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infinity-]]』を発売した後、その後継となる『integral』シリーズとして『12RIVEN -the Ψcliminal of integral-』の1作のみが発売されたものの、どちらのシリーズも停止した状態だった。 本作は『infinity』としては6年ぶりの作品として発売されたが、打越鋼太郎氏や中澤工氏、市川和弘氏と言った過去作のスタッフは関わっておらず((一応、『infinity』のシナリオや『Ever17』のノベライズ等に関わった日暮茶坊氏が原案を務めてはいる。))、発売前からその出来栄えを不安視されていた。案の定、本作はシリーズ最低クラスどころか、単体で見ても難点の多い作品として世に放たれてしまったのである。 **ストーリー 西暦2018年。若き発明家・飛野逸人は、飛行ユニット「ドラゴン号」の試験のため学園の屋上から飛び立った。 しかしその直後、ドラゴン号によく似たユニットを背負った少女が突如として空中に現れて落下、あっけに取られた逸人は地面にたたきつけられて死亡する。 ……そして逸人は再び屋上に立っていた。「なにか嫌な夢を見た」と思いつつ飛行試験を実行する彼の前に、やはり少女が落ちてくるが、今度は逸人も落ち着いて彼女を受け止めることができた。 しかしその少女は命の恩人であるはずの逸人に平手打ちを食らわせると、そのまま立ち去ってしまう。 納得いかない心境ながら学園生活に戻った逸人に、師匠と慕う神原先生が声をかけ、彼のスマートフォンに謎の部品を組み込む。 するとスマートフォンはどこからか送られてきた音声データを受信するようになった。先生はこのデータを未来からの情報だというのだが……。 (Wikipedia参照) **特徴 -infinityシリーズは閉鎖空間という舞台設定の中、時間のループ、上位次元からの干渉、人格交代と言ったSFテーマを盛り込んでミステリアスなストーリーを展開していた。 --それに対して本作は閉鎖空間要素を廃し、学園祭間近の高校を舞台とした王道の学園恋愛ものとなっている。SF面でのテーマはタイムマシン。 -基本システムは、読むだけのアドベンチャー。選択肢もあるが少数である。 --ストーリーを進めると各ヒロインのルートに入り、そのヒロインとの恋愛を描くストーリーが展開される。恋人関係になれるヒロインは5人中4人(メインヒロイン含む)で、最後の1人は最終ルートにおける重要な存在となる。4人のヒロインを攻略すると真相が明かされる最終ルートに入る。 --こう書くと過去の『Never7』や『Ever17』と同じ構成なのかと思えるが、実際は大きな問題がある(後述)。 **問題点 ''テストプレイをすれば分かるであろうミスが大量にある。'' -誤字脱字 --誤字や誤変換等がとても多く、文章を読んでいて気になってしまう。 -原画とライターの連帯が取れておらず、テキストとCGが食い違う場面が多々ある。以下に例を挙げる。 --デブキャラ扱いされているキャラが太っていない。 --''テキストはスカイタワーなのに、背景は浅草寺。'' --コスプレしているのに、CGは普段の制服。 --''眼鏡を外しているのに、CGは眼鏡をかけたまま。'' ---キスシーンというギャルゲーの肝心なポイントである。CGが食い違ったまま6回もキスをするので気分を削がれる。 -システム面 --あって然るべき''クイックセーブ/ロード、ショートカットが搭載されていない。'' --キャラの口パクが無い。必ずしも必要な要素ではないが、『Remember11』『12RIVEN』共に搭載されていたので、旧作からの劣化点と言える。 -シナリオ構成 --「各ヒロインのルートに~」と前述したが、なんと''攻略の順番が固定''。 --共通ルート→ヒロインAのルート→ストーリー冒頭に戻る→共通ルート→ヒロインBのルート……と言った具合でストーリーは完全に一本道である。選択肢はバッドエンドに進むか否かの意味しか無い。 --具体的には、各ヒロインとエンディングを迎えると未曾有の大災害が発生し、冒頭に時間が巻き戻り、次のシナリオが始まるというループ構造なのだが…。 ---主人公の記憶も最終ルート以外では全てリセットされる為、一本道だからと言って前のルートの展開が次のルートに活かされるなどという事も無い。各ルートの繋がりも無い。言ってしまえば普通のギャルゲーのルートを一本に繋げただけである。 ---同時期に発売された『[[DUNAMIS15]]』も一定期間をループする展開が一本道で続く構成だったが、あちらは徐々に展開が変化していく形であり、いわば何周もプレイする事で一つの物語を形成していた。それに対して本作はそう言った要素は無く、一本道にする必要性が全く感じられない。 --好きなヒロインから攻略できない事も然ることながら、もしクリアしたルートをもう一度やりたくなっても、セーブデータを残していない限りまた最初からやり直さなければならないと言う問題も。 -シナリオ内容 --上述したCG不一致等のせいで展開がちぐはぐ。 --科学描写や主人公の行為に不自然な点がある。 ---最終章で唐突に主人公が「自分は100年以上先の未来から事故でタイムスリップしてきた人間である」と言う衝撃的過ぎる事実をカミングアウトするが、それまでそんな伏線は無く、またそれ以降の展開でその事に触れられる事は無い。それどころか色々と余計な疑問が生じてしまう。 --内容も、ループや時間移動が絡む『infinity』らしい展開は最終ルートになってようやく出て来る有様。 ---主人公が作ろうとしているタイムマシンも最終ルート以外では全くと言っていいほど出てこず、そもそも最終ルート以外はSF要素自体が皆無なのである。 --タイトルの『code_18』の意味は最後まで謎。 ---おそらくメールの数と思われるが、未来から送られてくるメールの数は''19を超えている''。 #region(ネタバレ) -最終ルートではそれまでのループの記憶を活かし、ヒロイン達の悩みを一気に解決していく展開があるのだが、''メインヒロインのひかりだけは解決されない''。 --勿論ひかりにも深刻な悩みがあり、彼女のルートでは解決したのだが他のヒロインの悩み同様、ループによって無かった事になっている。 --にも関わらず、主人公は他3人の悩みのみを解決し、ひかりの悩みはスルーしている。最終的に事態は収束し、ループが終わっても彼女の悩みが解消された描写は最後まで無い(と言うか、最終ルートではひかりの悩み自体に触れられない)。 --トゥルーエンドではひかりは後に主人公と結婚する事が示されている為、将来的には解決させるのかもしれないが想像の域を出ない。意識してしまうともやもやしたものを抱えたままエンディングを迎えてしまう。 ---また、本作のストーリーは最終的には必ずひかりと主人公が結ばれる未来に行き着くという事であり、それ以外のヒロインのルートは「結ばれた直後にループが起きて全部無かった事になる歴史」に過ぎない。「正史ではないが○○と結ばれる歴史も存在する」という解釈は不可能であり、他のヒロインが気に入ったプレイヤーには納得し難い人もいるだろう((一応、最終ルート終盤には見せ場があり、悩みも解決された事でエンディングでも主人公と良好な友人関係となっている。))。 #endregion **PSP版との差異 ''同日発売したPSP版は何故か360版より良い出来になっている。''~ -テキストの食い違い等が360版より少ない。 --浅草寺などは正しい背景になっている。 --ただしそれでもかなりの数の問題点が残っている。 -バグもPSP版では起きないものがある。 --立ち絵関連のバグは起きない。 -システムは優れている。 --既読の選択肢の色が変わる。 --テキストの一括表示ができる。 --クイックセーブ/ロードがある。 --''ショートカットで、各ヒロインのシナリオを読み直せる。'' ---面倒な周回や、セーブデータを分ける必要がない。 -トロフィーがないので、タイトルの意味が分かりにくいという点は唯一の劣化点と言えるか。 --ただし、分かったところで納得できるような内容ではないのであまり問題はない。 **評価点 -学園物ADVとしてならある程度は楽しめる。 --ヒロインの悩みを解決して結ばれるよくある流れ。 --「家族」が全体的なテーマになっているだけに、悩みは全員家族関係である。親や兄弟との関係に何かしらの悩みを抱えたヒロインと交流していくうちに、その悩みを解決する事になる。陳腐とも言えるが、無難とも言える。 --最終ルートも矛盾や粗、残った謎はともかく、他ルートの展開を包括しつつ各ヒロインや主人公の友人達にも見せ場を与え、事件の真相を明かして物語を収束させている点はこの手の作品のツボを押さえていると言える。 -BGM --今回のBGMは従来の阿保剛氏ではなく、美少女ゲームブランド「OVERDRIVE」代表のbamboo氏がリーダーを務めるロックバンドのmilktubが主題歌を含む全ての楽曲を担当している。 --過去シリーズと比較しての非難はあるが、単体で見れば良い曲も幾つかある。主題歌も好評。 -声優 --野中藍女史や小林沙苗女史、石塚運昇氏といった有名所を起用しており、演技は申し分無い。 ---ちなみに野中女史は実質的な前作にあたる『12RIVEN』でもヒロイン役を務めている。 --しかし何故か、僅かに声を発する機会がある主人公の声優は非公開。ヒロインの一人・柚子の弟も結構出番がある割に声優が不明である。 -エンディングの演出 --トゥルーエンドのスタッフロールでは最後に複数のCGが表示される演出があるが、これがシナリオ、歌との相乗効果が高く感動的な演出に仕上がっており、評価が高い。 --クソゲー扱いするプレイヤーからも「最後の歌とCGは良かった」と評する声が上がるほど。 **総評 シナリオ、システム共に明らかなミスが多く、手抜きが見て取れる。~ 名作シリーズに泥を塗ったうえ、単体で見ても酷い出来である。 PSP版なら学園物ADVとして楽しめなくもないが、~ シリーズのウリであったSF要素やミステリアスな展開がほぼ廃されており、infinityシリーズである必要性を感じない。~ 他のinfinityシリーズかギャルゲーを購入した方が良いだろう。 **余談 -前述の通り、本作は『infinity』最新作として発表されたが、過去作のスタッフは日暮茶坊氏などごく一部の例外を除いて殆ど参加していない。 --というのも本作には『infinity』を手掛けていたKIDの倒産後、サイバーフロントが版権を手に入れて一から開発したという事情が存在するのである。 --本作のプロデューサーである若林健氏は『12RIVEN』の監督を務めていた人物ではあるが、『infinity』過去作では''デバッガー''だった((事実、『Remember11』のスタッフロールのデバッグの項に名を連ねている。))。 ---雑誌インタビューにて氏が「code_18はInfinityシリーズの入門編のようなものです」と発言していたが、ユーザーからは「開発陣側が(ゲーム制作の)入門編として作っていた」と皮肉られてしまう。この出来では已む無しだろう。 ---また、限定版ブックレットでは「同じ主題が続くことによる客層の縮小・固定化を避けるため閉鎖空間からの脱出という方針を変更し、初心者向けに学園という身近な設定を用いた」と言った旨が語られていたが、結果としてこちらも「初心者向け」がユーザーではなく開発陣を指しているとしか思えないような形に。 ---更にこのプロデューサー、本作発売日と同時に自身のTwitterを非公開にし雲隠れしてしまう。是が非でも自身への罵詈雑言を避けたかったのであろうが、かえって逆効果だったのではなかろうか。 -案の定と言うべきか、Xbox360版はクソゲーオブザイヤー2011据え置き機部門にノミネート。''2011年KOTY七つの大罪の一つ''に挙げられるまでに至ってしまった。 --KOTYスレ内での通称は「c18([[しーじゅうはち>四八(仮)]])」。嘗ての魔物を思い起こさせる不吉な響きにスレ住民も沸き立ったのか、四八マンを改変した「C18マン」なるAAが作られてしまった。 --2011年度の据え置き機KOTYスレでは、本作の選評到着まで8ヶ月もの間クソゲーが発掘されないという%%平和で喜ばしい%%期間が続いていた。 ---その後本作の選評到着を皮切りに、次々と[[年末の>街ingメーカー4]][[魔物達>ドラゴンボール アルティメットブラスト]]が現れ、更には[[見過ごされかけていた核地雷>人生ゲーム ハッピーファミリー]]も無事(?)発掘、KOTYスレは例年通りの大盛況を迎えることとなるのである。 -2012年12月21日に何故かWindowsに移植された。 --単品は3,800円。~ 『Ever17 -the out of infinity-』とのセット販売『インフィニティ セレクション』は4,800円で発売された。%%シリーズの最低作が最高傑作と抱き合わせとはこれ如何に。%% //検索用 code18 コードエイティーン
*code_18 【こーどえいてぃーん】 |ジャンル|恋愛アドベンチャー|#amazon(B0052IU6UY)|#amazon(B0052IU6ZY)| |対応機種|Xbox360|~|~| |発売・開発元|KID(サイバーフロント)|~|~| |発売日|2011年9月29日|~|~| |定価|通常版:6,800円&br;限定版:8,800円(税別)|~|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~| |ポイント|&color(blue){''2011年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点''}&br;シリーズ6年ぶりの復活ならず&br;誤字脱字等のミス多数&br;システムも問題あり|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[クソゲーオブザイヤー関連作品一覧>KOTYゲーム一覧]]''| |>|>|>|CENTER:''[[infinityシリーズリンク>infinityシリーズ]]''| **PSP版 |対応機種|プレイステーション・ポータブル|#amazon(B0052IU5DM)|#amazon(B0052IU6E0)| |定価|通常版:5,800円&br;限定版:7,800円(税別)|~|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~| |ポイント|システムは快適&br;Xb360版よりは良い|~|~| ''※Xbox360版との共通項目は省略'' ---- #contents(fromhere) ---- **概要 今なお名作と名高い『[[Ever17 -the out of infinity-]]』を生み出した『[[infinity]]』シリーズ。~ 2004年に賛否両論作『[[Remember11 -the age of infinity-]]』を発売した後、その後継となる『integral』シリーズとして『12RIVEN -the Ψcliminal of integral-』の1作のみが発売されたものの、どちらのシリーズも停止した状態だった。 本作は『infinity』としては6年ぶりの作品として発売されたが、打越鋼太郎氏や中澤工氏、市川和弘氏と言った過去作のスタッフは関わっておらず((一応、『infinity』のシナリオや『Ever17』のノベライズ等に関わった日暮茶坊氏が原案を務めてはいる。))、発売前からその出来栄えを不安視されていた。案の定、本作はシリーズ最低クラスどころか、単体で見ても難点の多い作品として世に放たれてしまったのである。 **ストーリー 西暦2018年。若き発明家・飛野逸人は、飛行ユニット「ドラゴン号」の試験のため学園の屋上から飛び立った。 しかしその直後、ドラゴン号によく似たユニットを背負った少女が突如として空中に現れて落下、あっけに取られた逸人は地面にたたきつけられて死亡する。 ……そして逸人は再び屋上に立っていた。「なにか嫌な夢を見た」と思いつつ飛行試験を実行する彼の前に、やはり少女が落ちてくるが、今度は逸人も落ち着いて彼女を受け止めることができた。 しかしその少女は命の恩人であるはずの逸人に平手打ちを食らわせると、そのまま立ち去ってしまう。 納得いかない心境ながら学園生活に戻った逸人に、師匠と慕う神原先生が声をかけ、彼のスマートフォンに謎の部品を組み込む。 するとスマートフォンはどこからか送られてきた音声データを受信するようになった。先生はこのデータを未来からの情報だというのだが……。 (Wikipedia参照) **特徴 -infinityシリーズは閉鎖空間という舞台設定の中、時間のループ、上位次元からの干渉、人格交代と言ったSFテーマを盛り込んでミステリアスなストーリーを展開していた。 --それに対して本作は閉鎖空間要素を廃し、学園祭間近の高校を舞台とした王道の学園恋愛ものとなっている。SF面でのテーマはタイムマシン。 -基本システムは、読むだけのアドベンチャー。選択肢もあるが少数である。 --ストーリーを進めると各ヒロインのルートに入り、そのヒロインとの恋愛を描くストーリーが展開される。恋人関係になれるヒロインは5人中4人(メインヒロイン含む)で、最後の1人は最終ルートにおける重要な存在となる。4人のヒロインを攻略すると真相が明かされる最終ルートに入る。 --こう書くと過去の『Never7』や『Ever17』と同じ構成なのかと思えるが、実際は大きな問題がある(後述)。 **問題点 ''テストプレイをすれば分かるであろうミスが大量にある。'' -誤字脱字 --誤字や誤変換等がとても多く、文章を読んでいて気になってしまう。 -原画とライターの連帯が取れておらず、テキストとCGが食い違う場面が多々ある。以下に例を挙げる。 --''テキストはスカイタワーなのに、背景は浅草寺。'' --コスプレしているのに、CGは普段の制服。 --''眼鏡を外しているのに、CGは眼鏡をかけたまま。'' ---キスシーンというギャルゲーの肝心なポイントである。CGが食い違ったまま6回もキスをするので気分を削がれる。 -システム面 --あって然るべき''クイックセーブ/ロード、ショートカットが搭載されていない。'' --キャラの口パクが無い。必ずしも必要な要素ではないが、『Remember11』『12RIVEN』共に搭載されていたので、旧作からの劣化点と言える。 -シナリオ構成 --「各ヒロインのルートに~」と前述したが、なんと''攻略の順番が固定''。 --共通ルート→ヒロインAのルート→ストーリー冒頭に戻る→共通ルート→ヒロインBのルート……と言った具合でストーリーは完全に一本道である。選択肢はバッドエンドに進むか否かの意味しか無い。 --具体的には、各ヒロインとエンディングを迎えると未曾有の大災害が発生し、冒頭に時間が巻き戻り、次のシナリオが始まるというループ構造なのだが…。 ---主人公の記憶も最終ルート以外では全てリセットされる為、一本道だからと言って前のルートの展開が次のルートに活かされるなどという事も無い。各ルートの繋がりも無い。言ってしまえば普通のギャルゲーのルートを一本に繋げただけである。 ---同時期に発売された『[[DUNAMIS15]]』も一定期間をループする展開が一本道で続く構成だったが、あちらは徐々に展開が変化していく形であり、いわば何周もプレイする事で一つの物語を形成していた。それに対して本作はそう言った要素は無く、一本道にする必要性が全く感じられない。 --好きなヒロインから攻略できない事も然ることながら、もしクリアしたルートをもう一度やりたくなっても、セーブデータを残していない限りまた最初からやり直さなければならないと言う問題も。 -シナリオ内容 --上述したCG不一致等のせいで展開がちぐはぐ。 --科学描写や主人公の行為に不自然な点がある。 ---最終章で唐突に主人公が「自分は100年以上先の未来から事故でタイムスリップしてきた人間である」と言う衝撃的過ぎる事実をカミングアウトするが、それまでそんな伏線は無く、またそれ以降の展開でその事に触れられる事は無い。それどころか色々と余計な疑問が生じてしまう。 --内容も、ループや時間移動が絡む『infinity』らしい展開は最終ルートになってようやく出て来る有様。 ---主人公が作ろうとしているタイムマシンも最終ルート以外では全くと言っていいほど出てこず、そもそも最終ルート以外はSF要素自体が皆無なのである。 --タイトルの『code_18』の意味は最後まで謎。 ---おそらくメールの数と思われるが、未来から送られてくるメールの数は''19を超えている''。 #region(ネタバレ) -最終ルートではそれまでのループの記憶を活かし、ヒロイン達の悩みを一気に解決していく展開があるのだが、''メインヒロインのひかりだけは解決されない''。 --勿論ひかりにも深刻な悩みがあり、彼女のルートでは解決したのだが他のヒロインの悩み同様、ループによって無かった事になっている。 --にも関わらず、主人公は他3人の悩みのみを解決し、ひかりの悩みはスルーしている。最終的に事態は収束し、ループが終わっても彼女の悩みが解消された描写は最後まで無い(と言うか、最終ルートではひかりの悩み自体に触れられない)。 --トゥルーエンドではひかりは後に主人公と結婚する事が示されている為、将来的には解決させるのかもしれないが想像の域を出ない。意識してしまうともやもやしたものを抱えたままエンディングを迎えてしまう。 ---また、本作のストーリーは最終的には必ずひかりと主人公が結ばれる未来に行き着くという事であり、それ以外のヒロインのルートは「結ばれた直後にループが起きて全部無かった事になる歴史」に過ぎない。「正史ではないが○○と結ばれる歴史も存在する」という解釈は不可能であり、他のヒロインが気に入ったプレイヤーには納得し難い人もいるだろう((一応、最終ルート終盤には見せ場があり、悩みも解決された事でエンディングでも主人公と良好な友人関係となっている。))。 #endregion **PSP版との差異 ''同日発売したPSP版は何故か360版より良い出来になっている。''~ -テキストの食い違い等が360版より少ない。 --浅草寺などは正しい背景になっている。 --ただしそれでもかなりの数の問題点が残っている。 -バグもPSP版では起きないものがある。 --立ち絵関連のバグは起きない。 -システムは優れている。 --既読の選択肢の色が変わる。 --テキストの一括表示ができる。 --クイックセーブ/ロードがある。 --''ショートカットで、各ヒロインのシナリオを読み直せる。'' ---面倒な周回や、セーブデータを分ける必要がない。 -トロフィーがないので、タイトルの意味が分かりにくいという点は唯一の劣化点と言えるか。 --ただし、分かったところで納得できるような内容ではないのであまり問題はない。 **評価点 -学園物ADVとしてならある程度は楽しめる。 --ヒロインの悩みを解決して結ばれるよくある流れ。 --「家族」が全体的なテーマになっているだけに、悩みは全員家族関係である。親や兄弟との関係に何かしらの悩みを抱えたヒロインと交流していくうちに、その悩みを解決する事になる。陳腐とも言えるが、無難とも言える。 --最終ルートも矛盾や粗、残った謎はともかく、他ルートの展開を包括しつつ各ヒロインや主人公の友人達にも見せ場を与え、事件の真相を明かして物語を収束させている点はこの手の作品のツボを押さえていると言える。 -BGM --今回のBGMは従来の阿保剛氏ではなく、美少女ゲームブランド「OVERDRIVE」代表のbamboo氏がリーダーを務めるロックバンドのmilktubが主題歌を含む全ての楽曲を担当している。 --過去シリーズと比較しての非難はあるが、単体で見れば良い曲も幾つかある。主題歌も好評。 -声優 --野中藍女史や小林沙苗女史、石塚運昇氏といった有名所を起用しており、演技は申し分無い。 ---ちなみに野中女史は実質的な前作にあたる『12RIVEN』でもヒロイン役を務めている。 --しかし何故か、僅かに声を発する機会がある主人公の声優は非公開。ヒロインの一人・柚子の弟も結構出番がある割に声優が不明である。 -エンディングの演出 --トゥルーエンドのスタッフロールでは最後に複数のCGが表示される演出があるが、これがシナリオ、歌との相乗効果が高く感動的な演出に仕上がっており、評価が高い。 --クソゲー扱いするプレイヤーからも「最後の歌とCGは良かった」と評する声が上がるほど。 **総評 根本の設定に穴が多いため、読み返しや考察に耐えうるシナリオとはならなかった。~ 誤字脱字や演出ミスの多さなどは擁護できず、テストプレイを怠ったとしか思えない完成度である。 キャラの性格や個別ルートは(部分的に見れば)無難なためPSP版なら学園物ADVとして楽しめなくもない。~ が、シリーズのウリであったSF要素やミステリアスな展開がほぼ廃されており、infinityシリーズである必要性を感じない。~ 他のinfinityシリーズかギャルゲーを購入した方が良いだろう。 **余談 -前述の通り、本作は『infinity』最新作として発表されたが、過去作のスタッフは日暮茶坊氏などごく一部の例外を除いて殆ど参加していない。 --というのも本作には『infinity』を手掛けていたKIDの倒産後、サイバーフロントが版権を手に入れて一から開発したという事情が存在するのである。 --本作のプロデューサーである若林健氏は『12RIVEN』の監督を務めていた人物ではあるが、『infinity』過去作では''デバッガー''だった((事実、『Remember11』のスタッフロールのデバッグの項に名を連ねている。))。 ---雑誌インタビューにて氏が「code_18はInfinityシリーズの入門編のようなものです」と発言していたが、ユーザーからは「開発陣側が(ゲーム制作の)入門編として作っていた」と皮肉られてしまう。この出来では已む無しだろう。 ---また、限定版ブックレットでは「同じ主題が続くことによる客層の縮小・固定化を避けるため閉鎖空間からの脱出という方針を変更し、初心者向けに学園という身近な設定を用いた」と言った旨が語られていたが、結果としてこちらも「初心者向け」がユーザーではなく開発陣を指しているとしか思えないような形に。 ---更にこのプロデューサー、本作発売日と同時に自身のTwitterを非公開にし雲隠れしてしまう。是が非でも自身への罵詈雑言を避けたかったのであろうが、かえって逆効果だったのではなかろうか。 -infinityシリーズは一部の用語が共通している程度でシリーズ間の繋がりは薄い。 --そのため、本作の出来は悪いものの過去作に対する改悪などがない点は不幸中の幸いである。 -案の定と言うべきか、Xbox360版はクソゲーオブザイヤー2011据え置き機部門にノミネート。''2011年KOTY七つの大罪の一つ''に挙げられるまでに至ってしまった。 --KOTYスレ内での通称は「c18([[しーじゅうはち>四八(仮)]])」。嘗ての魔物を思い起こさせる不吉な響きにスレ住民も沸き立ったのか、四八マンを改変した「C18マン」なるAAが作られてしまった。 --2011年度の据え置き機KOTYスレでは、本作の選評到着まで8ヶ月もの間クソゲーが発掘されないという%%平和で喜ばしい%%期間が続いていた。 ---その後本作の選評到着を皮切りに、次々と[[年末の>街ingメーカー4]][[魔物達>ドラゴンボール アルティメットブラスト]]が現れ、更には[[見過ごされかけていた核地雷>人生ゲーム ハッピーファミリー]]も無事(?)発掘、KOTYスレは例年通りの大盛況を迎えることとなるのである。 -2012年12月21日に何故かWindowsに移植された。 --単品は3,800円。~ 『Ever17 -the out of infinity-』とのセット販売『インフィニティ セレクション』は4,800円で発売された。%%シリーズの最低作が最高傑作と抱き合わせとはこれ如何に。%% //検索用 code18 コードエイティーン

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