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けいおん! 放課後リズムタイム - (2015/12/10 (木) 22:17:06) の最新版との変更点

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*けいおん! 放課後リズムタイム 【けいおん ほうかごりずむたいむ】 |ジャンル|TCAG&br;リズムアクション|~| |対応機種|アーケード|~| |発売元|インデックス(旧法人)→インデックス(新法人)→セガ|~| |開発元|アトラス(インデックス)、アンブル|~| |稼働開始日|第一弾:2013年3月下旬&br;第二弾:2013年12月18日|~| |プレイ料金|100円|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|絵柄も使いまわし・大半のカードが下位相互と魅力も意味もないカード&br収録曲はテレビ第1期のみ、家庭用で内容も勝る「代替品」が既に存在&brプレー後の評価やネーム登録、ハイスコア記録すらもない手抜きなゲーム内容&br使いまわしたため老朽化している筐体&brノルマも無ければスコアの上積みのみ、見づらい音ゲー史上屈指のインフレスコア欄|~| //Wikipediaには「稼働開始日・2013年4月26日」と書いてありましたが、この日付は何なんでしょうか。確かに3月下旬に稼働開始した筈なのですが、それはロケテストや先行販売であり、正規の発売日は4月26日だったりするのでしょうか。ご存じの方は適切に修正してください。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要・特徴 漫画家「かきふらい」氏による同名マンガを原作とするアニメ『けいおん!』(テレビアニメ1作目)を題材としたアーケードゲーム。~ ゲームジャンルはリズムアクション(音ゲー)。またプレイのたびにカードが1枚手に入り、これを集めることでスコアの向上が図れるTCAG(トレーディングカードアーケードゲーム)でもある。 -ゲーム筐体はアトラスの開発した「クルカステーション」を採用している。コンパネ左寄りに赤、青、緑の3つのボタンが三角形に配置されており、コンパネ右寄りにはカードスキャナが設置されている。 -『けいおん!』を題材としたリズムアクションゲームとしては、セガからPSPソフト『[[けいおん! 放課後ライブ!!]]』が発売されているが、両者に直接的関係はない。 ---- **ゲームの流れ +コインを投入する。 +「ゲームをプレイ」「カードだけ買う」のいずれかを選ぶ。 +筐体下部からカードが1枚排出されるので受け取る。 +「遊びたいキャラクター」を5人の中から1人選ぶ(これの意味は後述)。 +使用するカードを3枚までスキャンする。 +曲と難易度を選択する。 +ゲームをプレイ。終了後、スコアとキャラクターランキングが表示される。 +''次のおともだちにかわってあげてね!''(後述) ---- **問題点 ***不親切でちょっと変なゲームシステム -画面の左半分が無駄 --画面にはCの字を90度左回りに倒した形のレーンが表示されており、右上から3色の丸いアイコンが流れてくる。これがレーン下端の判定ポイントに到達した瞬間に同じ色のボタンを押す。 --ここで気づくのが、''画面の左半分が丸ごと無駄になっている''事実である。ゲーム的に意味があるのは右上から下端までのレーンだけであり、下端に達したアイコンは、上手くボタンを押そうがミスをしようが消えてしまうのだ。そのため画面の右半分だけを使ってプレイする、とても見づらいゲームになってしまっている。 -ボタン配置の暗記が必須 --コンパネには赤、青、緑のボタンが三角形に配置されているが、この配置と画面表示に相関関係が無い。画面を見ながらアイコンの色だけを頼りにボタンを押さなくてはならないので、ボタンの配置を暗記することが必須となる。 ---たった3ボタンなので暗記は難しくない。音ゲー慣れした人なら初回プレイで頭に入ってしまうだろう。しかし音ゲーに慣れていない人や小さな子供たちにとっては不親切だと言わざるをえない。 ---ほぼ同じボタン配置を採用している『[[アイカツ! -アイドルカツドウ!->アイカツ! -アイドルカツドウ-]]』では、アイコンの中に「←」「↑」「→」という矢印が書かれているので、色を暗記していなくても矢印を頼りにボタンを押せばいい。しかし本作にはそのような配慮はなく、アイコン内に書かれているのは放課後ティータイムのマーク(湯気の出たティーカップ)である。 -音ゲーやアーケードゲームとしてみても目立つシステムの不備 --クリアボーダーやノルマというものが定められておらず、得点やコンボ数すらプレイ中に表示されない(50コンボごとにキャラの声付きで50コンボ、100コンボ…と出る程度)。ゲーム後にやっと得点が算出されるが、指名したキャラクターに加算されるのみでプレーヤー名の入力やハイスコアの記録はおろか評価すらも行われない。 ---そのため、公式のハイスコアランキングは「スコア表示画面を写真に撮って送付する」という前時代的な手法で行われている。 --同時押しや長押しの要素がない。児童層も視野に入れて故意に採用しなかったのかも知れないが、そのせいで難易度「むずかしい」では多数・多色のアイコンが途切れなく押し寄せる、難しいだけで単調な譜面になっている。 ***素朴すぎるゲーム画面 -音ゲープレイ中の背景には登場人物5人を描いたイラストが表示され、カメラが拡大・縮小をくり返しながらフラフラと動く。あまりといえばあんまりな素朴さである。 --PSP用ソフト『放課後ライブ!!』では、3DCGで描かれたキャラクターたちが歌ったり演奏するPVが表示されたが、本作にはそのような要素はない。表示されるのは''単なる絵''である。 --絵は曲ごとに1種類ずつ用意されているが、いずれも雑誌やグッズなどに使用された既存イラストの使い回しである。 ***カードの意味や魅力に疑問が残る -排出されるカードはすべてアニメ本編からのキャプチャー画、もしくは既存イラストの使い回しで魅力に乏しい。 --本作用に描き下ろされたイラストもあるにはあるのだが、ポスター等に使用されるキービジュアルと共用になっている。つまり''カードのために描き下ろされたイラストは1枚もない''。 --カード種類が全46種(プロモカード除く)というのも、トレーディングカードとして物足りない数。 -ゲーム内でのカードの意味がスコアの上乗せだけである。 --「良いカードを手に入れるとプレイヤーが強くなり、強敵や難関を突破できるようになる」というのはTCAGによく見られる要素である。しかし本作は3枚のカードに書かれた数値の合計がゲーム終了時のスコアに上乗せされるシステムとなっている(一応、同じキャラで統一したり特定の組みあわせを作ったりすると「コンボ」となり、上乗せスコアが更に多くなる)。それ以外の意味はないので、強いカードを手に入れたからクリアが楽になるようなことは特にない。 --また先述の通り画面に表示されるのは1枚の絵であり、スキャンしたカードのキャラクターが画面に現れて歌い踊るような演出や、女児向けTCAGでは定番の着せ替え要素もない。 --コンボが成立する組み合わせパターンが少ないので、ある強いカードさえ手に入れてしまえば、他のカードは無意味(下位相互)になる場合が多い。 --ちなみにこのゲームでは「コンボ(COMBO)」という言葉を「リズムゲームでミスなく操作した連続回数」と「カードの組み合わせで生じるスコアボーナス」の2つの意味で使っており、とても紛らわしい((この記事を読んでいても紛らわしく感じるかも知れないが、そういうゲームなのでご勘弁いただきたい。))。 ---そのコンボも紬だけどういうわけだが他のキャラとペアのコンボが存在せず、「けいおんぶ」のコンボでは梓が入らないなど、原作に照らしあわせて不可解な点がある。 ***青天井に上がる上見難いだけのスコア -本作ではキャラクターを選んでプレーした後そのキャラクターに点数が入り1位になるとナビゲーターとして選べるほか、デモ画面でキャラクターランキングが流れるのだが、このランキングの点数がなんと各キャラ''100億の桁(ゼロが10個)まである''。 --1回のプレーで獲得できるのはせいぜい7万点台(その点数すら100億の桁まで0が続く形で表示)なので、単純計算で最後の桁まで届くのが10億回近くプレーできたときとなり、全く持ってボーダーが意味を成していない。 ---第2弾稼動でスコア自体はリセットされたが、連続プレーボーナスなどもない。 //--一定期間でリセットされるわけでも連続プレーなどでボーナスが加算されるわけでも無いので、ある程度までプレーされるとランキングが硬直化されそれを追い抜くためには更に莫大な投資をする必要がある。 //---だがこのゲーム内容で、そんないたちごっこを長期間続ける人がいるのか疑問である。 //↑ランキングの概念があること自体は、プレイヤーのモチベーション向上につながっていると思われるので、必ずしも問題点とは言えません。プレイヤー同士を競わせるのも、ある程度ならアリでしょう。問題とすべきは、色々と仕様がおかしくバランスが悪いことだと思います。そのことが、もっと伝わりやすい文章にできないでしょうか? ***筐体がポンコツ -本作で用いられている筐体「クルカステーション」は元々、''2006年12月''にリリースされたアーケードゲーム『きらりん☆レボリューション ハッピー★アイドルライフ』のために設計されたものである((『きらレボ』はスキャンエリアに置かれたカードの向きによって効果が変わるシステムになっており、プレイ中にカードを何度もクルクルと回すことになる。これが「クルカステーション」という名前の由来である。))。その後『極上!!めちゃモテ委員長 クルモテ ガールズコンテスト!』や『電車カードゲーム テツダマシィ』に流用され、そして本作にも用いられることになった。つまり6年以上も前に設計された筐体なのである。そして、''実際に長年にわたって使い回されてきた筐体も多い''。 --このため本作は2013年3月に発売された新作アーケードゲームでありながら、なんと''ブラウン管ディスプレイを採用している。''しかも長期間稼働を続けてきたため、画面のフォーカスが甘くなったり、黄ばんでいたり、''過去作品の画面表示が焼き付きを起こしていたり''といったケースが頻繁に見られる。 ---定番のジョークに「温泉宿のゲーム機には必ず『[[XEVIOUS>ゼビウス]]』の文字が焼き付いている」というのがあるが、まさか2013年にもなってこれを再現したかのような光景にお目にかかれるとは驚きである。 -カード排出時に引っかかりトラブルを起こしやすい。これは『きらレボ』時代から指摘されていた構造的欠陥なのだが、いまだに改修されていないどころか、経年劣化で更にトラブルを起こしやすくなっている。 -操作する3つのボタンがコンパネ上で左に寄っている。そのため右手で操作するには''身体を左にひねった不自然な体勢でプレイしなければならない。'' --これも筐体使い回しの弊害。『きらレボ』『めちゃモテ』では左手でボタンを押すと共に右手でカードを動かしたりタッチパネルに触れたりといった操作を行うため、左寄りのボタン配置にも必然性があった。~ しかし『テツダマシィ』や本作ではコンパネ右半分は普通のカードスキャナになっており、ゲーム中にいじる必要はない。そのため意味もなく遊びづらいだけのコンパネ配置となっているのである。 -『きらレボ』や『めちゃモテ』にはあった自分のプレイ履歴をICカードで記録する機能はない。またランキング集計などのための通信機能もない。 -音ゲーなのにスピーカーがヘボい。『アイカツ!』のようにコンパネ上に増設スピーカーを設置するようなこともない。 ---- **賛否両論点 ***収録楽曲について -選べる楽曲は全11曲。アニメOP曲『Cagayake!GIRLS』、ED曲『Don't say“lazy”』、劇中で使用された挿入歌、各キャラがボーカルを務めるキャラソンなど納得のラインナップである。~ それは良いのだが、''この11曲すべてが『放課後ライブ!!』に収録されている曲''なので、そちらを持っている人にとっては新鮮味がない((細かく言うと『Cagayake!GIRLS』と『Don't say“lazy”』はシングルの桜高軽音部版で、『放課後ライブ!!』で使用されている[5人Ver.]ではない。))。 --『放課後ライブ!!』に入っていない曲(アニメ第2期や劇場版の曲など)を採用していれば、楽曲のためにプレイしようという気が起きたかもしれないのだが。 -楽曲を音ゲー向けに短く編集しておらず、CD音源そのままのフルサイズで収録している。 --これについては賛否両論であり、曲自体の魅力を大事にする原作ファンには好意的に受け止められている。しかし一方で「音ゲーでフルサイズは長すぎてダレる」「100円で1曲しか遊べないので満足感が乏しい」という批判もある。 ---一応、音ゲータイプのTCAGは100円1曲の場合が多い。この作品はそれらのように着せ替え要素等は無いため比べられるものではないが。 --さらに言えば、他社の音ゲーには通常モードの他に、長い曲を1曲だけプレイする「ロングプレイモード」を搭載している作品もある。それと比べると、本作はロングプレイモードだけしか選べないのと同じであり劣化しているという見方もできる。 ***キャラクターランキング -本作では「キャラクターランキング」というシステムを採用している。 --ゲーム終了時の最終スコアが、「プレイ開始時に選択したキャラクター」の得点として加算され、筐体ごとに常に集計される。そしてプレイ終了時などに、キャラクター人気ランキングとして表示されるのである。 --集計の対象となるのは選ばれた回数ではなくスコアの累計。したがって自分の推しメンをランキング首位につけるには、何度もプレイする財力と「むずかしい」モードを高得点でクリアできる腕前の両方が要求される。 --とてもユニークなアイデアであり、これがインカムに貢献している一面もあるようだ。しかし上位プレーヤーの愛用キャラや人気・不人気キャラが露骨に反映されることに不快感を抱いている人もいる。 --ゲーム内のナビゲートボイスが5キャラ分用意されているのだが、使用されるのはランキング首位のキャラの物だけである。ランキングが固定化されている筐体では、せっかく全員分の声が用意されているのに1人分しか聴けないという弊害もある。 ***そもそも「誰に向けたゲーム」なのかわからない -『けいおん!』は深夜帯で放映されたアニメであり、そのファン層はミドルティーン以上を中心としている((ただし、男性キャラが1人しか登場しない作品の割には女性ファンが占める割合がかなり多い作品でもある。))。これはメーカーも認識しているようで、公式サイトでも『けいおん!』ファンに向けたゲームであることを明記している。 --しかしながら、本作は『きらレボ』『めちゃモテ』と同ジャンルの女児向けゲームのように扱われ、ショッピングモールや大型玩具店などに設置されていることが多い。どうやら過去の営業ルートをそのまま活用しているようである(その一方でマニア向けのゲームセンターに設置されているケースも多いが)。 --そして画面上のすべての漢字にふりがなが振られており、ゲーム終了時には「''次のおともだちとかわってあげてね!''」とアナウンスされるなど、少なからず児童向けゲームのような造りになっていることも事実である。 --以上のように、『けいおん!』という題材とゲームの造りや営業方針との間に、いささかの混乱が見て取れる。もっとも好意的に見れば「オタク層と女児層の両方にプレイしてもらいたい」という姿勢の現れだとも解釈できる。 ---参考までにセガのmaimaiは勿論、他社音楽ゲームにもけいおん!シリーズの楽曲は収録されたことはなく、本作が『けいおん!』唯一のアーケード音楽ゲームとなっている。 ---(おそらく)唯一の例外は『ミュージックガンガン! 曲がいっぱい☆超増加版!』に収録された「Don't say "lazy"」(カバー)。『ミュージックガンガン!2』で削除されたのもあり、現在遊べる店舗はほぼ無いと思われる。 ---- **評価点 ***ビジュアルやカードなど -レアリティ「ノーマル」に至るまですべてのカードにプリズム処理が施されており、とってもきれい。 -会社の経営危機や相次ぐ筐体撤去などの逆境を乗り越えて、新カードの追加とゲーム内容のバージョンアップを実行したこと(後述)。 -可愛らしい書き下ろしSDキャラや、そられを生かしたカードもある。 -抽選制のプレゼントが用意されており、キャラクターのボイスクロックなども用意されていた。 ***難易度 -ボタンを押すタイミングの判定が比較的緩く、ゲーム初心者でも楽曲さえ知っていれば簡単にコンボを重ねていく事が出来る。ゲームファンからの評価はともかく、子供やゲームに詳しくないアニメファンでも楽しむ事が出来る難易度である。 --得点やミスの有無による打ち切りや追加プレイなどの差別要素がなく、誰でもCDサイズの音源を最後までプレイすることが可能。この為肩の力を抜いてけいおん!の楽曲に浸ることが出来る。 ---"対抗馬"であるPSP「放課後ライブ!!」は判定がややシビアであり、複数キーの併用など操作が複雑。またミスが多いとキャラクターが気分を悪くして演奏を打ち切られる為、ゲーム初心者には厳しい内容であるといえる。 ---- **総評 -手抜きのゲーム内容に使い回しの筐体と、とにかく「安上がりに作れる」ことを最優先したかのようなアーケードマシン。それでもカードに魅力があれば「ついでにゲームも遊べるカード販売機」として評価できるのだが、そのカードも使い回しの絵柄ばかりであり、これらの問題点を解消するには至らなかった。 --同じ筐体の過去作品『きらレボ』や『めちゃモテ』では、3DCGで描かれたキャラクターが画面内でダンスを踊ったりさまざまな衣装に着替えたりしたほか、キャラクターとのやり取りやマイルーム、オリジナルキャラを作れるなどの要素があったのだが、本作にはそのような要素は一切ない。同じ会社がリリースした6年以上前のゲームと比較しても、大幅に見劣りする感は否めない。 --またTCAGの形式をとるのであれば、強いカードをたくさん集めることでプレイヤーが強くなり、強敵や難関を突破しやすくなるのが当たり前なのだが、本作はそれも成立していない。「TCAGとは何か」という命題について、はからずも考えさせられてしまう。 -アニメ版の版権契約のもとに作られたゲームとはいえ、原作の続編である第2期や劇場版の要素でも取り入れていればアドバンテージにもなったのではないか。そういう配慮がないあたり''ダシガラ企画''としか言いようがない部分でもある。 -一方ゲーム初心者にとっては楽しみやすいゲームである。ゲームファンにとっては昨今の他のゲームと比較して不足する点が多く満足するに遠く及ばないものの、難易度が低いため多くの層がプレイする事が出来る。 -またメディア展開に恵まれない原作の『college』『highschool』のネタを取り入れれば「今更」出す意義があったのかもしれない(少なくとも原作が完結して単行本を発売して暫く経った後のリリース)が、恐らく版権的に無理だったのだろう。 --賛否の分かれる後日談ではあるが、こんなゲームであったとしても和田晶ら『恩那組』とセッションや対バンするHTTや、梓を部長として純・憂に加え奥田直・斉藤菫を加えた『わかばガールズ』がふわふわ時間を演奏するシーンなどを見たかったという意見も少数ながら存在している。 ---- **余談 -大手ゲーム情報サイト『4Gamer.net』の[[インタビュー記事>http://www.4gamer.net/games/211/G021124/20130602001/]]で、インデックス社の担当者は「『けいおん!』のプライズ景品が売れているのを見て、ゲームを作ればウケると思った」「それまで『けいおん!』は名前を知っているくらいで、''企画が進行してから色々調べた''」と率直に語っている。 --社内メールで知っている社員から話を聞いたり、コミックマーケットで参加者にどのようなところが好きなのかを聞いたりした上で本作の企画を進行させたそうだ。 --それ自体は非難すべきではないが、本作の悲惨な出来映えを見ていると、誰か『けいおん!』や音ゲー、アーケードゲームに詳しい人を呼んできて開発の中心に据えるべきだったのではないかと思えてならない。 --なお当該記事では担当ライターがゲーム内容に対していささか辛辣な批評を加えている。4Gamerのインタビュー記事では稀に見られることではあるが。 --そして、上記の不満点は開発側もある程度は自覚していたようで、『可能性の段階』と前置きした上で、現ver.を第1弾として、将来的にはバージョンアップしたいと答えている。 ---発売元のインデックスが経営危機にあったせいもあり、実現の可能性は低いだろうと誰もが思っていたのだが、9ヶ月を経てこの言葉は現実となった。 -特定のカードには応募マークが印刷されており、3枚1口で応募する抽選プレゼントキャンペーンが行われた。筐体には豊富な賞品が用意されているかのように記載されていたが、実際は''目覚まし時計と非売品カード1枚の2種類だけだった''。 --なお、キャンペーンは二回実施され、「オリジナル目覚まし時計」は2回とも違う音声が収録されているとのこと。非売品のカードも別物になった。 ---- **第二弾サービスについて -2013年12月18日より、本作の''第二弾サービス''が開始された。単なるカードの入れ替えだけではなく、ゲーム内容も随所に手が加えられている。 -''第二弾カードへの入れ替え'' --第二弾として新規に46種類のカードが作られ、第一弾カードの代わりに排出される。 ---絵柄は相変わらずアニメ本編からのキャプチャー画と、既存版権絵からの使い回しばかり。SD化されたチビキャラ絵が描かれたキャラカードもある。 -''ゲームシステムの改良'' --緑色のアイコン(コンパネ右下のボタンに対応)は、従来通りレーンの右から中央に向かって流れてくるが、青色のアイコン(左下のボタンに対応)は逆に、左から中央に流れてくるようになった。赤色のアイコン(コンパネ上のボタンに対応)は、左右どちらからも流れてくる。 ---この変更により「画面の左半分が無駄」などという不条理な状態は解消した。また緑と青のアイコンについては、アイコンが置かれているレーンと同じ側のボタンを押すので直感的にわかりやすくなり、ボタン配置の暗記が必須ではなくなった。赤が来たら上を押すということだけ、特に意識していればいい。 --カードの組み合わせにより発生する「コンボ」のパターンが増大。より多彩な組み合わせを模索する余地が生まれた。 --成功操作の連続回数という意味の「コンボ」も、プレイ中10コンボごとに表示が出るようになった。 --クリアノルマやプレー後の評価、ハイスコアやプレイヤー名の入力など、あって当たり前の要素がようやく搭載された。 ---が、どういうわけだかカード購入ボーナスというものがついた。5連続でこのボーナスを上げることが出来、ハイスコアにも反映される。音ゲーとしてそれはアリなのか? -''画面演出の変更'' --第一弾では、リズムアクション中の背景は一枚絵の拡大縮小表示であったが、第二弾では[[太鼓の達人]]のようにSD化されたキャラクターたちが現れ、簡易アニメで動いてプレイヤーを「応援」してくれる。 ---ゲーム開始時点では画面にいるのは最初に選んだキャラクター1人だけだが、操作を上手く進めるとキャラクターが増えていき、最終的には5人全員が画面に並ぶ。 ---SDキャラのアニメーションは2コマ繰り返しという素朴なものであり、選んだ楽曲によってキャラの服装やポーズが変わるようなこともない。だがそれでも第一弾に比べれば、いくらか見た目はマシになっていると言えるだろう。 ---これもデモ画面の使いまわしなのだが、第1弾でジャギーが粗かったものが改善されている。 -''楽曲の入れ替え'' --選べる曲数は第一弾と同じく全11曲。このうち5曲が新曲に差し替えられている。 ---5人のキャラソンCDに収録されたアニメ未使用曲が、CDの表題曲からc/w曲に変わっているのである。しかしいずれもTVアニメ第一期に属する曲であり、PSP『放課後ライブ!!』にすでに収録済みである点は、残念ながら第一弾と変わらない。 ---なお第一弾と同様に、全てCD音源そのままのフルサイズ収録である。 -''発売元がセガに'' --インデックスのゲーム部門がセガの傘下に入ったことに対応して、第二弾からの発売・販売はセガが手がけている(開発元は依然インデックスであり、タイトル画面などには「ATLAS」のロゴが表示されている)。 #region(参考プレイ動画(第一弾)) &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=T10fn4sCX0g){425,350} #endregion ---- **続編 -2014年11月13日に、TVアニメ第二期『けいおん!!』を題材とた続編『[[けいおん!! 放課後リズムセレクション]]』が発売された。
*けいおん! 放課後リズムタイム 【けいおん ほうかごりずむたいむ】 |ジャンル|TCAG&br;リズムアクション|~| |対応機種|アーケード|~| |発売元|インデックス(旧法人)→インデックス(新法人)→セガ|~| |開発元|アトラス(インデックス)、アンブル|~| |稼働開始日|第一弾:2013年3月下旬&br;第二弾:2013年12月18日|~| |プレイ料金|100円|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|絵柄が使い回しなのに種類も少ない、魅力の薄いカード&br収録曲はテレビ第1期のみ、家庭用で内容も勝る[[過去作>けいおん! 放課後ライブ!!]]が存在&brプレー後の評価やネーム登録、ハイスコア記録すらもない手抜きなシステム&br使いまわしたため老朽化している筐体&br筐体単位でスコアが上積みされるだけのキャラクターランキング|~| |>|>|CENTER:''[[まんがタイムきららシリーズ]]''| //Wikipediaには「稼働開始日・2013年4月26日」と書いてありましたが、この日付は何なんでしょうか。確かに3月下旬に稼働開始した筈なのですが、それはロケテストや先行販売であり、正規の発売日は4月26日だったりするのでしょうか。ご存じの方は適切に修正してください。 ---- #contents() ---- **概要・特徴 漫画家「かきふらい」氏による同名マンガを原作とするアニメ『けいおん!』(テレビアニメ1作目)を題材としたアーケードゲーム。~ 『けいおん!』を題材としたリズムアクションゲームとしては、セガからPSPソフト『[[けいおん! 放課後ライブ!!]]』が発売されているが、両者に直接的関係はない。 ゲームジャンルはリズムアクション(音ゲー)。またプレイのたびにカードが1枚手に入り、これを集めることでスコアの向上が図れるTCAG(トレーディングカードアーケードゲーム)でもある。~ ゲーム筐体はアトラスの開発した「クルカステーション」を採用している。コンパネ左寄りに赤、青、緑の3つのボタンが三角形に配置されており、コンパネ右寄りにはカードスキャナが設置されている。 ---- **ゲームの流れ +コインを投入する。 +「ゲームをプレイ」「カードだけ買う」のいずれかを選ぶ。 +筐体下部からカードが1枚排出されるので受け取る。 +「遊びたいキャラクター」を5人の中から1人選ぶ(これの意味は後述)。 +使用するカードを3枚までスキャンする。 +曲と難易度を選択する。 +ゲームをプレイ。終了後、スコアとキャラクターランキングが表示される。 +''次のおともだちにかわってあげてね!''(後述) ---- **問題点 ''不親切でちょっと変なゲームシステム'' -画面の左半分が無意味 --画面にはU字のレーンが表示されており、右上から3色の丸いアイコンが流れてくる。これがレーン下端の判定ポイントに到達した瞬間に同じ色のボタンを押す。 --ここで気づくのが、''画面の左半分が丸ごと無意味な物になっている''事実である。ゲーム的に意味があるのは右上から下端までのレーンだけであり、下端に達したアイコンは、上手くボタンを押そうがミスをしようが消えてしまうのだ。そのため画面の右半分だけを使ってプレイする、とても見づらいゲームになってしまっている。 -ボタン配置の暗記が必須 --コンパネには赤、青、緑のボタンが三角形に配置されているが、この配置と画面表示に相関関係が無い。画面を見ながらアイコンの色だけを頼りにボタンを押さなくてはならないので、ボタンの配置を暗記することが必須となる。 ---たった3ボタンなので暗記は難しくない。音ゲー慣れした人なら初回プレイで頭に入ってしまうだろう。しかし音ゲーに慣れていない人や小さな子供たちにとっては不親切だと言わざるをえない。 ---ほぼ同じボタン配置を採用している『[[アイカツ! -アイドルカツドウ!-]]』では、アイコンの中に「←」「↑」「→」という矢印が書かれているので、色を暗記していなくても矢印を頼りにボタンを押せばいい。しかし本作にはそのような配慮はなく、アイコン内に書かれているのは放課後ティータイムのマーク(湯気の出たティーカップ)である。 -音ゲーやアーケードゲームとしてみても目立つシステムの不備 --クリアボーダーやノルマというものが定められておらず、得点やコンボ数すらプレイ中に表示されない(50コンボごとにキャラの声付きで50コンボ、100コンボ…と出る程度)。ゲーム後にやっと得点が算出されるが、指名したキャラクターに加算されるのみで、プレーヤー名の入力やハイスコアの記録はおろか評価すらも行われない。 ---そのため、公式のハイスコアランキングは「スコア表示画面を写真に撮って送付する」という前時代的な手法で行われている。 --同時押しや長押しの要素がない。児童層も視野に入れて故意に採用しなかったのかも知れないが、そのせいで難易度「むずかしい」では多数・多色のアイコンが途切れなく押し寄せる、難しいだけで単調な譜面になっている。 ''素朴すぎるゲーム画面'' -音ゲープレイ中の背景には登場人物5人を描いたイラストが表示され、カメラが拡大・縮小をくり返しながらフラフラと動く。あんまりといえばあんまりな素朴さである。 --『放課後ライブ!!』では、3DCGで描かれたキャラクターたちが歌ったり演奏したりするPVが表示されたが、本作にはそのような要素はない。表示されるのは''単なる一枚絵''である。 --絵は曲ごとに1種類ずつ用意されているが、いずれも雑誌やグッズなどに使用された既存イラストの使い回しである。 ''カードの意味や魅力に疑問が残る'' -排出されるカードはすべてアニメ本編からのキャプチャー画、もしくは既存イラストの使い回しで魅力に乏しい。 --本作用に描き下ろされたイラストもあるにはあるのだが、ポスター等に使用されるキービジュアルと共用になっている。つまり''カードのために描き下ろされたイラストは1枚もない''。 --カード種類が全46種(プロモカード除く)というのも、トレーディングカードとして物足りない数。 -ゲーム内でのカードの意味がスコアの上乗せだけである。 --「良いカードを手に入れるとプレイヤーが強くなり、強敵や難関を突破できるようになる」というのはTCAGによく見られる要素である。しかし本作は3枚のカードに書かれた数値の合計がゲーム終了時のスコアに上乗せされるシステムとなっている(一応、同じキャラで統一したり特定の組みあわせを作ったりすると「コンボ」となり、上乗せスコアが更に多くなる)。それ以外の意味はないので、強いカードを手に入れたからクリアが楽になるようなことは特にない。 --また先述の通り画面に表示されるのは1枚の絵であり、スキャンしたカードのキャラクターが画面に現れて歌い踊るような演出や、女児向けTCAGでは定番の着せ替え要素もない。 --コンボが成立する組み合わせパターンが少ないので、ある強いカードさえ手に入れてしまえば、他のカードはただの下位互換になる場合が多い。 --ちなみにこのゲームでは「コンボ(COMBO)」という言葉を「リズムゲームでミスなく操作した連続回数」と「カードの組み合わせで生じるスコアボーナス」の2つの意味で使っており、とても紛らわしい((この記事を読んでいても紛らわしく感じるかも知れないが、そういうゲームなのでご勘弁いただきたい。))。 ---そのコンボもどういうわけか紬だけ他のキャラとペアのコンボが存在しなかったり、「けいおんぶ」のコンボでは梓が入らないなど、原作に照らしあわせて不可解な点がある。 ''桁数が異常なスコアの表記'' -本作ではキャラクターを選んでプレーした後そのキャラクターに点数が入り、1位になるとナビゲーターとして選べるほか、デモ画面でキャラクターランキングが流れるのだが、このランキングの点数が各キャラごとに''11桁''もある。 --このスコアが11桁まで0が続く形(7万点だと「''00,000,070,000''」)で表示されるため、3桁区切りがあるとはいえ見づらい。なお1回のプレーで獲得できるのは高くて7万点台であり、最後の桁(100億点)に届くまでには7万点台を出せ続けたとしても''12万回以上''ものプレーが必要となる。 ---第2弾稼動でスコアはリセットされた。 ''筐体が古すぎる'' //ポンコツという言い方は流石に酷いと思ったので「古すぎる」に変更しました。 -本作で用いられている筐体「クルカステーション」は元々、''2006年12月''にリリースされたアーケードゲーム『きらりん☆レボリューション ハッピー★アイドルライフ』のために設計されたものである((『きらレボ』はスキャンエリアに置かれたカードの向きによって効果が変わるシステムになっており、プレイ中にカードを何度もクルクルと回すことになる。これが「クルカステーション」という名前の由来である。))。その後『極上!!めちゃモテ委員長 クルモテ ガールズコンテスト!』や『電車カードゲーム テツダマシィ』に流用され、そして本作にも用いられることになった。 --つまり6年以上も前に設計された代物であり、また''実際に長年にわたって使い回されてきた筐体も多い''。 --このため本作は2013年3月に発売された新作アーケードゲームでありながら、なんと''ブラウン管ディスプレイ''を採用している。しかも長期間稼働を続けた筐体だと、画面のフォーカスが甘くなったり、黄ばんでいたり、''過去作品の画面表示が焼き付きを起こしていたり''といったケースが頻繁に見られる。 ---定番のジョークに「温泉宿のゲーム機には必ず『[[XEVIOUS>ゼビウス]]』の文字が焼き付いている」というのがあるが、まさか2013年にもなってこれを再現したかのような光景にお目にかかれるとは驚きである。 -カード排出時に引っかかりトラブルを起こしやすい。これは『きらレボ』時代から指摘されていた構造的欠陥であり、経年劣化も相まって更にトラブルを起こしやすくなっている。 -操作する3つのボタンがコンパネ上で左に寄っている。そのため右手で操作するには''身体を左にひねった不自然な体勢でプレイしなければならない。'' --これも筐体使い回しの弊害。『きらレボ』『めちゃモテ』では左手でボタンを押すと共に右手でカードを動かしたりタッチパネルに触れたりといった操作を行うため、左寄りのボタン配置にも必然性があった。~ しかし『テツダマシィ』や本作ではコンパネ右半分は普通のカードスキャナになっており、ゲーム中にいじる必要はない。そのため意味もなく遊びづらいだけのコンパネ配置となっているのである。 --ちなみに3ボタンが左寄りなのは『アイカツ!』シリーズなども同様だが、あちらは2人同時プレイを想定した配置なので問題とするにはあたらない。 -『きらレボ』や『めちゃモテ』にはあった自分のプレイ履歴をICカードで記録する機能はない。またランキング集計などのための通信機能もない。 -音ゲーなのにスピーカーの質が低い。『アイカツ!』のようにコンパネ上に増設スピーカーを設置するようなこともない。 ---- **賛否両論点 ''収録楽曲について'' -選べる楽曲は全11曲。アニメOP曲『Cagayake!GIRLS』、ED曲『Don't say“lazy”』、劇中で使用された挿入歌、各キャラがボーカルを務めるキャラソンなど納得のラインナップである。~ それは良いのだが、''この11曲すべてが『放課後ライブ!!』に収録されている曲''なので、そちらを持っている人にとっては新鮮味がない((細かく言うと本作の『Cagayake!GIRLS』と『Don't say“lazy”』はシングルの桜高軽音部版で、『放課後ライブ!!』で使用されている[5人Ver.]ではない。))。 --『放課後ライブ!!』に入っていない曲(アニメ第2期や劇場版の曲など)を採用していれば、楽曲のためにプレイしようという気が起きたかもしれないのだが。 -楽曲を音ゲー向けに短く編集しておらず、CD音源そのままのフルサイズで収録している。 --曲自体の魅力を大事にする原作ファンには好意的に受け止められている一方で、「音ゲーでフルサイズは長すぎてダレる」「100円で1曲しか遊べないので満足感が乏しい」という批判もある。 ---一応、音ゲータイプのTCAGは100円1曲の場合が多い。この作品はそれらのように着せ替え要素等は無いため比べられるものではないが。 ---さらに言えば、他社の音ゲーには通常モードの他に、長い曲を1曲だけプレイする「ロングプレイモード」を搭載している作品もある。それと比べると、本作はロングプレイモードだけしか選べないのと同じとも言える。 ''キャラクターランキング'' -本作では「キャラクターランキング」というシステムを採用している。 --ゲーム終了時の最終スコアが、「プレイ開始時に選択したキャラクター」の得点として加算され、筐体ごとに常に集計される。そしてプレイ終了時などに、キャラクター人気ランキングとして表示されるのである。 --集計の対象となるのは選ばれた回数ではなくスコアの累計。したがって自分の推しメンをランキング首位につけるには、何度もプレイする財力と「むずかしい」モードを高得点でクリアできる腕前の両方が要求される。 --首位となったキャラはゲームの最初のナビゲーターとなる。スキャン以降はカードのキャラに変わる。 --とてもユニークなアイデアであり、これがインカムに貢献している一面もあるようだ。しかし上位プレーヤーの愛用キャラや人気・不人気キャラが露骨に反映されることに不快感を抱いている人もいる。 //--ゲーム内のナビゲートボイスが5キャラ分用意されているのだが、使用されるのはランキング首位のキャラの物だけである。ランキングが固定化されている筐体では、せっかく全員分の声が用意されているのに1人分しか聴けないという弊害もある。 //↑カードのスキャン以降は、ナビキャラはスキャンしたキャラになります。 #co(){{↓「桁数が異常なスコアの表記」から移動 //--一定期間でリセットされるわけでも連続プレーなどでボーナスが加算されるわけでも無いので、ある程度までプレーされるとランキングが硬直化されそれを追い抜くためには更に莫大な投資をする必要がある。 //---だがこのゲーム内容で、そんないたちごっこを長期間続ける人がいるのか疑問である。 //↑ランキングの概念があること自体は、プレイヤーのモチベーション向上につながっていると思われるので、必ずしも問題点とは言えません。プレイヤー同士を競わせるのも、ある程度ならアリでしょう。問題とすべきは、色々と仕様がおかしくバランスが悪いことだと思います。そのことが、もっと伝わりやすい文章にできないでしょうか? }} ''そもそも「誰に向けたゲーム」なのかわからない'' -『けいおん!』は深夜帯で放映されたアニメであり、そのファン層はミドルティーン以上の男性((ただし、男性キャラが非常に少ない作品の割には女性ファンもかなり多い作品でもある。))を中心としている。これはメーカーも認識しているようで、公式サイトでも『けいおん!』ファンに向けたゲームであることを明記している。 --しかしながら、キャラクターの可愛らしさもあるためか、本作は『きらレボ』『めちゃモテ』と同ジャンルの女児向けゲームのように扱われ、ショッピングモールや大型玩具店などに設置されていることが多い。どうやら過去の営業ルートをそのまま活用しているようである(その一方でマニア向けのゲームセンターに設置されているケースも多いが)。 --そして画面上のすべての漢字にふりがなが振られており、ゲーム終了時には「''次のおともだちとかわってあげてね!''」とアナウンスされるなど、少なからず児童向けゲームのような造りになっていることも事実である。 --以上のように、『けいおん!』という題材とゲームの造りや営業方針との間に、いささかの混乱が見て取れる。もっとも好意的に見れば「ファン層と女児層の両方にプレイしてもらいたい」という姿勢の現れだとも解釈できる。 ---参考までに稼働当時ではセガの『[[maimai]]』『[[CHUNITHM]]』は勿論、他社音楽ゲームにもけいおん!シリーズの楽曲が収録される事はまず無く、本作を除いた数少ない例外として『ミュージックガンガン! 曲がいっぱい☆超増加版!』が挙げられていた。(「Don't say "lazy"(カバー版)」) ---『ミュージックガンガン!2』で削除されて以降、業務用音楽ゲームに収録される気配は全く無かったが、5年の時を経て『[[BeatStream アニムトライヴ]]』『[[jubeat Qubell]]』『[[GITADORA Tri-Boost Re:EVOLVE]]』に「GO! GO! MANIAC(原曲版)」が相次いで収録され、アーケードゲームでけいおん!曲を遊べる本作の存在意義は無くなりつつある。 ---- **評価点 -カードそのものは美麗 --レアリティ「ノーマル」に至るまですべてのカードにプリズム処理が施されている。 --可愛らしい書き下ろしSDキャラや、それらを生かしたカードもある。 -とっつきやすい難易度 --ボタンを押すタイミングの判定が比較的緩く、ゲーム初心者でも楽曲さえ知っていれば簡単にコンボを重ねていく事が出来る。ゲームファンからの評価はともかく、子供やゲームに詳しくないアニメファンでも楽しむ事が出来る難易度である。 --そもそもライフゲージがないので、プレイ途中でゲームオーバーになることもない。誰でもCDサイズの音源を最後までプレイすることが可能。この為肩の力を抜いてけいおん!の楽曲に浸ることが出来る。 //---『放課後ライブ!!』は判定がややシビアであり、複数キーの併用など操作が複雑。またミスが多いとキャラクターが気分を悪くして演奏を打ち切られる為、ゲーム初心者には厳しい内容であるといえる。 -新規ボイス --ゲームで使われるナビゲートボイスは、全てが新規収録となっている。『けいおん!』ファンや声優ファンに対しては嬉しいサービスと言える。 ---- **総評 -手抜きのゲーム内容に使い回しの筐体と、とにかく「安上がりに作れる」ことを最優先したかのようなアーケードマシン。それでもカードに魅力があれば「ついでにゲームも遊べるカード販売機」として評価できるのだが、そのカードも使い回しの絵柄ばかりであり、これらの問題点を解消するには至らなかった。 --同じ筐体の過去作品『きらレボ』や『めちゃモテ』では、3DCGで描かれたキャラクターが画面内でダンスを踊ったりさまざまな衣装に着替えたりしたほか、キャラクターとのやり取りやマイルーム、オリジナルキャラを作れるなどの要素があったのだが、本作にはそのような要素は一切ない。同じ会社がリリースした6年以上前のゲームと比較しても、大幅に見劣りする感は否めない。 --またTCAGの形式をとるのであれば、強いカードをたくさん集めることでプレイヤーが強くなり、強敵や難関を突破しやすくなるのが当たり前なのだが、本作はそれも成立していない。「TCAGとは何か」という命題について、はからずも考えさせられてしまう。 -アニメ版の版権契約のもとに作られたゲームとはいえ、原作の続編である第2期や劇場版の要素でも取り入れていればアドバンテージにもなったと思われるのだが。 -一方ゲーム初心者にとっては楽しみやすいゲームである。ゲームファンにとっては昨今の他のゲームと比較して不足する点が多く満足するに遠く及ばないものの、難易度が低いため多くの層がプレイする事が出来る。 //-またメディア展開に恵まれない原作の『college』『highschool』のネタを取り入れれば「今更」出す意義があったのかもしれない(少なくとも原作が完結して単行本を発売して暫く経った後のリリース)が、恐らく版権的に無理だったのだろう。 //--賛否の分かれる後日談ではあるが、こんなゲームであったとしても和田晶ら『恩那組』とセッションや対バンするHTTや、梓を部長として純・憂に加え奥田直・斉藤菫を加えた『わかばガールズ』がふわふわ時間を演奏するシーンなどを見たかったという意見も少数ながら存在している。 //↑総評に書くことではないのでは? ---- **余談 -大手ゲーム情報サイト『4Gamer.net』の[[インタビュー記事>http://www.4gamer.net/games/211/G021124/20130602001/]]で、インデックス社の担当者は「『けいおん!』のプライズ景品が売れているのを見て、ゲームを作ればウケると思った」「それまで『けいおん!』は名前を知っているくらいで、''企画が進行してから色々調べた''」と率直に語っている。 --社内メールで知っている社員から話を聞いたり、コミックマーケットで参加者にどのようなところが好きなのかを聞いたりした上で本作の企画を進行させたそうだ。 --それ自体は非難すべきではないが、本作の悲惨な出来映えを見ていると、誰か『けいおん!』や音ゲー、アーケードゲームに詳しい人を呼んできて開発の中心に据えるべきだったのではないかと思えてならない。 --なお当該記事では担当ライターがゲーム内容に対していささか辛辣な批評を加えている。なお、4Gamerのインタビュー記事では稀に見られることではあるが。 --そして、上記の不満点は開発側もある程度は自覚していたようで、『可能性の段階』と前置きした上で、現ver.を第1弾として、将来的にはバージョンアップしたいと答えている。 ---発売元のインデックスが経営危機にあったせいもあり、実現の可能性は低いだろうと誰もが思っていたのだが、9ヶ月を経てこの言葉は現実となった。 -特定のカードには応募マークが印刷されており、3枚1口で応募する抽選プレゼントキャンペーンが行われた。筐体には豊富な賞品が用意されているかのように記載されていたが、実際は''目覚まし時計と非売品カード1枚の2種類だけだった''。 --なお、キャンペーンは二回実施され、「オリジナル目覚まし時計」は2回とも違う音声が収録されているとのこと。非売品のカードも別物になった。 ---- **第二弾サービスについて -会社の経営危機や相次ぐ筐体撤去などの逆境を乗り越えて、新カードの追加とゲーム内容のバージョンアップが実行された。 -2013年12月18日より、本作の''第二弾サービス''が開始された。単なるカードの入れ替えだけではなく、ゲーム内容も随所に手が加えられている。 -''第二弾カードへの入れ替え'' --第二弾として新規に46種類のカードが作られ、第一弾カードの代わりに排出される。 ---絵柄は相変わらずアニメ本編からのキャプチャー画と、既存版権絵からの使い回しばかり。SD化されたチビキャラ絵が描かれたキャラカードもある。 -''ゲームシステムの改良'' --緑色のアイコン(コンパネ右下のボタンに対応)は、従来通りレーンの右から中央に向かって流れてくるが、青色のアイコン(左下のボタンに対応)は逆に、左から中央に流れてくるようになった。赤色のアイコン(コンパネ上のボタンに対応)は、左右どちらからも流れてくる。 ---この変更により「画面の左半分が無駄」などという不条理な状態は解消した。また緑と青のアイコンについては、アイコンが置かれているレーンと同じ側のボタンを押すので直感的にわかりやすくなり、ボタン配置の暗記が必須ではなくなった。赤が来たら上を押すということだけ、特に意識していればいい。 --カードの組み合わせにより発生する「コンボ」のパターンが増大。より多彩な組み合わせを模索する余地が生まれた。 --成功操作の連続回数という意味の「コンボ」も、プレイ中10コンボごとに表示が出るようになった。 --クリアノルマやプレー後の評価、ハイスコアやプレイヤー名の入力など、あって当たり前の要素がようやく搭載された。 ---が、どういうわけだかカード購入ボーナスというものがついた。5連続でこのボーナスを上げることが出来、ハイスコアにも反映される。音ゲーとしてそれはアリなのか? -''画面演出の変更'' --第一弾では、リズムアクション中の背景は一枚絵の拡大縮小表示であったが、第二弾では[[太鼓の達人]]のようにSD化されたキャラクターたちが現れ、簡易アニメで動いてプレイヤーを「応援」してくれる。 ---ゲーム開始時点では画面にいるのは最初に選んだキャラクター1人だけだが、操作を上手く進めるとキャラクターが増えていき、最終的には5人全員が画面に並ぶ。 ---SDキャラのアニメーションは2コマ繰り返しという素朴なものであり、選んだ楽曲によってキャラの服装やポーズが変わるようなこともない。だがそれでも第一弾に比べれば、いくらか見た目はマシになっていると言えるだろう。 ---これもデモ画面の使いまわしなのだが、第1弾でジャギーが粗かったものが改善されている。 -''楽曲の入れ替え'' --選べる曲数は第一弾と同じく全11曲。このうち5曲が新曲に差し替えられている。 ---5人のキャラソンCDに収録されたアニメ未使用曲が、CDの表題曲からc/w曲に変わっているのである。しかしいずれもTVアニメ第一期に属する曲であり、PSP『放課後ライブ!!』にすでに収録済みである点は、残念ながら第一弾と変わらない。 ---なお第一弾と同様に、全てCD音源そのままのフルサイズ収録である。 -''発売元がセガに'' --インデックスのゲーム部門がセガの傘下に入ったことに対応して、第二弾からの発売・販売はセガが手がけている(開発元は依然インデックスであり、タイトル画面などには「ATLAS」のロゴが表示されている)。 #region(参考プレイ動画(第一弾)) &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=T10fn4sCX0g){425,350} #endregion ---- **続編 -2014年11月13日に、TVアニメ第二期『けいおん!!』を題材とした続編『[[けいおん!! 放課後リズムセレクション]]』が発売された。

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