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The Elder Scrolls III: Morrowind - (2016/06/13 (月) 16:21:40) の1つ前との変更点

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*The Elder Scrolls III: Morrowind 【じ えるだーすくろーるず すりー もろういんど】 |ジャンル|RPG|CENTER:&amazon(B0000WZQDE)|CENTER:&amazon(B00008XKZM)| |対応機種|Windows 98~XP&br()Xbox|~|~| |メディア|【Win】CD-ROM 2枚組&br()【Xb】DVD-ROM|~|~| |発売元|ベセスダ・ソフトワークス|~|~| |開発元|Bethesda Game Studios|~|~| |発売日|【Win】2002年5月1日&br()【Xb】2002年6月6日|~|~| |廉価版|Game of the Year Edition:&br()【Win】2003年10月31日&br()【Xb】2004年2月20日|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:[[''The Elder Scrollsシリーズリンク''>The Elder Scrollsシリーズ]]| ---- **ストーリー 第3紀427年。~ 囚人であったあなたは皇帝の恩赦により条件付きでモロウィンドに送られることとなった。~ 道中奇妙な夢を見たが、囚人仲間に起こされ帝国軍人に付き従い船を降り、セイダ・ニーンへと降り立つ。~ あなたに与えられた使命は「皇帝の密書を、バルモラという町にいる帝国の工作員・カイウスへ届け、彼の指示に従うこと」。~ 入国手続きを済ませ、モロウィンドの地へと足を踏み入れる。 //酔ったような文章書くなら自分のブログへ ---- **概要 広大なオープンワールドを舞台に自由に旅を出来ることで好評を博した『[[The Elder Scrolls]]』シリーズのナンバリング3作目。~ 『[[The Elder Scrolls II: Daggerfall>The Elder Scrolls#id_31f17b6a]]』(以下、TES2)から対応OSをWindowsに移してゲームエンジンを一新し、現在のシリーズに続く下地を作り上げた名作RPGである。~ シリーズで初めてModや拡張パックに正式対応し、家庭用向けゲーム機にも発売された。((通常版とGOTY版のみで、拡張パック単体版は販売されていない。)) **特徴・評価点 -グラフィックの大幅強化 --『TES2』までは3Dフィールドに2Dキャラクターという『DOOM』などのFPSと同様の仕様だったが、今作からはキャラクターも全てフルポリゴン3D化され、グラフィッククオリティ自体も大幅に強化されている。DOS→Win98というハード自体の進化を鑑みても、当時の最先端を往くには十分。 --イベント関連でもこの要素を活かし、視覚・聴覚的な演出が大幅に増えた。 ---これがもっとも発揮されるのが序盤で発生する「空中浮揚の巻物」に関するイベント。突然空から人が降ってきて落下死するという衝撃的な始まり方をするためプレイヤーに強烈な印象を残した。 --フィールドも一つの島が舞台ながら非常に広大であり多数の街、ダンジョンなど充実したロケーションが存在する。 -音楽面もパワーアップ --楽曲のクオリティは大幅にアップしており、名曲も多い。世界観にマッチした楽曲は多くのファンに絶賛されている。 --トレーラーでも使用されているメインテーマ「Nerevar Rising」などは特に人気が高く、シリーズを代表する曲となっている。 ---その後のシリーズでもこの曲をアレンジしたものがメインテーマとして使われている。 -基本システムはこれまで同様の一人称視点のアクションRPGに近い方式であるが、グラフィックの完全3D化をはじめ様々な部分が変更されている。 --基本システムは『TES2』に近いが、完全3D化に伴いジャンプやそこら辺に落ちているアイテムを拾ったりする事が可能になった。 --また、完全FPSの形式だった前作までと異なり、ボタン1つで三人称視点に変更出来るようになった。これにより以前はステータス画面でしか見られなかった自キャラを自由に見られるようになった。 --アイテムの売買システムが変更され、Goldを含む物々交換で買い物を行うようになった。これにより、商人ごとに品物やGoldに限界が設定されるようになった。 -戦闘は前作までと同様にシームレス形式。 --武器は抜刀してからマウスで狙いをつけ、クリックで攻撃する方式。ただし、前作までと違ってマウス操作で剣を振り回すことは出来なくなり、また本作に限り攻撃判定がスキルの成功率に依存する。 --攻撃以外にもピッキングや調合、罠の解除などほとんどの行動はスキルレベルにより成功判定が行われる。 --このシステムのため、スキルを上げるためのトレーニングが重要となっている。 -ダークファンタジーらしさを前面に出した世界観、ストーリー --物語の舞台であるMorrowind地方はダンマー(ダークエルフ)の国で、奴隷制度があったり流刑地となっているなど陰鬱な設定が多く登場する。 --各地の洞窟には盗賊など表を出歩けない人物が住み着いていることがあり、入ると襲われてしまう。 ---アイテムの中には「スクゥーマ」と呼ばれる麻薬が存在しており、これらを所持していると商人に取引を拒否されてしまうのだが、こういった盗賊のいる洞窟には得てしてスクゥーマが落ちている。スクゥーマ中毒を題材にしたクエストも存在する。 --勧善懲悪的な展開はまず存在せず、大なり小なりのクエストを通して『選択』を迫られていく。なお、メインのストーリーはやはり後のシリーズに繋がっている。 -ゲーム開始直後はいつも通り囚人として始まり、船を降りる際に名前・性別・種族・顔・他、もろもろの能力値を決定していく。 --プレイヤーは流刑地であるMorrowindに皇帝の密命を受けて送られてきたという設定。 --後の『Oblivion』などと異なり、今作の時点ではまだ自分で顔を作ることは出来ず、いくつかの候補の中から選択する方式となっている。 -Modへの正式対応 --本作の最大の特徴かつ評価点として挙げられる新機能。 --PC版に同梱されているツール「The Elder Scrolls Construction Set」などで作成する本作のModは、プラグインの.esp/.esmファイルとリソースパッケージの.bsaファイルという形で、最大1~2ファイルにまで集約することができる。((管理リスクはあるものの、リソースファイルをパッケージ化せずに設置することも可能。この方式はルーズファイル(Loose Files)と呼ばれる))~ これらをDataフォルダに置くだけで準備は完了。ランチャーメニューの「Data Files」リストに表示され、使用したいプラグインを選択し有効化する。 ---後の『[[Oblivion>The Elder Scrolls IV: Oblivion]]』や『[[Skyrim>The Elder Scrolls V: Skyrim]]』、『[[Fallout 3]]』以降で採用されている同社ゲームのMODシステムの原型は本作で完成されていた。これも、シリーズ人気を確固たるものとした一因といえる。 --このシステムの素晴らしい点は、ゲームの実行ファイルなど重要なファイルを直接いじる必要が殆どなくなったという点と、Modファイルの配布・管理が容易なものとなった点である。 ---Modを利用すると何かしら不具合が出たりすることも少なくないわけだが、この形式なら大半のMod((日本語化Modは実行ファイルをも弄る必要があるが、これも海外の有志により他の設定と一緒に手軽に変更できるソフトが配布されている。))は「Data Files」で手軽にON/OFFできるため本体に与えるダメージが非常に少ない。Modを導入した結果問題が発生しても、即バニラの状態に戻せるため原因の特定もやりやすくなっている。 ---後に発売された大型拡張ディスク『Bloodmoon』『Tribunal』もこの形式でパッケージされている。インストール後にゲーム全体に影響する要素もあるので、手軽に切り替え可能となっているのは嬉しい配慮。 **問題点 -シリーズの常であるがバグが多い --ユーザーによるバグ修正MODの配布が行われるようになったのも今作から。後のシリーズは良い部分も多く継承したが、こういった悪い部分まで継承されてしまった。 //--バグではないが、クエスト進行に必要なNPCを殺害してしまうとそこでクエスト進行がストップしてしまう。例えメインクエストであってもこの状況は起き得る。 //---こうなったらリセットするか、諦めて自分なりの冒険を楽しむしかなくなってしまう。殺害時に警告が出るので、分かりやすいのが救いだが…。 -戦闘の簡素化 --前述のように攻撃方法や判定が一般的なRPGに近くなってしまった。 --前作はマウスをドラッグして剣を自由に振り回せるシステムでリアリティがあり、アクションゲーム的だったのでこの点を残念がるプレイヤーは多い。 -詰み要素 --ゲーム世界全体がオープンワールド化したことで主人公の預かり知らぬ所でNPCもまた生活している。~ その影響でいつの間にかクエストの重要人物が死んでしまい、最悪クエストの進行がストップしてしまうということも起こる。 --メインクエストも例外ではなく、そうなると最初からやり直すか、諦めてモロウィンドの地で自由に暮らすか、である。 --次回作以降では対策され、メインクエストに関わる人物には不死属性が付くようになり、不慮の事故でクエストが詰むような事態にはならなくなった。 -マップの縮小化 --本作のマップは25km²程。しかし前作は161600km²もの広さを誇っており、本作とは次元が違う。 --とは言え、前作のマップは殆どが自動生成で、ただっ広いばかりの単調なものであった。本作はマップを凝縮し、ランダム生成を廃して限られた面積の中を徹底的に作り込んだと言えよう。 -非常に多いスラング --ファンタジーであれば専門用語も世界観に彩りを添える要素となるが、モロウィンドは帝国の支配が薄い地方を舞台にしているためか非常に専門用語・作中スラングが多い。 ---そして''これこそが翻訳が進まない原因''である。なにせ、英語圏の人たちですら戸惑う((世界設定を細かく理解していないと分からない物が多い為))とのことだから…。 ---次作『[[Oblivion>The Elder Scrolls IV: Oblivion]]』ではこの件を反省してか難しいスラングは減ったが、逆に「この雰囲気がよかったんだよ」という人も。 -ジャーナルのシステム --クエスト進行に関するログであるジャーナルだが、本作におけるジャーナルは本の形式になっており、ジャーナルが追加されるたびにページが増加していく。 --このため、ゲームが進めば進むほど膨大な内容のジャーナルが記載されていき、非常に乱雑で見づらくなってしまう。 ---一応、検索機能などはあるが頭文字やクエストを表示するといった機能しかなく、有効に働いているとは言えない。 ---''本当の意味での「Journal(日記)」''である。主人公が書いているという設定なので彼(彼女)の人となりが見えてくる。 -当時のゲームとしては非常に負荷が高い --自由度やグラフィックとの兼ね合いもあり、Windows2000時代のマシンとしては極めて高いスペックを要求した事は容易に想像できる。 --もちろん現在のPCなら、互換性の問題さえクリアできれば快適に動作可能。 **総評 Modによる高い拡張性、あらゆるものにアクセス出来るシステム、膨大なクエスト、ストーリーなどに縛られない自由な冒険。すべてを高いレベルで実現し、現在のシリーズの基盤を固めた名作タイトルである。~ 日本語は公式非対応だがSteamでダウンロード販売されており気軽に入手可能。有志による日本語化はやや中途半端だが抵抗がないなら手にとって見るとよいだろう。~
*The Elder Scrolls III: Morrowind 【じ えるだーすくろーるず すりー もろういんど】 |ジャンル|RPG|CENTER:&amazon(B0000WZQDE)|CENTER:&amazon(B00008XKZM)| |対応機種|Windows 98~XP&br()Xbox|~|~| |メディア|【Win】CD-ROM 2枚組&br()【Xb】DVD-ROM|~|~| |発売元|ベセスダ・ソフトワークス|~|~| |開発元|Bethesda Game Studios|~|~| |発売日|【Win】2002年5月1日&br()【Xb】2002年6月6日|~|~| |廉価版|Game of the Year Edition:&br()【Win】2003年10月31日&br()【Xb】2004年2月20日|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |>|>|>|CENTER:[[''The Elder Scrollsシリーズリンク''>The Elder Scrollsシリーズ]]| ---- **ストーリー 第3紀427年。~ 囚人であったあなたは皇帝の恩赦により条件付きでモロウィンドに送られることとなった。~ 道中奇妙な夢を見たが、囚人仲間に起こされ帝国軍人に付き従い船を降り、セイダ・ニーンへと降り立つ。~ あなたに与えられた使命は「皇帝の密書を、バルモラという町にいる帝国の工作員・カイウスへ届け、彼の指示に従うこと」。~ 入国手続きを済ませ、モロウィンドの地へと足を踏み入れる。 //酔ったような文章書くなら自分のブログへ ---- **概要 広大なオープンワールドを舞台に自由に旅を出来ることで好評を博した『[[The Elder Scrolls]]』シリーズのナンバリング3作目。~ 『[[The Elder Scrolls II: Daggerfall>The Elder Scrolls#id_31f17b6a]]』(以下、TES2)から対応OSをWindowsに移してゲームエンジンを一新し、現在のシリーズに続く下地を作り上げた名作RPGである。~ シリーズで初めてModや拡張パックに正式対応し、家庭用向けゲーム機にも発売された。((通常版とGOTY版のみで、拡張パック単体版は販売されていない。)) **特徴・評価点 -グラフィックの大幅強化 --『TES2』までは3Dフィールドに2Dキャラクターという『DOOM』などのFPSと同様の仕様だったが、今作からはキャラクターも全てフルポリゴン3D化され、グラフィッククオリティ自体も大幅に強化されている。DOS→Win98というハード自体の進化を鑑みても、当時の最先端を往くには十分。 --イベント関連でもこの要素を活かし、視覚・聴覚的な演出が大幅に増えた。 ---これがもっとも発揮されるのが序盤で発生する「空中浮揚の巻物」に関するイベント。突然空から人が降ってきて落下死するという衝撃的な始まり方をするためプレイヤーに強烈な印象を残した。 --フィールドも一つの島が舞台ながら非常に広大であり多数の街、ダンジョンなど充実したロケーションが存在する。 -音楽面もパワーアップ --楽曲のクオリティは大幅にアップしており、名曲も多い。世界観にマッチした楽曲は多くのファンに絶賛されている。 --トレーラーでも使用されているメインテーマ「Nerevar Rising」などは特に人気が高く、シリーズを代表する曲となっている。 ---その後のシリーズでもこの曲をアレンジしたものがメインテーマとして使われている。 -基本システムはこれまで同様の一人称視点のアクションRPGに近い方式であるが、グラフィックの完全3D化をはじめ様々な部分が変更されている。 --基本システムは『TES2』に近いが、完全3D化に伴いジャンプやそこら辺に落ちているアイテムを拾ったりする事が可能になった。 --また、完全FPSの形式だった前作までと異なり、ボタン1つで三人称視点に変更出来るようになった。これにより以前はステータス画面でしか見られなかった自キャラを自由に見られるようになった。 --アイテムの売買システムが変更され、Goldを含む物々交換で買い物を行うようになった。これにより、商人ごとに品物やGoldに限界が設定されるようになった。 -戦闘は前作までと同様にシームレス形式。 --武器は抜刀してからマウスで狙いをつけ、クリックで攻撃する方式。ただし、前作までと違ってマウス操作で剣を振り回すことは出来なくなり、また本作に限り攻撃判定がスキルの成功率に依存する。 --攻撃以外にもピッキングや調合、罠の解除などほとんどの行動はスキルレベルにより成功判定が行われる。 --このシステムのため、スキルを上げるためのトレーニングが重要となっている。 -ダークファンタジーらしさを前面に出した世界観、ストーリー --物語の舞台であるMorrowind地方はダンマー(ダークエルフ)の国で、奴隷制度があったり流刑地となっているなど陰鬱な設定が多く登場する。 --各地の洞窟には盗賊など表を出歩けない人物が住み着いていることがあり、入ると襲われてしまう。 ---アイテムの中には「スクゥーマ」と呼ばれる麻薬が存在しており、これらを所持していると商人に取引を拒否されてしまうのだが、こういった盗賊のいる洞窟には得てしてスクゥーマが落ちている。スクゥーマ中毒を題材にしたクエストも存在する。 --勧善懲悪的な展開はまず存在せず、大なり小なりのクエストを通して『選択』を迫られていく。なお、メインのストーリーはやはり後のシリーズに繋がっている。 -ゲーム開始直後はいつも通り囚人として始まり、船を降りる際に名前・性別・種族・顔・他、もろもろの能力値を決定していく。 --プレイヤーは流刑地であるMorrowindに皇帝の密命を受けて送られてきたという設定。 --後の『Oblivion』などと異なり、今作の時点ではまだ自分で顔を作ることは出来ず、いくつかの候補の中から選択する方式となっている。 -Modへの正式対応 --本作の最大の特徴かつ評価点として挙げられる新機能。 --PC版に同梱されているツール「The Elder Scrolls Construction Set」などで作成する本作のModは、プラグインの.esp/.esmファイルとリソースパッケージの.bsaファイルという形で、最大1~2ファイルにまで集約することができる。((管理リスクはあるものの、リソースファイルをパッケージ化せずに設置することも可能。この方式はルーズファイル(Loose Files)と呼ばれる))~ これらをDataフォルダに置くだけで準備は完了。ランチャーメニューの「Data Files」リストに表示され、使用したいプラグインを選択し有効化する。 ---後の『[[Oblivion>The Elder Scrolls IV: Oblivion]]』や『[[Skyrim>The Elder Scrolls V: Skyrim]]』、『[[Fallout 3]]』以降で採用されている同社ゲームのMODシステムの原型は本作で完成されていた。これも、シリーズ人気を確固たるものとした一因といえる。 --このシステムの素晴らしい点は、ゲームの実行ファイルなど重要なファイルを直接いじる必要が殆どなくなったという点と、Modファイルの配布・管理が容易なものとなった点である。 ---Modを利用すると何かしら不具合が出たりすることも少なくないわけだが、この形式なら大半のMod((日本語化Modは実行ファイルをも弄る必要があるが、これも海外の有志により他の設定と一緒に手軽に変更できるソフトが配布されている。))は「Data Files」で手軽にON/OFFできるため本体に与えるダメージが非常に少ない。Modを導入した結果問題が発生しても、即バニラの状態に戻せるため原因の特定もやりやすくなっている。 ---後に発売された大型拡張ディスク『Bloodmoon』『Tribunal』もこの形式でパッケージされている。インストール後にゲーム全体に影響する要素もあるので、手軽に切り替え可能となっているのは嬉しい配慮。 **問題点 -シリーズの常であるがバグが多い --ユーザーによるバグ修正MODの配布が行われるようになったのも今作から。後のシリーズは良い部分も多く継承したが、こういった悪い部分まで継承されてしまった。 //--バグではないが、クエスト進行に必要なNPCを殺害してしまうとそこでクエスト進行がストップしてしまう。例えメインクエストであってもこの状況は起き得る。 //---こうなったらリセットするか、諦めて自分なりの冒険を楽しむしかなくなってしまう。殺害時に警告が出るので、分かりやすいのが救いだが…。 -戦闘の簡素化 --前述のように攻撃方法や判定が一般的なRPGに近くなってしまった。 --前作はマウスをドラッグして剣を自由に振り回せるシステムでリアリティがあり、アクションゲーム的だったのでこの点を残念がるプレイヤーは多い。 -詰み要素 --ゲーム世界全体がオープンワールド化したことで主人公の預かり知らぬ所でNPCもまた生活している。~ その影響でいつの間にかクエストの重要人物が死んでしまい、最悪クエストの進行がストップしてしまうということも起こる。 --メインクエストも例外ではなく、そうなると最初からやり直すか、諦めてモロウィンドの地で自由に暮らすか、である。 --次回作以降では対策され、メインクエストに関わる人物には不死属性が付くようになり、不慮の事故でクエストが詰むような事態にはならなくなった。 -マップの縮小化 --本作のマップは25km²程。しかし前作は161600km²もの広さを誇っており、本作とは次元が違う。 --とは言え、前作のマップは殆どが自動生成で、ただっ広いばかりの単調なものであった。本作はマップを凝縮し、ランダム生成を廃して限られた面積の中を徹底的に作り込んだと言えよう。 -非常に多いスラング --ファンタジーであれば専門用語も世界観に彩りを添える要素となるが、モロウィンドは帝国の支配が薄い地方を舞台にしているためか非常に専門用語・作中スラングが多い。 ---そして''これこそが翻訳が進まない原因''である。なにせ、英語圏の人たちですら戸惑う((世界設定を細かく理解していないと分からない物が多い。例えばダークエルフをエルフの言葉で表すダンマーには男性名詞と女性名詞が用意されている))とのことだから…。 ---次作『[[Oblivion>The Elder Scrolls IV: Oblivion]]』ではこの件を反省してか難しいスラングは減ったが、逆に「この雰囲気がよかったんだよ」という人も。 -ジャーナルのシステム --クエスト進行に関するログであるジャーナルだが、本作におけるジャーナルは本の形式になっており、ジャーナルが追加されるたびにページが増加していく。 --このため、ゲームが進めば進むほど膨大な内容のジャーナルが記載されていき、非常に乱雑で見づらくなってしまう。 ---一応、検索機能などはあるが頭文字やクエストを表示するといった機能しかなく、有効に働いているとは言えない。 ---''本当の意味での「Journal(日記)」''である。主人公が書いているという設定なので彼(彼女)の人となりが見えてくる。 -当時のゲームとしては非常に負荷が高い --自由度やグラフィックとの兼ね合いもあり、Windows2000時代のマシンとしては極めて高いスペックを要求した事は容易に想像できる。 --もちろん現在のPCなら、互換性の問題さえクリアできれば快適に動作可能。 **総評 Modによる高い拡張性、あらゆるものにアクセス出来るシステム、膨大なクエスト、ストーリーなどに縛られない自由な冒険。すべてを高いレベルで実現し、現在のシリーズの基盤を固めた名作タイトルである。~ 日本語は公式非対応だがSteamでダウンロード販売されており気軽に入手可能。有志による日本語化はやや中途半端だが抵抗がないなら手にとって見るとよいだろう。~

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