「ヒーローズファンタジア」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ヒーローズファンタジア - (2013/07/23 (火) 05:12:33) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*ヒーローズファンタジア 【ひーろーずふぁんたじあ】 |ジャンル|クロスオーバーRPG|&amazon(B005MHQOBU)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ウィッチクラフト|~| |発売日|2012年1月19日|~| |価格|6,280円(税込)|~| #contents(fromhere) ---- *概要 -バンダイナムコゲームス(バンプレストレーベル)から発売された、スパロボシリーズのように複数の作品がクロスオーバーするRPG。本作では特殊能力を有したヒーロー・ヒロインが登場する作品同士のクロスオーバー作品である。 -参戦作品は1990年代から2000年代にかけて放映された10作品。 #region(参戦作品(オリジナル除く)) |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(blue){''アニプレックス''}|R.O.D -READ OR DIE-| |~|DARKER THAN BLACK -黒の契約者-| |~|DARKER THAN BLACK -流星の双子-| |~|BLOOD+| |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(red){''サンライズ''}|ケロロ軍曹| |~|スクライド| |~|舞-HiME| |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(green){''J.C.STAFF''}|スレイヤーズREVOLUTION| |~|魔術士オーフェン| |~|魔法戦士リウイ| #endregion -主人公も存在する現実世界とアドロアスと呼ばれる異世界を行き来し、現実世界の侵略を目論む大魔導師アーヴィンの野望を阻止するのが最終目的となる。 --ちなみに参戦作品のうち大部分は次元の亀裂により別世界から現れている。 *システム ''ユニット編成'' -プレイヤーキャラクターは基本的に本作オリジナルの主人公に依るが、ストーリーが進み登場作品が増えるとパーティーからオリジナル主人公を外して戦闘人員を編成することができる。 --ただし、戦闘パーティー人員の選択は作品単位であるため、キャラクター単体でのパーティー編成は不可能。また各キャラによって攻撃を行うためのポジションは決まっており、前列で戦うキャラを後列に配置した場合そのキャラは戦えない(逆も然り)。 --ストーリー進行に伴い作品毎にパーティー編成がアンロックされて行き、最終的には好きなメンバーでパーティーを組めるようになる。 ''バトル'' -戦闘は○・×・△・□のそれぞれの場所に配置したキャラクターで戦う。十字ボタンで各キャラやポジションを変更することができる。 -本作におけるライフは''ヒーローポイント''と呼ばれる物で、コンボを繋げていくと回復するようになる。またHPは一つのユニットで共通の物なので、隊列を変えても同じ。 --攻撃を行うとAPを消費し、APが100以下になるかターンエンドを選択すると相手ターンになる。APを多く使うと追撃も可能になり、与えられるダメージ量も上がる。 --必殺技はAPの他にもPPを消費して発動する。コンボに繋げることはできないものの、発動するとそのキャラが装備している「スピリット」によって、フィールドに能力の強化・弱化等の影響を1~6ターン程度及ぼすことができる。 -HPが0になっても、他のキャラが攻撃を受けることで少しずつ回復していく。半分以上回復した状態でそのキャラのボタンを押せば戦線に復帰できる他、完全回復した状態で蘇生させると、一定ターンHPとPPが減らず、固有の戦闘時BGMが流れる「''英雄モード''」に突入する。 --ちなみにカスタムサントラを設定可能な状況になっていれば、英雄モード時の音楽を任意のものに変更できる。 ''クロスオーバー状態'' -2作品以上のキャラが戦闘に参加しており、すべてのキャラが一度は攻撃を行なった場合に発生。コンボが終了するまでクリティカルの発生率が3倍となる。本作では''会心だと必中''になるので会心率が34%以上の攻撃はすべて必中となる。 ''アシスト効果'' -攻撃キャラのボタンが押された時、攻撃を行なっていないキャラからアシスト効果を受けることができる。アシスト効果は待機中のキャラが装備しているアクセサリによって固定であり、攻撃・命中・会心・魅力のいずれかを増加させる。そのため、見栄え以外に2人以上のキャラが同時に攻撃を行うメリットはない。 *評価点 -ダンジョンマップ内にある「ジェネレータ」を操作することで、エンカウントの発生確率を任意に変更できる。 --次回訪れた時スムーズに移動できるようにするためエンカウントを無しにしたり、資金・経験値稼ぎのためにエンカウント率を上昇したりできる。 -補助知識兼やり込み要素の「ナレッジ」。 --宝箱やドロップアイテムとして入手できる「知識」と呼ばれる物。作中ではほとんど触られないアドロアスやS.I.R.に関する過去などの情報が見られるようになる。あくまで補助知識なのでゲーム攻略には関係ないが、集めるだけでも意外と楽しい。 -今までになかった独特の戦闘システム。最初はやや複雑に感じられるが、意外に奥が深い。 *難点 -マップに自キャラの位置が表示されない。そのためたまに自分がどこを歩いているのか分からなくなることもある。 -前述の通り、大半の作品は別世界からやってきているため原作再現はほとんどない。物語の中核を構成しており、かつ原作終了まで話が進むのはスクライドと舞-HIMEのみ。他の作品は途中で終わってしまう。 -最大の売りであるはずのクロスオーバーに関しても、スパロボシリーズのような作品の設定面における綿密なクロスオーバーは期待しない方がいい。 -作中で幾度も起きるイベントシーンが非常にしょぼい。 --一枚絵が挿入されることはなく、ほとんど紙芝居状態。一部のイベントバトルでは''敵が撤退したシーンすら挿入されず、普通に戦闘が終了''してしまうこともある。そのせいで倒したのか逃げたのかたまにわからなくなることも。 --一部の敵キャラは必殺技使用時でも台詞をしゃべらない。さらに会話中は唐突に台詞に声が入る。 -ダンジョンの仕掛けは「スイッチを押すと扉が開いたり橋が架かる」程度の物。この手のゲームに慣れているプレイヤーから見れば物足りない。 -雑魚・ボス問わず戦闘がかなり長引くため、テンポが悪く感じる。 -一部キャラの性能が極端。弱い・使いづらいキャラとしては低ステータスのマリク、スキップ不可能の必殺技持ちのクリーオウ&ドレイク&ミレル、ギガスレイブの性能がハイリスクなくせにローリターンなリナなどが挙げられている。 --但し、クロスオーバー効果やアシスト効果を理解すると、通常攻撃の威力のみ師匠のオーフェンを上回るマリクやリナのギガスレイブならラスボスの体力を1/3は削れてしまうため、愛でカバー出来なくは無い。 *総評 -全体的に見るとまだまだ荒削りで雑な部分も目立つ惜しい作品。しかし「スパロボシリーズとは別のクロスオーバー作品」を作り出したという点は評価できる。 -戦闘のテンポを良くしたり、ダンジョンの仕掛けが凝っていたり、クロスオーバーがもっと壮大だったなら評価はさらに上がっていたかもしれない。
*ヒーローズファンタジア 【ひーろーずふぁんたじあ】 |ジャンル|クロスオーバーRPG|&amazon(B005MHQOBU)| |対応機種|プレイステーション・ポータブル|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ウィッチクラフト|~| |発売日|2012年1月19日|~| |定価|6,280円(税込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|『スパロボ』的な御祭りゲーム&br()戦闘システムは好評&br()''不愉快で残念なオリジナル要素''|~| |>|>|CENTER:''[[バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズリンク>バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[富士見ファンタジア文庫シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- *概要 -バンダイナムコゲームス(バンプレストレーベル)から発売された、[[『スーパーロボット大戦』シリーズ>スーパーロボット大戦シリーズ]]の様に複数のアニメがクロスオーバーするRPG。本作の参戦作品は特殊能力や魔法を有したヒーロー・ヒロインによるバトルもので揃えている。 -参戦作品は1990年代から2000年代にかけて放映された10作品。 #region(参戦作品(オリジナル除く)) 左列は製作会社の社名。 |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(blue){''アニプレックス''}|R.O.D -READ OR DIE-| |~|DARKER THAN BLACK -黒の契約者-| |~|DARKER THAN BLACK -流星の双子-| |~|BLOOD+| |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(red){''サンライズ''}|[[ケロロ軍曹>ケロロ軍曹シリーズ]]| |~|スクライド| |~|舞-HiME| |BGCOLOR(#eeeeee):COLOR(green){''J.C.STAFF''}|[[スレイヤーズREVOLUTION>スレイヤーズシリーズ]]| |~|魔術士オーフェン| |~|魔法戦士リウイ| #endregion -現実世界(主人公はこちら側の人間)と異世界「アドロアス」を行き来し、現実世界の侵略を目論む大魔導師アーヴィンの野望を阻止するのが最終目的となる。 --ちなみに参戦作品のうち大部分は次元の亀裂により別世界から現れる流れになっている。 ---- **システム ''ステータス強化'' -本作でのステータスは攻撃・命中・会心・魅力といった各種ステータスや技性能にパーティ全体のレベルに依存するポイントを割り振る形。 --結果、多数キャラクターが参加するゲームにありがちな、「後に仲間になるキャラが妙に有利/不利」といった事態を回避できている。 --割り振らなかったポイントはHP・PP(後述)に還元される。そのため、キャラの強化が弱化にもつながるという絶妙なシステムになっている。 ---キャラによって増加するHP・PPの割合はそれぞれ異なるため、役割の分担も重要。 ''ユニット編成'' -プレイアブルキャラは基本的に本作オリジナルの主人公に依るが、ストーリーが進み登場作品が増えるとパーティーからオリジナル主人公を外して戦闘人員を編成することができる。キャラによっては攻撃ではなくHPを回復する者もいる。 --ただし、戦闘パーティー人員の選択は作品単位であるため、キャラクター単体でのパーティー編成は不可能。また各キャラによって攻撃を行うためのポジションは決まっており、前列で戦うキャラを後列に配置した場合そのキャラは戦えない(逆も然り)。 --ストーリー進行に伴い作品毎にパーティー編成がアンロックされて行き、最終的には好きなメンバーでパーティーを組めるようになる。 ''バトル'' -戦闘は○・×・△・□のそれぞれの場所に配置したキャラクターで戦う。十字ボタンで各キャラやポジションを変更することができる。 -本作におけるライフは''ヒーローポイント''と呼ばれる物で、コンボを繋げていくと回復するようになる。またHPなどは一つのユニットで共通の物なので、隊列を変えても同じ。 --メインのアタッカー以外はあえてポイントを割り振らず、HP・PPの底上げに使うという手段も重要。 --攻撃を行うとAPを消費し、APが100以下になるかターンエンドを選択すると相手ターンになる。APを多く使うと追撃も可能になり、与えられるダメージ量も上がる。 ---攻撃はミス・防御・ヒット・クリティカルのいずれかで判定される。また、防御のパラメータは被ダメージを下げるのではなくこの判定に影響する。 --必殺技はAPの他にもPPを消費して発動する。コンボに繋げることはできないものの、発動するとそのキャラが装備している「スピリット」によって、フィールドに能力の強化・弱化等の影響を1~6ターン程度及ぼすことができる。 ---これは敵キャラの必殺技も同様であり、同系統のスピリットは加減算され、異なる系統のスピリットは上書きされる。内容次第では予想以上のピンチやチャンスにつながるので、ちゃんと把握しないとクリアが難しくなる。ちなみに、ボスキャラなどは低消費でスピリットの書き換えだけを行う技もある。 --敵は一度に数人現れるが、誰を狙うかは選択できず、ダメージを与えることで減っていく。 --基本的にフルメンバーで戦うのが有効だが、少人数での戦闘は隊列移動で攻撃を回避するという戦法が使える。 ---相手の攻撃決定から被弾まで若干のタイムラグがあるため、APの消費量から攻撃を特定して隊列移動をすることが可能。範囲攻撃も結構あるので万能ではないが、相手によってはダメージを大幅に抑えられる。 ---他にも少人数で戦う場合クロスオーバーがやり易い、APをアタッカーに多く回せるといった攻撃的な戦い方を取ることができるので序盤の戦闘をスムーズに進められる。 -HPが0になっても、他のキャラが攻撃を受けることで少しずつ回復していく。半分以上回復した状態でそのキャラのボタンを押せば戦線に復帰できる他、完全回復した状態で蘇生させると、一定ターンHPとPPが減らず、固有の戦闘時BGMが流れる「''英雄モード''」に突入する。解除されるまで、そのキャラは必殺技が撃ち放題である(一部必殺技に使用回数制限があるキャラは別)。 --あえてすぐ回復せずに英雄モードを狙うか、戦線維持のためにさっさと復活させるか、状況に応じて柔軟な判断が必要。このシステムのおかげで、''ダメージを受ける事さえも一概に「デメリット」とは言えない''。 --ちなみにカスタムサントラを設定可能な状況になっていれば、英雄モード時の音楽を任意のものに変更できる。メモリースティック内にキャラのフォルダがあるので、そこに音楽データを入れればそちらが再生される。 ''クロスオーバー状態'' -2作品以上のキャラが戦闘に参加しており、すべてのキャラが一度は攻撃を行なった場合に発生。コンボが終了するまでクリティカルの発生率が3倍となる。本作では会心判定が命中判定よりも優先される=''会心だと必中''になるので会心率が34%以上の攻撃はすべて必中となる。 ''アシスト効果'' -攻撃キャラのボタンが押された時、攻撃を行なっていないキャラからアシスト効果を受けることができる。アシスト効果は待機中のキャラが装備しているアクセサリによって固定であり、攻撃・命中・会心・魅力のいずれかを増加させる。そのため、見栄え以外に2人以上のキャラが同時に攻撃を行うメリットはない。 **評価点 -「『スパロボ』的なクロスオーバー作品!」という事。 --アニメのお祭りゲーは『[[少年ジャンプ>少年ジャンプシリーズ]]』『[[電撃文庫>電撃文庫シリーズ]]』の様に、版権元が同じ作品だけで構成される事が殆ど。いざ実現したとしても『スパロボ』『[[NAMCOxCAPCOM]]』の様にストーリーや設定の再現・クロスオーバーをする事は割と少ない。 --版権元に囚われず、ストーリーも再現したりクロスオーバーする、いわば「『スパロボ』ライク」とでもいうべきゲームの出現は多くのアニメファンの夢であった。 ---しかし、後述の通り『スパロボ』の様な設定も絡めた綿密なものは期待しない方がいい。 -ダンジョンマップ内にある「ジェネレータ」を操作することで、エンカウントの発生確率を任意に変更できる。 --次回訪れた時スムーズに移動できるようにするためエンカウントを無しにしたり、資金・経験値稼ぎのためにエンカウント率を上昇したりできる。 -補助知識兼やり込み要素の「ナレッジ」。 --宝箱やドロップアイテムとして入手できる「知識」と呼ばれる物。作中ではほとんど触られないアドロアスやS.I.R.に関する過去などの情報が見られるようになる。あくまで補助知識なのでゲーム攻略には関係ないが、集めるだけでも意外と楽しい。 ---アドロアス絡みの内容は正直気が滅入るものもあるので注意。 -今までになかった独特の戦闘システム。最初はやや複雑に感じられるが、意外に奥が深い。 --上記のように、有利と不利が両立するようなシステムが複数搭載されているため、慣れると一見不利な事態さえもまさに物語のヒーローのように劇的に巻き返すことができる。 --システム活用の程度によって難易度が劇的に変化するなど、ゲームバランスに関しては良好。 ---- **問題点 ***ゲームシステム等の問題 -マップに自キャラの位置が表示されない。そのためたまに自分がどこを歩いているのか分からなくなることもある。 -ダンジョンの仕掛けは「スイッチを押すと扉が開いたり橋が架かる」程度の物。この手のゲームに慣れているプレイヤーから見れば物足りない。 -仕様を理解できていないと、雑魚・ボス問わず戦闘がかなり長引くため、テンポが悪く感じる。 --逆にゲームシステムを把握すれば最初から最後まで雑魚戦は数十秒~1分、ボス戦も数分で終わるため非常にテンポが良くなる。 ---序盤を例に挙げると、知識のない状態では雑魚敵相手にも必殺技を連発する必要があるが、仕様を理解すれば同じ相手でも通常攻撃数回で倒せるように設計されている。ゲームが進行すれば火力が上がるので、後半になるほどこの傾向は顕著になる。 -一部キャラの性能が極端。弱い・使いづらいキャラとしては低ステータスのマジク、スキップ不可能の必殺技持ちのクリーオウ&ドレイク&ミレル&ジーニ、ギガスレイブの性能がハイリスクなくせにただ撃っただけでは通常攻撃すら下回るリナなどが挙げられている。 --但し、クロスオーバー効果やアシスト効果を理解すると、通常攻撃の威力のみ師匠のオーフェンを上回るマジクやリナの当たるように調整したギガスレイブならラスボスの体力を1/3は削れてしまうため、愛でカバー出来なくは無い。好意的に見れば上級者向けのキャラということだろう。 -一部ボスなど、難易度が高い敵がいる。基本的にシステムを把握・駆使しないと、レベルが不足している場合は追い込まれやすい。 --一方、理解さえしてしまえば何とでもなる。特に、2周目に行える高難易度モードは''雑魚とのエンカウント一切なし''というものなのでレベル上げができず、戦術のみでクリアする必要がある。探索は楽だが。 ---高難易度モードはエンカウント無しの代わりに''経験値3倍''なので、序盤はボス戦を経ることで通常プレイよりもレベルが高めになるようになっている。そのため一概に難易度が高いとも言えず、プレイヤー自身の成長を実感しやすい。 ***ストーリーやキャラゲー面の問題 -時折炸裂する、驚く程のご都合主義展開。 --クルル曹長が[[ドラえもん>ドラえもんシリーズ]]に見えてくる事必至。ドラえもんはただ道具を出すだけなので、天才発明家ポジションのクルルの場合はキテレツに近いが。 -作中で幾度も起きるイベントシーンが非常にしょぼい。 --一枚絵が挿入される事はなく、殆ど紙芝居状態。一部のイベントバトルでは''敵が撤退したシーンすら挿入されず普通に戦闘が終了''してしまう。そのせいで倒したのか逃げたのかたまにわからなくなる事も。 --一部の敵キャラは必殺技使用時でも台詞をしゃべらない。さらに会話中は唐突に台詞に声が入る。 -原作再現や、最大の売りであるはずのクロスオーバーが薄味。 --物語の中核を構成しており、かつ原作終了まで話が進むのは『スクライド』と『舞-HIME』のみ。他の作品は途中で終わってしまう。 ---必殺技の演出なども、この2作品は優遇されがち((カズマは二形態ある上に第一形態は使用回数によってムービーが変化し、舞-HIMEは一人を除いて全員ムービー付き。))。『ケロロ』のキャラも出番自体は割とある。逆に『BLOOD+』や『R.O.D.』などは異様に扱いが悪いキャラが散見される。 --原作再現については、大半の作品が別世界からやってきていることにされているのが原因の一つと思われる。かといってクロスオーバーでカバーされてる訳でもないのが致命的。 ---黒と銀との仲に嫉妬を見せる蘇芳(『DTB』本編では見れない展開)や、矜持が他作品キャラと組んで暴走した結果''原作より早く見限られるジグマール''など、クロスオーバーが全く無いわけではない。 -オリジナル要素であるアドロアス絡みの設定・描写が揃いも揃って悪い。しかもヒーローを前面に押し出した作品なのに、''タイトルに反してヒーロー系王道の三本柱“友情・努力・勝利”が片っ端からへし折られている''。 --キャラで言えば、''世界の為に「死ね」と言ってくる味方''の姫、''主人公達を利用する為なら平気で嘘をつく味方''魔術師、''人の話を聞こうともしない敵幹部達''、やった事もやっている事も''最低な諸悪の根源''((騒動の原因である凶獣“レイン”を生み出して世界を壊滅させ、それを隠して最高位に居座り続け、最終的にはアドロアスを捨てる気満載、という有様。))と、味方ですらフォローする気があまり起きないメンツとなっている。 --世界の方も相当であり、遺伝でのみ引き継がれる魔法によって立場や職が決まり、継承した魔法以外の''努力をすると莫迦にされる''始末((そもそも「努力」という言葉すらない地域もあるらしい。))。そして、建築・芸術・医療など非常に幅広いせいでそれらは使い手に丸投げ状態で発展する可能性もまずない。味方を含めて''友情とかの絆も芽生え様がない''。 --異世界の人間がやったバカに巻き込まれて異世界に飛ばされ、その騒動のせいで予想外の被害を受けていたことが発覚し、そんな悪縁しかない上に歪すぎる構造をした世界のために「死ね」と言われる。加えて、人類は一握りどころか一摘み程度((開始時点で既に世界人口1万人(術師や兵士もいたが、最終的に壊滅)。当然前述の魔法体系はほぼ壊滅状態なので、文明としても破綻している。))しか生存しておらず、ほかの生態系も壊滅的((次元の亀裂から二酸化炭素と酸素が破壊する(=動植物は全て死滅する)霧が噴出し、世界中をほぼ覆ってしまっている。終盤、止めと言わんばかりに大量の霧が発生しているのでもはや生存している生命がいるかすら不明。))なので、守る意義すらあまりない。''勝利への意欲を削ぐ設定・展開をぶち込んでどうする。'' ---尤も当時の流行りから、参戦作品は友情・努力・勝利を鼻で笑う所謂“ダークヒーロー”作品が少なくないのだが。クロスオーバー作品でそれを再現するべきかどうかは置いといて…((『スパロボ』では「不幸主人公の救済ストーリー」などが人気である。))。 ---特に『DARKER THAN BLACK』シリーズと『BLOOD+』は3要素完全否定な作品と言える((一応原作でも勝利はしているが、ハッピーエンドとは程遠い。))。そもそも所謂“異能バトル物(『スクライド』『舞HiME』含む)”は努力よりも才能(+知恵)である。 --評価できるのは主人公と助手、見た目だけなら''露出度の高い恰好''をしている[[アプトリオ>https://www.4gamer.net/games/139/G013929/20111128010/SS/002.jpg]]((前述の敵幹部の一人である若き魔導士。“味方じゃないのが非常に残念。”せめて性格さえまともならまだ良かったのに何とももったいない。))ぐらい。 -限定版には''作中の会話にボイスが付いた''UMDが同梱。声優を起用する予算が足りないのだろうか?『スパロボ』などと比べるとどうしても「''それは標準仕様にしろよ!''」と感じ見劣りしてしまう。 ---- **総評 全体的に見ると荒削りで雑な部分も目立つ惜しい作品。しかし「『スパロボ』とは別のクロスオーバー作品」を作り出したという点は評価できる。~ 前述の通り、なぜか戦闘システム・オリジナル設定・2周目要素に背反する要素が盛り込まれているが、意図したものなのかは不明。戦闘のテンポを良くしたり((戦闘のテンポについては仕様を把握できるようになれば、プレイングで大幅に改善可能。そのため、システムの問題というよりプレイヤー自身の理解度の高さに依る部分が大きい。))、ダンジョンの仕掛けが凝っていたり、クロスオーバーがもっと壮大だったなら評価はさらに上がっていたかもしれない。~

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: