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-名実ともにOverflowの出世作であり、現在に至るまで製作陣とユーザーに良くも悪くも影響を与え続けている(特に後者である悪いが“最悪”と表記される程)。 ---- **作品のポイント -ゲーム内容としては、アニメを見ながら所々で現れる選択肢を選んでいくと言うもの。基本的には2択だが、無言という選択も可能である。 --だが回答時間は僅か5秒であり、気を抜いていると見逃してしまう(=無言)事が多々ある。だが、逆にこれがリアルで良いとするファンもいる。 --なお、アドベンチャーにありがちな『ゲームオーバーエンド』が存在しない。どのような選択をしようと(全ての選択肢で無言だろうと)、最終話である6話、そして何らかのEDに辿り着く。 -この作品が有名になった主な理由として、シナリオが非常に強烈である。例えるならば、''昼ドラの舞台を学校に移してゲーム化した''と言うべきか。 --そのいかにもほのぼのとしたようなタイトルや、雑誌での紹介記事を大きく裏切る内容は、当時2ちゃんねるの本スレが阿鼻叫喚の渦となり、後述するパッチ問題もあり話題となった。 ---ただしバッドエンドで惨劇が起こる事は、発売前に既に広報されていた。もっとも、一種の『伝説』となると予想できていた人は殆どいなかったが。 --ゲーム序盤は割と王道のほのぼのとした展開なのだが、ストーリーが進んでいくにつれて、ヒロインたちが主人公をめぐってエゴをぶつけ合うようになり、凄まじいまでの修羅場となる。 --とにかくキャラの感情が生々しい。殆どのキャラが黒髪、あるいは茶髪という「現実にいそうな」キャラデザである事と、フルアニメーションである事が合わさって、現実の修羅場を見せられているような気分になる事は間違いない。 ---そして主人公の選択次第では修羅場の果てに、''殺傷沙汰のバッドエンド''を迎えてしまう事もある。''当然フルアニメーション''であり、動く絵で見せ付けられるキャラの末路はあまりにも強烈。 --パッケージや公式サイトの絵を見る限りでは、王道の恋愛ゲームにしか見えない。体験版に収録されている部分を見ても、王道の展開と言っていい。それにも関わらず、激しい修羅場を繰り広げると言う極端な二面性のストーリーがユーザーの注目を集めた。 ---故に、「パッケージ詐欺」の代表格として語られる事がある。もちろん、この場合の詐欺はいい意味だが。 -登場キャラはいずれも一癖も二癖もあり、所謂''テンプレキャラは存在しない''と言っていい。 --ある時を境目に豹変するヒロインなど、良くも悪くもユーザーの心に深く刻まれるキャラが多い。 ---- **問題点 -とにかくバグが多い。発売直後はマトモなプレイすら困難であり、計11度も修正パッチが出される事となった。 --パッチの容量も当時としては大きく、多くのユーザーが公式サイトに殺到した結果、公式サイトへのアクセスが困難になった時期もあった。 --Ver1.11のパッチによりバグはほぼ解決し、後にバグ修正済みのリニューアルパッケージ版が発売された事もあり、バグが原因の騒動は一応終息した。 ---基本的にPCアダルト業界では、数度のパッチによる修正などは特に珍しい事ではない。が、本作(というか、このメーカーの作品全般)のパッチの多さ・容量のでかさはその中でも異常といっていいほどである。 //---そもそも、アニメーションがあるとはいえアドベンチャーでパッチが出るなどという事は本来ならば誤字脱字程度の事くらいしかありえないはずである。同人ゲーまで行っても、頻繁にパッチが出るのはプログラムの管理が難しいRPGなどである。 //ADVでもフラグ管理等のミスでパッチが出るってのは割とよくある。それでも回数が異常だけど -肝心のアニメーションの質が悪い。 --とは言っても当時のOverflowにはアニメーションのノウハウが蓄積されていなかったため、仕方が無いとも言える。 --今見ると質が劣るように見えるが、当時のユーザーには十分に衝撃的だった。また、フルアニメーションのアダルトゲーム自体が、今でも希少であることも留意したい。 ---つまり、この作品にはオンリーワンの強みがあるという事である。 -複数のルートが削除されており、整合性の面で問題が起きている。&br()特に問題となっている部分として、『片方のヒロインにばかり好感度を集中させていたら、主人公が突然もう片方のヒロインの方に靡いてしまう』という場面がある。 --これはルート削除によって、本来のルートが消滅したがための''仕様''なのだが、主人公に突然振られる形となるヒロインのファンからは批判されることとなった。 ---余談だが、この展開に対してファンが付けたあだ名は『ポルナレフ』である。元ネタは言うまでもないだろう。 ---要するに『俺は言葉(ルートが削除されたヒロイン)を攻略してたと思ったら誠(主人公)がいきなり「俺には世界(もう一人のメインヒロイン)しかいない」と言った。な、何が起きたか分からねぇが(ry』という事。これは誇張でもなんでもなく、全て実際に起こる出来事である。 --これ以外にもあからさまな使い回しなど、ルート削除を匂わせる場面が複数ある。 ---資金と製作期間の関係で、止むを得ずいくつかのルートを没にしたとされているが、これにより後述するような問題も引き起こされている。 -ヒロインの扱いに明らかな差がある。本作のメインヒロインは『西園寺 世界』と『桂 言葉』の2人だが、(偶然の部分もあるだろうが)明らかに言葉が冷遇されている。 --世界はアダルト描写のあるシーンの多くにおいて、キャラクターデザイン兼総作画監督のごとうじゅんじ氏の修正を受けているためクオリティが中々高い。だが、対する言葉はアダルト描写のあるシーンで修正されているのは1シーンのみである。 ---さらに修正されたシーンは、事実上本作唯一の(自主規制)シーンである。そのため、「見たくないけど実用性はピカイチ」と言う、何とも言えない状況になっている。 --前述の『ポルナレフ』問題があるために、主人公の『伊藤 誠』が言葉に対して常に一途であり続けるルートが存在しない。どうやっても一度は世界に靡いてしまう。 ---しかも、後に削除されたルートの多くは言葉のハッピーエンドであること、対して世界はバッドエンドが削除されたことなどが明らかとなり、当然のことながら言葉ファンからは批判された。 --エンディング数では世界よりも多いのだが、その約半数が使いまわしの内容である。ここも前述のルート落ちが影響していると言われている。 ---しかし使い回しとはいえ、そのエンディングの内容自体の評価、そしてキャラの人気が非常に高いのが救いだろうか。 ---それとは別に、アダルトシーンがカットされているなど明らかに尺の短いエンディングが存在する。そのうちの1つは、準公式同人誌によって補完された。 ---- **癖のあるキャラクターたち -今日、主人公の伊藤誠(いとうまこと)はゲーム史上でもトップクラスのダメ主人公として認知されている。 --一応弁護すると、普段の誠は好青年であり、愛情深さや正義感はちゃんと持ち合わせている。とあるエンディングでは妹思いの兄である一面が描かれ、またとあるエンディングでは弱いもの虐めを許さないとする一面が描かれており、特に後者は本作において最も評価の高いエンディングと言っても過言ではない。そのため、彼を擁護するプレイヤーも少なからずいる。 ---実際同社作品の男性主人公の範疇で見れば彼はかなりまともな部類の人間ではある((同社作品の他の男性主人公達があまりにも酷過ぎるというのもあるのだが。そもそも誠を含めた同社作品の主人公達の起点となる人物の設定が凄まじいまでに(主に性的な意味での)倫理観が崩壊している、と言うか犯罪者そのものである(金持ちな事と、権力者に女をあてがっている事により犯罪を揉み消せる立場)。実は本作品に限らず同社作品の主要人物は殆どが(本人たちは知らないが)血縁関係であり、誠と世界も叔父と姪の関係である。気になる方は「沢越止」で検索すべし。))。 --ただし女性関係の問題になると途端に駄目人間になり、異常に旺盛な''性欲''と優柔不断っぷりが、修羅場を一気に加速させる原因の1つとなる。さすがにこの状態の誠は擁護しようがない。 ---そして度重なる横行に対し、彼自身に天誅が下される結末もある(ただし、この結末は「誠に全て非がある」とは一概には言い切れない)。 ---『Cross Days』では''男性である''『足利 勇気』まで毒牙にかけてしまう。''男だって構わないで食っちまう人間なんだぜ''。 --ルート落ちの影響もあるが、選択肢通りの行動をしてくれない事がある。いくら言葉寄りの選択をしても必ず一度は世界に走る。『ポルナレフ』も同様である。 ---これらの要素が集まった結果、ユーザーからは『''誠氏(死)ね''』と罵倒されており、本作を端的に表す合言葉の一種となっている。ただし上記の通り、誠にも評価点があることから彼を擁護するファンも少なからずいるため、過剰な叩きは禁物である。 -一方で、ダブルヒロインの片割れである西園寺世界(さいおんじせかい)も多くのユーザーから憎悪されている。 --理由としては、後に本作の続編として作られた「Summer Days」での言動が原因であり、それを踏まえて本作での彼女の言動を見ると、実際は''誠以上に本作の惨劇の元凶''であるという事実が判明したため。本作の時点でそれに気付いていたプレイヤーもいる。 --そもそも「School Days」本編で''実は両思いだった誠と言葉を仲介し、恋人同士にしたのは世界本人である''。にも関わらず、仲介した立場でありながら誠に手を出すのも元凶の一つである。 ---この後世界は「言葉との恋愛を楽しむための練習」等の理由を付けて誠に迫り、知人を利用することで言葉を間接的に(時に直接)虐めていく。そしていつしか、自分が誠の彼女であるかのような立場を確立させようとする。つまり世界は、''自分から仕立てたカップルを別れさせ、女を絶望のどん底に叩き落としつつ男を寝取っている''のである。''まさに悪女''。 ---それ以前に、世界は親友である清浦刹那が誠に恋心を抱いているのを知り、そのために誠に近づいて好みなどを調べて刹那の恋を応援する…というはずだったのが''ミイラ取りがミイラになり、自分が誠を好きになったためそれを握り潰した''のである。そもそも物語序盤で席替えで世界は誠の隣の席になっているが、''それも元は刹那が誠の隣の席になるはずだったのを無理矢理頼んで席替えのクジを交換したのである''。~ つまり世界は、''親友の恋を応援するどころかそれを踏みにじったのである''。一方、その裏切られたはずの刹那はその気持ちを抑え、誠を諦めて世界を応援するという、健気を通り越しているため、同情の声も大きく人気は高い。 --世界を分かり易く言うなら「''普段は明るく友達も多いが、思い通りにいかないとすぐヒスを起こしてキレる自分勝手で傲慢で我侭な女''」であろうか。これはアニメ版、漫画版、Summer Daysでさらに強調され、ゲーム未プレイの人からも嫌われる羽目になった。 --誠擁護派には特に彼女のアンチが多く、メーカー主催の''不人気投票''では''誠と共にぶっちぎりでワンツーフィニッシュを決めた''(二人の票数を合わせると、なんと''全体の6割近く''を占めている)。そのため、『''世界氏ね''』という罵倒も度々見られる。 ---しかし、実は体験版の時点では後述する言葉よりも人気が高かったりする。本編で評価を地に落とすとは何とも皮肉である。~ ただし人気投票では3位であり、決して人気が無いわけではない(とは言っても得票率は僅か10%なのだが…)。 -上記2名はあまりにも不人気だが、世界と対になるヒロインの桂言葉(かつらことのは)は本作において最も人気が高く“言葉様”と呼ばれるほどである。 --所謂『黒髪お嬢様』タイプのヒロインであり、普通に話を進めていく限りでは、料理が下手なのと男性恐怖症の気がある事以外は、温厚で心優しい少女であり普通である。 --しかしおとなしい性格と優れた容姿が災いし、劇中ではよくいじめに遭うのだが、その理由が陰湿かつ理不尽である。 ---世界とその取り巻きの裏切りといじめのほか、ルートによっては誠にまで裏切られ、時には(自主規制)の被害にも遭う。 --そして、バッドエンドになると''豹変''し、これまでのイメージを一気にひっくり返してしまう。 ---それでも誠への盲目的な愛が揺るがない事などから、今日では代表的な『''ヤンデレ''』キャラとされている。~ ただしPS2版の項目にもあるように、製作スタッフ及びファンはこの評価をあまり良く思っていない。言葉の暴走とも言える豹変ぶりは、先述の陰湿且つ理不尽ないじめや、世界や誠の裏切りの果ての精神崩壊であり、ヤンデレの定義には当てはまらないため。 --外見的要素と誠への一途な愛、本編での薄幸ぶり、そしてバッドエンドでの豹変などといった要素が集まった結果、人気投票では''約半数''の票を集めてぶっちぎりの一位である。 ---しかし、その豹変があまりにも凄まじいため、彼女を苦手とするユーザーも少なからずいる。 -また、ある意味誠や世界以上に嫌われているのが、誠の親友である『澤永 泰介』。''レイパー''という蔑称までつけられている。 --原因は「''蔑称から察しろ''」としか言えない。その行為に対する反省も自覚も無く、アニメ版では自分から動く形で再現された事もあり、プレイヤーからは徹底的に嫌われている。誠への擁護意見は少なからずあるし、世界にも決して少なくない人数のファンが存在する。しかし''泰介のファンはいない''(厳密には『レイパー澤永』名義での投票は2票あったが、それのみである)。 --なお、前述の不人気投票では誠、世界には及ばないものの、見事(?)に3位に輝いた。 ---後々の作品でも懲りずに登場する上に、どの媒体でも死亡するルートがない、''同じ事を繰り返す''といった事から、ユーザーの怒りに拍車をかけている。逆に、「(自主規制)エロをもっと増やせよ」なんて声もあるが。 --『Cross Days』では誠同様『足利 勇気』を(自主規制)してしまうのであった。男だって構わないで(ry -この他にも、友のためなら他人の意志など関係なく行動し、結果的に言葉を自我崩壊に追い込む『清浦 刹那』((ただし、他のキャラに比べるとまともな方で、キャラのぶれが少なく、サブキャラではダントツの人気。行動自体も良かれとしてやったことが裏目に出た形である。))、他人に性犯罪をそそのかす『加藤 乙女』、言葉が中学の頃から気に入らないというだけで、「世界のため」という名目を理由に運動部のコネを利用して徹底的に虐める『甘露寺 七海』など、目につくキャラクターとその言動は列挙するときりがない。 --先に述べた「テンプレキャラはいない」「言葉がいじめられる理由が理不尽」と言うのも、ここに起因する。 ---- **「'''伝説'''」となったアニメ版 -テレビアニメが2007年7月から9月にかけてUHF局を中心に放送された。全12話で、スタッフにはPC版関係者も多く携わっている。 -PC版のような露骨なエロ描写こそ少ないものの、キャラの性格や修羅場具合は''改善どころか更に悪化''。もう修羅場ってレベルじゃない。~ 手の込んだ演出がそれに拍車を掛けるため、2ちゃんねるのスレは再び阿鼻叫喚の渦に巻き込まれた。 --しかし、それ故に作品自体の評価は高く、Overflowも「100点満点の出来」と絶賛したほど。 //-この自画自賛に対して、「人間舐めんな」、「風化したら誰にも話題にすら上がらないタイトル」、「さっさと潰れろオバフロ」と罵声が挙がっている。理由は余りにも凄惨なEDだった為(後述参照)である。 --アダルトゲームやギャルゲーから出たアニメ作品は、グッドエンドやヒロインと結ばれるエンディングでストーリーを締める事が多いのだが、今作品ではアニメオリジナルのストーリーを繰り広げ、結末としては''超が付くほどのバッドエンド''である。原作の全てのバッドエンドの要素を組み込んだと言われるその結末は必見。最早恋愛・萌え要素などそっちのけである。 ---ただし、このエンディングは''ある視点から見ればハッピーエンド''でもある。海外の視聴者からは''「あまりの爽快さに大笑いした」''という感想も出た。 --特に、最終回の12話は現実の事件の影響で放送中止になり、大混乱の中海外の掲示板から「''Nice boat.''」と言う名言が生まれた。これは、差し替えで流された風景の映像の真ん中に船が居たため。 ---''Nice boat.''放送時は「ふざけんな!」「現実の事件とは関係ないだろ!」などと不満の声が後を絶たなかったが、後にAT-X等で''『ひぐらしのなく頃に』すら真っ青''の最終話が放送されると態度は一変。「これは放送できる訳ない」「色々とガキ臭い事言ってすいませんでした」と局の判断を肯定する声が相次いだ。 ---ただし放送中止にならなかった場合は、実際に放送されたものよりも描写の軽いバージョンで放送される予定だったらしい。ちなみにDVDでは、放映時はイカスミと揶揄された血の描写が''真っ赤''((もっとも本作品に限らず、どのような表現のある作品であろうと、大抵は、テレビ放送時はボカされてもBD・DVDでは規制をすべて取っ払った元の版で収録されるのが通例。))。 ---ちなみに同じ事件で放送が延期(一部局では打ち切り)になったアニメに前述の『ひぐらしのなく頃に』があるが、その事件発生と同時期の回に凄惨な殺人描写があった『アイドルマスターXENOGLOSSIA』((この回では9歳の少女(人造人間でクローンだが)が斧を担いで殺戮を行っていた。ただし彼女はテロ組織の一員として軍隊と戦ったのであり、殺人現場と言うよりは戦場である(つまりRPGで少年主人公が血まみれになって戦っているのと変わらない)。))や設定的に猟奇描写の多い『怪物王女』((主人公の少年は斧が得物。ただし主要人物は全員怪物であり人間ではない(主人公もゾンビみたいなもの)。こちらは知名度の低さゆえにあまり話題にはならなかった。))は何故か我関せずとばかりに放送していたりする。 ---なお、Overflowでも''Nice boat.''は公認しているらしく、後に実際に公式で''Nice boat.''ネタを使っていたりする。 -最終話放送時の2ch実況スレでは、僅か30分で何と''驚異の7866レス''を記録。当時としては異例の記録である。 -ちなみに、海外でもやはり誠に関しては散々な評判で、「''Kanonのmakotoは生きろ! NiceBoat.のmakotoは氏ね!''」((「Kanonのmakoto」とは沢渡真琴を指す。ちなみに女性キャラである。))という言葉が飛び出す程。「誠氏ね」は日本どころか世界共通という訳である。 --その海外の反応については[[こちら>http://dic.nicovideo.jp/v/sm1162858]]を参照。 -更にどうでもいいことかもしれないが、アニメ版のプロデューサーは主人公と同姓同名の伊藤誠氏。嘘みたいだが本当の話である。 --しかもこの仕事を本人自ら志願してきたうえに、イベントでは「リアル伊藤誠です」と発言し、ラジオ番組の最終回で「リアル伊藤誠役の伊藤誠」として出演しているなど、本当にノリノリでこの仕事をやっていた。 //-ちなみにこの伊藤誠のプロデュースした原作アニメは評判が凄まじく悪く、彼がプロデュースしたタイトルのファンからは憎悪を抱かれている他、このスクイズも原作を含めて評判は良くない。上記の伝説(糞)と表記されているのはこの為である。 //-その他として、スクイズ試写会に未開封のゲームを出せば見れる(後に未開封でも見れる様にしてやる)という不愉快な業務体勢を続けるオバフロも評判が悪い。 //逆じゃね? Nice boat.事件とか色々あったけどアニメスクイズはむしろ評判良い方だと思うし、記述見る限り叔母風呂がアレなのを差し引いても悪意を持った書き方されてるようにしか見えん。 --そもそも、「何でこんなキャラクターに、こんな普通の名前を付けたんだ?」とも言われてもいる。『デスノート』の「夜神月(やがみ・らいと)」や『ドラえもん』の「ジャイ子(本名無し)」とは正反対である((どちらも同名の子が苛められない様に気を使っている。尤も、この二つは少年漫画で本作品は18禁と言う違いがあるが。でも結局「月(らいと)」と名づけるDQN親が現れてしまった。))。 ---- **総評 -とにかくあらゆる意味で強烈な作品。パッと見では無害な絵柄に惹かれて、情報を調べずに買ったはいいが、予想外の修羅場に打ちのめされたプレイヤーも多い。 --しかし、修羅場とバッドエンドに(もちろんそれ以外の要素にも)魅入られたファンが多いのもまた事実であり、2005年上半期のアダルトゲーム売り上げ2位、年間7位を記録している。 -修羅場やバッドエンドといった強烈な部分にばかり目が行きがちだが、ストーリー自体の評価も中々高い。むしろストーリーが良いからこそ、強烈なシーンがより活きるとも言える。 --しかし、本作のネタを知った後、オーバーフローの業務実態を知ると、スクイズを憎悪する人は凄まじく多い。 -使用楽曲の評価が非常に高く、これもこの作品を評価する上でのポイントの1つと言える。 --一部の曲は前述のアニメ版にも用いられ、用いられたシチュエーションも相まって、視聴者に大きな印象を植え付けた。特にバッドエンドの「悲しみの向こうへ」という歌はファンの耳に大きく残られており、アニメ版の最終回でも使われたほどである。 -あまりにもバッドエンドが有名になりすぎたため、本作はバッドエンドばかりであると思われているが実はそうではない。約20のエンディングの内、バッドエンドはわずか3種類のみである。 --しかし、その3種類全てがショッキングな内容であり、多くのハッピーエンドよりも有名になってしまった。また、明らかにバッドエンドの方が力が入っている、という意見さえある。 --尤も「誠が男娼となっていろんな女と金で寝る」等がハッピーエンドか?と言うと疑問が残るが((主人公(誠)視点ならある意味ハーレムエンドとも言えなくは無い。相手は全員美少女だし。))。 -本作の人気を受け、2006年には外伝作品として『[[Summer Days]]』を、2010年には『[[Cross Days]]』を発売しているが、これらもまたあらゆる意味で話題となった……と言うよりも、「なってしまった」と言うべきだろうか。詳細については当該項目を参照してもらいたい。 --また、PS2移植版として『[[School Days L×H]]』が存在するが、こちらについても当該項目を参照。酷評されている。 ---- **余談 完全に余談になるが… -本作では上記の通り、バッドエンドが削除される、必ず誠が靡く、などで世界が優遇されていた。~ が、あからさますぎる優遇が祟ったのか、それとも人気の低下のためか、後年出た『Summer Days』及び『Cross Days』ではひたすら彼女は冷遇されるようになった。 --具体的に言うと、『Summer Days』ではヒロイン降格と同時に今作でもあった悪い面ばかりが強調され、挙句''彼女を攻略するルートは存在しない''((言葉ルートはある上、メインヒロインほどではないが優遇されている。))。 --『Cross Days』では''本作のヒロインだった事すら公式に載っていない''(言葉はヒロインだった事は書かれている)。 -アニメ版最終回放送中止の際の海外のファンの名言「Nice boat.」は、放映数日足らずでイコールアニメ版スクイズという認識になっており、コミケでのOverflowのブース名に使われたほどである。 -本作は間違いなく良くも悪くもOverflowが大きく有名になった出世作であり、そのためかエイプリルフールでの公式サイトのネタは本作のメインヒロインの一人であり、伝説級のバッドエンドの立役者である言葉が主に使われている。 --そのネタはどれもこれもが手が込んでおり、2007年のエイプリルフールネタであった「マジカルハートこころちゃん」(言葉の妹・心が主役。言葉も主要キャラとして活躍していた)は後に''本当にOVAで製作された''。 --PS2版の記事にもあるが、2009年のネタではPS2版のバッドエンドの一つを完全否定するような内容であったのも話題になった。 --ちなみに、ニコニコ動画に有志が作った本作のMAD動画が投稿されており、公式のエイプリルフールネタに負けず劣らず手が込んでいると評判。&br()ここで述べた問題点を踏まえた上で見ると、また違った見方が出来るかもしれない。 ---動画。''グロ注意!''→[[その1>http://dic.nicovideo.jp/v/sm1525794]]・[[その2>http://dic.nicovideo.jp/v/sm2788686]]・[[その3>http://dic.nicovideo.jp/v/sm7117626]] -本作が事実上の未完成であることは製作側も暗に認めており、2010年8月には没ルートの実装や画の修正を施したリメイク版の発売が予定された。 --もっとも、ファンからは「8月に発売されるわけ無い」「どうせ延期だろ」などと言われてしまったのだが。 ---……そんな現状の予測通り、''結局2010年10月に延期となってしまった''。 ---また、追加EDが1つしかないと言われており、没ルート実装の「完全版」としての期待は薄れてしまっていた。 ---そして追加EDの内容は……省略する。真相は君の目で確かめてほしい。~ なお、発売前は大いに警戒されていたバグは無いと言っていい。代わりに、一部の矛盾が解決されたのと引き換えに新たな矛盾が発生したりしているのだが……少なくともここで扱うほど極端に酷い内容という訳ではない。 ----
//変な記述が追加されていたので正常な記事に差し戻ししました。今後も懲りずに変な記述を追加する場合は規制依頼を検討しますので、金輪際おやめください。 ''このページではPC版原作『School Days』と『L×H』『HQ』を除いた各移植作品を取り扱います。''~ ''PS2移植版は『[[School Days L×H]]』に記述されています。'' ---- #contents //情報欄が若干縦長なので、目次を上部に移動。 ---- *School Days 【すくーるでいず】 |>|ジャンル|アドベンチャー|CENTER:&amazon(B0006H0K9S)&amazon(B000A8T09O)&amazon(B017MQPINI)|&amazon(B00307TK74)| |>|対応機種|Windows 98SE/Me/XP/Vista/DVDPG/UMDPG|~|~| |発売元|Win|0verflow|~|~| |~|DVDPG|アイチェリー|~|~| |~|UMDPG|Palace|~|~| |>|開発元|0verflow|~|~| |発売日|無印|2005年4月28日|~|~| |~|DVDPG|2007年9月28日|~|~| |~|UMDPG|2010年6月30日|~|~| |定価|無印|9,975円|~|~| |~|DVDPG|5,985円|~|~| |~|UMDPG|6,090円|~|~| |>|レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~|~| |判定|Win初期版|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~| |~|ver.1.11以降|BGCOLOR(paleturquoise):''改善''|~|~| |~|~|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|~| |~|移植版|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|~| |ポイント|Win初期版|シチュ問わず頻発する強制終了バグ&br;それ以外にも大小様々な大量のバグ&br;''計11回にもわたるパッチ配布''|~|~| |~|共通|他に類を見ないレベルの修羅場&br;''伝説となったバッドエンディング''&br;シナリオは人を選ぶが高評価&br;物語の壊れ様はエロゲー界のトライエース|~|~| |>|>|>|>|CENTER:''[[Daysシリーズ]]''| //『School Days HQ』2010年10月8日発売 通常版9,975円、交換アップグレード版5,980円 //情報欄に判定の記載がなかったため、ひとまずCOしておきます。 ---- **概要 様々な意味で特殊なゲームを発売し続けていたブランド「0verflow」の8作目の作品に当たる。~ これらがどのような作品であるか気になる18歳以上の方は、是非とも自分の目で確かめていただきたい。 アダルトゲームとしては非常に珍しいフルアニメーションであるという事が、発売前から注目されていた。~ その量は30分アニメに換算すると70話分以上の大ボリュームであり、このアニメーションと共にストーリーが進行していく。 名実ともに0verflowの出世作であり、ゲーム内容多大なインパクトにより現在に至るまで製作陣とユーザーに良くも悪くも影響を与え続けている。 ---- **作品のポイント -ゲーム内容 --アニメを見ながら所々で現れる選択肢を選んでいくと言うもの。基本的には2択だが、無言という選択も可能。 ---しかし回答時間は僅か5秒で、気を抜いていると見逃してしまう(=無言)事が多々ある。だが、逆にこれがリアルで良いとするファンもいる。 --なお、アドベンチャーにありがちな「ゲームオーバーエンド」は存在しない。どのような選択をしようと(全ての選択肢で無言だろうと)、最終話である6話、そして何らかのEDに辿り着く。 -この作品が有名になった主な理由として、シナリオが非常に強烈なことが挙げられる。例えるならば、''学園を舞台にした昼ドラもの''とでも言うべきか。 --そのいかにもほのぼのとしたようなタイトルや、雑誌での紹介記事を大きく裏切る内容は、当時2ちゃんねるの本スレが阿鼻叫喚の渦となり、後述するパッチ問題もあり話題となった。 ---誤解のないように付け加えると、バッドエンドで惨劇が起こる事は発売前に既に広報されていた。もっとも、一種の「''伝説''」となると予想できていた人はほとんどいなかったが…。 -登場キャラはいずれも一癖も二癖もあり、所謂''テンプレキャラは存在しない''と言っていい。 --ある時を境目に豹変するヒロインなど、良くも悪くもユーザーの心に深く刻まれるキャラが多い。 ---- **主要キャラクター #region(メイン3名。クリックで開閉) -''伊藤誠''(いとう まこと) --普段の誠は好青年であり、愛情深さや正義感はちゃんと持ち合わせているが、女性関係の問題になると途端に駄目人間になり、異常に旺盛な''性欲''と優柔不断っぷりを見せてしまう。 ---上記の欠点が修羅場を一気に加速させる原因の1つとなっているが、ここにバグによる理解不能な行動が重なってしまい他のゲームではまず見られない人物になっている。 --一応弁護すると、彼自身もかなりの問題児だが、それが露呈するのは世界が事情を知りながら手を出してくることが最大の原因である。とあるエンディングでは妹思いの兄である一面が描かれ、またとあるエンディングでは弱いもの虐めを許さないとする一面が描かれており、特に後者は本作において最も評価の高いエンディングと言っても過言ではない。そのため、彼を擁護するプレイヤーも少なからずいる。 ---よく「史上最低のキャラ」と言われるが、これは意図的にとことんゲスに描いた後のTVアニメ版の影響が大きく、アニメ版の方向性自体が大きく異なるため安易に比較対象にすべきではない。確かにエロゲー主人公の中でも酷い部類なのは確かだが、少なくとも史上最低とまで言うほどでもないのだ。%%むしろこのブランドの他ゲー主人公がこの遥か上を行っているので…%% -''西園寺世界''(さいおんじ せかい) --ダブルヒロインの片割れ。「言葉との恋愛を楽しむための練習」等の理由を付けて誠に関わってくる。 ---しかし、恋愛を応援することを口実に関係を深めていき自分が誠の彼女であるかのような立場を確立させようとする。 ---劇中の人間関係のドロドロに多くの面で関連があるために多くのユーザーから憎悪されている。 --世界を分かり易く言うなら「''普段は明るく友達も多いが、思い通りにいかないとすぐヒスを起こしてキレる自分勝手で傲慢で我侭な女''」であろうか。これはアニメ版、漫画版、続編『[[Summer Days]]』でさらに強調され、ゲーム未プレイの人からも嫌われる羽目になった。 --誠擁護派には特に彼女のアンチが多く、メーカー主催の''不人気投票''では''誠と共にぶっちぎりでワンツーフィニッシュを決めた''(二人の票数を合わせると、なんと''全体の6割近く''を占めている)。そのため、「''世界氏ね''」という罵倒も度々見られる。 -''桂言葉''(かつら ことのは) --世界と対になるヒロインの彼女は本作において最も人気が高く“言葉様”と呼ばれるほどである。 --所謂「黒髪お嬢様」タイプのヒロインであり、普通に話を進めていく限りでは、料理が下手なのと男性恐怖症の気がある事以外は、温厚で心優しい少女であり普通である。 --制服の上からだとそこまで露骨ではないが、バスト100を超える抜群のプロポーションを持つ。 ---媒体を問わず他作品だと、バスト90後半~100以上に達するキャラクターはいわゆる「巨乳キャラ」ということで胸を数字以上に誇張・強調させて描かれることも多いが、本作ではリアリティを重視して、敢えて現実のサイズ感で描いたことが述べられている。 --しかし、そのおとなしい性格と優れた容姿が災いし、劇中ではよくいじめに遭うのだが、その理由が陰湿かつ理不尽である。 --そしてルートによっては陰湿且つ理不尽ないじめや、世界や誠の裏切りの果てに精神崩壊してしまい''豹変''し、これまでのイメージを一気にひっくり返してしまう。 ---それでも誠への盲目的な愛が揺るがない事などから、今日では代表的な「''ヤンデレ''」キャラとされている。 --外見的要素と誠への一途な愛、本編での薄幸ぶり、そしてバッドエンドでの豹変などといった要素が集まった結果、人気投票では''約半数''の票を集めてぶっちぎりの一位である。 ---しかし、その豹変があまりにも凄まじいため、彼女を苦手とするユーザーも少なからずいる。 #endregion #region(その他のキャラクター達。クリックで開閉) -''澤永泰介''(さわなが たいすけ) --誠の親友であるが、ユーザーからは''レイパー''という蔑称で呼ばれることも多い。 --原因は「''蔑称から察しろ''」としか言えない。その行為に対する反省も自覚も無く、プレイヤーからは徹底的に嫌われている。 ---誠への擁護意見は少なからずあるし、世界にも決して少なくない人数のファンが存在する。しかし''泰介のファンはいない''(厳密には「レイパー澤永」名義での投票は2票あったが、それのみである)。 ---なお、前述の不人気投票では誠、世界には及ばないものの、見事(?)に3位に輝いた。 ---後々の作品でも懲りずに登場する上に、どの媒体でも死亡するルートがない、''同じ事を繰り返す''といった事から、ユーザーの怒りに拍車をかけている。 -''清浦刹那''(きようら せつな) --西園寺世界の親友であるが、彼女のためになるのであれば他人の意志など関係なく行動する盲目さを持っている。 ---当人は良かれと思っての行動なのである意味性質が悪い。 --根本的には悪人ではないためか、サブキャラではダントツの人気である。 -''加藤乙女''(かとう おとめ) --伊藤誠の中学時代からの友人であるが、現在は別のクラスになっている。 --誠に片思い中であることから、他人に性犯罪をそそのかすなどして言葉いじめに加わっていく。 -''甘露寺七海''(かんろじ ななみ) --誠や世界のクラスメイトであるが、言葉が中学の頃から気に入らないというだけで、「世界のため」という名目を理由に運動部のコネを利用していじめに加担する。 #endregion ---- **問題点 -とにかくバグが多い。特に強制終了バグが頻発するため、発売直後はマトモなプレイすら困難であり、''計11度も''修正パッチが出される事となった。 --2005年7月21日に配布されたVer1.11のパッチ(ファイルサイズは約274MB)によりバグはほぼ解決し、後にバグ修正済みのリニューアルパッケージ版が発売された事もあり、バグが原因の騒動は一応終息した。 --収束までに3ヶ月を要したパッチのサイズが巨大ということからかなりの騒動になった。このため未プレイでもバグゲーであるということだけは知っているというユーザーも存在する。 --しかし、後述している様にそもそもが未完成品でありそれに付随する形でのバグも残っているため、完全に解決しているわけではない。 ---制作中に一部を削ることはままあるが、その場合でも相応に体裁を整えて初めて完成品と呼べるだろう。 -肝心のアニメーションの質が悪い。 --とは言っても当時のOverflowにはアニメーションのノウハウが蓄積されていなかったため、仕方が無いとも言える。 --今見ると質が劣るように見えるが、当時のユーザーには十分に衝撃的だった。また、フルアニメーションのアダルトゲーム自体が今でも希少であることも留意したい。 -資金と製作期間の関係で止むを得ずいくつかのルートを没にしたとされているが、これにより整合性の面で問題が起きている。 --特に問題となっている部分として、「片方のヒロインにばかり好感度を集中させていたら、主人公が突然もう片方のヒロインの方に靡いてしまう」という場面がある。~ これはルート削除によって、本来のルートが消滅したがための''仕様''なのだが、主人公に突然振られる形となるヒロインのファンからは批判されることとなった。 ---余談だが、この展開に対してファンが付けたあだ名は「ポルナレフ」である。元ネタは言うまでもないだろう。 ---要するに「''俺は言葉(ルートが削除されたヒロイン)を攻略してたと思ったら誠(主人公)がいきなり"俺には世界(もう一人のメインヒロイン)しかいない"と言った。な、何が起きたか分からねぇが(ry''」という事。これは誇張でもなんでもなく、全て実際に起こる出来事である。 --これ以外にもあからさまな使い回しなど、ルート削除を匂わせる場面が複数ある。 -ヒロインの扱いに明らかな差がある。本作のメインヒロインは「西園寺 世界」と「桂 言葉」の2人だが、(偶然の部分もあるだろうが)明らかに言葉が冷遇されている。 --アダルト描写のあるシーンの多くにおいて、世界の絵はキャラクターデザイン兼総作画監督のごとうじゅんじ氏の修正を受けているためクオリティが中々高い。だが、対する言葉は該当シーンで修正されているのは1シーンのみである。 ---さらに修正されたシーンは、事実上本作唯一の(自主規制)シーンである。そのため、「見たくないけど実用性はピカイチ」と言う、何とも言えない状況になっている。 --前述の「ポルナレフ」問題があるために、主人公の「伊藤 誠」が言葉に対して常に一途であり続けるルートが存在しない。どうやっても一度は世界に靡いてしまう。 ---しかも、後に「削除されたルートの多くは言葉のハッピーエンドであること」「対して世界はバッドエンドが削除されたこと」などが明らかとなり、当然のことながら言葉ファンからは批判された。 --エンディング数では世界よりも多いのだが、その約半数が使いまわしの内容である。ここも前述のルート落ちが影響していると言われている。 ---それとは別に、アダルトシーンがカットされているなど明らかに尺の短いエンディングが存在する。そのうちの1つは、準公式同人誌によって補完された。 ---- **評価点 -''猟奇とエロスとを混ぜた愛憎劇。'' --ゲーム序盤は割と王道のほのぼのとした展開なのだが、ストーリーが進んでいくにつれて、ヒロインたちが主人公をめぐってエゴをぶつけ合うようになり、凄まじいまでの修羅場となる。 --とにかくキャラの感情が生々しい。''ほとんどのキャラが黒髪或いは茶髪で現実に居そう''なキャラデザである事と、フルアニメーションである事が合わさって、現実の修羅場を見せられているような気分になる事は間違いない。人によっては「''欝ゲー''」「''トラウマゲー''」と評価することもある。 ---そして主人公の選択次第では修羅場の果てに、''殺傷沙汰のバッドエンド''を迎えてしまう事もある。当然''フルアニメーション''であり、動く絵で見せ付けられるキャラの末路はあまりにも強烈。 --パッケージや公式サイトの絵を見る限りでは、王道の恋愛ゲームにしか見えない。体験版に収録されている部分を見ても、王道の展開と言っていい。それにもかかわらず、激しい修羅場を繰り広げると言う極端な二面性のストーリーがユーザーの注目を集めた。 --残虐描写、猟奇描写共に一般ゲームでは難しく、アダルト作品の媒体を最大に利用してると言っても過言ではない。その残虐性や猟奇性のキャラクターから「''ヤンデレ''」というオタク用語をメジャーして『[[ひぐらしのなく頃に>ひぐらしのなく頃に祭]]』共に牽引して、当時ブームを起こしたほどである。 ---故に、「パッケージ詐欺」の代表格として語られる事がある。もちろん、この場合の詐欺はいい意味での詐欺である。 -修羅場やバッドエンドといった強烈な部分にばかり目が行きがちだが、ストーリー自体の評価も中々高い。 --むしろストーリーが良いからこそ、強烈なシーンがより活きるとも言える。 -''捉え方の問題''だが、本作はエロゲーにありがちな都合良くヒロイン全てと結ばれるいわゆるハーレムへのアンチテーゼとも解釈できる。避妊をしない性交や無責任な対応など批判の多い行動をする伊藤誠は、やってる事自体は''多くのハーレムものの主人公と大差無い''。 --多くのハーレムもので問題にしないヒロインの妊娠や浮気などの男女関係を多少のフィクションもあるが、現実的な物に処理してリアルな脚本へと仕上げている。 ---本作にはそのハーレムルートも存在するが、実際にそこまで到達するまでの苦労を見せている点でも、他のエロゲーとは一線を画している。 -巧みに練られた裏設定 --実は本編の登場人物は''悪魔の家系図''と称される家系図で繋がっており、「主人公が何故モテるのか?」「ヒロインがどうして主人公を好きになるのか?」という疑問に答えた形となっている。 --ギリシャ神話や日本神話以上に複雑な家系図は倫理を超えたアダルトゲームという媒体だからこそできる裏設定である。 --その内容はとてもこのwikiで説明できる代物ではなく、また人によっては気分を損なう可能性もあるので、自己責任で確認して頂きたい。 //#region(悪魔の家系図の詳細動画) //#video(https://www.youtube.com/watch?v=1WniQgchMpg) //#endregion //スレで不要論が上がったので一度coします。内容も内容ですし… -楽曲の評価が非常に高い --一部の曲は前述のアニメ版にも用いられ、用いられたシチュエーションも相まって、視聴者に大きな印象を植え付けた。特にバッドエンドの「悲しみの向こうへ」という歌はファンの耳に大きく焼き付けられており、アニメ版の最終回でも使われたほどである。 ---- **総評 とにかくあらゆる意味で強烈な作品。パッと見では無害な絵柄に惹かれて、情報を調べずに買った末に予想外の修羅場に打ちのめされたプレイヤーも多い。~ しかし、修羅場とバッドエンドに(もちろんそれ以外の要素にも)魅入られたファンが多いのもまた事実であり、2005年上半期のアダルトゲーム売り上げ2位、年間7位を記録している。~ あまり積極的に勧められるような内容ではないが、この手のシリアスなメロドラマ的なシナリオに抵抗感がなかればプレイしてみてもよいだろう。 ---- **余談 -あまりにもバッドエンドが有名になりすぎた故に、本作はバッドエンドばかりであると思われているが実はそうではない。約20のエンディングの内、バッドエンドはわずか3種類のみである。 --しかし、その3種類全てがショッキングな内容であったがために、多くのハッピーエンドよりも有名になってしまった。「むしろバッドエンドの方に明らかに力が入っている」という意見さえある。 -テレビアニメが2007年7月から9月にかけてUHF局を中心に放送された。全12話で、スタッフにはPC版関係者も多く携わっている。 --ゲーム以上に誠がアレな性格になっている他、ゲーム本編を上回る凄惨な終わり方をしている((知りたければ自己責任で「中に誰も居ませんよ」でググってみよう。))のだが、この結末は原作側から大絶賛されている。%%逆を言えば、誠がゲーム未プレイヤーから悪い意味で誤解される事になった元でもあるが…%% --最終回にはもう1つ「''Nice boat. (ナイス・ボート)''」というネタがある。これは最終回が諸般の事情で放送中止になった((放送直前に『未成年による殺人事件』が発生したため。))際の反応が元ネタなのだが、今では1週回って本作を象徴するネタと化した。こちらも詳細は各自で調べていただきたい。 ---その後(衛星放送で)最終回が流された後は、あまりの凄惨さから自主規制を行った事に対する批判はなくなっている。%%逆に「''「深夜番組」とは言えこれを地上波で流す気だったのか?''」と言われる程。%% ---だが、数年後にとあるバラエティー番組にて一部シーンがまさかの地上波放送を果たす事になった。その際の反応はお察しください…。 -2000年に全く同じタイトルのアダルトゲーム『School Days』が発売されている。発売元は本作とは全く関係の無い「フェイス」である。 --言うまでもなく発売は本作の方が後だが、圧倒的に本作の方が有名になってしまったせいでフェイス版がパクリを疑われたらしい。 ---なお、1996年にも「ミスティ」からカタカナ表記の『スクールデイズ』が発売されている。 -2012年に発売された『Shiny Days』を最後にブランド活動を終了していたOverflowだが、2020年には何と公式でクリスマスイブに突如ヒロインの[[桂言葉をVTuberデビュー>https://www.youtube.com/channel/UCpUo_pV1WmPsB4qJnIzoXQQ/featured]]させた。%%まさに血のクリスマス。%% --第1回の内容は「School Days 全話イッキ見」だが、当初ユーザーは垢BANされるのではないかと不穏の空気を見せていたが、実際にはそんな事はなかった。%%それでも機材の不調で所々[[首が伸びる>https://i.imgur.com/8WmnNqZ.jpg]]トラブルはあったが。%% ---その後は定期的にYouTubeで生配信を行い毎回シリーズファンを楽しませていたが、2021年12月24日の配信を最後に途絶えしまう((2023年1月で久しぶりに動画投稿しており、Overflowの公式Twitterも生存しているので現在は不定期投稿する形を取っている。))。 --しかし、それから約半年後の2022年7月2日に今度はもう1人のヒロインである''西園寺世界がVTuberデビューすることとなる。'' ---VTuberとなった世界は他のVTuberとコラボを行っており、''言葉も一緒になって人気ゲーム『Among Us』をプレイする''等、本作が話題になった頃には考えられないほど活躍の場を広げている。 #region(VTuderとなった言葉と世界が共演するシーン) #video(https://www.youtube.com/watch?v=AhPZ2hA16n8) #endregion ---- **その後の展開 -本作の人気を受け、2006年には外伝作品として『[[Summer Days]]』を、2010年には『[[Cross Days]]』を発売しているが、これらもまたあらゆる意味で話題となった…と言うよりも、「なってしまった」と言うべきだろうか。詳細については各作品ページを参照してもらいたい。 --また、PS2移植版として『[[School Days L×H]]』が存在するが、こちらについても作品ページを参照。 -2020年4月23日に定額ゲームプラットフォーム「OOParts」がサービス開始。リメイク版『School Days HQ』が初期から収録されたタイトルの一つである。 --PCだけでなくスマートフォンにも対応している。 -2020年5月5日に『School Days HQ 中国語版』のダウンロード版がboothで販売された。 -DMM(現:FANZA)ゲームズのアダルトブラウザゲーム『オトギフロンティア』とのコラボも行われた。 --本作のキャラ達が登場し、R-18シーンもしっかり在る。

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