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*キング・オブ・ザ・モンスターズ2 【きんぐおぶざもんすたーずつー】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000068GYZ)| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |販売・開発元|SNK|~| |稼働開始日|1992年|~| |分類|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|続編はベルトアクションに&br()難易度高すぎ&br()ハメゲー|~| //移植版は下に移動しました。 **ストーリー 西暦1996年、日本を戦場にして6体のモンスターたちが熾烈なサバイバル戦争を繰り広げた。日本中の都市が破壊、汚染され、多くの人々が犠牲となった(前作『キング・オブ・ザ・モンスターズ』での戦い)。 そして1999年、戦いの果てに3体のモンスターが生き残った。新たな地球の支配者は彼らになると誰もが疑わなかった。&br() だがその時思いがけないことが起こった。宇宙の彼方から謎のエイリアン「ネクスト・シング」が現れ、唐突に地球の支配を宣言したのである。&br() 邪魔者の出現に怒ったモンスターたちは、まずこのエイリアンどもを排除すべく戦い始めたのだった。 **概要 地球の覇権を懸けた、地球出身の怪獣と宇宙怪獣とのデスマッチという世紀末なゲーム。前作と比べ、話のスケールも、ビジュアルも全てがパワーアップしている。前作が55メガビットだったのが、今作では約80メガビットと大幅に容量が増加した。&br() また、前作の6キャラは飛び道具やダッシュ攻撃の仕様が多少違うくらいのものだったが、今回は3キャラに減ったとは言え、恐竜型怪獣のスーパージオン(パワータイプ)、ヒーロー型のアトミックガイ(スピードタイプ)、ロボット怪獣のサイバーウー(バランスタイプ)と、それぞれタイプ付けが明確にされている。 グラフィックの描き込みは前作以上で、キャラも大きくなり、キャラパターンも増えた。ステージ開始前には某特撮番組を連想させるエイリアンのシルエットが出たり、エイリアンと闘ってる最中に地球の戦闘機が襲いかかってきたり((なぜかプレイヤーキャラしか攻撃しない。))と、前作に続いて特撮アクション的な演出が踏襲されている。 今回は前作の対戦形式がボス戦扱いとなり、その前座として雑魚や中ボスが登場する。 道中には前作同様様々な破壊可能なビルなどがあり、破壊すると中からライフ回復、パワーアップなどのアイテムが出現する(ダメージを受ける爆弾や、初期状態にパワーダウンしてしまうマイナスアイテムも存在する)。また破壊すると手に持って投げる事もできるものもある。 **問題点 しかし難易度が1面から容赦なく殺しにかかってくるようなハードさで、まともにプレイすると、1面すらもクリアできない。しかもステージが進むと難易度はうなぎ上り気味に上昇する。特に敵と掴み合いになると大抵プレイヤー側が負ける仕様は凶悪である。&br() インストカードでは敵と組み合ったら左右にレバガチャし、タイミング良くパンチボタンかキックボタンを押せば技がかかる、という趣旨の事が述べられているが、実際はそういう動作は一切結果に関係なく、一定の確率で技をかけるかかけられるかが決まってしまっている。 ライフの量は合計6メモリあるが、敵の攻撃力は異常なほど高く、ダメージ量は大きい。特にボスの組み技を喰らうと一撃で約3メモリも減る勢い。&br() そのわりに敵(ボス)のライフの総量はやたらに多く、こちらは組み技を合計2回食らったらほとんど死にかけ状態になるのに、敵はこちらのつかみ技を10回近く食らわせないと倒せない。&br() しかもこれは1面の話であり、2、3、4…とステージが進む毎に敵のライフ総量はどんどん増加し、5面や6面のボスなどは1面ボスの2倍以上のライフになっている。&br() 極めつけに最終面ではボス怪獣が全員リターンマッチを挑んできて、ラスボスはお約束の即死攻撃持ち。一匹ずつなのがせめてもの救いかもしれないが、元々の難易度が高いので救いになっていない。 ゲームはライフ制なので、回復させるアイテムがあるもののめったに出ず、出たと思っても小さい(回復量が少ない)ものばかり。運が悪いとゲーム中1つも出ないことさえある。また、パワーアップ時、プレイヤーのライフ最大値が1メモリ増加するが、増加するのは最大値のみで、ライフ自体は増えない嫌らしい仕様。 こんなバランス故に、見た目は怪獣プロレスではあるが、攻略するにあたって「ジャンプ攻撃で転倒させて、ダウン中に追い打ちで少しずつ体力を削る」というプレイスタイルを半ば強要される事となる。まさに本末転倒。&br() アトミックガイの必殺技「メガトンサンダー」でハメれば結構進める、という意見もあるが、そもそもハメ技を使わないとロクに進めないようなゲームバランスに問題がある。&br() また、各アイテム(パワーアップ、回復、得点)を取ると自キャラは雄叫びをあげつつガッツポーズを取るが、このモーションの間は完全に無防備で、敵に攻撃されると当然ダメージを喰らう事にも留意しておく必要がある。 ゲームバランスの調整がもう一息あれば、傑作に成り得た可能性も十分あった惜しい作品である。 **家庭用移植 //|対応機種|ネオジオ、ネオジオCD、スーパーファミコン|~| //|発売・開発元【NG/NCD】|SNK|~| //|発売元【SFC】|タカラ|~| //|開発元【SFC】|ナウプロダクション|~| //|発売日|【NG】1992年6月1日&br()【NCD】1994年9月9日&br()【SFC】1993年12月22日|~| //|定価|【NG】25,800円&br()【NCD】5,800円&br()【SFC】9,800円|~| //|配信|バーチャルコンソール:2011年4月12日/900Wiiポイント|~| //|分類|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| //不安定判定としての一覧掲載がAC版だけのようなので、表をCOします。復帰の際は、同時に判定(または分類なし)を決めてからが望ましいです。 -ネオジオ/ネオジオCD版(発売・開発元はいずれもSNK。発売日はNG:1992年6月1日、NCD:1994年9月9日) --ACをほぼ完全に移植している。また、バーチャルコンソールにて2011年4月12日配信(900Wiiポイント)。 -スーパーファミコン版(タカラ/ナウプロダクション 1993年12月22日発売) --販売元はタカラ。内容は業務用とほぼ同一で、グラフィック・BGMもSFCなりに再現されていてまずまず良好。 移植版は得点アイテムを取った時だけはガッツポーズを取らない、フルパワーアップ時にパワーアップアイテムを取るとライフが回復するようになった(業務用は得点が入るだけ)、回復アイテムの出現量が増えたなど、アーケード版にくらべて多少はプレイヤーに優しい仕様になっている。 オプションでゲーム難易度が一応選べるが、ノーマルとハードしかない。クレジット(コンティニュー回数)は4で固定。さらに困った事に、敵と組み合った際、画面左下に十字キーの左右を連打しろ、というような表示が出るが、その動作に関係なく一定確率で敵に投げ技を喰らう仕様も業務用と同一であるので、結局のところ相当な高さの難易度であることに変わりはない。~ この他にもジェネシス(海外MD)にも移植されているが、システムが前作の物に変更(道中がカットされ、本作で言うところのボス戦オンリーの展開になっている。)、ボスキャラが使用可能になっている等、業務用から大幅にアレンジされた別ゲーになっている。~ **他作での共演 -本作のプレイヤーキャラの「アトミック・ガイ」と「サイバー・ウー」は『[[ネオジオバトルコロシアム]]』に登場している。 --「アトミック・ガイ」は『ネオジオバトルコロシアム』の主人公「ユウキ」と「アイ」のアナザーダブルアサルトで2人が合体した姿で登場し、名前が「アトミック・ガイ・ネオス」となっている。 -一方「サイバー・ウー」は操縦者の「巻島ゆず」とともにプレイヤーキャラとして参戦。いわゆる投げキャラとして登場。 --が、スーパージオンは設定の関係で人間サイズで登場させるのを断念したのか、3体の中で唯一''背景の骨格''としての出演となっている。 //スーパージオンは忘れ去られてはいません。
*キング・オブ・ザ・モンスターズ2 【きんぐおぶざもんすたーずつー】 |ジャンル|アクション|&amazon(B000068GYZ)| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |販売・開発元|SNK|~| |稼働開始日|1992年|~| |配信|【Wii】バーチャルコンソール&br;2011年4月12日/926Wiiポイント(税8%込)&br()【PS4/One/Switch】アケアカNEOGEO&br;2018年11月22日/823円(税8%込)|~| |レーティング|CERO:B(12才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| |ポイント|続編はベルトアクションに&br()難易度高すぎのハメゲー|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 1991年に発売された怪獣アクションゲーム『キング・オブ・ザ・モンスターズ』の続編。~ 対戦格闘ゲームだった前作とは異なり、本作はベルトスクロールアクションゲームとなった。~ ROM容量も前作の55Mビットから74Mビットと容量が増加している。 //ROM容量はちゃんと調べてから書きましょう。 ---- **ストーリー 西暦1996年、日本を戦場にして6体のモンスターたちが熾烈なサバイバル戦争を繰り広げた。日本中の都市が破壊、汚染され、多くの人々が犠牲となった(前作『キング・オブ・ザ・モンスターズ』での戦い)。 そして1999年、戦いの果てに3体のモンスターが生き残った。新たな地球の支配者は彼らになると誰もが疑わなかった。&br() だがその時思いがけないことが起こった。宇宙の彼方から謎のエイリアン「ネクスト・シング」が現れ、唐突に地球の支配を宣言したのである。&br() 邪魔者の出現に怒ったモンスターたちは、まずこのエイリアンどもを排除すべく戦い始めたのだった。 ---- **システム -本作ではジャンル変更に伴い、前作の対戦格闘が(NPCとの)ボス戦扱いとなり、その前座として道中に雑魚や中ボスが登場する様に変更。 -道中シーンでは前作同様に様々な建造物を破壊できる。 --破壊すると、中からライフ回復・パワーアップ・得点などのアイテムが出現する。中にはダメージを受ける爆弾や、初期状態にパワーダウンしてしまうマイナスアイテムなどもある。 --また鉄塔など、破壊すると手に持って投げる事ができるものもある。 ---- **評価点 -パワーアップした話のスケール --本作は「地球の覇権を懸けた、地球出身の怪獣と宇宙怪獣とのデスマッチ」という世紀末な設定。 ---戦場となるステージもアメリカ、フランス、渓谷、砂漠、海底基地…とバリエーション豊か。最終ステージでは火山の中にまで行ってしまう。 -超個性的なプレイヤーキャラクター達 --前作のキャラクター達は姿形こそ全く異なっているものの、飛び道具やダッシュ攻撃の仕様が多少違う程度だった。今回は3キャラに減ったが、その分それぞれタイプ付けが明確にされている。 ---''スーパージオン'':パワータイプ。前作の恐竜型怪獣(ジオン)がパワーアップした姿。 ---''アトミックガイ'':スピードタイプ。放射能で変身した元科学者の巨人。前作の時(アストロガイ)よりも更に巨大化し、本作での見た目はまるで[[ウ○ト○マン>ウルトラマンシリーズ]]((必殺技でア○スラッガー状の飛び道具も放てる。パワーアップや必殺技を決めた時に「ヘアッ!」、ダウン時に「イ゛ヤ゛ーッ」とウ○ト○マンそっくりの声を発するなど))。 ---''サイバーウー'':バランスタイプ。前作の大猿(ウー)がロボット怪獣となって復活。必殺技では上半身が分離することが可能。 -全体的にグレードアップしたビジュアル・ステージ演出 --本作は容量が74メガビットに増加した影響で、前作以上にグラフィックが描き込まれ、キャラも大きくなり、キャラパターンも増えた。 --また、ステージ開始前には[[某特撮番組>ウルトラマンシリーズ]]を連想させるボスエイリアンのシルエットが出たり、エイリアンと闘ってる最中に地球の戦闘機が襲いかかってきたり((プレイヤーキャラしか攻撃しないが、これは地球人類が地球の怪獣を倒すためにファマーディーとグルになっている(服従させられている?)と言う裏設定があるからである。地球の怪獣が暴れる事しか能のない獣なのに対し、ネクスト・シングの宇宙怪獣達は統率が取れており、少なくともキリキリとファマーディーは言葉が通じるので、地球の怪獣よりはマシと判断したのだろう。最も開始早々のセリフからわかる通り、ファマーディーは「叛乱・交渉は認めない」と断言しているので、暴れて気が済めば帰る地球の怪獣に対し、宇宙怪獣達には知性がある為、仮に地球怪獣を倒したとしても待っているのは、地球怪獣の蹂躙・虐殺という地獄に対する、ファシズム的な超強権的な支配という地獄だと推測される。))と、前作に続いて特撮アクション的な演出が踏襲されている。 --BGMは怪獣の脅威を表現するような重苦しい曲が多かった前作から一転して軽快なBGMが多い作風となったが、クオリティは高い。 ---BGM担当は前作の田中敬一氏に加えて『戦国伝承』、『ラストリゾート』の清水敏夫氏、『ASOII』や『エイトマン』の北村芳彦氏の3人。 ---- **賛否両論点 -ステージが進むにつれて街を破壊する楽しみが薄くなる。 --怪獣モノと言ったら街の破壊・蹂躙が醍醐味だが、これがステージを進むにつれてショボくなり楽しくなくなる。 ---ステージ1の「アメリカンシティー(ニューヨーク+ワシントンDC+サンフランシスコ)」ステージ2の「フレンチシティー(パリ)」は建物のオブジェが沢山あり、破壊する楽しみがあるのだが、ステージ3の「グランドキャニオン」辺りから背景が岩まみれになり、破壊する醍醐味が薄くなる。 ---ステージ4の「デザート(砂漠)」は、後半は油田コンビナートやピラミッド(中東なのに何故かナスカの地上絵がある)などがありマシなのだが、''前半は誇張なしに砂漠だけ''で面白みも何もない(蟻地獄トラップはあるが、それだけ)。 ---ステージ5の海底基地も破壊できるオブジェが少なく、ステージ6は火山地帯で''とうとう破壊できるオブジェが無くなる。'' --因みに背景のショボさとボスの強さは比例していると言われており、最初は初心者も楽しめるよう破壊可能オブジェを大量に配置し、余裕がなくなる後半はオブジェを減らし、ボス戦に集中できる様にした…ようにも見えなくもない --最も破壊し甲斐があるのはスタジアム・スペースシャトル・ホワイトハウス・GGB・エンパイアステートビルに加え、今は無きワールドトレードセンターやその他多数の高層ビルのある「アメリカンシティー」と言われている。 ---- **問題点 -''極悪な難易度'' --下記の様々な要因が重なった結果、1面から容赦なく殺しにかかってくるようなハードさで、慣れないうちは1面すらもクリアがおぼつかない。無論、先のステージが進むと難易度はうなぎ上り気味に上昇していく(後述)。~ 前作は難易度が高めながらもノーコンティニュークリアが十分狙える調整だったのに対して、本作は''ノーコンティニュークリアそのものは不可能ではないが、気が遠くなるようなやり込みでようやく可能性が見えてくるという凄まじい代物''となっている。 //--また、最終面ではボスエイリアンが全員リターンマッチを挑んでくる上に、ラスボスは即死攻撃持ち。一匹ずつなのがせめてもの情けかもしれないが、元々の難易度が高いので救いになっていない。 -非常に理不尽な掴み技 --本作で敵と掴み合いになると大抵プレイヤー側が負ける仕様は凶悪。&bold(){このゲームにおける鉄則が「組んだら負け」と言われる所以でもある。} ---インストカードによると「敵と組み合ったら左右にレバガチャし、タイミング良くパンチボタンかキックボタンを押せば技がかかる」という趣旨の事が述べられている。~ が、実際はそういう動作は一切結果に関係なく、''一定の確率で''技をかけるかかけられるかが決まってしまっている。 -高すぎる敵側の攻撃力と体力設定 --プレイヤー側のライフ量は合計6メモリだが、敵の攻撃力は異常なほど高く、ダメージ量は大きい。特にボスの組み技を喰らうと一撃で約3メモリも減る勢いである。 --そのわりに敵(ボス)のライフの総量はやたらに多く、こちらは組み技を合計2回食らったらほとんど死にかけ状態になるのに、敵はこちらのつかみ技を10回近く食らわせないと倒せない。 ---だがこれは1面の話であり、前述の通り2、3、4…とステージが進む毎に敵のライフ総量はどんどん増加し、5面や6面のボスなどは1面ボスの2倍以上のライフになってしまう。 -癖の強すぎるアイテム関連 --本作はライフ制だが、肝心の回復アイテムが滅多に出ず、出ても回復量が少ないものばかり。運が悪いとゲーム中1つも出ないことさえある。 ---また、[[アイテムを取ると自キャラは雄叫びをあげつつガッツポーズを取る>バンダイク]]が、ポージング中は完全に無防備で、敵に攻撃されると当然ダメージを喰らう事にも留意しておく必要がある --この他にもパワーアップ時、プレイヤーのライフ最大値が1メモリ増加するが、増加するのは最大値のみで、ライフ自体は増えない謎の仕様も。 --隠し要素とはいえ1upアイテムの出現数が多い((「ゲーム中に2回挟まれる着地ミニゲーム成功時」と「ステージ3・5・7以外のボス戦にて自機側のライフが一定以下の状態で特定の位置でジャンプすると出現」の計6個。))のが数少ない救いだが、立ち回りを少しでも誤るとあっという間に殺されるバランスなので…。 -ハメ技使用前提なゲームバランス --本作の見た目は怪獣プロレスではあるが、攻略するにあたって「ジャンプ攻撃で転倒させて、ダウン中に追い打ちで少しずつ体力を削る」というプレイスタイルを半ば強要される事となる。まさに本末転倒。 ---アトミックガイの必殺技「メガトンサンダー」でハメれば結構進める、という意見もあるが、そもそもハメ技を使わないとロクに進めないようなゲームバランスに問題がある。~ ただしこのようなハメ前提な異次元レベルの高難易度は、当時の同社・SNK、同ハード・ネオジオのゲームには多数見られた例であり、本作だけの問題ではない。特に本作と同ジャンル・ベルトアクションは凄まじい難易度のゲームばかりであった((『戦国伝承』(及び続編『2』)、『バーニングファイト』、『ロボアーミー』、『ミューテイションネイション』などが該当。同社&同ハードで良心的な好バランスのベルトアクションは1994年の『トップハンター 〜ロディー&キャシー〜』まで待つ必要があった。))。 --ハメ技無し・1コイン(ノーコン)で行けるのは、どんなに熟れても3面までが限界とされており、その高難易度で''文字通り殺しに来る。'' #region(以下、ボスの鬼畜具合。) -&bold(){フュージキール} --ステージ1のボス。開始早々''いきなりガチンコ''である。ここでは倒せず一定ダメージを与えると撤退し、ステージ後半で再戦し倒す。 --1面のボスの癖にやけに素早く攻撃力も高い上に、投げ技は体力をごっそり持って行かれる。~ ''油断してると開始早々ゲームオーバー''となって本作の洗礼を受ける。 --ダウンから復帰する際にジャンプするので、全体攻撃をはめやすい。故に''これでも一番弱い。'' ---一番弱いとは言うが、''並みの腕ではコイツを突破するのも容易ではない。''と言うか''本作には強いボスと鬼畜ボスしかいない。'' -&bold(){ホーンデュアウト} --ステージ2のボス。リーチが長く攻撃速度も速い為、フルボッコにされる。 --最初(代替ボディの人間を乗っ取った直後)は小さく、一定ダメージを与えると徐々に巨大化し、3回目(4段階目)でライフゲージが出現し、本格的な戦闘開始となる。 --''一度倒すと頭部のみになって襲ってくる''(低体力)。触れるとダメージを受け、石化光線と食い付き攻撃を使う。 ---AIが賢く''ダウンした際の起き上がりや、石化光線で動きを封じた際を狙って、接触ダメージを積極的に狙ってくる。~ ''あろう事か''敵がハメ技を使用してくる。'' --これを倒すと''死に体だが2体に分裂''し、これを倒してようやくクリア。 --ここまででも大概だが''普通にプレイして普通にクリアできるのは大体ここまで''で以降、難易度は急上昇する。 -&bold(){ボーナスステージ1} --ボーナスステージ。内容は相撲対決。1人プレイの場合は選択しなかった他のプレイヤーキャラ(CPU操作)と、2人プレイの場合は、お互いに戦う。 --ボタン連打し相手を岩山から突き落とした方の勝ちなのだが、普通に連打してる程度ではまず勝てない。''連射装置を使うか、筐体がイカレる程連射しないと勝てない。''~ 幸い負けても手ぶらで次のステージに行くだけなので問題ないとは言え、''ボーナスステージなのに殺しに来る。'' --勝つとご褒美としてPアイテムや得点アイテム、稀にライフ回復アイテムが降ってくる。ほぼ貰えないけど… --ボーナスステージ1という事は当然2がある。ステージ5と6の合間にあるのだが、こちらは出てくる雑魚をひたすら倒す内容なのだが、パターン化されている為、逆に簡単でパーフェクト(1up)が取れる。 -&bold(){ヤムァモードン} --ステージ3のボス。無敵回転攻撃や地面に潜って遠距離攻撃や食いつき攻撃を行う。 --特徴は無いが''体力ゲージが急上昇しゴリ押しが難しくなる。~ ''普通にプレイしているとここが鬼門となる。 ---以降はキャラだけではなく''プレイヤー(の財布と精神力)へ、直接攻撃をしてくる。'' -&bold(){キリキリ} --ステージ4のボス。ステージ1、2で人類と怪獣たちに宣戦布告した脳みその正体。 ---言動はファマーディーのメッセンジャーか腰巾着だが、鬼畜ボスの1体で''普通にプレイしてると、確実に死ぬ。''と言うか''ハメ技を使っても滅茶苦茶強い''。~ 連コイン(コンテニュー)しなければ、終了のお知らせとなる。 --起き上がりがやけに早くハメにくい。 --反撃投げに失敗すると低スピードにされる。相手が速い為に致命的。 --1体でもかなり強いのに''体力が半分になると2体に分裂しフルボッコにしてくる。~ ''コイツが鬼畜ボスと言われる理由である。 ---低体力で復活、死に体で分裂するホーンデュアウトと違い、''糞長い体力ゲージの半分なので、体力が並々とある状態で分裂する。'' ---2体が上手く重なった時にジャンプ攻撃でハメるのがセオリー(メガトンハメは後述)なのだが、上手に当てないと起き上がりのラグでタイミングが狂う上、画面外に追い出してしまうとダウンせず即起き上がる仕様の為、ハメるのにも苦労する。 ---メガトンハメを使う際は「2体が共に地面に着地している時に2体同時に当てる必要がある」が、それぞれ好き勝手に動く為、同時に食らわすのがほぼ不可能(出来なくは無いが、天文学的確率)とされており、あろう事か''メガトンハメ非推奨とされている''。 -&bold(){サックアイズ} --ステージ5のボス。反撃投げに失敗すると氷漬けにされる(レバガチャでダメージ軽減)。 --体力が高いのは当然ながら''ダウンすると殻に籠り追撃を完全シャットアウトする。~ ''もはや嫌がらせである。 ---鬼畜ボスというよりは面倒くさいボス。 --家庭版だと、普通にプレイしている場合''コンテニュー制限に引っ掛かりだす。'' -&bold(){イートウォウ} --ステージ6のボス。火山地帯で溶岩(踏み入れると微量ダメージ)の流れる場所で戦うのだが''本人は浮いているので溶岩のダメージを一切受けない。'' --おまけに''浮いている為、Lv3必殺技が効かずメガトンハメが使えない。'' --また、''やたらと細かく移動しジャンプ攻撃ハメも当てにくい。''鬼畜ボスの多い本作でも''屈指の鬼畜ボス。'' --体力ゲージが滅茶苦茶長く、どれ程かと言うと''ガチで殴り合うと時間切れ敗北をするほど長い。'' --ハメ技なしの通常プレイでも連コインすれば辿り着けるしクリアも可能だが、''プレイヤーの財布と精神力が死ぬ。'' ---家庭版の場合、財布は死なないが、''確実にコンテニュー制限に引っ掛かり最悪詰む(強制ゲームオーバー)。'' ---ハメ技で進んでいてもコンテニュー制限に引っ掛かり詰む事がある。 -&bold(){キングファマーディー} --ステージ7(最終面)のボス。''前座で全てのボスが総出で連戦を挑んでくる。'' ---1体ずつ出現なのがせめての情けだが、''元から難しいので何の救いにもなっていない。'' ---鬼畜ボスのキリキリや''さっき苦労して倒したイートウォウ''も当然居る。''もはやプレイヤーの財布と精神力をオーバーキルしかねない勢いである。'' --そして前座のボスラッシュを制してファマーディーに到達できても''本人も本人で即死攻撃を使う上に体力ゲージは鬼の様に長い。'' --Lv1必殺技が効かない為、''状況によっては詰む事がある。'' #region(そして命からがらラスボスのキングファマーディーを撃破してもまだ安心してはいけない…。) -キングファマーディー撃破後、''小型化したファマーディーが大量に出現し、時間内に全て倒せないとバッドエンドになってしまう。'' --小型ファマーディーの耐久値は低いため、もたつかなければバッドエンド回避は容易だが、最後の最後まで気が抜けない。 #endregion #endregion ---- **総評 怪獣プロレスをモチーフにした対戦格闘ゲームから宇宙規模に拡大したベルトスクロールアクションに方向転換した作品。~ すべてにおいて前作から正統進化を遂げているだけに、ゲームバランスの調整がもう一息あれば、傑作に成り得た可能性も十分あった惜しい作品である。 ---- **移植 //|対応機種|ネオジオ、ネオジオCD、スーパーファミコン|~| //|発売・開発元【NG/NCD】|SNK|~| //|発売元【SFC】|タカラ|~| //|開発元【SFC】|ナウプロダクション|~| //|発売日|【NG】1992年6月1日&br()【NCD】1994年9月9日&br()【SFC】1993年12月22日|~| //|定価|【NG】25,800円&br()【NCD】5,800円&br()【SFC】9,800円|~| //|配信|バーチャルコンソール:2011年4月12日/900Wiiポイント|~| //|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~| //不安定判定としての一覧掲載がAC版だけのようなので、表をCOします。復帰の際は、同時に判定(または判定なし)を決めてからが望ましいです。 ''ネオジオ / ネオジオCD版''(NG / NCD) -NG版は1992年6月1日、NCD版は1994年9月9日発売。開発元はいずれもSNK。アーケード(MVS、業務用ネオジオ)と同規格のハードのため、一部の仕様違いを除けば完全移植((クレジット数制限があることと難易度が4段階からの選択式になっている。家庭用ネオジオでは半ば標準の仕様。))。 --NCD版はハードとメディア特有のロードこそあるものの、本作は100メガにも満たない頃の作品であったおかげでロードの時間は短く回数もそこまで多くはないおかげでNG版とほぼ変わらない感覚で遊べる。 -後にバーチャルコンソールにて2011年4月12日配信(900Wiiポイント)。 ''スーパーファミコン版''(SFC) -1993年12月22日発売。販売元はタカラ。ボーナスステージなどの一部要素が削除されているが、大まかな内容はアーケード版と同一。グラフィック・BGMもSFCなりに再現している。 --パワーアップなしで3種類の必殺技が使える、得点アイテムを取った時にガッツポーズを取らない、フルパワーアップ時にパワーアップアイテムを取るとライフが回復する(アーケード版は得点が入るだけ)、回復アイテムの出現率が増えた、掴み技の成功率が上がった、ボスが分身しないなど、アーケード版に比べて難易度が下がりプレイヤーに優しい仕様となっている。 --オプションでゲーム難易度を選べるが、イージーはなくノーマル・ハードのみ。また、クレジット(コンティニュー回数)は4で固定。さらに、ボスの面々はアーケード版と同様に攻撃力・リーチ・速度の全てが揃っている。結局のところ、相当な高さの難易度であることに変わりはなく、特に6面(イートウォウ戦)が鬼門((常時飛行、素早い連続攻撃、変則的な突進攻撃、予備動作なしの吸い込み投げ、狭い地形+段差による軸ずらし妨害など、とにかく鬼畜。回復アイテムについても、ボスが召喚した雑魚敵のドロップを祈るしかない。))。それでもアーケード版よりはマシなのだが。 //SFC版の溶岩はダメージなし? ---ただし、強力な必殺技(後述)を持つサイバーウーだけは、ハードのノーコンティニュークリアを簡単に達成できるほど強い。 --各キャラのドット絵はそれなりに再現できているのだが、自キャラのモーションがもっさり気味。パンチ・キックを連打しやすいアトミックガイでさえ、ボスを1回殴った直後に反撃されることがある。 --新要素としてガードが実装されたが、0.5秒程度しか維持できない、ボスの攻撃で削りダメージを受ける、プレイヤーキャラの必殺技やボスの大技は防げない、攻撃側の動きが止まらないなど制限が多い。それでも、慣れれば射程外からの先手、ジャンプ攻撃が届かなかった時の反撃、ボスの突進攻撃などを凌ぐことが可能。 --必殺技のチャージ時間がアーケード版に比べて異常に長い(約5秒)。途中で止めてもリセットされないとはいえ、1回使うのに「ボスにジャンプ攻撃を当て、ダウンしている間にチャージする」という作業が2~3回は必要。 ---この仕様のせいで、「必殺技を溜める暇があったらジャンプ攻撃→追い打ちを狙え」という極端なバランスになっている。ただし、サイバーウーの必殺技「ホバーアタック」だけは破格の性能を誇るため、チャージ時間を稼ぐ価値が十分にある((一定時間、追加入力の「ハリケーンアタック」で攻撃しながら移動できる。さらに、ダウン→追撃→起き攻め→ダウン…のループにより、2~3回使えばボスを倒せるほどの超火力を発揮する。))。 ''ジェネシス(海外MD)版'' -1994年発売。日本未発売。販売元はタカラ。ゲームジャンルが前作同様の対戦格闘に変更(道中がカットされ、本作で言うところのボス戦オンリーの展開になっている。)、ラスボスを除く全ボスキャラクターが使用可能になっている等、アーケード版から大幅にアレンジされている為、移植というよりもリメイクに近い作品である。 ''Switch / PS4 / One版'' -2018年11月22日発売。販売元はハムスター。アケアカNEOGEOとして配信。唯一のMVS版ベースでの移植。オンラインランキングに対応。 ---- **他作での共演 -本作のプレイヤーキャラの「アトミック・ガイ」と「サイバー・ウー」は『[[ネオジオバトルコロシアム]]』に登場している。 --「アトミック・ガイ」は『ネオジオバトルコロシアム』の主人公「ユウキ」と「アイ」のアナザーダブルアサルトで2人が合体した姿で登場し、名前が「アトミック・ガイ・ネオス」となっている。 --「サイバー・ウー」は設定が大きく変更され等身大サイズ(よりはちょっと大きい260cm)のロボットとして操縦者の「巻島ゆず」とともにプレイヤーキャラとして参戦。いわゆる投げキャラとして登場。 --スーパージオンは設定の関係で人間サイズで登場させるのを断念したのか、3体の中で唯一背景としての出演となっているのだが、''白骨化した状態''で原作サイズのサイバー・ウーと組み合って動かないというちょっと残念な扱いだった。 //スーパージオンは忘れ去られてはいません。 ---スーパージオンと組み合っているサイバー・ウーは、パッケージ版となっており、選択画面やプレイヤー版とは違うデザインとなっている((パッケージ版はゴーグルを着けたような丸眼。))。 ---- **余談 -本作と同一の世界観のつながりを持つ作品にSNKが1989年にアーケードでリリースしたガンシューティング、『ビーストバスターズ』がある。時系列上では本作のプロローグの少し前の出来事に当たる((エンディングでエイリアンの本隊(と思われる)が一斉にやってくるシーンがある。))。 --こちらは続編『[[ビーストバスターズ セカンドナイトメア]]』が出ているが、ストーリーや世界観が全く異なっているため、本作とのつながりは無い。 -ちなみに、前作『キング・オブ・ザ・モンスターズ』(1996年の大厄介)の勝者はジオン(スーパージオン)である事が示唆されている。 --スーパージオンは、ジオンが倒したモンスターを食うことで、その細胞から能力を取り込んでパワーアップした姿とされており、今作に登場しない「ポイズンゴースト」「ロッキー」「ビートルマニア」は、恐らく''ジオンに敗れ捕食された''と推測される。 --ウー(サイバー・ウー)も、捕獲された際に脳髄以外は使い物にならなかった事から、ジオンに食い殺され虫の息だった可能性が高い。 --アストロ・ガイ(アトミック・ガイ)は、ジオンから逃げ回っていた…と言うより、自身の食欲を優先して原発を襲撃し、放射能を食い漁っていた様である。 -もっとも、今作のあらすじによれば1996年には日本どころか世界各国にモンスターが出現して戦っていたようなので、単にまだ決着がついてないだけかもしれない。 -CSで放送中の番組「ゲームセンターCX」ではSFC版への挑戦が行われた事がある。多数の難関ゲームをクリアしてきた有野課長をも苦戦させた事から今作の難易度の高さが窺えるだろう。 -本作の1面(アメリカ)にて今は無きワールドトレードセンター(WTC)ビル((別名:ツインタワービル))が登場するが、発売されたのは勿論のこと、本作の舞台も1999年と、アメリカにてテロが発生し前述のビルがテロに巻き込まれて破壊され消失した2001年よりも前の年であった。 --そして本作でも敵も味方も容赦なくそのビルを破壊することができてしまう。しかしテロ後にもアーケードアーカイブスなどで移植は規制や差し替えもなしでできているところを見るに、少なくとも本作の移植自体に差し支えはないようだ。 --一方で似たような例だと、セガが1996年に発売したガンシューティング、『[[ガンブレードN.Y.]]』もアメリカが舞台で作中にWTCビルも登場していたが、後に海外限定で移植する際に、テロに配慮してかゲーム中のWTCビルを削除する措置を取っている。~ なおこちらは(現実ではテロが発生した)2001年よりも後の2005年が舞台であった。 ---テロがどうの言うよりは、単に「2001年に破壊されて無いものが、2005年にあったら可笑しいよね?」と言われ削除したのかもしれない(発売当時が96年だからと気にしない人もいるが、やたらと事実設定に拘る人もいる為)。 --ちなみに舞台は国も変わって日本になるが、前作も本作と同様にネオジオCDに移植される予定があったものの、当時(1995年)に発生した阪神淡路大震災に配慮してか、発売中止となった例がある。

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