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*サイコブレイク 【さいこぶれいく】 |ジャンル|サバイバルホラー(TPS)|CENTER:&amazon(B00LLYPV7G,image);&amazon(B00LLYXUAQ,image);|&amazon(B00LLYRSXQ,image);&amazon(B00LLYUTWS,image);| |対応機種|プレイステーション4&br;プレイステーション3&br;XboxOne&br;Xbox360&br;Windows 7~8.1(海外のみ)|~|~| |発売元|ベセスダ・ソフトワークス|~|~| |開発元|Tango Gameworks|~|~| |発売日|2014年10月23日|~|~| |定価|【PS4/One】7,300円&br;【PS3/360】5,800円(共に税別)|~|~| |備考|予約特典としてゴアモードのCERO:Z指定のDLC付属&br;英題「The Evil Within」|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|期待値が上がりすぎたマーケティング|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 カプコンを退社したバイオハザードの生みの親、三上真司氏がディレクターを務めたTPS視点のサバイバルホラーゲーム。~ 「サバイバルホラーへの原点回帰」を謳い、「国産初のAAAタイトル」「500万以上のセールスに見合う内容を持ったゲーム」等の自信満々な発言、発売前の宣伝等のビジュアルや実写PVの効果もあり、大きく期待されていた(同時に不安視もされていたが)((当時、PVの後半辺りから「何故か熱の冷める感覚がある」という意見が意外と多く見られた。))。 ---- *ストーリー 刑事セバスチャンは、相棒のジョセフ、キッドと共に、精神病院で起こった壮絶な大量死亡事件の現場へと急行するが、不穏な気配を察した次の瞬間気を失ってしまう。目覚めた彼が目にしたものとは? 現実と虚構、絡み合うストーリー、死と隣り合わせの狂気の世界で、生き延びるために戦え!(パッケージより) ---- *特徴・評価点 -ゲームのレベルアップはステータス制で、道中で手に入るグリーンジェルを消費する。上げられるステータスは身体パラメーター、所有武器の攻撃力やリロード時間などといった性能、弾薬やマッチといった道具の最大所持数、アガニボルト((クロスボウ。センサーで起動し爆発するマインボルトや敵を凍らせるフリーズボルトなど特殊な弾頭が使用可能。射撃時に音を出さない他、トラップツールで作成可能。))の各種弾頭の強化。 --もしもストーリーを進めていく上で遭遇する全ての敵を倒したりしらみ潰しに探索したとしても、1周目でステータスを全て上げきる事は出来ない。上手くステータスを配分していかないと厳しい、しかしギリギリ倒せるというバランスが保たれている。トライ&エラーを繰り返しながらクリアーする、よく言えば昔ながらの、悪く言えば古臭い死に覚えゲーであるが、それを乗り越えてクリアする達成感も一塩。 --一部には無効だが、大抵の雑魚にはスニークキルが可能。空き瓶を投げてわざと音を出して注意をそらしたり、見つからないように背後に忍び寄るためにどうすればいいかで攻略法も変わってくる上、いかに弾薬やトラップツールを節約できるかで難易度も変わってくる。下手に撃ってばかりでは詰む事もあり得る((チャプターの始めから難易度を変えてやり直す事も可能。))。 **無駄にならないやり込み要素 -新聞記事やセバスチャンの警察手帳など、事件のバックグラウンドやサイドストーリーを補完する内容のアーカイブスは比較的見つけやすい場所にあるため、収集は難しくない。ロッカーの鍵や地図の断片は少々見つけにくい場所にあるが、前者はプレイ中に消費する弾薬やグリーンジェルなどを補充できるので直接ゲームに反映される。後者ではクリア特典として強力な武器を入手できるが、使わなくても十分にクリアは可能((可能ではあるが、恐らく1周目から全て収集するのはかなり難しいため、2周目からのお遊び程度に考えてもよいだろう。))。 **強烈なビジュアル -人を選ぶ点ではあるが、ゲーム中のストーリーや雰囲気には非常にマッチした作りになっている。登場するおぞましいクリーチャーのビジュアルも、ラスボスの過去の体験から生まれたという点で、悪いものではない。&s(){でもかなり気持ち悪い奴もいる。} **その他 -アガニクロスボウ +--専用の弾頭「アガニボルト」を射出するボウガン。道中で手に入るトラップパーツから各種弾頭を作成できる。使い分けは必要だがいずれの弾頭も強力で、この武器を上手く使いこなせるかどうかが鍵になる。 +--ダウン・吹き飛ばし性能を持つ「ハープーンボルト」、一定時間相手の攻撃を封じ、敵の視覚を封じてスニークキルを可能にする「フラッシュボルト」、接近した敵敵に反応して大爆発を起こす「マインボルト」など。 +--いずれも、他の拳銃やショットガンなどと違い射出時に音を出さない他、マインボルトなどはあらかじめ設置する事でトラップとして利用出来るので、効率良く戦略を組み立ててチャプターをクリアしていかなければならない。 -マッチ --アガニボルト同様、このゲーム独特のアイテム。通常の雑魚を一体倒すだけでも拳銃の弾をかなり消費してしまうが、転倒させたり、スニーキングで「死んだふり」をしている雑魚に近付いて燃やす事ができる。これにより、上手くいけば拳銃かショットガン一発で複数の敵をまとめて倒す事も可能。 -ステルス要素 --要所要所でステルスアクションを要求され、上手く立ち回れば厄介な敵も難なくやり過ごせる。何度もトライして達成感を得る快感は、やはり昔ながらのゲームという感覚がある。 **DLC -『THE ASSIGNMENT』『THE CONSEQUENCE』 --本編で多くを語られなかった、キッド側のストーリーが描かれるDLC。前後編で各1,000円と割高感はあるが、新規マップ・新規クリーチャー追加、蒐集要素ありと、ボリュームは値段相応にある。 --敵に対抗する武器が、後編の中盤を過ぎた辺りまで殆ど手に入らない事もあって、&bold(){「本編よりサバイバルホラーしてる」}と言われる事もある(後述)。 -『THE EXECUTIONER』 --本編の重要な要素・STEMに繋がれた被験者の物語。本編で強い存在感を放ったクリーチャー、キーパーをFPS視点で操作し、能力を強化しながら暴れまわる事ができる。 ---- *不満点 **強制戦闘が多い -一定数を倒さなければならないというシチュエーションは勿論だが、そうでない場合でも間接的に戦闘を強いられているケースが多い。 --例えば、序盤のCh.3の中ボスを倒そうと思った場合、どう頑張っても弾薬を大量に消費してしまう為、節約するなら或る家のトラップを使用しなければならない。スニークキルを決める事でもダメージは与えられるが、エリア内をスムーズに移動して中ボスとの戦闘に集中するには、結局そのエリアの雑魚敵を一掃する必要がある。 --その他にも、スニークキルやトラップを有効活用すれば弾薬やグリーンジェルも手に入れられるので、来る各中ボス戦に備えてステ値・弾薬は稼いでおいて損はない。結局戦闘になってしまう。 -「逃げながら節約しつつ進んで行く」のではなく「倒しながら進んで行く」スタイルが主流となっているため、「サバイバルホラー」というジャンルには首をかしげるかもしれない。もちろん、それらを相手にせず逃げるという選択肢もあるが。 -しかしこれに関して一番の不満が出るのはラスボス戦である。 --詳細は省くが、ラスボス戦の内容は走って逃げるか専用の武器で攻撃するかのみで、それまで温存してきた弾薬や上げてきたステータス値は&bold(){全く関係無い。}その一つ手前の戦闘が、弾薬を消費する最後の機会になる。要は、シチュエーションを強制された上での戦闘である。 --PS4やXboxOneが出て日の浅い時期に開発されたという事もあって映画的な演出にしたかったのだろうが...。 **オリジナリティ -恐怖演出そのものは確かに及第点なのだが、その演出も「映画や他のゲームで見てきたような演出や描写」が大半を占めている。雰囲気作りに必要な血と肉塊、鉄錆といったような演出も特に目新しいといえる程ではない。まだ次世代機発売から日も経ってない内に出たホラーという事でこれまでと違う革新的な何かがある事を期待したプレイヤーからは、「グロければいいってもんじゃない」と言われてしまう始末である。 --この「どこかで見た描写・演出」の最たる例が、本作の看板クリーチャー「キーパー」である。端的に言えば''[[SILENT HILL 2]]の「レッドピラミッドシング」''であり、頭部が金属質な多角形で、倒しても復活し、人の意識が具現化した存在で、最終ボス戦前に2体同時に相手にする・・・と類似点が多すぎる。プレイヤーからは「まんまじゃん」「パクるにしても有名ドコロは避けろよ」と大きく批難された((その他、タティアナ看護師の服装が「SILENT HILL」のリサ・ガーランドとまんま同じだったり、「SILENT HILL 3」を連想させるメリーゴーランドや車椅子の要素があったり等。))。 -また、ディレクターの三上氏が大ヒット作のバイオハザードから抜け出せていない、という印象もある。 --初代バイオのセルフパロディとなる冒頭のホーンテッド(人型の敵)振り返りシーンや一切決められた条件で戦うラスボス戦((ロケットランチャーで締めるのだが、その後にハンドガンを使ったQTEがある。))など、上記の既視感のある演出を含めこれらを「時代に乗り切れていない」と断言するユーザーもおり、「それがいい」という声もある((現代で同氏がバイオハザードを作っていたらこうなったかも、くらいで見た方が楽しめるだろう。))。 --先述した通り、このゲームを「昔ながら」か「古臭い」かで評価が分かれてくるという意見も多い。 **違和感や理不尽さを感じやすい演出・仕様・システム -一例を挙げると、 --ステルスキルの際にはナイフを使うが、通常格闘では何故かナイフを使わずに銃器で殴る。しかも十回以上殴らないと倒せないほど弱い。~ ちなみに開発中のトレーラーでは、武器としてナイフが存在し、インベントリ内にもナイフが確認できた。・・・何故? ---更に言えば、主人公は自前の自動拳銃を持っているのに、最序盤で入手する装弾数の少ないリボルバーを使い続ける。だから何故使わんのだ。 //--頭部に巨大な杭がぶっ刺さった雑魚がいるが、その雑魚にヘッドショットを決めても怯むだけで即死はしない、''でもナイフで刺せば即死する''。明らかに演出とデザインが噛み合ってない。 //↑チャプター2のイベントで出てきた奴なんて、額が大きく割れて致命傷を負ってるような外見できびきび動いてるんだし、それらのデザインは問題点になりうるんだろうか? --主人公はどんな状況に陥っても、それに疑問を感じたり驚いたりする事は(殆ど)ない。即座に状況に順応して行動を開始する。~ 「ここは何処なのか、何なのか」「どういう状況なのか」、そういうプレイヤーが真っ先に思う事をまるで感じない(あるいは感じていたとしてもほとんど表に出さずどんどん行動していく)ため、感情移入がし辛い。 ---例えば最序盤。精神病院の陰惨な大量殺人現場に出くわしフードの男に襲われて意識を失い、気付いたら血と肉にまみれた廃墟で逆さ吊り・・・という流れなのが、その状況に疑問を感じる事もなければ、驚いたりパニックに陥ったりもしない。この狂気じみたエリアを抜けてエレベーターに乗り、元の病院(と思わしき場所)に戻ってくるのだが、道中で負った足の怪我がエレベーターを降りた時点で何故か治っている事についても、何ら疑問を感じない。 ---とりわけ違和感を覚えるのが、キッドに撃たれるシーンとその直後のシーン。キッドがこちらを撃って「汚染されてる」と思わせぶりな発言をするので当然疑問に思うのプレイヤーは存在するだろうが、これ以降に再会した時''セバスチャンは華麗にスルー''。自身を撃った事に対してはラスボス直前での「自分を撃ってジョセフを殺したお前は信用出来ない」という発言以外まったく取り上げられず、汚染発言に至ってはこれ以降掘り下げられる事がない((一応、直前のキッドとの会話やジョセフの異変などから、「汚染」が何を指すか推察すること自体は難しくはない))。 ---「敢えて直接的描写を控えめにし、ヒントを大量に散りばめる事で、プレイヤーに考察させる余地・楽しみを与える」というストーリーのゲームは実際に存在する。SILENT HILL2が実際にそうだし、同作はストーリー面で多大な高評価を得ているので、こういったストーリー構成にする事自体は特に問題ではない。しかし本作は''セバスチャンがあまりにも無反応すぎる''ため、''考察する楽しみ云々の前に違和感が強く前に出てきてしまう''のである。「直接的描写を控えてプレイヤーに考察させる楽しみを与える構成」にしてある事が問題なのではない、その構成に徹しきれていない事が問題なのである。 ---ラスボスを撃破する為に使うことになる「ある武器」の入手経緯も強引。そうまでしてその武器に拘る必要があったのか。 --こちらは入手弾薬の少なさに四苦八苦しやすいのに対し、敵は非常に多種多様な武器を使いこなす。 ---斧や松明、ナイフや包丁等の原始的な武器は勿論、拳銃にアサルトライフル、クロスボウに狙撃銃、更には手榴弾やロケラン(ボスのみ)と何でもござれ、多種多様な銃器を見事に使いこなす。しかもリロードや射撃間隔こそあれど弾数''無限''でバカスカ撃ってくる上、倒せば武器を入手できるといった事も無し。しかも命中精度がハンパない。 ---理不尽なのも問題だが、真に問題なのは、この銃器で武装した雑魚が恐怖感を殺している事である。「ホラーゲームで武装した敵との撃ち合い要素を要られても怖くない」という声は、BH4・5・6と古くから続くプレイヤーからの指摘である。しかし「サバイバルホラーの原点回帰」を謳いながら結局本作にもその要素が多数見られてしまい、先述の「三上氏がBHから抜け出せていない」という印象を持たれてしまう事となった。 **「快適性」と「TPSとしての完成度」の低さ -極端に狭い視界 --近すぎる視野と超巨大レターボックス ---本作では画面と操作キャラクターの距離が、''操作キャラの下半身が画面に映らない''ほど近く、とにかく視界が狭い。調節機能はない。銃器を構えると手首しか映らない(ほぼ)FPS視点になるので、それに合わせたのだろうが、プレイヤーからすればただひたすらに遊び辛いだけである。特にアガニクロスボウは、構えると視界の3~4割を遮ってしまい、視界が狭いどころか角度によっては着弾点が見えなる。 ---また、''巨大なレターボックス((映画等に見られる画面上下の黒帯の事。))が終始画面上下に存在している''。ただでさえ狭い視界を余計に狭めており、「見づらい」として発売当初から大きく批判され続けた。後にレターボックスの有効/無効切り替え機能がアップデートで追加されたが、上記の視界距離までは改善されなかった上、アップデートの配信が''発売から8ヶ月後''とあまりに遅く、評価を覆すまでには至らなかった。 --この極端に狭い視界のせいで、戦闘中に''「こちらの視界外から敵に攻撃される」''という事態が頻繁に発生し、凄まじいストレスを感じさせる。カメラを下に向けないと足元を確認する事も出来ないので、探索時にも「足元のアイテムが見えない」「足元のトラバサミに引っかかってダメージ」といった事が頻発するため、快適性はかなり低い。 ---また、これらの事情から頻繁にカメラを操作しなければならなくなり、非常に3D酔いを起こしやすい。加えてただ歩くだけでも画面が小刻みに揺れるので堪ったものではない。内容の良し悪し以前に3D酔いのために途中で断念せざるをえない場合もある。 -命中率と当たり判定の問題 --発売当初より問題視されているのが、銃器の命中率の低さ。 ---まず手ブレが酷い。主人公は現役の警察官だが、とてもそうは思えないほど手ブレが酷い。かつて三上氏が手掛けたBH4でも手ブレは存在したが、そちらは細かくプルプルと震える程度で遠距離の小さな的を狙ったりしない限りはそれほど気にはならない。しかし本作での手ブレは照準の動く速度こそゆっくりめなものの、その振れ幅が明らかに大きい((この手ブレの酷さとセバスチャンの過去が合わさって「アル中」と呼ばれる事も。))。 ---その手ブレ以上に問題となるのが、立ち止まって銃を構えても''照準の中心へと飛ばない命中精度の悪さ''。6~7メートル先の壁の一点を狙うと分かるが、中心から頭一つ分以上ずれた位置に着弾する事もある。一応銃器のアップグレードでかなり改善されるのだが、それでも完全には無くならない。本作の武器アップグレードにて真っ先にすべきは、ハンドガンの命中率とクリティカルへのステ振りである。それだけでかなり序盤のストレスは軽減される。 ---そして銃弾の当たり判定の消滅バグの存在。敵やオブジェクトにきっちりと狙いを付け、近距離で発砲したのに、当たらずに背景に着弾する・・・という現象が(低確率だが)発生する。危機感を演出するための仕様という可能性もあるが、もしそうなら完全に滑っている。 //↑もしかしたら上記の弾道ブレで逸れた結果による物で、バグではないのでは? //↑これ書いた者だけど、ラストの串刺しセバスチャンがロケラン撃つシーンあるじゃん?あん時に弾道がラスボスルヴィクを貫通した事がああった。他にも、一番最初の女神像を至近距離でリボルバーで撃って、当たらずに貫通したり。 --上記のようにこちらの当たり判定は大変シビアなのに対し、敵側の当たり判定は非常にガバガバである。 ---敵の格闘攻撃は壁をすり抜けてこちらに当たる。銃撃も、銃口が壁を突き抜けていれば普通に被弾する。こちらの攻撃が壁越しに敵に当たる、といった事は勿論無い。むしろショットガンを密着して撃つと、銃口が敵を貫通して当たらない事もある始末。 ---斧を振りかぶった敵の''肘''に当たってダメージ、つるはしを''振り下ろした後''の敵に近づいたらダメージ、という謎すぎる当たり判定。三上氏の代表作である[[BH4>biohazard 4]](GC / PS2)ではこのような現象は起こらなかったのに、第8世代ハードのPS4 / XBoneで何故こんな事が? ---その他、十分な距離を取って回避したはずのセンティネルの体当たりに直撃する等、この当たり判定の酷さは随所に見られる。 -''被ダメージ時の無敵時間が無い'' --[[かの有名な「とあるゲーム」>デスクリムゾン]]を髣髴とさせる残念仕様である。これのせいで、「一度に複数の敵から攻撃を食らって即死」「掴み攻撃を受けている最中に攻撃を食らって死亡」という事態に陥る事がある。特にチャプター6:籠城で頻繁に。 --&small(){そう言えば、その「とあるゲーム」にも照準がずれる事があったような・・・。} -ストレスに繋がるゲームとしての完成度の低さ --不安定なフレームレート ---第8世代ハードの作品は、固定60fpsないしそれに近い高fpsの実現が魅力の1つだが、本作のフレームレートは第7世代ハードと同じ30fps。 ---しかも固定ではなく可変であり、更にプレイ中30fpsを発揮する事はまず無く、頻繁に下がりその度に処理落ちに見舞われる。ロンチ・縦マルチの[[龍が如く 維新!]]ですらそれなりの高fpsをキープしていたのに、何故本作はこうも低いのか・・・。 ---PC版なら自分で数値を弄ることもできるがそれでも改善されない。推奨される手段ではないとはいえ、それでも直らないとなるともはや根本的な部分から致命的に完成度が低いと思わざるを得ない。 --大小様々なバグ ---上記の銃弾の当たり判定消滅バグに始まり、アマルガムαが壁に引っかかって動けなくなる、フリーズ(PS3)、エラーによるアプリ強制終了(PS4)、ハシゴを降りられなくなる、画面外に落下して復帰不能になる、NPCが直立不動になる等、大小様々なバグが発生・存在する。中には[[首チョンパされても動きまわる主人公>https://www.youtube.com/watch?v=k0TSp7uU--g]]という愉快痛快なバグも・・・。 --長いロード時間 ---死亡時のロードが10秒以上、長い時はそれ以上掛かる。旧世代機版なら更に長い。この点も快適性を大きく損なう要因である。 --頻発するテクスチャの貼り遅れ ---画面切り替え時やムービーへの移行時に、テクスチャがぼやけて表示され、数秒後にきちんと表示される・・・という現象がゲーム開始から終始頻繁に発生する。ゲームプレイに大きな影響を及ぼすものではないが、ムービーでこれが発生するとげんなりさせられる事だろう。 ---また、村人による小屋への放火シーンで村人の顔のテクスチャが滅茶苦茶になる、アマルガムαが壊した壁のテクスチャが消滅する、という事が100%必ず発生する。上記の貼り遅れの件と合わせて、デバッグ不足と最適化不足を感じさせる。 --オプションにカメラの左右反転切り替え機能がない ---今時の一般的なTPS / FPSゲームにはほぼ必ず搭載されている同機能がオプションに存在しない。カメラ操作が重要なシューターでは死活問題であり、左右反転に慣れ親しんだユーザーからは大きな批難を浴びる結果となった。レタボ問題についてはアップデートで改善されたが、こちらは後のアップデートでも機能追加されていない。 -完成度の低いステルス / サバイバル要素 --ステルス要素を目玉として紹介している割には、ステルス要素の完成度がイマイチ悪い。 ---序盤こそ隠れる場所は多く、ステルス要素を十分に楽しめる。しかし物語が進めば進むほど先述の「強制的に敵と戦わせられる」「必ず敵に見つかる」といった場面が多くなる。そしてそれに反比例するかのように、ベッド下やロッカー、タンスといった中に入り込んで隠れる場所が極端に少なくなってゆく。最終決戦前の戦闘に至ってはラスボスのお膝元であることを差し引いてもステルス要素が一切ない雑魚ラッシュであり、申し訳程度に空き瓶が落ちているだけ。発売前にあれだけ謳っていたステルス要素は一体何処へいったのか。 ---また、しゃがみ状態ではなぜか投擲が出来ても射撃が出来ない。普通にプレイしている分にはそれほど気になる問題点ではないのだが、ゲーム中盤に登場するとある仕掛けで定期的にしゃがみを強制される場面で一気に表面化する。 ---とある即死罠が回転する場所ではしゃがみ移動を強制されるのだが、この状態で罠を解除すると強制的に立ち上がってしまう。タイミングが悪いとしゃがむ暇もなく罠に当たって即死である、ちょっと待てなにこれ。 ---立ったままだとホーンテッドも例外なく即死するのでしゃがみ状態で行動するのだが、拳銃を持ったホーンテッドはなぜか''しゃがみながらこちらを狙い撃って来る''。タイミングを見計らってダッシュで逃げるか立ち上がって撃つなどすれば簡単に対処は出来るのだが、どうしても理不尽さは拭えない。 //--本作のジャンルは「サバイバルホラー」であるが、正直''サバイバル要素なぞ無いに等しい''。 //---怪我した箇所を自分で治療する、といった要素はない。動植物を捕まえる等の要素もない。物資がないためハンドメイドの武器やアイテムを自作する、というシステムもない((しいて言うならアガニクロスボウがそれだろうか?))。ましてや''主人公が「生きる事」に強く固執している訳でもない''。 //---本作は、要は「ステルス要素を入れ、弾薬を少なくし、主人公を弱くしたBH4」である。だからこそ「三上氏がBHから抜け出せていない」という印象を持たれたのである。 //↑その理屈で言ったら、初代バイオですら「サバイバル要素なぞ無いに等しい」って事になると思うんだが。あとwikipedia情報で申し訳ないが、サバイバルホラーはシステムじゃなくてテーマで定義づけられるジャンルともあるし。 --なお、先述の「どこかで見た描写・演出」の一例として、前年に発売した''[[THE LAST OF US]]を参考にしたのではないか?''と言われている。勿論プレイヤーの推測であるが、「空き瓶で敵を誘導」「ナイフで一撃キル」「炎に極端に弱い」と類似点が多い。そして強制戦闘の多さ、すぐにこちらを見失う敵AIの頭の悪さ、隠れる場所の少なさ等の点から''ステルス要素・サバイバルアドベンチャーとしての完成度はTHE LAST OF USとは雲泥の差である''。 **死に覚えゲー -本作には、初見殺しの即死ポイントや即死攻撃、あるいは大ダメージを負ってしまうような箇所がいくつも存在する。 --大抵は直前にチェックポイントが入るが、ロードが10秒以上掛かる事も多い本作でこうしたトライ&エラーはストレスが溜まる((各チャプター冒頭でロードが入るが、それ以外は一部を除き全てシームレスなので、エリア移動でストレスが溜まるという事はない。))。~ しかも本編に登場する中ボスクリーチャーはほぼ全員が即死攻撃を持っている為、初見で慣れない内は何度も死にまくる羽目になる。 --しかも、ステージ中に即死ないし大ダメージを負うような罠が至る所に、それも大量に散りばめられており、これも死にまくる要因となる。 --何より問題なのは、先述した通り''視界が極端に狭いせいで画面外からの攻撃に当たって死にやすい''事である。 ---これはプレイヤー側のスキルや不注意による死亡原因ではなく、ゲーム側の完成度・調整不足に依存した死亡原因である。~ このためプレイヤーは強いストレスを感じやすく、クリアした時も達成感より徒労感を感じてしまいやすくなっている。~ また、あまりにも頻繁に死にまくるため、「テキトーに進んで敵配置を覚えて死に、覚えたら本腰を入れて攻略」というプレイスタイルを余儀なくされる。つまり高い死にやすさが、折角の恐怖演出を殺してしまっているのである。 --これらの死にやすさ、ロードの長さ等あらゆる悪さを凝縮したのがCHAPTER7のキーパー戦だろう。毒ガスで制限時間が設けられ無限沸き&即死持ちのキーパーを尻目に仕掛けを解除して進まなければならない。途中で死亡した場合、長いロードの上になんとムービー(スキップ不可)まで戻される。キーパー自体もかなりの強敵でばら撒くベアトラップに引っ掛かったりするとダッシュから即死攻撃、またロードでムービーと多くのプレイヤーがここで苦しめられた。 **初回特典DLC「ゴアモード」について -本作のレーティングはCERO:Dだが、初回特典としてゲーム内描写・演出をCERO:Z相当に引き上げる「ゴアモードDLC」なるものが用意された((前者は17歳以上対象、後者は18歳以上のみ対象。))。~ 開発側も「CERO:Zの天井を目指したい」と謳い、「年齢制限をクリアしている人なら本DLCを入手しておかないと後悔する事になるだろう」と、自信満々に早期購入を促していた事から、多くのプレイヤーが期待に胸を弾ませた。 --しかし蓋を開けてみれば、「雑魚の頭部がヘッドショットで吹っ飛ぶようになる」「死体袋に入れられた死体が袋から出ている」程度。~ 部位欠損等の描写は依然として海外版から大きく規制されたままで、これには海外版と同程度の表現を期待したユーザーから失望と怒号が飛び交った。~ 更に言えば、ぶっちゃけDLCを入れたところで実質CERO:Dと大差なく、勿論入れなければそれ以下、これでは''詐欺である''。 --しかもこのゴアモードDLCにもバグがあり、グロテスク表現の設定が無効となる現象が頻繁に発生する始末。比較的すぐに修正アップデートが配信されたが、アップデート適用後も定期的に発生するため、結局現在に至るまで直らずじまいであった。 **あまりに強すぎる一部の武器・アイテム -マッチは倒れたホーンテッドに使用可能で、敵のHP残量に関係なく''マッチ1本擦って落とせばそれで即死させられる''。&br;ホーンテッド系最強の敵で、極めて厄介な相手であるアンノウンも、ダウンさえ奪えられればマッチ1本であっさり焼け死ぬ。&br;しかも敵同士が近ければ直接マッチを落とされてない敵や立っている敵にも引火するので、上手く誘導すれば2~4体の雑魚を一気に焼き殺す事も可能。アップグレードで沢山持てる上に割りと頻繁に入手も可能。 --一般的なTPSで最も使うであろうハンドガンは、足止め程度しかできない上に先述の通り手ブレや弾道ブレが酷すぎるので、本作に慣れれば慣れるほどどんどん使わなくなっていく。吹っ飛ばして転倒させ、テキトーに撃っても当たるショットガンが、対雑魚における最強武器である。 ---ただ、勿論ハンドガンも完全な産廃ではなく、潤沢なポイントをつぎ込んで前述した「命中率」と「クリティカル」を優先的を強化すれば、ホーンテッド相手ではなかなか有能な武器になる。しかしそんな事をするくらいならショットガンの性能を、更に言えば下記のアガニクロスボウを改造した方が遥かに役立つのが実情である。これらの強武器が序盤で手に入る事も考えれば、本作のハンドガンはサイドアーム的な意味合いが強いと言える。 --このような具合のため、雑魚をショットガンでまとめてふっ飛ばし、マッチでまとめて焼く・・・というのが対雑魚の基本戦術である。この「敵の火に対する耐性の低さ」にはラスボスの過去が関係しているとはいえ''正直ホラーゲームとしてもTPSとしても首を傾げざるを得ない。''少なめの弾薬を節約する為の要素・今までのホラーゲームとは違うゲーム性を求めた結果などとも取れるが。 -アガニボルトはその多彩な種類ゆえ、ショットガン・スナイパーライフル以外の銃器の存在が霞んでしまう位強すぎる。 --ハープーンボルトは高威力・敵貫通・ダウンを奪う・低コストと使い勝手が良すぎる。強化コストはとても高いが最大までアップグレードすれば雑魚を即死させられるようになり、こうなるとアンノウンですら問答無用で倒せるようになる。 --フラッシュボルトはアップグレードで長時間雑魚を足止めできるようになり、その間はナイフによる即死or大ダメージ攻撃が可能((未強化の4秒では2体くらいが限度だが、最大強化すれば16秒にまで伸びるので5~6体くらいへの連続スニークキルが可能となる。))、コストも安く範囲も広い・・・とこれまた隙がない。 --ショックボルトは電流で一定時間敵を拘束するというもので、何と''ボスにも効く''。地面に打ち込んで地雷のような使い方もできる他、部品さえあれば大半のボスを封殺できるようにもなる。ただし、一部のボスの場合は完全に動きを止めることは出来ず動きがスローなる。ほとんど動けないとはいえ攻撃判定もしっかり残っているので、攻撃モーションに入っているボスに不用意に近づくのは危険である。 --フリーズボルトはBHシリーズにおける冷凍弾で、雑魚は問答無用で即死、ボスもショック程ではないが長期間足止めでき、アップグレードで広範囲化・・・とこれまた隙がない。 --勿論、各ボルトの作成には部品が必要だが、殺る気満々の罠が至る所に大量に設置されている事が幸いし、部品の消費数が多いショックかフリーザーをバンバン作ったりしない限りは割と頻繁に使っていける。あまりに便利すぎるので、元々入手時期が後半になるマグナムは正直終盤のボス1~2体でしか使わない。威力の高さを考えればマグナムがほぼボス専になるのは当然と言えばそうなのだが。 **伝わりにくいストーリー -物語の大筋の理解自体はそれほど難しくない。新聞記事や手記を集めたり、クリア後に解禁されるフィギュアコレクションの解説を見て大まかなストーリーを把握する事もできる。だが本編を一度プレイしただけでは、全てを知ることはできない。 --理由の一つとして、場面転換のぶつ切り感が強いことが挙げられる。 --本作の舞台設定は、「或る男の頭の中に意識が侵入している」という前提で進むわけだが、精神的な世界を中心にしている事を言い訳にしているのか、特定の場所まで話が進むと主人公が文字通り別の場所に飛ばされて手掛かりを追っていく形になる。時にはまるで毛色の違う場所に飛ばされる事もあるため、一度チャプター毎のリザルト画面を挟んだりゲームを翌日再起動させた始めた時、「何やってたんだっけ?」となり思い出せない事もある。 --また、本編で描かれなかったキッド編のDLCが、「同じ時彼女は何をしていたのか?」ではなく、実質「何が真相だったのか?」を補完する内容となっているため、わざわざ別売りにしてしまった事を非難する声も多い。 ---しかし本編の演出やストーリーに則ってのサイドストーリーを考えるのであれば今回のように別モードで作成せざるを得ず、ボリュームもそれなりにあるのでDLCにしてしまうのもやむなしという点はある。それでもどうにかして1枚のディスク(1つのデータ)としてまとめられなかったのか、という不満は大いに残ってしまうが...。 ---本編同様強制戦闘のシーンはあるが、&bold(){それ以外ではキッドは丸腰で対抗手段は何も無く、}通常ホーンテッド以外は即死攻撃を持つ相手ばかり。しかし全体の難易度が理不尽に高いわけではない上内容も良く出来ているので、このDLC自体に不満の声は少ない。 ---- *総評 何処かで見た恐怖演出・要素と本作独自のオリジナリティの欠如、飲み込み辛いストーリー、劣悪なカメラと操作性、違和感を覚えざるを得ない数々の描写、更にはDLCに至るまで多数の問題点を抱えており、その完成度は決して高いとは言えない。~ 「サバイバルホラーへの原点回帰」「500万以上のセールスに見合う」という開発側の強気な発言と、それに全く見合わない方向性・クオリティも本作の低評価を後押ししており、各レビューサイトは大荒れ、大手通販サイトアマゾンでは発売一ヶ月足らずで僅か半額以下にまで値崩れする結果となった。~ ただし、多数の粗はあれど致命的な問題点は無いし、普通にクリアする分にも問題は無い。周回毎に縛りプレイをして遊べるくらいの実績解除もあるので、ダークな世界観に浸りたいという方はプレイしてみてもいいだろう。~ しかし開発者が謳った「(第8世代ハードにおける)国産初のAAAタイトル」の名に相応しい出来と呼べるかどうかには大きな疑問が残る、色々と残念な作品である。 ----
*サイコブレイク 【さいこぶれいく】 |ジャンル|サバイバルホラー(TPS)|CENTER:&amazon(B00LLYPV7G,image);&amazon(B00LLYXUAQ,image);|&amazon(B00LLYRSXQ,image);&amazon(B00LLYUTWS,image);| |対応機種|プレイステーション4&br;プレイステーション3&br;XboxOne&br;Xbox360&br;Windows 7~8.1(海外のみ)|~|~| |発売元|ベセスダ・ソフトワークス|~|~| |開発元|Tango Gameworks|~|~| |発売日|2014年10月23日|~|~| |定価|【PS4/One】7,300円&br;【PS3/360】5,800円(共に税別)|~|~| |備考|予約特典としてゴアモードのCERO:Z指定のDLC付属&br;英題「The Evil Within」|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|期待値が上がりすぎたマーケティング|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 カプコンを退社したバイオハザードの生みの親、三上真司氏がディレクターを務めたTPS視点のサバイバルホラーゲーム。~ 「サバイバルホラーへの原点回帰」を謳い、「国産初のAAAタイトル」「500万以上のセールスに見合う内容を持ったゲーム」等の自信満々な発言、発売前の宣伝等のビジュアルや実写PVの効果もあり、大きく期待と同時に不安視されていた(当時、PVの後半辺りから「何故か熱の冷める感覚がある」という意見が意外と多く見られた)。 ---- **ストーリー 刑事セバスチャンは、相棒のジョセフ、キッドと共に、精神病院で起こった壮絶な大量死亡事件の現場へと急行するが、不穏な気配を察した次の瞬間気を失ってしまう。目覚めた彼が目にしたものとは? 現実と虚構、絡み合うストーリー、死と隣り合わせの狂気の世界で、生き延びるために戦え!(パッケージより) ---- **特徴・評価点 -ゲームのレベルアップはステータス制で、道中で手に入るグリーンジェルを消費して各ステータスを強化/補正する。ステータスは身体パラメーター、所有武器の攻撃力やリロード時間などといった性能、弾薬やマッチといった道具の最大所持数、アガニボルト(後述)の各種弾頭の強化。 --グリーンジェルは遭遇する全ての敵を倒したりしらみ潰しに探索しても、1周目で全てのステータスを上げきる量は回収できない。うまく配分しないと厳しい、しかしギリギリ倒せるというバランスが保たれている。トライ&エラーを繰り返しながらクリアーする、よく言えば昔ながらの、悪く言えば古臭い死に覚えゲーだが、それを乗り越えてクリアする達成感も一塩。 --一部には無効だが、大抵の雑魚にはスニークキルが可能。空き瓶を投げて音を出して注意をそらしたり、見つからずに背後に忍び寄るためにどうすべきかで攻略法も変わってくる上、いかに弾薬やトラップツールを節約できるかで難易度も変わってくる。下手に撃ってばかりだと詰む事もあり得るが、チャプターの始めから難易度を変えてやり直す事も可能なので心配はない。 -無駄にならないやり込み要素 --新聞記事やセバスチャンの警察手帳など、事件のバックグラウンドやサイドストーリーを補完する内容のアーカイブスは比較的見つけやすい場所にあるため、収集は難しくない。しかし、1周目で全て収集するのは厳しいため、2周目からのお遊び程度に考えてもよいだろう。ロッカーの鍵や地図の断片は少々見つけにくい場所にあるが、前者はプレイ中に消費する弾薬やグリーンジェルなどを補充できるので直接ゲームに反映される。後者ではクリア特典として強力な武器を入手できるが、使わなくても十分にクリアは可能。 -強烈なビジュアル --人を選ぶ点ではあるが、ゲーム中のストーリーや雰囲気には非常にマッチした作りになっている。登場するおぞましいクリーチャーのビジュアルも、ラスボスの過去の体験から生まれたという点で、悪いものではない。 -アガニクロスボウ --専用の弾頭「アガニボルト」を射出するボウガン。道中で手に入るトラップパーツから各種弾頭を作成できる。使い分けは必要だがいずれの弾頭も強力で、この武器を上手く使いこなせるかどうかが鍵になる。 --ダウン・吹き飛ばし性能を持つ「ハープーンボルト」、一定時間相手の攻撃を封じ、敵の視覚を封じてスニークキルを可能にする「フラッシュボルト」、センサーで起動し接近した敵に反応して大爆発を起こす「マインボルト」、敵を凍らせるフリーズボルトなど特殊な弾頭が使用可能。 --いずれも、他の拳銃やショットガンなどと違い射出時に音を出さない他、マインボルトなどはあらかじめ設置する事でトラップとして利用出来るので、効率良く戦略を組み立てれば楽にチャプターをクリアできる。 -マッチ --アガニボルト同様、このゲーム独特のアイテム。通常、雑魚を一体倒すだけでも拳銃の弾をかなり消費してしまうが、転倒させたり、スニーキングで「死んだふり」をしている雑魚に近付いて燃やす事ができる。上手くいけば拳銃かショットガン一発で複数の敵をまとめて倒す事も可能。 -ステルス要素 --要所要所でステルスアクションを要求され、上手く立ち回れば厄介な敵も難なくやり過ごせる。何度もトライして達成感を得る快感は、やはり昔ながらのゲームという感覚がある。 **DLC -『THE ASSIGNMENT』『THE CONSEQUENCE』 --本編で多くを語られなかった、キッド側のストーリーが描かれるDLC。前後編で各1,000円と割高感はあるが、新規マップ・新規クリーチャー追加、収集要素ありと、ボリュームは値段相応。 --敵に対抗する武器が、後編の中盤を過ぎた辺りまでほとんど手に入らない事もあって、&bold(){「本編よりサバイバルホラーしてる」}と言われる事もある(後述)。 -『THE EXECUTIONER』 --本編の重要な要素・STEMに繋がれた被験者の物語。本編で強い存在感を放ったクリーチャー、キーパーをFPS視点で操作し、能力を強化しながら暴れまわる事ができる。 ---- **問題点・賛否両論点 -強制戦闘が多い --一定数を倒さなければならないというシチュエーションは勿論だが、中ボス戦などでうまく立ちまわるために実質的に戦闘を強いられているケースが多い。 ---例えば、CHAPTER3の中ボスを倒す場合、どう頑張っても弾薬を大量に消費してしまう為、節約するならある家のトラップを使用しなければならない。スニークキルでもダメージは与えられるが、エリア内をスムーズに移動して中ボスとの戦闘に集中するには、そのエリアの雑魚敵を一掃する必要がある。 ---中ボス戦に備えるなら、スニークキルやトラップを有効活用すれば弾薬やグリーンジェルも手に入るので、結局戦闘になりがち。「逃げながら節約しつつ進んで行く」のではなく「倒しながら進んで行く」スタイルが主流となっているため、「サバイバルホラー」というジャンルには首をかしげるかもしれない。もちろん、相手にせず逃げるという選択肢もあるが。 -しかしこれに関して一番の不満が出るのはラスボス戦である。 --詳細は省くが、ラスボス戦の内容は走って逃げるか専用の武器で攻撃するかのみで、それまで温存してきた弾薬や上げてきたステータス値は&bold(){全く関係無い。}その一つ手前の戦闘が、弾薬を消費する最後の機会になる。要は、シチュエーションを強制された上での戦闘である。 --PS4やXboxOneが出て日の浅い時期に開発された事もあって映画的な演出にしたかったのだろうが...。 -オリジナリティが薄い。 --恐怖演出そのものは確かに及第点だが、その演出も「過去の映画・ゲームで見たことがある演出や描写」が大半を占めている。雰囲気作りに必要な血と肉塊、鉄錆といったような演出も特に目新しいといえる程ではない。次世代機発売から日も経ってない内に出た事でこれまでと違う革新的なものはない。 ---この「どこかで見た描写・演出」の最たる例が、本作の看板クリーチャー「キーパー」である。端的に言えば''「SILENT HILL 2」の「レッドピラミッドシング」''と、頭部が金属質な多角形・倒しても復活する・人の意識が具現化した存在・最終ボス戦前に2体同時に相手にするなど類似点が多い。その他、タティアナ看護師の服装が「SILENT HILL」のリサ・ガーランドと同じだったり、「SILENT HILL 3」を連想させるメリーゴーランドや車椅子の要素があったり等。パクるにしても有名ドコロは避けるべきではないか。 -ディレクターの三上氏がバイオハザードに囚われている、という印象もある。 --初代バイオのセルフパロディとなる冒頭のホーンテッド(人型の敵)振り返りシーンや決められた条件で戦うラスボス戦(ただし、ロケットランチャーで締めるものの、その後にハンドガンを使ったQTEがある)など、前述の既視感のある演出を含め大きく賛否は分かれる。同氏が現在の環境でバイオハザードを作ったらこうなったと思えば納得いくだろう。 --先述した通り、このゲームを「昔ながら」か「古臭い」かで評価が分かれてくるだろう。 -違和感や理不尽さを感じやすい演出・仕様・システム~ 一例を挙げると、 --ステルスキルの際にはナイフを使うが、通常格闘ではナイフを使わずに銃器で殴る。しかも十回以上殴らないと倒せないほど弱い。~ 開発中のトレーラーでは、武器としてナイフが存在しインベントリ内にもナイフが確認できた。何故変えたのか。 --主人公は自前の自動拳銃を持っているのに、最序盤で入手する装弾数の少ないリボルバーを使い続ける。 //--頭部に巨大な杭がぶっ刺さった雑魚がいるが、その雑魚にヘッドショットを決めても怯むだけで即死はしない、''でもナイフで刺せば即死する''。明らかに演出とデザインが噛み合ってない。 //↑チャプター2のイベントで出てきた奴なんて、額が大きく割れて致命傷を負ってるような外見できびきび動いてるんだし、それらのデザインは問題点になりうるんだろうか? --主人公はどんな状況に陥っても、疑問を持ったり驚いたりする描写がほとんどない。即座に状況に順応して行動を開始する。「ここはどこなのか」「どういう状況なのか」、そういうプレイヤーが真っ先に思う事をことごとくスルーするため、感情移入し辛い。 ---例えば最序盤。精神病院の大量殺人現場でフードの男に襲われて意識を失い、気付いたら血と肉にまみれた廃墟で逆さ吊り・・・という異常な状況に疑問を持たなければ、驚いたりパニックに陥ったりもしない。このエリアを抜けてエレベーターに乗るが、道中で負った足の怪我がエレベーターを降りた時点で何故か治っている事についても、何ら疑問を持たない。 ---とりわけ違和感を覚えるのが、キッドに撃たれるシーンとその直後のシーン。キッドがこちらを撃って「汚染されてる」と意味深な発言をするので当然プレイヤーは疑問に思うが、これ以降に再会した時''セバスチャンは華麗にスルー''。自身を撃った事に対してはラスボス直前での「自分を撃ってジョセフを殺したお前は信用出来ない」という発言以外まったく取り上げられず、汚染発言に至ってはこれ以降掘り下げられる事がない。~ 一応、直前のキッドとの会話やジョセフの異変などから、「汚染」が何を指すか推察すること自体は難しくはないが。 ---「敢えて直接的描写を控えめにし、ヒントを大量に散りばめる事で、プレイヤーに考察させる余地・楽しみを与える」というストーリーのゲームは実際に存在する。実際SILENT HILL2はストーリー面が好評なので、こういったストーリー構成にする事自体は問題ではない。しかし本作は''セバスチャンがあまりにも無反応すぎる''ため、''考察する楽しみ云々の前に違和感が強く前に出てきてしまう''のである。問題なのは、直接的描写を控えてプレイヤーに考察させる楽しみを与える構成ではなく、その構成に徹しきれていない事である。 ---ラスボスを撃破する為に使うことになる「ある武器」の入手経緯も強引。そうまでしてその武器に拘る必要があったのか。 --こちらは入手弾薬が少ないためやりくりに終始苦労するのに対し、敵は非常に多種多様な武器を使いこなす。 ---斧や松明、ナイフや包丁等の原始的な武器は勿論、拳銃にアサルトライフル、クロスボウに狙撃銃、更には手榴弾やロケラン(ボスのみ)と多種多様な銃器を使いこなし、命中精度も高い。しかもリロードや射撃間隔こそあれど弾数''無限''でバカスカ撃ってくる。ちなみに倒しても武器やアイテムをドロップしない。 ---理不尽なのも問題だが、真に問題なのは、この銃器で武装した敵が恐怖感を殺している事である。「ホラーゲームで武装した敵との撃ち合いは怖くない」という指摘は、バイオハザード4からある。しかし「サバイバルホラーの原点回帰」を謳いながら結局本作にもその要素が多数あり、先述の「三上氏がバイオハザードから抜け出せていない」という印象を持たれた。 -「快適性」と「TPSとしての完成度」の低さ --極端に近すぎる視野と超巨大レターボックス ---本作では画面と操作キャラクターの距離が、''操作キャラの下半身が画面に映らない''ほど近く、とにかく視界が狭い。調節機能はない。銃器を構えると手首しか映らないほぼFPS視点になるので、それに合わせたのだろうが、プレイヤーからすればただひたすらに遊び辛いだけ。特にアガニクロスボウは、構えると視界の3~4割を遮ってしまい、視界が狭いどころか角度によっては着弾点が見えない。 ---また、''巨大なレターボックス(映画等に見られる画面上下の黒帯)が終始画面上下にある''。ただでさえ狭い視界を余計に狭めており、「見づらい」として発売当初から大きく批判され続けた。後にレターボックスの有効/無効切り替え機能がアップデートで追加されたが、視界距離までは改善されなかった上、アップデートの配信が''発売から8ヶ月後''と評価を覆すには遅すぎた。 --この極端に狭い視界のせいで、戦闘中に''「死角から敵に攻撃される」''事態が頻繁に発生し、凄まじいストレスを感じる。カメラを下に向けないと足元の確認も出来ないので、探索時にも「足元のアイテムが見えない」「足元のトラバサミに引っかかってダメージ」といった事が頻発するため、快適性はかなり低い。 ---また、これらの事情から頻繁にカメラを操作する必要があり、非常に3D酔いを起こしやすい。加えてただ歩くだけでも画面が小刻みに揺れるので堪ったものではない。内容の良し悪し以前に3D酔いのために途中で断念せざるをえない場合もある。 -命中率と当たり判定の問題 --発売当初より問題視されているのが、銃器の命中率の低さ。 ---まず手ブレが酷い。主人公は現役の刑事だが、とてもそうは思えないほど手ブレが酷い。照準の動く速度こそゆっくりめなものの、その振れ幅が大きい。この手ブレの酷さとセバスチャンの過去が合わさって「アル中」と呼ばれる事も。 ---手ブレ以上に問題なのが、立ち止まって銃を構えても''照準の中心へと飛ばない命中精度の悪さ''。6~7メートル先の壁の一点を狙うと分かるが、中心から頭一つ分以上ずれた位置に着弾する事もある。一応銃器のアップグレードでかなり改善されるが、それでも完全には無くならない。本作の武器アップグレードにて真っ先にすべきなのは、ハンドガンの命中率とクリティカルへのステ振りである。それだけで序盤のストレスはかなり軽減される。 ---銃弾の当たり判定の消滅バグ。敵やオブジェクトにきっちりと狙いを付け、近距離で発砲したのに、当たらずに背景に着弾する・・・という現象が低確率だが発生する。危機感を演出するための仕様とも考えられるが、もしそうなら完全に滑っている。 //↑もしかしたら上記の弾道ブレで逸れた結果による物で、バグではないのでは? //↑これ書いた者だけど、ラストの串刺しセバスチャンがロケラン撃つシーンあるじゃん?あん時に弾道がラスボスルヴィクを貫通した事がああった。他にも、一番最初の女神像を至近距離でリボルバーで撃って、当たらずに貫通したり。 --上記のようにこちらの当たり判定は大変シビアなのに対し、敵側の当たり判定は非常にガバガバ。 ---敵の格闘攻撃は壁をすり抜けてこちらに当たる。銃口が壁を突き抜けていれば普通に被弾する。こちらの攻撃が壁越しに敵に当たるといった事は勿論無い。逆にショットガンを密着して撃つと、銃口が敵を貫通して当たらない事もある。 ---斧を振りかぶった敵の''肘''に当たってダメージ、つるはしを''振り下ろした後''の敵に近づいたらダメージ、という謎すぎる当たり判定。 ---その他、十分な距離を取って回避したはずのセンティネルの体当たりに直撃する等、この当たり判定の酷さは随所に見られる。 -''被ダメージ時の無敵時間が無い'' --これのせいで、「一度に複数の敵から攻撃を食らって即死」「掴み攻撃を受けている最中に攻撃を食らって死亡」という事態に陥る事がある。特にチャプター6:籠城で頻繁に。 -ストレスに繋がるゲームとしての完成度の低さ --不安定なフレームレート ---第8世代ハードの作品は、固定60fpsないしそれに近い高fpsの実現が魅力の1つだが、本作のフレームレートは第7世代ハードと同じ30fps。 ---しかも固定ではなく可変であり、更にプレイ中30fpsを発揮する事はまず無く、頻繁に下がりその度に処理落ちに見舞われる。 ---PC版なら自分で数値を弄ることもできるがそれでも改善されない。推奨される手段ではないとはいえ、それでも直らないとなるともはや根本的な部分から致命的に完成度が低いと思わざるを得ない。 --大小様々なバグ ---上記の銃弾の当たり判定消滅バグに始まり、アマルガムαが壁に引っかかって動けなくなる、フリーズ(PS3)、エラーによるアプリ強制終了(PS4)、ハシゴを降りられなくなる、画面外に落下して復帰不能になる、NPCが直立不動になる等、大小様々なバグが発生・存在する。中には[[首チョンパされても動きまわる主人公>https://www.youtube.com/watch?v=k0TSp7uU--g]]という愉快痛快なバグも・・・。 --長いロード時間 ---死亡時のロードが10秒以上、長い時はそれ以上掛かる。旧世代機版なら更に長い。この点も快適性を大きく損なう要因である。 --頻発するテクスチャの貼り遅れ ---画面切り替え時やムービーへの移行時に、テクスチャがぼやけて表示され、数秒後にきちんと表示される・・・という現象がゲーム開始から終始頻繁に発生する。ゲームプレイに大きな影響を及ぼすものではないが、ムービーでこれが発生すると萎える。 ---また、村人による小屋への放火シーンで村人の顔のテクスチャが滅茶苦茶になる、アマルガムαが壊した壁のテクスチャが消滅する、という事が100%発生する。上記の貼り遅れの件と合わせて、デバッグ不足と最適化不足を感じさせる。 --オプションにカメラの左右反転切り替え機能がない ---今時の一般的なTPS / FPSゲームにはほぼ必ず搭載されている同機能がオプションに存在しない。カメラ操作が重要なシューターでは死活問題であり、左右反転に慣れ親しんだユーザーからは大きな批難を浴びる結果となった。レタボ問題についてはアップデートで改善されたが、こちらは後のアップデートでも機能追加されていない。 -完成度の低いステルス / サバイバル要素 --ステルス要素を目玉として紹介している割に完成度はイマイチ。 ---序盤こそ隠れる場所は多く、ステルス要素を十分に楽しめる。しかし物語が進むほど先述の「強制的に敵と戦わせられる」「必ず敵に見つかる」といった場面が多くなると同時にベッド下やロッカー、タンスといった中に入り込んで隠れる場所が極端に少なくなっていく。最終決戦前の戦闘に至ってはラスボスのお膝元であることを差し引いてもステルス要素が一切ない雑魚ラッシュで、申し訳程度に空き瓶が落ちているだけ。 ---また、しゃがみ状態ではなぜか投擲が出来ても射撃が出来ない。普通にプレイしている分にはそこまで気にならないが、ゲーム中盤に登場するとある仕掛けで定期的にしゃがみを強制される場面で一気に表面化する。~ そこでは即死罠が一定の高さで回転し続けているためしゃがみ移動を強制されるが、この状態で罠の解除・グリーンジェルの回収をすると強制的に立ち上がってしまう。タイミングが悪いとしゃがむ暇もなく罠に当たって即死する欠陥仕様。 ---立ったままだとホーンテッドも例外なく即死するのでしゃがみ状態で行動するのだが、拳銃を持ったホーンテッドはなぜか''しゃがみながらこちらを狙い撃って来る''。タイミングを見計らってダッシュで逃げるか立ち上がって撃つなどすれば簡単に対処は出来るのだが、どうしても理不尽さは拭えない。 //--本作のジャンルは「サバイバルホラー」であるが、正直''サバイバル要素なぞ無いに等しい''。 //---怪我した箇所を自分で治療する、といった要素はない。動植物を捕まえる等の要素もない。物資がないためハンドメイドの武器やアイテムを自作する、というシステムもない((しいて言うならアガニクロスボウがそれだろうか?))。ましてや''主人公が「生きる事」に強く固執している訳でもない''。 //---本作は、要は「ステルス要素を入れ、弾薬を少なくし、主人公を弱くしたBH4」である。だからこそ「三上氏がBHから抜け出せていない」という印象を持たれたのである。 //↑その理屈で言ったら、初代バイオですら「サバイバル要素なぞ無いに等しい」って事になると思うんだが。あとwikipedia情報で申し訳ないが、サバイバルホラーはシステムじゃなくてテーマで定義づけられるジャンルともあるし。 --なお、先述の「どこかで見た描写・演出」の一例として、前年に発売した''[[THE LAST OF US]]を参考にしたのではないか?''と言われている。勿論プレイヤーの推測であるが、「空き瓶で敵を誘導」「ナイフで一撃キル」「炎に極端に弱い」と類似点が多い。そして強制戦闘の多さ、すぐにこちらを見失う敵AIの頭の悪さ、隠れる場所の少なさ等の点から''ステルス要素・サバイバルアドベンチャーとしての完成度はTHE LAST OF USとは雲泥の差である''。 -死に覚えゲー --本作には、初見殺しの即死ポイントや即死攻撃、あるいは大ダメージを負ってしまうような箇所がいくつも存在する。大抵は直前にチェックポイントが入るが、ロードが10秒以上掛かる本作でこうしたトライ&エラーはストレスが溜まる。~ 本編に登場する中ボスクリーチャーはほぼ全員が即死攻撃を持っている為、慣れない内は何度も死ぬ羽目になる。~ ステージ中に即死/大ダメージを負う罠が至る所に、それも大量に散りばめられており、これも死にまくる要因となる。 --一応各チャプター冒頭でロードが入るが、それ以外は一部を除き全てシームレスなので、エリア移動でストレスが溜まるという事はない。 --何より問題なのは、先述した通り''視界が極端に狭いせいで画面外からの攻撃に当たって死にやすい''事である。 ---これはプレイヤー側のスキルや不注意による死亡原因ではなく、ゲーム側の完成度・調整不足に依存した死亡原因である。~ このためプレイヤーはストレスが溜まり続け、クリアしても達成感より徒労感を感じやすい。~ あまりにも頻繁に死ぬため、がむしゃらに突っ込むより「テキトーに進んで敵配置を覚えて死に、覚えたら本腰を入れて攻略」したほうが楽という結論に至る。つまり高い死にやすさが、折角の恐怖演出を殺してしまっている。 --これらの死にやすさ、ロードの長さ等あらゆる悪さを凝縮したのがCHAPTER7のキーパー戦だろう。毒ガスで制限時間が設けられ無限沸き&即死持ちのキーパーを尻目に仕掛けを解除して進む必要がある。途中で死亡した場合、長いロードの上にスキップ不可のムービーまで戻される。キーパー自体もかなりの強敵でばら撒くベアトラップに引っ掛かるとダッシュから即死攻撃、またロードでムービーと多くのプレイヤーがここで苦しめられた。 -初回特典DLC「ゴアモード」について --本作のレーティングはCERO:Dだが、初回特典としてゲーム内描写・演出をCERO:Z相当に引き上げる「ゴアモードDLC」なるものが用意された((前者は17歳以上対象、後者は18歳以上のみ対象。))。~ 開発側も「CERO:Zの天井を目指したい」と謳い、「年齢制限をクリアしている人なら本DLCを入手しておかないと後悔する事になるだろう」と、自信満々に早期購入を促していた事から、多くのプレイヤーが期待に胸を弾ませた。 ---しかし蓋を開けてみれば、「雑魚の頭部がヘッドショットで吹っ飛ぶようになる」「死体袋に入れられた死体が袋から出ている」程度。~ 部位欠損等の描写は依然として海外版から大きく規制されたままで、これには海外版と同程度の表現を期待したユーザーから失望と怒号が飛び交った。実質CERO:Dと大差なく、勿論入れなければそれ以下、これでは''詐欺である''。 ---しかもこのゴアモードDLCにもバグがあり、グロテスク表現の設定が無効となる現象が頻繁に発生する始末。比較的すぐに修正アップデートが配信されたが、アップデート適用後も定期的に発生するため、結局現在も根本的な解決には至ってない。 -両極端な武器・アイテムの性能 --マッチは倒れたホーンテッドに使用可能で、敵のHP残量に関係なく''1本擦って落とせばそれで即死させられる''。~ ホーンテッド系最強で、極めて厄介な敵「アンノウン」も、ダウンさえ奪えればマッチ1本であっさり焼け死ぬ。~ 近くの敵(状態問わず)にも引火するので、上手く誘導すれば2~4体一気に焼き殺せる。アップグレードで持てる量が増える上に割りと頻繁に入手できる。 --前述のとおり通常格闘は十回以上殴らないと敵を倒せないほど威力が低い。 --一般的なTPSで最も使うであろうハンドガンは、足止め程度しかできない上に先述の通り手ブレや弾道ブレが酷すぎるので、本作に慣れれば慣れるほどどんどん使わなくなっていく。吹っ飛ばして転倒させ、テキトーに撃っても当たるショットガンが、対雑魚における最強武器である。 ---ハンドガンは完全な産廃ではなく、「命中率」と「クリティカル」を優先的を強化すれば、ホーンテッド相手にはなかなか優秀。しかしショットガンの性能や、アガニクロスボウを改造した方が遥かに役立つのが実情である。これらの強武器が序盤で手に入る事も考慮すれば、本作のハンドガンはサイドアーム的な意味合いが強い。 --この仕様のため、雑魚をショットガンでまとめてふっ飛ばし、マッチでまとめて焼く…というのが対雑魚の基本戦術になる。「敵の火への耐性の低さ」はラスボスの過去が関係しているとはいえ、マッチ1本で燃えるのはさすがに無理がある。少なめの弾薬を節約する為の要素・今までのホラーゲームとは違うゲーム性を求めた結果とも取れるが。 --アガニボルトはその多彩な種類ゆえ、ショットガン・スナイパーライフル以外の銃器が不要になるほど強すぎる。 ---ハープーンボルトは高威力・敵貫通・ダウンを奪う・低コストと使い勝手が良すぎる。強化コストはとても高いが最大までアップグレードすれば雑魚を即死させられるようになり、こうなるとアンノウンですら問答無用で倒せる。 ---フラッシュボルトはアップグレードで長時間雑魚を足止めできるようになり、その間はナイフによる即死or大ダメージ攻撃が可能。未強化の4秒では2体くらいが限度だが、最大強化すれば16秒にまで伸びるので5~6体くらいへの連続スニークキルが可能となる。コストも安く範囲も広い…とこれまた隙がない。 ---ショックボルトは電流で一定時間敵を拘束する効果で、''ボスにも効く''。地面に打ち込むことで地雷のような使い方や部品さえあれば大半のボスの封殺も可能。ただし、一部のボスは完全に動きを止められず動きがスローになる。ほとんど動けないとはいえ攻撃判定もしっかりあるので、攻撃モーションに入っているボスに不用意に近づくのは危険。 ---フリーズボルトはバイオハザードシリーズにおける冷凍弾で、雑魚は問答無用で即死、ボスもショック程ではないが長期間足止めでき、アップグレードで広範囲化…とこれまた隙がない。 ---勿論、各ボルトの作成には部品が必要だが、殺る気満々の罠が至る所に大量に設置されている事が幸いし、部品の消費数が多いショックかフリーザーをバンバン作ったりしない限りは数に困らない。あまりに便利すぎるので、入手時期が後半のマグナムは終盤のボス1~2体にしか使わない。威力の高さを考えればマグナムがほぼボス専になるのは当然だが。 -伝わりにくいストーリー --物語の大筋の理解自体はそれほど難しくない。新聞記事や手記を集めたり、クリア後に解禁されるフィギュアコレクションの解説を見て大まかなストーリーを把握できる。だが本編を一度プレイしただけでは、全てを知ることはできない。 --理由の一つとして、場面転換のぶつ切り感が強いことが挙げられる。 --本作の舞台設定は、「ある男の頭の中に意識が侵入している」という前提で進むわけだが、精神的な世界を中心にしているためか、特定の場所まで話が進むと主人公が文字通り別の場所に飛ばされて手掛かりを追っていく形になる。時にはまるで毛色の違う場所に飛ばされる事もある。前後のステージやシナリオに関連があまりないため、チャプター毎のリザルト画面を挟んだりゲームを翌日再起動させた始めた時思い出せない事もある。 --また、本編で描かれなかったキッド編のDLCが、「同じ時彼女は何をしていたのか」ではなく、実質「何が真相だったのか」を補完する内容のため、別売りにした事を非難する声も多い。 ---しかし本編の演出やストーリーに則ったサイドストーリーを考えるのであれば今回のように別モードで作成せざるを得ず、ボリュームもそれなりにあるのでDLCにしてしまうのもやむなしという点はある。それでもどうにかして1枚のディスク(1つのデータ)にまとめられなかったのか不満は残る。 ---本編同様強制戦闘のシーンはあるが、&bold(){それ以外ではキッドは丸腰で対抗手段は何も無く、}通常ホーンテッド以外は即死攻撃を持つ相手ばかり。しかし全体の難易度が理不尽に高いわけではなく、内容も良く出来ているので、このDLC自体に不満の声は少ない。 ---- **総評 どこかで見た恐怖演出・要素と本作独自のオリジナリティの欠如、飲み込み辛いストーリー、劣悪なカメラと操作性、違和感を覚えざるを得ない数々の描写、DLCに至るまで多数の問題点を抱えており、完成度は決して高いとは言えない。~ 「サバイバルホラーへの原点回帰」「500万以上のセールスに見合う」という開発側の強気な発言と、それに全く見合わない方向性・クオリティも本作の低評価を後押ししており、各レビューサイトは大荒れ、大手通販サイトアマゾンでは発売一ヶ月足らずで僅か半額以下にまで値崩れする結果となった。~ ただし、多数の粗はあれど致命的な問題点は無いし、普通にクリアする分にも問題は無い。周回毎に縛りプレイをして遊べるくらいの実績解除もあるので、ダークな世界観に浸りたいという方はプレイしてみてもいいだろう。~ しかし開発者が謳った「(第8世代ハードにおける)国産初のAAAタイトル」の名に相応しい出来かと言われると大きな疑問が残る、色々と残念な作品である。 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