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*ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン 【どらごんくえすと しょうねんやんがすとふしぎのだんじょん】 |ジャンル|ローグライクRPG|&amazon(B000E0XNBE)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|キャビア|~| |発売日|2006年4月20日|~| |定価|7,140円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |廉価版|アルティメットヒッツ&br()2007年6月28日/2,940円|~| |ポイント|不思議ダンジョン式DQモンスターズ&br初心者向けの難易度|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/269.html]]''| **概要 -『ドラゴンクエスト』シリーズの世界観やキャラクターを使ったダンジョン探索RPG(ローグライクゲーム)である『[[トルネコの大冒険 不思議のダンジョン]]』シリーズの流れをくむ作品。それまで主役を務めていた「トルネコ」に代わり、『[[ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君]]』(以下『VIII』)に登場した仲間キャラクター「ヤンガス」が主人公である。 --ストーリーはヤンガスの少年時代を描いたものであり、壷の中に広がる異世界「ポッタルランド」が舞台。そこで、同じく『VIII』に登場する「ゲルダ」や、シリーズの前主人公であるトルネコと出会う。 --『モンスターズ』(以下『DQM』)シリーズのような「配合」システムが採用されており、その手続き担当として『VIII』から「モリー」が登場している。 -グラフィックは『VIII』に近い3D+トゥーンレンダリング。BGMも『VIII』におけるヤンガスのテーマ曲のアレンジ版などが使用されている。 -また不思議のダンジョンと言えば、何らかの形でチュンソフトが関わってきたが、今作は関わっていない。 **特徴 -主人公のレベルは初期化制。冒険失敗やクリアでポッタルランドに戻ると、ヤンガスのレベルも1に戻される。 -ダンジョンは一部(チュートリアルの「まどわしの森」など)を除くと、「カンダタ遺跡」の1つがメイン。ただし、特定のフロアには下に降りる階段以外に別のダンジョンへの入口があり、ダンジョンが分岐する構造になっている。 --一度入口を見つけたダンジョンは、2回目以降はポッタルランドから直接向かえる。 ---カンダタ遺跡の最初から順に攻略していった場合、レベルやアイテムは他のダンジョンに持ち越される。 -敵モンスターは主に『VIII』から参戦。トルネコシリーズでお馴染みのモンスターも、近い特性を持つモンスターが『VIII』にいる場合はバトンタッチしていることが多い。 --同系統の色違いモンスターはほぼ全種類登場。そのため、本作には「マクロベータ」「ディープバイター」といったマイナーどころがぽつぽつ顔見せしている。 -『VIII』同様、力をためることでダメージを上げる「テンション」システムがある。 -ダンジョンにいるモンスターは仲間にすることが可能。 --モンスターごとに異なる所定の条件を満たした上で、「モリーの壷」というアイテムを使用すると捕獲できる。条件は「HPを減らす」「特定の状態異常にかける」「ワナにはめる」など様々。 --仲間モンスターも戦闘で経験値を得てレベルアップする。モンスターのレベルはダンジョンを出ても継続される。 --仲間モンスターは「信頼度」というパラメータをもち、これが低いうちはこちらの言うことを聞かない。薬草などでHPを回復したりアイテムをプレゼントするなどして機嫌を取ると信頼度が上がって壷から出てくれるようになり、さらに仲が深まると「ここでまってて」「合体しようぜ」などの命令に従ってくれるようになる。 ---系統毎に好物とする種別のアイテムがあり、好物をプレゼントすると信頼度がよく上がる。小さなメダルは全てのモンスターが好物とする。~ さらに、各モンスターに個別に大好物のアイテムが設定されており、大好物をプレゼントすると信頼度が大幅に上がる。 ---また、この信頼度によって仲間モンスターの台詞が変わる。雌モンスターの中には、ヤンガスに気のある素振りを見せる者も。信頼度が90以上になると冒険や配合のヒントを教えてくれるようになる。 --モンスターブックという図鑑のようなものがあり、仲間にしたモンスターが記録されていく。 -配合システム --信頼度が一定以上の仲間モンスターを2匹以上を掛け合わせて強力なモンスターを生み出すシステム。子どもは親の持つ特殊能力を継承するなどの優遇措置がある他、これでしか仲間にする手段のないレアモンスターもいる。 --配合所は一定以上ゲームを進めるとポッタルランドに常設されるほか、ダンジョン内の階層間に出現することもある。 --ゲームを進めると、配合の際に贈り物を行える。配合するモンスター2匹の他にアイテムを使うことで、子どもの能力を底上げしたり、突然変異で全く異なるモンスターが生まれたりといった変化が起こる。 -「合体しようぜ」 --仲間モンスターに出せる作戦の1種。ヤンガスとモンスターが合体することで、モンスターの特技・特性を任意で活用できるようになる。 --合体形態は仲間モンスターの種別によって、頭に乗せる・上に乗る・融合するなどがあり、ヤンガスの攻撃の後にモンスターの攻撃が付加されたり、通常では入れない地形に入ったり、魔法反射などの身体特性を共有したりできる。 -ストーリー進行の上のイベントシーンにはアニメムービーが挿入される。 --ナレーション担当は八奈見乗児(『ヤッターマン』のボヤッキーや『ドラゴンボール』のナレーションで有名)。 ***難易度について 難易度は、ローグライクゲームとしては易しめである。 -トルネコシリーズで登場した凶悪モンスターも、全体的に特殊能力がマイルド調整されている。 -満腹度の減少は20歩で1%。トルネコシリーズは10歩で1%だった。 -モンスターを十分に強化していた場合、アイテムは余り気味になるほど。 -装飾品は従来の「指輪」の他に「お守り」があり、それぞれ同時に装備できる。 --ちなみに『シレン』シリーズにも腕輪を両手装備できるものはあるが、そちらは装備している装飾品が壊れるシステムも併せ持っていて、プレイヤーに有利である反面バランスは厳しく調整されている。 --これ以外にも、同系の他作品では一長一短に設定されている要素から短所が緩和されている例(2マス先まで攻撃できる武器を盾と同時に装備できるなど)は多い。 -救済措置も充実している。 --攻略失敗の際は持ち物が半分消失、逆に言えば半分残る。また武器防具は消失しないようにする保険が用意され、死亡ペナルティは低く抑えられている。 --仲間モンスターについては、一度ポッタルランドに連れ帰ったモンスターならダンジョンで倒されても戻ってくる(攻略中に獲得した経験値はリセットされる)。 **評価点 -『DQM』シリーズに近いシステムの採用により、収集要素・育成要素の強いローグライクゲームとして楽しめる。『トルネコ』シリーズ同様、なじみの深いメジャータイトルのスピンオフ作品であることも強み。 -グラフィック・アニメムービーの質は良好。登場キャラクターにも愛着を抱きやすく、ほんわかと温かみのあるシナリオやBGMの雰囲気ともよく合っている。 -『[[トルネコ3>ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険3 不思議のダンジョン]]』などの単純な確率依存とは異なる、条件さえ揃えれば運に頼らず捕獲できる能動的なモンスター仲間システムは好意的に見られている。 -町の中でルーラを使用でき、店などの各施設に瞬時に移動出来る。 **問題点 -正直ストーリーはいつもどおりあってないようなもの。 --これが『シレン』シリーズなどゲーム性を重視するシリーズだったら特に問題はなかったが、今作は演出面にかなり力が入っていて、なおかつストーリー自体もウリとして宣伝。にもかかわらずいつものノリなのはいただけない。 -仲間モンスターのAIはわりとアホ。 --特技を乱用するなどの勝手な行動が目立つ。信頼度や作戦を活用させるためとも受け取れるが、その作戦を駆使しても、いまいちかゆい所に手が届かない。 --本作ではモンスターが特技を使うごとに「つかれ」というポイントが溜まっていき、これが100%になると強制的に壷に戻ってしまいしばらく壷から出せなくなる為、特技を無駄撃ちするのは困りもの。 --部屋の入口で「大防御」を使って動かなくなる、炎無効の敵に炎を吐き続けるなど、単純にプレイの邪魔になる行動が含まれているのも厄介。 -レアモンスターを生み出すにはクリア後ダンジョンに挑戦することになるが、アイテムや仲間モンスターの持ち込みに制限のあることが多く、配合重視のプレイにおいて不自由。 --また、同じ理由により鍛えたモンスターなどを活躍させる場も少なく、「持ち込み可の高難度ダンジョンがもっとほしい」という意見はよく見られる。 --しかしある程度は持ち込み制限を設けないと、ダンジョン自体の難易度に歯応えがなくなるという別の問題が出てくる。後半になるにつれ、ローグライクゲームと配合・育成システムとの間に齟齬が出る格好になった。 -テンポが良くない。 --プレイヤーキャラの一挙手一投足に付随する細かい仕草や、配合時・攻略失敗時などの演出が、長時間プレイでは煩わしくなってくる。本作の下地となっているゲームのどちらも「快適さ」を重視されやすいジャンルであることが大きい。 --特にダンジョンのテンポは散々言われ続けた『トルネコ3』よりも悪化している。探索を「あきらめる」機能は搭載されているのだが、肝心の「再挑戦機能」が存在しない、死亡時に3匹のももんじゃが踊る長いムービーが入る、持ち込みなしダンジョンに再挑戦する際には残った道具をまとめて売り払らってゴールドまできっちり預けないと門前払いを食らう、など再挑戦への気概を著しく削ぐ仕様となってしまっている。 -色違いモンスターが漏れなく登場している=せっかくの仲間モンスターが色違いばっかり、とも取れる。行動パターンも似ていて変化に乏しく、バリエーション多彩に見せる工夫に欠ける。 -全体的に低めの難易度から、ダンジョン探索に危機感を感じられず探索が単調になって、ダレることも多い。 --ダレた時こそ最も危険で思わぬアクシデントに見舞われるジャンルであり、本作とて気を緩めても磐石なほどの体勢を作れる訳ではない。しかし、慎重に構えてしまうとあくびが出る。そんな、絶妙に退屈なバランスである。 --本作最難関ダンジョン「魔導の宝物庫」の設定は、最深部999階、仲間・お金含めた完全持込み不可(ある方法を使えば、レベル引継ぎは可)。しかし、根底の難易度が低く緊張感を維持できないため、200階程度も降りたところで殆どの人がダレるだろう。 ---ただしこのダンジョンについては「999階もあれば必要なアイテムが揃わず詰む事は無い」など位置づけに対する反論も多く、事故率の高さなら各階で必ずモンスターハウスが発生する上に仲間を確保するためのアイテムが非常に出にくい「夢幻の宝物庫」の方が上。こちらを最難関とするプレイヤーも多い。 -さすがにぬるすぎる、とされる調整もある。 --とにかく味方モンスターの攻撃力が他と比べて非常に高く、ヤンガス自身も『トルネコ3』のトルネコとポポロを足して2で割ってない性能を誇るため、ボス戦は完全におまけ。 ---どれくらいかというと、''味方の攻撃3発''でボスですらやられてしまうほど。このため、ボスラッシュダンジョンである「もっとまどわしの森」の難易度は非常に低い。ここが数少ない「味方の強さを試せるダンジョン」である事も悔やまれる。 --マップを踏破して登録するとそのマップ上に敵位置の動きが常に映るようになる。例えるならば「常時地獄耳の効果」。このため、ダンジョン探索の緊張感が極端に減った。前述のダレる理由として真っ先に挙げられる部分である。なお設定で無効化することはできない。 -各ダンジョンの出来にも問題がある。 --殆どのダンジョンでモンスターの出現テーブルが使いまわされている。本編中では段階ごとに難化する形のため全く問題ないものの、持ち込みなしの隠しダンジョンでも同様の出現テーブルになっているため、ダンジョンごとの特色が薄い。そうでないのは爆弾石を利用して進む「しゃくねつの大洞くつ」と上記の「夢幻の宝物庫」ぐらいである。 --出現テーブル自体はバランスも良く十分に練られた配置なのだが、そればっかりでは面白みに欠けるのも事実である。 -階を降りてもBGMが一切切り替わらない。 --特に上記の「魔導の宝物庫」では''999Fまでずっと同じ曲を聴き続ける''ことになる。BGM自体は恒例のすぎやま氏による良アレンジとなっているのだが、使い方が致命的に悪いと言わざるを得ない。 **総評 レアアイテム探索やボス討伐などといった所定の目的を遂行しにダンジョンに潜るローグライクゲームのスタイルで作られてはいるが、全体的なプレイ感は「目的を達成するための手段(育成)も楽しむ」という『DQM』シリーズの特性が強く出ている。そう考えると、有能なモンスターのいるダンジョンに限ってアイテムなどの持込制限がキツく繰り返しプレイが難儀だったり、せっかく育てたモンスターを活躍させる機会が少なかったりといった細かい部分が気になってくる。~ ストーリーにひと区切りつくエンディングまでは制限が緩く、易しめの難易度と自由度の高いシステムとでバランスが取れているものの、いざやり込もうとしたときに何かと不満点が出てくる。これは「むしろクリア後からが本番」であることが多いジャンルの作品としては、それなりに無視できない問題点だろう。~ 本作はローグライクゲームであり、育成重視型RPGであり、DQのキャラゲーでもある。そういった様々な側面をまんべんなく押さえはしたが、様々なところに粗が多く、中途半端と評価されやすい作品である。結果論で言うなら、「不思議ダンジョンの正当進化」か「システム違いの『DQM』」か、どちらかに徹底するべきだったのかもしれない。
*ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン 【どらごんくえすと しょうねんやんがすとふしぎのだんじょん】 |ジャンル|ローグライクRPG|&amazon(B000E0XNBE)| |対応機種|プレイステーション2|~| |メディア|DVD-ROM 1枚|~| |発売元|スクウェア・エニックス|~| |開発元|キャビア|~| |発売日|2006年4月20日|~| |定価|7,140円|~| |プレイ人数|1人|~| |レーティング|CERO:全年齢対象|~| |廉価版|アルティメットヒッツ&br()2007年6月28日/2,940円|~| |ポイント|不思議ダンジョン式DQモンスターズ&br初心者向けの難易度|~| |>|>|CENTER:''[[ドラゴンクエストシリーズ関連作品リンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/269.html]]''| **概要 -『ドラゴンクエスト』シリーズの世界観やキャラクターを使ったダンジョン探索RPG(ローグライクゲーム)である『[[トルネコの大冒険 不思議のダンジョン]]』シリーズの流れをくむ作品。それまで主役を務めていた「トルネコ」に代わり、『[[ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君]]』(以下『VIII』)に登場した仲間キャラクター「ヤンガス」が主人公である。 --ストーリーはヤンガスの少年時代を描いたものであり、壷の中に広がる異世界「ポッタルランド」が舞台。そこで、同じく『VIII』に登場する「ゲルダ」や、シリーズの前主人公であるトルネコと出会う。 --『モンスターズ』(以下『DQM』)シリーズのような「配合」システムが採用されており、その手続き担当として『VIII』から「モリー」が登場している。 -グラフィックは『VIII』に近い3D+トゥーンレンダリング。BGMも『VIII』におけるヤンガスのテーマ曲のアレンジ版などが使用されている。 -また不思議のダンジョンと言えば、何らかの形でチュンソフトが関わってきたが、今作は関わっていない。 **特徴 -主人公のレベルは初期化制。冒険失敗やクリアでポッタルランドに戻ると、ヤンガスのレベルも1に戻される。 -ダンジョンは一部(チュートリアルの「まどわしの森」など)を除くと、「カンダタ遺跡」の1つがメイン。ただし、特定のフロアには下に降りる階段以外に別のダンジョンへの入口があり、ダンジョンが分岐する構造になっている。 --一度入口を見つけたダンジョンは、2回目以降はポッタルランドから直接向かえる。 ---カンダタ遺跡の最初から順に攻略していった場合、レベルやアイテムは他のダンジョンに持ち越される。 -敵モンスターは主に『VIII』から参戦。トルネコシリーズでお馴染みのモンスターも、近い特性を持つモンスターが『VIII』にいる場合はバトンタッチしていることが多い。 --同系統の色違いモンスターはほぼ全種類登場。そのため、本作には「マクロベータ」「ディープバイター」といったマイナーどころがぽつぽつ顔見せしている。 -『VIII』同様、力をためることでダメージを上げる「テンション」システムがある。 -ダンジョンにいるモンスターは仲間にすることが可能。 --モンスターごとに異なる所定の条件を満たした上で、「モリーの壷」というアイテムを使用すると捕獲できる。条件は「HPを減らす」「特定の状態異常にかける」「ワナにはめる」など様々。 --仲間モンスターも戦闘で経験値を得てレベルアップする。モンスターのレベルはダンジョンを出ても継続される。 --仲間モンスターは「信頼度」というパラメータをもち、これが低いうちはこちらの言うことを聞かない。薬草などでHPを回復したりアイテムをプレゼントするなどして機嫌を取ると信頼度が上がって壷から出てくれるようになり、さらに仲が深まると「ここでまってて」「合体しようぜ」などの命令に従ってくれるようになる。 ---系統毎に好物とする種別のアイテムがあり、好物をプレゼントすると信頼度がよく上がる。小さなメダルは全てのモンスターが好物とする。~ さらに、各モンスターに個別に大好物のアイテムが設定されており、大好物をプレゼントすると信頼度が大幅に上がる。 ---また、この信頼度によって仲間モンスターの台詞が変わる。雌モンスターの中には、ヤンガスに気のある素振りを見せる者も。信頼度が90以上になると冒険や配合のヒントを教えてくれるようになる。 --モンスターブックという図鑑のようなものがあり、仲間にしたモンスターが記録されていく。 -配合システム --信頼度が一定以上の仲間モンスターを2匹以上を掛け合わせて強力なモンスターを生み出すシステム。子どもは親の持つ特殊能力を継承するなどの優遇措置がある他、これでしか仲間にする手段のないレアモンスターもいる。 --配合所は一定以上ゲームを進めるとポッタルランドに常設されるほか、ダンジョン内の階層間に出現することもある。 --ゲームを進めると、配合の際に贈り物を行える。配合するモンスター2匹の他にアイテムを使うことで、子どもの能力を底上げしたり、突然変異で全く異なるモンスターが生まれたりといった変化が起こる。 -「合体しようぜ」 --仲間モンスターに出せる作戦の1種。ヤンガスとモンスターが合体することで、モンスターの特技・特性を任意で活用できるようになる。 --合体形態は仲間モンスターの種別によって、頭に乗せる・上に乗る・融合するなどがあり、ヤンガスの攻撃の後にモンスターの攻撃が付加されたり、通常では入れない地形に入ったり、魔法反射などの身体特性を共有したりできる。 -ストーリー進行の上のイベントシーンにはアニメムービーが挿入される。 --ナレーション担当は八奈見乗児(『ヤッターマン』のボヤッキーや『ドラゴンボール』のナレーションで有名)。 ***難易度について 難易度は、ローグライクゲームとしては易しめである。 -トルネコシリーズで登場した凶悪モンスターも、全体的に特殊能力がマイルド調整されている。 -満腹度の減少は20歩で1%。トルネコシリーズは10歩で1%だった。 -モンスターを十分に強化していた場合、アイテムは余り気味になるほど。 -装飾品は従来の「指輪」の他に「お守り」があり、それぞれ同時に装備できる。 --ちなみに『シレン』シリーズにも腕輪を両手装備できるものはあるが、そちらは装備している装飾品が壊れるシステムも併せ持っていて、プレイヤーに有利である反面バランスは厳しく調整されている。 --これ以外にも、同系の他作品では一長一短に設定されている要素から短所が緩和されている例(2マス先まで攻撃できる武器を盾と同時に装備できるなど)は多い。 -救済措置も充実している。 --攻略失敗の際は持ち物が半分消失、逆に言えば半分残る。また武器防具は消失しないようにする保険が用意され、死亡ペナルティは低く抑えられている。 --仲間モンスターについては、一度ポッタルランドに連れ帰ったモンスターならダンジョンで倒されても戻ってくる(攻略中に獲得した経験値はリセットされる)。 **評価点 -『DQM』シリーズに近いシステムの採用により、収集要素・育成要素の強いローグライクゲームとして楽しめる。『トルネコ』シリーズ同様、なじみの深いメジャータイトルのスピンオフ作品であることも強み。 -グラフィック・アニメムービーの質は良好。登場キャラクターにも愛着を抱きやすく、ほんわかと温かみのあるシナリオやBGMの雰囲気ともよく合っている。 -『[[トルネコ3>ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険3 不思議のダンジョン]]』などの単純な確率依存とは異なる、条件さえ揃えれば運に頼らず捕獲できる能動的なモンスター仲間システムは好意的に見られている。 -町の中でルーラを使用でき、店などの各施設に瞬時に移動出来る。 **問題点 -正直ストーリーはいつもどおりあってないようなもの。 --これが『シレン』シリーズなどゲーム性を重視するシリーズだったら特に問題はなかったが、今作は演出面にかなり力が入っていて、なおかつストーリー自体もウリとして宣伝。にもかかわらずいつものノリなのはいただけない。 -仲間モンスターのAIはわりとアホ。 --特技を乱用するなどの勝手な行動が目立つ。信頼度や作戦を活用させるためとも受け取れるが、その作戦を駆使しても、いまいちかゆい所に手が届かない。 --本作ではモンスターが特技を使うごとに「つかれ」というポイントが溜まっていき、これが100%になると強制的に壷に戻ってしまいしばらく壷から出せなくなる為、炎無効の敵に炎を吐き続けるような無駄使いをされるのは困りもの。 --部屋の入口で「大防御」を使って動かなくなる(ヤンガスもそこを通れなくなる)といった、単純にプレイの邪魔になる行動が含まれているのも厄介。 -レアモンスターを生み出すにはクリア後ダンジョンに挑戦することになるが、アイテムや仲間モンスターの持ち込みに制限のあることが多く、配合重視のプレイにおいて不自由。 --また、同じ理由により鍛えたモンスターなどを活躍させる場も少なく、「持ち込み可の高難度ダンジョンがもっとほしい」という意見はよく見られる。 --しかしある程度は持ち込み制限を設けないと、ダンジョン自体の難易度に歯応えがなくなるという別の問題が出てくる。後半になるにつれ、ローグライクゲームと配合・育成システムとの間に齟齬が出る格好になった。 -テンポが良くない。 --プレイヤーキャラの一挙手一投足に付随する細かい仕草や、配合時・攻略失敗時などの演出が、長時間プレイでは煩わしくなってくる。本作の下地となっているゲームのどちらも「快適さ」を重視されやすいジャンルであることが大きい。 --特にダンジョンのテンポは散々言われ続けた『トルネコ3』よりも悪化している。探索を「あきらめる」機能は搭載されているのだが、肝心の「再挑戦機能」が存在しない、死亡時に3匹のももんじゃが踊る長いムービーが入る、持ち込みなしダンジョンに再挑戦する際には残った道具をまとめて売り払らってゴールドまできっちり預けないと門前払いを食らう、など再挑戦への気概を著しく削ぐ仕様となってしまっている。 -色違いモンスターが漏れなく登場している=せっかくの仲間モンスターが色違いばっかり、とも取れる。行動パターンも似ていて変化に乏しく、バリエーション多彩に見せる工夫に欠ける。 -全体的に低めの難易度から、ダンジョン探索に危機感を感じられず探索が単調になって、ダレることも多い。 --ダレた時こそ最も危険で思わぬアクシデントに見舞われるジャンルであり、本作とて気を緩めても磐石なほどの体勢を作れる訳ではない。しかし、慎重に構えてしまうとあくびが出る。そんな、絶妙に退屈なバランスである。 --本作最難関ダンジョン「魔導の宝物庫」の設定は、最深部999階、仲間・お金含めた完全持込み不可(ある方法を使えば、レベル引継ぎは可)。しかし、根底の難易度が低く緊張感を維持できないため、200階程度も降りたところで殆どの人がダレるだろう。 ---ただしこのダンジョンについては「999階もあれば必要なアイテムが揃わず詰む事は無い」など位置づけに対する反論も多く、事故率の高さなら各階で必ずモンスターハウスが発生する上に仲間を確保するためのアイテムが非常に出にくい「夢幻の宝物庫」の方が上。こちらを最難関とするプレイヤーも多い。 -さすがにぬるすぎる、とされる調整もある。 --とにかく味方モンスターの攻撃力が他と比べて非常に高く、ヤンガス自身も『トルネコ3』のトルネコとポポロを足して2で割ってない性能を誇るため、ボス戦は完全におまけ。 ---どれくらいかというと、''味方の攻撃3発''でボスですらやられてしまうほど。このため、ボスラッシュダンジョンである「もっとまどわしの森」の難易度は非常に低い。ここが数少ない「味方の強さを試せるダンジョン」である事も悔やまれる。 --マップを踏破して登録するとそのマップ上に敵位置の動きが常に映るようになる。例えるならば「常時地獄耳の効果」。このため、ダンジョン探索の緊張感が極端に減った。前述のダレる理由として真っ先に挙げられる部分である。なお設定で無効化することはできない。 -各ダンジョンの出来にも問題がある。 --殆どのダンジョンでモンスターの出現テーブルが使いまわされている。本編中では段階ごとに難化する形のため全く問題ないものの、持ち込みなしの隠しダンジョンでも同様の出現テーブルになっているため、ダンジョンごとの特色が薄い。そうでないのは爆弾石を利用して進む「しゃくねつの大洞くつ」と上記の「夢幻の宝物庫」ぐらいである。 --出現テーブル自体はバランスも良く十分に練られた配置なのだが、そればっかりでは面白みに欠けるのも事実である。 -階を降りてもBGMが一切切り替わらない。 --特に上記の「魔導の宝物庫」では''999Fまでずっと同じ曲を聴き続ける''ことになる。BGM自体は恒例のすぎやま氏による良アレンジとなっているのだが、使い方が致命的に悪いと言わざるを得ない。 **総評 レアアイテム探索やボス討伐などといった所定の目的を遂行しにダンジョンに潜るローグライクゲームのスタイルで作られてはいるが、全体的なプレイ感は「目的を達成するための手段(育成)も楽しむ」という『DQM』シリーズの特性が強く出ている。そう考えると、有能なモンスターのいるダンジョンに限ってアイテムなどの持込制限がキツく繰り返しプレイが難儀だったり、せっかく育てたモンスターを活躍させる機会が少なかったりといった細かい部分が気になってくる。~ ストーリーにひと区切りつくエンディングまでは制限が緩く、易しめの難易度と自由度の高いシステムとでバランスが取れているものの、いざやり込もうとしたときに何かと不満点が出てくる。これは「むしろクリア後からが本番」であることが多いジャンルの作品としては、それなりに無視できない問題点だろう。~ 本作はローグライクゲームであり、育成重視型RPGであり、DQのキャラゲーでもある。そういった様々な側面をまんべんなく押さえはしたが、様々なところに粗が多く、中途半端と評価されやすい作品である。結果論で言うなら、「不思議ダンジョンの正当進化」か「システム違いの『DQM』」か、どちらかに徹底するべきだったのかもしれない。

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