きました。'' - [[はるかかなた]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ヒューマンノベルを売りとするメーカー「SORAHANE」の第2作。~ 『[[AQUA]]』の設定よりも更に未来の設定となり、不老不死の体を手に入れた主人公やヒロインたちを描いたSFラブコメ~ 前作で評価を得た重厚なシリアス展開とは打って代わり、日常系ラブコメに近いような宣伝を行っていた。~ なお、物語の舞台のモデルとなったのは山形県新庄市および最上郡(一部は山形市)。~ エロゲーでは珍しく、地方の小都市である新庄市でのプロモーション活動も行うなど、気合だけは感じられた。 ---- **ストーリー #blockquote(){ 『臨時ニュースをお伝えします。今日も桜が満開でしょう―――』~ テレビから流れる、いつもと変わらないニュース。~ 春という名前の時間が、今日も流れていた。~ 「さーくん。部活、なくなっちゃったんだっけ?」~ 昨日、2238年度の始業式と入学式が行われた。~ そして、部活始業の日でもあった。~ 「なんかよくわかんねーけど……廃部になってた」~ 田舎町の学園の水泳部だからって、あんまりな扱いだ。~ 「だったら、生活部に入らない? 楽しいよっ!」~ つばめの表情は 「この時を待ってました!」 と、言わんばかりの笑顔だった。~ 「めーは、いつも生活部のことを話しするけどさ。一体、どんな部活なんだ?」~ 「うーんと、簡単に説明すると…… 生きる活力を探求する、楽しい部のことだよ!」~ まったく訳が分からなかった。 「わたしたちってさ、トコシエだよね。だから、とことん楽しく生きなきゃダメなんだよ」~ 老化のない世界、トコシエの世界。~ 永久にこの命が続くんだから、それはきっと……~ 「楽しくかぁ、そうかもしれないな」~ 「そうかもしれない……じゃなくって、そーなんだよっ!」~ 俺たちはまだ、生まれたばかりなのかもしれない。~ この長い長い、命の中で。~ 「めー、時計見ろ! ぼやっとしてたら、もう時間だぞ!」~ 「本当だっ、もうこんな時間! おかあさん、行ってきます!」~ 「めー、待てっ! 俺をおいていくなっ!」~ この永遠にも似た春の中で、この咲き誇る桜の下で。~ 俺たちは、春をする―――~ } ([[公式サイト>http://www.sorahane.org/sakusaki/story.html]]より引用) ---- **キャラクター紹介 #region(''公式サイトより引用・要約'') -春野 つばめ 座右の銘: 「直球ど真ん中で勝負!」~ 明るく元気で、男子でも友達のように付き合える、主人公の幼なじみ。~ 移動スーパー 『黒沢屋』 でアルバイトをしており、村の子供・お年寄りにも人気がある。~ 家事全般が得意で、家ではすずめに代わって母親役をしている(すずめが娘役)。~ 学園ではその持ち前の明るさで、アイドル的人気がある(しかし本人は気付いていない)。~ 小さい頃から、翼のことを 「さーくん」 と呼んでいる。 -烏丸 都 座右の銘: 「睡眠はしっかりと」~ 学校にいる間は静かで清楚な印象なので、高嶺の花に見える。~ しかし実は、夜更かしして居眠りをしているだけの生活部副部長。~ 自由奔放な部長と、ノリのいいつばめをまとめる、生活部の女房役。~ 家で経営している和風喫茶「しとらん亭」で、ウェイトレスのバイトをしている。~ 実妹の奏を溺愛しており、奏だけは怒りを買わずに都を眠りから覚ますことができる。 -湊 美羽 座右の銘: 「座右の銘を持たないこと」~ 無口でクール、頭脳明晰だけど、ニヒルで人生に対し諦観を持っている新入部員。~ やる気のない態度を見せるが、頼み事は断らないため、何を考えているのか分かりにくい。~ 構ってくる主人公やつばめをうざいと思っているが、自由主義の部長のことは嫌っていない。~ ツッコミどころ満載な部員たちに対するツッコミ役。~ ゲームショップ 『ディーガル』 で店員のアルバイトをしており、趣味はエロゲーと公言している。 -新庄 翼 座右の銘: 「特になし」~ 勉強もスポーツもそこそこできるが、特段得意とも言い切れない普通の学生。~ 名前のせいで、他人から爽やかすぎる人間像を作り上げられてしまうことを重圧に感じている。~ 1年の頃は水泳部に所属していたが、2年になって廃部になり、成りゆきで生活部に入ることになる。~ つばめとはお隣さんで幼なじみであり、翼はいつも春野家にはお世話になっている。~ 小さい頃はつばめのことを 「めーちゃん」 と呼んでいたが、今は 「めー」 と呼んでいる。 -白鷹 すみれ 座右の銘: 「即断即決即行動」~ 数々の伝説を持つ、生活部部長。~ ざっくばらんな性格で、何事にも動じず、何事も気にしない。~ 部員たちからの信頼は絶大で、なにかと頼りにされている。~ 視力が悪いわけではないらしいが、外出する時には眼鏡をかける(本人曰く、眼鏡っ子萌え)。~ 女子部員へのセクハラ行為や、下ネタ談義が趣味。 -烏丸 奏 座右の銘: 「もっと自信を持って!」~ 引っ込み思案で人見知りが激しい、都の妹。~ 運動神経が鈍く、なにかとつまずいたりぶつかったりする。~ 都に誘われて、去年から生活部の部室へよく遊びに来ている。~ 絵を描くのが得意で、常にスケッチブックを手にしている。~ 子供っぽい外見が気になるらしく、姉の胸の大きさに憧れている(特訓中)。 -天使突抜 瀬利華 座右の銘: 「エレガント・イズ・マイライフ」~ 元天使突抜グループ令嬢で、生活部の天敵であるプライドが高い学生会長。~ 学園では絶対的な権力を持ち、主人公が所属していた水泳部を潰した張本人。~ 生活部に頻繁に出入りし 部を潰すと脅しをかけるが、ことごとくすみれ(部長)に返り討ちにされてしまう。~ 胸の小ささが玉に瑕で、指摘されると怒り出す。~ 巻き髪がトレードマークだが、実は…… -さくら 座右の銘: 「生きる意味って何なの?」~ 悲しいながらも、強い瞳を持つ少女。~ 他人との関係を拒絶し、俗世間から身を引いている。~ 姿は少女だが、その言葉は大人びており、達観した印象すら受ける。~ 生きることと死ぬことの意味を、常に考えている。~ その姿は明るい世界とは対象に、暗い影を落としている。 #endregion ---- **評価点 -秀逸な音楽 --前作に引き続き、音楽については文句がない出来である。 --ただし、一部に空気感が異なるものが入っているのは残念ではある。 -質が高いCG --前作同様、今作もキャラクターCGや背景の完成度は高め。 ---桜が咲いているシーンなどは圧巻。 ---ただよく見てみると全体的に前作より塗りが甘くなっている。 --若干ヒロインの体格がロリ方向へと傾いており、その点は好き嫌いが分かれる。 -システム面 --『[[AQUA]]』で好評だったシステムを継続。シナリオプレイヤー機能なども継続した。 --初回特典パッチのニッチ具合も相変わらず。 --オールクリア後は10種類ものおまけシナリオが用意されている(ただしプレイにはネット接続が必要)。 -サブキャラとの展開も多め --前作では主要3ヒロインのみであったが、今作ではサブキャラとの展開も多く作られている。シナリオの総量に関しては申し分ない。 **問題点 -世界観を無駄にする低質なシナリオ --今作もまた、SF的世界観を軸にシナリオは進んでいく。…のだが、不老不死であることによる問題と総括、隕石が落ちてきて地球が滅亡する、という大きな危機に関する展開などはお世辞にも良いとはいえない。 --主要3ヒロインによる序盤も大概な上にブツ切りエンド(後に後日談でフォローされるが見るまでに時間が空く上にそちらの評価も良いとは言い難い)。 --ネタバレシナリオになる『さくら』『桜』編での脱力感は相当なもの。一応シリアスな場面においてはとても深刻なことや不老不死の問題にそれなりに向き合っている点などは主要3ヒロインとは比べものにならないが。 --メインヒロイン達(と一部サブヒロイン)の物語の顛末はほぼヒロインたちの『自己中心的な行動』『拗ねているだけ』で占められているという何とも言えない代物。 ---その中でも美羽は境遇こそ不幸なものの、やっていることはひたすらウジウジとスネているだけというシナリオで、そこから脱却せんとする意思や展開が殆ど無い為美点が見えてこず、よほど彼女の外見やキャラそのものに萌えられない限りは印象が悪いだけで終わってしまいがち。 ---美羽以外に関しても極一部のキャラを除いて自己中心的な言動や身勝手な行動ばかりが目立ち、シナリオも微妙ならキャラ萌えもしづらい二重苦と化している。 -大半の者が不老不死という大胆な設定 --不老不死に関するあれやこれやが語られるが、''不老不死者の大半は物事を深く「考えられない」盆暗ばかりである''。無駄な設定とは言わないが人物の魅力をかえって損なっている。 --その影響なのかすぐ思い至る経済や生態バランスなどにすらほぼツッコミがなく、特に理由が述べられることもなく延々と学園に通い続けたりしつつ、その一方で美羽・瀬利華・さくらルートでは不老不死による社会問題が重要視されていてかなりあべこべな世界観になっている。 ---主人公を筆頭に、多くの登場人物は何故不老不死になることを選ばない人が居るのか理解どころか想像すら全く出来ない((死を回避してもその後どうするのかなど、常人なら浮かんで当然な想像を膨らますことさえ出来ていない。))。環境の違いと言えば聞こえは良いが、この『問題提起→想像出来ない』ということを(1つのルート内ですら)何度もユーザーは見ることになるので、長年呆然と生きてるせいで思考回路そのものが鈍りすっかりボケてしまった、といった印象になってしまいかねない。 ---作中では不老不死になることが当然の社会となっているものの、『不老不死にならない』人物も小数ながらも社会的に認知されている。その一方で『不老不死に''なれない''』ケースもあり、こちらは社会的に認知されていない模様。それでいてヤケに犯罪が少ないことが強調されていたり、これらの事情で被害をこうむっている姿なども描かれているので無駄に薄気味悪さや違和感ばかり目立つ世界になっている。すみれの過去描写から不老不死社会以前も不気味な印象が強い。 --と、まぁ程度はあれど大体がこんな人物なので、作中のさくらの試み((人口が増え続けて社会が成り立たなくなるので隕石問題(たまたま地球近くを通過する隕石を発見していた)を利用して不老不死者を宇宙に飛ばして人口を減らすと共に宇宙開拓を試みる、という国家規模のプロジェクト。))は自己中ながらも比較的穏当且つ正当なものとも言えるのだが、結果的に失敗((地球が滅亡しなかったことを知ると、宇宙に飛び立った全員が即座に時間はかかったものの(百年程度の単位)戻ってきた。その後は不老不死の意義について考えてみる(今更過ぎる)流れが生じたなどの説明もあるが差し迫っているであろう人口増加問題や解決策の一つである宇宙開拓の話はスルー。))に終わってしまい、プロジェクト及び本作のシナリオの意義そのものを疑問視する声も挙がる。 -読了感が悪いグランドエンディング #region(ネタバレ) --よりにもよってグランドエンディングで『不老不死なので気ままに生きて、飽きたら不老不死を止めればいい((不老不死はリスク無しでやめることが可能と説明される。なおこれにまつわる社会問題など要素は徹底して描かれていない。))』的な気安いノリで終わり、本作の中でも一際微妙に感じると思われる。いたずらに重い設定や描写にする必要も無いが、流石に人間の寿命を超越する行為を軽視し過ぎていると言わざるを得ない。他の個別ルートは概ね満足出来たユーザーでもこれには苦言を呈していることが多い。 ---しかも最後のルートからエンディングまででも不老不死について悩む姿を何度も描いておきながら、こんな自分本位ならば至極当然の答えに至るまでに下手すると200年以上かけている。正真正銘「難しい事を考えられない」、お花畑頭脳のまま終わるのであった。 #endregion -最初は選択肢がほとんど出ず攻略順がほぼ固定である。固定自体は別に良いのだが手順と選択肢を表示しないことに問題があり、1ルートクリアする毎に途中のシナリオ(地味な場面多し)に選択肢が追加され、そこから分岐していく仕組みになっているせいで野暮ったい。そのため初回プレイなどでは何度も最初の方から共通ルートのテキストを流す羽目になったりする。 --しかも選択肢を選んだ後に共通ルートが再び挟まったりするため、未プレイだと分かりづらいがとにかくテンポが悪い。 --選択肢が少ないので、時間は多少かかるが追加部分がどれか分からないというケースは少ないということだけは幸い。 **総評 音楽、CGなどはそこそこの出来。~ キャラは萌えられれば良いのだが、「個性的」ではあっても「魅力的」なキャラとは言いがたい。~ そして肝心のシナリオが明確な問題点であり、サブヒロインのシナリオを含めて、努力の方向をシナリオへもっと傾ければ良作になれる余地はあったといえる。~ **余談 -作中に登場するゲームショップ『ディーガル』の店内(背景CG)には、実在のアダルトゲームが大量に陳列されておりかなりカオス。このCGは公式HPでも閲覧可能。 --他にも、SORAHANEの前身となった同人サークル「トラウムブルグ7番地」の作品である『Bye』のポスターが貼ってある。 -あるエンディングにて主人公とヒロインが二人の娘を授かるのだが、その一方は「はるか」と名付けられている。 --当然次回作のヒロインとは何の関係も無い。 -2015年10月1日にauスマートパスで配信開始。 --会員なら無料でダウンロードできる。 -定額で30日間ゲームを遊び放題の「GAME 遊び放題 プラス」に本作が提供されている。 ----
*さくら、咲きました。 【さくらさきました】 |ジャンル|エモーション学園ヒューマンビジュアルノベル|&amazon(B007V2RUW6)| |対応機種|Windows XP~7|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|SORAHANE|~| |発売日|2012年8月24日|~| |定価|8,800円(税別)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |配信|2013年10月18日/2,287円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|CG・音楽は標準水準以上&br;自己中が激しすぎてキャラ萌えは難しい&br;''読み物としてもSFとしても低レベルな出来''|~| |>|>|CENTER:''SORAHANE作品''&br()[[AQUA]] - ''さくら、咲きました。'' - [[はるかかなた]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ヒューマンノベルを売りとするメーカー「SORAHANE」の第2作。~ 『[[AQUA]]』の設定よりも更に未来の設定となり、不老不死の体を手に入れた主人公やヒロインたちを描いたSFラブコメ~ 前作で評価を得た重厚なシリアス展開とは打って代わり、日常系ラブコメに近いような宣伝を行っていた。~ なお、物語の舞台のモデルとなったのは山形県新庄市および最上郡(一部は山形市)。~ エロゲーでは珍しく、地方の小都市である新庄市でのプロモーション活動も行うなど、気合だけは感じられた。 ---- **ストーリー #blockquote(){ 『臨時ニュースをお伝えします。今日も桜が満開でしょう―――』~ テレビから流れる、いつもと変わらないニュース。~ 春という名前の時間が、今日も流れていた。~ 「さーくん。部活、なくなっちゃったんだっけ?」~ 昨日、2238年度の始業式と入学式が行われた。~ そして、部活始業の日でもあった。~ 「なんかよくわかんねーけど……廃部になってた」~ 田舎町の学園の水泳部だからって、あんまりな扱いだ。~ 「だったら、生活部に入らない? 楽しいよっ!」~ つばめの表情は 「この時を待ってました!」 と、言わんばかりの笑顔だった。~ 「めーは、いつも生活部のことを話しするけどさ。一体、どんな部活なんだ?」~ 「うーんと、簡単に説明すると…… 生きる活力を探求する、楽しい部のことだよ!」~ まったく訳が分からなかった。 「わたしたちってさ、トコシエだよね。だから、とことん楽しく生きなきゃダメなんだよ」~ 老化のない世界、トコシエの世界。~ 永久にこの命が続くんだから、それはきっと……~ 「楽しくかぁ、そうかもしれないな」~ 「そうかもしれない……じゃなくって、そーなんだよっ!」~ 俺たちはまだ、生まれたばかりなのかもしれない。~ この長い長い、命の中で。~ 「めー、時計見ろ! ぼやっとしてたら、もう時間だぞ!」~ 「本当だっ、もうこんな時間! おかあさん、行ってきます!」~ 「めー、待てっ! 俺をおいていくなっ!」~ この永遠にも似た春の中で、この咲き誇る桜の下で。~ 俺たちは、春をする―――~ } ([[公式サイト>http://www.sorahane.org/sakusaki/story.html]]より引用) ---- **キャラクター紹介 #region(''公式サイトより引用・要約'') -春野 つばめ 座右の銘: 「直球ど真ん中で勝負!」~ 明るく元気で、男子でも友達のように付き合える、主人公の幼なじみ。~ 移動スーパー 『黒沢屋』 でアルバイトをしており、村の子供・お年寄りにも人気がある。~ 家事全般が得意で、家ではすずめに代わって母親役をしている(すずめが娘役)。~ 学園ではその持ち前の明るさで、アイドル的人気がある(しかし本人は気付いていない)。~ 小さい頃から、翼のことを 「さーくん」 と呼んでいる。 -烏丸 都 座右の銘: 「睡眠はしっかりと」~ 学校にいる間は静かで清楚な印象なので、高嶺の花に見える。~ しかし実は、夜更かしして居眠りをしているだけの生活部副部長。~ 自由奔放な部長と、ノリのいいつばめをまとめる、生活部の女房役。~ 家で経営している和風喫茶「しとらん亭」で、ウェイトレスのバイトをしている。~ 実妹の奏を溺愛しており、奏だけは怒りを買わずに都を眠りから覚ますことができる。 -湊 美羽 座右の銘: 「座右の銘を持たないこと」~ 無口でクール、頭脳明晰だけど、ニヒルで人生に対し諦観を持っている新入部員。~ やる気のない態度を見せるが、頼み事は断らないため、何を考えているのか分かりにくい。~ 構ってくる主人公やつばめをうざいと思っているが、自由主義の部長のことは嫌っていない。~ ツッコミどころ満載な部員たちに対するツッコミ役。~ ゲームショップ 『ディーガル』 で店員のアルバイトをしており、趣味はエロゲーと公言している。 -新庄 翼 座右の銘: 「特になし」~ 勉強もスポーツもそこそこできるが、特段得意とも言い切れない普通の学生。~ 名前のせいで、他人から爽やかすぎる人間像を作り上げられてしまうことを重圧に感じている。~ 1年の頃は水泳部に所属していたが、2年になって廃部になり、成りゆきで生活部に入ることになる。~ つばめとはお隣さんで幼なじみであり、翼はいつも春野家にはお世話になっている。~ 小さい頃はつばめのことを 「めーちゃん」 と呼んでいたが、今は 「めー」 と呼んでいる。 -白鷹 すみれ 座右の銘: 「即断即決即行動」~ 数々の伝説を持つ、生活部部長。~ ざっくばらんな性格で、何事にも動じず、何事も気にしない。~ 部員たちからの信頼は絶大で、なにかと頼りにされている。~ 視力が悪いわけではないらしいが、外出する時には眼鏡をかける(本人曰く、眼鏡っ子萌え)。~ 女子部員へのセクハラ行為や、下ネタ談義が趣味。 -烏丸 奏 座右の銘: 「もっと自信を持って!」~ 引っ込み思案で人見知りが激しい、都の妹。~ 運動神経が鈍く、なにかとつまずいたりぶつかったりする。~ 都に誘われて、去年から生活部の部室へよく遊びに来ている。~ 絵を描くのが得意で、常にスケッチブックを手にしている。~ 子供っぽい外見が気になるらしく、姉の胸の大きさに憧れている(特訓中)。 -天使突抜 瀬利華 座右の銘: 「エレガント・イズ・マイライフ」~ 元天使突抜グループ令嬢で、生活部の天敵であるプライドが高い学生会長。~ 学園では絶対的な権力を持ち、主人公が所属していた水泳部を潰した張本人。~ 生活部に頻繁に出入りし 部を潰すと脅しをかけるが、ことごとくすみれ(部長)に返り討ちにされてしまう。~ 胸の小ささが玉に瑕で、指摘されると怒り出す。~ 巻き髪がトレードマークだが、実は…… -さくら 座右の銘: 「生きる意味って何なの?」~ 悲しいながらも、強い瞳を持つ少女。~ 他人との関係を拒絶し、俗世間から身を引いている。~ 姿は少女だが、その言葉は大人びており、達観した印象すら受ける。~ 生きることと死ぬことの意味を、常に考えている。~ その姿は明るい世界とは対象に、暗い影を落としている。 #endregion ---- **評価点 -秀逸な音楽 --前作に引き続き、音楽については文句がない出来である。 --ただし、一部に空気感が異なるものが入っているのは残念ではある。 -質が高いCG --前作同様、今作もキャラクターCGや背景の完成度は高め。 ---桜が咲いているシーンなどは圧巻。 ---ただよく見てみると全体的に前作より塗りが甘くなっている。 --若干ヒロインの体格がロリ方向へと傾いており、その点は好き嫌いが分かれる。 -システム面 --『[[AQUA]]』で好評だったシステムを継続。シナリオプレイヤー機能なども継続した。 --初回特典パッチのニッチ具合も相変わらず。 --オールクリア後は10種類ものおまけシナリオが用意されている(ただしプレイにはネット接続が必要)。 -サブキャラとの展開も多め --前作では主要3ヒロインのみであったが、今作ではサブキャラとの展開も多く作られている。シナリオの総量に関しては申し分ない。 **問題点 -世界観を無駄にする低質なシナリオ --今作もまた、SF的世界観を軸にシナリオは進んでいく。…のだが、不老不死であることによる問題と総括、隕石が落ちてきて地球が滅亡する、という大きな危機に関する展開などはお世辞にも良いとはいえない。 --主要3ヒロインによる序盤も大概な上にブツ切りエンド(後に後日談でフォローされるが見るまでに時間が空く上にそちらの評価も良いとは言い難い)。 --ネタバレシナリオになる『さくら』『桜』編での脱力感は相当なもの。一応シリアスな場面においてはとても深刻なことや不老不死の問題にそれなりに向き合っている点などは主要3ヒロインとは比べものにならないが。 --メインヒロイン達(と一部サブヒロイン)の物語の顛末はほぼヒロインたちの『自己中心的な行動』『拗ねているだけ』で占められているという何とも言えない代物。 ---その中でも美羽は境遇こそ不幸なものの、やっていることはひたすらウジウジとスネているだけというシナリオで、そこから脱却せんとする意思や展開が殆ど無い為美点が見えてこず、よほど彼女の外見やキャラそのものに萌えられない限りは印象が悪いだけで終わってしまいがち。 ---美羽以外に関しても極一部のキャラを除いて自己中心的な言動や身勝手な行動ばかりが目立ち、シナリオも微妙ならキャラ萌えもしづらい二重苦と化している。 -大半の者が不老不死という大胆な設定 --不老不死に関するあれやこれやが語られるが、''不老不死者の大半は物事を深く「考えられない」盆暗ばかりである''。無駄な設定とは言わないが人物の魅力をかえって損なっている。 --その影響なのかすぐ思い至る経済や生態バランスなどにすらほぼツッコミがなく、特に理由が述べられることもなく延々と学園に通い続けたりしつつ、その一方で美羽・瀬利華・さくらルートでは不老不死による社会問題が重要視されていてかなりあべこべな世界観になっている。 ---主人公を筆頭に、多くの登場人物は何故不老不死になることを選ばない人が居るのか理解どころか想像すら全く出来ない((死を回避してもその後どうするのかなど、常人なら浮かんで当然な想像を膨らますことさえ出来ていない。))。環境の違いと言えば聞こえは良いが、この『問題提起→想像出来ない』ということを(1つのルート内ですら)何度もユーザーは見ることになるので、長年呆然と生きてるせいで思考回路そのものが鈍りすっかりボケてしまった、といった印象になってしまいかねない。 ---作中では不老不死になることが当然の社会となっているものの、『不老不死にならない』人物も小数ながらも社会的に認知されている。その一方で『不老不死に''なれない''』ケースもあり、こちらは社会的に認知されていない模様。それでいてヤケに犯罪が少ないことが強調されていたり、これらの事情で被害をこうむっている姿なども描かれているので無駄に薄気味悪さや違和感ばかり目立つ世界になっている。すみれの過去描写から不老不死社会以前も不気味な印象が強い。 --と、まぁ程度はあれど大体がこんな人物なので、作中のさくらの試み((人口が増え続けて社会が成り立たなくなるので隕石問題(たまたま地球近くを通過する隕石を発見していた)を利用して不老不死者を宇宙に飛ばして人口を減らすと共に宇宙開拓を試みる、という国家規模のプロジェクト。))は自己中ながらも比較的穏当且つ正当なものとも言えるのだが、結果的に失敗((地球が滅亡しなかったことを知ると、宇宙に飛び立った全員が即座に時間はかかったものの(百年程度の単位)戻ってきた。その後は不老不死の意義について考えてみる(今更過ぎる)流れが生じたなどの説明もあるが差し迫っているであろう人口増加問題や解決策の一つである宇宙開拓の話はスルー。))に終わってしまい、プロジェクト及び本作のシナリオの意義そのものを疑問視する声も挙がる。 -読了感が悪いグランドエンディング #region(ネタバレ) --よりにもよってグランドエンディングで『不老不死なので気ままに生きて、飽きたら不老不死を止めればいい((不老不死はリスク無しでやめることが可能と説明される。なおこれにまつわる社会問題など要素は徹底して描かれていない。))』的な気安いノリで終わり、本作の中でも一際微妙に感じると思われる。いたずらに重い設定や描写にする必要も無いが、流石に人間の寿命を超越する行為を軽視し過ぎていると言わざるを得ない。他の個別ルートは概ね満足出来たユーザーでもこれには苦言を呈していることが多い。 ---しかも最後のルートからエンディングまででも不老不死について悩む姿を何度も描いておきながら、こんな自分本位ならば至極当然の答えに至るまでに下手すると200年以上かけている。正真正銘「難しい事を考えられない」、お花畑頭脳のまま終わるのであった。 #endregion -最初は選択肢がほとんど出ず攻略順がほぼ固定である。固定自体は別に良いのだが手順と選択肢を表示しないことに問題があり、1ルートクリアする毎に途中のシナリオ(地味な場面多し)に選択肢が追加され、そこから分岐していく仕組みになっているせいで野暮ったい。そのため初回プレイなどでは何度も最初の方から共通ルートのテキストを流す羽目になったりする。 --しかも選択肢を選んだ後に共通ルートが再び挟まったりするため、未プレイだと分かりづらいがとにかくテンポが悪い。 --選択肢が少ないので、時間は多少かかるが追加部分がどれか分からないというケースは少ないということだけは幸い。 **総評 音楽、CGなどはそこそこの出来。~ キャラは萌えられれば良いのだが、「個性的」ではあっても「魅力的」なキャラとは言いがたい。~ そして肝心のシナリオが明確な問題点であり、サブヒロインのシナリオを含めて、努力の方向をシナリオへもっと傾ければ良作になれる余地はあったといえる。~ **余談 -作中に登場するゲームショップ『ディーガル』の店内(背景CG)には、実在のアダルトゲームが大量に陳列されておりかなりカオス。このCGは公式HPでも閲覧可能。 --他にも、SORAHANEの前身となった同人サークル「トラウムブルグ7番地」の作品である『Bye』のポスターが貼ってある。 -あるエンディングにて主人公とヒロインが二人の娘を授かるのだが、その一方は「はるか」と名付けられている。 --当然次回作のヒロインとは何の関係も無い。 -2015年10月1日にauスマートパスで配信開始。 --会員なら無料でダウンロードできる。 -定額で30日間ゲームを遊び放題の「GAME 遊び放題 プラス」に本作が提供されている。 ----

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