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*パネルでポンDS 【ぱねるでぽん でぃーえす】 |ジャンル|アクションパズルゲーム|&amazon(B000NOLWDC)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|2007年4月26日|~| |定価|3800円(税込)|~| //|分類|&bold(){ガッカリゲー判定・劣化移植判定}&br()※一覧では前者|~| //↑妖精キャラがいない=ガッカリってのはまだわかるが、劣化移植判定はどう考えてもありえない |ポイント|またしてもノンキャラクター・シンプル路線継続&br()事実上機能していないWi-Fiランキング&br;ストーリーモードこそ無いがモードは豊富&br;キャラ&ストーリーを全く求めないなら良作の部類|~| |>|>|CENTER:''[[パネルでポンシリーズリンク>パネルでポンシリーズ]]''| **概要 -1995年発売のSFC版からコアなファンが付いているアクションパズルゲーム「パネルでポン」のDS版新作。日本国内の市販作ではシリーズ6作目。 -前作の『[[ドクターマリオ&パネルでポン]]』から引き続きノンキャラクター路線を継続。当時の爆発的なDS普及の時流に乗り、無名の成人女性がプレイする様子をCMや紹介映像として公開するなど、非ゲーマー層へ対しTouch! Generationsシリーズに倣った広告展開、徹底的なシンプル・スタイリッシュ路線を取った。ただし本作は同シリーズのソフトではない。 --発売当時は『テトリスDS』、『ピクロスDS』、『[[もじぴったんDS]]』と共同のDSパズル店頭広告ポップが掲示されていた。他はTouch! Generationsのソフトなのに、なぜ…? **特徴 -タッチパネルによる操作を導入。 --動かしたいパネルをタッチペンで触り左右に動かすだけの簡単操作。 --当然従来どおりのボタンによる操作や、画面の縦表示・横表示の切り替えも可能。 -難易度、特にゲームスピードが大幅に引き下げられた。 --設定をビギナーにするとパネルの落下速度等ゲームスピードが遅くなる。 --さらに連鎖判定もゆるくなっており、落下してくる空中のパネルを入れ替えて連鎖とする、従来作ではありえなかったテクニックが本作で使えるようになっている。ただし当然ながら全くの初心者が容易にできる芸当ではなく相当の腕前が必要となる。 --対戦においてさまざまな効果を起こすアイテムパネルの導入。もちろん設定でアイテムの使用の有無を任意で選ぶことが可能。 -新たに追加されたゲームモードや要素は以下の通り。 --2分間でハイスコアを目指すモードのルールによる細分化。 ---せり上げた段をスコアとする『セリアゲアタック』、おじゃまパネルを解凍した数をスコアとする『オジャマアタック』が追加され、従来のスコアアタックともにタイムアタックとして統合された。 --継続的なプレイを目的としたマイニチプレイ。これは1日1回のみチャレンジできるタイムアタックモードで、ハイスコアの推移が折れ線グラフで表示される。 --パズルモードにも、従来の『パズル1』『パズル2』に加え、新たに『アクティブパズル』『ミッション』が追加されている。 ---『アクティブパズル』:アクティブ連鎖を起こしてパネルを全て消すモード。他のパズルと同じく、パネルは各問毎にそれぞれ用意されている。手数の制限は無いが、ヒントボタンも使用不可。途中で連鎖がとぎれるとゲームオーバー。コース1からコース6まで全60問ある。 ---『ミッション』:10問連続で出される課題にチャレンジしていくモード。他のパズルと同じく、パネルは各課題1問毎にそれぞれ用意されている。出された課題に失敗するとゲームオーバー。コース1からコース6まで全60問ある。 --Wi-Fiコネクションによるネット通信対戦。SFC版でも他社ライセンス品のモデムXBANDで有料マッチング対戦サービスが行われていたが、任天堂自ら実施したのはこれが初。 --スコアアタックのムービー保存機能が付いている。他プレーヤーとの送受信も可能。 -VSCOMモードで勝ち数(WIN)と負け数(LOSE)が記録されるようになった。GBA版と違い、こちらは記録としてセーブされる。 --勝敗数はオジャマVS、スコアアタックVS、ステージクリアVSの3つそれぞれで別々に記録される。 --VSCOM対戦時の難易度はレベル(ビギナー・ノーマル・ハード)の3種類とステージ(1から10)の10段階に分かれる形になった。『ステージ1をクリアする→難易度ステージ2に進む(COMが少し強くなる)』という形になり、''勝利するたびにステージが進み、COMが少しずつ強くなっていく''仕様になった。 --また、''試合終了後に『モウイチド』を選べば、同じ強さのCOMと連戦する事も可能になっている''。 ---ただし、''どのモード・どのレベルでもステージ10をクリアすると強制的にエンディング(スタッフクレジット)に突入してしまう''ため、''ステージ10のCOMとのみは続けて連戦する事が不可能になっている''。 -演出はGBA版のようなどっち付かずのものから、完全なスタイリッシュ路線に転換。 --ゲーム開始前の設定で背景を無機質な数種のスキンの中から選ぶ、ゲームモードの表記をすべてカタカナにするなど。 **評価点 -タッチパネルによる操作は未経験者へ配慮するとともにシリーズファンにとっても新鮮なものであり、順当な進化といえる。 --また、タッチペン操作や縦画面が苦手もしくは嫌いといった人間でも、従来どおりのボタンによる操作や、オプションで画面の縦表示・横表示の切り替えも可能と、従来通り遊ぶことができるように配慮されている。 -Wi-Fiコネクションによるネットワーク通信対戦は身近な対戦相手の不在にあえぐプレイヤーにとっては待ち望んでいた機能だった。 -GBA版と異なり、''DSカード1枚で最大4人まで多人数対戦ができる''。 --GC版にあったおじゃまパネルのややこしい落下法則を廃止し、他プレイヤー全員に同量降るよう改善された。 -パネルの柄を複数用意。従来の★や▲などの図形の他、ナット状の6角形など全7種類から好みの物を選ぶ。 --また、『オマカセ』を選んでパネルのデザインを全7種類の中からランダムで選ぶ事も可能になっている。 -スキンごと個別に用意されたBGMの評価は良好。 --背景(イメージ)は全部で11種類から選択可能。ただしこちらは『ランダム』が無い他、VSCOM等の一部ゲームモードでは選択不可能。 -エンドレスモード、ステージクリア、COMとの対戦、パズル等、ゲームモードが豊富にあり、1人でもそこそこ楽しめるようになっている。VSCOMは同じ強さのCOMと連戦する事も可能になった(試合終了後に『モウイチド』を選べば再戦可能。ただしステージ10を除く)。 --必要性はともかくとして、1日1回のみチャレンジできるマイニチプレイや、同じ誕生日同士によるWi-Fi対戦といったモードまでもある。 -GBA版程では無いが、オプションで設定をある程度好きなように変更可能。 --『モチカタ』で上述の画面表示を縦・横に切り替え可能な他、右利き・左利きの設定も可能となっている。 --『ゲームセッテイ』でフィールド画面の明るさを『アカルイ・クライ・フツウ』の3段階から選べたり(デフォルトは『クライ』)、連鎖ヒントの表示や爆発せり上げの有無も設定可能。 --『サウンドセッテイ』でピンチの時の警告音を3種類or無しの4つから選んだり、ゲーム中のサウンドの種類をステレオ・ヘッドホン・サラウンドの3種類から選べる他、サウンドテストでメニューやスキン等のゲーム内で使われている音楽を聴く事が可能。 --ちなみに表示の関係かサウンドテスト内の曲は『ミュージックA』『ミュージックB』に分かれている。 -『アソビカタ』メニューから遊び方を学ぶ事が可能な他、『トレーニング』で実際に練習する事も可能。DSの2画面を活かして、片方の画面でお手本プレイを表示しながら、もう一方の画面で実際に操作して練習する事が可能。 --表示されるお手本のデモ画面は、表示されたボタンをタッチする事で一時停止や倍速も可能になっている(ボタンのみの操作では不可能)。 --Xボタンor表示されたボタンをタッチする事で消したパネルを元の状態に戻して練習をやり直す事も可能。 --一部条件を満たせばさらに『ハードトレーニング』と『スーパーデモ』が追加される。こちらもDSの2画面を活かして、片方の画面でお手本プレイを表示しながら、もう一方の画面で実際に操作して練習する事や、お手本プレイ画面の一時停止・倍速も可能。 -また、過去作シリーズファンには不評な今作のノンキャラクター路線も、キャラクター付のSFC版やGC版等を遊ぶのに少し抵抗があるという人間の場合には評価点とも言える。 **賛否両論点 -スタイリッシュ路線は従来作の路線になじんでいた一部の古参ファンにとっては&bold(){「オサレ」とも取れる表現}であり、強い反感を買った。ただし「キャラクターがいなくてやや寂しいが、ゲームは特に問題無く遊べる」という人や、みしろ「過去作の妖精キャラがなんか恥ずかしくてやりたくてもできなかった」という人や、「パズルゲームにストーリーとかキャラとか不要だろ」という人もいるため、正直この辺はプレイヤーの好みの問題だと思われる。 --従来のキャラクターや派手な効果音・ボイスなどの演出、ストーリーモードもなく、質素すぎる内容。 //--連鎖音はアクティブ連鎖の楽しさの一つであり、爽快感や達成感が全くない。 //↑連鎖数に応じて流れるファンファーレのようなBGMは今作にもある --ただし、多く連鎖した際に連鎖数に応じて流れるファンファーレのようなBGMは今作にもある(従来のものをアレンジしたものが流れる)。パネルを消す際の効果音も連鎖数が多いと変化する。 --過去作と違い、BGMはピンチになっても切り替わらない。ただしBGMに被せてサイレンは鳴り続けるため、いちおう緊張感はある。もちろん設定でサイレンなしにする事も可能。 --また、ストーリーモードは無いものの、VSCOMモードが「勝利するたびにステージが1つずつ進み(ステージ10まで)、COMが少しずつ強くなっていく」という仕様になったため、ステージ1から対戦を始めればいちおうストーリモード''風''な感じで遊ぶことが可能。ステージ10をクリアすればエンディングも流れる(スタッフロールのみだが)。 --パネポン生みの親の山上プロデューサーの手により前年に発売された『テトリスDS』はファミコン時代の任天堂キャラクターを集結させにぎやかに仕上げられていたため、新作パネポンで何らかのキャラクター復活を期待していた一部のファンは、あまりにシンプルすぎる本作に肩透かしを食らわされる格好になった。 --スキンも、ゲームの背景としては不釣合いなほどよく動きまくる。 ---VS.COMやパズル、ステージクリアではステージごとに背景固定。VS.COMのステージ10はくるくる回転したり展開するキューブが複数、背景色も紺・白・黒と色とりどりに変化、細い縦線・横線も交差するという&bold(){目に痛い}もの。 ---ただし、実はパネルを動かす事に集中していると、背景の動きまで気が回らず意外と気にならなかったりする。 --また、各種パズルモードとステージクリアモードではパネルのデザインまでもステージ毎に固定式になっており変更不可能。 -条件を満たすと開放されるSFC版「花の妖精リップ」のスキン。 --グラフィックやBGMはオリジナルに準拠しておりSFC版の支持者の一部を喜ばせたが、連鎖・同時消し時に発せられるボイスはまるで風邪を引いたような声質となっている。 --扱いも単にスキンの一種であり、それ以上でもそれ未満でもない。また、スキンを自由に選べないモードでは当然選択不可能。 --全てのゲームモードでスタッフロールを見ることが条件とされているようだが、''メッセージや説明などもなくいつの間にか追加される''ので、はっきりした条件は不明。 --また、妖精のスキンはあるのに、同じく過去のパネポン作品に登場したヨッシーやポケモンのスキンが無いのも人によっては残念なポイントか。 -アイテムパネルはWi-Fiのフリー対戦では''常に使用不可''。 --マッチングの細分化を防ぐためなのだろうが、せっかくの逆転要素なのにフリー対戦では使えないというのはどうなのだろうか。 -GBA版と違い、各種パズルモード全てでクリアタイムが一切記録されなくなった。もっともこれは、せっかくのパズルモードなのに、クリアタイムを計測されるせいで自分のペースでじっくり考えて解けないという人へ配慮したという可能性が考えられる。 -''隠し要素追加時にメッセージが何も表示されないため分かり辛い''。説明書や公式サイト内で『パズル1』を1度クリアすると解禁と説明のある『パズル2』はもちろん、妖精のスキンや『ハードトレーニング』『スーパーデモ』等の隠し要素も全くメッセージも無く追加される。 --妖精のスキン追加と『ハードトレーニング』『スーパーデモ』の追加は共に同じ条件らしいが、やはりはっきりした条件は不明。 -『エンドレス』と『オジャマチャレンジ』のHI-SCOREが6桁までしかなく、最高でも999,999点までしかないのは一部の上級者プレイヤーには不満点になり得るか。 -GBA版と同様、今作でもCOMプレイヤーがやたら強い。こちらは一部の上級者プレイヤーには評価点になると言えるか。 -なぜかサウンドテスト内の曲の中にはタイトル画面で流れる曲が無かったりする。聴きたい場合にはいちいちタイトル画面に戻る必要がある。もっとも、タイトル画面で待機していればいつでも聴く事ができるので、そこまで問題は無いが。 -横画面表示に設定しても、タイトル画面のみは縦画面表示のまま。あくまでタイトル画面のみが縦画面表示固定なだけで、メニューに入れば設定した表示方に合わせて普通に表示されるため、横画面表示設定の場合に少々違和感がある程度で実害は全く無い。 **問題点 -VSCOMはステージ1から9までのCOMと試合終了後に『モウイチド』を選ぶことで連戦が可能になっているが、ステージ10のCOMとのみはプレイヤー側が勝利した場合に連戦する事ができない。どのモード・どのレベルでもステージ10をクリアすると強制的にエンディング(スタッフクレジット)に突入してしまうため。 --ただし、ステージ10のCOMであっても、プレイヤー側が負けた場合には再戦可能。 -ゲームスピードは最高難易度のハードでも従来のイージー相当。バリバリ鳴らしていた人からすればかなり手ぬるいものだろう。 --タッチペン操作に合わせた変更と言われることもあるが、それにしても3段階で一番上がこれでは…。 -オプションはシステム面を評価されたGBA版ほど突っ込んだ設定はできない。 -GBA版と違い、各モードのハイスコア等を一括で確認する事が不可能になった。マイデータのレコードはワイヤレス対戦やWi-Fi対戦の成績が記録されるのみで、その他の記録に関しては各モードそれぞれを選択した際に確認するしかない。 --また、GBA版にあった最大連鎖数や同時消し数等の一部の記録の項目は今作では無くなってしまった。 -Wi-Fi待機中、ごくまれにフリーズすることがある。ただし試合中には一切発生しないのが救い。 -意図不明なWi-Fiランキングの仕様。 --全参加プレイヤーのランキングはなく、本体に登録された誕生日別に上位3位と自分の順位のみ閲覧できる。 --そもそも常駐プレイヤーが少ないので、ひどいと常に自分1人だけ1位に居座っている状態となり全く目安にならない。 --このためわざと絶対数が少ない2月29日に設定し、仲間内でランキング機能を使うという者もいた。本当に2月29日生まれの人には迷惑だが。 -メニュー画面が選択しにくい。 --ゲームモード名などが円形にループするよう配置されており、タッチをすると中央へメニューが移動するため、タッチペンでは2度押しをする必要が多々ある。 **総評 -良くも悪くもプレイヤーがキャラ&ストーリーを求めているかどうかで評価が分かれやすくなってはいるが、''モード自体は豊富かつオプション面の配慮は優秀で、単純にパズルゲームとして見た場合には良質な出来となっている作品であると言える''。 --何にせよ、''ただ単にキャラが全くいないという理由だけで手抜きゲー呼ばわりするのはさすがにおかしいという事だけは確かである''。 -新規プレイヤーにとってはタッチ操作との相性のよさ、ゲームスピード低下と連鎖判定のユルさにより入りやすくなったと思われる。パネルでポン入門用としては特に問題はないだろう。じっくり考えてやりたいという人にもパズルモードが用意されている。 --ノンキャラクター路線故に「キャラクター付のSFC版やGC版等を遊ぶのはちょっと…」という人間や、同じくノンキャラクター路線であったGBA版が初プレイの人間でも入り易くなっている。逆にさすがにちょっと寂しすぎる感じもあったりはするが…。 -シリーズファンや上級者の場合には2分間のスコアアタック3種、VSCOM3種、Wi-Fi対戦等がメインとなるか。しかしWi-Fi対戦に関してはプレイ人口の問題等もありマッチングもランキングもアバウト気味。さらにWi-Fiコネクションサービスの終了で現在では利用不可能。新要素のマイニチプレイも、人によっては必要性に疑問を持つ場合があるか。 **その他 -2009年にニンテンドーDSiウェアとして『ちょっとパネルでポン』が配信されたが、こちらは『ちょっと』の名の通り、セリアゲアタック・オジャマアタック・パズル等の一部ゲームモードが無くなっている他、''ワイヤレス対戦機能やWi-Fi対戦機能のない完全な1人用のゲーム''になっているため、一部のモードや対人との対戦が目当ての人は注意。(対戦できるのはCOMとのみ) --また、COMと対戦できるモードも今作と違いオジャマVS(おじゃまパネルを送り込んで対戦するモード)1種類のみになっている。
*パネルでポンDS 【ぱねるでぽん でぃーえす】 |ジャンル|アクションパズルゲーム|&amazon(B000NOLWDC)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|2007年4月26日|~| |定価|3800円(税込)|~| //|分類|&bold(){ガッカリゲー判定・劣化移植判定}&br()※一覧では前者|~| //↑妖精キャラがいない=ガッカリってのはまだわかるが、劣化移植判定はどう考えてもありえない |ポイント|またしてもノンキャラクター・シンプル路線継続&br()事実上機能していないWi-Fiランキング&br;ストーリーモードこそ無いがモードは豊富&br;キャラ&ストーリーを全く求めないなら良作の部類|~| |>|>|CENTER:''[[パネルでポンシリーズリンク>パネルでポンシリーズ]]''| **概要 -1995年発売のSFC版からコアなファンが付いているアクションパズルゲーム「パネルでポン」のDS版新作。日本国内の市販作ではシリーズ6作目。 -前作の『[[ドクターマリオ&パネルでポン]]』から引き続きノンキャラクター路線を継続。当時の爆発的なDS普及の時流に乗り、無名の成人女性がプレイする様子をCMや紹介映像として公開するなど、非ゲーマー層へ対しTouch! Generationsシリーズに倣った広告展開、徹底的なシンプル・スタイリッシュ路線を取った。ただし本作は同シリーズのソフトではない。 --発売当時は『テトリスDS』、『ピクロスDS』、『[[もじぴったんDS]]』と共同のDSパズル店頭広告ポップが掲示されていた。他はTouch! Generationsのソフトなのに、なぜ…? **特徴 -タッチパネルによる操作を導入。 --動かしたいパネルをタッチペンで触り左右に動かすだけの簡単操作。 --当然従来どおりのボタンによる操作や、画面の縦表示・横表示の切り替えも可能。 -難易度、特にゲームスピードが大幅に引き下げられた。 --設定をビギナーにするとパネルの落下速度等ゲームスピードが遅くなる。 --さらに連鎖判定もゆるくなっており、落下してくる空中のパネルを入れ替えて連鎖とする、従来作ではありえなかったテクニックが本作で使えるようになっている。ただし、当然ながら全くの初心者が容易にできる芸当ではなく、相当の腕前が必要となる。 --対戦においてさまざまな効果を起こすアイテムパネルの導入。もちろん設定でアイテムの使用の有無を任意で選ぶことが可能。 -新たに追加されたゲームモードや要素は以下の通り。 --2分間でハイスコアを目指すモードのルールによる細分化。 ---せり上げた段をスコアとする『セリアゲアタック』、おじゃまパネルを解凍した数をスコアとする『オジャマアタック』が追加され、従来のスコアアタックともにタイムアタックとして統合された。 --継続的なプレイを目的としたマイニチプレイ。これは1日1回のみチャレンジできるタイムアタックモードで、ハイスコアの推移が折れ線グラフで表示される。 --パズルモードにも、従来の『パズル1』『パズル2』に加え、新たに『アクティブパズル』『ミッション』が追加されている。 ---『アクティブパズル』:アクティブ連鎖を起こしてパネルを全て消すモード。他のパズルと同じく、パネルは各問毎にそれぞれ用意されている。手数の制限は無いが、ヒントボタンも使用不可。途中で連鎖がとぎれるとゲームオーバー。コース1からコース6まで全60問ある。 ---『ミッション』:10問連続で出される課題にチャレンジしていくモード。他のパズルと同じく、パネルは各課題1問毎にそれぞれ用意されている。出された課題に失敗するとゲームオーバー。コース1からコース6まで全60問ある。 --Wi-Fiコネクションによるネット通信対戦。SFC版でも他社ライセンス品のモデムXBANDで有料マッチング対戦サービスが行われていたが、任天堂自ら実施したのはこれが初。 --スコアアタックのムービー保存機能が付いている。他プレーヤーとの送受信も可能。 -VSCOMモードで勝ち数(WIN)と負け数(LOSE)が記録されるようになった。GBA版と違い、こちらは記録としてセーブされる。 --勝敗数はオジャマVS、スコアアタックVS、ステージクリアVSの3つそれぞれで別々に記録される。 --VSCOM対戦時の難易度はレベル(ビギナー・ノーマル・ハード)の3種類とステージ(1から10)の10段階に分かれる形になった。『ステージ1をクリアする→難易度ステージ2に進む(COMが少し強くなる)』という形になり、''勝利するたびにステージが進み、COMが少しずつ強くなっていく''仕様になった。 --また、''試合終了後に『モウイチド』を選べば、同じ強さのCOMと連戦する事も可能になっている''。 ---ただし、''どのモード・どのレベルでもステージ10をクリアすると強制的にエンディング(スタッフクレジット)に突入してしまう''ため、''ステージ10のCOMとのみは続けて連戦する事が不可能になっている''。 -演出はGBA版のようなどっち付かずのものから、完全なスタイリッシュ路線に転換。 --ゲーム開始前の設定で背景を無機質な数種のスキンの中から選ぶ、ゲームモードの表記をすべてカタカナにするなど。 **評価点 -タッチパネルによる操作は未経験者へ配慮するとともにシリーズファンにとっても新鮮なものであり、順当な進化といえる。 --また、タッチペン操作や縦画面が苦手もしくは嫌いといった人間でも、従来どおりのボタンによる操作や、オプションで画面の縦表示・横表示の切り替えも可能と、従来通り遊ぶことができるように配慮されている。 -Wi-Fiコネクションによるネットワーク通信対戦は身近な対戦相手の不在にあえぐプレイヤーにとっては待ち望んでいた機能だった。 -GBA版と異なり、''DSカード1枚で最大4人まで多人数対戦ができる''。 --GC版にあったおじゃまパネルのややこしい落下法則を廃止し、他プレイヤー全員に同量降るよう改善された。 -パネルの柄を複数用意。従来の★や▲などの図形の他、ナット状の6角形など全7種類から好みの物を選ぶ。 --また、『オマカセ』を選んでパネルのデザインを全7種類の中からランダムで選ぶ事も可能になっている。 -スキンごと個別に用意されたBGMの評価は良好。 --背景(イメージ)は全部で11種類から選択可能。ただしこちらは『ランダム』が無い他、VSCOM等の一部ゲームモードでは選択不可能。 -エンドレスモード、ステージクリア、COMとの対戦、パズル等、ゲームモードが豊富にあり、1人でもそこそこ楽しめるようになっている。VSCOMは同じ強さのCOMと連戦する事も可能になった(試合終了後に『モウイチド』を選べば再戦可能。ただしステージ10を除く)。 --必要性はともかくとして、1日1回のみチャレンジできるマイニチプレイや、同じ誕生日同士によるWi-Fi対戦といったモードまでもある。 -GBA版程では無いが、オプションで設定をある程度好きなように変更可能。 --『モチカタ』で上述の画面表示を縦・横に切り替え可能な他、右利き・左利きの設定も可能となっている。 --『ゲームセッテイ』でフィールド画面の明るさを『アカルイ・クライ・フツウ』の3段階から選べたり(デフォルトは『クライ』)、連鎖ヒントの表示や爆発せり上げの有無も設定可能。 --『サウンドセッテイ』でピンチの時の警告音を3種類or無しの4つから選んだり、ゲーム中のサウンドの種類をステレオ・ヘッドホン・サラウンドの3種類から選べる他、サウンドテストでメニューやスキン等のゲーム内で使われている音楽を聴く事が可能。 --ちなみに表示の関係かサウンドテスト内の曲は『ミュージックA』『ミュージックB』に分かれている。 -『アソビカタ』メニューから遊び方を学ぶ事が可能な他、『トレーニング』で実際に練習する事も可能。DSの2画面を活かして、片方の画面でお手本プレイを表示しながら、もう一方の画面で実際に操作して練習する事が可能。 --表示されるお手本のデモ画面は、表示されたボタンをタッチする事で一時停止や倍速も可能になっている(ボタンのみの操作では不可能)。 --Xボタンor表示されたボタンをタッチする事で消したパネルを元の状態に戻して練習をやり直す事も可能。 --一部条件を満たせばさらに『ハードトレーニング』と『スーパーデモ』が追加される。こちらもDSの2画面を活かして、片方の画面でお手本プレイを表示しながら、もう一方の画面で実際に操作して練習する事や、お手本プレイ画面の一時停止・倍速も可能。 -また、過去作シリーズファンには不評な今作のノンキャラクター路線も、キャラクター付のSFC版やGC版等を遊ぶのに少し抵抗があるという人間の場合には評価点とも言える。 **賛否両論点 -スタイリッシュ路線は従来作の路線になじんでいた一部の古参ファンにとっては&bold(){「オサレ」とも取れる表現}であり、強い反感を買った。ただし「キャラクターがいなくてやや寂しいが、ゲームは特に問題無く遊べる」という人や、むしろ「過去作の妖精キャラがなんか恥ずかしくてやりたくてもできなかった」という人や、「パズルゲームにストーリーとかキャラとか不要だろ」という人もいるため、正直この辺はプレイヤーの好みに左右される問題だと思われる。 --従来のキャラクターや派手な効果音・ボイスなどの演出、ストーリーモードもなく、質素すぎる内容。 //--連鎖音はアクティブ連鎖の楽しさの一つであり、爽快感や達成感が全くない。 //↑連鎖数に応じて流れるファンファーレのようなBGMは今作にもある --ただし、多く連鎖した際に連鎖数に応じて流れるファンファーレのようなBGMは今作にもある(従来のものをアレンジしたものが流れる)。パネルを消す際の効果音も連鎖数が多いと変化する。 --過去作と違い、BGMはピンチになっても切り替わらない。ただしBGMに被せてサイレンは鳴り続けるため、いちおう緊張感はある。もちろん設定でサイレンなしにする事も可能。 --また、ストーリーモードは無いものの、VSCOMモードが「勝利するたびにステージが1つずつ進み(ステージ10まで)、COMが少しずつ強くなっていく」という仕様になったため、ステージ1から対戦を始めればいちおうストーリモード''風''な感じで遊ぶことが可能。ステージ10をクリアすればエンディングも流れる(スタッフロールのみだが)。 --パネポン生みの親の山上プロデューサーの手により前年に発売された『テトリスDS』はファミコン時代の任天堂キャラクターを集結させにぎやかに仕上げられていたため、新作パネポンで何らかのキャラクター復活を期待していた一部のファンは、あまりにシンプルすぎる本作に肩透かしを食らわされる格好になった。 --スキンも、ゲームの背景としては不釣合いなほどよく動きまくる。 ---VS.COMやパズル、ステージクリアではステージごとに背景固定。VS.COMのステージ10はくるくる回転したり展開するキューブが複数、背景色も紺・白・黒と色とりどりに変化、細い縦線・横線も交差するという&bold(){目に痛い}もの。 ---ただし、パネルを動かす事に集中していると、背景の動きまで気が回らず意外と気にならなかったりする。 --また、各種パズルモードとステージクリアモードではパネルのデザインまでもステージ毎に固定式になっており変更不可能。 -条件を満たすと開放されるSFC版「花の妖精リップ」のスキン。 --グラフィックやBGMはオリジナルに準拠しておりSFC版の支持者の一部を喜ばせたが、連鎖・同時消し時に発せられるボイスはまるで風邪を引いたような声質となっている。 --扱いも単にスキンの一種であり、それ以上でもそれ未満でもない。また、スキンを自由に選べないモードでは当然選択不可能。 --全てのゲームモードでスタッフロールを見ることが条件とされているようだが、''メッセージや説明などもなくいつの間にか追加される''ので、はっきりした条件は不明。 --また、妖精のスキンはあるのに、同じく過去のパネポン作品に登場したヨッシーやポケモンのスキンが無いのも人によっては残念なポイントか。 -アイテムパネルはWi-Fiのフリー対戦では''常に使用不可''。 --マッチングの細分化を防ぐためなのだろうが、せっかくの逆転要素なのにフリー対戦では使えないというのはどうなのだろうか。 -GBA版と違い、各種パズルモード全てでクリアタイムが一切記録されなくなった。もっともこれは、せっかくのパズルモードなのに、クリアタイムを計測されるせいで自分のペースでじっくり考えて解けないという人へ配慮したという可能性が考えられる。 -''隠し要素追加時にメッセージが何も表示されないため分かり辛い''。説明書や公式サイト内で『パズル1』を1度クリアすると解禁と説明のある『パズル2』はもちろん、妖精のスキンや『ハードトレーニング』『スーパーデモ』等の隠し要素も全くメッセージも無く追加される。 --妖精のスキン追加と『ハードトレーニング』『スーパーデモ』の追加は共に同じ条件らしいが、やはりはっきりした条件は不明。 -『エンドレス』と『オジャマチャレンジ』のHI-SCOREが6桁までしかなく、最高でも999,999点までしかないのは一部の上級者プレイヤーには不満点になり得るか。 -GBA版と同様、今作でもCOMプレイヤーがやたら強い。こちらは一部の上級者プレイヤーには評価点になると言えるか。 -なぜかサウンドテスト内の曲の中にはタイトル画面で流れる曲が無かったりする。聴きたい場合にはいちいちタイトル画面に戻る必要がある。もっとも、タイトル画面で待機していればいつでも聴く事ができるので、そこまで問題は無いが。 -横画面表示に設定しても、タイトル画面のみは縦画面表示のまま。あくまでタイトル画面のみが縦画面表示固定なだけで、メニューに入れば設定した表示方に合わせて普通に表示されるため、横画面表示設定の場合に少々違和感がある程度で実害は全く無い。 **問題点 -VSCOMはステージ1から9までのCOMと試合終了後に『モウイチド』を選ぶことで連戦が可能になっているが、ステージ10のCOMとのみはプレイヤー側が勝利した場合に連戦する事ができない。どのモード・どのレベルでもステージ10をクリアすると強制的にエンディング(スタッフクレジット)に突入してしまうため。 --ただし、ステージ10のCOMであっても、プレイヤー側が負けた場合には再戦可能。 -ゲームスピードは最高難易度のハードでも従来のイージー相当。バリバリ鳴らしていた人からすればかなり手ぬるいものだろう。 --タッチペン操作に合わせた変更と言われることもあるが、それにしても3段階で一番上がこれでは…。 -オプションはシステム面を評価されたGBA版ほど突っ込んだ設定はできない。 -GBA版と違い、各モードのハイスコア等を一括で確認する事が不可能になった。マイデータのレコードはワイヤレス対戦やWi-Fi対戦の成績が記録されるのみで、その他の記録に関しては各モードそれぞれを選択した際に確認するしかない。 --また、GBA版にあった最大連鎖数や同時消し数等の一部の記録の項目は今作では無くなってしまった。 -Wi-Fi待機中、ごくまれにフリーズすることがある。ただし試合中には一切発生しないのが救い。 -意図不明なWi-Fiランキングの仕様。 --全参加プレイヤーのランキングはなく、本体に登録された誕生日別に上位3位と自分の順位のみ閲覧できる。 --そもそも常駐プレイヤーが少ないので、ひどいと常に自分1人だけ1位に居座っている状態となり全く目安にならない。 --このためわざと絶対数が少ない2月29日に設定し、仲間内でランキング機能を使うという者もいた。本当に2月29日生まれの人には迷惑だが。 -メニュー画面が選択しにくい。 --ゲームモード名などが円形にループするよう配置されており、タッチをすると中央へメニューが移動するため、タッチペンでは2度押しをする必要が多々ある。 **総評 -良くも悪くもプレイヤーがキャラ&ストーリーを求めているかどうかで評価が分かれやすくなってはいるが、''モード自体は豊富かつオプション面の配慮は優秀で、単純にパズルゲームとして見た場合には良質な出来となっている作品であると言える''。 --何にせよ、''ただ単にキャラが全くいないという理由だけで手抜きゲー呼ばわりするのはさすがにおかしいという事だけは確かである''。 -新規プレイヤーにとってはタッチ操作との相性のよさ、ゲームスピード低下と連鎖判定のユルさにより入りやすくなったと思われる。パネルでポン入門用としては特に問題はないだろう。じっくり考えてやりたいという人にもパズルモードが用意されている。 --ノンキャラクター路線故に「キャラクター付のSFC版やGC版等を遊ぶのはちょっと…」という人間や、同じくノンキャラクター路線であったGBA版が初プレイの人間でも入り易くなっている。逆にさすがにちょっと寂しすぎる感じもあったりはするが…。 -シリーズファンや上級者の場合には2分間のスコアアタック3種、VSCOM3種、Wi-Fi対戦等がメインとなるか。しかしWi-Fi対戦に関してはプレイ人口の問題等もありマッチングもランキングもアバウト気味。新要素のマイニチプレイも、人によっては必要性に疑問を持つ場合があるか。 --さらにWi-Fiコネクションサービスの終了で現在ではWi-Fi対戦は利用不可能。 **その他 -2009年にニンテンドーDSiウェアとして『ちょっとパネルでポン』が配信されたが、こちらは『ちょっと』の名の通り、セリアゲアタック・オジャマアタック・パズル等の一部ゲームモードが無くなっている他、''ワイヤレス対戦機能やWi-Fi対戦機能のない完全な1人用のゲーム''になっているため、一部のモードや対人との対戦が目当ての人は注意。(対戦できるのはCOMとのみ) --また、COMと対戦できるモードも今作と違いオジャマVS(おじゃまパネルを送り込んで対戦するモード)1種類のみになっている。

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