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*ソニック ヒーローズ 【そにっく ひーろーず】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B0000DZ0V7)&amazon(B0000DZ0V9)|&amazon(B0000DZ0VA)| |対応機種|プレイステーション2&br()ニンテンドーゲームキューブ&br()Xbox|~|~| |発売元|セガ|~|~| |開発元|ソニックチーム|~|~| |発売日|2003年12月30日|~|~| |定価|7,140円(税5%込)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|~| |ポイント|仲間を使い分けてゴールを目指せ&br()[[SA2>ソニックアドベンチャー2]]限りだったはずのシャドウが再登場&br()スピード感は抜群だがそれらを削ぐ要素多し&br()使用キャラはソニックのアクションでは多め&br()主題歌を初めBGM面は安定の高評価|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ソニックシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 3機種マルチで展開された、3名で1チームとなったソニックキャラを操作し、状況に応じて交代しながら進めていくアクションゲーム。~ プレイアブルは4チーム分存在、メンバーはチームごとに固定であり、それぞれ出来ることは異なる。~ エスピオは『ソニック・ザ・ファイターズ』以来、ベクターとチャーミーは『カオティクス』以来の復活となった。ただし設定は変更され、以降の作品ではこちらの設定が用いられている。~ また、エッグマンに復讐を誓うロボットキャラ「E-123 オメガ」は本作で初登場となり、以降のシリーズでもいくらか登場した。~ 事実上の前作に当たるソニックアドベンチャー2ではステージごとの交代だったキャラをほぼ常時交代可能とし、キャラゲーとしてのソニックの側面を重視した内容となっているのが特徴。~ また、長年子役が担当していたテイルスの声を、本業声優である広橋涼((ケロロ軍曹の「東谷小雪」役等が有名。))が担当することになり、以降のシリーズでも定着した。((厳密には本作に先駆けて発売されたGBAソフト『ソニックバトル』から担当しているのだが、ほぼフルボイスで会話するのは本作が初めてである。))~ **ストーリー > ある日、ソニックはテイルスと再会し、エッグマンからの挑戦状が届いていることを知る。面白がったソニックは受けて立つことにし、テイルスやナックルズとともにチームを組むことになった。~ 一方、アークでの戦いにおいて生死不明となったはずのシャドウを発見したルージュと復讐に燃えるオメガ、探し人のために動き出すエミー達、謎の依頼主から仕事の以来が届いたカオティクス探偵事務所…。~ それぞれのチームが目指した先には、共通の黒幕が待ちかねていた。 ---- **システム ***チームアクション ''本作はキャラクターを交代しながら進んでいくアクションゲームとなっている。'' -チームメンバーそれぞれに[スピード][フライ][パワー]3属性のフォーメーションが割り当てられている。といってもフォーメーションとは名ばかりで、実際はほぼ操作キャラの変更によって出来ることが変わると考えて良い。 --基本は操作キャラの持つ属性・フォーメーションに準じたアクションが使えるが、それぞれのキャラの性能は微妙に異なる。 --なお、操作していないキャラクターは敵に接触しても怯むだけだし、ステージから落下しても一部の例外を除いていつの間にか戻ってくるので、目立った影響はない。 -特定のアイテムを手に入れることで、対応するキャラがそのステージ限定でレベルアップ(最大3)し攻撃力が強化されるなどの恩恵を得られる。 -リングを集めたり、フォーメーション毎に共通するチームアクションを使うと右上のゲージが増え、最大までたまると「チームブラスト」が使用できる。 --チームブラストは周囲の敵を一掃して行動不能の味方を復帰させるほか、チームによって固有の効果が一定時間与えられる。 -チームの構成 #region(チーム一覧) --''チームソニック''(ソニック、テイルス、ナックルズ)~ キャラクターもコースも全てにおいて基本・標準的な設定のチーム。挑戦状を送ってきたエッグマンを追って、これまでのシリーズ同様ゴールを一直線に目指す。 ---チームブラスト「ソニックオーバードライブ」ではライトアタックが炸裂し、更に一定時間ブルートルネードもライトアタックに変化。殲滅力が跳ね上がる。 ---一度クリアしたステージで挑戦できるエクストラミッションは「ステージごとに設定された制限時間内にゴール」するというタイムアタック仕様。 --''チームダーク''(シャドウ、ルージュ、オメガ)~ 敵の配置数やコースの長さが強化され、上級者向けに設定されているチーム。キャラクター性能はオメガ以外チームソニックと共通。 ---チームブラスト「カオスインフェルノ」を発動すると、シャドウのカオスコントロールによって自分以外の時間が停止する。 ---エクストラミッションは全ステージ共通で「敵を100体倒す」事が目的だが、ステージによっては1周で倒し切れないこともある。 --''チームローズ''(エミー、クリーム、ビッグ)~ 全てのコースが短縮され仕掛けや敵も削減されているなど、初心者向け設定のチーム。~ スペシャルステージの達成数が共有されるので、このチームで済ませても良いが、クリーム以外はキャラクター性能にやや難あり。 ---チームブラスト「フラワーフェスティバル」を発動すると全員のレベルが1つ上がってバリアが付き、さらに一定時間無敵・スピードUPが同時に一定時間つく。 ---エクストラミッションは全ステージ共通で「リングを200枚集める」という、中盤以降一度のミスも許されない高難易度。チームブラストのバリア効果を活かしていけば十分クリアには近づける。 --''チームカオティクス''(エスピオ、チャーミー、ベクター)~ 謎の依頼をこなす探偵事務所のチーム。「敵に気づかれてはいけない」ミッション等が存在し、他チームとは明らかに別ゲーに見える。 ---チームブラスト「カオティクスリサイタル」効果中は、倒した敵をリング5~20枚に変える。 ---エクストラミッションは原則として通常ミッションの条件に加えてもう一つ条件が追加されたものとなる(例「敵に気づかれずにかつ制限時間内にクリア」)。 #endregion #region(各キャラの属性) ''スピード''~ 名前の通り最高速を重視したフォーメーション。[[ソニックアドベンチャー]]シリーズにおけるソニックを踏襲した操作性を持つ。~ ホーミングアタック(レベルアップで攻撃力強化・レベル3で風効果追加)に加え、チームアクションのロケットアクセル(従来作でのスピンダッシュに相当。ただし、単独時には使用できない)など、固有アクションは豊富。 -スピードキャラ --ソニック:全てにおいて基本的な性能。ライトダッシュや三角飛び、スライディングキックに加えて新技・ブルートルネードを持つ。 --シャドウ:ソニックと同性能。ブラックトルネードは名前と見た目が違うだけでブルートルネードと同効果。 --エミー:ハンマーにちなんだ技を持ち、トルネードが飛び道具。だがライトダッシュと三角飛びが使えない上に他のスピードキャラより遅い欠点も。 --エスピオ:手裏剣投げや、半透明になれる効果があるこの葉隠れなどの独特な技を使う。ライトダッシュは使えないが、三角飛びで壁に張り付いた状態が半永久に続く。 ''フライ''~ 空中でのホバリング能力が最大の特徴で、ルート開拓のお供。~ チームアクションは仲間を光の弾として打ち出し、敵を痺れさせるサンダーシュート(レベルアップで攻撃力強化・レベル3でリング吸い寄せ効果追加)。レベルが上がれば中・遠距離で心強い武器になる。~ -フライキャラ --テイルス:フライキャラにおける基本的な性能。単独ならダミーリングボムという相手を痺れさせる罠攻撃も使用できる。 --ルージュ:テイルスと同性能。 --クリーム:単独なら複数の周囲の敵に攻撃するチャオアタックを使用できる。''ちなみにチャオアタックの攻撃力はかなり高い。'' --チャーミー:単独なら尻の針で攻撃することが出来る。花のつぼみを開花させることが可能。 ''パワー''~ 唯高威力の範囲攻撃などが得意で、乱戦になった際に周囲の敵を一気に蹴散らすことが出来る攻撃アクション特化のキャラ。~ 滑空アクションのダイブが使用可能。このフォームのアクションでのみ破壊できる障害物も多い。 -パワーキャラ --ナックルズ:パワーキャラにおける基本的な性能。地面に炎の衝撃波(レベルアップで強化)を放ち敵を蹴散らせる。 --オメガ:内蔵火器を用いた射撃(レベルアップで強化)を行うため、リーチが広い。 --ビッグ:釣り竿(レベルアップで強化)を振り回したりボディプレスで敵を攻撃するが、釣り竿の使い勝手が悪い。 --ベクター:音波(レベルアップで強化)や急降下パンチで敵を攻撃する。音波はオメガの内蔵火器による攻撃、急降下パンチはビッグのボディブレスと同性能。 #endregion ---- **評価点 -豊富なキャラをソニックのアクションゲームで使える --しかもそれぞれ単純に皮を取り替えただけではなく、キャラによって特殊能力も異なるため、周回プレイでも苦が少なめ。 --ソニックはアドベンチャー以降、声優が付いたことやシナリオが濃密になった関係から、以前よりもキャラゲーとしての側面も強くなったが、ファンアイテムとしての本作は大変優秀である。 -アドベンチャーシリーズを彷彿とさせるスピード感 --スピードフォーメーションの際にステージをかっ飛ばす際は相変わらず爽快であり好評。 --基本的には3つのフォーメーションを使いこなすのが主であり、必ずしも常時最高速で走れるというわけではないが、そこを考慮しなければアドベンチャーを思わせるスピード感も継承出来ている。 -BGMは相変わらず良曲揃い --主題歌である「Sonic Heroes」だけでなく、ステージBGMなども大変優秀。ゲームシステムは好みでなくてもBGMは好きというファンもいるほど。 --「Sonic Heroes」は後作品でも度々引用され、最近でも『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo3DS / WiiU』でのソニック参戦ムービーBGMとして起用されているほど息が長い。 -程良い塩梅のストーリー --アドベンチャーシリーズのように壮大になりすぎず、さりとて後のHDシリーズのように簡潔な内容とも言えない、純粋にキャラを楽しむのに調度良い内容となっている。 ---他、チームローズはソニックアドベンチャー、チームダークはソニックアドベンチャー2のストーリーに関連する設定や会話が盛り込まれており、決して本作が独立した作品ではない点でバランスを保っている。 --ステージ中も会話が多く、それぞれのファンを楽しませる掛け合いが満載である。 -残機が稼ぎやすい --操作キャラ以外はダメージを受けても怯むだけでリングをばら撒いてしまうことはなく、反対に操作キャラ以外でもリングを回収出来るので、リングを集めることが比較的に容易(リング0枚の状態でダメージを受けてミスというケースも少ない)。 --序盤の時点ではボーナスステージへの突入もクリアも簡単なので、ボーナスステージでたやすく残機を増やせる。 -過去キャラの復活 --次世代機への移行から、その存在感を薄くしていたメタルソニックが本作で復活し、黒幕の役目を担う。自分で自分を改造した事で当初は大元のイメージを残しつつも大きく姿を変えていたが、元の姿に戻った際のデザインも若干変更されている。 ---ちなみに本作のメタルソニックはソニックと同じく金丸淳一が声を当てている。しかしエフェクトが強いので、到底同じ声優がやっているようには聞こえない。 --まさかのカオティクスのメンバー復活は旧来のファンを喜ばせた。設定は大きく変更されているが、現在でもそちらの路線で愛されていることから、この路線変更は成功したと言って良いと思われる。 ---しかし、4人目のカオティクスのメンバーであるマイティー・ザ・アルマジロは本作で復活できず、そもそもいなかった事にされてしまった。 **賛否両論点 -スピード感を削ぐ演出や調整の数々 --体力の高い敵の存在(かと言って、従来作のようにホーミングアタック一撃で倒せるザコ敵ばかりではパワーフォーメーションの存在意義がなくなってしまうが…)や必殺技演出などから、普通にプレイしている場合は、元来のスピード感がうまく引き出せないことが多数。 --実際、スピード感を評価しているのはあくまでもプレイヤースキルの高い生粋のソニックプレイヤーが主である。 --ただしキャラクターゲームとして本作を評価している層からは、キャラを楽しむ演出として評価されている側面も。 -シャドウの復活 --シャドウはその人気から急遽復活が決まったという経緯があり、ご都合主義的な部分を完全に否定することは出来ない。 --前作のシナリオ面で評価されたシャドウの最期の余韻も本作が良くも悪くもぶち壊しており、台無しとなってしまったという声も大きい。 --後にスピンオフの『[[シャドウ・ザ・ヘッジホッグ]]』がリリースされたのはシャドウの人気に応えただけではなく、本作での復活劇の真相を暴くためという理由もあった。 -テイルスの声優変更と固定 --ソニックバトルではフルボイスでなかったため目立たなかったが、本作ではストーリー上ボイス入りのパートが多く、テイルスの声に好みが分かれる結果となった。 --今までも彼の声優はほぼ常時交代してきたようなものだが「棒読みに味があったため声優への交代でその味がなくなった」という声もあれば、「子役の棒読み故にストーリーに集中出来なかったから声優交代は妥当」とする声もある。 ---因みに後発の『[[ソニック ジェネレーションズ>ソニック ジェネレーションズ 白の時空]]』では久々に子役が起用された。但しモダンの方ではなくクラシックの方である。 **問題点 -エミーとビッグのキャラ性能 --パワータイプのビッグは微妙に使いづらい。竿を振り回す攻撃は一見範囲が広いようで実は攻撃判定は狭く、そして隙まみれで使いにくい。 --スピードタイプのエミーは前述の通りスピードキャラの共通アクションが使えないため他3人と比べると使いづらく、さらにスピードも劣っている。通常攻撃のピコピコハンマーも隙だらけで範囲も狭く、ボタンが共通するロケットアクセルを使おうとした際も暴発しやすい(他のスピードキャラにも同じことが言えるが、通常攻撃でも慣性が働くのであまりストレスにはならない)。 -ボール時の操作性 --とあるゾーンではソニックアドベンチャーを彷彿とさせるような、キャラクターがピンボールのボールとなるエリアがあるのだが、その時の操作性が非常に悪い(なお、ソニックアドベンチャーではフリッパー操作のみだった)。さらにボール状態になるエリアにも落下するトラップを仕掛けられており、操作性の悪さも相まって頻繁に落下死する。 --さらにボール状態では味方キャラクターがはぐれてしまうこともざらに発生する。この状態でフォーメーションチェンジを行うと、逆戻りしてしまうことも(もっとも、その反対に進めることもあるが)。特に、「スピードかパワーフォーメーションでボール状態のエリアを脱出→その先の段差が高いのでフライフォーメーションが必須→フライフォーメーションにしたらまだその担当キャラがボール状態のエリアにいた」というような事象が起きやすい。さらにここで操作中のフライ担当が落下死すると、せっかくスピードorパワー担当でボール状態エリアを脱出した苦労も水の泡に… -カメラワークが悪い --シリーズにおいて多く言われている点だが、本作でもそれは例外ではなかった。 --スピード感のあるゲーム故に、カメラワークが悪いというのは結構致命的で、一部プレイが難しくなるところも。 -ロードが長い --当時、最もロード時間が短いと言われたGC版ですら人によっては耐え難いロード時間となっている。 --むしろ他機種においてはあまりのロードの長さに辟易として、わざわざロード時間の短いGC版を改めて買ったという人もいるほど。 -難易度調整の無茶苦茶さ --例によって万人向けとは程遠いレベル設定となっている。とにかく終盤の難易度の跳ね上がり方が極端めで、後半はそれが原因で挫折してしまう人も多い。 --アドベンチャーシリーズの後半にあったような、思わず目を背けたくなるほど厄介なステージ構成は、キャラ交代ありきを想定されるためある意味余計難しくなっている部分も。 --さらにラストエピソードは「ボーナスステージでカオスエメラルドを7つ集めた」うえで''全チームでクリアしないと出ない''ため、難しくてせっかくのストーリーがちゃんと最後まで見られないという声も。 ---ボーナスステージは先述通り全チームで共有だが、いやらしく配置されているトラップと、ステージを走っているとカーブで位置がずれていき操作がしづらくなる仕様と戦わなくてならないため、スピードに比例して難易度も非常に高い。 ---さらにエメラルドを手に入れる突入方法も「偶数ステージ((2Dの三部作になぞらえるなら、Act1後は残機を稼げる程度のボーナスステージ、カオスエメラルドが手に入るスペシャルステージはAct2にしか入り口がないという仕様。なお2ステージが経過する毎に、ボーナスステージの構造は変わる))にある鍵を手に入れて、そこから一切リングにダメージを受けず(バリアを持っている場合は除く)にゴールする」というもの。鍵の位置は固定かつ入手チャンスは3回あるものの、既に鍵を持っている状態で2つ目を手に入れてもメリットは一切ない。 ---一度ボーナスステージで失敗すると、再挑戦のためにもう一度ステージをミスせずにクリアしなくてはいけないという点が非常に面倒。さらに今作のステージはアドベンチャー・アドベンチャー2よりも全体的に長くなっている。 --前作に引き続き、ランク評価で全ステージ・全ミッション・全チームオールAを条件とする隠し要素があるが、元から難しいストーリーでの通常ミッションに加えて、さらに難易度の上がったエクストラミッションクリアもクリアしなくてはならない(1ステージあたりのミッション数自体は前作の5から2に減らされている)。さらに今作ではボス戦もクリアタイムでランク評価の対象になっている。 -PS2版について --他機種版と比べてロードが非常に長い。~ また、最適化不足なのかフレームレートが30fps((GC・Xbox版は60fps))となっており、レスポンスもやや悪い。対戦モードでは処理落ちも頻繁に発生する。 ---- **総評 ソニックキャラが大好き、という人のためのアクションゲーム。~ ゲームとしての完成度は悪くないが、ソニックアドベンチャーシリーズが優秀過ぎた故に比較され、低く見られがちな内容である。~ 事実、アドベンチャーの野暮ったい部分はそのままにされている点があり、本作のシステムによってそれらが目立ってしまったのは否めない。 キャラゲーとしては大変優秀であるが、普通のゲームとして見ると若干のチグハグさが見える部分があり、プレイにストレスを感じさせる点は多め。~ しかし本作以降、アクションジャンルで復数のキャラが使える作品は減少し、キャラゲーとしての最高潮の内容を持つ作品は本作が最後と言えなくもない。
*ソニック ヒーローズ 【そにっく ひーろーず】 |ジャンル|アクション|CENTER:&amazon(B0000DZ0V7)&amazon(B0000DZ0V9)|&amazon(B0000DZ0VA)| |対応機種|プレイステーション2&br()ニンテンドーゲームキューブ&br()Xbox|~|~| |発売元|セガ|~|~| |開発元|ソニックチーム|~|~| |発売日|2003年12月30日|~|~| |定価|7,140円(税5%込)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|~| |ポイント|仲間を使い分けてゴールを目指せ&br()[[SA2>ソニックアドベンチャー2]]限りだったはずのシャドウが再登場&br()スピード感は抜群だがそれらを削ぐ要素多し&br()使用キャラはソニックのアクションでは多め&br()主題歌を初めBGM面は安定の高評価|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[ソニックシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 3機種マルチで展開された、3名で1チームとなったソニックキャラを操作し、状況に応じて交代しながら進めていくアクションゲーム。~ プレイアブルは4チーム分存在、メンバーはチームごとに固定であり、それぞれ出来ることは異なる。~ エスピオは『ソニック・ザ・ファイターズ』以来、ベクターとチャーミーは『カオティクス』以来の復活となった。ただし設定は変更され、以降の作品ではこちらの設定が用いられている。~ また、エッグマンに復讐を誓うロボットキャラ「E-123 オメガ」は本作で初登場となり、以降のシリーズでもいくらか登場した。~ 事実上の前作に当たるソニックアドベンチャー2ではステージごとの交代だったキャラをほぼ常時交代可能とし、キャラゲーとしてのソニックの側面を重視した内容となっているのが特徴。~ また、長年子役が担当していたテイルスの声を、本業声優である広橋涼((ケロロ軍曹の「東谷小雪」役等が有名。))が担当することになり、以降のシリーズでも定着した((厳密には本作に先駆けて発売されたGBAソフト『ソニックバトル』から担当しているのだが、ほぼフルボイスで会話するのは本作が初めてである。))。 ---- **ストーリー > ある日、ソニックはテイルスと再会し、エッグマンからの挑戦状が届いていることを知る。面白がったソニックは受けて立つことにし、テイルスやナックルズとともにチームを組むことになった。~ 一方、アークでの戦いにおいて生死不明となったはずのシャドウを発見したルージュと復讐に燃えるオメガ、探し人のために動き出すエミー達、謎の依頼主から仕事の以来が届いたカオティクス探偵事務所…。~ それぞれのチームが目指した先には、共通の黒幕が待ちかねていた。 ---- **システム ***チームアクション ''本作はキャラクターを交代しながら進んでいくアクションゲームとなっている。'' -チームメンバーそれぞれに[スピード][フライ][パワー]3属性のフォーメーションが割り当てられている。といってもフォーメーションとは名ばかりで、実際はほぼ操作キャラの変更によって出来ることが変わると考えて良い。 --基本は操作キャラの持つ属性・フォーメーションに準じたアクションが使えるが、それぞれのキャラの性能は微妙に異なる。 --なお、操作していないキャラクターは敵に接触しても怯むだけだし、ステージから落下しても一部の例外を除いていつの間にか戻ってくるので、目立った影響はない。 -特定のアイテムを手に入れることで、対応するキャラがそのステージ限定でレベルアップ(最大3)し攻撃力が強化されるなどの恩恵を得られる。 -リングを集めたり、フォーメーション毎に共通するチームアクションを使うと右上のゲージが増え、最大までたまると「チームブラスト」が使用できる。 --チームブラストは周囲の敵を一掃して行動不能の味方を復帰させるほか、チームによって固有の効果が一定時間与えられる。 -チームの構成 #region(チーム一覧) --''チームソニック''(ソニック、テイルス、ナックルズ)~ キャラクターもコースも全てにおいて基本・標準的な設定のチーム。挑戦状を送ってきたエッグマンを追って、これまでのシリーズ同様ゴールを一直線に目指す。 ---チームブラスト「ソニックオーバードライブ」ではライトアタックが炸裂し、更に一定時間ブルートルネードもライトアタックに変化。殲滅力が跳ね上がる。 ---一度クリアしたステージで挑戦できるエクストラミッションは「ステージごとに設定された制限時間内にゴール」するというタイムアタック仕様。 --''チームダーク''(シャドウ、ルージュ、オメガ)~ 敵の配置数やコースの長さが強化され、上級者向けに設定されているチーム。キャラクター性能はオメガ以外チームソニックと共通。 ---チームブラスト「カオスインフェルノ」を発動すると、シャドウのカオスコントロールによって自分以外の時間が停止する。 ---エクストラミッションは全ステージ共通で「敵を100体倒す」事が目的だが、ステージによっては1周で倒し切れないこともある。 --''チームローズ''(エミー、クリーム、ビッグ)~ 全てのコースが短縮され仕掛けや敵も削減されているなど、初心者向け設定のチーム。~ スペシャルステージの達成数が共有されるので、このチームで済ませても良いが、クリーム以外はキャラクター性能にやや難あり。 ---チームブラスト「フラワーフェスティバル」を発動すると全員のレベルが1つ上がってバリアが付き、さらに一定時間無敵・スピードUPが同時に一定時間つく。 ---エクストラミッションは全ステージ共通で「リングを200枚集める」という、中盤以降一度のミスも許されない高難易度。チームブラストのバリア効果を活かしていけば十分クリアには近づける。 --''チームカオティクス''(エスピオ、チャーミー、ベクター)~ 謎の依頼をこなす探偵事務所のチーム。「敵に気づかれてはいけない」ミッション等が存在し、他チームとは明らかに別ゲーに見える。 ---チームブラスト「カオティクスリサイタル」効果中は、倒した敵をリング5~20枚に変える。 ---エクストラミッションは原則として通常ミッションの条件に加えてもう一つ条件が追加されたものとなる(例「敵に気づかれずにかつ制限時間内にクリア」)。 #endregion #region(各キャラの属性) ''スピード''~ 名前の通り最高速を重視したフォーメーション。[[ソニックアドベンチャー]]シリーズにおけるソニックを踏襲した操作性を持つ。~ ホーミングアタック(レベルアップで攻撃力強化・レベル3で風効果追加)に加え、チームアクションのロケットアクセル(従来作でのスピンダッシュに相当。ただし、単独時には使用できない)など、固有アクションは豊富。 -スピードキャラ --ソニック:全てにおいて基本的な性能。ライトダッシュや三角飛び、スライディングキックに加えて新技・ブルートルネードを持つ。 --シャドウ:ソニックと同性能。ブラックトルネードは名前と見た目が違うだけでブルートルネードと同効果。 --エミー:ハンマーにちなんだ技を持ち、トルネードが飛び道具。だがライトダッシュと三角飛びが使えない上に他のスピードキャラより遅い欠点も。 --エスピオ:手裏剣投げや、半透明になれる効果があるこの葉隠れなどの独特な技を使う。ライトダッシュは使えないが、三角飛びで壁に張り付いた状態が半永久に続く。 ''フライ''~ 空中でのホバリング能力が最大の特徴で、ルート開拓のお供。~ チームアクションは仲間を光の弾として打ち出し、敵を痺れさせるサンダーシュート((レベルアップで攻撃力強化・レベル3でリング吸い寄せ効果追加。))。レベルが上がれば中・遠距離で心強い武器になる。~ -フライキャラ --テイルス:フライキャラにおける基本的な性能。単独ならダミーリングボムという相手を痺れさせる罠攻撃も使用できる。 --ルージュ:テイルスと同性能。 --クリーム:単独なら複数の周囲の敵に攻撃するチャオアタックを使用できる。''ちなみにチャオアタックの攻撃力はかなり高い。'' --チャーミー:単独なら尻の針で攻撃することが出来る。花のつぼみを開花させることが可能。 ''パワー''~ 唯高威力の範囲攻撃などが得意で、乱戦になった際に周囲の敵を一気に蹴散らすことが出来る攻撃アクション特化のキャラ。~ 滑空アクションのダイブが使用可能。このフォームのアクションでのみ破壊できる障害物も多い。 -パワーキャラ --ナックルズ:パワーキャラにおける基本的な性能。地面に炎の衝撃波(レベルアップで強化)を放ち敵を蹴散らせる。 --オメガ:内蔵火器を用いた射撃(レベルアップで強化)を行うため、リーチが広い。 --ビッグ:釣り竿(レベルアップで強化)を振り回したりボディプレスで敵を攻撃するが、釣り竿の使い勝手が悪い。 --ベクター:音波(レベルアップで強化)や急降下パンチで敵を攻撃する。音波はオメガの内蔵火器による攻撃、急降下パンチはビッグのボディブレスと同性能。 #endregion ---- **評価点 -豊富なキャラをソニックのアクションゲームで使える --しかもそれぞれ単純に皮を取り替えただけではなく、キャラによって特殊能力も異なるため、周回プレイでも苦が少なめ。 --ソニックはアドベンチャー以降、声優が付いたことやシナリオが濃密になった関係から、以前よりもキャラゲーとしての側面も強くなったが、ファンアイテムとしての本作は大変優秀である。 -アドベンチャーシリーズを彷彿とさせるスピード感 --スピードフォーメーションの際にステージをかっ飛ばす際は相変わらず爽快であり好評。 --基本的には3つのフォーメーションを使いこなすのが主であり、必ずしも常時最高速で走れるというわけではないが、そこを考慮しなければアドベンチャーを思わせるスピード感も継承出来ている。 -BGMは相変わらず良曲揃い --主題歌である「Sonic Heroes」だけでなく、ステージBGMなども大変優秀。ゲームシステムは好みでなくてもBGMは好きというファンもいるほど。 --「Sonic Heroes」は後作品でも度々引用され、最近でも『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo3DS / WiiU』でのソニック参戦ムービーBGMとして起用されているほど息が長い。 -程良い塩梅のストーリー --アドベンチャーシリーズのように壮大になりすぎず、さりとて後のHDシリーズのように簡潔な内容とも言えない、純粋にキャラを楽しむのに調度良い内容となっている。 ---他、チームローズはソニックアドベンチャー、チームダークはソニックアドベンチャー2のストーリーに関連する設定や会話が盛り込まれており、決して本作が独立した作品ではない点でバランスを保っている。 --ステージ中も会話が多く、それぞれのファンを楽しませる掛け合いが満載である。 -残機が稼ぎやすい --操作キャラ以外はダメージを受けても怯むだけでリングをばら撒いてしまうことはなく、反対に操作キャラ以外でもリングを回収出来るので、リングを集めることが比較的に容易((リング0枚の状態でダメージを受けてミスというケースも少ない。))。 --序盤の時点ではボーナスステージへの突入もクリアも簡単なので、ボーナスステージでたやすく残機を増やせる。 -過去キャラの復活 --次世代機への移行から、その存在感を薄くしていたメタルソニックが本作で復活し、黒幕の役目を担う。自分で自分を改造した事で当初は大元のイメージを残しつつも大きく姿を変えていたが、元の姿に戻った際のデザインも若干変更されている。 ---ちなみに本作のメタルソニックはソニックと同じく金丸淳一が声を当てている。しかしエフェクトが強いので、到底同じ声優がやっているようには聞こえない。 --まさかのカオティクスのメンバー復活は旧来のファンを喜ばせた。設定は大きく変更されているが、現在でもそちらの路線で愛されていることから、この路線変更は成功したと言って良いと思われる。 ---しかし、4人目のカオティクスのメンバーであるマイティー・ザ・アルマジロは本作で復活できず、そもそもいなかった事にされてしまった。 ---- **賛否両論点 -スピード感を削ぐ演出や調整の数々 --体力の高い敵の存在((かと言って、従来作のようにホーミングアタック一撃で倒せるザコ敵ばかりではパワーフォーメーションの存在意義がなくなってしまうが…。))や必殺技演出などから、普通にプレイしている場合は、元来のスピード感がうまく引き出せないことが多数。 --実際、スピード感を評価しているのはあくまでもプレイヤースキルの高い生粋のソニックプレイヤーが主である。 --ただしキャラクターゲームとして本作を評価している層からは、キャラを楽しむ演出として評価されている側面も。 -シャドウの復活 --シャドウはその人気から急遽復活が決まったという経緯があり、ご都合主義的な部分を完全に否定することは出来ない。 --前作のシナリオ面で評価されたシャドウの最期の余韻も本作が良くも悪くもぶち壊しており、台無しとなってしまったという声も大きい。 --後にスピンオフの『[[シャドウ・ザ・ヘッジホッグ]]』がリリースされたのはシャドウの人気に応えただけではなく、本作での復活劇の真相を暴くためという理由もあった。 -テイルスの声優変更と固定 --ソニックバトルではフルボイスでなかったため目立たなかったが、本作ではストーリー上ボイス入りのパートが多く、テイルスの声に好みが分かれる結果となった。 --今までも彼の声優はほぼ常時交代してきたようなものだが「棒読みに味があったため声優への交代でその味がなくなった」という声もあれば、「子役の棒読み故にストーリーに集中出来なかったから声優交代は妥当」とする声もある。 ---ちなみに、後発の『[[ソニック ジェネレーションズ>ソニック ジェネレーションズ 白の時空]]』では久々に子役が起用された。ただし、モダンの方ではなくクラシックの方である。 ---- **問題点 -エミーとビッグのキャラ性能 --パワータイプのビッグは微妙に使いづらい。竿を振り回す攻撃は一見範囲が広いようで実は攻撃判定は狭く、そして隙まみれで使いにくい。 --スピードタイプのエミーは前述の通りスピードキャラの共通アクションが使えないため他3人と比べると使いづらく、さらにスピードも劣っている。通常攻撃のピコピコハンマーも隙だらけで範囲も狭く、ボタンが共通するロケットアクセルを使おうとした際も暴発しやすい((他のスピードキャラにも同じことが言えるが、通常攻撃でも慣性が働くのであまりストレスにはならない。))。 -ボール時の操作性 --とあるゾーンではソニックアドベンチャーを彷彿とさせるような、キャラクターがピンボールのボールとなるエリアがあるのだが、その時の操作性が非常に悪い((なお、ソニックアドベンチャーではフリッパー操作のみだった。))。さらにボール状態になるエリアにも落下するトラップを仕掛けられており、操作性の悪さも相まって頻繁に落下死する。 --さらにボール状態では味方キャラクターがはぐれてしまうこともざらに発生する。この状態でフォーメーションチェンジを行うと、逆戻りしてしまうことも((もっとも、その反対に進めることもあるが。))。 --特に、「スピードかパワーフォーメーションでボール状態のエリアを脱出 ⇒ その先の段差が高いのでフライフォーメーションが必須 ⇒ フライフォーメーションにしたらまだその担当キャラがボール状態のエリアにいた」というような事象が起きやすい。さらにここで操作中のフライ担当が落下死すると、せっかくスピードorパワー担当でボール状態エリアを脱出した苦労も水の泡に…。 -カメラワークが悪い --シリーズにおいて多く言われている点だが、本作でもそれは例外ではなかった。 --スピード感のあるゲーム故に、カメラワークが悪いというのは結構致命的で、一部プレイが難しくなるところも。 -ロードが長い --当時、最もロード時間が短いと言われたGC版ですら人によっては耐え難いロード時間となっている。 --むしろ他機種においてはあまりのロードの長さに辟易として、わざわざロード時間の短いGC版を改めて買ったという人もいるほど。 -難易度調整の無茶苦茶さ --例によって万人向けとは程遠いレベル設定となっている。とにかく終盤の難易度の跳ね上がり方が極端めで、後半はそれが原因で挫折してしまう人も多い。 --アドベンチャーシリーズの後半にあったような、思わず目を背けたくなるほど厄介なステージ構成は、キャラ交代ありきを想定されるためある意味余計難しくなっている部分も。 --さらにラストエピソードは「ボーナスステージでカオスエメラルドを7つ集めた」うえで''全チームでクリアしないと出ない''ため、難しくてせっかくのストーリーがちゃんと最後まで見られないという声も。 ---ボーナスステージは先述通り全チームで共有だが、いやらしく配置されているトラップと、ステージを走っているとカーブで位置がずれていき操作がしづらくなる仕様と戦わなくてならないため、スピードに比例して難易度も非常に高い。 ---さらにエメラルドを手に入れる突入方法も「偶数ステージ((2Dの3部作になぞらえるなら、Act1後は残機を稼げる程度のボーナスステージ、カオスエメラルドが手に入るスペシャルステージはAct2にしか入り口がないという仕様。なお2ステージが経過する毎に、ボーナスステージの構造は変わる。))にある鍵を手に入れて、そこから一切リングにダメージを受けず(バリアを持っている場合は除く)にゴールする」というもの。鍵の位置は固定かつ入手チャンスは3回あるものの、既に鍵を持っている状態で2つ目を手に入れてもメリットは一切ない。 ---一度ボーナスステージで失敗すると、再挑戦のためにもう一度ステージをミスせずにクリアしなくてはいけないという点が非常に面倒。さらに今作のステージはアドベンチャー・アドベンチャー2よりも全体的に長くなっている。 --前作に引き続き、ランク評価で全ステージ・全ミッション・全チームオールAを条件とする隠し要素があるが、元から難しいストーリーでの通常ミッションに加えて、さらに難易度の上がったエクストラミッションクリアもクリアしなくてはならない((1ステージあたりのミッション数自体は前作の5から2に減らされている。))。さらに今作ではボス戦もクリアタイムでランク評価の対象になっている。 -PS2版について --他機種版と比べてロードが非常に長い。~ また、最適化不足なのかフレームレートが30fps(GC/Xb版は60fps)となっており、レスポンスもやや悪い。対戦モードでは処理落ちも頻繁に発生する。 ---- **総評 ソニックキャラが大好き、という人のためのアクションゲーム。~ ゲームとしての完成度は悪くないが、ソニックアドベンチャーシリーズが優秀過ぎた故に比較され、低く見られがちな内容である。~ 事実、アドベンチャーの野暮ったい部分はそのままにされている点があり、本作のシステムによってそれらが目立ってしまったのは否めない。 キャラゲーとしては大変優秀であるが、普通のゲームとして見ると若干のチグハグさが見える部分があり、プレイにストレスを感じさせる点は多め。~ しかし本作以降、アクションジャンルで復数のキャラが使える作品は減少し、キャラゲーとしての最高潮の内容を持つ作品は本作が最後と言えなくもない。

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