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*エースコンバット3D クロスランブル/エースコンバット3D クロスランブル プラス 【えーすこんばっとすりーでぃー くろすらんぶる/えーすこんばっとすりーでぃー くろすらんぶる ぷらす】 |>|ジャンル|3Dフライトアクション|&amazon(B005OUJMCS)&amazon(B00PFD3NRE)| |>|対応機種|ニンテンドー3DS|~| |>|発売元|バンダイナムコゲームス|~| |>|開発元|アクセスゲームズ&br()バンダイナムコゲームス&br()クラインコンピュータエンタテインメント (『プラス』のみ)|~| |発売日|無印|2012年1月12日|~| |~|プラス|2015年1月29日|~| |定価|無印|5,800円(税5%込)|~| |~|プラス|5,119円(税8%込)|~| |>|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|>|CENTER:''[[エースコンバットシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) //一覧が長くなりすぎないよう、大量にあった見出し3(***)をほぼ廃止 ---- **概要 シリーズ国内初の任天堂ハード向け作品。~ PS向けにかつて発売された''『1』『2』の実質的なリメイク作品''。公式は「再構成」と言っている。~ 『AH』に登場した新システム・クロスレンジアサルトに通じる、マニューバシステムを搭載しており、初心者でも手軽に大迫力のドッグファイトを楽しめる。~ 『Xi』以来3年ぶりに架空世界を舞台としており、他作品を遊んでいるとにやりとさせられる演出や台詞も多い。『04』以降の作品とのつながりが不明瞭だった『1』『2』の世界を、これらの世界との同一時系列に組み込む目的があると思われる。 本稿では3年後に発売された上位版『エースコンバット3D クロスランブル プラス』における変更点も含めて解説する。 ---- **ストーリー >ベルカ戦争(=『ZERO』)後、融和に動く世界。~ 力を伸ばすオーシア・ユークトバニア両国に対抗して、ユージア大陸諸国は同盟機構の設立へと動く。~ その手始めに、各国の軍が提携してユージア同盟軍が結成された。~ ~ しかし、大陸南部の国々はオーシアとの軍事同盟への加盟を主張してこれに反発。~ すると、大陸の資源の殆どを握っているこれらの国々の反発に対して、今度は西部・北部の国々が反発。~ 大陸内の衝突は次第に激しさを増し、ついには大陸全土を巻き込んだクーデターが発生する。~ ~ これに対し、同盟軍は、多大な被害を被りながらも『戦士の名誉作戦』を発動。~ わずかに残った正規軍と傭兵をかき集め、強大なクーデター軍の鎮圧を試みる。~ その中に、どこからともなく現れた傭兵がいた。~ 彼は、スカーフェイス隊隊長・コールサイン:フェニックスとして、激しい戦いに身を投じて行く。 -時系列的には、『ZERO』と『04』の間。シリーズを通して世界に影響を与える、小惑星ユリシーズ落下事件の前である。 ---- **特徴・評価点 ''新システム『マニューバ』とその絶妙な調整'' -本作の操作は基本的にPS2時代のシリーズ作品に準拠しているが、手軽にドッグファイトを楽しむためのシステムとして、&bold(){マニューバ}が導入されている。この新システムの調整がちょうどいい具合に出来ている。 --これは大まかには、Yボタンで手軽に高度な機動を行えるというもの。敵を一定時間ロックオンして発動するアタックマニューバは、強力な機動で一気に敵の背後を取る。また、ミサイル接近時に発動できるエスケープマニューバは、素早い回避機動によってミサイルを回避する。 --また、『6』で登場したハイGターンと呼ばれる急速旋回も可能になっている。機動力の高い機体ならば、自力で変態機動が可能。 -『AH』に登場したクロスレンジアサルトと似ているが、これを前に出しすぎて批判された同作と違い、今作でのマニューバの扱いはかなり淡白。新要素としてくどすぎず、従来作をプレイしたファンでも違和感なく受け入れられたという声が大きい。 -強制的にマニューバを発動しなくてはならない場面は一切なく、使用せずにクリアすることが可能である。そのため、上級者はマニューバを封印してのプレイも可能で、極端なヌルゲー化を防いでいる。 --難易度が上がると、マニューバで背後をとっても回避されたり、相手も発動して逆に背後を取り返されたりと、安易なマニューバの発動があだとなるケースもある。慣れてきたプレイヤーならば、むしろ従来作通りに自力で背後を取り、ヨーなどを駆使して撃墜した方が効率的な場合もある。 -初めて触れる初心者も従来作をプレイしてきたファンも同じように楽しめる絶妙な調整となっている。 -このシステムは、アクセスゲームズが開発した『[[スカイ・クロラ イノセン・テイセス]]』のシステムと似ている。 -『プラス』ではON/OFF設定が追加されたが、OFFに設定してもYボタンがマニューバに割り振られているのは変わらないため、Yボタンが事実上死にボタンとなる。 ''従来作への回帰・人気要素の復活'' -基本的なシステムは従来作品と同様。機体も、ポイントをためて購入していく。 --ミッションの選択スタイルは『1』『2』『X』に似ている。 -ミッションごとにダイナミックなムービーを挟むようになっていったPS2時代以降の作品に比べ、今作のストーリー演出はPS時代への回帰を意識しており、基本的に淡白な描写になっている。 --基本的にオープニングとエンドロール以外にプリレンダムービーはなく、ミッションごとに情勢などが必要最低限に説明される程度で、ストーリーはシンプルに進んで行く。 --プレイヤーは一人の傭兵であるという立ち位置が強く描かれているのが特徴。 --特に『ZERO』『5』での演出を大味に感じていたファンからはこの点の評価は高い。逆にこれらの作品のファンからは不評だが、声高な批判には至っていない。 -『ZERO』で見られた、敵エース部隊とのボスバトルが復活。 --個性豊かなエース部隊が、編隊を組んで向かってくる。それぞれでパイロットのキャラクターや戦い方が大きく違う。 --さすがに『ZERO』と比べるとその数は少ないが、円卓経験者や、黄色の13を知っているエルジア軍人など、従来作をプレイした人間をニヤリとさせるネタも。 ---特に一番最初に戦う「ランサー隊」は多くのプレイヤーの間でネタにされた。そのネタっぷりは是非製品を手に取って確かめて頂きたい。 -架空兵器・架空世界の復活 --本作の舞台は『3』や『04』でもお世話になったユージア大陸。実に『5』のアーケードモード以来8年ぶり。『X2』や『AH』に打ちのめされたファンを喜ばせた。 --架空世界独特の無茶苦茶な兵器・展開も復活。というより、架空世界に戻ったことで、派手な展開が悪目立ちしなくなった。 ''キャラクターの増量・フルボイス演出'' -敵エース部隊・新たな指揮官などのキャラクターが追加され、会話イベント全てがフルボイス演出となった。 --登場人物などは『2』を踏襲しているが、新たに指揮官オルセンなどのキャラが追加されている。指揮官・僚機・敵全てがフルボイスで会話する。 ---しかも指揮官の声優はあの''若本規夫''である。非常に濃ゆい。と言っても、最近の氏の起用に多いネタキャラとしての登板ではなく、終始真面目な司令官としての登場であるため、高評価である。 ---もちろん真面目キャラであるが故のネタ要素もある。中でもとあるミッションで指示される「''Uターン''」は多くのフェニックス達の命を散らす事となった。 --リメイク元に登場した永瀬ケイ、ジョン・ハーバードにも声が当てられ、キャラクターが掘り下げられている。『[[スターフォックス64 3D>スターフォックス64]]』などのように、下画面でリアルタイムで会話が繰り広げられる。 -もちろん英語音声も完全収録。そして妙に字幕のバリエーションが多い。 ''3Dグラフィック'' -グラフィック自体はそこまで良くもないが、3D立体視にしてもその質は全く落ちない。 --特にコックピット視点を3Dでプレイした時の臨場感を高く評価する声が大きい。 -PSPで出た2作と比べ、機体が日光を反射する様子など、光源処理の面が発達している。 ''チューン'' -『X2』に続き、実在機・架空機問わずパーツによるチューンが可能。 --だが同作と比べて、本作ではかなりチューンの自由度が上がっている。 --『X2』のチューン機能は機体ごとに使えるパーツが限られており自由度が低く、またそもそも機体間の性能差が大きかったために批判を浴びた。しかし、今作では自由度が高く、レシプロ機に音速の壁を越えさせることも可能。カスタマイズ次第では、F-4で難易度エースをクリアしたり、A-10で空戦ミッションに対応することが十分可能である。 -F-15SEに、『ZERO』のピクシーの機体カラーがあるなど、シリーズファンへのサービスも多い。 ''初心者に優しいゲームバランス'' -元々難易度が低い『2』を下地にした作品のため、本作も『2』と同様にクリアだけなら初心者でも簡単に達成可能。シリーズでも特に簡単な部類に入る。 -マニューバのおかげで、ドッグファイトで敵機の後方に回り込むのが簡単。空戦の基礎が身についていないプレイヤーの補助になってくれる。 -『6』『AH』同様、途中リトライができるので、失敗しても最初からミッションをやり直す必要がない。 --ただし、今までと異なり、途中リトライするとSランクを獲得できなくなる。 -ランクを気にしない初心者にとっては、総合的に見てかなり良心的なゲームバランスとなっている。 ''任天堂スペシャルコラボ機体''(『プラス』追加要素) -『プラス』では任天堂のゲームキャラクターが機体にペイントされたスペシャルコラボ機体が登場した。 --[[マリオシリーズ]]のハテナブロックが登場するミッションがあり、ブロックを攻撃するとミッションクリア時にコラボ機体を入手できる。 ---この方法で全てのコラボ機体を入手できる訳ではなく、一部の機体を入手するにはamiiboが必要となる。amiiboを使用するには、Ver.2.00の更新データが必要。 --NEW GAMEを開始する際に、1周目でコラボ機体が出現するようにするかの質問をされ、『いいえ』を選ぶと1周目では出現しなくなる。 ---『いいえ』を選んでも、2周目以降は必ず出現するようになる。 -ファンの中にはあの『[[ジェットインパルス]]』''とのコラボ''を望むマニアも居たが、結局実現しなかった。 ---- **賛否両論点 ''BGM'' -『X2』で批判を浴びた椎名豪氏が引き続き担当。やはり今作も従来のシリーズからは遠い作風。 --オーケストラやコーラスをふんだんに使用した豪勢な音楽を評価する声もある。しかし、従来作のファンにはこの点も不評な傾向にある。 --もっとも、今作は様々な作曲家が参加しており、シリーズお馴染みの中西氏やAHの濱本氏も参加している。それらのBGMは概ね好評である。 ''『マニューバ』について'' -基本良調整なマニューバだが、やはり嫌う人は嫌う。携帯ゲー故の画面の狭さやボタンの少なさもあるのだろうが。 -アタックマニューバについては機銃や無誘導兵器(ロケットランチャー等)は敵のディフェンスマニューバで防がれないことを利用し、忠実に再現された鬼火力のA-10A機銃やそれ以上の鬼火力の機銃を持つレシプロ機(ミサイルが詰めなかったり速度が遅い故の調整)で楽々撃墜することができてしまう。 --そもそもA-10Aやレシプロ機は空戦自体が苦手なので、むしろマニューバを使わないと苦戦しやすい。 -こちらが使わずにプレイしていても、相手は使う。特にエース部隊。従来作品なら命中していたような攻撃でも、相手が華麗に避けることがある。 -マニューバ使用可能な状態になるとメッセージと音声が入るのだが、それをオフにする機能がない。 --強敵と戦っていると相手の後ろについたり、逆につかれたりするたびに「マニューバを使え」と繰り返し指示してくるので煩わしい。 ''操作'' -基本的にPSPの作品と同様だが、Yボタンをマニューバに割き、マップの縮尺変更が十字キーにあてられたため、トリムアップ・ダウンがオミットされてしまっている。PSPの作品と同じような感覚で操作すると最初は面食らう。 ''マルチプレイがない'' -マニューバを対戦に対応させるだけの時間や力がなかった可能性がある。 -携帯機としては実装して欲しかったという声もあれば、オンライン偏重だった『X2』『AH』と異なり、一人でやり込みができる点を評価する声もある。 ''厳しいランク基準'' -本作はランク評価が時間準拠のミッションが多い。 --Sランクを狙うならばTGTのみを狙ったプレイに限定されやすく、敵全滅はまずあきらめる必要がある。 --高性能機で完璧なパターンで攻略することを前提にしているかのような時間に設定されているため、ミッションによってはシリーズ上級者でも苦戦する。 -一部の得点制ミッションでは、時間ギリギリまで粘らないと出現しない敵を倒さないとSランクを獲得できない。 -本作におけるSランク制覇は、上級者にとっては今まで以上に骨のあるものとなっている。一方で、プレイ方法が限定されやすく、ランクを気にすると自由度が下がるという弊害も存在する。 --幸いにも、本作には長期ミッションがほとんどないので、Sランク獲得に失敗してもリトライするモチベーションを保ちやすい。 ---- **問題点 ''ボリューム不足'' -ストーリーだけなら、初心者でも5時間かからずにクリアできてしまう。 --隠し要素・エクストラミッションなどを含めても総プレイ時間は40時間弱といったところ。シリーズ経験者ならば恐らくさらに縮まる。 ---『2』から一部のミッションが削除された。それでも十分にミッションは多いのだが、特に夜間都市攻撃ミッション『JEWEL BOX』はビルの間に潜む地上兵器を撃破したり、高速道路を離陸してくる敵機を迎撃する等シチュエーションの評価も高かったため削除された事を惜しむファンも。 -登場する機体も、『X』などより減少している。全28機(ジェット機24機+レシプロ機2機+架空機2機)。 --新規登場機体は2機のみ。これに関しては、既にエースコンバットシリーズが著名な戦闘機を網羅しかけているためとも言える。 --シリーズ恒例のメビウスカラーがF-22に存在しない。 -『1』最後のボスである空中要塞が登場しない。 ''ゲームバランス'' -本作では全体的に「爆弾」が役に立たない。 --旧作と異なり爆弾の使い勝手がやや変わっただけでなく、前述の通りSランクの条件の大半が時間制なので、着弾の遅さから忌避されてしまう。得点制のミッションでも、多くの敵を同時に攻撃できるミサイル兵装が充実しているので、やはり使い勝手が良くない。 --旧作において対地攻撃に絶大な威力を発揮したFAEB(燃料気化爆弾)が、プログラムミスを疑うほど弱体化されてしまった。&br()特に悲惨なのは攻撃範囲で、UGB(無誘導爆弾)よりも狭い。恐らく本作一の“死に兵装”といえる。&br()実際に使ってみてあまりにも命中しなくて違和感を覚えたプレイヤーは少なくないだろう。 -『X2』ほどではないが、敵戦闘機の動きが遅い。エース機は素早い動きをするのでスピーディな戦闘ができるが、通常の敵機との差が極端。 ''グラフィック'' -3D立体視の状態でも美麗なのは評価できるが、絶対的に見ると決して綺麗ではない。 --渓谷など極端に暗いところもあり、プレイに支障をきたすレベルだという声もある。 -光源処理などは頑張っているものの、基本的にはPSPで登場した2作と大きな違いはない。 -飛行中の自機の兵装は、選択中のものしかグラフィックに反映されない。 -一部の山脈などはコピペしたような峰が延々と連なっており、遠目から見ると見栄えが悪い。 ''機体解放の条件がわかりづらい'' -今作では、このミッションをクリアすればこの機体が買える、という風な単純な条件設定ではなく、機体ごとに、特定ミッションクリアだったり特定階級への昇進だったりとまちまちでわかりづらい。攻略wikiなどでも、条件が判明するまでかなりの時間を要した。 --というか今でも曖昧な部分があり、好みの機体がクリアまで出てこない人もいる。 ''誤字''(『プラス』では修正済) -無印版では榴弾砲(HOWITZER)がHOW&color(red){TI};ZER、MISSION 02のタイトル(EASY MONEY)がEASY MON&color(red){K};EYと誤記されていた。 --無印版では修正アップデートが提供されず、『プラス』では修正済。 ---- **総評 新システム導入が必ずしもファンの期待を裏切るものではないということを実証した良作。~ 従来作のいいとこ取りといった趣で、期待せずに買ったら思いのほか満足した、という声を上げるファンも多い。 しかし売上は芳しくなく、初週約1.5万本、3週目以降はTOP50から転落。~ つまり「国内累計で5万本いったかどうか」というレベル。『X』が国内累計23万本なのを考えると、成功とは言い難い。~ また、本作の出来に対してバンナム自身にやる気が感じられず、CMなどの広告活動もほとんどされなかった。~ その為「本作の存在を知らなかった」というファンも存在する。~ シリーズの命運を懸けて製作された『AH』がお世辞にも成功とは言い難い結果だった為“バンナムにやる気が無いのは『エースコンバット』シリーズに見切りをつけ始めている前兆ではないか”とも捉えられていた。 『X2』『AH』の評価が劣悪だった事もあり、発売前から購入を見送ったファンが多かったのも売上に響いていると思われる。~ 特に前作『AH』の新システムは過剰な押し付けで不評だったため、今作の新システムも同類のものだろうという見方をされ、『X2』の低速度感と『AH』の飛ばされている感との悪いとこ取りと思われてしまった点は致命的といえる。~ 広報戦略次第では『X2』や『AH』の悪評を拭うことも決して不可能ではなかった良作であるだけに惜しい。~ 『プラス』は任天堂コラボ機体が追加されたこと以外は無印版と同様。 ---- **余談 -本作は、アクセスゲームズとバンダイナムコゲームスの共同開発。 --『X』で大金星をあげ、『X2』で盛大にやらかしたアクセスゲームズだが、今回で名誉挽回に成功した所か? -本作のサウンドトラックの入手方法はエンターブレイン通販の特典のみであったが、発売から1年以上経った2013年の11月にiTunesストアで配信された。 -ちなみに海外でのタイトルは『ACECOMBAT ''ASSAULT HORIZON LEGACY''』。よほど『AH』に自信があったのだろうか? --その『AH』はあの有様なので、売り上げにダメージがあったのではないか?とも言われる。 --しかもパッケージが『AH』のイメージ画像の使いまわしという誤解を招くデザインになっている。 -3年以上たっているとは言えど、無印版へのアップデートが提供されず別ソフトとして発売された『プラス』はいわゆる完全版商法として批判されることもある。 --3DSというハードの特性上、誤字修正やマニューバON/OFF切り替えといった要素はアップデートとして配信することも可能であり、コラボ機体関連を有料DLCとして販売するのも現実的である。 --元バージョンからのアップデート版(無料配信のアップデート部分+有料配信のコラボ機体追加DLC)と新規パッケージの2種類の売り方をすることが当時可能だったかは謎ではある。((『とびだせ どうぶつの森』は元バージョンが2012年11月の発売に対して『amiibo+』の発売および元バージョンへのアップデートの配信が2016年11月と4年後のことである。)) ----
*くにおくんのドッジボールだよ全員集合! 【くにおくんのどっじぼーるだよぜんいんしゅうごう】 |ジャンル|スポーツ(ドッジボール)|&amazon(B000068HJZ,image);| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売・開発元|テクノスジャパン|~| |発売日|1993年8月6日|~| |定価|9,600円(税別)|~| |プレイ人数|1~4人|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2012年4月14日/800Wiiポイント&br;【WiiU】2014年7月16日/832円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|熱血ドッジの集大成&br;ダウンタウン+ドッジボール&br;ひたすら高い自由度|~| |>|>|CENTER:''[[くにおくんシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 ファミコン(FC)版『[[熱血高校ドッジボール部]]』をスーパーファミコン(SFC)にてリニューアルした作品。~ プレイヤーはドッジボールのチームを結成して、世界各国のチームを破り、世界一を目指す。 通常のドッジボールと違い、内野選手はボールを当てられてもダメージを受けるだけでアウトにならず、体力が0になる事で脱落(昇天)し、相手チームの全ての内野を脱落させることで勝利となる点もそれまでのシリーズと同じである。~ リニューアルにあたって、ダウンタウンシリーズの流れも多く取り入れられ、様々なパワーアップが施された。~ ---- **特徴 ''チームの結成'' -最初にメインモードの「かちぬき」で使用するチームを作成する。 --あらかじめ登録されている「くにお」をはじめとする無所属の選手20名((「りき」や冷峰学園四天王など、いわゆるダウンタウンキャラが登録されている。))から、1チーム10人編成(内野4人、外野3人、補欠3人)のチームを結成し、チーム名をつける。以後はこのチームを使用して世界最強を目指すこととなる。 --最大3チームまで結成可能だが、最初は無所属選手に10人の空きがある。ショップで「せんしゅさくせい」を買って使ったり、「せんしゅひきぬき」等で相手チームから選手を引きぬいた際に自動で登録されるものとなっている。 ''選手の成長'' -選手たちは最初はレベルが低いが、試合に出して勝つ事でレベルが上昇し、ステータスが上がっていく。 --パラメーターはFC版『ドッジボール』に近いが、同シリーズの『[[時代劇>ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!]]』と同様に成長率の割り振りを変更する事が出来る。重要度の低いパラメーターの成長を止めて重点的に上げたいパラメーターを伸ばすことが可能。 -FC版ではダッシュシュートとダッシュジャンプシュートで別々の必殺シュートが出ていたが、本作ではこの概念が撤廃され、必殺シュートの出し方をカスタマイズする事が出来るようになった。 --出すまでに必要な歩数(タイミング)に加え、アクションの種類(ダッシュ、ダッシュジャンプ、ハイジャンプ、ロングジャンプ等)までを自由に決める事が可能。 -はじめは一つしか必殺シュートを覚えられないが、選手のレベルが上がるにつれて覚えられる数が増えていく。 ''対戦チームの増加とステージの仕掛け'' -対戦チームも増加し、FC版からは「熱血高校」と「花園高校」が登場しなくなったが、それ以外のチームは軒並み登場((「アフリカ」→「ケニア」、「ソ連」→「ロシア」というチーム名の変更はある。))。さらに「ドイツ」や「フランス」をはじめとする新チームが多数追加されている。 -それぞれのチームのステージには''様々な仕掛け''が用意されており、非常に個性的。ステージによっては''選手が雷で撃たれたり、コート全体が雪崩に巻き込まれたり''する事はあるが一切ノーダメージ。%%ボールが当たるより遙かに痛いはずだが%% --設定により仕掛けを一切オフにしたり頻度(強弱)を変更することも可能。『時代劇』と同様に非常に細かいコンフィグが用意されている。 --仕掛けによってボールや選手が画面外に押し出された場合、一定時間後にランダムな位置へ上空から降ってくる。 #region(ステージの説明) |CENTER:チーム名|ステージ| |CENTER:日本|新チーム。桜をバックに巨大な金網の上が舞台。時折、傾いたりひっくり返ったりしてコートの上の選手もろとも落としてしまう&br;選手が浮かび上がるほどの風が吹く事もあり、浮かび上がっている間は''線を無視して相手コート側に侵入できる''。ただし、ジャンプをしてしまうとラインクロスを取られる。| |CENTER:イギリス|FC版同様ロンドン橋が舞台。時折開いたり閉じたりするので投げたシュートが橋に当たったり、転がって落ちてしまう事がある&br;時折、霧がかかり、濃くなると画面全体が真っ白になり何も見えなくなる。| |CENTER:インド|タージ・マハルが舞台。水辺なので足音が聞こえなかったり、一部のアクションが制限される、&br;水流で選手が流される他、蓮が浮かんでおり、蓮に乗って相手コートに進入することが可能。| |CENTER:アイスランド|氷原が舞台。時折、コートが山なりに盛り上がる他、''選手が突然凍りつく''%%シャツにブルマなので仕方ない%%&br;凍りついた選手は一定時間の間、一切操作できず、無防備になる。| |CENTER:中国|丸太でできた橋が舞台。常に回転しており、回転に逆らえばダッシュ速度が落ちる。&br;また、シーソーのように左右に傾き、選手やボールを落としてしまう。| |CENTER:イタリア|新チーム。海底遺跡が舞台。''どうやって息をしているか''はツッコんではいけない。&br;海底から来る泡に飲まれたり上から降ってくる柱に押しつぶされてコートから追い出される事も。| |CENTER:アラブ|新チーム。砂漠が舞台。アイスランド同様、砂丘によってコートの形が歪む他、&br;時折、発生する竜巻に選手やボールが吹き飛ばされてしまう。| |CENTER:フランス|新チーム。エッフェル塔前の噴水が舞台。コート内に点在する噴水に押し上げられて&br;上空からシュートを放つことも可能。| |CENTER:ケニア|FC版におけるアフリカチーム。ジャングルが舞台。コートがぬかるむのは同様だが、放っておくと''全身が埋まるほどの底なし沼''になる事も&br;また、ステージに生えている木に乗ることで相手のコート側へ行くことが出来る。| |CENTER:ロシア|FC版におけるソ連チーム。宮殿の前の雪原が舞台。シュートなどで転がると''そのまま雪だるま''になってしまう。&br;時折''雪崩が発生''し、巻き込まれるとボールを含めて位置がメチャクチャになってしまう。| |CENTER:ブラジル|新チーム。ビーチに見せかけて海上が舞台、波によってコートが歪む他、海鳥がやってくる。&br;攻撃的な海鳥の場合はつつかれてダウンするが、選手を連れ去って上空へ運んでしまう海鳥もいる。| |CENTER:ドイツ|新チーム。ギアが回転する城が舞台、コートの大半がギアで覆われており、時折回転したり上下に動いたりする&br;回転中はギアの動きに合わせて選手が動くのでトリッキーな攻めが可能。| |CENTER:アメリカ|巨大なトランポリンの上が舞台。ジャンプしたり、シュートが当たったりするとその一辺が大きくバウンドする&br;たまに落雷が発生して選手がダウンすることも。| |CENTER:テクノス|新チーム。隠しチーム扱い。''宇宙''が舞台。どうやって息(ry((ただし、PC番外編でも宇宙が舞台になった事があるので前例がある。))&br;重力のかかり方が独特である他、マップの上空にも地形が有り、ジャンプする事で上下逆さになって乗る事が可能&br;また、''ブラックホール''が発生し、選手やボールが吸われる事が多々ある。&br;吸われたシュートはそのまま別のブラックホールから飛んで来るので思わぬ所からシュートが飛んでくる事も…。| #endregion ''顔グラフィックの追加'' -FC版ではタイプ別に顔グラフィックが決まっていたが、本作ではほぼすべての選手がそれぞれ固有の顔を持つようになった。 --FC版に登場していたキャプテンの顔はそれぞれ「もるどふ(ロシア)」「へいるまん(アイスランド)」「らおちぇん(中国)」に当てられ、それ以外のキャプテンと選手はFC版と違う顔に変更された。 --脱落時の天使のグラフィックにも選手の顔が反映されるようになった。 ''必殺シュートの大量追加'' -FC版における数々のシュートに加え、ぶつけたボールが戻ってくる「りたーんしゅーと」、ボールの周囲の選手を吹き飛ばす「ばくふーしゅーと」、味方にもダメージが入る「もろはのしゅーと」といった個性的なシュートが多数追加された --また、「しゅーとごうせい」というアイテムを使う事によって、2つの''シュートを合成して、それぞれの特性を引き継いだ新たな必殺シュートを作る''事が可能となった。 ---例として、敵チーム全てを攻撃する「ぜんいんしゅーと」と、命中時にシューターの手元までボールが戻ってくる「りたーんしゅーと」を組み合わせると、『敵全てを攻撃した後、ボールがシューターの手元まで戻ってくる』必殺シュートとなる。 ---合成時には比率(50:50、25:75、75:25、ランダム)を決めるが、同じシュートを同じ比率で合成しても出来上がるのは全く違うものになる事すらあり、無限に近い数の必殺シュートが存在することになる。 ---出来上がったシュートには名前をつけることが出来、誰かに覚えさせる事も出来るが、''実際に投げるまではどんなシュートなのかは全くわからない''。思い通りのシュートになる時もあれば全くのカスシュートになることすらある。 ---合成で作成したシュートもまた合成に使うことが可能。繰り返す事でキャッチしづらい究極のシュートを作ったり、ネタに走ったシュートなど自分だけの必殺シュートを作る事も出来る。 ''アクションの大量追加'' -SFCになってボタン数が増加した結果、大量にアクションが追加された。 --ダッシュ中にさらにダッシュすることで勢い良く進行方向へ向かって飛ぶ「ロングジャンプ」や、微量のダメージを受けるがシュートを高確率でバレーボールのように弾く「ブロック」、弾いたボールをスパイクのように撃つ「アタック」といった動作がボタンの組み合わせで行える。 --攻撃時以外にも選手同士をトーテムポールのように連ねる「トップマン」や選手同士を横に連ねる「サイドマン」といった合体が可能。ターゲットをそらしたり、''ボールの代わりに選手を投げる''ので奇襲にも使える。 -攻撃、防御以外にもパスをする相手、狙う相手をボタン一つで変更できるようになったため、より自分の思い通りの試合運びが出来るようになっている。 -アクションの自由度も上がり、相手のコートに入った際もボールを自動で落とすまでは操作をする事が可能。ロングジャンプで強引にコートに入ってボールを奪った後、落とすまでにシュートを撃って逃げる事も出来る。 --外野もダッシュやロングジャンプが可能な為、隙あらばコート内に飛び込んでボールを奪ったり、必殺シュートを放つ事も出来る。 ''ショップ要素と新チーム結成'' -試合前にショップに入ることが出来、「必殺シュート」や「装備アイテム」に加え「せんしゅさくせい」、「せんしゅひきぬき」といったチーム編成用のアイテムを購入出来る。 --お金は後述の「かちぬき」で得る事が出来、試合で稼いだお金でチームの強化を図ったり、他チームの選手を引き抜いたり、新たな選手の募集をかける事で無所属の選手を作る事が可能。 --チームのメンバーはいつでも無所属のメンバーと入れ替える事が出来る他、無所属の選手を10人揃えることで3つ目のチームも結成できるようになる。~ 自チームの選手の名前と顔は変更が可能なので、いつでもオリジナルのチームに作り変えることが出来る。 ''フォーメーションとマル秘作戦'' -フォーメーションとして、試合開始時の選手の位置を細かく決める事が出来るようになった。開始直後にボールを奪う為に全員を前方に置いておくといった事が可能。 --フォーメーションは10個まで登録可能、出場選手を決める際に相手チームに合わせて変更する事が出来る。 -マル秘作戦として、試合中に特定の操作をした際に、登録しておいた動作を選手に一斉に実行させることが出来る。これを使う事で、相手コートに飛び込む、全員を集めて合体させるといった指示を出す事が出来る。 ''コンフィグの充実'' -試合前にゲームの設定を変更する事が可能。上述のステージの仕掛けの設定に加え、ゲームバランスを調整する事が出来る。 --設定項目は『時代劇』に似ており、互いのチームの強さのバランスに加え、重力や必殺シュートの出やすさ等を細く設定出来る。 ---相手チームを「ちょよわ」にする事で強豪チームでもほぼ一撃で倒す事が出来たり、歯ごたえを求めて「ちょつよ」にするといった事も可能。対戦プレイの際のハンディキャップにも使える。 ---- ***ゲームモード ''どっじぼーる かちぬき'' -メインモード。FC版における「えんせいじあい」にあたる。~ CPUが担当する世界各国のチームと戦い、世界一を目指すのが目的だが、FC版と異なり、戦うチームの順番は固定されておらず、好きなチームと対戦する事が可能。~ 全てのチームから一勝する事で優勝となり、エンディングを迎える。 -初めて戦うチームを選んだ場合、そのチームのコートが対戦ステージとして追加され、他のモードでも選択できるようになる。 -試合を行う事で賞金を得る事が出来る。当然、勝った方が多くの賞金をもらえるが、一度もダメージを受けずに完勝するとパーフェクトゲームになり、より多くの賞金をもらう事が出来る。 --試合を繰り返すことにより、選手のレベルをあげつつ、ショップでアイテムを買ってチームの強化を図り、次のチームへ挑んでいくのが基本の流れとなる。もちろん稼ぎ目的で、同じチームに何度挑んでも良い。 -優勝を果たすと、最後の試合の後、記念撮影が行われる。 --この際もボタンを押す事で胴上げされているキャプテンのポーズを変更し、任意のタイミングで撮影する事が可能。カッコイイ胴上げにするかマヌケな胴上げにするかはプレイヤーに委ねられている。 ---撮影された写真は優勝した日付を付けて「あるばむ みる」で見る事が出来る。 -条件を満たす事で隠しチームが対戦相手として出現する。 --テクノスジャパンのスタッフチーム「てくのす」、各国のキャプテンで編成された「おーるすたーず」、各国よりランダム選出された選手が''何故かパンツをかぶった''「かぶりものぶろす」、FC版にも登場したプレイヤーのコピーチーム「なぞのぐんだん」が登場する。 ''どっじぼーる たいせん'' -対戦用のモード。FC版における「たいこうじあい」にあたる。~ 世界各国のチームを選べる他、プレイヤーが結成した3チームも対象に入るので育成したチーム同士でも対戦ができる。 -対戦条件も追加され、「1番の選手を倒すと勝ち」といったものや、実際のドッジボールのように「全員ヒットすると勝ち」という対戦用のルールを用いる事も出来る他、制限時間もつけることが可能。 ''めちゃぶつけ たいせん'' -対戦用のモード。FC版における「くらぶかつどう」にあたる。~ ただし、「くらぶかつどう」では1チームの中で選手一人ひとりが独立してのバトルロイヤルだったのに対し、こちらはチーム対チームの対戦になるのでラインのない対戦に近い。 --チームそれぞれで対戦人数を変える事が出来、1対4といった変則的な組み合わせで戦うことも可能。 ---- **評価点 ''育成の楽しさ'' -オリジナルチームを結成できる事に加え、選手のパラメーターの成長も自由に決める事が出来、なによりも「しゅーとごうせい」によるオリジナル必殺シュートの生成が非常に楽しい。~ 自分だけのシュートを作った後は、シュートの出し方にまでこだわれるので選手に愛着が湧きやすい。 ''ステージの仕掛けの多彩さ'' -必殺シュートが思わぬ形で潰されたり、霧で画面が見えない間に不意打ちをかけると言った、何が起こるのかわからないシリーズ独特のハチャメチャぶりがよく現れており、試合が盛り上がる。 --コンフィグで''やり過ぎ''な設定にすると次々に仕掛けが発動して''まったく試合にならない''程にも出来るが、それぐらい選択の幅が用意されている。 ---発生する頻度の種類を混ぜることが出来るのも秀逸。たまに強烈な仕掛けが発生するといった事も出来る。 ---勿論、全て無しにすることも可能。アイスランドの滑りやすさ、宇宙の上面コート、等とコートそのものは変化しないため、完全に没個性となるわけではない。 ''BGMの質の高さ'' -FC版から続投したチームの内、「アメリカ」「イギリス」「日本((厳密には花園高校だが、便宜上日本チームとして扱う。もっとも、FC版の花園高校戦の曲名は「対日本・チームのテーマ」となっていたのだが。))」はステージのBGMが変更されているが、それ以外のチームはFC版のステージBGMがアレンジされて使用されている。 --FC版で人気の高い「対ソ連・チームのテーマ」もそのままSFCの音源で豪華にアレンジされており、~ FC版では、ややゆったりしていた「インド」や「アフリカ(ケニア)」のBGMもアップテンポ調にアレンジされ、より対戦BGMとしての質が高まっている。 ---変更されたチームのBGMの質も高く、中でも日本チームのBGMはかなりの人気を誇る。 --新たに追加されたチームのBGMも既存のチームに負けないほどしっかりとその国のイメージが盛り込まれたものとなり、格調高さを感じさせる「ドイツ」や優雅な「フランス」、サンバ調の「ブラジル」といったイメージが浮かび上がり、かつ対戦BGMとしてのクオリティも非常に高い。 ''アクションの増加による自由度の高さ'' -あえてブロックに徹底することで、擬似バレーボールが出来たり、ボタンの組み合わせによって相手のシュートを変なポーズで避けたりと、アクションの幅が広まった。 --ロングジャンプの追加やオーバーライン時の挙動の変更により、相手コートに入りつつ攻撃が出来るようになった為、コートのどこにいても油断が出来ない状況になり、戦略性も高まった。 --また、わざわざ味方に近づかなくともパスを渡したい相手をボタン一つで選べるようになったのも嬉しい変更点。 ''チームの個性'' -ボールを取ると、あいかわらずキャプテンの「もるどふ」にパスを回す「ロシア」、ブロックを多用する「フランス」、やたらと整列したがるので貫通シュートの餌食になりやすい「ドイツ」といった国ごとの個性付けがしっかり行われている。 --敵専用のアクションとして「尻を叩いて挑発」するものもあり、インドが多用する。「無の境地」に達していて何をするかわからないという位置づけなはずだが…。 ''マルチプレイの楽しさ'' -全てのモードを最大4人までで遊ぶ事が可能になった。 --同じチームの内野4人をそれぞれのプレイヤーが担当したり、1対3や2対2で対戦したりと選択の幅は大きい。 --「どっじぼーる かちぬき」で友達や兄弟と一緒にチームを育成出来るという楽しみ方も出来る。 --プレイヤー同士の腕に差がある場合でも、対戦条件や設定変更でいくらでもハンディを加える事が出来るので盛り上がりやすい。 ---- **問題点 ''バグ'' -細かいものから致命的なものに至るまでバグが多い --「どっじぼーる たいせん」で対戦条件を設定した後に対戦せずに「どっじぼーる かちぬき」に戻ると、対戦条件がリセットされずに反映されてしまう。~ そのせいで試合時間を10秒に設定していた場合、相手がどんな強豪チームでも''10秒待つだけで勝ってしまう''という現象が発生する。~ 当然、バランスもへったくれもないので多用すると一気にゲームがつまらなくなってしまう。 --対戦チームのステージを選ぶ際に、そのステージが地球のどこにあるかを示すマーカーが現れるが、チーム順に登場させないとメチャクチャな位置になってしまう。~ たとえば、ゲーム内のチーム順では「日本→イギリス」となっているが、最初に「イギリス」を対戦相手にすると、''イギリスの位置が日本になってしまう''。~ 進行に害はないものの、人によっては気になる所である。 ---ちなみに「日本」よりも「イギリス」の方がレベルが低い為、「イギリス」を最初の対戦相手にする事はよくある。 --必殺シュートによってはボールに選手がひっついたままになってしまい、''試合が終わらなくなる''と言った致命的なものもある --「ひっさつますたー」というシュートを売るか捨てるかをしてしまうと、道具欄がバグってアイテムで埋まってしまい、以後、まともに使用できなくなってしまう。 ---まずい事に当時の裏ワザ本等でこれが資金増殖の裏ワザとして紹介されてしまったために被害が広がるハメになってしまった。~ 当時、テクノスに連絡をすると「らむくりあ」という名前の選手を作成し、所定の操作を挟む事で''セーブデータを初期化''する方法を教えてもらえた。これを利用する場合は当然データを諦めなくてはならないが、大量に出現する「ぼーるぱわーUP」を捨て続ければ時間はかかるが直すことができる。 ''ゲームバランスと操作の複雑化'' -対戦の禁じ手として「人投げダメージ」を「あり」にした状態で、ひたすら合体を繰り返して選手を投げつけると、人投げダメージで相手が死んでしまい、どんなチームが相手でも勝ててしまう。 --''ボールではないのでキャッチも避けも通用しない''という点が悪質さに磨きをかけている。デフォルトではダメージ「なし」だが、「あり」に設定出来てしまうのも問題。 ---人投げのほうがシュートより優先されるため、やり過ぎるとボールを一切投げずに試合が終わり、もはやドッジボールではなくなる。 -難易度を自分で設定する事が可能なため、相手チームを「ちょよわ」にするとあまりにも歯ごたえがなく優勝する事も可能。普通にクリアした時と同様にアルバムに残せる。 -ショップには各種のステータスUP(装備ではなく数値を直接上げるもの)が''¥30''で売られていたり、レベルも含めて''全てのパラメーターを最大にする''「すてーたすMAX」が''¥9980''という安値で売られている為、これらに頼ると育成が形骸化する((一応、パワーアップアイテムを使った選手よりも純粋に育てた選手の方が売値が高いといった違いはある。))。 -チームが成長するという仕様上、強くなりすぎたチームは既存のチームとの格差が激しく、対戦には向かない。 -ボタン操作も複雑になり、「L+Y(フェイント、ブロック)」、「A+X+上(マル秘作戦1発動)」といった複合操作が大量に増えた為に覚えづらく、敷居が高くなってしまった。~ 「避ける」動作一つとっても、ボタンの組み合わせで6種類も存在する。 --使いこなせれば戦略の幅は広がるものの、「''SFC版のドッジはゴチャゴチャしすぎて好きではない''」という声も聞かれる。 ''演出の劣化'' -FC版に比べて全体的に効果音が軽くなってしまった。出来は悪くないもののシュート時の音や必殺音などの迫力が損なわれてしまっている。 --キャラが脱落する際も「ズウゥゥン!」と死んでいたFC版に比べ、「ブモッ…」いった味気ない音なので爽快感がない。 -FC版で印象的だった''必殺シュートを喰らった選手が世界を一周する''演出((FC版では一部の必殺シュートを食らったキャラクターは画面外に吹っ飛ばされ、反対側の画面端から戻ってくる。その様が世界一周しているように見えることから、該当するシュートに「世界一周シュート」という通称もあった。))も無くなってしまい、「圧縮シュート」がただの地味なシュートになってしまった。 ''キャラクターの扱い'' -本作では「くにお」くんは''最初に登録されているデータ''という扱い(しかも専売特許と言えるナッツシュートを持っていない)。そのため名前や顔を変更出来るし、''「せんしゅうりこみ」で売ってしまう事も可能''。売ると二度とゲームに登場しない。 --ご丁寧にタイトル画面の表記も「○○(最後にプレイしたチームのキャプテン名)くんのドッジボールだよ全員集合!」になってしまう。%%「やまだくんのドッジボールだよ全員集合!」も可能だ!%% -新チーム結成時のデフォルト名こそ「ねっけつ」だが、''熱血高校の選手が「くにお」以外にいない''という寂しい物になっている。 --逆に冷峰学園の選手が約半数(20人中9人。残りは各校から1~2人)を占めるので、実質、「''冷峰学園ドッジボール部''」である。 --FC版のドッジボール部員も登録されておらず、愛着がある人には辛い仕様となっている。 ---更に顔グラフィックの都合上、「しんいち」や「みつひろ」と言った選手は顔がない為、再現する事も出来ない(サッカー編における「こうじ」と「ひろし」の顔はある)。 -CPUは選手のオーダーを決める際にリストの上から順にしか選ばないので、リストの下の方に登録されている選手はプレイヤーが意図的に引き抜いたり順番を変えたりしない限りは''永遠の補欠''になってしまう。せっかく登録されているのにもったいない。 -各国のアルゴリズムは秀逸だが、選手自体の個性は薄れてしまった。 --本作では各国のキャプテンの必殺シュートは「ナッツシュート」「圧縮シュート」「貫通シュート」「串刺しシュート」で構成されている。FC版で強烈な印象を放っていた「んじょものブーメランシュート」や「へいるまんのワープシュート」等は無くなり、特別に印象に残る選手は少なくなった。 --インドチームから「むはまど((脅威のうたれ強さを誇り、ほとんどのシュートのダメージを2以下にする。ただし、体力自体は全ての選手の中で最低クラス。))」がいなくなり、パラメーターの面でも特徴が薄れてしまったチームもある。 ---- **総評 本作を一言で表せば『[[熱血高校ドッジボール部]]』に『[[時代劇>ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!]]』のシステムを組み込んで登場チームやステージをパワーアップさせた作品である。~ ゲーム内の登場人物やゲームバランスに至るまで全てがプレイヤーの手に委ねられているので自分で遊びやすいようにカスタマイズする事が出来、こだわればこだわるほど楽しめる作品である。~ 操作の敷居が高くなり、致命的なバグなどの問題点もあるものの、ハチャメチャな仕掛けに溢れたステージ、様々な表情を見せるキャラクター、くにおくんらしさに溢れた熱いBGM等は間違いなく''熱血ドッジの集大成''とも呼べる作品であり、当時のテクノスの真骨頂を感じさせる。 ---- **その後 -本作同様、FC版のリメイク作品としてDSで『[[超熱血高校くにおくん ドッジボール部]]』が発売された。 --こちらに登場する各国の選手は本作に登場している者が多く、グラフィックも共通している。 -2020年12月18日に『[[スーパーファミコン Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online/スーパーファミコン Nintendo Switch Online]]』で配信された。

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