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かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相 - (2016/02/20 (土) 23:47:43) の1つ前との変更点

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*かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相 【かまいたちのよる とりぷる みかづきじまじけんのしんそう】 |ジャンル|サウンドノベル|&amazon(B000E9PIMM)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|セガ|~| |開発元|チュンソフト|~| |発売日|2006年7月27日|~| |定価|6,090円|~| |判定|なし|~| |ポイント|前作の尻拭い&br前作までと比べて遊び応えが無い&br結末には救いあり|~| |>|>|CENTER:''[[チュンソフトサウンドノベルシリーズリンク>チュンソフトサウンドノベルシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー 50年に一度の「かまいたちの夜」に三日月島で起きた事件から、月日は流れた。~ その当事者である香山誠一は、一連の事件の中で殺害された妻・夏美が、三日月島の呪いに苦しんでいるという夢を見るようになる。~ そこで香山は、事件のちょうど1年後である8月15日に、事件の当事者たちを三日月島に招いて夏美の供養を行う事を決意した。 惨劇の夜の後、自分の暮らしに戻っていた矢島透、久保田俊夫、北野啓子らは、それぞれ複雑な思いを胸に、再び三日月島へと赴く。 **概要 人気サウンドノベル『[[かまいたちの夜]]』シリーズの第3作。 -シナリオ担当は我孫子武丸氏。前作『[[2>かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄]]』は、メインであるミステリーシナリオの方向性を前作と大きく変えた事で評価が揺れた。本作はその『2』のメインシナリオの後日談であり、前作で指摘された矛盾点をフォローするような描写が多い。また、初代系列の物語は本作が最終となる。 --ストーリーが直接つながっているため、前作までの流れを新規プレイヤーでも理解できるよう、本作には前2作のメインシナリオが同時収録されている。『3』ではない『×3(トリプル)』というタイトルはここからきている。 --再録シナリオは、一部のBGMやムービー、文章がオリジナル版から変更されている。なお、こちらにはサブシナリオに分岐する選択肢などは無し。 **特徴 -前々作・前作本編の同時収録 --それぞれ、『1』の「ミステリー編」を「ペンション“シュプール”編」、『2』の「わらべ唄篇」を「監獄島のわらべ唄編」、そして『3』本編を「三日月島事件の真相編」としてタイトルで選択する方式。 ---このためお得感があるが、本編以外への分岐はばっさり削除されているため不完全燃焼感もある。言わば「体験版」に近い。 ---更に『2』では本来本編に含まれていたはずのバッドエンドも一部削除されている。 --単に話を掴みやすくするための再録であるため、既に前2作をプレイ済みならば『3』からいきなり始めても問題は無い。 --なお、後発のケータイアプリ版では『1』『2』も同時配信されている関係上、これらの再録シナリオはカットされた。 -システム・構成 --本作の新規シナリオは大きく分けて、本編である「真相編」、本編を補足する「犯人編」、他とは独立したおまけシナリオ「番外編」の3つがある。 ---真相編は「主人公4人・シナリオ4本」で構成されている。また、会話に対する返答や推理などの局面では選択肢が現れ、それを選ぶ事で各シナリオに対し『街』のようなザッピングシステムによる干渉が発生する。 ---基本的には同じ状況下で同じ事件を見る形であり、キャラが変わってもシナリオ展開の大部分は同じ。 --『[[街]]』のPS移植版のようなタイムチャート機能があり、既読箇所は自由にジャンプできる。なお、主人公の切り替え(=シナリオのザッピング)もここで行える。 --『街』や『2』同様、間違った選択肢を選んでしまうと、真相を解明できずバッドエンドとなる。なお、「特定の主人公で正しい選択肢を選んでいる時のみ出現する選択肢」なども存在するため、状況に応じて主人公を切り替えながら進める必要がある。 --真相編は、最初は1人の主人公でしかプレイできず、シナリオを進める事で他の主人公もプレイできるようになるのだが、バッドエンドを回収する為には4人ともプレイ可能にした上で最初の方に戻って選択肢を選び直さねばならず、二度手間三度手間になってしまう。 --『1』『2』のシナリオは、フローチャートが削られており、シナリオの全体像が把握しづらくなっている。 ---またオートセーブをオフにした場合、セーブするたびにタイトル画面に戻されてしまうため、煩わしくなった。 -シナリオ --前2作品とは異なり、本作のストーリーは「過去に本当に殺人事件が起こった」事を下敷きに進む。それもあって、登場人物たちの関係は互いにぎこちなく、険悪なムードを漂わせる事も多い。 ---バッドエンディングに直行するルートを迎えると各主人公の間の関係がどんどんドロドロになっていく。その理由はクリアルートで解明されるものの、本作においてもっとも「恐怖」を感じさせるのはここかもしれない。 //---まさに本当の恐怖とは人間関係だと言わんばかり。一種のバロメータとも言えなくはないのだが。 --おまけシナリオの内容の方は、いつも通りギャグ色の強いピンクのしおりのシナリオである。 **評価 -『3』自体のシナリオ --前述の通り穏やかならざる雰囲気の中で話が進むためか、万人向けの文章とはいいがたい。4人いる主人公の中には少々アクの強いキャラクター性を持つ人物もいて、人によっては強い不快感を覚える事もある。 --過去作と比べた時、『3』自体は本編・サブシナリオともボリュームが少ない。総合的には大ボリュームの『×3』とはいえ、ここは不満が出やすいところである。 #region(シナリオの評価(軽度のネタバレを含む)) -本作の大半を占める真相編だが、主人公全員が同じ場に居合わせている中での話であるためか、各人の心情描写などを除き、文章の露骨な使い回しが多い。また1人がバッドエンドを迎えるとたいてい他の3人も似通った内容のバッドエンドで共倒れとなり、バリエーションに乏しく感じられる。 --これらの点から、「複数主人公制を採っている必要性が薄い」「エンディングの水増しがひどい」と評価される事が多い。 --ただし、物語展開は初代『かまいたちの夜』を彷彿とさせる、「犯人を突き止めて惨劇を食い止める」タイプのものに回帰した。 ---トリックについても後述するようなややご都合主義的な展開も一部あるが、大胆ながらも練られたものであり、前回のような偶然任せの要素は改善されている。犯人指名も名前だけでなくトリックについても入力形式になるなど工夫されている。 --また、ゲーム最終盤に見る事になる「犯人編」ではこの複数視点の死角をついたトリックが使われ、それまでの流れを一部逆手に取った展開を見せる。 ---こちらについてはややご都合主義の要素も強いが、内容はまさかというもので意識を引き込まれる展開となる。 -真相編は内容・選択肢フラグともミステリー仕立てとなっているが、ストーリーを進めた先で始まる「本作の真の主人公」とも言える人物のシナリオは、オカルト色(とギャグ色)が非常に強い。 --過去作品のメインシナリオはオカルト要素を前提とする物語ではなかった(サブシナリオにはしばしばあった)ため、ある意味『1』→『2』における変化よりも大きいと言える。また、番外編に近いノリである事も批判されやすい。 //--前作で死んだ人物の霊が、別の人物の霊を「話してみたらそう悪い人でもない」「(前作での悪い振る舞いは)この館に入ったことで呪いを受けたせい」と評する。''「その相手と一時期同棲していた」「質の悪いヒモだった」という設定はどこへ行ったのだろうか''?しかも同棲していたのは館に来るよりずっと前だから、呪いは無関係のはずだが。 //↑人物としての悪い点は過去を利用して脅迫した点について、なので館に訪れて呪いの影響を受けた故の行動とも解釈できる。 --しかし、何はともあれ我孫子氏が自ら執筆して前作の物語に決着をつけ、シリーズはきちんと完結した。本作で金のしおりを獲得した際のエピローグで描かれる「登場人物たちのその後」の雰囲気が明るい事も、1つの救いである。 #endregion #region(前作の矛盾点とそのフォローについて) -「食事時の遺影はどこに消えたのか」などについて、一応の解決が見られている。もっとも、前作では描かれていなかった隠し部屋が登場するなど、新たな問題も生まれた。 --「そこにあるのに気付かなかった」の一言で片付けられているものもある。前作では犯人探しの為に館内をくまなく調べていたはずなのだが…。今作でも殺人が起こった際に館内を捜査しているのだが、捜査の際は気づかず、後半になって存在に気がつくというご都合的な展開になる。 --「警察が(劇中の)チュンソフトに我孫子について尋ねたらおしまいだ」という根本的な指摘についてはフォローなし。どうしようもなかったのかもしれない。 //このあたりの細かいところはちょっとうろ覚えなので、クソゲーwiki時代の原文ほぼママです。 #endregion -グラフィック・BGM --『2』がベースであり、ほぼ据え置きの高品質を保っている。『1』のシナリオプレイ時において本作の高画質を実感できる。 ---もっとも、『2』からあまり代わり映えがしないとも言う。 ---ただし高画質になったとは言え、『1』でのグラフィック表現自体はPS版ぐらいのままで、影は原作同様の単色であり動きも少ない。 --BGMもほとんど『2』の使いまわしである。だが、新たに追加されたキャラクターの固有BGMは人物や雰囲気に合っていて好評。 ---俊夫のBGMは哀愁と情熱の感じさせるもので推理時に流れる際には鳥肌が立つ程に印象的。一方であるキャラのBGMは演出も相まって狂気としか言いようのない印象を与える。 --新規のお色気シナリオの登場キャラはアニメ風のグラフィックなのだが、色がベタ塗りで立体感が無く、滲んだ絵の具の様な彩色になっている。 **総評・余談 サブタイトルを見ればわかるとおり、前作『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』のフォローが主体のソフト。そこにプラスαとして「我孫子武丸氏執筆の新作ミステリー」を組み合わせて1つの作品に仕上げたが、単体の作品としてはちぐはぐな内容となってしまった。~ まっさきに批判されるのは、本編のボリュームの少なさ。また、複数主人公によるシナリオ演出は、トリックのアイデア自体は面白くとも展開の都合上中だるみを避けられないため、手放しに評価はできない。 しかし、賛否の割れていた前作の物語は、本作の内容をもって無事完結を迎える。登場人物たちのその後はハッピーエンドとなり、「ご想像にお任せします」で突き放される事も、不幸な結末を迎えたままシリーズが終焉してしまう事もなかった。~ 初代『かまいたちの夜』の物語を架空のものとしてしまった前作は、その存在自体が非難の対象となった面もある。とはいえ、前作にどのような感想を抱いたにせよ、シリーズのラストを締める本作のエピローグを見届ける価値はあるだろう。『2』を許せなかった初代のファンも多少は溜飲が下がると思われる。 -『2』→『×3』の流れをくむ物語は本作で完結したのだが、2011年にPS3とPS Vitaで『[[真かまいたちの夜 11人目の訪問者]]』が出ている。そちらは登場人物と舞台を一新し、『1』を意識したような原点回帰を目指した内容となっているのだが……
*かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相 【かまいたちのよる とりぷる みかづきじまじけんのしんそう】 |ジャンル|サウンドノベル|&amazon(B000E9PIMM)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売元|セガ|~| |開発元|チュンソフト|~| |発売日|2006年7月27日|~| |定価|6,090円|~| |判定|なし|~| |ポイント|前作の尻拭い&br前作までと比べて遊び応えが無い&br結末には救いあり|~| |>|>|CENTER:''[[チュンソフトサウンドノベルシリーズリンク>チュンソフトサウンドノベルシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー 50年に一度の「かまいたちの夜」に三日月島で起きた事件から、月日は流れた。~ その当事者である香山誠一は、一連の事件の中で殺害された妻・夏美が、三日月島の呪いに苦しんでいるという夢を見るようになる。~ そこで香山は、事件のちょうど1年後である8月15日に、事件の当事者たちを三日月島に招いて夏美の供養を行う事を決意した。 惨劇の夜の後、自分の暮らしに戻っていた矢島透、久保田俊夫、北野啓子らは、それぞれ複雑な思いを胸に、再び三日月島へと赴く。 **概要 人気サウンドノベル『[[かまいたちの夜]]』シリーズの第3作。 -シナリオ担当は我孫子武丸氏。前作『[[2>かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄]]』は、メインであるミステリーシナリオの方向性を前作と大きく変えた事で評価が揺れた。本作はその『2』のメインシナリオの後日談であり、前作で指摘された矛盾点をフォローするような描写が多い。また、初代系列の物語は本作が最終となる。 --ストーリーが直接つながっているため、前作までの流れを新規プレイヤーでも理解できるよう、本作には前2作のメインシナリオが同時収録されている。『3』ではない『×3(トリプル)』というタイトルはここからきている。 --再録シナリオは、一部のBGMやムービー、文章がオリジナル版から変更されている。なお、こちらにはサブシナリオに分岐する選択肢などは無し。 **特徴 -前々作・前作本編の同時収録 --それぞれ、『1』の「ミステリー編」を「ペンション“シュプール”編」、『2』の「わらべ唄篇」を「監獄島のわらべ唄編」、そして『3』本編を「三日月島事件の真相編」としてタイトルで選択する方式。 ---このためお得感があるが、本編以外への分岐はばっさり削除されているため不完全燃焼感もある。言わば「体験版」に近い。 ---更に『2』では本来本編に含まれていたはずのバッドエンドも一部削除されている。 --単に話を掴みやすくするための再録であるため、既に前2作をプレイ済みならば『3』からいきなり始めても問題は無い。 --なお、後発のケータイアプリ版では『1』『2』も同時配信されている関係上、これらの再録シナリオはカットされた。 -システム・構成 --本作の新規シナリオは大きく分けて、本編である「真相編」、本編を補足する「犯人編」、他とは独立したおまけシナリオ「番外編」の3つがある。 ---真相編は「主人公4人・シナリオ4本」で構成されている。また、会話に対する返答や推理などの局面では選択肢が現れ、それを選ぶ事で各シナリオに対し『街』のようなザッピングシステムによる干渉が発生する。 ---基本的には同じ状況下で同じ事件を見る形であり、キャラが変わってもシナリオ展開の大部分は同じ。 --『[[街]]』のPS移植版のようなタイムチャート機能があり、既読箇所は自由にジャンプできる。なお、主人公の切り替え(=シナリオのザッピング)もここで行える。 --『街』や『2』同様、間違った選択肢を選んでしまうと、真相を解明できずバッドエンドとなる。なお、「特定の主人公で正しい選択肢を選んでいる時のみ出現する選択肢」なども存在するため、状況に応じて主人公を切り替えながら進める必要がある。 --真相編は、最初は1人の主人公でしかプレイできず、シナリオを進める事で他の主人公もプレイできるようになるのだが、バッドエンドを回収する為には4人ともプレイ可能にした上で最初の方に戻って選択肢を選び直さねばならず、二度手間三度手間になってしまう。 --『1』『2』のシナリオは、フローチャートが削られており、シナリオの全体像が把握しづらくなっている。 ---またオートセーブをオフにした場合、セーブするたびにタイトル画面に戻されてしまうため、煩わしくなった。 -シナリオ --前2作品とは異なり、本作のストーリーは「過去に本当に殺人事件が起こった」事を下敷きに進む。それもあって、登場人物たちの関係は互いにぎこちなく、険悪なムードを漂わせる事も多い。 ---バッドエンディングに直行するルートを迎えると各主人公の間の関係がどんどんドロドロになっていく。その理由はクリアルートで解明されるものの、本作においてもっとも「恐怖」を感じさせるのはここかもしれない。 //---まさに本当の恐怖とは人間関係だと言わんばかり。一種のバロメータとも言えなくはないのだが。 --おまけシナリオの内容の方は、いつも通りギャグ色の強いピンクのしおりのシナリオである。 **評価 -『3』自体のシナリオ --前述の通り穏やかならざる雰囲気の中で話が進むためか、万人向けの文章とはいいがたい。4人いる主人公の中には少々アクの強いキャラクター性を持つ人物もいて、人によっては強い不快感を覚える事もある。 --過去作と比べた時、『3』自体は本編・サブシナリオともボリュームが少ない。総合的には大ボリュームの『×3』とはいえ、ここは不満が出やすいところである。 #region(シナリオの評価(軽度のネタバレを含む)) -本作の大半を占める真相編だが、主人公全員が同じ場に居合わせている中での話であるためか、各人の心情描写などを除き、文章の露骨な使い回しが多い。また1人がバッドエンドを迎えるとたいてい他の3人も似通った内容のバッドエンドで共倒れとなり、バリエーションに乏しく感じられる。 --これらの点から、「複数主人公制を採っている必要性が薄い」「エンディングの水増しがひどい」と評価される事が多い。 --ただし、物語展開は初代『かまいたちの夜』を彷彿とさせる、「犯人を突き止めて惨劇を食い止める」タイプのものに回帰した。 ---トリックについても後述するようなややご都合主義的な展開も一部あるが、大胆ながらも練られたものであり、前回のような偶然任せの要素は改善されている。犯人指名も名前だけでなくトリックについても入力形式になるなど工夫されている。 --また、ゲーム最終盤に見る事になる「犯人編」ではこの複数視点の死角をついたトリックが使われ、それまでの流れを一部逆手に取った展開を見せる。 ---こちらについてはややご都合主義の要素も強いが、内容はまさかというもので意識を引き込まれる展開となる。 -真相編は内容・選択肢フラグともミステリー仕立てとなっているが、ストーリーを進めた先で始まる「本作の真の主人公」とも言える人物のシナリオは、オカルト色(とギャグ色)が非常に強い。 --過去作品のメインシナリオはオカルト要素を前提とする物語ではなかった(サブシナリオにはしばしばあった)ため、ある意味『1』→『2』における変化よりも大きいと言える。また、番外編に近いノリである事も批判されやすい。 --前作で死んだ人物の霊が、別の人物の霊を「話してみたらそう悪い人でもない」「(前作での悪い振る舞いは)この館に入ったことで呪いを受けたせい」と評する。''「その相手と一時期同棲していた」「質の悪いヒモだった」という設定はどこへ行ったのだろうか''?しかも同棲していたのは館に来るよりずっと前だから、呪いは無関係のはずだが。 //↑人物としての悪い点は過去を利用して脅迫した点について、なので館に訪れて呪いの影響を受けた故の行動とも解釈 できる。 //↑できません。前作で夏美が「やっとあんたから逃げ出せたんや」と言ってたから、元々ろくでもない男だったのは明白。 --しかし、何はともあれ我孫子氏が自ら執筆して前作の物語に決着をつけ、シリーズはきちんと完結した。本作で金のしおりを獲得した際のエピローグで描かれる「登場人物たちのその後」の雰囲気が明るい事も、1つの救いである。 #endregion #region(前作の矛盾点とそのフォローについて) -「食事時の遺影はどこに消えたのか」などについて、一応の解決が見られている。もっとも、前作では描かれていなかった隠し部屋が登場するなど、新たな問題も生まれた。 --「そこにあるのに気付かなかった」の一言で片付けられているものもある。前作では犯人探しの為に館内をくまなく調べていたはずなのだが…。今作でも殺人が起こった際に館内を捜査しているのだが、捜査の際は気づかず、後半になって存在に気がつくというご都合的な展開になる。 --「警察が(劇中の)チュンソフトに我孫子について尋ねたらおしまいだ」という根本的な指摘についてはフォローなし。どうしようもなかったのかもしれない。 //このあたりの細かいところはちょっとうろ覚えなので、クソゲーwiki時代の原文ほぼママです。 #endregion -グラフィック・BGM --『2』がベースであり、ほぼ据え置きの高品質を保っている。『1』のシナリオプレイ時において本作の高画質を実感できる。 ---もっとも、『2』からあまり代わり映えがしないとも言う。 ---ただし高画質になったとは言え、『1』でのグラフィック表現自体はPS版ぐらいのままで、影は原作同様の単色であり動きも少ない。 --BGMもほとんど『2』の使いまわしである。だが、新たに追加されたキャラクターの固有BGMは人物や雰囲気に合っていて好評。 ---俊夫のBGMは哀愁と情熱の感じさせるもので推理時に流れる際には鳥肌が立つ程に印象的。一方であるキャラのBGMは演出も相まって狂気としか言いようのない印象を与える。 --新規のお色気シナリオの登場キャラはアニメ風のグラフィックなのだが、色がベタ塗りで立体感が無く、滲んだ絵の具の様な彩色になっている。 **総評・余談 サブタイトルを見ればわかるとおり、前作『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』のフォローが主体のソフト。そこにプラスαとして「我孫子武丸氏執筆の新作ミステリー」を組み合わせて1つの作品に仕上げたが、単体の作品としてはちぐはぐな内容となってしまった。~ まっさきに批判されるのは、本編のボリュームの少なさ。また、複数主人公によるシナリオ演出は、トリックのアイデア自体は面白くとも展開の都合上中だるみを避けられないため、手放しに評価はできない。 しかし、賛否の割れていた前作の物語は、本作の内容をもって無事完結を迎える。登場人物たちのその後はハッピーエンドとなり、「ご想像にお任せします」で突き放される事も、不幸な結末を迎えたままシリーズが終焉してしまう事もなかった。~ 初代『かまいたちの夜』の物語を架空のものとしてしまった前作は、その存在自体が非難の対象となった面もある。とはいえ、前作にどのような感想を抱いたにせよ、シリーズのラストを締める本作のエピローグを見届ける価値はあるだろう。『2』を許せなかった初代のファンも多少は溜飲が下がると思われる。 -『2』→『×3』の流れをくむ物語は本作で完結したのだが、2011年にPS3とPS Vitaで『[[真かまいたちの夜 11人目の訪問者]]』が出ている。そちらは登場人物と舞台を一新し、『1』を意識したような原点回帰を目指した内容となっているのだが……

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