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''この記事では、アーケードゲーム『beatmania』の初代のみについて取り扱います。''~ ''同名のPS版(『2ndMIX』の移植)や、シリーズの以後の作品については『[[beatmaniaシリーズ]]』から各バージョンの記事を参照してください。'' ---- *beatmania 【びーとまにあ】 |ジャンル|音楽ゲーム|~| |対応機種|アーケード(DJ MAIN)|~| |販売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1997年12月下旬|~| |プレー人数|1人~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|新人DJを追体験&br()シンプルで奥深いゲーム性&br()ストイックで硬派なデザイン&br()初代限定のバックストーリー&br()以後のコナミの方向性を変えた革命児|~| |>|>|CENTER:''[[beatmaniaシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 鍵盤状に配置された5つのサンプラーボタンと1つのターンテーブルを用いて楽曲をプレーする、音楽シミュレーションゲームのはしり((厳密には家庭用の『パラッパラッパー』が始祖。))。~ コナミ社内においてメダルゲーム等を担当する部署であるGM(ゲーミングマシン)事業部が開発し、1997年12月にゲームセンターで稼働を開始した。~ 装飾の派手な筐体、筐体から響いてくるダンスミュージック特有の重低音など、今までの「ゲームセンターのゲーム」という概念を変革するきっかけになったシリーズで、老若男女問わず幅広いプレーヤーを惹きつけた。~ 「u gotta groove」「20,november」や続編で登場した「super highway」など、初期3作における楽曲はこのゲームを代表する楽曲であると言える。~ 略称は「ビーマニ」または「初代」、7ボタンを使用する『[[beatmania IIDX]]』と区別する目的で「5鍵」と言う呼称も。コナミの音楽シミュレーションゲームのブランド名「[[BEMANI>BEMANIシリーズ]]」も、この略称が由来である。 ---- **ストーリー プレーヤーは「『クラブサガワ』に飛び入り参加した新人DJ」という設定。~ 『クラブサガワ』の支配人(''公式設定でオカマ'')やDJ KONAMIがプレー中に手ほどきをしてくれる他、「DJ Battle」もプレーヤーの盛り上がりを妬んで喧嘩をふっかけてきたDJとの対決という設定になっている。 ---- **ゲームシステム -画面上から落ちてくるノートに対応したボタン・ターンテーブルを操作し、楽曲を正確に演奏することで画面中央下に表示されたグルーヴゲージを楽曲終了までに赤のゾーンまで上げてキープすることでステージクリア。逆に押すボタンを間違えたり((本作と『2ndMIX』は後の作品と異なり、一切ノートが無い場所で操作してもミス扱いになる。))、オブジェクトを見逃す、タイミングを著しく外すとミスとなりゲージが下がる。 --判定は良いものから「GREAT」「GOOD」「BAD(タイミングを著しく外した)」「WORST(見逃し・誤操作)」((後のシリーズ作の「POOR」判定。本作のみ「WORST」表記。))の4種類。GOOD以上ならスコアとゲージが上がり、逆にBAD以下はミスとしてゲージが下がるのみ。ゲージやスコアの変動量も判定によって違ってくる。 --特殊なノートとして「フリーゾーン」と呼ばれるものがある。この間はターンテーブルに限り自由にプレーでき、最低1回はスクラッチしていればGOOD判定が得られる。 -インターフェース --5つの鍵盤に対応した5レーン+ターンテーブルに対応した1レーンが画面両端に、楽曲と譜面の速度を示すBPM、クリア目標を示すグルーヴゲージが画面下、画面中央にはムービーが表示される。 ---ムービーはボタンを押したり、ミスをするとそれに対応して絵や色が変わるといった演出がある。 -ステージ構成は全5ステージ --1、2ステージ目と4、5ステージ目でそれぞれ選べる曲が異なる。 --3ステージ目ではストーリーの項で触れた「DJ Battle」が挟まれる。 ---「DJ Battle」は「お手本に合わせてスクラッチを行う」ユニークなステージ。 -楽曲 --ヒップホップやレゲエ、テクノ、ブレイクビーツ、ソウル、ハウスとジャンルを問わず、多彩なダンスミュージックを用意。~ 「DJ Battle」、後述の二人同時プレー専用曲や隠し曲を含め全8ジャンル/全9曲。 --楽曲に応じて難易度も異なり、その目安として☆の数が表示されている。 --条件を満たして「DJ Battle」をクリアすると4、5ステージ目で隠し曲であるレイヴ「e-motion」が出現する。ただし、今作に限り「e-''e''motion」と誤表記されてしまっている。 -2人同時プレーによる対戦プレーor協力プレーも可能。 --テクノ、ソウル、ハウスでは曲名が若干変化し、1人プレー時とは譜面パターンが変わったアレンジバージョンとなる。~ 更にブレイクビーツに至っては''曲そのものが変わる''((1人プレー時は「2 gorgeous 4 u」で2人プレー・または後作でのダブルプレー時は「greed eater」。互いに曲調や速度、判定幅など様々な点がまるきり別物になっている。))という後の作品では見られない独自要素がある。 ---2人プレー時の曲やバージョンを1人プレーで選ぶ事は残念ながらできず、その逆もやはり不可。これは後に再録された作品でも同様である。 --なお、本作と『2ndMIX』では、ステージクリアの成否は1P側と2P側独立しており、片方のプレーヤーがクリアに失敗した場合は途中で脱落し、残ったプレーヤーだけが次に進むこととなる。 -エキスパートモード --コイン投入後に特定コマンドを入力しながら開始する事で、隠しモードであるエキスパートモードをプレー出来る。~ 内容は「DJ Battle」以外の全7曲を決められた曲順でプレーしていくというもの。 ---続編とは違い、クリアルールは変わらない一方でゲージの増減具合が通常モードよりも厳しく設定されているほか、スコアの概念が存在しなかった。 ---シリーズ最終作の『[[THE FINAL>beatmania THE FINAL]]』でのエキスパードモードで存在する「THE FIRST」コースの曲順はこのモードを再現したものとなっている。 ---- **評価点 -ルールも操作方法も表現だけなら簡単だが、正確な演奏ができるようになるにはそれなりの練習が必要となる。 --だが練習を積みスキルが上がってくると、今まで全くできなかった曲ができるようになるので選曲の幅が広がり、スコアも腕前に付随して上がってくる。努力すればした分だけ自分の成長が大いに実感できるのも魅力の一つ。 -バックストーリーのおかげでクラブで演奏している雰囲気をよく出していた。 --選曲後の曲名表示画面では支配人からの曲の簡単な解説が入るが、その内容が中々面白いものとなっている。 --更にゲーム途中で挿入される「DJ Battle」は内容や設定も相まってストーリーへの没入を引き立てている。 ---- **賛否両論点 -コスト削減のためか、発売当時の基準からしても性能が低い基板([[『THE FINAL』公式サイト>https://web.archive.org/web/20170214135117/http://www.konami.jp/am/bm/final/staff.html]]によると1992年程度のレベル)を用いていたため音質が悪く、ムービーもいくつかの素材を使いまわすことが多かった。 --主に1990年代のコナミ製アーケードゲームで使用されていた「SYSTEM-GX」を独自にカスタマイズした、「DJ MAIN」と呼ばれる基板を代々使用していた。 --人によっては「この筐体のこもった音だからこそ味が出る」といった意見もあり、一概に悪いことだとも言えない。 --シリーズ後期の頃は性能の低さに苦労していたようで、[[『7thMIX』公式サイト>https://web.archive.org/web/20160828011824/http://www.konami.jp/am/bm/7th/staff.html]]には基板の性能不足を嘆く開発者のコメントが掲載されていた。 --この問題に対応すべく2000年に『beatmania III』が発売されたが、出回りが少なかった((「Wikipedia」によると、先行出荷分しか出荷されなかった。))ため『6th MIX』以降は『beatmania III』と同時進行で制作する羽目になり((『6th MIX』の頃から開発チームが1つに統合されていた。『beatmania APPEND 7thMIX』公式サイトには「1機種分の予算・人数・期間で2機種制作しなければならない」と開発者はコメントしていた。))、開発者の負担が増大した。 ---メーカー側としては基板だけでなく筐体ごと一新するつもりだったが、裏目に出てしまった。 ---他のBEMANIシリーズと同様、開発者側としては本当は基板のスペックアップをしたかったが、派生作品である『[[beatmania IIDX]]』と『beatmania III』の存在によりそういうわけにはいかなかった。 ---- **問題点 -やや厳しめなゲージと判定の仕様 --ミス時の減少量は固定だが、ゲージの上昇量はノートの数に反比例するという仕様のため、判定が少しきつめの曲をやるだけでグルーブゲージの維持がかなり大変だった。 //-オブジェ1個ごとの判定幅がかなり狭く厳しい。グルーブゲージの維持もかなり大変。 //--初期作は実はさほどでもなかったりするのだが、特にハイスピードオプションと光るGREATが追加されて以降の厳しさは今時の音楽ゲームとは一線を画するレベル。 //--加えて曲によって判定が見た目とは大きくズレていたり、一曲中でもパートごとでズレ具合が違っていることもあり、判定ラインをガン見しながらの目押しでもなかなかうまくいかない場合も…。 //---熟練者同士での対戦では、曲ごとの判定のズレ具合をどれだけ覚えているかがスコアの差に直結するだろう。 //初代をそこまでやりこんでないので、初代時点での判定の詳細が分からない。ポップンとかと違って厳しめだった記憶はある。詳しい方は初代のみの記述で修正して復帰を。 -フリーゾーンの仕様 --本作のフリーゾーンは最良判定がGOOD止まりでGREATを取る手段が存在しないため、このノーツが存在する曲では全てGREATを取るパーフェクトボーナスが取れない。 --『2ndMIX』ではフリーゾーンでGREATを取る手段((フリーゾーンに隠れて通常のオブジェが隠れており、その上端の白い線が重なるタイミングでターンテーブルを回す。))が設けられ、『3rdMIX』以降はフリーゾーンが廃止となってGREAT判定部分が通常のスクラッチノーツになった。 ---- **総評 ゲームの操作方法は「''画面上から降ってくるノートと流れる曲に合わせてボタンを押すorターンテーブルを回す''」。たったこれだけである。ルールも「曲を正確に演奏するほどスコアが高くなる」と単純明快そのものであり、それでいてハイスコアを出すには相当なやり込みを必要とする。~ まさに「単純明快で間口は広く、奥は深く道は険しく」を体現したようなゲームであり、楽曲のクオリティの高さも相まって多くのアーケードゲーマーをDJ・サウンドトラッカーへと変貌させた。~ 本作がゲームセンターに「音楽シミュレーションゲーム」という新しいジャンルを開拓した功績は、間違いなくゲーム歴史上でも重要な基点になるだろう。~ それまで『[[グラディウスシリーズ]]』によるSTGの大家というイメージを抱えながら新作の調整に悩まされていたコナミは、本作と翌年リリースの『2ndMIX』の成功を皮切りに一気に音ゲー路線へと舵を切ることとなる。良くも悪くも本作はコナミの転機となった存在と言えるだろう。 ---- **余談 -当時はオンライン対戦も普及しておらず、基本は筐体内でのスコアアタックや自己ベストの更新がメインだった。そのため、ひたすらに腕を磨き難しい楽曲のクリアやハイスコアの更新を目標とするプレーヤーが多い、非常にストイックかつ硬派なゲームだったと言える。 --この風潮は、上位作品かつ事実上の後継作である『beatmania IIDX』シリーズにも受け継がれており、長年のシリーズ展開においてオンライン要素が大幅に増えた中でも、『[[beatmania IIDX 25 CANNON BALLERS]]』でオンライン対戦モードが導入されるまであくまで個人で完結するゲームプレーのスタイルを保ち続けていた。 ---このオンライン対戦モードも他機種に多い「スコアで競い合う要素を持ちつつも助け合いの一面もある」というものとは毛色が異なり「互いに勝負曲を投げ合い4曲のスコアで勝敗を付ける」という競技性の高いものであり、対戦専用ゲームに囚われないe-sportsの姿を示しているといえよう。 -ハイスコアを狙う遊び方とは別に手馴れたプレーヤーの中には「物で画面全体を隠してプレー」や「2人同時プレーを1人で行う」((このうち後者は当時に記録をまとめた記事によると稼働前のロケテストの時点で行うプレーヤーが居た模様。))などといった、ギャラリー受けを狙った風変わりな遊び方を行う者も見られた。 --これらの遊び方が元となって続編の『2ndMIX』ではノートがレーンの途中から見えなくなる「HIDDEN」、前述の「2人同時プレーを1人で行う」をほぼそのまま公式モードとして採用した「DOUBLE」が追加されている。 -1998年10月1日にPSで発売された''『beatmania』''は、家庭用に初めて移植されたbeatmaniaであるものの、実際には''続編『beatmania 2ndMIX』をベースにした移植''である。 --このため、アーケード版初代のVGAの大半は家庭用ハードに移植されていない。現在において初代のVGAを完全な形で見るには動画サイトや実機プレーでしか見る事ができないのが残念。 ----
''この記事では、アーケードゲーム『beatmania』の初代のみについて取り扱います。''~ ''同名のPS版(『2ndMIX』の移植)や、シリーズの以後の作品については『[[beatmaniaシリーズ]]』から各バージョンの記事を参照してください。'' ---- *beatmania 【びーとまにあ】 |ジャンル|音楽ゲーム|~| |対応機種|アーケード(DJ MAIN)|~| |販売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1997年12月下旬|~| |プレー人数|1人~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|新人DJを追体験&br()シンプルで奥深いゲーム性&br()ストイックで硬派なデザイン&br()初代限定のバックストーリー&br()以後のコナミの方向性を変えた革命児|~| |>|>|CENTER:''[[beatmaniaシリーズ]]''| //稼働開始時期はコナミの公式プレスリリースをソースとした。→https://web.archive.org/web/20010429003959/http://www.konami.co.jp/press/r.9.12.10beat.html ---- #contents(fromhere) ---- **概要 鍵盤状に配置された5つのサンプラーボタンと1つのターンテーブルを用いて楽曲をプレーする、音楽シミュレーションゲームのはしり((厳密には家庭用の『パラッパラッパー』が始祖。))。~ コナミ社内においてメダルゲーム等を担当する部署であるGM(ゲーミングマシン)事業部が開発し、1997年12月にゲームセンターで稼働を開始した。~ 装飾の派手な筐体、筐体から響いてくるダンスミュージック特有の重低音など、今までの「ゲームセンターのゲーム」という概念を変革するきっかけになったシリーズで、老若男女問わず幅広いプレーヤーを惹きつけた。~ //ゲームの概要を示すところで楽曲のことを言うのは変なのでCO //「u gotta groove」「20,november」や続編で登場した「super highway」など、初期3作における楽曲はこのゲームを代表する楽曲であると言える。~ 略称は「ビーマニ」または「初代」または「5鍵」((7ボタンを使用する後継シリーズ『[[beatmania IIDX]]』との区別のための呼称。こちらは「7鍵」とも。))。コナミの音楽シミュレーションゲームのブランド名「[[BEMANI>BEMANIシリーズ]]」も、この略称が由来である。 ---- **ストーリー プレーヤーは「『クラブサガワ』に飛び入り参加した新人DJ」という設定。~ 『クラブサガワ』の支配人(''公式設定でオカマ'')やDJ KONAMIがプレー中に手ほどきをしてくれる他、「DJ Battle」もプレーヤーの盛り上がりを妬んで喧嘩をふっかけてきたDJとの対決という設定になっている。 ---- **ゲームシステム -画面上から落ちてくるノートに対応したボタン・ターンテーブルを操作し、楽曲を正確に演奏することで画面中央下に表示されたグルーヴゲージを楽曲終了までに赤のゾーンまで上げてキープすることでステージクリア。逆に押すボタンを間違えたり((本作と『2ndMIX』は後の作品と異なり、一切ノートが無い場所で操作してもミス扱いになる。))、オブジェクトを見逃す、タイミングを著しく外すとミスとなりゲージが下がる。 --判定は良いものから「GREAT」「GOOD」「BAD(タイミングを著しく外した)」「WORST(見逃し・誤操作)」((後のシリーズ作の「POOR」判定。本作のみ「WORST」表記。))の4種類。GOOD以上ならスコアとゲージが上がり、逆にBAD以下はミスとしてゲージが下がるのみ。ゲージやスコアの変動量も判定によって違ってくる。 --特殊なノートとして「フリーゾーン」と呼ばれるものがある。この間はターンテーブルに限り自由にプレーでき、最低1回はスクラッチしていればGOOD判定が得られる。 -インターフェース --5つの鍵盤に対応した5レーン+ターンテーブルに対応した1レーンが画面両端に、楽曲と譜面の速度を示すBPM、クリア目標を示すグルーヴゲージが画面下、画面中央にはムービーが表示される。 ---ムービーはボタンを押したり、ミスをするとそれに対応して絵や色が変わるといった演出がある。 -ステージ構成は全5ステージ --1、2ステージ目と4、5ステージ目でそれぞれ選べる曲が異なる。 --3ステージ目ではストーリーの項で触れた「DJ Battle」が挟まれる。 ---「DJ Battle」は「お手本に合わせてスクラッチを行う」ユニークなステージ。 -楽曲 --ヒップホップやレゲエ、テクノ、ブレイクビーツ、ソウル、ハウスとジャンルを問わず、多彩なダンスミュージックを用意。~ 「DJ Battle」、後述の二人同時プレー専用曲や隠し曲を含め全8ジャンル/全9曲。 --楽曲に応じて難易度も異なり、その目安として☆の数が表示されている。 --条件を満たして「DJ Battle」をクリアすると4、5ステージ目で隠し曲であるレイヴ「e-motion」が出現する。ただし、今作に限り「e-''e''motion」と誤表記されてしまっている。 -2人同時プレーによる対戦プレーor協力プレーも可能。 --テクノ、ソウル、ハウスでは曲名が若干変化し、1人プレー時とは譜面パターンが変わったアレンジバージョンとなる。~ 更にブレイクビーツに至っては''曲そのものが変わる''((1人プレー時は「2 gorgeous 4 u」で2人プレー・または後作でのダブルプレー時は「greed eater」。互いに曲調や速度、判定幅など様々な点がまるきり別物になっている。))という後の作品では見られない独自要素がある。 ---2人プレー時の曲やバージョンを1人プレーで選ぶ事は残念ながらできず、その逆もやはり不可。これは後に再録された作品でも同様である。 --なお、本作と『2ndMIX』では、ステージクリアの成否は1P側と2P側独立しており、片方のプレーヤーがクリアに失敗した場合は途中で脱落し、残ったプレーヤーだけが次に進むこととなる。 -エキスパートモード --コイン投入後に特定コマンドを入力しながら開始する事で、隠しモードであるエキスパートモードをプレー出来る。~ 内容は「DJ Battle」以外の全7曲を決められた曲順でプレーしていくというもの。 ---続編とは違い、クリアルールは変わらない一方でゲージの増減具合が通常モードよりも厳しく設定されているほか、スコアの概念が存在しなかった。 ---シリーズ最終作の『[[THE FINAL>beatmania THE FINAL]]』でのエキスパードモードで存在する「THE FIRST」コースの曲順はこのモードを再現したものとなっている。 ---- **評価点 -ルールも操作方法も表現だけなら簡単だが、正確な演奏ができるようになるにはそれなりの練習が必要となる。 --だが練習を積みスキルが上がってくると、今まで全くできなかった曲ができるようになるので選曲の幅が広がり、スコアも腕前に付随して上がってくる。努力すればした分だけ自分の成長が大いに実感できるのも魅力の一つ。 -バックストーリーのおかげでクラブで演奏している雰囲気をよく出していた。 --選曲後の曲名表示画面では支配人からの曲の簡単な解説が入るが、その内容が中々面白いものとなっている。 --更にゲーム途中で挿入される「DJ Battle」は内容や設定も相まってストーリーへの没入を引き立てている。 ---- **賛否両論点 -コスト削減のためか、発売当時の基準からしても性能が低い基板((『THE FINAL』公式サイトに掲載されていた開発者のコメントによると、1992年程度のレベルだった。))を用いていたため音質が悪く、ムービーもいくつかの素材を使いまわすことが多かった。 --主に1990年代のコナミ製アーケードゲームで使用されていた「SYSTEM-GX」を独自にカスタマイズした、「DJ MAIN」と呼ばれる基板を代々使用していた。 --人によっては「この筐体のこもった音だからこそ味が出る」といった意見もあり、一概に悪いことだとも言えない。 --シリーズ後期の頃は性能の低さに苦労していたようで、『7thMIX』公式サイトには基板の性能不足を嘆く開発者のコメントが掲載されていた([[参照>http://kani.no.coocan.jp/bm1mirror/7th/staff.html]])。 --この問題に対応するために2000年に『beatmania III』を発売したが、出回りが少なかった((Wikipediaの記事によると、先行出荷分しか出荷されなかった。))ため、『6th MIX』以降は『beatmania III』と同時進行で制作する羽目になり、開発者の負担が増大した((『6th MIX』の頃から開発チームが1つに統合されていた。『beatmania APPEND 7thMIX』公式サイトには「1機種分の予算・人数・期間で2機種制作しなければならない」という開発者のコメントが掲載されていた。))。 ---メーカー側としては基板だけでなく筐体ごと一新するつもりだったが、裏目に出てしまった。 ---開発者側としては本当は基板のスペックアップをしたかったが、派生作品である『[[beatmania IIDX]]』と『beatmania III』の存在により、そういうわけにはいかなかったようである。 ---- **問題点 -やや厳しめなゲージと判定の仕様 --ミス時の減少量は固定だが、ゲージの上昇量はノートの数に反比例するという仕様のため、判定が少しきつめの曲をやるだけでグルーブゲージの維持がかなり大変だった。 //-オブジェ1個ごとの判定幅がかなり狭く厳しい。グルーブゲージの維持もかなり大変。 //--初期作は実はさほどでもなかったりするのだが、特にハイスピードオプションと光るGREATが追加されて以降の厳しさは今時の音楽ゲームとは一線を画するレベル。 //--加えて曲によって判定が見た目とは大きくズレていたり、一曲中でもパートごとでズレ具合が違っていることもあり、判定ラインをガン見しながらの目押しでもなかなかうまくいかない場合も…。 //---熟練者同士での対戦では、曲ごとの判定のズレ具合をどれだけ覚えているかがスコアの差に直結するだろう。 //初代をそこまでやりこんでないので、初代時点での判定の詳細が分からない。ポップンとかと違って厳しめだった記憶はある。詳しい方は初代のみの記述で修正して復帰を。 -フリーゾーンの仕様 --本作のフリーゾーンは最良判定がGOOD止まりでGREATを取る手段が存在しないため、このノーツが存在する曲では全てGREATを取るパーフェクトボーナスが取れない。 --『2ndMIX』ではフリーゾーンでGREATを取る手段((フリーゾーンに隠れて通常のオブジェが隠れており、その上端の白い線が重なるタイミングでターンテーブルを回す。))が設けられ、『3rdMIX』以降はフリーゾーンが廃止となってGREAT判定部分が通常のスクラッチノーツになった。 ---- **総評 ゲームの操作方法は「''画面上から降ってくるノートと流れる曲に合わせてボタンを押すorターンテーブルを回す''」。たったこれだけである。ルールも「曲を正確に演奏するほどスコアが高くなる」と単純明快そのものであり、それでいてハイスコアを出すには相当なやり込みを必要とする。~ まさに「単純明快で間口は広く、奥は深く道は険しく」を体現したようなゲームであり、楽曲のクオリティの高さも相まって多くのアーケードゲーマーをDJ・サウンドトラッカーへと変貌させた。~ 本作がゲームセンターに「音楽シミュレーションゲーム」という新しいジャンルを開拓した功績は、間違いなくゲーム歴史上でも重要な基点になるだろう。~ それまで『[[グラディウスシリーズ]]』によるSTGの大家というイメージを抱えながら新作の調整に悩まされていたコナミは、本作と翌年リリースの『2ndMIX』の成功を皮切りに一気に音ゲー路線へと舵を切ることとなる。良くも悪くも本作はコナミの転機となった存在と言えるだろう。 ---- **余談 -当時はオンライン対戦も普及しておらず、基本は筐体内でのスコアアタックや自己ベストの更新がメインだった。そのため、ひたすらに腕を磨き難しい楽曲のクリアやハイスコアの更新を目標とするプレーヤーが多い、非常にストイックかつ硬派なゲームだったと言える。 --この風潮は、上位作品かつ事実上の後継作である『beatmania IIDX』シリーズにも受け継がれており、長年のシリーズ展開においてオンライン要素が大幅に増えた中でも、『[[beatmania IIDX 25 CANNON BALLERS]]』でオンライン対戦モードが導入されるまであくまで個人で完結するゲームプレーのスタイルを保ち続けていた。 ---このオンライン対戦モードも他機種に多い「スコアで競い合う要素を持ちつつも助け合いの一面もある」というものとは毛色が異なり「互いに勝負曲を投げ合い4曲のスコアで勝敗を付ける」という競技性の高いものであり、対戦専用ゲームに囚われないe-sportsの姿を示しているといえよう。 -ハイスコアを狙う遊び方とは別に手馴れたプレーヤーの中には「物で画面全体を隠してプレー」や「2人同時プレーを1人で行う」((このうち後者は当時の記録をまとめた記事によると稼働前のロケテストの時点で行うプレーヤーが居た模様。))などといった、ギャラリー受けを狙った風変わりな遊び方を行う者も見られた。 --これらの遊び方が元となって後述の続編『2ndMIX』ではノートがレーンの途中から見えなくなる「HIDDEN」、前述の「2人同時プレーを1人で行う」をほぼそのまま公式モードとして採用した「DOUBLE」が追加されている。 **その後の展開 -翌1998年3月26日には続編''『beatmania 2ndMIX』''が稼働開始。上記のプレーオプションを初めとした様々な要素が追加されて遊びが広がり、後の音ゲーブームに多大な影響を及ぼした。 --しかし、『2nd』以降は初代本作に存在した''バックストーリーが廃止''されてしまい、「CLUB SAGAWA」のオカマオーナーは5年後の『[[beatmania III THE FINAL>beatmania THE FINAL]]』の背景出演まで音沙汰無しとなってしまった。 -1998年10月1日にPSで発売された''『beatmania』''は、家庭用に初めて移植されたbeatmaniaであるものの、実際には''続編『beatmania 2ndMIX』をベースにした移植''である。 --このため、アーケード版初代のVGAの大半は家庭用ハードに移植されていない。現在において初代のVGAを完全な形で見るには動画サイトや実機プレーでしか見る事ができないのが残念。 ----

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