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ザ・ブルークリスタルロッド - (2010/10/07 (木) 16:22:07) の最新版との変更点
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*ザ・ブルークリスタルロッド
【ざ・ぶるーくりすたるろっど】
|ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000068H4R)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|発売元|ナムコ|~|
|開発元|ゲームスタジオ|~|
|発売日|1994年3月25日|~|
|価格|9800円|~|
|ポイント|バビロニアンシリーズの最終作はなんとADV&br()テキスト集をフルプライスで売るなや&br()やや理不尽な足止め&br()どちらかと言えばファンアイテム…なのか?|~|
//|分類|''シリーズ異色作・むしろテキスト集''|~|
バビロニアンキャッスルサーガ(BCS)のエピソード3として発売されたアドベンチャーゲーム。RPG風のアクションゲームとして話題になった「ドルアーガの塔」及び「イシターの復活」の続編にあたり、その最終章でもある。
正しくは「ザ・ブルークリスタルロッド Destiny of GILGAMESH」(ギルガメスの道)であるらしく、原案の遠藤雅伸氏は英字タイトルからDOGと呼んでいる。
プレイヤーは王子ギルガメスとなり、天界へブルークリスタルロッドを返還する術を求め世界を旅する。
**特徴
従来シリーズのアクション性は全く失われ、純粋なアドベンチャーゲームと化してしまっている。
主な舞台となるバビリムの街を中心として、北・南・東・西にそれぞれイベントの発生するポイントがあり、どのような順番で巡ったかによってエンディングが変わる仕組みになっている。エンディングに到るには少なくとも3つのポイントを巡る必要がある。
そのエンディングは実に48種類あり、バリエーションも豊富である。
普通にヒロインのカイと結婚してバビリムの王になるパターンもあるが、それとは逆にドルアーガをも上回る悪魔に成り果てる結末もある。
変り種で言えば、志半ばで倒れカイが女王となる、力に驕った結果神に剣を抜き石像にされてしまう、自分達を導いてきた女神イシターにかわり新たな神になってしまう、悪魔の声に耳を貸したとして神に見放されるも、善悪の概念を越えて人々を導く賢者となる、宿敵ドルアーガと和解して人間界で共存を図る、神々への信仰を捨て幽閉される、など。
また、そのどれが正規エンディングであるというアナウンスは特にない。4つ全部巡れば良いエンディングが得られるわけでもない。
3DダンジョンRPG風の移動画面だが、ギルたちは常に北向きで移動しているため、この手のゲームに慣れていると逆に混乱させられる。
ゲームブックに毛が生えたシステムになってしまい、ゲーム性が殆どない。一応主人公の行動如何によってパラメータが変化するようになっている。
ゲームブックと違い場所の移動や普段の行動の自由はあるが、イベントが発生してしまえば基本的にプレイヤーはギルの旅を見届けることしか出来ない。
そのわりに、途中で迷路やら無限回廊やらをおき、ゲームらしいところを出そうとしていてちぐはぐな感がある。
ナムコクイズを出してくるNPCがいるので、そっち方面で楽しむという手もあり。でもそのクイズもそれほど問題数が多くなく、内輪ネタの強いきらいがある。
タイトル画面で「プロローグ」を選択すると、以下の「バビロニアンキャッスルサーガ」の歴史を振り返ることが出来るため、シリーズ未経験者でも安心。…ただし、シリーズのファンでもないと得しないくらい微妙なゲーム内容のため、実際にはおさらい目的で使われていると思われるが。
嵐の神ラマン、炎の神ガールー、黄泉の神ナーガル、天空の神アヌ、事件の黒幕たる悪魔アンシャー…といった、過去作品ではほとんど触れられてなかった人物が一斉に出てくる。
また『ドルアーガ』ではイシターになりすまして騙まし討ちしてくる敵だった女悪魔サキュバスが、ここだとギルに味方した人物ということになっている。
いずれにしろ、彼らは話の進行によって物語に果たす役割が大きく違ってくることになる。
ドルアーガ1人とっても、ある時は天界への旅を手伝ってくれるいい悪魔(?)になってたり、またある時はギルに逆襲する機会を耽々とうかがっていたり、この世の真実を見つめよとギルを諭す役になってたりと全然違う。
***ネタバレ
-北…ノーヒントだが規模の小さい無限回廊→質問1→質問2。質問に答え間違えたらひとつ手前からやり直し。
-南…船が着いているかいないか。船がないと行くことすら出来ない。
--行った先では全てのNPCから話を聞く必要があるが、1人やたらに話の長い爺さんがいるのでプレイヤーからかなり嫌われている。船の有無と併せて今作でも最悪の足止めポイント。
-東…迷宮。進行によってヒントがあったりなかったりする。わりと複雑だが右手法か左手法で何とか抜けられる。
--ギルたちが常に北向きのせいで、一番混乱しやすいポイント。
-西…無限に広がる砂漠。西にx歩、北或いは南にy歩進むとイベントが起こる。
--ゲームの進行次第で、ポイントのヒントが詳細にある場合、方角のヒントのみがある場合、全くノーヒントの場合に分かれる。
南に船がなかったり西と東のヒントがなかったりする場合、ギルのパラメータを変化させれば道が開ける場合もある。しかしどのパラメータがどのフラグに関係するのかのヒントはない。
**評
慣れてしまえば1周20分程度しかかからないため、マルチエンディングといってもうんざりしたくなるほど苦労はしない。
しかし今までのシリーズと毛色が違いすぎる上にエンディング以外のやりこみ要素がゼロに等しいため、BCSファンを困惑させた模様。少なくともこの内容で9800円は暴利であると言える。
**バビロニアンキャッスルサーガの時系列
-&bold(){エピソード0 カイの冒険}
--ドルアーガが所持しているロッドを取り返すため、カイが単身で塔の最上階を目指す。
-&bold(){エピソード1 ドルアーガの塔}
--ドルアーガに捕らえられたカイを救うため、ギルガメスが単身で塔の最上階を目指す。
-&bold(){エピソード2 イシターの復活}
--ドルアーガを倒し、ロッドを取り返したギルガメスとカイは、主のいない塔から脱出する。
-&bold(){最終エピソード ザ・ブルークリスタルロッド}
--塔の最下まで戻ったギルガメスとカイ、その後の展開。
**余談
操作方法やゲームの目的を教えてくれる人がいるが、彼の話を最初から最後まで聞くと、おまけで説明書には記載されていないRボタンの使い方を説明してくる。
しかし、その内容が「ゲームがほぼ完成したというのに、中村光一氏の要望で急遽入れることになった」という、どこか穏やかではない裏話となっている。
後にドリームキャストの「シェンムー」を見た遠藤氏が「本作と似たようなことをしようとしてる」と思ったらしい。
[[参考リンク>http://druaga.to/qanda_dog.html]]
*ザ・ブルークリスタルロッド
【ざ・ぶるーくりすたるろっど】
|ジャンル|アドベンチャー|&amazon(B000068H4R)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|16MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|ナムコ|~|
|開発元|ゲームスタジオ|~|
|発売日|1994年3月25日|~|
|定価|9,800円|~|
|プレイ人数|1人|~|
|セーブデータ|50個|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|シリーズ最終作&br()まさかのADV&br()やや理不尽な足止め&br()どちらかと言えばファンアイテム|~|
|>|>|CENTER:''[[バビロニアンキャッスルサーガシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
『バビロニアンキャッスルサーガ(BCS)』シリーズの第4弾及びエピソード3として発売されたアドベンチャーゲーム。~
RPG風のアクションゲームとして話題になった『[[ドルアーガの塔]]』及び『[[イシターの復活]]』の続編にあたり、シリーズの最終章でもある。~
正式なタイトルは『Destiny of GILGAMESH(ギルガメスの道)』であり、原案の遠藤雅伸氏は英字タイトルからDOGと呼んでいる。
マルチエンディング制のアドベンチャーゲームとなっており、その結末は様々。
**ストーリー
>バビリム王国王子ギルは、魔物犇めく塔の最上階に潜む悪魔ドルアーガを打倒して~
ブルークリスタルロッドの奪還と囚われたイシターの巫女カイの救出を果たし、~
主を失って崩れ行く塔からの生還を果たした。~
そしてブルークリスタルロッドを天界に返上するため、天界に登る資格を得るための試練を受けるべく、~
カイと共に新たな旅に出るのであった。
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**特徴
-従来シリーズからがらりと変わり、アクション性皆無の純粋なアドベンチャーゲームとなっている。
--主な舞台となるバビリムの街を中心として、北・南・東・西にそれぞれイベントの発生するポイントがあり、どのような順番で巡ったかによってエンディングが変わる仕組みになっている。
--エンディングに到るには少なくとも3つのポイントを巡る必要がある。そのエンディングは実に48種類あり、バリエーションも豊富。
---3つのポイントで止めて天界へ行くとバビリムの王となる(その後の運命は行った場所により変わる)。4つのポイント全てを回ると変り種のエンディングになることが多い。
---なおセーブスロットは50個もあるので、コンプリートしたい人でも安心。
-大量の結末が用意されているが、遠藤氏の意向によりいわゆる正解は存在しない。~
内容自体はハッピーエンドからバッドエンドまで多種多様だが、全てのエンディングは等価値であり、どれがバビロニアンキャッスルサーガの正当な結末たりうるかはプレイヤーの意思に委ねられている。
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**問題点
-移動画面は3DダンジョンRPG風だが、ギルたちは常に北向きのまま移動しているため、この手のゲームに慣れていると逆に混乱させられる。
-ギルには隠しパラメータが幾つか設定されており、イベント中での行動によって上下するようになっている。~
しかし本作でのストーリーはあくまで「ポイントをいくつ、どういう順序で巡ったか」により分岐するため、パラメータはエンディングの内容に直接は関与しない。
--ただし、特定のパラメータを変動させていなければポイントに関するヒントがなかったり行くことさえ出来なかったりし、特定の障害を突破するための方法が変化することもある。~
また高ければいいというものでもなく、上げ過ぎたせいで却って道が塞がることや、下がってないと道が開けない場合もある。
--いずれにしろ、何をどういじれば道が開けるかについてのヒントはかなり少ない。
---皆無とは言い切れず、女神イシターとの問答に答えが隠されている可能性もある。例えば「正義を信じられなくなりましたか?」と聞かれた場合「正義」のパラメータをわざと下げると道が開ける。
--ちなみにパラメータ操作が必要なストーリーについては、チュートリアル役の人が「プレイヤーが望むような展開になるとは限らんぞ」とわざわざ釘を刺してくれるとおり、変な話になりがち。
-結局突き詰めると「4択→3択→2択→2択で選択肢が4つ」ということになってしまい、結末の豊富さに反してゲームの過程は薄味と言える。~
エンディング到達までにかかるプレイ時間自体も短い。
--そのためか、明らかな尺伸ばしと受け取れる要素がチラホラある。~
「大量の質問にすべて応えて正解しなければならず1つでも間違えると入り口に戻されるダンジョン」「延々と歩かされる迷路」「延々と長話を聞かせてくるNPC」など。
--また、ナムコクイズを出してくるNPCがいるが、それほど問題数が多くない上、内輪ネタが強いきらいがある。
**評価点
-シナリオにより難易度差はあるものの、慣れてしまえば1周20分程度(短いシナリオならそれ以下も充分可能)しかかからないため、うんざりさせられるようなことはない。
-タイトル画面で「プロローグ」を選択すると、以下の『バビロニアンキャッスルサーガ』の歴史を振り返ることが出来るため、シリーズ未経験者でも安心。
-嵐の神ラマン、炎の神ガールー、黄泉の神ナーガル、天空の神アヌ…といった、過去作品ではほとんど触れられてなかった人物が一斉に登場し、シリーズの世界観がより深く掘り下げられている。
--旧シリーズ以来の人物でもサキュバスはPCエンジン版の設定を踏襲し、悪魔ながらギルに味方した人物として登場する。
--またPCE版で初登場したアンシャーは、バビリムが戦争で滅ぶきっかけを作り、また復活したドルアーガを倒すべくギルをけしかけた、いわばBCSシリーズの黒幕という立場を与えられた。((これに伴い『イシターの復活』のラスボスであったアキンドナイトは「アンシャーの手駒」と再設定されている。))
--いずれにしろ、彼らは話の進行によって物語に果たす役割が大きく違ってくることになる。遠藤氏が「マルチエンディングではなくマルチストーリーを目指した」と語った所以であろう。
---最も極端な例は初代以来の悪役であるドルアーガ。ある時は天界への旅を手伝ってくれるいい悪魔(?)になっていたり、またある時はギルに逆襲する機会を耽々とうかがっていたり、この世の真実を見つめよとギルを諭す役になってたりと全然違う。彼ほど極端ではないが他の神々も然り。
-グラフィック
--シリーズ通してのデザイナーである篠崎雄一郎氏の手によるキャラクターデザインを踏襲した温かみあるデフォルメタッチの絵で統一されており、美麗に描かれている。
-懐かしいBGM
--BGMは新曲の他、過去シリーズの曲のアレンジも使われており、シリーズ経験者には懐かしさがあふれている。
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**総評
大きな人気を集めたアーケード作品の家庭用オリジナルの最終作品となった本作だが、今までのシリーズと毛色が違いすぎる上にエンディング以外のやりこみ要素がゼロに等しいため、ファンを困惑させてしまった。~
9800円の高値に見合う内容とは言い難いが、マルチエンディングの多様性は評価できる点であろう。生みの親である遠藤氏は後に「ブルークリスタルロッドこそが本当の意味でのマルチエンディング制である、と今でも信じている」と発言している。ただハードの性能がそれを表現するには力不足であったことが悔やまれる。
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**余談
-操作方法やゲームの目的を教えてくれる人がいるが、彼の話を最初から最後まで聞くと、おまけで説明書には記載されていないRボタンの使い方を説明してくる。
--しかし、その内容が「ゲームがほぼ完成したというのに、中村光一氏の要望で急遽入れることになった」という、どこか穏やかではない裏話となっている。
-後にドリームキャストの『[[シェンムー>シェンムー 一章 横須賀]]』を見た遠藤氏が「本作と似たようなことをしようとしてる」と思ったらしい。
[[参考リンク>http://druaga.to/qanda_dog.html]]
-後に作られたアニメ版『ドルアーガの塔 ~the Aegis of URUK~』の世界設定は、本作のエンディングの一つ「偉大なるウルク王伝説」から取られていることを後に遠藤氏が語っている。
--さすがにエンディングの設定そのままではなく改編されているようだが、アニメをより楽しんでみるためには、少し役に立つかもしれない。