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*ボイスファンタジア 失われたボイスパワー 【ぼいすふぁんたじあ うしなわれたぼいすぱわー】 |ジャンル|RPG|#image(pack.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B000069STN)| |対応機種|セガサターン、プレイステーション|~| |発売元|アスク講談社|~| |開発元|日本メディアプログラミング&br()【SS】プレ・ステージ|~| |発売日|【SS】1997年7月25日&br()【PS】1997年10月2日|~| |定価|6,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|''また千葉繁''&br()そして暴走&br()誰得な声優コスプレ|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -かの『[[スタンバイSay You!]]』でやらかした声優・千葉繁が、''より一層やらかしたクソゲー''。発売日がたったの7ヶ月しか差が無いため、全く反省の色が見られない。当然、声優が実写で登場する作品(か、そうではない何か)である。~ ジャンルがRPGになっているだけあって、色々な意味で''タチ悪く''発展している。そもそも、[[ファンタジー世界に実写の人間を入れる>ツインゴッデス]]こと自体、かなり無理があるとは考えなかったのか。 --ただし、前述のそれより知名度には欠ける作品ではある。「''[[悪趣味ゲーム紀行>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1101.html#id_649cc276]]''」で紹介されたこともあり、全く無いわけではないが。 ---- **問題点 ***説明書 -文法がおかしい部分が散見する。そもそも、香ばしすぎる''千葉繁''の前文からして「~であるのであろうか」とおかしい((文法的には「~なのであろうか」や「~なのだろうか」が正しい。))。 -そして『[[アンリミテッド:サガ]]』と並ぶ''薄い説明書。''全10ページかつ、''ゲームの説明はたったの6ページ。''ちなみにPS2ではなくSS&PS。あの小さい判に書いてある内容は推して測るべし。 --ただし、この場合問題なのは説明すべきことが説明されていない事ではなく、''これだけでも十分な説明になっている''ほどゲームの方が薄い事である。 ***オープニング -ドラクエもどきのオーケストラ(のような)音楽が流れ、アニメーションが流れ始める。そして内容は、なんと''かのヤシガニ((『ロスト・ユニバース』というアニメの第4話『ヤシガニ屠る』の略称。作画崩壊の代表的な例として語り草になっている。いわゆる三文字作画と呼ばれる海外外注によりキャラクターの顔が崩れているのは当然、中割がなく動きがカクカクしていたり、ビームの発射位置がズレている、モブが誰も動かない…など、とにかく問題だらけだった。映像ソフト収録時には話数を入れ替え、大幅に作画修正が施された。詳しくは各自検索していただきたい。))も真っ青なほどの紙芝居アニメーション''。数枚の止め絵を連続で表示して一応動きを再現している部分もあるが、正直、''素人が適当に描いたパラパラ漫画の方が百倍マシ''なレベル。~ ちなみに動きといえば、カメラのパン(視点移動)とキャラの走りなど簡単なものばかり。また、デッサンもキャラ絵が安定しておらず狂いまくっており、''まずアニメーションと言える代物かどうかも疑わしい。''少なくとも、''1997年にSS・PSでやるレベルではない''。 #region(オープニング参考動画) |&nicovideo2(sm122192)| #endregion --が、製作したのは旭プロダクション。多くの人気・名作アニメの製作や撮影を行っており、アニメファン御用達の企業である。ファンからしてみれば、まさに「どうしてこうなった」と言わざるを得ない。もっとも、期待した者などいるとは思えないが。 -そして、タイトル画面では何の音も流れない。SEがある分『[[修羅の門 (PS)]]』よりはマシである。が、''オプションも無く、あるのはニューゲームとロードだけ。''『[[デスクリムゾン]]』にすら負けている。 ***ストーリーとシステム -''「あたかもゲームの中に本物の人間がいるかのようなリアルな存在感とストーリー」(原文ママ)''との前評判のゲームを求め、発売日に買いに行った主人公。だが、そのゲームは突然発売中止に。失意の主人公を捕まえたのは''千葉繁''。彼は、例のソフトを主人公に売りつける。~ 喜び勇んで家に帰った主人公が早速ゲームを始めると、そこには魔王によって人の心「ボイス」を奪われたお姫様が。その後、画面から伸びてきた手に掴まれ、主人公はゲームの世界に引きずり込まれてしまった。 --……という突っ込みどころ満載な''メイド イン 千葉''なストーリーが、3人のパーティキャラと共に''RPGツクール、いいや、ゲームボーイレベル''のRPGで進行する。そして、所々に入る''彼の駄洒落をテキストでも読まされる悪夢''。 -様々な謎・クソ仕様の数々。 --''×ボタンでするのはジャンプ。''使い道限られてるのに。 --△ボタンでダッシュできる。が、その性能は、''まるでゼルダの伝説のペガサスブーツ。''数秒の溜めの後、直線を猛然と走り、壁に当たると反動がある。曲がる時もその方向に数秒溜めるため、移動のテンポすら最悪。 --''ボイスがスキップできない。''そのため、キャラが喋り始めたら最後まで聴かなければならない。スタッフがムービー、もとい''声に酔っている。'' --説明書に「中世ヨーロッパ風の世界」と書いているのに、''街には普通にカラオケ屋。''決めた設定くらい守って下さい。 --セーブは、一日の冒険が終わり夜になって初めて出来る。 -昼間は、普通にアニメ調のキャラと冒険するのだが、夜になると、なんと''パーティキャラの声優がコスプレをして''主人公の部屋にやってくるという、360度捻じ曲がりマントルまで穿ったサービスイベント。説明書によれば、この時の会話でヒントを聞き、それを今後に役立てるそうなのだが……。 --パーティキャラ声優の一人、横山智佐が「''私はラッキョウが食べられない''」。など、シナリオに全く関係のないことを喋り始める。……あなたのことは聞いていませんよ。第一、それをどう冒険に役立てろと。 --他の声優は、笠原弘子と小西寛子。だが、ノリノリ(というか全力投球)な横山智佐と違い、''困惑しているのが目に見えた演技''をしている。だが、もしかしたら小西寛子、この経験が基で女優業に憧れたのかもしれない。だとしたら、''多分間違えている''。 **評価点 -人気声優、堀江由衣のデビュー作でもある。彼女が出ていること''だけ''が利点のゲームは、『[[ラストバレット]]』が記憶に新しい。 --だが、パーティメンバーでないため、実写では見られない。 ---一応サターン版の初回特典ディスクに収録された映像にチラっと映ってはいる。 -小西寛子の動く実写が見られる恐らく唯一の作品。 **総評 -RPG、声優ゲーム以前に、そもそもゲームとしてどうなのかという出来。特に、声優のコスプレは目も当てられぬほど酷い有様であり、同じ声優ゲームを買うなら、上記のかの『スタンバイSay You!』を買った方がよっぽど気分を害しない。もっとも、それらをやるぐらいなら、同じ値段の違うゲームをやるべきだが。 -本作で目立つのは、''脚本・演出・声を担当している千葉繁の暴走っぷり''。説明書から始まり、ストーリー、最悪なオチまでと見事に突っ走っており、この上ないカオスを演出している。 --が、残念ながら彼にゲームを作る才能は無かったようである。これからは、是非とも引き続き''声優として''頑張って頂きたい。 ---- **余談 -ちなみに発売元のアスク講談社、本作以前にも声優クソゲー『ボイスパラダイス エクセラ』を出している。 --そちらに関しては発売の5年後に、当時のスタッフがネットの片隅でひっそりと[[開発現場の内情を暴露している。>http://www.geocities.jp/kaichang_yo_1/essei12.html]]本ゲームとは直接関係ないものの、開発元の悲惨な運営状況をうかがい知る事ができる。
*ボイスファンタジア 失われたボイスパワー 【ぼいすふぁんたじあ うしなわれたぼいすぱわー】 |ジャンル|RPG|&image(https://www.suruga-ya.jp/database/pics/game/141000761.jpg,https://www.suruga-ya.jp/product/detail/141000761001,width=160)| |対応機種|セガサターン、プレイステーション|~| |発売元|アスク講談社|~| |開発元|日本メディアプログラミング&br;【SS】プレ・ステージ|~| |発売日|【SS】1997年7月25日&br;【PS】1997年10月2日|~| |定価|6,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~| |ポイント|''また千葉繁''&br;そして暴走&br;誰得な声優コスプレ|~| |>|>|CENTER:''千葉繁関連作品''&br;[[スタンバイSay You!]] / ''ボイスファンタジア''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 かの『[[スタンバイSay You!]]』で色々と言われた声優・千葉繁氏が脚本・演出・声の出演を担当しているゲーム。~ あちらとは発売日がたったの7ヶ月しか差が無く、そのためか雰囲気もあちらに通じるものがある。一言で言えば、声優が実写で登場する作品。~ ジャンルがRPGになっているだけあって、色々な意味で発展している。そもそも[[ファンタジー世界に実写の人間を入れる>ツインゴッデス]]事自体、かなり無理がある事なのだが…。 ---- **特徴 -ざっくり説明すると、異世界に飛ばされた主人公が3人の美少女キャラと冒険するファンタジーRPG。 --主人公以外のメンバーは剣士インクァイア(CV:横山智佐)、王女フレット(CV:笠原弘子)、魔術師ウィープ(CV:小西寛子)の3人。よって、この3人とその担当声優を前面に押し出した内容となる。 ---この3人はボイスパワーという所謂魔法を使用可能で、その名の通り使用すると音声が流れる。ストーリーの台詞に加えて戦闘その他でも声優の声を堪能できるという作りである。 ---ちなみに主人公は声無しで、ムービー中も台詞は字幕になる。姿もドットキャラ以外では映らない。 --設定についてもキャラ付けについてもここまでなら異世界ハーレムものとして然程珍しくないが…。 ---- **問題点 ***説明書 -文法がおかしい部分が散見する。前文からして「~であるのであろうか」とおかしい((文法的には「~なのであろうか」や「~なのだろうか」が正しい。))。 -そして『[[アンリミテッド:サガ]]』と並ぶ''薄い説明書。''全10ページかつ、''ゲームの説明はたったの6ページ。''ちなみにPS2ではなくSS&PSなのでCDサイズ。あの小さい判に書いてある内容は推して測るべし。 --ただし、この場合問題なのは説明すべきことが説明されていない事ではなく、''これだけでも十分な説明になっている''ほどゲームの方が薄い事である。 ***オープニング -安直なオーケストラ風の音楽と共に、''かのヤシガニ((『ロスト・ユニバース』というアニメの第4話『ヤシガニ屠る』の略称。作画崩壊の代表的な例として語り草になっている。いわゆる三文字作画と呼ばれる海外外注によりキャラクターの顔が崩れているのは当然、中割がなく動きがカクカクしていたり、ビームの発射位置がズレている、モブが誰も動かない…など、とにかく問題だらけだった。映像ソフト収録時には話数を入れ替え、大幅に作画修正が施された。))も真っ青なほどの紙芝居アニメーション''が流れる。 --本来動いて然るべき戦闘シーンは''数枚の止め絵を連続で表示して''表現している。正直言って''素人が適当に描いたパラパラ漫画の方が動いているように見えるだけ百倍マシ''なレベル。 -動きのあるシーンも、カメラのパン(視点移動)とキャラの走りなど簡単なものばかり。しかも冒頭のメイン女性陣が走るシーンは全員''無表情''。不気味。 --メインキャラの一人の食事シーン''だけは''何故かちゃんとアニメーションしている。 -また、デッサンもキャラ絵が安定しておらず狂いまくっており、''まずアニメーションと言える代物かどうかも疑わしい。''少なくとも、1997年にSS・PSでやるレベルではないだろう。 #region(オープニング参考動画) |&nicovideo2(sm122192)| #endregion --が、製作したのは旭プロダクション。多くの人気・名作アニメの製作や撮影を行っており、アニメファン御用達の企業である。ファンからしてみれば、まさに「どうしてこうなった」と言わざるを得ない。 //-そして、タイトル画面では何の音も流れない。SEがある分『[[修羅の門 (PS)]]』よりはマシである。が、''オプションも無く、あるのはニューゲームとロードだけ。''『[[デスクリムゾン]]』にすら負けている。 //タイトルにオプションの無いゲームは当時は珍しくなかったと思うが。BGMの方も無いゲームは現在にもあるし。 -尚、作中にもアニメムービーは入るが、作画の不安定さはあってもこれほど酷い紙芝居は無い。何故オープニングが一番酷くなるのか。 ***ストーリーとシステム -千葉氏が手掛けたシナリオはお世辞にも出来が良いとは言えず、突っ込み所満載。 --''「あたかもゲームの中に本物の人間がいるかのようなリアルな存在感とストーリー」(原文ママ)''との前評判のゲームを求め、発売日に買いに行った主人公。だが、そのゲームは突然発売中止に。失意の主人公を捕まえたのは''千葉繁''。彼は、例のソフトを主人公に売りつける。~ 喜び勇んで家に帰った主人公が早速ゲームを始めると、そこには魔王によって人の心「ボイス」を奪われたお姫様が。その後、画面から伸びてきた手に掴まれ、主人公はゲームの世界に引きずり込まれてしまった。そして目覚めると目の前に居た少女が唐突に食事に誘ってくる。~ しかし少女は主人公に奢らせる気だったので持ち合わせが無く、主人公もこの世界の貨幣など持っていないので支払いが出来ない。そこでレストランの店主に王女の好きなデザートを探す事を依頼され…。 ---……という導入部からしてこの調子の超展開ストーリーが''素人の[[RPGツクール>ツクールシリーズ]]の練習作品レベル''のRPGで進行する。そして、所々に入る''寒い駄洒落をテキストでも読まされる悪夢''。 --後述の仕様を抜きにしても、''体当たりでキャラを誘導する''、''ケーキを地面に置いて女の子を誘き出す''、など完全にツッコミ待ちな展開が目白押し。 -様々な謎・クソ仕様の数々。 --×ボタンでするのはジャンプ。アクションRPGや3DRPGならともかく、2DのコマンドRPGで実装されているのは珍しい。だが''使い道は限られている''。何故標準装備にした。 --△ボタンでダッシュできる。が、その性能は、''まるで[[ゼルダの伝説>ゼルダの伝説シリーズ]]のペガサスブーツ。''数秒の溜めの後、直線を猛然と走り、壁に当たると反動がある。曲がる時もその方向に数秒溜めるため、移動のテンポすら最悪。 --''ボイスがスキップできない。''そのため、キャラが喋り始めたら最後まで聴かなければならない。スタッフがムービー、もとい''声に酔っている。'' --説明書に「中世ヨーロッパ風の世界」と書いているのに、''街には普通にケーキ屋やカラオケ屋がある。''決めた設定くらい守って下さい。 --セーブは、一日の冒険が終わり夜になって初めて出来る。街やダンジョンにセーブポイントなど無い。 -昼間は、普通にアニメ調のキャラと冒険するのだが、夜になると、なんと''パーティキャラの声優がコスプレをして''主人公の部屋にやってくるという、360度捻じ曲がったサービスイベント。 --一応、メンバー3人は主人公と同じ世界の人間であり、主人公のボイスパワーとアミュレットの効果で夜の間だけ''元の世界での姿''になっている…という設定なのだが無茶苦茶過ぎて納得しろというのが無理な話。 ---会話は後述するような流れで声優も自身とキャラを切り離して話すので、この設定自体違和感しか無い。 --しかもそのコスプレも作中のキャラに似せている訳でもない中途半端なもの。%%キャラに似せて来たらそれはそれで反応に困る気もするが。%% --説明書によれば、この時の会話でヒントを聞き、それを今後に役立てるそうなのだが……。 ---例えば横山氏は「''私はラッキョウが食べられない''」。など、シナリオに全く関係のないことを喋り始める。……あなたのことは聞いていませんよ。第一、それをどう冒険に役立てろと。他も大体こんな感じで声優の身の上話を聞かされる。 --そもそもこの会話シーン自体、殆ど''声優のコメンタリー''の体で進む。DVDの特典映像などによくあるスタッフインタビューを想像していただければ分かるだろうか。それがクリア後のおまけではなく本編中に流れるのである。 ---主人公の最初の発言からして「昼間の自分をどう思いますか?」。つまり声優として演じたキャラをどう思っているかという質問であり(しかもいきなり敬語)、インタビュー以外何でも無い。スタッフが声優に酔(ry --ノリノリというか全力投球な横山氏に対し、他の2人は''困惑しているのが目に見えた演技''をしている。 ---小西氏は後に声優業を引退し、女優へと転向する。もしかしたらこの経験が基で女優業に憧れたのかもしれない。だとしたら、''多分間違えている''。 --挙句、宿屋に泊まると突如始まる事がある''声優ラジオ番組''。…最早何も言うまい。 ---一応、主人公が「自分の世界のラジオが聞こえて来るという事は、元の世界と何かの形で繋がっているのか。或いは干渉しているか」と疑問を抱くのだが、''何も明かされないまま終わる''。つまるところ、スタッフが声(ry -RPGとしても単調でゲームバランスも悪く面白味皆無の戦闘に、理解に苦しむおつかいイベントの連続と伏線放置で深みも何も無いシナリオにより、上記の仕様も合わさった三重苦を受け続けなければならない。 --戦闘では''通常攻撃コマンド''が存在しない。ボイスパワーを使う以外はアイテムで武器を使用しなければならない。しかもターゲットの指定が出来ない。 ---その為、一つの武器を使い回す事もしばしば。''伝説の剣を全員で振るえる''RPGなど他にあるだろうか。 ---敵は普通に通常攻撃を繰り出す。かと思いきや、たまに変な物を投げて来る事もある。ラスボスが''スイカ''や''冒険小説''を投げて来るRPGなど(ry ---ボイスパワーもコマンドから直接使うのではなく、「装備」で使用するパワーを選び、改めて「ボイス」を選ばないと発動できない。同じパワーを連続で使う場合は楽だがそれ以外では面倒なだけ。しかも一覧には消費VP(本作のMP)が書かれていない。 ---その上、敵は全体的に硬く、しかも回復や防御を適宜使用するので戦闘が長引いてばかり。 ---戦闘画面ではパラメーターは大雑把なゲージのみで、数値は表示されない。そして背景は固定で、街だろうがダンジョンだろうが魔界のような禍々しいフィールドで戦う。 --単純に美少女キャラ達と冒険するハーレムラブコメものとして見ても、当時(90年代)はおろか80年代ですらそうそう無いような恥ずかしいやり取りと苦笑いすら起きない超展開が延々と続くのでそう言ったシナリオが好きな人でもきつい。何よりそこに実写も捻じ込まれる訳で…。 ---主人公と美少女キャラ3人(時折NPCも参戦)のハーレムパーティで上記の数々の仕様を考えると、メンバー3人は所謂「ヒロイン候補」で、恋愛イベントや個別エンディングと言ったギャルゲー要素がありそうだが、''そんなものは無い''。主人公との恋愛展開など無いし、エンディングも一種類のみである。 ---3人には各々に好感度が設定されているが、上がった所でストーリーやエンディングが分岐したり特殊なイベントがある訳でもなく、''ステータス画面の顔が変わるだけ''。~ 逆に好感度が低いと宿屋の会話イベントが起きなくなる。%%つまり上げない方が良いという事である。%% --そして脱力のエンディング。ラスボスを倒し、主人公はメンバー3人+αと共に元の世界に戻る。この際にメンバー3人が''突如実写化し、1人ずつ手を振って消えていくムービーを3人分見せられる''。そしてその後…。 #region(驚愕のラストシーン) --主人公が弁当の配達で声優の収録スタジオを訪れると''横山智佐、笠原弘子、小西寛子へと戻ったメンバー3人と再会し、(声優として)「これからもよろしく」と挨拶される''という''実写ムービー''が流れる絶句もののオチ。きつい実写演出に慣れていたプレイヤーでも、最後の最後で唖然とさせられる事だろう。 --ちなみに+αのキャラ(CV:宮村優子)に関してはストーリーによく関わり、ラストバトルにも同行し((上述したOPの無表情で走るシーンにもしっかり参加している。))、別れ際にも長々と喋った割には一切触れられない。勿論、宮村氏本人も登場しない。%%尤も、しなくて幸運だっただろうが。%% #endregion **評価点 -声優を売りにしているのだから当たり前だが、メイン3人以外にも上述した宮村優子氏、千葉氏、佐々木望氏と、声優陣に関して言えば文句無し。 --また、後に人気声優となる堀江由衣氏のデビュー作でもある。パーティメンバーでないため、コスプレの実写では登場していないが。%%尤も、しなくて(ry%% ---一応サターン版の初回特典ディスクに収録された映像にチラっと映ってはいる。 -キャラクターデザインは現在でも活動しているアダルト漫画家の尾山泰永氏。この頃はPCゲームでも原画を多数手掛けており、本作もキャラデザインは悪くない。これで普通のRPGだったらもっと真っ当な評価を受けていた事だろう。 **総評 本作を端的に述べるなら「千葉繁は素晴らしい声優だがやはりゲーム作りのセンスは無かった」といった所だろう。その上千葉氏が携わっていないであろうゲームシステム部分のクオリテイもかなり低い。そうしたシステム、シナリオ双方の出来の悪さに加え、実写声優をゲームに強引に捻じ込む暴挙の結果、何とも歪で奇怪なゲームが出来上がってしまった。同じ声優ゲームを買うなら、まだ『スタンバイSay You!』を買った方がましとの意見すらもある。尤も、それ位なら同じ値段の違うゲームをやるべきだが…。~ ただ、「声優自身にキャラを演じさせる」「現実の声優そのものをゲームに落とし込む」というアイデアは、アイドル声優が本職のアイドルのように売り出されている現在の声優事情や2.5次元というタームが大きく広まった昨今のキャラクターコンテンツ業界を鑑みると、ある意味時代を先取りし過ぎたともいえる。問題はその先進的すぎたアイデアをうまく活かせる人間が製作側に誰一人としていなかった事だろう。本ゲームの問題点の数々も作る側がそれに振り回された故の迷走と見れなくもない。 ---- **余談 -『スタンバイSay You!』の前科もある所為か、本作を酷評する意見では脚本・演出を手掛けた千葉氏が槍玉に挙がりやすい。 --一方、氏の暴走ぶりが目立つのは確かとしてもそれ以外の出来も極めて悪いので、氏のみに責任を押し付けるのは酷との声もある。上述の仕様も氏がどこまで関わっていたのかは定かではない。 --だがどちらにせよ、氏は本作以降はゲーム制作には脚本や演出では関わっておらず、本業に専念している。その本業の方では声優以外でも音響監督としてもゲーム制作に携わっており、多くの作品で好評を博すなど変わらず活躍している。 -発売元のアスク講談社、本作以前にも声優クソゲー『ボイスパラダイス エクセラ』を出している。 --そちらに関しては発売の5年後に、当時のスタッフがネットの片隅でひっそりと[[開発現場の内情を暴露している。>https://web.archive.org/web/20151031234500/http://www.geocities.jp/kaichang_yo_1/essei12.html]]本ゲームとは直接関係ないものの、開発元の悲惨な運営状況をうかがい知る事ができる。これが事実であれば、千葉氏の有無に関わらず結局クソゲー呼ばわりは避けられなかった事は想像に難くない。 -『スタンバイSay You!』のインパクトが強すぎるからか、あちらよりは話題に上がりにくい作品となっている。それでも「''[[悪趣味ゲーム紀行>https://w.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1101.html#id_649cc276]]''」で紹介されたこともあり、全く無いわけではないが…。 -後年、''堀江氏の出演''が同じく大きな評価点とされたクソゲー『ラストバレット』が登場している。

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