「スパロボ学園」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

スパロボ学園 - (2011/07/08 (金) 05:18:00) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*スパロボ学園 【すぱろぼがくえん】 |ジャンル|アドベンチャー/仮想バトルSLG|&amazon(B002EVOJIW)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|エーアイ|~| |発売日|2009年8月27日|~| |価格|6279円(税込)|~| //|分類|&bold(){評価部分もあるが良作とも言えないゲーム判定}|~| |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/287.html]]''| *概要 『スーパーロボット大戦』シリーズの外伝的作品。キャラクターデザインに『蒼い海のトリスティア』『イリヤの空、UFOの夏』などで確かな実績を残しているイラストレーター駒都えーじ(通称こつえー)を採用したことや、かつての名作『リンクバトラー』や『XO』の対戦モードを想起させる戦闘システムは、古参のファンや対戦要素を好むファン、そしてこつえーに惹かれたファンを引き寄せ、一部ではこの作品への期待は高まっていった。 *特徴 -本作は他のシリーズと繋がりは無い単発作品で、ゲームシステムも大きく異なる。 --主に対戦をメインに据えた内容で、単独プレイはあくまでオマケであり、プレイヤー自身の強化やユニット収集のための作業の趣が強い。 -ストーリーは「数多の地球外勢力の襲撃を受けた地球は、その度に幾多のロボット、英雄に救われてきた。軍は新たなる勢力の襲来に備え、有望な人材を育て上げるための養成機関『スパロボ学園』を開校。そこに主人公が編入される…」というもの。 --この世界では全ての物事は「スパロボバトル」と称される、自身の持つロボットのデータを用いた戦いで解決される。カードバトルのようなものと思っていただければ差し支えない。 ---戦いの中で主人公が起こしたあるトラブルをきっかけに、世界の存亡にも関わる戦いに巻き込まれていく…という王道ストーリー。 -バトルシステムは、限られたコスト制限の中でユニットを組み合わせて「部隊」を組み、それを用いて戦闘する、というのが基本。1ターンの中で行動の全てに「速度」が割り当ててあり、速度の速い行動ほどターン中に早く行動することが出来る。 --スパロボおなじみの精神コマンドや、機体ごとの特性も存在する。 --ひとつのユニットごとに「グー」「チョキ」「パー」と三つの属性が存在し、互いの属性は三すくみの関係にある。グーは攻撃力に秀で、パーは防御力に優れ、チョキは中間的な性能となっている。 ---シリーズとの大きな違いとしては、「経験値でユニットがレベルアップなどの育成要素がない」という点がある。よってかなり戦略性が高いものになっている、はずなのだが…。 *問題点 -ストーリーがお粗末。 --対戦がメインのゲームとはいえ、一日二日で物事が急展開。一日二日で主人公に惚れ込むヒロインたち、唐突すぎる展開…。 ---数十年前の熱血ものを思い出すが、今となってはやはり古すぎ、粗が目立つ。対戦相手前提のゲームとはいえ、やはり長く楽しめるストーリーが欲しかった。 ---一例:問題解決のためヒロインの一人に協力を求めるが、代わりに自分にも協力してほしいと交換条件を出される。それが嫌な主人公は''「負けたほうが無条件で相手に協力する、という条件でバトルだ!」''と言い出す。いくら熱血とはいえ、主人公としてどうなのだろうか…。 -サブクエストもお粗末。 --RPGなどのジャンルではおなじみの、いわゆる「脇道イベント」があるのだが…''ほぼ全てバトル。'' ---しかもこなした所で、特に重要なユニットやアイテムが手に入るわけではない。ちりばめられた小ネタを楽しむしか無いのだ。あんまりすぎる。 -説明書や広告では、特殊な状況下でのバトルを強いられることがあり、それもまた楽しみのひとつだと書かれている。 --だがストーリーの短さから、''数回しか出てこない''。対戦で特殊な状況を設定する事も出来ない。 -肝心の戦闘システムも練り込み不足な感が強い。 --組み合わせ次第では相手を封殺できるコンボ、強さが秀でた一部のユニット、一部のオプションパーツのチート性能が問題視された。特に高コストユニットが遺憾なく強さを発揮する。 ---原作張りの無双っぷりを見せるキングジェイダーやジェネシックガオガイガー、掛かりに掛かった補正で攻撃を回避しまくるキングゲイナーやゴールドフレーム天、ラムダドライバの恩恵で凄まじい戦闘能力を発揮するアーバレスト、先手を取れば自爆で敵HP6000以下ならほぼ確実に開幕1:2交換が取れる超龍神、撃龍神など…一方で弱いユニットはとことん弱く、アテにならない。 --CPUの思考ルーチン調整にも限界があったのか、ストーリー中盤以降は敵がコスト制限15を無視してひたすら強力なユニットを出してくる。理不尽なバランス調整である。 -版権BGMが全く使用されていない。戦闘画面では本作オリジナルの曲が2、3曲ほどひたすら使いまわされるのみ。 --『参戦作品が多いので容量が足りない』、『システム上あまり必要がない』という意見もあるが、かなり昔に発売されていた同作に似たコンセプトのGBソフト『リンクバトラー』は版権BGMがちゃんと流れていたことを考えると手抜きとしか思えない。おそらく、JASRACに払う金をケチったと思われる。 ---KのBGM盗作問題が絡んでいるとの噂がある。それの謝罪記事が載るようになったのは本作発売前。 -クリア後のやり込み要素の欠如。 --あるにはあるが、ヒロインの関係を埋めるサブクエストもバトルであり、主人公の鈍感さにいらつくだけ。 ---一度戦った相手とは再戦出来るが、別に特別な報酬は無い。また、雑魚敵からオプションパーツを回収できるが、限りなく低確率で作業ゲーを求められる。 ---クリア後の一人プレイは、高級オプションパーツを求めて雑魚を虐殺し、手に入れた資金でガチャポン(新しいユニットを手に入れるための機械)を回す果てしない作業。 ---サブクエストの対戦でオプションパーツの中に対戦の必需品と言われる「APカット(大)」がもう一つ手に入るのだが、入手率はランダムの上に再戦が不可能 -売りの通信対戦にも欠点が。 --Wi-fiが長続きせず、切断は日常茶飯事。せっかく対戦がメインなのにこれはどうかと。 ---永遠の難題だが、チート相手と当たる事も。対策してくれバンナム。 -参戦作品もムラがあり過ぎ。 --ライバル機である夜天光不在の劇場版「ナデシコ」、主人公のみ参戦の「レイズナー」と「オーガン」、このような中途半端な参戦作品が、非常に多い。 ---Kは主に主役、ボス、脇役。Wからは主役と準主役。Jは主役のみとなっている。JとKの戦闘アニメは確かに比べ物にならないので、あまり数を出しても戦闘アニメの打ち直しに時間と金がかかることは容易に想像できるが、WはKに負けず劣らずのクオリティなのに何故かボスキャラが一人もいないのは不自然。 ---特に「DESTINY」や「キングゲイナー」に至っては名無しの一般兵のデータまであるにも関わらず、作品によっては主役のみか、一部の主要キャラのみという落差が激しい。 ---「冥王計画ゼオライマー」の機体「グレートゼオライマー」は、半スパロボオリジナル(原作では設定のみだった)である、主人公機の進化型である、そのバランスを壊すほどの強さと最強武装を集めたという破天荒な設定からゼオライマーファンだけでなくスパロボで知ったファンにもディープなマニアが居る、などの条件が重なって「わざわざゼオライマーを再参戦させたからには出て当然」とまで思われていただけに、未登場になって大きく落胆したファンは多かったと思われる。 ---主人公クラスのみが参戦している作品はGBAの「J」のみに出ていた作品が多いため、戦闘アニメの再調整に手間が掛かったものだと思われる。一方で最新作「K」の参戦作品は敵ボスや一般兵まで幅広くフォローされている --参戦作品の中で唯一J・W・K以外から参戦した「真(チェンジ!)ゲッターロボ 世界最後の日」に至っても真ゲッターロボの戦闘アニメはほぼ全てWからの流用で、パイロットを挿げ替えただけという代物。当然、同作中で登場した他のユニットは登場しない。 --一部戦闘アニメのテンポが悪くなっている。ブラックアウトの時間の延長によるテンポの悪化なので、下手な圧縮が原因と思われる。 ---原作のBGMが流れない、原作が再現されるわけでもない、原作の他のユニットが登場するわけでもない、などWのゲッターのデータを丸々流用すればいい話にも関わらず、わざわざチェンゲのパイロットに挿げ替えた意図が不明である。(一応、合体攻撃の演出が新しく描き直されている部分もある)(そもそもWの真ゲッターは、顔を見れば分かるが何故かチェンゲ仕様) --唯一携帯機で新たに戦闘アニメが作られた(と言ってもアニメーションはほぼPS2で発売された『スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS』と同様なのだが)バンプレストオリジナルメカのコンパチブルカイザーの存在も謎である。シナリオ的に何か特筆点があるわけでもなく、ユニットとしても他ユニットと同様に手に入るので、プレイヤーとしてはかなり肩透かしを食らった感が強い。 ---更に、発売前は上記の事から過去のJ・W・Kのオリジナルメカ&キャラが登場することも期待されたが、結局オリジナルメカはコンパチブルカイザーのみに留まった。「他がほぼ使い回しにも関わらず過去の主人公機等を使い回さずに、何故わざわざ新規でコンパチブルカイザーを登場させたのか?」という疑問の声も。 ---一応、『無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ』にパイロットが登場しており、その伏線だった可能性がある。 --このように、参戦作品を増やしたら、むしろ「なぜ○○が参戦しているのに同じ作品の××が出ないんだ」という不満の声が増加する結果になってしまった。 *長所 -コスト制限の中で自分好みの部隊を組む楽しさ、対戦での駆け引きや読み合いといった、従来のスパロボと違う戦略的な要素はとても面白く熱い部分もある。 --またその一方で、地形要素や精神コマンドなどスパロボ独自の要素は受け継がれており、うまくシステムに組み込まれている。 ---しかし結局強いユニットはとことん強く、弱いユニットはとにかく弱いという部分が大きい。この点で上記の面白さを損なっており、練り込み不足なのだと強く感じられる。 *総評 「Kの悲劇」を繰り返す事は辛うじて免れたものの、やはりシステムの練り込み不足とボリューム不足から、評価すべき点よりも欠点が目立つ作品となってしまった。 メインとなるWi-fiも通信の脆弱性が指摘され、このゲームは唯一の長所すら潰された悲劇の一本なのかもしれない。 戦闘システムに不満を言いつつも魅了された一部のファンは、不満点を改善した続編の発売を願っている。 //「ポ○モンぽい」という表現を改めさせていただきましたがどうでしょうか。育成要素の有無や凝った戦闘システム等、あまり共通点や意識した点は見られないと思います。
*スパロボ学園 【すぱろぼがくえん】 |ジャンル|アドベンチャー/仮想バトルSLG|&amazon(B002EVOJIW)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|1024MbitDSカード|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|エーアイ|~| |発売日|2009年8月27日|~| |価格|6,279円(税込)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|カードゲーム的なシステムの対戦型スパロボ&br()ストーリーはほぼおまけ&br()ゲームバランスは今一歩|~| |>|>|CENTER:''[[スーパーロボット大戦シリーズリンク>スーパーロボット大戦シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『スーパーロボット大戦』シリーズの外伝的作品。[[『リンクバトラー』>スーパーロボット大戦64]]や、[[『スーパーロボット大戦XO』>スーパーロボット大戦GC]]の対戦モードと同じ対戦を主眼に置いた珍しいスパロボである。 キャラクターデザインは『Deep-Blueシリーズ』『イリヤの空、UFOの夏』などで確かな実績を残す、''「ぱんつはいてない」''((美少女のイラストにおける、「下着のパンツをはいていないように見える状態」を意味するスラング。ノーパンとイコールではなく、「はいているか、はいていないか識別できない状態」のことを示す。))で有名なイラストレーター、駒都えーじ。 ---- **ストーリー 過去に幾度と無く外界からの侵略者に襲われ、その度に無敵のスーパーロボット、そしてそのパイロットたちに救われてきた世界。~ 今後も迫り来るであろう脅威に対抗するため、軍はスーパーロボットとそのパイロットを指揮する人材を育成する教育機関「スーパーロボット学園」、通称「スパロボ学園」を設立する。 スパロボ学園においては、過去のスーパーロボットたちをデータ化したユニットで勝敗を競う戦闘シミュレーター『スーパーロボットバトル』がカリキュラムに組み込まれており、~ 生徒たちはスパロボバトルに鎬を削っていた。 //-ストーリーを信用するなら、この世界は''『[[J>スーパーロボット大戦J]]』『[[W>スーパーロボット大戦W]]』『[[K>スーパーロボット大戦K]]』で起きた戦いを全て経験している世界''ということになる。''大丈夫か地球。'' -この世界では全ての物事は「スパロボバトル」と称される、自身の持つロボットのデータを用いた戦いで解決される。カードバトルのようなものと思っていただければ差し支えない。 --戦いの中で主人公が起こしたあるトラブルをきっかけに、世界の存亡にも関わる戦いに巻き込まれていく…という王道的なストーリー設定となっている。 ---- **特徴 -前述した通り本作は「対戦」をメインにしたスパロボであり、既存のスパロボとはそのシステムが大きく違う。 --単独プレイはあくまでオマケであり、プレイヤー自身の強化やユニット収集のための作業の趣が強い。 --ワイヤレス通信によるローカル対戦だけでなく、ニンテンドーWi-Fiコネクションを使用したオンライン対戦が可能。 ---ただしニンテンドーWi-Fiコネクションが2014年5月20日に終了したため、他のDSソフト同様に現在オンライン対戦はできなくなっている。 -バトルシステムは、限られたコスト制限の中でユニットを組み合わせて「部隊」を組み、それを用いて戦闘する、というのが基本。1ターンの中で行動の全てに「速度」が割り当ててあり、速度の速い行動ほどターン中に早く行動することが出来る。 --部隊をデッキに見立てたカードゲームのようなシステムではあるが、対戦型スパロボの例に挙げたリンクバトラーと違い、機体・パイロットには本家スパロボ同様のパラメータが設定されている。そのため攻撃が確実に命中するとは限らず、回避やクリティカルなど不確定要素も多い。 --スパロボおなじみの精神コマンドも使用可能。 --地形の概念があり、一部のユニットは能力でその場の地形を変動させることができる。当然、地形との相性によりユニットの戦闘能力は上下する。 --ひとつのユニットごとに「グー」「チョキ」「パー」と三つの属性が存在し、互いの属性は三すくみの関係にある。グーは攻撃力に秀で、パーは防御力に優れ、チョキは中間的な性能となっている。 --機体・パイロットのグラフィックや戦闘アニメは『J』『W』『K』からの流用。ただし、コンパチブルカイザーにだけは新規アニメが用意されている。 ---シリーズとの大きな違いとしては、「経験値でユニットがレベルアップなどの育成要素がない」という点がある。よってかなり戦略性が高いものになっている、はずなのだが…。 ---- **評価点 -全て既存作の流用とはいえ、作品参戦数は''33作''とシリーズでもかなり多い方。 --音声収録はなく部隊の組み合わせによる特殊セリフもないのは寂しいが、この豊富な参戦作品から他のスパロボでは出来なかった組み合わせの''夢のドリームチームを作れる楽しみ''は本作ならでは。声優繋がり、作品繋がりなど様々なチームを組んで戦える。 --『ファフナー』のマークニヒト、『ダンガイオー』のギル・ギア、『バーチャロン』のSHBVDコンビ、果ては''『バーチャロン』のタングラムや『ガン×ソード』のバースデイなどのラスボス級を含め''、普段敵に回っているユニットが使えるのも他のスパロボにない特色だろう。 -コスト制限の中で自分好みの部隊を組む楽しさ、対戦での駆け引きや読み合いといった、従来のスパロボと違う戦略的な要素はとても面白く熱い部分もある。 --またその一方で、地形要素や精神コマンドなどスパロボ独自の要素は受け継がれており、うまくシステムに組み込まれている。 --しかし戦闘システムが評価される一方で、システムの解析が進むとユニット間の強弱の格差が浮き彫りになり、決していいゲームバランスでないことも明らかになった。詳しくは後述。 ---- **問題点 ***ゲームバランス・対戦関連 -前述したようにゲームバランスは練り込みが甘く、強機体・弱機体の格差は埋め難い。 --地形変更によるハメ、開幕自爆、リセット効果使い回しなど明らかに強力な戦法もあり、ガチで対戦をやり込むならこれらへの対策は必須。ガチのWi-Fi対戦ではユニット交換を繰り返しての読み合いや地形変更・リセット合戦など''ものすごい地味な戦い''になりがち。 --また、一部の状態異常や追加効果も凶悪なものがあり、それらの能力を持つユニットが優遇されている感はある。ただし、地形変更や状態異常、追加効果に対してはリセット効果持ちのユニットで「なかったこと」にできるので、一応相性ゲーが成立していると言えなくもない。 --スーパーロボット系に多い複数パイロット持ちの機体は当然精神コマンドを他より多く使える。問題は「精神が強力な分機体・パイロットのパラメータが低い」などの''バランス取りのための措置が皆無''なことである。 --全体的に高コストユニットが凶悪であり、CPU戦では「優勢に戦いを進めていたが、''敵の高コストにパワーで全部ひっくり返された''」というどんでん返しもザラ。後述するが、CPU戦では敵がコスト制限を無視して部隊を組んでくるため難易度は凶悪である。 #region(強キャラ解説) -''ARX-7 アーバレスト''(フルメタル・パニック!) -''ガンダムアストレイゴールドフレーム天ミナ''(機動戦士ガンダムSEED ASTRAY) --「ターン経過で強くなる」ユニットの典型。4ターン経過することでパンプアップが行われ性能が上昇するのだが…。 --両者ともに運動性が高く、比較的ノーダメージで4ターンを経過させることが容易になっている。4ターン経過してパラメータが強化されると運動性能が恐ろしいことになり、「当てて避ける」手の付けられない高性能ユニットへと変貌してしまう。4ターン経過する前に倒せればいいが、両機に共通して「ECS」「ミラージュコロイド」という一定確率での攻撃回避能力が備わっており、その上天ミナにはダメージを軽減するPS装甲が備わっている。上位コストでなければ、一撃必殺はたやすいことではない。 --その上、仕留め損なうと「底力」が発動してしまい、この状態で放置すると「ECS(ミラージュコロイド)+ターン経過による強化+底力」という非常に厄介な状態になってしまう。 --アーバレストにはPS装甲がない代わり、サブパイロットに原作通りアルがいる。また気力が一定以上になると''無効バリアの「ラムダ・ドライバ」まで発動する。''こうなると文字通り手のつけようがなくなり、「アーバレスト一体に粘られて大打撃」という状況さえ起こりうる。 -''キングジェイダー''(勇者王ガオガイガー) --''「軽減バリア(ジェネレイティングアーマー)+分身(ES爆雷)+3人のサブパイロット+超火力」''という、最高コストらしい原作を再現したかのような圧倒的な強さを発揮する。 --その上、体力を全快する「友情」が使える。逆に言えば強さを精神コマンドに依存しているため精神が切れると辛いが、弱点らしい弱点はそれだけである。 --変形してジェイアークになることで苦手地形からの脱出もできると、もうやりたい放題。「頑張って追い詰めたけど''キングジェイダー出たから降参''」という状況も珍しいことではない。 -''天のゼオライマー''(冥王計画ゼオライマー) --何はなくとも次元連結システム。「開幕『気合』→次元連結システム発動」というパターンで一部のユニット相手には文字通り無双できる。 --最高コストらしく火力も高め。「『必中』→MAP版メイオウ」で中コスト程度なら容易に消し炭になる。またサブパイロットの美久が「ひらめき」「信頼」を覚えているためしぶとさもトップクラス。次元連結システムを一度発動させてしまえば、難攻不落の要塞となる。 -''ジェネシックガオガイガー''(勇者王ガオガイガーFINAL) --軽減バリア・無効バリアの組み合わせで防御面は盤石。キングジェイダー・天のゼオライマーに比べて精神面が弱いが、その分''最大で75%の命中率補正''がかかる「ブロウクンマグナム」を筆頭に武器が強力。回避重視のリアル系もブロウクンマグナムで削り殺せる。 -''超竜神・撃龍神''(勇者王ガオガイガー) -''マークゼクス''(蒼穹のファフナー) --悪名高き''開幕自爆要員''。自爆を阻止できなければ一発で''6000近いダメージを開幕で持っていける''。行動順を早める「再動」と併用することで自爆の行動スピードを速められるのがミソで、先手さえ取れれば敵HP6000以下ならほぼ確実に開幕1:2交換が取れるという凶悪な火力を叩き出せる。強化パーツを加味すれば自爆ダメージが8000にもなり、体力の低いリアル系ユニットを確実に倒せる。 #endregion -売りの通信対戦にも欠点がある。 --Wi-Fiが長続きせず、切断は日常茶飯事。どうもサーバーが弱いらしく、これが対戦過疎に拍車をかけた感は否めない。 --永遠の難題だが、チート相手と当たる事も。 ***ストーリー関連 -おまけレベルとわかっているとはいえ''ストーリーがお粗末''。 --対戦がメインのゲームとはいえ、一日二日で物事が急展開。一日二日で主人公に惚れ込むヒロインたち、唐突すぎる展開…。 --一昔どころか二昔前の熱血ものを思い出す粗の多さであり、感情移入も何もあったものではない。対戦相手前提のゲームとはいえ、やはり長く楽しめるストーリーが欲しかった。 --一例:問題解決のためヒロインの一人に協力を求めるが、代わりに自分にも協力してほしいと交換条件を出される。それが嫌な主人公は「''負けたほうが無条件で相手に協力する、という条件でバトルだ!''」と言い出す。もはや熱血というより弱肉強食的な思考であり、主人公としてどうなのだろうか…。 -サブクエストもお粗末。 --RPGなどのジャンルではおなじみの、いわゆる「脇道イベント」があるのだが…''ほぼ全てバトル''。 --しかもこなした所で、特に重要なユニットやアイテムが手に入るわけではない。ちりばめられた小ネタを楽しむしか無いのだ。あんまりすぎる。 --一応「APカット(大)」を筆頭とする強力なオプションパーツを入手できる可能性はあるが、入手率はランダムなうえ一度クリアしたサブクエストには再挑戦できない。APカットを筆頭にオプションパーツは対戦に必須なものであり、この仕様には批判が相次いだ。 --一応低確率で名無しの雑魚キャラからもオプションパーツを入手できるが、それも極低確率であり根気は必須。 -説明書や広告では、特殊な状況下でのバトルを強いられることがあり、それもまた楽しみのひとつだと書かれている。 --だがストーリーの短さから、''数回しか出てこない''。対戦で特殊な状況を設定する事も出来ない。 -CPUの思考ルーチン調整にも限界があったのか、ストーリー中盤以降は敵がコスト制限15を無視してひたすら強力なユニットを出してくる。理不尽なバランス調整である。 --ちなみにラスボスはガイキング・ザ・グレート(コスト6)+デスティニーガンダム(コスト5)+ボルテスV(コスト5)+アーバレスト(コスト4)+ダン・オブ・サーズディ(コスト5)と合計25。''ぼくのかんがえたさいきょうちーむ''状態である。 -クリア後のやり込み要素の欠如。 --あるにはあるが、ヒロインの関係を埋めるサブクエストもバトルであり、主人公の鈍感さにいらつくだけ。 --クリア後の一人プレイは、高級オプションパーツを求めて雑魚を何度も倒し、手に入れた資金でガチャポン((新しいユニットを手に入れるための機械))を回す果てしない作業になってしまう。対戦ツールとしての趣が強いとはいえ、さすがに退屈さは否めない。 ***参戦作品関連 -''参戦作品ごとの登場ユニットの選定にムラがあり過ぎる。'' --敵ボスや一般兵まで幅広くフォローされている作品は、本作発売時点のDS版最新作『K』の参戦作品(『DESTINY』『キングゲイナー』など)であることが多く、GBAソフトである『J』やDS版第一作の『W』の参戦作品のうち『K』に参戦していないもの(『劇場版ナデシコ』『レイズナー』『オーガン』など)は主人公ないし主人公サイドのキャラのみの参戦となっている場合がほとんど。 ---『J』のみの参戦作品については戦闘アニメの打ち直しに時間と手間がかかることが理由である事は容易に想像できるのだが、戦闘アニメが『K』とほぼ同クオリティの『W』のみの参戦作品からはボスキャラが一人も登場しておらず、やや不自然さを感じさせるものとなっている。 --『ゼオライマー』の機体「グレートゼオライマー」は初登場した『J』でのいい意味での滅茶苦茶ぶり((元々設定しか存在しないロボットだったが、元々強機体だったゼオライマーの強化系という事もあってバランスブレイカーと化してしまった。また使用する武装のほとんどが敵の機体の最強武装になっているという破天荒な設定もある。))で原作ファン・スパロボからのファン問わず好評だったが、残念ながら本作には登場しない。 --参戦作品の中で唯一『J』『W』『K』以外から参戦した『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』(チェンゲ)に至っても、真ゲッターロボの戦闘アニメはほぼ全て原作漫画版名義での参戦だった『W』からの流用((『W』の真ゲッターロボのデザインは、原作漫画版名義にもかかわらず『チェンゲ』のものになっている。元々本作の構想があってのデザイン設定だった可能性もあるが、詳細は不明。))(合体攻撃の演出が新しく描き直されている部分もある)で、パイロットを『チェンゲ』版((しかし台詞の中にはTV版準拠のものを流用・改変したせいで『チェンゲ』版の竜馬達の台詞としては違和感があるものが交じっている。))に挿げ替えただけという代物((通常技で出るキャラクターのカットインは『D』からの流用だが、顔グラフィックは『D』のものをベースにした新規のもの。))。当然、真ドラゴンなど同作中で登場した他のユニットは一切登場しない。 --バンプレストオリジナルのロボット・キャラクターは、『J』『W』『K』には登場しないコンパチブルカイザーとそのパイロットのみ参戦。本作のベースである''『J』『W』『K』のオリジナルメカ&キャラは一切登場しない''。この扱いにも疑問の声が多い。 ---コンパチブルカイザーはPS2の『スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS』のものを元にした新規の戦闘アニメーションが制作されているが、バンプレストオリジナルだからと言ってシナリオ的に何か特筆点があるわけでもなく、ユニットとしても他ユニットと同様に手に入るので、プレイヤーとしてはかなり肩透かしを食らった感が強い。 ---一応、『無限のフロンティア EXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ』にパイロットが登場しており、その伏線だった可能性がある。 ***その他 -戦闘アニメが一部劣化している。代表的なのは効果音の差し替え・削除で、「ブレンパワード系のSEがガンダムSEED系の効果音に差し替わっている」「天のゼオライマーの『メイオウ攻撃』の時に流れる特徴的なSE((原作や流用元の『J』では、メイオウ攻撃でゼオライマーが胸の前で拳を組み合わせる際「メイ・オー!」と咆哮しているかのようなSEが流れている))が削除されている」など、地味に原作ファンにとっては痛い改悪がされている。 --一部戦闘アニメのブラックアウトの時間が長く、そのせいでテンポが悪くなっている。データの圧縮が上手く行っていないのが原因と思われる。 -版権BGMが全く使用されていない。戦闘画面では本作オリジナルの曲が2、3曲ほどひたすら使いまわされるのみ。 --「参戦作品が多いので容量が足りない」「システム上あまり必要がない」という意見もあるが、かなり昔に発売されていた同作に似たコンセプトのGBソフト『[[スーパーロボット大戦リンクバトラー]]』は版権BGMがちゃんと流れていたことを考えると手抜きとしか思えない。おそらく、JASRACに払う金をケチった(制作費を削減するため)と思われる。 //--『K』のBGM盗作問題が絡んでいるとの噂がある。その問題に対する謝罪が公式側から行われたのは本作発売前。 //---ちなみに、後に配信されるスマホゲーム『スーパーロボット大戦X-Ω』では版権BGMや歌はイベント程度にしか使用されず、基本的にオリジナル曲メインとなっている。 //↑参考までに //Kのパクリ問題は版権曲は関係なくね? ---- **総評 対戦モードに主眼を置いた独自路線を狙ったものの、システムの練り込み不足とボリューム不足から評価すべき点よりも欠点が目立つ作品となってしまった。~ メインとなるWi-Fiも通信の脆弱性が指摘されており、唯一の「対戦」というアピールポイントも手放しには褒められない難しい作品になっている。~ ただ不満を持ちつつも戦闘システムに関しては一定の評価をする層もおり、本作を発展させたソフトを期待する声も一定数存在する。 ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: