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*ミステリート ~アザーサイド・オブ・チャーチ~ 【みすてりーと あざーさいどおぶちゃーち】 |ジャンル|マルチザッピング推理ADV|&image2(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/516HEku15tL.jpg,width=150)| |対応機種|Windows 2000/XP/Vista|~| |発売・開発元|アーベルソフトウェア|~| |発売日|2009年1月23日|~| |定価|8,800円(税別)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |~|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |ポイント|パッケージに偽りなし|~| |>|>|CENTER:''[[探偵紳士シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 探偵紳士シリーズの第3作であり、ミステリートシリーズの外伝作品。~ 『[[ミステリート>ミステリート~不可逆世界の探偵紳士~]]』第2話の裏側で起きていたもう一つの事件を描いており、第2話に登場した百合原玲の通う朽ノ葉学園を舞台としている。~ その為、百合原玲の他、怪盗サファイア、米村など過去作に登場した人物がストーリーに関わってくる。 **特徴 -「探偵ハイパーリンク機能」・ザッピングシステム --文章中の単語にはマウスカーソルを合わせるとリンクが現れるものがあり、クリックするとTIPSが表示されるか、別のシナリオへとザッピングするシステム。 --搔い摘むと、Webページを閲覧する際にテキスト上のリンクから別ページに飛ぶのと同じことをADVでやる訳である。 ---本作はこのシステムを用いて視点を移っていく群像劇となっている。一応主人公は存在するが、ずっとその視点を追う訳ではない。 --一つ一つのシナリオは全体的に短く、リンクをクリックしないままそのシナリオの最後まで読んだ場合、そのシナリオ冒頭から再スタートとなる((一部のショートシナリオは読み終わるとリンク元に戻る。))。 -シナリオライターは本編と同じく菅野ひろゆき(妃路雪≠卿の名義で執筆)。原画はミステリート本編のCARNELIANに代わり、小説『ブギーポップは笑わない』や『[[ブレイヴフェンサー 武蔵伝]]』『[[怒首領蜂大復活>怒首領蜂大復活 Ver1.5]]』などのイラストを手掛けた緒方剛志が担当している。 **評価点 -シナリオ部分 --シナリオ自体は昨今の菅野作品の中でも特にミステリーとして評価が高い。 ---ザッピングシステムで様々な人間の思惑が描かれているが、一つの事件を多面的に上手く描けている。 ---また、事件の真相はプレイヤー自身が推理する必要がある。 --一部には伝奇要素も入るが、それも序盤から上手く説明も入っている為、事件の真相で唐突にファンタジー要素が出てきたといったような事もない。 ---主人公である日下部彰人には「三匹の獣を身に宿らせる事で、それに応じた能力と人格を得る」という特殊能力がある。これを駆使して事件を捜査していくのが本筋となる。 --原作である『ミステリート』のキャラの別側面が描かれていたり、『ミステリート』側の事件にニアピンする場面もあり、原作を知っているとなお楽しめる。 **賛否両論点 -緒方剛志のイラスト --絵柄自体は作品に合っているものの、やはり『ミステリート』と大きく変わる作風である為、違和感も強い。 --また、本作はメインキャラ以外の続投キャラは過去作のイラストを使い回している為、余計に違和感を強めている。 **問題点 ***「探偵ハイパーリンク機能」 本作の評価を大きく落としている一番の原因。 -まず、プレイ中リンクを見つけた場合の問題点。 --リンクをクリックすると一部を除いて元のシナリオには戻ってこれない。つまり''リンクが消えて以降の文章を読む事はできない''。 ---その為、リンクを見つけたらセーブを残しておくか、メモしておいて最後まで読み終わらせてまた最初からリンクの場所まで戻る必要がある。 --リンクは''バックログからはクリック不可能''。もしリンクを見つけてもミスクリックで話を進めてしまった場合、そのシナリオを最初からやり直さないといけない。 --公式ブログでも「シナリオへのリンクを見つけたらクイックセーブし、新シナリオ冒頭でセーブ」→「クイックロードで元シナリオに戻り、最後まで読んでからロードして新シナリオを始める」という方法を推奨している。「''ちょっと面倒臭いけれど''」と付け足した上で…。 -そして一番困るのが''リンクを見つけるのが大変''という事。 --はっきり言ってしまえば、本作のプレイ方法は''ひたすら文章に沿ってマウスを動かし続ける''というものになる。 ---この記事だけでも全文章にマウスを沿わせてみれば面倒さが分かると思うが、それをそれなりの文章量のADVでずっとやり続ける必要がある。苦痛以外の何物でもない。 ---これだけの事をしても、漢字一文字のリンク等もあるので、見のがしてしまう場合もある。 --後にイージーモードとしてリンクの色をピンクに変える機能を追加したパッチが配信されたが、結局下記の通りザッピングが複雑に絡んでいるので、それですらハードモードなゲームである。 -ザッピングシナリオもそれなりに複雑に絡んでいる --ただ単に一つのシナリオに一つしかリンクがないなんて事はなく、一つのシナリオに複数のリンクが存在する。 ---リンク先が少しだけの短いシナリオなら読み終われば帰ってくるだけだが、複数のリンク先でそれぞれ個別のリンク付きシナリオが展開されていく為、リンクを見つけづらい以前にシナリオをきちんとすべて読むのがまず大変。 ---そして前述の通り見逃しやすいリンクも存在するので、行き詰った場合に''単語を見のがしたのか、現在読んでいるシナリオが行き詰まりなのか''の判別がしづらい。 --また、あるシナリオでヒントを得ないと解けない謎も存在する為、それを見逃して詰まった場合は、ヒントのあるシナリオを求めてテキストの海を泳ぎ回る羽目になってしまう。 --本作はルート達成率100%で解禁されるシナリオも存在するので、シナリオを楽しむにはこのシステムに付き合って隅々まで探し回らないといけない。 -ちなみにテストプレイヤーは「''既読スキップを使って手早くテキパキとプレイしていた''」との事。…もっと一般的なプレイをする人を選んだ方がシステムの欠点に気付けたのではないだろうか? -この通り苦痛極まりなく評判の悪いシステムだが、開発陣は気に入っていたのか『[[ゾンビの同級生はプリンセス -不死人ディテクティブ-]]』でも再び採用される事になる。改善点は「リンク該当部の色が変わる」程度なので、結果は言うに及ばず。 ***その他の問題点 -今回もシナリオが未完 --『ミステリート』同様、事件自体は解決するものの、今回も「ミステリート2へ続く」で終わる。 -『ミステリート』をプレイしていないと分かりづらい個所がある --本作のみで完結するシナリオとはいえ、やはり合わせて楽しむように作られている為、どうしても本作だけでは一部のシナリオが分かりづらい。 -ボイスなし --相変わらずPC新作として出した際には声が付いてない。 ---現在のADVとしてはやはり寂しいものがある。 ---本作はCS移植等もされなかったので、結局声はつかないままとなった。 ---- **総評 菅野氏のシナリオ目当てでプレイしそのシナリオの出来で高評価を付けるプレイヤーもいれば、システム面のせいでまともに遊べないゲームとして低評価を付けるプレイヤーもいる。シナリオは良いがシステムが酷すぎるという良い所悪い所がはっきりした作品。~ 伝奇要素有ではあるがミステリーとしては良くできており、特に『ミステリート』ファンにはシナリオ面では是非お勧めしたい一作だが、システム面で非常におすすめしづらいのが困りもの。~ イージーモードを追加したパッチが配信されている事もあり、今では多少遊びやすくなっているが、それでも素直にお勧めは出来ないゲームである。~ ~ パッケージの「超難しいけど超面白い」はまさに本作を言い表した言葉と言えるが、せめてもう少し楽しめる難しさには出来なかったものか……。 ---- **余談 -アーベルソフトウェアは『探偵紳士シリーズ』等の謎解きが絡む物は直接的な攻略情報をネットに載せる事を禁止している。 --本作においては「犯人名等のネタバレ記載」「本ゲームの謎解きの解答ズバリ」「''ハイパーリンクシステムのテキスト該当部''」が対象。ネタバレや解答は分かるが、「ハイパーリンクシステムのテキスト該当部」の禁止は止めてもらいたかった所である。 -『ミステリート2』は菅野ひろゆき氏の死去でリリースは絶望視されていたが、『ミステリート』と書き溜めていた『2』のシナリオを合わせたリメイク『ミステリートF 探偵たちのカーテンコール』の開発が発表されている。 --本作に関わる部分も完結するかどうかは現状不明。 -現在ではダウンロード版も発売されているが、あろうことか''イージーモードのパッチは非対応''。こちらを購入した人は素直に攻略サイトからのヒントに頼る事をお勧めする。
*ミステリート ~アザーサイド・オブ・チャーチ~ 【みすてりーと あざーさいどおぶちゃーち】 |ジャンル|マルチザッピング推理ADV|&image2(https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/516HEku15tL.jpg,width=150)| |対応機種|Windows 2000/XP/Vista|~| |発売・開発元|アーベルソフトウェア|~| |発売日|2009年1月23日|~| |定価|8,800円(税別)|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |配信|2010年9月24日/3,909円|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |~|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~| |ポイント|パッケージに偽りなし|~| |>|>|CENTER:''[[探偵紳士シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 探偵紳士シリーズの第3作であり、ミステリートシリーズの外伝作品。~ 『[[ミステリート>ミステリート~不可逆世界の探偵紳士~]]』第2話の裏側で起きていたもう一つの事件を描いており、第2話に登場した百合原玲の通う朽ノ葉学園を舞台としている。~ その為、百合原玲の他、怪盗サファイア、米村など過去作に登場した人物がストーリーに関わってくる。 **特徴 -「探偵ハイパーリンク機能」・ザッピングシステム --文章中の単語にはマウスカーソルを合わせるとリンクが現れるものがあり、クリックするとTIPSが表示されるか、別のシナリオへとザッピングするシステム。 --搔い摘むと、Webページを閲覧する際にテキスト上のリンクから別ページに飛ぶのと同じことをADVでやる訳である。 ---本作はこのシステムを用いて視点を移っていく群像劇となっている。一応主人公は存在するが、ずっとその視点を追う訳ではない。 --一つ一つのシナリオは全体的に短く、リンクをクリックしないままそのシナリオの最後まで読んだ場合、そのシナリオ冒頭から再スタートとなる((一部のショートシナリオは読み終わるとリンク元に戻る。))。 -シナリオライターは本編と同じく菅野ひろゆき(妃路雪≠卿の名義で執筆)。原画はミステリート本編のCARNELIANに代わり、小説『ブギーポップは笑わない』や『[[ブレイヴフェンサー 武蔵伝]]』『[[怒首領蜂大復活>怒首領蜂大復活 Ver1.5]]』などのイラストを手掛けた緒方剛志が担当している。 **評価点 -シナリオ部分 --シナリオ自体は昨今の菅野作品の中でも特にミステリーとして評価が高い。 ---ザッピングシステムで様々な人間の思惑が描かれているが、一つの事件を多面的に上手く描けている。 ---また、事件の真相はプレイヤー自身が推理する必要がある。 --一部には伝奇要素も入るが、それも序盤から上手く説明も入っている為、事件の真相で唐突にファンタジー要素が出てきたといったような事もない。 ---主人公である日下部彰人には「三匹の獣を身に宿らせる事で、それに応じた能力と人格を得る」という特殊能力がある。これを駆使して事件を捜査していくのが本筋となる。 --原作である『ミステリート』のキャラの別側面が描かれていたり、『ミステリート』側の事件にニアピンする場面もあり、原作を知っているとなお楽しめる。 **賛否両論点 -緒方剛志のイラスト --絵柄自体は作品に合っているものの、やはり『ミステリート』と大きく変わる作風である為、違和感も強い。 --また、本作はメインキャラ以外の続投キャラは過去作のイラストを使い回している為、余計に違和感を強めている。 **問題点 ***「探偵ハイパーリンク機能」 本作の評価を大きく落としている一番の原因。 -まず、プレイ中リンクを見つけた場合の問題点。 --リンクをクリックすると一部を除いて元のシナリオには戻ってこれない。つまり''リンクが消えて以降の文章を読む事はできない''。 ---その為、リンクを見つけたらセーブを残しておくか、メモしておいて最後まで読み終わらせてまた最初からリンクの場所まで戻る必要がある。 --リンクは''バックログからはクリック不可能''。もしリンクを見つけてもミスクリックで話を進めてしまった場合、そのシナリオを最初からやり直さないといけない。 --公式ブログでも「シナリオへのリンクを見つけたらクイックセーブし、新シナリオ冒頭でセーブ」→「クイックロードで元シナリオに戻り、最後まで読んでからロードして新シナリオを始める」という方法を推奨している。「''ちょっと面倒臭いけれど''」と付け足した上で…。 -そして一番困るのが''リンクを見つけるのが大変''という事。 --はっきり言ってしまえば、本作のプレイ方法は''ひたすら文章に沿ってマウスを動かし続ける''というものになる。 ---この記事だけでも全文章にマウスを沿わせてみれば面倒さが分かると思うが、それをそれなりの文章量のADVでずっとやり続ける必要がある。苦痛以外の何物でもない。 ---これだけの事をしても、漢字一文字のリンク等もあるので、見のがしてしまう場合もある。 --後にイージーモードとしてリンクの色をピンクに変える機能を追加したパッチが配信されたが、結局下記の通りザッピングが複雑に絡んでいるので、それですらハードモードなゲームである。 -ザッピングシナリオもそれなりに複雑に絡んでいる --ただ単に一つのシナリオに一つしかリンクがないなんて事はなく、一つのシナリオに複数のリンクが存在する。 ---リンク先が少しだけの短いシナリオなら読み終われば帰ってくるだけだが、複数のリンク先でそれぞれ個別のリンク付きシナリオが展開されていく為、リンクを見つけづらい以前にシナリオをきちんとすべて読むのがまず大変。 ---そして前述の通り見逃しやすいリンクも存在するので、行き詰った場合に''単語を見のがしたのか、現在読んでいるシナリオが行き詰まりなのか''の判別がしづらい。 --また、あるシナリオでヒントを得ないと解けない謎も存在する為、それを見逃して詰まった場合は、ヒントのあるシナリオを求めてテキストの海を泳ぎ回る羽目になってしまう。 --本作はルート達成率100%で解禁されるシナリオも存在するので、シナリオを楽しむにはこのシステムに付き合って隅々まで探し回らないといけない。 -ちなみにテストプレイヤーは「''既読スキップを使って手早くテキパキとプレイしていた''」との事。…もっと一般的なプレイをする人を選んだ方がシステムの欠点に気付けたのではないだろうか? -この通り苦痛極まりなく評判の悪いシステムだが、開発陣は気に入っていたのか『[[ゾンビの同級生はプリンセス -不死人ディテクティブ-]]』でも再び採用される事になる。改善点は「リンク該当部の色が変わる」程度なので、結果は言うに及ばず。 ***その他の問題点 -今回もシナリオが未完 --『ミステリート』同様、事件自体は解決するものの、今回も「ミステリート2へ続く」で終わる。 -『ミステリート』をプレイしていないと分かりづらい個所がある --本作のみで完結するシナリオとはいえ、やはり合わせて楽しむように作られている為、どうしても本作だけでは一部のシナリオが分かりづらい。 -ボイスなし --相変わらずPC新作として出した際には声が付いてない。 ---現在のADVとしてはやはり寂しいものがある。 ---本作はCS移植等もされなかったので、結局声はつかないままとなった。 ---- **総評 菅野氏のシナリオ目当てでプレイしそのシナリオの出来で高評価を付けるプレイヤーもいれば、システム面のせいでまともに遊べないゲームとして低評価を付けるプレイヤーもいる。シナリオは良いがシステムが酷すぎるという良い所悪い所がはっきりした作品。~ 伝奇要素有ではあるがミステリーとしては良くできており、特に『ミステリート』ファンにはシナリオ面では是非お勧めしたい一作だが、システム面で非常におすすめしづらいのが困りもの。~ イージーモードを追加したパッチが配信されている事もあり、今では多少遊びやすくなっているが、それでも素直にお勧めは出来ないゲームである。~ ~ パッケージの「超難しいけど超面白い」はまさに本作を言い表した言葉と言えるが、せめてもう少し楽しめる難しさには出来なかったものか……。 ---- **余談 -アーベルソフトウェアは『探偵紳士シリーズ』等の謎解きが絡む物は直接的な攻略情報をネットに載せる事を禁止している。 --本作においては「犯人名等のネタバレ記載」「本ゲームの謎解きの解答ズバリ」「''ハイパーリンクシステムのテキスト該当部''」が対象。ネタバレや解答は分かるが、「ハイパーリンクシステムのテキスト該当部」の禁止は止めてもらいたかった所である。 -『ミステリート2』は菅野ひろゆき氏の死去でリリースは絶望視されていたが、『ミステリート』と書き溜めていた『2』のシナリオを合わせたリメイク『ミステリートF 探偵たちのカーテンコール』の開発が発表されている。 --本作に関わる部分も完結するかどうかは現状不明。 -現在ではダウンロード版も発売されているが、あろうことか''イージーモードのパッチは非対応''。こちらを購入した人は素直に攻略サイトからのヒントに頼る事をお勧めする。

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