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*beatmania 【びーとまにあ】 |ジャンル|音楽ゲーム|~| |対応機種|アーケード|~| |販売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1997年|~| |備考|本データは初代のみに絞り、続編については割愛する|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[beatmaniaシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 5つのボタンと1つのターンテーブルを用いて楽曲をプレイする、音楽シミュレーションゲームのはしり((厳密には家庭用の『パラッパラッパー』が始祖。))。~ コナミ社内においてメダルゲーム等を担当する部署であるGM(ゲーミングマシン)事業部が開発し、1997年末にゲームセンターで稼働を開始した。~ 装飾の派手な筐体、筐体から響いてくるダンスミュージック特有の重低音など、今までの「ゲームセンターのゲーム」という概念を覆すことに成功し、老若男女問わず幅広いプレイヤーを惹きつけた。~ 「u gotta groove」「20,november」「super highway」などはこのゲームを代表する楽曲であると言える。~ 略称は「ビーマニ」または「初代」((7ボタンを使用する『beatmania IIDX』と区別する目的で「5鍵」とも。))。コナミの音楽シミュレーションゲームのブランド名「BEMANI」も、この略称が由来である。 ---- **ストーリー -プレイヤーは「『クラブサガワ』に飛び入り参加した新人DJ」という設定。 --『クラブサガワ』の支配人(公式設定でオカマ)やDJ KONAMIがプレイ中に手ほどきをしてくれる他、「DJ Battle」もプレイヤーの盛り上がりを妬んで喧嘩をふっかけてきたDJとの対決という設定になっている。 ---- **特徴 -画面上から落ちてくるノートに対応したボタン・ターンテーブルを操作し、楽曲を正確に演奏することで画面中央下に表示されたグルーヴゲージを楽曲終了までに赤のゾーンまで上げてキープすることでステージクリア。逆に押すボタンを間違えたり((後の作品と異なり、一切ノートが無い場所で操作してもミス扱いになる。))、オブジェクトを見逃す、タイミングを著しく外すとミスとなりゲージが下がる。 --判定は良いものから「GREAT」「GOOD」「BAD(タイミングを著しく外した)」「WORST(見逃し・誤操作)」の4種類。GOOD以上ならスコアとゲージが上がり、逆にBAD以下ならスコアはもらえずゲージが下がる。ゲージやスコアの変動量も判定によって違ってくる。 --特殊なノートとして「フリーゾーン」と呼ばれるものがある。この間はターンテーブルに限り自由にプレイでき、最低1回はスクラッチしていればGOOD判定が得られる。 -インターフェース --5つの鍵盤に対応した5レーン+ターンテーブルに対応した1レーンが画面両端に、楽曲と譜面の速度を示すBPM、クリア目標を示すグルーヴゲージが画面下、画面中央にはムービーが表示される。 ---ムービーはボタンを押したり、ミスをするとそれに対応して絵や色が変わるといった演出がある。 -ステージ構成は全5ステージ --そのうち3ステージ目が「DJ Battle」。 ---「DJ Battle」は「お手本に合わせてスクラッチを行う」ユニークなステージ。 -2人同時プレイによる対戦プレイor協力プレイも可能。 -楽曲 --ヒップホップやレゲエ、ブレイクビーツ、ドラムンベースやスカなど、ジャンルを問わず、広くダンスミュージックをコンパイル。 --ユーロビートやJ-POPといったヴォーカル系の曲も収録されている。 --楽曲に応じて難易度も異なり、その目安として☆の数が表示されている。 ---- **評価点 -ルールも操作方法も簡単だが、正確な演奏ができるようになるにはそれなりの練習が必要となる。 --だが練習を積みスキルが上がってくると、今まで全くできなかった曲ができるようになるので選曲の幅が広がり、スコアも腕前に付随して上がってくる。努力すればした分だけ自分の成長が大いに実感できるのも魅力の一つ。 --当時はオンライン対戦も普及しておらず、基本は筐体内でのスコアアタックや自己ベストの更新がメインだった。そのため、ひたすらに腕を磨き難しい楽曲のクリアやハイスコアの更新を目標とするプレイヤーが多い、非常にストイックかつ硬派なゲームだったと言える。 ---この風潮は現在の『beatmaniaIIDX』シリーズにも受け継がれており、現在では種類数やオンライン要素が大幅に増えた音ゲーの中でも、同シリーズは個人で完結するゲームプレイのスタイルを保ち続けている。 -バックストーリーのおかげでクラブで演奏している雰囲気をよく出していた。 **賛否両論点 -当時の基準からしても大分古い基板を用いていたため音質が悪く、ムービーもいくつかの素材を使いまわすことが多かった。 --人によっては「この筐体のこもった音だからこそ味が出る」といった意見もあり、一概に悪いことだとも言えない。 **問題点 -やや厳しめなゲージと判定の仕様 --ゲージの上昇がノートの数に比例するため、ミス時の減少量が成功時に加えて大きくなりやすい。判定が少しきつめの曲をやるだけでグルーブゲージの維持がかなり大変だった。 //-オブジェ1個ごとの判定幅がかなり狭く厳しい。グルーブゲージの維持もかなり大変。 //--初期作は実はさほどでもなかったりするのだが、特にハイスピードオプションと光るGREATが追加されて以降の厳しさは今時の音楽ゲームとは一線を画するレベル。 //--加えて曲によって判定が見た目とは大きくズレていたり、一曲中でも各パートごとでズレ具合が違っていることもあり、判定ラインをガン見しながらの目押しでもなかなかうまくいかない場合も…。 //---熟練者同士での対戦では、曲ごとの判定のズレ具合をどれだけ覚えているかがスコアの差に直結するだろう。 //初代をそこまでやりこんでないので、初代時点での判定の詳細が分からない。ポップンとかと違って厳しめだった記憶はある。 詳しい方は初代のみの記述で修正して復帰を。 ---- **総評 ゲームの操作方法は「''画面上から降ってくるノートと流れる曲に合わせてボタンを押すorターンテーブルを回す''」。たったこれだけである。ルールも「曲を正確に演奏するほどスコアが高くなる」と単純明快そのものであり、それでいてハイスコアを出すには相当なやり込みを必要とする。~ まさに「単純明快で間口は広く、奥は深く道は険しく」を体現したようなゲームであり、楽曲のクオリティの高さも相まって多くのアーケードゲーマーをDJ・サウンドトラッカーへと変貌させた。~ 本作がゲームセンターに「音楽シミュレーションゲーム」という新しいジャンルを開拓した功績は、間違いなくゲーム歴史上でも重要な基点になるだろう。~ ---- **余談・その後の展開 -同社のプライズゲームにて、メンテナンス中にボタンを押すと様々な音が鳴るところに着想を得て生まれた作品である。 --その縁か、本作に収録されている1曲もそのプライズゲームのBGMを元にしている。 -本作の人気受けてbeatmaniaがシリーズとして続き、派生作品も多数制作され「[[BEMANI>BEMANIシリーズ]]」として続いていくことになる。 --キャラクター重視の作風を採用し本作の特徴やゲーム性をライト層に向けて展開した''[[pop'n music>ポップンミュージックシリーズ]]'' --ダンスをモチーフにした''[[Dance Dance Revolutionシリーズ]]''や''[[DanceEvolution>DanceEvolution ARCADE]]'' --バンド演奏を体感できる''[[GITADORA>GuitarFreaks & DrumManiaシリーズ]]'' --他にも初心者層の取り込みをメインにした''[[jubeat>jubeatシリーズ]]''や''[[REFLEC BEAT]]''といった、新機軸・新システムを搭載したシリーズ作品も多く誕生しており、~BEMANIシリーズはゲームセンター上での音ゲーの代名詞といえるまでに規模を膨れ上げていった。 -beatmaniaシリーズ --本作に続く5鍵のシリーズ。1998年の2ndMIXで、一大ムーブメントを引き起こした。ほどなく3rdMIXがリリースされると、その人気は頂点に達する。 ---兄弟機種『beatmania IIDX』が出てからも5鍵のゲームがナンバリングで出続け、2002年の『beatmania THE FINAL」をもって終了した。 --こちらのシリーズは『beatmania IIDX』との差別化を図り、徐々にアンダーグラウンドな路線へ進んでいった。 ---beatmania IIDXが、初期でもm-floなどのアーティスト、中期ではavexから「SUPER EUROBEATシリーズ」からの提供楽曲やトランス楽曲を多数取り入れ、当時の流行を意識したきらびやかでキャッチーな路線を選んだのに対応して、beatmaniaシリーズはIIDX登場後の4thMIX以降で、R&Bやテクノ、ビッグビート、ヒップホップなどの渋い(人によっては地味とも取れる)路線を歩んだ。 ---その中でも6thMIXはイギリスの大物アーティスト、7thMIXでは国内クラブシーンのアーティストによる書き下ろし楽曲を収録していたのだが5thMIX/completeMIX2までの楽曲を全て削除していた。~ このラインナップが災いし、いかんせんミュージックボックスとしても、ゲームとしても派手さに欠け、他の同社音ゲーに株を奪われてしまった面は否めない。 --シリーズものである以上仕方のないことではあるが、プレイヤー側のスキルアップに対応するために3rdMIXより難易度インフレが起き、徐々に初心者がとっつきにくくなった。 ---中でも4thMIXに収録された「DRUNK MONKY」、THE FINALにdrummania 2ndMIXから移植された「IMPLANTATION」のANOTHER(最上位)譜面は、今でも十分語り草になるほどの難易度を誇っている。 ---THE FINALのEXPERT+モード((6thMIXから搭載された、そのバージョンで最も難易度が最も高い10曲を連続プレーする『beatmania』シリーズのみのモード。同シリーズのEXPERTモードはグルーヴゲージが一切回復せず、無くなった時点でゲームオーバーとなるが、EXPERT+モードではグルーヴゲージが無くなっても「DANGER」表示で耐え、その状態でステージ通過するとグルーヴゲージが1目盛りの状態に回復するといった処置が設けられている。))においてはDRUNK MONKY(ANOTHER)が9曲目、IMPLANTATION(ANOTHER)が最終ステージの10曲目に設定され、クリアを阻んできた。 ---本格的に高難易度志向が見られるようになったのはcompleteMIX2で追加されたAnother譜面。元々上級者向けの楽曲が多かった上に特徴的な譜面傾向も生まれていた事で上記2曲に引けをとらない代物だった。 //これらを含め、ボタン数が少ないぶん、縦連打((同じ場所の鍵盤を連打させるような譜面。ノーツが縦に繋がって見えるためこう呼ばれる。))で難易度を上げている譜面もそこそこ目立つ。3rdMIXの「LUV TO ME」や「tribe groove」、7thMIXの「LIQUID RAIN」、THE FINALの「RE-ROOTS」などで特に顕著。 -beatmaniaIIIシリーズ --名前の通り『II』の後にリリースされたが、あくまでも本シリーズ直接の後継作品であった。 --筐体スペックの問題が顕著なことから、それを改善すると共にエフェクター機能の拡充やフットペダルといったデバイス面でのリニューアルを行うべく開発された。 ---その甲斐あって音響や映像面でのクオリティが大幅に向上。特にエフェクターは本職DJの採用実績が高いものを内蔵するなど、まさにDJシミュレーションに相応しいものであった。 ---更にフロッピーディスクによるデータ保存にも対応。それを利用した隠し要素の存在など、後のオンラインサービスの先駆けとも言えるものだった。 --当初はIII独自の展開をしつつ本シリーズからバトンタッチする構想であったようだが、途中から本シリーズの完全版という形に方針転換され、最終的には双方共に終焉を迎える事となった。 ---この影響で筐体も正式発売がされず、先行入荷分のみであったために現存数は極めて少数。その上フロッピーディスクドライブの存在や不正コピー防止用のデータにバッテリーバックアップを採用するなどメンテナンス面でのガンが多く、稼働する事自体が希少となっている。 -[[beatmania IIDXシリーズ]] --7鍵の後継機種で、2017年現在もゲームセンターで最新機種が継続して出続けている。 -ゲームに楽曲を提供するコンポーザーも人気で、各サウンドトラックはもとよりコンポーザーのソロアルバムも多数発売されている。 -本作の影響 --本作の稼働以降、ユーロビートやトランスといった当時はややマイナーだったインストゥルメンタル系ジャンルの楽曲が一躍脚光を浴びるようになり、それまでこういったダンスミュージックに触れることのなかった層に大きな影響を与えた。現在の日本のダンスミュージック界で活躍するDJにも、このゲームの影響を受けてDJ・作曲家活動を始めたと言う人もいるほど((有名どころでは、後に『beatmania IIDX』などに楽曲提供を行うことになるDJ TECHNORCHなど。))。 ---[[SOUND VOLTEX]]においてはこういったアマチュア層から頭角を現す新世代のアーティストたちを発掘するという試みを成功させている。このゲームが与えた影響はゲーム内外含め絶大だったというほか無い。 ---- **家庭用 -家庭用はACの純粋な移植版としては、2ndMIXから6thMIXまで行われている。機種はプレイステーション。 --2ndMIXを移植した最初の家庭版『beatmania』は、100万本を突破するほどのキラータイトルとなった。また家庭用で新たに追加される楽曲、通称「CS曲」も初代からである((初代バージョンのCS曲は付属するアペンドディスク『YebisuMIX』に分離する形で収録。))。 --3rd以降の移植はほとんど初代のディスクチェンジ機能を使用したアペンドディスクの形で発売されている。最初のアペンドディスクであるAPPEND 3rdMIXは、ACにあったGREATコンボやEXPERTモードが削除されたものの、税込2,940円という安価でACそのままの曲をプレイできるなど、高難度曲の練習にも大いに役立った。 --4th~ClubMIXからはACの完全移植になり、CS版公式サイトでのEXPERTモードによるインターネットランキングも開催された。ちなみに初代→3rd/GOTTAMIX→4th/5th/Club/GOTTAMIX2の順にディスクチェンジすると、3rd/GOTTAMIXの仕様で該当ディスクの曲を遊べる他、専用の隠し曲も出現するというものがある。((これらのディスクチェンジ隠し曲は特定条件を満たすと、3rd/GOTTAMIXを経由しなくても元ディスク上で遊べるようになる。))。 --6thはCORE REMIXの楽曲((6thMIXを基本としており、クラシックバージョンの収録は一切ないが、CORE REMIXの楽曲をプレイするとCORE REMIXプレイスキンも登場する。))も収めたキーディスクとなった。これがPS向け最後であり、以降の7thMIX及びTHE FINAL、およびbeatmaniaIIIは家庭用への移植が行われていない。 --既に『IIDX』が家庭用のリリースを始めていたのもそうだが、7thMIX以降に追加された「1回転スクラッチ」というアナログ操作の移植が困難であったのも影響したと考えられる。 ---しかしbeatmania IIDX substreamの他、13 DistorteD~15 DJ TROOPERSといった最近の家庭用では7thMIXの楽曲がいくつか数曲移植されている。 -家庭用オリジナルタイトルとしては『APPEND GOTTAMIX』『APPEND GOTTAMIX2 ~Going Global~』『THE SOUND OF TOKYO!』が発売されている。 --特にGOTTAMIXでは谷啓・せんだみつおの2人を起用したDJ-BATTLE楽曲「NAHANAHA VS GATTCHOON BATTLE」、L.E.D.LIGHT-Gこと角田利之氏の書き下ろしガバトラック「HELL SCAPER」を収録するなど、AC版とは違った方向性の楽曲を名前通りごった煮にしたラインナップが大きな反響を呼んだ。 -ゲームボーイカラーにも移植されている。こちらはAC版の楽曲の8bitバージョンを始めとして、GBオリジナルの楽曲も収録している。[[詳しくはこちらの記事>beatmania GB]]を参照のこと。 --こちらもシリーズ化され、以降『beatmania GB2 ガッチャミックス』『beatmania GB ガッチャミックス2』((ややこしいが本当にこういうタイトルである。因みにGB1・2は全GB共通(GBカラー対応)、ガッチャミックス2はカラー専用である。))の2タイトルが発売された。 ---なお『ガッチャミックス』以降はオリジナル曲の代わりにJ-POP、アニソンなどの版権楽曲にシフトしていき、『ガッチャミックス2』では版権楽曲のみとなっている。 -ワンダースワンにもアーケード版3rdMIXを元にしたものが出ている。曲数こそ少ないものオリジナルの音源をそのままサンプリングしており、''オリジナルとほぼ同等の音質を再現している''。当時の携帯機としては破格の音質であり、プレイヤーを驚愕させた。 -また、『たまごっち』などのような液晶ゲーム機版として「ビーマニポケット」シリーズもリリースされていた。 --こちらの方も版権楽曲が中心の物が大半であったが、コナミオリジナル曲を収録したタイトルも少数だが存在していた。 --なお、「ビーマニポケット」シリーズでは5鍵beatmaniaの他にもpop'n musicやDanceDanceRevolution等、他のBEMANI機種をモチーフにした物も存在する。 //シリーズページにまとめられているので、シリーズリストは削除 ----
''この記事では、アーケードゲーム『beatmania』の初代のみについて取り扱います。''~ ''同名のPS版(『2ndMIX』の移植)や、シリーズの以後の作品については『[[beatmaniaシリーズ]]』から各バージョンの記事を参照してください。'' ---- *beatmania 【びーとまにあ】 |ジャンル|音楽ゲーム|~| |対応機種|アーケード(DJ MAIN)|~| |販売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1997年12月下旬|~| |プレー人数|1人~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|新人DJを追体験&br()シンプルで奥深いゲーム性&br()ストイックで硬派なデザイン&br()初代限定のバックストーリー&br()以後のコナミの方向性を変えた革命児|~| |>|>|CENTER:''[[beatmaniaシリーズ]]''| //稼働開始時期はコナミの公式プレスリリースをソースとした。→https://web.archive.org/web/20010429003959/http://www.konami.co.jp/press/r.9.12.10beat.html ---- #contents(fromhere) ---- **概要 鍵盤状に配置された5つのサンプラーボタンと1つのターンテーブルを用いて楽曲をプレーする、音楽シミュレーションゲームのはしり((厳密には家庭用の『パラッパラッパー』が始祖。))。~ コナミ社内においてメダルゲーム等を担当する部署であるGM(ゲーミングマシン)事業部が開発し、1997年12月にゲームセンターで稼働を開始した。~ 装飾の派手な筐体、筐体から響いてくるダンスミュージック特有の重低音など、今までの「ゲームセンターのゲーム」という概念を変革するきっかけになったシリーズで、老若男女問わず幅広いプレーヤーを惹きつけた。~ //ゲームの概要を示すところで楽曲のことを言うのは変なのでCO //「u gotta groove」「20,november」や続編で登場した「super highway」など、初期3作における楽曲はこのゲームを代表する楽曲であると言える。~ 略称は「ビーマニ」または「初代」または「5鍵」((7ボタンを使用する後継シリーズ『[[beatmania IIDX]]』との区別のための呼称。こちらは「7鍵」とも。))。コナミの音楽シミュレーションゲームのブランド名「[[BEMANI>BEMANIシリーズ]]」も、この略称が由来である。 ---- **ストーリー プレーヤーは「『クラブサガワ』に飛び入り参加した新人DJ」という設定。~ 『クラブサガワ』の支配人(''公式設定でオカマ'')やDJ KONAMIがプレー中に手ほどきをしてくれる他、「DJ Battle」もプレーヤーの盛り上がりを妬んで喧嘩をふっかけてきたDJとの対決という設定になっている。 ---- **ゲームシステム -画面上から落ちてくるノートに対応したボタン・ターンテーブルを操作し、楽曲を正確に演奏することで画面中央下に表示されたグルーヴゲージを楽曲終了までに赤のゾーンまで上げてキープすることでステージクリア。逆に押すボタンを間違えたり((本作と『2ndMIX』は後の作品と異なり、一切ノートが無い場所で操作してもミス扱いになる。))、オブジェクトを見逃す、タイミングを著しく外すとミスとなりゲージが下がる。 --判定は良いものから「GREAT」「GOOD」「BAD(タイミングを著しく外した)」「WORST(見逃し・誤操作)」((後のシリーズ作の「POOR」判定。本作のみ「WORST」表記。))の4種類。GOOD以上ならスコアとゲージが上がり、逆にBAD以下はミスとしてゲージが下がるのみ。ゲージやスコアの変動量も判定によって違ってくる。 --特殊なノートとして「フリーゾーン」と呼ばれるものがある。この間はターンテーブルに限り自由にプレーでき、最低1回はスクラッチしていればGOOD判定が得られる。 -インターフェース --5つの鍵盤に対応した5レーン+ターンテーブルに対応した1レーンが画面両端に、楽曲と譜面の速度を示すBPM、クリア目標を示すグルーヴゲージが画面下、画面中央にはムービーが表示される。 ---ムービーはボタンを押したり、ミスをするとそれに対応して絵や色が変わるといった演出がある。 -ステージ構成は全5ステージ --1、2ステージ目と4、5ステージ目でそれぞれ選べる曲が異なる。 --3ステージ目ではストーリーの項で触れた「DJ Battle」が挟まれる。 ---「DJ Battle」は「お手本に合わせてスクラッチを行う」ユニークなステージ。 -楽曲 --ヒップホップやレゲエ、テクノ、ブレイクビーツ、ソウル、ハウスとジャンルを問わず、多彩なダンスミュージックを用意。~ 「DJ Battle」、後述の二人同時プレー専用曲や隠し曲を含め全8ジャンル/全9曲。 --楽曲に応じて難易度も異なり、その目安として☆の数が表示されている。 --条件を満たして「DJ Battle」をクリアすると4、5ステージ目で隠し曲であるレイヴ「e-motion」が出現する。ただし、今作に限り「e-''e''motion」と誤表記されてしまっている。 -2人同時プレーによる対戦プレーor協力プレーも可能。 --テクノ、ソウル、ハウスでは曲名が若干変化し、1人プレー時とは譜面パターンが変わったアレンジバージョンとなる。~ 更にブレイクビーツに至っては''曲そのものが変わる''((1人プレー時は「2 gorgeous 4 u」で2人プレー・または後作でのダブルプレー時は「greed eater」。互いに曲調や速度、判定幅など様々な点がまるきり別物になっている。))という後の作品では見られない独自要素がある。 ---2人プレー時の曲やバージョンを1人プレーで選ぶ事は残念ながらできず、その逆もやはり不可。これは後に再録された作品でも同様である。 --なお、本作と『2ndMIX』では、ステージクリアの成否は1P側と2P側独立しており、片方のプレーヤーがクリアに失敗した場合は途中で脱落し、残ったプレーヤーだけが次に進むこととなる。 -エキスパートモード --コイン投入後に特定コマンドを入力しながら開始する事で、隠しモードであるエキスパートモードをプレー出来る。~ 内容は「DJ Battle」以外の全7曲を決められた曲順でプレーしていくというもの。 ---続編とは違い、クリアルールは変わらない一方でゲージの増減具合が通常モードよりも厳しく設定されているほか、スコアの概念が存在しなかった。 ---シリーズ最終作の『[[THE FINAL>beatmania THE FINAL]]』でのエキスパードモードで存在する「THE FIRST」コースの曲順はこのモードを再現したものとなっている。 ---- **評価点 -ルールも操作方法も表現だけなら簡単だが、正確な演奏ができるようになるにはそれなりの練習が必要となる。 --だが練習を積みスキルが上がってくると、今まで全くできなかった曲ができるようになるので選曲の幅が広がり、スコアも腕前に付随して上がってくる。努力すればした分だけ自分の成長が大いに実感できるのも魅力の一つ。 -バックストーリーのおかげでクラブで演奏している雰囲気をよく出していた。 --選曲後の曲名表示画面では支配人からの曲の簡単な解説が入るが、その内容が中々面白いものとなっている。 --更にゲーム途中で挿入される「DJ Battle」は内容や設定も相まってストーリーへの没入を引き立てている。 ---- **賛否両論点 -コスト削減のためか、発売当時の基準からしても性能が低い基板((『THE FINAL』公式サイトに掲載されていた開発者のコメントによると、1992年程度のレベルだった。))を用いていたため音質が悪く、ムービーもいくつかの素材を使いまわすことが多かった。 --主に1990年代のコナミ製アーケードゲームで使用されていた「SYSTEM-GX」を独自にカスタマイズした、「DJ MAIN」と呼ばれる基板を代々使用していた。 --人によっては「この筐体のこもった音だからこそ味が出る」といった意見もあり、一概に悪いことだとも言えない。 --シリーズ後期の頃は性能の低さに苦労していたようで、『7thMIX』公式サイトには基板の性能不足を嘆く開発者のコメントが掲載されていた([[参照>http://kani.no.coocan.jp/bm1mirror/7th/staff.html]])。 --この問題に対応するために2000年に『beatmania III』を発売したが、出回りが少なかった((Wikipediaの記事によると、先行出荷分しか出荷されなかった。))ため、『6th MIX』以降は『beatmania III』と同時進行で制作する羽目になり、開発者の負担が増大した((『6th MIX』の頃から開発チームが1つに統合されていた。『beatmania APPEND 7thMIX』公式サイトには「1機種分の予算・人数・期間で2機種制作しなければならない」という開発者のコメントが掲載されていた。))。 ---メーカー側としては基板だけでなく筐体ごと一新するつもりだったが、裏目に出てしまった。 ---開発者側としては本当は基板のスペックアップをしたかったが、派生作品である『[[beatmania IIDX]]』と『beatmania III』の存在により、そういうわけにはいかなかったようである。 ---- **問題点 -やや厳しめなゲージと判定の仕様 --ミス時の減少量は固定だが、ゲージの上昇量はノートの数に反比例するという仕様のため、判定が少しきつめの曲をやるだけでグルーブゲージの維持がかなり大変だった。 //-オブジェ1個ごとの判定幅がかなり狭く厳しい。グルーブゲージの維持もかなり大変。 //--初期作は実はさほどでもなかったりするのだが、特にハイスピードオプションと光るGREATが追加されて以降の厳しさは今時の音楽ゲームとは一線を画するレベル。 //--加えて曲によって判定が見た目とは大きくズレていたり、一曲中でもパートごとでズレ具合が違っていることもあり、判定ラインをガン見しながらの目押しでもなかなかうまくいかない場合も…。 //---熟練者同士での対戦では、曲ごとの判定のズレ具合をどれだけ覚えているかがスコアの差に直結するだろう。 //初代をそこまでやりこんでないので、初代時点での判定の詳細が分からない。ポップンとかと違って厳しめだった記憶はある。詳しい方は初代のみの記述で修正して復帰を。 -フリーゾーンの仕様 --本作のフリーゾーンは最良判定がGOOD止まりでGREATを取る手段が存在しないため、このノーツが存在する曲では全てGREATを取るパーフェクトボーナスが取れない。 --『2ndMIX』ではフリーゾーンでGREATを取る手段((フリーゾーンに隠れて通常のオブジェが隠れており、その上端の白い線が重なるタイミングでターンテーブルを回す。))が設けられ、『3rdMIX』以降はフリーゾーンが廃止となってGREAT判定部分が通常のスクラッチノーツになった。 ---- **総評 ゲームの操作方法は「''画面上から降ってくるノートと流れる曲に合わせてボタンを押すorターンテーブルを回す''」。たったこれだけである。ルールも「曲を正確に演奏するほどスコアが高くなる」と単純明快そのものであり、それでいてハイスコアを出すには相当なやり込みを必要とする。~ まさに「単純明快で間口は広く、奥は深く道は険しく」を体現したようなゲームであり、楽曲のクオリティの高さも相まって多くのアーケードゲーマーをDJ・サウンドトラッカーへと変貌させた。~ 本作がゲームセンターに「音楽シミュレーションゲーム」という新しいジャンルを開拓した功績は、間違いなくゲーム歴史上でも重要な基点になるだろう。~ それまで『[[グラディウスシリーズ]]』によるSTGの大家というイメージを抱えながら新作の調整に悩まされていたコナミは、本作と翌年リリースの『2ndMIX』の成功を皮切りに一気に音ゲー路線へと舵を切ることとなる。良くも悪くも本作はコナミの転機となった存在と言えるだろう。 ---- **余談 -当時はオンライン対戦も普及しておらず、基本は筐体内でのスコアアタックや自己ベストの更新がメインだった。そのため、ひたすらに腕を磨き難しい楽曲のクリアやハイスコアの更新を目標とするプレーヤーが多い、非常にストイックかつ硬派なゲームだったと言える。 --この風潮は、上位作品かつ事実上の後継作である『beatmania IIDX』シリーズにも受け継がれており、長年のシリーズ展開においてオンライン要素が大幅に増えた中でも、『[[beatmania IIDX 25 CANNON BALLERS]]』でオンライン対戦モードが導入されるまであくまで個人で完結するゲームプレーのスタイルを保ち続けていた。 ---このオンライン対戦モードも他機種に多い「スコアで競い合う要素を持ちつつも助け合いの一面もある」というものとは毛色が異なり「互いに勝負曲を投げ合い4曲のスコアで勝敗を付ける」という競技性の高いものであり、対戦専用ゲームに囚われないe-sportsの姿を示しているといえよう。 -ハイスコアを狙う遊び方とは別に手馴れたプレーヤーの中には「物で画面全体を隠してプレー」や「2人同時プレーを1人で行う」((このうち後者は当時の記録をまとめた記事によると稼働前のロケテストの時点で行うプレーヤーが居た模様。))などといった、ギャラリー受けを狙った風変わりな遊び方を行う者も見られた。 --これらの遊び方が元となって後述の続編『2ndMIX』ではノートがレーンの途中から見えなくなる「HIDDEN」、前述の「2人同時プレーを1人で行う」をほぼそのまま公式モードとして採用した「DOUBLE」が追加されている。 **その後の展開 -翌1998年3月26日には続編''『beatmania 2ndMIX』''が稼働開始。上記のプレーオプションを初めとした様々な要素が追加されて遊びが広がり、後の音ゲーブームに多大な影響を及ぼした。 --しかし、『2nd』以降は初代本作に存在した''バックストーリーが廃止''されてしまい、「CLUB SAGAWA」のオカマオーナーは5年後の『[[beatmania III THE FINAL>beatmania THE FINAL]]』の背景出演まで音沙汰無しとなってしまった。 -1998年10月1日にPSで発売された''『beatmania』''は、家庭用に初めて移植されたbeatmaniaであるものの、実際には''続編『beatmania 2ndMIX』をベースにした移植''である。 --このため、アーケード版初代のVGAの大半は家庭用ハードに移植されていない。現在において初代のVGAを完全な形で見るには動画サイトや実機プレーでしか見る事ができないのが残念。 ----

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