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パワプロクンポケット14 - (2021/09/15 (水) 19:46:08) の最新版との変更点

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#contents() ---- *パワプロクンポケット14 【ぱわぷろくんぽけっとじゅうよん】 |ジャンル|野球バラエティ|&amazon(B005N60RWC)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|1024MbitDSカード|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|コナミデジタルエンタテインメント(パワプロプロダクション)|~| |発売日|2011年12月1日|~| |定価|5,250円|~| |判定|なし|~| |ポイント|賛否両論の過去主人公・ヒロインの「正史」&br()路線変更の裏サクセス&br()新モード「トツゲキ甲子園」は好評&br()シリーズ最終作を意識して作られた&br()''いつの時代でも、最後は子供がヒーローさ。''|~| |>|>|CENTER:''[[パワプロクンポケットシリーズリンク>パワプロクンポケットシリーズ]]''| **概要 -本家とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきたパワプロクンポケットシリーズの15作目(外伝の[[ダッシュ>パワポケダッシュ]]は含み、リメイクの『[[1・2>パワプロクンポケット1・2]]』を除いてカウント)にして表サクセスのシナリオ最終作。 --表サクセスは魔球リーグ編。「ダッシュ」以来の小学生主人公が、これまでのパワポケに登場したヒーロー・超能力者・アンドロイドといった人々と共に世界に変革をもたらすカタストロフに立ち向かう。 --裏サクセスは独自のカードゲームになった「札侍編」 --グッピーを進化させた「トツゲキ甲子園」も初登場。 --キャッチコピーは''今度のパワポケはド派手!'' **ストーリー -『魔球リーグ編』~ ある日、居酒屋で飲んでいた三人のメガネは、その帰りに一人の赤ん坊を抱いた女性が倒れているのを発見する。~ 数年後、三人のメガネによって育てられたその時の赤ん坊である主人公は小学生6年生になり、少年野球チーム、ビクトリーフィンチーズに投手として所属していた。~ デビュー戦にて、上級生のいた男ホームランズに滅多打ちを食らいピンチになってしまうが、その時必死で投げた球が魔球に変化。世界初の「魔球を投げた少年」として一躍有名になることになる。~ しかし、これが後に世界を大混乱に陥れる『カタストロフ』の始まりだった…。 -『札侍編』~ 野球札と呼ばれるカードを使って江戸時代を駆け巡る、野球カードバトルゲーム。 ---- **本作独自の要素 -ガッツゲージを消費して三振を確定で出す魔球やヒットやホームランを確定で出す魔打法が使える「必殺技野球」が追加された。 --本作の表サクセスで主人公が最初に使い始め、ストーリーの根幹にもかかわってくる。 --いつガッツを消費するか。投手側で魔球を使うか、野手側で魔打法を使うかの戦略性もあり、上手く使えば歴代ラスボスでも強豪であるブラックホールズにも対抗する事が出来る。 --なお通信対戦では出来るがWi-Fi対戦では使えない。 -表サクセスは必殺技を使えるかどうかが決まる「ガッツゲージ」があり、また3以来の「ストレスゲージ」が復活。ストレスゲージは溜まるとケガ率が上がるが高くなるとケガ率と経験値が2倍になる「バーニング」になる。 --試合では「抜シーン」があり、決められた勝利条件(3振を取る、ヒットを打つなど)を満たして勝つというモノ。 -「魔球を投げた少年」という設定から、仮に野手を選んでも中盤までは主人公がそれなりのステータスで登板する。 --最初に野手を選んだ場合は最初はライバルだったものの家の事情で仲間になる魔球使い「リョウ」が仲間になってから最初にポジションに転向する展開がある。 -『13』に収録されなかったカード野球がシステムを一新して「札侍編」のシステムとして登場した。 --目押しのようなテクニックはなく、攻撃と守備を繰り返して得点を争い合う。 --こちらのモードも通信対戦は可能だが、Wi-Fi対戦は不可能。 **変更点・追加要素など -野球関連 --『13』に比べると走る速度が全体的に早くなっている。ゲッツーで抑えづらく、ある程度の走力があればスリーベースまで突っ走れる。 ---それでもゲームバランスとしてはパワポケシリーズの中ではDS最終作だけにかなり良い方。「野球だけ楽しむ」なら本作が最も安定しているとも言われている。 ---下画面の走塁操作に全走者を停止させる全ランナーストップのボタンが追加。その代わりスピードアップボタンが1つに戻された。 -システム面 --試合を二死満塁の崖っぷちから始められるイチゲキシステムが追加された。手早く緊張感のある乱打戦を楽しむには良いモードである。 --リアル野球が改善され、ストライクゾーンの高さがリアル等身に合うようになった他クイックモーションが完全再現された。 --選べる球場にサクセス・ペナント専用の2球場が増えた。 --新モード「トツゲキ甲子園」が追加された。詳細は後述。 ---- **賛否両論点 -抜シーンは概ね難易度は低いが「三振を取れ(アウトではNG)」「ヒットを取られるな(という条件に関わらず魔打法を放つ)」など理不尽なものもある。 また仲間を勧誘していない場合にモブキャラに内野守備をやらせると守りがかなり酷いため、エラーを出され負けに繋がってしまう事もある。特にショートの東郷は負の方面でかなり目立つ活躍をしてくれるため、パワポケ恒例の「味方にいる最大の敵」の1人とされている。 -真のラスボスチーム「ブラックホールズ」との戦い前にはセーブ不可能。 -魔球・魔打法のシステムは連打にさえ勝てれば確定三振or確定ホームランと強力であり、特に魔打法でのホームランで敵投手を引きずり下ろしやすい。 --終盤のライバルキャラである黒羽やデリック、アスワンといった強力な投手を魔打法でホームラン引きずりおろしに出来るため彼らの存在感がやや薄い。 --だがアスワンはとある彼女キャラのルートにおける「ハンデ」でガッツを削られ魔打法を打つ余裕がなくなるせいか、強力なラスボスとして立ちはだかる。魔球・魔打法なしのラスボスチームは歴代最強レベルの能力を持つチームだけあってかなりの強敵になる。 ***ストーリー -本作のサクセスは『1』から続いてきた一連のストーリーの完結と銘打たれ、『12』で初登場して台頭してきたジオット・セヴェルスとその直属の者達が起こす「カタストロフ」を阻止する人々の戦いが主となる。 --''この流れ自体がDSパワポケシリーズ最大の賛否両論点ともいえる異能バトル展開の決着なので、この時点で賛否が分かれる。''『13』が異能バトル要素を薄めて高評価されてるのとは対照的。 --本作は主人公に超人的な反応速度と運動神経、「魔球」を持たせることである程度バトル展開に参加させる配慮自体はある。 --世界大会で優勝した後に登場する「ブラックホールズ」(野球漫画の主人公達によるドリームチーム)が襲来。人類と未来を賭けた最終戦で重要な一線を担わせている。 -過去作の登場キャラが多数再登場する。 --事実上の「シリーズ打ちきり」であるため、過去作プレイ済み前提の展開が多い。 --また主人公を取り巻く大人達も過去に登場してきた人物が大半な上、仲間や彼女候補にも過去作のキャラの関係者が非常に多い。 ---そのため本作の主人公も、パワポケ末期にありがちな周囲の面々に振り回されているだけで終わっているという批判もある。 --とはいえ、最終作なので既存キャラクターが多く登場するのはファンにとっては嬉しい。 -シナリオにヒーロー達とジオット軍の最終決戦に主人公が参加する「真ルート」がある。''真ルートのシナリオに関わるヒロインは3人''のみである(その内の2人ヒカル・准は「主人公と結ばれるEND」がない)。 --真ルートの展開は全部飛ばしても長いが、イベントスキップに非対応なため複数の選手を作っている際に周回するのが面倒くさくなる。 --また育成もとある彼女キャラ一強と言われており、最終戦で主人公にハンデを背負わせるものの経験点や特殊能力の取得の効率が異常に良いためオールAも狙いやすく、その上で魔球の属性で得られる超特殊能力を調整出来るため、ライターの贔屓ではないかと嫌悪感を示す意見もそれなりにある。 -これまでパワポケでは正史ヒロインについて明言しないというスタンスを取って来たが、''本作では「とあるヒーロー」「ヒーローの仲間であるとあるキャラ」「とある彼女候補の父親」が過去作の主人公ではないか''と見せかけており、その上で''複数の彼女候補から好意を持たれている(=過去のゲーム本編ではあり得ない複数の彼女ルートを経由した)描写がある''ため賛否が分かれる様子。 ---その内ヒーローに関わる2人は本作の主人公と共闘しているが、とある彼女候補の父親は作中に姿を出さない上にその彼女候補を精神的に追い詰めてしまったと言われているだけで、その理由の描写不足によって不当な評価を受けるハメになってしまった。 ---『10』以降、顕著になった流れだが''バトル展開がミニゲームすら挟まずテキストだけでバトル展開が終わってしまう。'' ---特に『10』からほぼ皆勤賞の大江和那の扱いは、バトル展開の賛否に加えて「本作のとある彼女候補の父親」との関係の描写不足が最後まで賛否が分かれるモノとなってしまった。 ---ただし、ストーリー完結作として『10』からずっとあまり良い目に合っていなかった彼女の話も一つの完結を迎え、そのEDも彼女を心配している人に向けてのメッセージが入っていたりと明るめな内容。 -『12』から登場し、巨悪として君臨するも(一部の彼女シナリオを除き)敵役とはなっていなかったジオット・セヴェルスは本作で明確に敵役となり、今回ようやく初敗北するが、トドメは刺されず今までやらかした事を置いて裏サクセスのエンディングで仲間達と共に楽しそうに終わっている事に批判意見がある。 --とはいえ、ジオットの場合、過去の暗い出来事を見る限りは「これはこれで彼も救われた」という若干ながらも肯定寄りな意見もある。 --ジオットと真ルートで殴り合うのは本作の主人公ではなく『7』から再登場したレッドである。そのレッドもとある過去作の主人公と匂わせているのだが、『7』ではあまり擁護しきれない事を行っていた事を指摘する意見もある。 --近年のパワポケを許容する人からは悪役に徹底したジオットを評価する声もあるが、『シリーズ全体のラスボス』としては『11』以降の流れで登場したキャラであるため「ぽっと出」扱いする人もいる。 ***彼女候補 -総じて癖が強いという見解で通っている。 --本作の主人公が小学生である事から恋愛感情に至らない彼女キャラが多い。ただし紗矢香・姫子・響子はアルバムで成長した主人公が恋愛感情を抱くようになる事を示唆してはいる。 #region(本作の彼女候補) -「阪奈(ハンナ)」は主人公のチームメイトで男勝りな性格。 --その正体は「反エントロピー」というアンドロイドの危険な超能力者ピースメーカーで能力を封印されている。彼女を見守る関係者が多く、「6人組」の甲斐に引き取られた過去があり、彼女の死後は「6人組」の犬井が叔父となって育てられていた。シナリオ中では『8』の彼女候補の白瀬とその協力者と主人公によって護衛される。 --設定としては伏線回収に終始しているものの(同じ仲間ヒロインのヒカルと違って)恋愛感情は感じられない。また犬井や白瀬、マダラやウズキといったハンナを守ろうとする過去のキャラの方が印象深いという意見もある。 --白瀬の作り手である坂田博士も登場。白瀬に寿命が近づいている事を主人公に話す。白瀬の最期の時を見られるのはハンナルートのみである。最後まで笑顔で満足したままビターに逝った姿は物悲しいものの白瀬らしい大往生としてファンの目頭を熱くさせた。 --真ルートではヒーローに関わる人物でありながら空気と化す。とはいえ「親友」としての主人公との絆はどのルートでも明確ではある。ハンナグッドEDではカズに弟子入りしてヒーローとして活躍したらしい。 -「准」は『9』の緑髪ヒロイン・維織のお供キャラとして出つつも攻略不可能の「バグ枠」と呼ばれていたが今回はヒロインへ昇格。 --だが彼女も年齢が親と子ほど離れてるせいか、「恋愛対象」というオチではなく野球好きの少年にスパイクを送ってあげてるお姉さんとしての関係で終わっている。 --「准がようやく攻略可能」という情報でプレイしたけど、恋愛ではない展開にガッカリしたという声も少なからずある。 --ヒカルやさやかと同じく「真ルートだと結末が変わる」ポジションではあるのだが、通常ルートでもあくまでノーマルENDという趣き。真ルートだと「准ねーさん」と呼んでおり、自他共に認める姉弟のような関係で終わっている。 --なお本作には『9』の主人公と同一人物疑惑のあるヒーローが登場しているが、本作でその人物と准の交流はない。 -「ハナ」は犬である。パワポケでは毎回ちょい役で登場していた''犬だが最終作で遂にヒロイン化。''でも犬である。 --宇宙人から地球を守って逝く。何を言っているのかわからないと思うがパワポケではよくあること。 --飼い主の竹本つぐみは主人公のクラスメイトで病弱な少女で、ハナルートを進めると病死してしまう。本作における「どう足掻いても絶望」枠。 -「響子」はいわゆる「ハズレ彼女」のような顔つきで一方的に主人公にアプローチしてくる少女。 --付き合っていくと人の良さが見えてくるので歴代の「ハズレ彼女」よりはマシだが。またグッドEDだと見違えるように可愛くなっている。 --逆にバッドだと主人公は40代になっても独り身だった。アルバムタイトルはなんと「ダメ人間」。 -「姫子」はブギウギ商店街のレストラン「ブランネージュ」でバイトしている男勝りな女子高生。 --ランダム要素が高く攻略難易度が後述の「さやか」とは違う意味で攻略が難しい。だが彼女のルートではおねショタ要素のあるほのぼのエピソードが展開される。 --難易度が非常に高い代わりにバッドEDがない枠。仮に恋愛関係に至らなくても主人公とはお互いに大切な関係として終わるノーマルEDである。 --また准と違ってグッドEDのアルバムでは成長した主人公と恋仲になった描写もある。 -「光(ヒカル)」は転校生のしっかり者だが腹黒な側面もある相棒キャラ。当初は男として主人公に接するが実は女の子(ハンナと違って性別を偽って付き合っていた) --茨木和那のクローンから生まれ、神条紫杏が生み出した戦闘用ロボット「システム」を統率する「TXクイーン(2代目)」だが腕に統率用装置があること以外は普通の女子小学生である。 --トゥルールートではシステム達の戦力を借りたがっていたグントラムに主人公とともに協力。その際にシステムと共に助力するが、主人公への恋愛感情を付け込まれて敵の洗脳能力者に精神をかき乱される。だが主人公の呼びかけで正気に戻る。 ---しかしEDにおいては「火星へ行った主人公を思い出しながら、システムと共に夜空を見上げる」という主人公と結ばれるENDがないバグ枠。なおトゥルールートに関わって来るヒロインが別にいる。後述の「さやか」がそれである。 -「紗矢香(さやか)」は『10』に登場した天月五十鈴の娘で主人公の3つ年下。同ライターの「シズヤ(11)」「漣(12)」も彼女のストーリーに関わり、劇中に出て来てないが「瑠璃花(ダッシュ)」とも交流がある。 --母親の「運勢を操る超能力」をそのまま受け継ぎ、魔球を投げた主人公を「お兄ちゃん」と呼んで懐いてくる妹系キャラ。 --イベント数も多く、「14で純粋に可愛いヒロイン」では姫子と並んで挙げられる事が多いのだが、母親から受け継いだ「運勢を操る超能力」を持っており全国大会前に強制ケガをさせるイベントを行う。なおこのイベントを行わないと敵の洗脳能力者と出くわしてしまい攻略失敗となる。 --本作の「''攻略難易度は鬼畜だが出来上がる選手は強い''」枠。むしろ''本作の表サクセスで強い選手を作るには彼女の真ルート一択''という評価が下されている。彼女とキャッチボールをすることが経験点を稼ぐには最も効率が良い。 ---トゥルールートと兼任出来るほぼ唯一の彼女キャラであり、当該ルートでは主人公と共闘してジオット軍に立ち向かったヒカルへの嫉妬、魔球を投げられなくなる事と主人公が中学生に上がったら一緒に学校へ行けなくなる事の恐怖、家に居ない実父への寂しさ、ジオットのカタストロフが完遂すれば弱者をモンスターから守る正義の味方に主人公と共になれるという思い込みなどから、''主人公を敗北させて世界を滅茶苦茶にするため、ガッツとやる気の大幅減退、これでもかと付け加えられるマイナス得能の付加((ガッツ-100 やる気-10 センス△、ムード△に加えて、投手だと四球、一発、寸前△、対左打者△、回復△、対ピンチ△、スロースターター、キレ△、ノビ△を与え、野手だと三振、エラー、チャンス△、走塁△、左投手△、盗塁△、チームプレイ×、サブポジ△を与えてくる。一番きついのは「ガッツ」が削られる事。))''で妨害してくる。この事から「''14の彼女候補では王道ヒロイン''」という声と「''パワポケ屈指の畜生彼女''」と呼ぶ声もある。 ---更に世界大会の途中で敗退したり、今までの選択肢を誤ると最終戦で勝っても''主人公への罪悪感から飛び降り自殺を図り、植物人間として夢の中で主人公と共に正義の味方ごっこを続けるというBADエンド''になる。「''その現実が嫌だったんだよ!''」と嘆いてフィクションの世界(札侍編)へ逃避したジオットや『10』で相棒の朱里と共に追手と戦い続けるカズと被る結末。 ---ちゃんとさやかの事を第一に考えた上で彼女の地獄のようなマイナス得能を背負って最終戦に勝つと、「さやかが応援してくれてたのは分かっていた」という主人公の赦しを得て、火星へ行く主人公に付き合って共に生きることを選ぶ。''火星へ行く主人公についてくる彼女候補はさやかのみ。'' ---この際、今まで付加したマイナス得能は全部除去され奪った得能の大半を返してくれる。だが''「逃げ球」は返さない。''((この理由を【さやかから逃げない】【さやかが逃がさない】と考えるとしっくり来るという人は多い。)) ---さやかのイベント自体は可愛らしいものが多く「お兄ちゃん魔球なげろー」と可愛い応援をしたり、公園で楽しそうにデレ顔をする。また経験点効率が多いキャッチボールなど基本は協力的ではある。 ---なのだが、最後の最後で世界を滅ぼす事に事実上荷担してしまった事、その罪悪感の大きさゆえにフラグ立てが失敗すれば自殺で更なるバッドENDを味わせようとする姿から事実上のラスボス化(ブラックホールズは野球漫画の二次創作キャラなためか台詞はない)するあたり「ヤンデレ幼女」とも言われている。 ---ただし「真ルート」を通らなければ地獄のような最終戦を行う事はなくフラグ立てもそこまで必要ではなく、さやかも主人公とフィンチーズを応援して終わる。その後のエンディングも真ルートと同じく「数年後もさやかが主人公と交流が続いており、まだ兄妹のような関係だがいずれ恋愛感情に発展する可能性」を示唆している。 ---そして、さやかがここまで能力を暴走させてしまった原因として「''あんまり家に居ないお父さん''」の存在が大きいとプロフィールやさやかの台詞から明言されている。この「さやかのお父さん」についての描写が作中で不足しているためにある誤解を招き、『14』のシナリオ後に最も批判された人物となっている。 ---ただし、さやかは父親に懐いており、その人物がさやかに愛情を注いでいたような節はある。 #endregion ***本作の野球超人伝枠 #region -本作で野球超人伝をくれるのは彼女キャラではなく、持手照男なる36歳で自称フリーターの男性キャラクター。 --ムキオをチームに加えた上でイベントを進行させていくと野球超人伝が入手でき、照男は改心して結婚するが、途中のイベントで選択肢を間違えると野球凡人伝が手に入ってしまい、更に彼はインチキ商売を始めてしまう。 --そもそも男性キャラから野球超人伝を貰うネタ自体は『12』で既にやっていた為、この辺はやや賛否両論である。 #endregion ***裏サクセス「札侍編」 -『ダッシュ』『9』~『12』で使われていたカード野球のアレンジ版だが、そもそも『10』から独自進化を遂げていたRPGからの路線転換そのものが賛否両論である。 -江戸時代をモチーフにした時代劇風カードゲームだが「カードゲームで全部解決する札侍」というネタがあるせいか、今までの裏サクセス以上にどことなくほのぼのとしている。 --負けたら札にされてしまうというネタはあるが、主人公はその上で勝った後に相手を元に戻すし、仮に負けても実質ノーペナルティでやり直せるため。 ---実はトゥルールートで敗北してトドメを刺されずワームホールに飛び込んだジオットも登場するが、むしろ裏サクセスの常連黒幕であるカメダから次元航行システムも兼ねるガンダーロボを奪う「車の運転が得意なおじさん」としての登場。カメダに引導を渡す役回りとも言えるか。 --仲間も『5』の小杉と『13』の真琴がアドバイス要員と掛け合い要員を兼ねて登場する。だが近年の裏サクセスでは仲間数は少ないため、寂しがる声もある。 ---なお小杉はむしろ入れ替わる前の人格=5主人公に近いお人よしな性格。 ---野球人形のパーツは以前より入手しづらくなった。だが特殊能力・超特殊能力が店に並ぶ事もある。 -ゲームシステムは運が絡む、一部カードが強い、CPU戦が最終的に作業になるという意見もあるが、デッキを組む戦略性はそれなりにある。 --負けても一部を除いて即ノーペナルティで再戦が可能なので手札事故で何もできずに負けたりしてもストレスにはなりにくい。 ---逆にこの仕様が緊張感を削ぐという声もある。 --荒削りで人を選ぶ出来だが支持する人も居る。 --今までのパワポケキャラが対戦相手およびサポート札として結構出てくるのは裏サクセスとしても変わらず。主人公の仲間としては小杉と真琴のみだが、使えるカードを全部合わせれば歴代の裏サクセス以上。 ---- **評価点 -ファン向け要素の多さ --過去キャラの再登場はシリーズファンからは高く評価されているほか、熱い展開が多数ある。一例を上げると ---初代主人公の面倒を見てくれてた「外藤」が本作の監督として再登場。 ---4・6の「山田」、6裏の「落田」、7・8の「湯田」の3人のメガネ父さんが主人公にスポ根教育しながらも深い絆で結ばれている関係。 ---イベントによりジオットを止めようとするレッド、最後まで生き様を見せた白瀬などは特に評価されている。 --後述する「トツゲキ甲子園」も過去作のチームと戦えるのでファンには嬉しい。 -全体的に表サクセスは遊びやすくなっている。 --試合開始前にもセーブが可能。以前はDSシリーズでも開始前のステータス上昇くらいしか出来なかった。 --リセットが許される回数が5回から10回に増えた。負けたら基本能力を少し下げる代わりに再挑戦できるようになった。 --小学生4年生以上で習う漢字に読み仮名がつくようになった。 -札侍も今までのRPG形式からガラっと変わった新機軸の対戦システムのモード1発目としてはよく出来ている。 --デッキを組む楽しみや、複数のカードを使ったコンボ、相手の妨害等カードゲームとしての楽しみはしっかり盛り込まれ、強いカードはある物の壊滅的に強いカードは無くゲームのバランスもしっかり取れている。 --カードゲームが上手ければクリアできるのも今までの裏サクセスが苦手だった人には嬉しい。 --ストーリー自体も今までの裏サクセスほど濃くは無いものの、地方色豊かなボスを倒しながら日本全国を旅をする楽しい物となっている。 ---登場する敵キャラも良い人が多く、不快な気持ちにさせられる事は少ない。 --敵キャラが使ってくるデッキも個性が出ている物が多く、一度負けても相手に有効なデッキを組みなおして再戦するというカードゲームらしい楽しみがある。 --ペナルティが軽いことも気軽に挑戦できる要因と言える。これまでの裏サクセスはペナルティで立て直し不可能になることも多かった。 -ミニゲームは概ね好評。 --札侍編ではDSシリーズの歴代おみくじが再収録されている。 -BGMも相変わらず評価が高い。 --表サクセスのラスボス戦「未来と魔球とジンルイ」、トツゲキ甲子園の最終戦「汗と涙は球児の華」はどちらも最終戦にふさわしい曲になっている。 -新モード「トツゲキ甲子園」は概ね好評。 --グッピーをベースにしているシステムだが、難易度選択とそれに伴う主人公の追加と監督・マネージャーとの掛け合いなどが追加された。 --練習試合と全国大会で一定の条件を満たすと敵高校のエースが仲間として引き抜ける展開がある。「難しい」では引き抜いたキャラが即戦力になる事も多い。 ---「やさしい」は成長速度は緩めだが主人公と仲間のステータスが比較的ありCPUが弱め。監督は『10』の車坂、マネージャーは『7』の霧島。 ---「ふつう」は主人公は最初から強めだが仲間が弱い状態から始まる。監督・マネージャーは『13』の村田・冴花。 ---「むずかしい」は上記難易度を両方ともクリアしたら登場(なおその後にプレイしてセーブせずに電源を消したらむずかしいが消滅するバグがある) 主人公も仲間も弱いが成長速度は高い。監督・マネージャーは『4』のみゆき先生とユイ。名曲「あの4度目の桜」のアレンジも好評。 --表サクセスとはほぼ繋がっておらず、パラレルワールドになっている。だがパワポケらしい軽妙な掛け合いと面白変人な憎めないライバルキャラ、地に足の着いたマネージャーヒロインの再登場などを純粋に楽しめる。 ---改善された野球パートでGBA時代の強豪校と戦えるシチュエーションは熱い。 ---リセット・ゲームオーバーの再チャレンジも5回まで許されており、「グッピー」より緩和されている。 ---- **問題点 -過去作キャラの登場が多いので新規には不向き --単体でも楽しめる『13』と違い、過去作プレイ前提のようなストーリーである。 --システム周りと野球はシリーズで最も優れているが、新規だと肝心のサクセスは楽しみにくい。 --もっとも事実上の打ち切り最終作であり、ファンディスクのような側面もあるため仕方がない部分もある。 -投打のバランスが悪い。 --2011年からプロ野球で導入された低反発球による極端な投高打低が本作にも悪影響を及ぼしている。 --「ペナント」を回しても&bold(){一年を通じて3割打者が両リーグに一人もいない}ということが少なくない。2011年に打率.338の好成績を修めて首位打者になり、本作でもミートA14・パワーB126と高い打撃能力を持つ内川選手ですら「ペナント」と「俺のペナント」で打率2割台前半に甘んじることもある。 --その一方で投手陣は能力の割に成績が非常に良いケースが多い。&bold(){防御率トップ15のうち、防御率1点台がセ・リーグにもパ・リーグにも10人近くいる}ということが多く、「俺のペナント」でも明らかに野手よりも投手の方が難易度が低い。((2011年の先発投手で防御率1点台を記録したのは、セ・リーグでは吉見投手と内海投手の2人。パ・リーグでは田中投手、ダルビッシュ投手、和田投手、杉内投手の4人。)) --本作では打球が飛びにくいことで、守備シフトは内野後退、外野前進にしておけば大抵の打球はアウトにできてしまう。 -致命的なバグが稀に発生する。 --コンピューターが行う「代走」時、塁に選手がいないにもかかわらず控え選手と入れ替えさせようとする挙動が無限に繰り返されてしまい、リセットせざるを得なくなるバグが存在する。 --その他、「札侍編」で選手を作成した際、名前入力画面に切り替わらずそのままフリーズしてしまう現象や、試合でボールをバットに当てた際、画面が真っ白になってそのままフリーズしてしまう現象も稀に発生してしまう不具合も存在している。 -「札侍編」にWi-Fi対戦がない。 --札侍のカードゲームの評判を最も落としているポイント。この事は札侍を評価している人にとっても惜しまれていた。 --もっとも前作までの裏サクセスもWi-Fi通信に対応していたわけではないので、仕方がないと言えば仕方がないが…。 -デビルスターズ関連 --シリーズ最終作という事で大幅な入れ替わりが行われたが、「デビルスターズが初めて登場した4から13まで一貫して名を連ねていた選手の一人で、野球マスクとほぼ同じ能力値を持つ茂宮を外し、能力値がそれほど高いわけでもなくBB二軍にもいる布具里を残留させている」「野手はロボが雨崎に変更になった以外特に変更はない」等の点が人選ミスとの意見も多い。 --特に野手に関しては、「与番は『13』にてパスワードが配布されていた」「衛具是とボンドは『10』でお試し選手として登場していた」「目史亜と富流斗はそれぞれのチームメイト(夜羽根と白瀬)が過去のナンバリングでデビルスターズにいた」「ラッキーは『13』でお試し選手として登場していた」等の理由があるにもかかわらず未加入となっており、この点に関しても批判が出た。 ---「せめて最終作位はデビルスターズを2チームに分けても良かったのではないか」との意見の声も聞かれた。 ---「トツゲキ甲子園編」のむずかしいに登場するデビル高校には、デビルスターズ入りしなかった選手たちや過去のシリーズのデビルスターズに所属していた選手たちが多数所属しており、自虐にすら思えてくる。 --また、本作のみブラックのミニ顔がロボになっているミスもある他、皇のミニ顔が才葉になっているミスもある。 ---一応、「トツゲキ甲子園編」に出てくる皇のミニ顔は正しい物になっている。 -トツゲキ甲子園関連 --登場チーム関連 ---残念ながら今までの高校野球編に登場した全ての高校が登場している訳ではない。『1』に登場した白鳥学園、『7』に登場した快晴高校、『10』に登場した平面高校、栽培高校は未登場となっている。 -音声関連 --表サクセスの世界大会に出場したホワイトファルコンズを除く敵チーム(東方全勝、コサックベアーズ、ブラックホールズ)と、トツゲキ甲子園編に登場した甲子園出場チーム(オリエント高校、大安高校、花丸高校((実質的にはヒーローズ))、聖皇学園、超最強学園、天下無双学園、デビル高校)には実況は用意されてはいる物の、ウグイスは用意されていない。 --そのため、折角選手を再現し、ウグイスの設定をしてもウグイスが変になるうえ、実況が名前を読んでくれない等の問題点がある。 --ちなみに前作では甲子園出場チームには実況だけでなくウグイスも用意されていたため、選手再現などの際は満足が行く物となっていた。何故、本作だけこうなってしまったのか。 ---こうなってしまったのは恐らく容量の都合も考えられる。 -お蔵入りになってしまったシナリオ関連 --本作のリセット座談会でも触れられている通り、本作の表サクセスのシナリオは当初、プロ野球編(恐らく大神ナマーズが舞台になったと思われる。)の予定で、魔球リーグ編は本来最終作にする予定であった「15」でやる予定であった。 --しかし、諸々の事情によってそれが出来なくなってしまい、以下のシナリオがお蔵入りとなってしまった。 --「マゼンタのNOZAKI襲撃」「ブルーとマゼンタの戦い」「グントラムの能力」「マゼンタ、ルチア、グントラムの対面」「ユキシロとホンフーの戦い」「ジャジメントナンバー6のカリオペ」「武内ミーナが遂に攻略可能となる」等々。その為、お蔵入りを惜しむ声は多かった。 -おためし選手関連 --投手能力は全て江武家と共通になってしまっている。 --今回おためし選手として登場するのは、全てトツゲキ甲子園編で仲間になるキャラのみで、過去作で見られた様なバラエティ感のある選手の選出はされなかった。 --トツゲキ甲子園編に登場するキャラクターのみで固めるにしても、せめて甲子園出場チームのキャプテン((例えば来世、レッド、炎上))や、デビル高校のメンバーのうち、デビルスターズ入りを果たしていない顔付きの選手((目史亜、富流斗、亜礼久、衛具是、十一番、八番))も選出していたら幾分か良かったのではないかと言える。 -アレンジチーム関連 --表サクセスに登場したラスボスチームのブラックホールズと、トツゲキ甲子園編の『難易度:むずかしい』に登場したデビル高校が選択できない。((ネタバレを嫌ったものだろう、現にナイトメアーズや十三番高校もアレンジチームにはなかった。)) --シリーズの大トリを飾るにふさわしいであろうこの2チームを選択可能にしなかったことに関して不満を持つユーザーはやはり多い。 //--恐らくWi-Fi対戦でのバランス崩壊を考慮したものと思われるが、DSのWi-Fiサービスは2014年で終了したため、意味がなかったと言える。 //↑3年間は対人戦ができたのだから、意味はあるのでは。 **総評 低迷した売り上げとニンテンドー3DSのハードの台頭に挟まれ、半ば「打ち切り」となってしまったパワポケシリーズの最終作。~ 全体的な広告などから小学生向けをある程度狙ってはいたものの、ジャジメントのジオット一派とヒーロー達の抗争を引きずったストーリーが新規取り込みの足を引っ張った様子で、やはり売り上げは伸び悩んでいる。~ それでも最終累計売上は約11万と健闘はしている。~ 放置された伏線は多いモノの、一応の「完結」を試みており、過去主人公の行く末などもその一例であるのだろう。~ 一人の少年が極亜久高校に入学して一人のメガネと共に野球部を再建した所から始まった「パワポケ」の物語は、弱小球団が成り上がり、少年とメガネが殴り合いの果てに共に再び手を取り合い、呪われ、入れ替わり、未来を変え、ヒーローが生まれ、アンドロイドが育ち、かつての不正義が別の正義として街を救い、超能力者が戦争に駆り出され、真面目で哀れな子供が野球なんかで世界を変えられないと諦めながら殺され、ネトゲの野球で危機に立ち向かい、野球で逆襲し、そして最後は野球好きの少年の慈悲・寛容で人類と未来と一人の少女を救って完結した。~ だが再びパワポケの愉快でダークで野球してるんだかしてないんだかわからない慈悲・寛容に溢れた雰囲気のゲームを望む声は決して少なくない。 ---- ---- **余談 #region(ややネタバレ) -表サクセス最終戦のチームはストーリーを見てるとわかるのだが漫画やアニメなどの主人公や有名キャラ達の再現である。 --[[シ>MAJORDREAM メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!]][[ゲ>MAJORDREAM メジャーDS ドリームベースボール]][[ゴロ>MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー]]や[[イワオニ>激闘プロ野球 水島新司オールスターズ VS プロ野球]]、[[アスワン>少年ジャンプシリーズ]]などわかりやすいものから、パライソ(→ポルトガル語で天国→[[Mr.FULLSWING>JUMP ULTIMATE STARS]]の猿野天国)と「わかるか!」と突っ込みたくなるレベルの者や、クロウキ(→異名が黒『右京』→くろうき→[[最強!あおい坂高校野球部>少年サンデーシリーズ]]の梅宮右京or[[ドラベース>ドラベース ドラマチック・スタジアム ドラえもん超野球外伝]]の『クロえも』んの名前もじり(え→う→ウ。も→モ→キ))等といった元ネタはどっちとも取れる者と様々。&br()キャラの能力に関しても(全体的に高スペックなキャラは多いが)再現されており、イワオニは悪球打ちや超特殊能力など込み込みで&bold(){パワーの限界値をすっ飛ばしていたりする}。 --なお、野球作品としては一番有名であろう[[巨人の星>少年マガジンシリーズ]]の星飛雄馬や一部のキャラは本編には登場してはいないが攻略本に未登場キャラとして名前が載っている。 ---話は逸れるが、この時に野球以外のスポーツ作品の漫画キャラなども同時に召喚されており&bold(){現実の人々はそれを打ち破っている。}&br()テニス、サッカーの現実軍はぶっ壊れ性能のキャラが多い漫画アニメ軍((某波動砲で観客席まで飛ばされるテニスとかコンクリート破壊シュートをするサッカー漫画とか))によく勝てたなと突っ込まれることもある。 ---但し、「元ネタまみれの選手のみで構成されたチーム」はほとんどの作品に登場していた。((3の「ドリームドルフィンズ」(ゲームクリエイターのもじり)、4の「湖南高校」(探偵ネタまみれ)、6の「シブリーズ」(スタジオジブリ作品ネタ)や「USスーパーヒーローズ」(アメコミやアメリカを連想させる言葉のみで構成)、7の「緑満高校」(カプコンのゲームネタ)等。)) #endregion -本作のタイトル画面はパワポケ1と(絵柄こそ変わっているものの)ほぼ同じ。 --エンディングでも確認可能なので見比べるのもいいだろう。1からプレイしているとグッと来るものがある。 -iTunesでパワポケ14のBGM集が発売されている。 -本作から10年近く経過した「Nintendo Direct E3 2021」で『パワプロクンポケットR』が発表された。 --ハードはNintendo Switch。『1・2』のリメイク+αとなる予定。 --なお『[[実況パワフルプロ野球 サクセススペシャル]]』へのゲスト出演などは存在した。
#contents() ---- *パワプロクンポケット14 【ぱわぷろくんぽけっとじゅうよん】 |ジャンル|野球バラエティ|&amazon(B005N60RWC)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|1024MbitDSカード|~| |発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~| |開発元|コナミデジタルエンタテインメント(パワプロプロダクション)|~| |発売日|2011年12月1日|~| |定価|5,250円|~| |判定|なし|~| |ポイント|賛否両論の過去主人公・ヒロインの「正史」&br()路線変更の裏サクセス&br()新モード「トツゲキ甲子園」は好評&br()シリーズ最終作を意識して作られた&br()''いつの時代でも、最後は子供がヒーローさ。''|~| |>|>|CENTER:''[[パワプロクンポケットシリーズリンク>パワプロクンポケットシリーズ]]''| **概要 -本家とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきたパワプロクンポケットシリーズの15作目(外伝の[[ダッシュ>パワポケダッシュ]]は含み、リメイクの『[[1・2>パワプロクンポケット1・2]]』を除いてカウント)にして表サクセスのシナリオ最終作。 --表サクセスは魔球リーグ編。「ダッシュ」以来の小学生主人公が、これまでのパワポケに登場したヒーロー・超能力者・アンドロイドといった人々と共に世界に変革をもたらすカタストロフに立ち向かう。 --裏サクセスは独自のカードゲームになった「札侍編」 --グッピーを進化させた「トツゲキ甲子園」も初登場。 --キャッチコピーは''今度のパワポケはド派手!'' **ストーリー -『魔球リーグ編』~ ある日、居酒屋で飲んでいた三人のメガネは、その帰りに一人の赤ん坊を抱いた女性が倒れているのを発見する。~ 数年後、三人のメガネによって育てられたその時の赤ん坊である主人公は小学生6年生になり、少年野球チーム、ビクトリーフィンチーズに投手として所属していた。~ デビュー戦にて、上級生のいた男ホームランズに滅多打ちを食らいピンチになってしまうが、その時必死で投げた球が魔球に変化。世界初の「魔球を投げた少年」として一躍有名になることになる。~ しかし、これが後に世界を大混乱に陥れる『カタストロフ』の始まりだった…。 -『札侍編』~ 野球札と呼ばれるカードを使って江戸時代を駆け巡る、野球カードバトルゲーム。 ---- **本作独自の要素 -ガッツゲージを消費して三振を確定で出す魔球やヒットやホームランを確定で出す魔打法が使える「必殺技野球」が追加された。 --本作の表サクセスで主人公が最初に使い始め、ストーリーの根幹にもかかわってくる。 --いつガッツを消費するか。投手側で魔球を使うか、野手側で魔打法を使うかの戦略性もあり、上手く使えば歴代ラスボスでも強豪であるブラックホールズにも対抗する事が出来る。 --なお通信対戦では出来るがWi-Fi対戦では使えない。 -表サクセスは必殺技を使えるかどうかが決まる「ガッツゲージ」があり、また3以来の「ストレスゲージ」が復活。ストレスゲージは溜まるとケガ率が上がるが高くなるとケガ率と経験値が2倍になる「バーニング」になる。 --試合では「抜シーン」があり、決められた勝利条件(3振を取る、ヒットを打つなど)を満たして勝つというモノ。 -「魔球を投げた少年」という設定から、仮に野手を選んでも中盤までは主人公がそれなりのステータスで登板する。 --最初に野手を選んだ場合は最初はライバルだったものの家の事情で仲間になる魔球使い「リョウ」が仲間になってから最初にポジションに転向する展開がある。 -『13』に収録されなかったカード野球がシステムを一新して「札侍編」のシステムとして登場した。 --目押しのようなテクニックはなく、攻撃と守備を繰り返して得点を争い合う。 --こちらのモードも通信対戦は可能だが、Wi-Fi対戦は不可能。 **変更点・追加要素など -野球関連 --『13』に比べると走る速度が全体的に早くなっている。ゲッツーで抑えづらく、ある程度の走力があればスリーベースまで突っ走れる。 ---それでもゲームバランスとしてはパワポケシリーズの中ではDS最終作だけにかなり良い方。「野球だけ楽しむ」なら本作が最も安定しているとも言われている。 ---下画面の走塁操作に全走者を停止させる全ランナーストップのボタンが追加。その代わりスピードアップボタンが1つに戻された。 -システム面 --試合を二死満塁の崖っぷちから始められるイチゲキシステムが追加された。手早く緊張感のある乱打戦を楽しむには良いモードである。 --リアル野球が改善され、ストライクゾーンの高さがリアル頭身に合うようになった他クイックモーションが完全再現された。 --選べる球場にサクセス・ペナント専用の2球場が増えた。 --新モード「トツゲキ甲子園」が追加された。詳細は後述。 ---- **賛否両論点 -抜シーンは概ね難易度は低いが「三振を取れ(アウトではNG)」「ヒットを取られるな(という条件に関わらず魔打法を放つ)」など理不尽なものもある。 また仲間を勧誘していない場合にモブキャラに内野守備をやらせると守りがかなり酷いため、エラーを出され負けに繋がってしまう事もある。特にショートの東郷は負の方面でかなり目立つ活躍をしてくれるため、パワポケ恒例の「味方にいる最大の敵」の1人とされている。 -真のラスボスチーム「ブラックホールズ」との戦い前にはセーブ不可能。 -魔球・魔打法のシステムは連打にさえ勝てれば確定三振or確定ホームランと強力であり、特に魔打法でのホームランで敵投手を引きずり下ろしやすい。 --終盤のライバルキャラである黒羽やデリック、アスワンといった強力な投手を魔打法でホームラン引きずりおろしに出来るため彼らの存在感がやや薄い。 --だがアスワンはとある彼女キャラのルートにおける「ハンデ」でガッツを削られ魔打法を打つ余裕がなくなるせいか、強力なラスボスとして立ちはだかる。魔球・魔打法なしのラスボスチームは歴代最強レベルの能力を持つチームだけあってかなりの強敵になる。 ***ストーリー -本作のサクセスは『1』から続いてきた一連のストーリーの完結と銘打たれ、『12』で初登場して台頭してきたジオット・セヴェルスとその直属の者達が起こす「カタストロフ」を阻止する人々の戦いが主となる。 --''この流れ自体がDSパワポケシリーズ最大の賛否両論点ともいえる異能バトル展開の決着なので、この時点で賛否が分かれる。''『13』が異能バトル要素を薄めて高評価されてるのとは対照的。 --本作は主人公に超人的な反応速度と運動神経、「魔球」を持たせることである程度バトル展開に参加させる配慮自体はある。 --世界大会で優勝した後に登場する「ブラックホールズ」(野球漫画の主人公達によるドリームチーム)が襲来。人類と未来を賭けた最終戦で重要な一線を担わせている。 -過去作の登場キャラが多数再登場する。 --事実上の「シリーズ打ちきり」であるため、過去作プレイ済み前提の展開が多い。 --また主人公を取り巻く大人達も過去に登場してきた人物が大半な上、仲間や彼女候補にも過去作のキャラの関係者が非常に多い。 ---そのため本作の主人公も、パワポケ末期にありがちな周囲の面々に振り回されているだけで終わっているという批判もある。 --とはいえ、最終作なので既存キャラクターが多く登場するのはファンにとっては嬉しい。 -シナリオにヒーロー達とジオット軍の最終決戦に主人公が参加する「真ルート」がある。''真ルートのシナリオに関わるヒロインは3人''のみである(その内の2人ヒカル・准は「主人公と結ばれるEND」がない)。 --真ルートの展開は全部飛ばしても長いが、イベントスキップに非対応なため複数の選手を作っている際に周回するのが面倒くさくなる。 --また育成もとある彼女キャラ一強と言われており、最終戦で主人公にハンデを背負わせるものの経験点や特殊能力の取得の効率が異常に良いためオールAも狙いやすく、その上で魔球の属性で得られる超特殊能力を調整出来るため、ライターの贔屓ではないかと嫌悪感を示す意見もそれなりにある。 -これまでパワポケでは正史ヒロインについて明言しないというスタンスを取って来たが、''本作では「とあるヒーロー」「ヒーローの仲間であるとあるキャラ」「とある彼女候補の父親」が過去作の主人公ではないか''と見せかけており、その上で''複数の彼女候補から好意を持たれている(=過去のゲーム本編ではあり得ない複数の彼女ルートを経由した)描写がある''ため賛否が分かれる様子。 ---その内ヒーローに関わる2人は本作の主人公と共闘しているが、とある彼女候補の父親は作中に姿を出さない上にその彼女候補を精神的に追い詰めてしまったと言われているだけで、その理由の描写不足によって不当な評価を受けるハメになってしまった。 ---『10』以降、顕著になった流れだが''バトル展開がミニゲームすら挟まずテキストだけでバトル展開が終わってしまう。'' ---特に『10』からほぼ皆勤賞の大江和那の扱いは、バトル展開の賛否に加えて「本作のとある彼女候補の父親」との関係の描写不足が最後まで賛否が分かれるモノとなってしまった。 ---ただし、ストーリー完結作として『10』からずっとあまり良い目に合っていなかった彼女の話も一つの完結を迎え、そのEDも彼女を心配している人に向けてのメッセージが入っていたりと明るめな内容。 -『12』から登場し、巨悪として君臨するも(一部の彼女シナリオを除き)敵役とはなっていなかったジオット・セヴェルスは本作で明確に敵役となり、今回ようやく初敗北するが、トドメは刺されず今までやらかした事を置いて裏サクセスのエンディングで仲間達と共に楽しそうに終わっている事に批判意見がある。 --とはいえ、ジオットの場合、過去の暗い出来事を見る限りは「これはこれで彼も救われた」という若干ながらも肯定寄りな意見もある。 --ジオットと真ルートで殴り合うのは本作の主人公ではなく『7』から再登場したレッドである。そのレッドもとある過去作の主人公と匂わせているのだが、『7』ではあまり擁護しきれない事を行っていた事を指摘する意見もある。 --近年のパワポケを許容する人からは悪役に徹底したジオットを評価する声もあるが、『シリーズ全体のラスボス』としては『11』以降の流れで登場したキャラであるため「ぽっと出」扱いする人もいる。 ***彼女候補 -総じて癖が強いという見解で通っている。 --本作の主人公が小学生である事から恋愛感情に至らない彼女キャラが多い。ただし紗矢香・姫子・響子はアルバムで成長した主人公が恋愛感情を抱くようになる事を示唆してはいる。 #region(本作の彼女候補) -「阪奈(ハンナ)」は主人公のチームメイトで男勝りな性格。 --その正体は「反エントロピー」というアンドロイドの危険な超能力者ピースメーカーで能力を封印されている。彼女を見守る関係者が多く、「6人組」の甲斐に引き取られた過去があり、彼女の死後は「6人組」の犬井が叔父となって育てられていた。シナリオ中では『8』の彼女候補の白瀬とその協力者と主人公によって護衛される。 --設定としては伏線回収に終始しているものの(同じ仲間ヒロインのヒカルと違って)恋愛感情は感じられない。また犬井や白瀬、マダラやウズキといったハンナを守ろうとする過去のキャラの方が印象深いという意見もある。 --白瀬の作り手である坂田博士も登場。白瀬に寿命が近づいている事を主人公に話す。白瀬の最期の時を見られるのはハンナルートのみである。最後まで笑顔で満足したままビターに逝った姿は物悲しいものの白瀬らしい大往生としてファンの目頭を熱くさせた。 --真ルートではヒーローに関わる人物でありながら空気と化す。とはいえ「親友」としての主人公との絆はどのルートでも明確ではある。ハンナグッドEDではカズに弟子入りしてヒーローとして活躍したらしい。 -「准」は『9』の緑髪ヒロイン・維織のお供キャラとして出つつも攻略不可能の「バグ枠」と呼ばれていたが今回はヒロインへ昇格。 --だが彼女も年齢が親と子ほど離れてるせいか、「恋愛対象」というオチではなく野球好きの少年にスパイクを送ってあげてるお姉さんとしての関係で終わっている。 --「准がようやく攻略可能」という情報でプレイしたけど、恋愛ではない展開にガッカリしたという声も少なからずある。 --ヒカルやさやかと同じく「真ルートだと結末が変わる」ポジションではあるのだが、通常ルートでもあくまでノーマルENDという趣き。真ルートだと「准ねーさん」と呼んでおり、自他共に認める姉弟のような関係で終わっている。 --なお本作には『9』の主人公と同一人物疑惑のあるヒーローが登場しているが、本作でその人物と准の交流はない。 -「ハナ」は犬である。パワポケでは毎回ちょい役で登場していた''犬だが最終作で遂にヒロイン化。''でも犬である。 --宇宙人から地球を守って逝く。何を言っているのかわからないと思うがパワポケではよくあること。 --飼い主の竹本つぐみは主人公のクラスメイトで病弱な少女で、ハナルートを進めると病死してしまう。本作における「どう足掻いても絶望」枠。 -「響子」はいわゆる「ハズレ彼女」のような顔つきで一方的に主人公にアプローチしてくる少女。 --付き合っていくと人の良さが見えてくるので歴代の「ハズレ彼女」よりはマシだが。またグッドEDだと見違えるように可愛くなっている。 --逆にバッドだと主人公は40代になっても独り身だった。アルバムタイトルはなんと「ダメ人間」。 -「姫子」はブギウギ商店街のレストラン「ブランネージュ」でバイトしている男勝りな女子高生。 --ランダム要素が高く攻略難易度が後述の「さやか」とは違う意味で攻略が難しい。だが彼女のルートではおねショタ要素のあるほのぼのエピソードが展開される。 --難易度が非常に高い代わりにバッドEDがない枠。仮に恋愛関係に至らなくても主人公とはお互いに大切な関係として終わるノーマルEDである。 --また准と違ってグッドEDのアルバムでは成長した主人公と恋仲になった描写もある。 -「光(ヒカル)」は転校生のしっかり者だが腹黒な側面もある相棒キャラ。当初は男として主人公に接するが実は女の子(ハンナと違って性別を偽って付き合っていた) --茨木和那のクローンから生まれ、神条紫杏が生み出した戦闘用ロボット「システム」を統率する「TXクイーン(2代目)」だが腕に統率用装置があること以外は普通の女子小学生である。 --トゥルールートではシステム達の戦力を借りたがっていたグントラムに主人公とともに協力。その際にシステムと共に助力するが、主人公への恋愛感情を付け込まれて敵の洗脳能力者に精神をかき乱される。だが主人公の呼びかけで正気に戻る。 ---しかしEDにおいては「火星へ行った主人公を思い出しながら、システムと共に夜空を見上げる」という主人公と結ばれるENDがないバグ枠。なおトゥルールートに関わって来るヒロインが別にいる。後述の「さやか」がそれである。 -「紗矢香(さやか)」は『10』に登場した天月五十鈴の娘で主人公の3つ年下。同ライターの「シズヤ(11)」「漣(12)」も彼女のストーリーに関わり、劇中に出て来てないが「瑠璃花(ダッシュ)」とも交流がある。 --母親の「運勢を操る超能力」をそのまま受け継ぎ、魔球を投げた主人公を「お兄ちゃん」と呼んで懐いてくる妹系キャラ。 --イベント数も多く、「14で純粋に可愛いヒロイン」では姫子と並んで挙げられる事が多いのだが、母親から受け継いだ「運勢を操る超能力」を持っており全国大会前に強制ケガをさせるイベントを行う。なおこのイベントを行わないと敵の洗脳能力者と出くわしてしまい攻略失敗となる。 --本作の「''攻略難易度は鬼畜だが出来上がる選手は強い''」枠。むしろ''本作の表サクセスで強い選手を作るには彼女の真ルート一択''という評価が下されている。彼女とキャッチボールをすることが経験点を稼ぐには最も効率が良い。 ---トゥルールートと兼任出来るほぼ唯一の彼女キャラであり、当該ルートでは主人公と共闘してジオット軍に立ち向かったヒカルへの嫉妬、魔球を投げられなくなる事と主人公が中学生に上がったら一緒に学校へ行けなくなる事の恐怖、家に居ない実父への寂しさ、ジオットのカタストロフが完遂すれば弱者をモンスターから守る正義の味方に主人公と共になれるという思い込みなどから、''主人公を敗北させて世界を滅茶苦茶にするため、ガッツとやる気の大幅減退、これでもかと付け加えられるマイナス得能の付加((ガッツ-100 やる気-10 センス△、ムード△に加えて、投手だと四球、一発、寸前△、対左打者△、回復△、対ピンチ△、スロースターター、キレ△、ノビ△を与え、野手だと三振、エラー、チャンス△、走塁△、左投手△、盗塁△、チームプレイ×、サブポジ△を与えてくる。一番きついのは「ガッツ」が削られる事。))''で妨害してくる。この事から「''14の彼女候補では王道ヒロイン''」という声と「''パワポケ屈指の畜生彼女''」と呼ぶ声もある。 ---更に世界大会の途中で敗退したり、今までの選択肢を誤ると最終戦で勝っても''主人公への罪悪感から飛び降り自殺を図り、植物人間として夢の中で主人公と共に正義の味方ごっこを続けるというBADエンド''になる。「''その現実が嫌だったんだよ!''」と嘆いてフィクションの世界(札侍編)へ逃避したジオットや『10』で相棒の朱里と共に追手と戦い続けるカズと被る結末。 ---ちゃんとさやかの事を第一に考えた上で彼女の地獄のようなマイナス得能を背負って最終戦に勝つと、「さやかが応援してくれてたのは分かっていた」という主人公の赦しを得て、火星へ行く主人公に付き合って共に生きることを選ぶ。''火星へ行く主人公についてくる彼女候補はさやかのみ。'' ---この際、今まで付加したマイナス得能は全部除去され奪った得能の大半を返してくれる。だが''「逃げ球」は返さない。''((この理由を【さやかから逃げない】【さやかが逃がさない】と考えるとしっくり来るという人は多い。)) ---さやかのイベント自体は可愛らしいものが多く「お兄ちゃん魔球なげろー」と可愛い応援をしたり、公園で楽しそうにデレ顔をする。また経験点効率が多いキャッチボールなど基本は協力的ではある。 ---なのだが、最後の最後で世界を滅ぼす事に事実上荷担してしまった事、その罪悪感の大きさゆえにフラグ立てが失敗すれば自殺で更なるバッドENDを味わせようとする姿から事実上のラスボス化(ブラックホールズは野球漫画の二次創作キャラなためか台詞はない)するあたり「ヤンデレ幼女」とも言われている。 ---ただし「真ルート」を通らなければ地獄のような最終戦を行う事はなくフラグ立てもそこまで必要ではなく、さやかも主人公とフィンチーズを応援して終わる。その後のエンディングも真ルートと同じく「数年後もさやかが主人公と交流が続いており、まだ兄妹のような関係だがいずれ恋愛感情に発展する可能性」を示唆している。 ---そして、さやかがここまで能力を暴走させてしまった原因として「''あんまり家に居ないお父さん''」の存在が大きいとプロフィールやさやかの台詞から明言されている。この「さやかのお父さん」についての描写が作中で不足しているためにある誤解を招き、『14』のシナリオ後に最も批判された人物となっている。 ---ただし、さやかは父親に懐いており、その人物がさやかに愛情を注いでいたような節はある。 #endregion ***本作の野球超人伝枠 #region -本作で野球超人伝をくれるのは彼女キャラではなく、持手照男なる36歳で自称フリーターの男性キャラクター。 --ムキオをチームに加えた上でイベントを進行させていくと野球超人伝が入手でき、照男は改心して結婚するが、途中のイベントで選択肢を間違えると野球凡人伝が手に入ってしまい、更に彼はインチキ商売を始めてしまう。 --そもそも男性キャラから野球超人伝を貰うネタ自体は『12』で既にやっていた為、この辺はやや賛否両論である。 #endregion ***裏サクセス「札侍編」 -『ダッシュ』『9』~『12』で使われていたカード野球のアレンジ版だが、そもそも『10』から独自進化を遂げていたRPGからの路線転換そのものが賛否両論である。 -江戸時代をモチーフにした時代劇風カードゲームだが「カードゲームで全部解決する札侍」というネタがあるせいか、今までの裏サクセス以上にどことなくほのぼのとしている。 --負けたら札にされてしまうというネタはあるが、主人公はその上で勝った後に相手を元に戻すし、仮に負けても実質ノーペナルティでやり直せるため。 ---実はトゥルールートで敗北してトドメを刺されずワームホールに飛び込んだジオットも登場するが、むしろ裏サクセスの常連黒幕であるカメダから次元航行システムも兼ねるガンダーロボを奪う「車の運転が得意なおじさん」としての登場。カメダに引導を渡す役回りとも言えるか。 --仲間も『5』の小杉と『13』の真琴がアドバイス要員と掛け合い要員を兼ねて登場する。だが近年の裏サクセスでは仲間数は少ないため、寂しがる声もある。 ---なお小杉はむしろ入れ替わる前の人格=5主人公に近いお人よしな性格。 ---野球人形のパーツは以前より入手しづらくなった。だが特殊能力・超特殊能力が店に並ぶ事もある。 -ゲームシステムは運が絡む、一部カードが強い、CPU戦が最終的に作業になるという意見もあるが、デッキを組む戦略性はそれなりにある。 --負けても一部を除いて即ノーペナルティで再戦が可能なので手札事故で何もできずに負けたりしてもストレスにはなりにくい。 ---逆にこの仕様が緊張感を削ぐという声もある。 --荒削りで人を選ぶ出来だが支持する人も居る。 --今までのパワポケキャラが対戦相手およびサポート札として結構出てくるのは裏サクセスとしても変わらず。主人公の仲間としては小杉と真琴のみだが、使えるカードを全部合わせれば歴代の裏サクセス以上。 ---- **評価点 -ファン向け要素の多さ --過去キャラの再登場はシリーズファンからは高く評価されているほか、熱い展開が多数ある。一例を上げると ---初代主人公の面倒を見てくれてた「外藤」が本作の監督として再登場。 ---4・6の「山田」、6裏の「落田」、7・8の「湯田」の3人のメガネ父さんが主人公にスポ根教育しながらも深い絆で結ばれている関係。 ---イベントによりジオットを止めようとするレッド、最後まで生き様を見せた白瀬などは特に評価されている。 --後述する「トツゲキ甲子園」も過去作のチームと戦えるのでファンには嬉しい。 -全体的に表サクセスは遊びやすくなっている。 --試合開始前にもセーブが可能。以前はDSシリーズでも開始前のステータス上昇くらいしか出来なかった。 --リセットが許される回数が5回から10回に増えた。負けたら基本能力を少し下げる代わりに再挑戦できるようになった。 --小学生4年生以上で習う漢字に読み仮名がつくようになった。 -札侍も今までのRPG形式からガラっと変わった新機軸の対戦システムのモード1発目としてはよく出来ている。 --デッキを組む楽しみや、複数のカードを使ったコンボ、相手の妨害等カードゲームとしての楽しみはしっかり盛り込まれ、強いカードはある物の壊滅的に強いカードは無くゲームのバランスもしっかり取れている。 --カードゲームが上手ければクリアできるのも今までの裏サクセスが苦手だった人には嬉しい。 --ストーリー自体も今までの裏サクセスほど濃くは無いものの、地方色豊かなボスを倒しながら日本全国を旅をする楽しい物となっている。 ---登場する敵キャラも良い人が多く、不快な気持ちにさせられる事は少ない。 --敵キャラが使ってくるデッキも個性が出ている物が多く、一度負けても相手に有効なデッキを組みなおして再戦するというカードゲームらしい楽しみがある。 --ペナルティが軽いことも気軽に挑戦できる要因と言える。これまでの裏サクセスはペナルティで立て直し不可能になることも多かった。 -ミニゲームは概ね好評。 --札侍編ではDSシリーズの歴代おみくじが再収録されている。 -BGMも相変わらず評価が高い。 --表サクセスのラスボス戦「未来と魔球とジンルイ」、トツゲキ甲子園の最終戦「汗と涙は球児の華」はどちらも最終戦にふさわしい曲になっている。 -新モード「トツゲキ甲子園」は概ね好評。 --グッピーをベースにしているシステムだが、難易度選択とそれに伴う主人公の追加と監督・マネージャーとの掛け合いなどが追加された。 --練習試合と全国大会で一定の条件を満たすと敵高校のエースが仲間として引き抜ける展開がある。「難しい」では引き抜いたキャラが即戦力になる事も多い。 ---「やさしい」は成長速度は緩めだが主人公と仲間のステータスが比較的ありCPUが弱め。監督は『10』の車坂、マネージャーは『7』の霧島。 ---「ふつう」は主人公は最初から強めだが仲間が弱い状態から始まる。監督・マネージャーは『13』の村田・冴花。 ---「むずかしい」は上記難易度を両方ともクリアしたら登場(なおその後にプレイしてセーブせずに電源を消したらむずかしいが消滅するバグがある) 主人公も仲間も弱いが成長速度は高い。監督・マネージャーは『4』のみゆき先生とユイ。名曲「あの4度目の桜」のアレンジも好評。 --表サクセスとはほぼ繋がっておらず、パラレルワールドになっている。だがパワポケらしい軽妙な掛け合いと面白変人な憎めないライバルキャラ、地に足の着いたマネージャーヒロインの再登場などを純粋に楽しめる。 ---改善された野球パートでGBA時代の強豪校と戦えるシチュエーションは熱い。 ---リセット・ゲームオーバーの再チャレンジも5回まで許されており、「グッピー」より緩和されている。 ---- **問題点 -過去作キャラの登場が多いので新規には不向き --単体でも楽しめる『13』と違い、過去作プレイ前提のようなストーリーである。 --システム周りと野球はシリーズで最も優れているが、新規だと肝心のサクセスは楽しみにくい。 --もっとも事実上の打ち切り最終作であり、ファンディスクのような側面もあるため仕方がない部分もある。 -投打のバランスが悪い。 --2011年からプロ野球で導入された低反発球による極端な投高打低が本作にも悪影響を及ぼしている。 --「ペナント」を回しても&bold(){一年を通じて3割打者が両リーグに一人もいない}ということが少なくない。2011年に打率.338の好成績を修めて首位打者になり、本作でもミートA14・パワーB126と高い打撃能力を持つ内川選手ですら「ペナント」と「俺のペナント」で打率2割台前半に甘んじることもある。 --その一方で投手陣は能力の割に成績が非常に良いケースが多い。&bold(){防御率トップ15のうち、防御率1点台がセ・リーグにもパ・リーグにも10人近くいる}ということが多く、「俺のペナント」でも明らかに野手よりも投手の方が難易度が低い。((2011年の先発投手で防御率1点台を記録したのは、セ・リーグでは吉見投手と内海投手の2人。パ・リーグでは田中投手、ダルビッシュ投手、和田投手、杉内投手の4人。)) --本作では打球が飛びにくいことで、守備シフトは内野後退、外野前進にしておけば大抵の打球はアウトにできてしまう。 -致命的なバグが稀に発生する。 --コンピューターが行う「代走」時、塁に選手がいないにもかかわらず控え選手と入れ替えさせようとする挙動が無限に繰り返されてしまい、リセットせざるを得なくなるバグが存在する。 --その他、「札侍編」で選手を作成した際、名前入力画面に切り替わらずそのままフリーズしてしまう現象や、試合でボールをバットに当てた際、画面が真っ白になってそのままフリーズしてしまう現象も稀に発生してしまう不具合も存在している。 -「札侍編」にWi-Fi対戦がない。 --札侍のカードゲームの評判を最も落としているポイント。この事は札侍を評価している人にとっても惜しまれていた。 --もっとも前作までの裏サクセスもWi-Fi通信に対応していたわけではないので、仕方がないと言えば仕方がないが…。 -デビルスターズ関連 --シリーズ最終作という事で大幅な入れ替わりが行われたが、「デビルスターズが初めて登場した4から13まで一貫して名を連ねていた選手の一人で、野球マスクとほぼ同じ能力値を持つ茂宮を外し、能力値がそれほど高いわけでもなくBB二軍にもいる布具里を残留させている」「野手はロボが雨崎に変更になった以外特に変更はない」等の点が人選ミスとの意見も多い。 --特に野手に関しては、「与番は『13』にてパスワードが配布されていた」「衛具是とボンドは『10』でお試し選手として登場していた」「目史亜と富流斗はそれぞれのチームメイト(夜羽根と白瀬)が過去のナンバリングでデビルスターズにいた」「ラッキーは『13』でお試し選手として登場していた」等の理由があるにもかかわらず未加入となっており、この点に関しても批判が出た。 ---「せめて最終作位はデビルスターズを2チームに分けても良かったのではないか」との意見の声も聞かれた。 ---「トツゲキ甲子園編」のむずかしいに登場するデビル高校には、デビルスターズ入りしなかった選手たちや過去のシリーズのデビルスターズに所属していた選手たちが多数所属しており、自虐にすら思えてくる。 --また、本作のみブラックのミニ顔がロボになっているミスもある他、皇のミニ顔が才葉になっているミスもある。 ---一応、「トツゲキ甲子園編」に出てくる皇のミニ顔は正しい物になっている。 -トツゲキ甲子園関連 --登場チーム関連 ---残念ながら今までの高校野球編に登場した全ての高校が登場している訳ではない。『1』に登場した白鳥学園、『7』に登場した快晴高校、『10』に登場した平面高校、栽培高校は未登場となっている。 -音声関連 --表サクセスの世界大会に出場したホワイトファルコンズを除く敵チーム(東方全勝、コサックベアーズ、ブラックホールズ)と、トツゲキ甲子園編に登場した甲子園出場チーム(オリエント高校、大安高校、花丸高校((実質的にはヒーローズ。))、聖皇学園、超最強学園、天下無双学園、デビル高校)には実況は用意されているが、ウグイスは用意されていない。 --そのため、折角選手を再現し、ウグイスの設定をしてもウグイスが変になるうえ、実況が名前を読んでくれないなどの問題点がある。 --ちなみに、前作では甲子園出場チームには実況だけでなくウグイスも用意されていたため、満足が行く選手再現ができた。何故、本作だけこうなってしまったのか。 ---容量の都合も考えられるが、原因は定かでない。 -お蔵入りになってしまったシナリオ関連 --本作のリセット座談会でも触れられている通り、本作の表サクセスのシナリオは当初、プロ野球編(恐らく大神ナマーズが舞台になったと思われる。)の予定で、魔球リーグ編は本来最終作にする予定であった「15」でやる予定であった。 --しかし、諸々の事情によってそれが出来なくなってしまい、以下のシナリオがお蔵入りとなってしまった。 --「マゼンタのNOZAKI襲撃」「ブルーとマゼンタの戦い」「グントラムの能力」「マゼンタ、ルチア、グントラムの対面」「ユキシロとホンフーの戦い」「ジャジメントナンバー6のカリオペ」「武内ミーナが遂に攻略可能となる」等々。その為、お蔵入りを惜しむ声は多かった。 -おためし選手関連 --投手能力は全て江武家と共通になってしまっている。 --今回おためし選手として登場するのは、全てトツゲキ甲子園編で仲間になるキャラのみで、過去作で見られた様なバラエティ感のある選手の選出はされなかった。 --トツゲキ甲子園編に登場するキャラクターのみで固めるにしても、せめて甲子園出場チームのキャプテン((例えば来世、レッド、炎上))や、デビル高校のメンバーのうち、デビルスターズ入りを果たしていない顔付きの選手((目史亜、富流斗、亜礼久、衛具是、十一番、八番))も選出していたら幾分か良かったのではないかと言える。 -アレンジチーム関連 --表サクセスに登場したラスボスチームのブラックホールズと、トツゲキ甲子園編の『難易度:むずかしい』に登場したデビル高校が選択できない。((ネタバレを嫌ったものだろう、現にナイトメアーズや十三番高校もアレンジチームにはなかった。)) --シリーズの大トリを飾るにふさわしいであろうこの2チームを選択可能にしなかったことに関して不満を持つユーザーはやはり多い。 //--恐らくWi-Fi対戦でのバランス崩壊を考慮したものと思われるが、DSのWi-Fiサービスは2014年で終了したため、意味がなかったと言える。 //↑3年間は対人戦ができたのだから、意味はあるのでは。 **総評 低迷した売り上げとニンテンドー3DSのハードの台頭に挟まれ、半ば「打ち切り」となってしまったパワポケシリーズの最終作。~ 全体的な広告などから小学生向けをある程度狙ってはいたものの、ジャジメントのジオット一派とヒーロー達の抗争を引きずったストーリーが新規取り込みの足を引っ張った様子で、やはり売り上げは伸び悩んでいる。~ それでも最終累計売上は約11万と健闘はしている。~ 放置された伏線は多いモノの、一応の「完結」を試みており、過去主人公の行く末などもその一例であるのだろう。~ 一人の少年が極亜久高校に入学して一人のメガネと共に野球部を再建した所から始まった「パワポケ」の物語は、弱小球団が成り上がり、少年とメガネが殴り合いの果てに共に再び手を取り合い、呪われ、入れ替わり、未来を変え、ヒーローが生まれ、アンドロイドが育ち、かつての不正義が別の正義として街を救い、超能力者が戦争に駆り出され、真面目で哀れな子供が野球なんかで世界を変えられないと諦めながら殺され、ネトゲの野球で危機に立ち向かい、野球で逆襲し、そして最後は野球好きの少年の慈悲・寛容で人類と未来と一人の少女を救って完結した。~ だが再びパワポケの愉快でダークで野球してるんだかしてないんだかわからない慈悲・寛容に溢れた雰囲気のゲームを望む声は決して少なくない。 ---- ---- **余談 #region(ややネタバレ) -表サクセス最終戦のチームはストーリーを見てるとわかるのだが漫画やアニメなどの主人公や有名キャラ達の再現である。 --[[シゲ>MAJORDREAM メジャーDS ドリームベースボール]][[ゴロ>MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー]]や[[イワオニ>激闘プロ野球 水島新司オールスターズ VS プロ野球]]、[[アスワン>少年ジャンプシリーズ]]などわかりやすいものから、パライソ(→ポルトガル語で天国→[[Mr.FULLSWING>JUMP ULTIMATE STARS]]の猿野天国)と「わかるか!」と突っ込みたくなるレベルの者や、クロウキ(→異名が黒『右京』→くろうき→[[最強!あおい坂高校野球部>少年サンデーシリーズ]]の梅宮右京or[[ドラベース>ドラベース ドラマチック・スタジアム ドラえもん超野球外伝]]の『クロえも』んの名前もじり(え→う→ウ。も→モ→キ))等といった元ネタはどっちとも取れる者と様々。&br()キャラの能力に関しても(全体的に高スペックなキャラは多いが)再現されており、イワオニは悪球打ちや超特殊能力など込み込みで&bold(){パワーの限界値をすっ飛ばしていたりする}。 --なお、野球作品としては一番有名であろう[[巨人の星>少年マガジンシリーズ]]の星飛雄馬や一部のキャラは本編には登場してはいないが攻略本に未登場キャラとして名前が載っている。 ---話は逸れるが、この時に野球以外のスポーツ作品の漫画キャラなども同時に召喚されており&bold(){現実の人々はそれを打ち破っている。}&br()テニス、サッカーの現実軍はぶっ壊れ性能のキャラが多い漫画アニメ軍((某波動砲で観客席まで飛ばされるテニスとかコンクリート破壊シュートをするサッカー漫画とか))によく勝てたなと突っ込まれることもある。 ---但し、「元ネタまみれの選手のみで構成されたチーム」はほとんどの作品に登場していた。((3の「ドリームドルフィンズ」(ゲームクリエイターのもじり)、4の「湖南高校」(探偵ネタまみれ)、6の「シブリーズ」(スタジオジブリ作品ネタ)や「USスーパーヒーローズ」(アメコミやアメリカを連想させる言葉のみで構成)、7の「緑満高校」(カプコンのゲームネタ)等。)) #endregion -本作のタイトル画面はパワポケ1と(絵柄こそ変わっているものの)ほぼ同じ。 --エンディングでも確認可能なので見比べるのもいいだろう。1からプレイしているとグッと来るものがある。 -2021年11月10日にシリーズ全体のサウンドトラックがダウンロード販売された。([[公式サイト>https://www.konami.com/pawa/pawapoke_r/topics/sound]]) --かつてはiTunesでパワポケ14のBGM集が発売されていた。上記の配信に伴ってか現在は配信停止。 -本作から10年近く経過した「Nintendo Direct E3 2021」で『[[パワプロクンポケットR]]』が発表され、2021年11月25日に発売された。 --ハードはNintendo Switch。『1・2』のリメイク+α。 --なお『実況パワフルプロ野球 サクセススペシャル』へのゲスト出演などは存在した。

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