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*SDガンダム Gジェネレーション WARS
【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん うぉーず】
|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B002J9HX3C)|&amazon(B0024NJY44)|
|対応機種|プレイステーション2、Wii|~|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|~|
|開発元|トムクリエイト|~|~|
|発売日|2009年8月6日|~|~|
|定価|7,329円(税込)|~|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[SDガンダム Gジェネレーションシリーズリンク>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/728.html]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-『[[SDガンダム Gジェネレーション SPIRITS>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/900.html]]』の続編で『WORLD』の前作。WiiとPS2のマルチタイトル。
-トムクリエイト製作によるGジェネで、比較的自由に選べるシナリオマップを次々とクリアしながら、新たなパイロットや機体を入手して、育成・強化していく。
-宇宙世紀限定であったSPIRITSに対して、本作はファーストから『ガンダム00』(テレビ第一期)までのアニメ作品を中心に幅広く収録。
**特徴および評価点
-前作のシステム的な長所や進化点は、そのまま受け継がれている。詳しくは[[前作の記事>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/900.html]]を参照。
-前作でたいへん不評だった「ハロスコア」システムを廃止。それに代わる新システムとして「スカウトリンク」を採用。
--ゲーム開始の時点で、プレイヤーが選んだ作品の主人公キャラ1名と主役MSの劣化品(レベルアップで本物へと開発可能)を入手できる。同作品の他のキャラや戦艦はキャピタルでスカウト(≒お金で購入)可能。つまり、とにかくキャピタルさえ貯めれば好きなキャラが確実に手に入るというシステムである。
--スカウトリンクは、1つの作品のシナリオをクリアするたびに1つ追加で選ぶことが可能。最終ステージがアンロックされる頃には、全てのキャラと戦艦がスカウト可能な状態となる。
-捕獲、開発、設計のほかに、新たな機体入手方法「交換」を導入。
--開発系譜を無視して、同程度の性能を持つ他の機体と交換できる。開発の袋小路に入った機体も活きてくる。ただし普通に精算するよりも多額のキャピタルが必要で費用効率が悪く、乱用はできない。
--そのかわり、前作まであった「ゲストユニットをAランクに育てて機体登録」は廃止。
--ハロランクとゲストユニット登録の廃止により、プレイ中に配慮すべき細々とした要素は激減。良くも悪くも非常にサクサクと進むようになった。
-ユーザーインターフェースも地味に改善。テンポが良くなった。
-前作までは、前触れもなく現れてストレスの元となっていた敵増援に「ウォーズブレイク」という名前をつけてシステム化。
--ブレイクが起こる条件「ウォーズトリガー」が前もって示され、これを満たさないとあっさり終わるが、満たせば増援や強敵が出現し、シナリオがさらに深く展開するという形に進化した。
--増援を出すかどうかをプレイヤーが選べるようになり、快適性が増した。また、資金が欲しいのでウォーズブレイクを起こして稼ぐ、必要な経験値を稼いだからウォーズブレイクを起こさずさっさとクリアする…など、ステージ攻略に幅ができた。
--ちなみにウォーズブレイクにより登場する敵には別作品からのゲストも多く含まれており、スーパーロボット大戦と錯覚するほど混沌としている。
#region(close,一例。ネタバレ注意)
---ジャブロー攻略作戦(ファースト)の最中に本当にアプサラスIIIで駆けつけてくるギニアス・サハリン(08小隊)
---地球クリーン作戦(V)に興味を持ち、ザンスカールを援護し始めるディアナ・カウンター(∀)
---人類を強制的に眠らせるエンジェル・ハイロゥ(V)を平和の装置とみなし、カイラスギリー((実は∀本編にも名前だけは出ており、福井晴敏の小説版では実際に発射もされた。))で破壊にかかるギム・ギンガナム(∀)
---世界の争いを監視する使命を持つシャッフル同盟(G)が邪魔で仕方がないので暗殺を企てるフロスト兄弟(X)
#endregion
-パイロットキャラに多彩なスキルが付き、性能面でも個性豊かになった。
-強化パーツの仕様変更。
--ハロランクの廃止に伴い、どんな形でも何らかのステージをクリアすれば、1種類ずつ順番に購入可能になっていく。実際に購入するにはもちろんキャピタルが必要(やや高め)。
--機体に、強化パーツが3つまで装備可能になり、機体活用の幅が広がった。ただしゲームバランスを変えるほどの強力パーツは所持数上限あり。
**問題点・賛否両論点
-宇宙世紀作品とアナザー作品の共演により、宇宙世紀作品の扱いが相対的に減少・悪化。シナリオの再現度はもちろん、削られたユニットやキャラも多い。
--アニメ作品は、一応最低限のところは押さえているが、例えば『ポケットの中の戦争』は機体・キャラのみ参戦でシナリオの再現はない。『閃光のハサウェイ』『クロスボーン・ガンダム』といった非アニメ作品は機体やキャラが数点申し訳程度に収録されているだけ((『閃光のハサウェイ』はMS4種、SFS2種と元の機体数自体が少ないが。))。前作であれほど優遇された『MS IGLOO』はわずかに機体が2種類のみ収録。ゲーム出身作品も惨憺たる状態。
--宇宙世紀限定であった前作に対し、本作はアナザー作品との兼ね合いもあるのでやむを得ないところではあるのだが、心情的には残念。
--また、オリジナルキャラクターも本作では大幅に削られている。
---ただし、これまで『F』のグラフィックを使い回されていたが本作では総じて一新している。声優も一部変わった。
-総合的なボリュームも『F』や『ポータブル』には及んでいない。
--もっともこの点は『F』『ポータブル』が飛び抜けているだけで、本作もそんなに悪くはないのだが。
--そんな中で、当時の最新作であった『00』の再現度はなかなか頑張っていると言える。
--『ポータブル』には収録されていた『SEED ASTRAY』系の機体やキャラが一切収録されていない点は、やはり残念。
-前作ではインターミッションまでフルボイス(ブライトさん除く)だったが、今作ではインターミッション中の音声は基本的にナシ。いくつかの名台詞のみボイスあり(戦闘中のボイスもあり)。
--これについては、インターミッションまでフルボイスだった前作がとりわけ豪華だったと考えるべきか。
---前作はフルボイスが仇となり「故人が担当していたキャラクターに声が入っていない、もしくは一部でしか喋らない」といったどうしようもない欠点も持っていた((このことから今後のガンダムゲームは、フルボイスにはこだわらない方が良いのかも知れない。))。
-種や00などの新しい作品は真面目にシナリオを再現しているが、古い作品ほど原作改変が激しい。
--例えばファーストガンダムの最終話では、ホワイトベースがソーラレイに乗り込んで発射を阻止してしまう。
---ファーストガンダムのシナリオはこれまでに何度も再現されてきたので、''大幅に改変して新鮮味を出す''という発想も理解できなくはない。
--『W』のゼクスとノインが主人公となってサンクキングダムを奪回するといった、良い意味でプレイヤーの意表をつくシナリオもある。
//-『Gガンダム』の最終シナリオで詰む可能性がある。
//--別マップに隔離されたゲストキャラだけで強敵と戦う展開になるので、他シナリオのように自軍を鍛えてねじ伏せるという方法がとりづらい。
//ゲストキャラだけで戦うことを考慮した上での配置なので問題点でもなんでもないのでは?
-Gジェネ共通の問題点として、序盤は自軍戦力が乏しくカツカツの部隊運営とシビアな戦闘を楽しめるが、自軍が強化されてくる中盤以降は力押しの作業ゲーとなる。
--次回作の『WORLD』ではオリジナル系の敵がやたら強化されており、むしろ相当強化しないと勝てなくなっている。
-交換を駆使すれば開発系統を無視して序盤からいきなり強力な機体を作れるようになるので、ゲームバランスが若干悪化している。
**総評
-前作『SPIRITS』から削られた機体・キャラが多い点は批判の対象となっているものの、前作のストレスの溜まる部分を大幅に改善した佳作。シリーズファンからの評価も高い。&br知名度の高い人気作品が順当に優遇されていることもあり、Gジェネ初心者にも薦めやすい作品と言える。
*SDガンダム GGENERATION WARS
【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん うぉーず】
|ジャンル|ウォー・シミュレーションゲーム|&amazon(B002J9HX3C)|&amazon(B0024NJY44)|
|対応機種|プレイステーション2&br()Wii|~|~|
|発売元|バンダイナムコゲームス|~|~|
|開発元|トムクリエイト|~|~|
|発売日|2009年8月6日|~|~|
|定価|6,980円(税別)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[SDガンダム Gジェネレーションシリーズリンク>SDガンダム Gジェネレーションシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-トムクリエイト制作によるGジェネ。比較的自由に選べるシナリオを次々とクリアしながら、新たなキャラクターやユニットを入手して、育成・強化していく。PS2とWiiのマルチタイトル。
-宇宙世紀限定であった前作『[[SPIRITS>SDガンダム Gジェネレーション SPIRITS]]』に対して、本作は初代『機動戦士ガンダム』から初登場の『機動戦士ガンダム00』(ファーストシーズン中心)までのアニメ作品を中心に幅広く収録している。
**特徴および評価点
-『SPIRITS』のシステム面での長所や進化点はほぼそのまま受け継がれている。
-前作で非常に不評だった「ハロスコア」システムを廃止((ステージで得たスコアがキャピタルに換算されるシステムは存置。攻略本インタビューによると、『SPIRITS』から携わっているプロデューサーの一人がハロスコア続投を強く主張したが、他のプロデューサー達が反対したためやむなく断念したという。))。それに代わる新システムとして「スカウトリンク」を採用。
--ゲーム開始の時点で、プレイヤーが選んだ作品のマスターキャラクター(原作の主人公キャラクター)1名と主役機の実質劣化版にあたるベーシック機(レベルアップでオリジナル機へと開発可能)を入手できる。同作品の他のキャラクターや戦艦はキャピタルでスカウト(≒資金で購入)可能。つまり、とにかくキャピタルさえ支払えば好きなキャラが確実に手に入るというシステムである。
--スカウトリンクは、1つの作品のシナリオをクリアするたびに1つ追加で選んでいくことになる。最終ステージがアンロックされる頃には、全てのキャラクターと戦艦が入手可能な状態となる。
-「交換」コマンドの導入
--これまでの「捕獲」「開発」「設計」の他に、新たな機体入手方法「交換」を導入。
---開発系譜を無視して、同程度の性能を持つ他の機体と交換できる。開発の袋小路に入った機体も活きるようになった。ただし普通に生産するよりも多額のキャピタルが必要で費用効率が悪く、あまり濫用はできない。
---その代わり、前作までにあった「ゲストユニットをAランクに育てて機体登録」は廃止された。
---ハロスコアとゲストユニット登録の廃止により、プレイ中に配慮すべき細々とした要素は激減。良くも悪くも非常にサクサクと進むようになった。
-ウォーズブレイクの実装
--前作までは、前触れもなく現れてストレスの元となっていた敵増援に「ウォーズブレイク」という名前をつけてシステム化。
---ブレイクが起こる条件「ウォーズトリガー」が前もって示され、これを無視するとあっさり終わるが、条件を満たせば増援や強敵が出現し、ストーリーがさらに深く展開するという形に進化した。
---増援を出すかどうかをプレイヤーが選べるようになり、快適性が増した。また、キャピタルが欲しいのでウォーズブレイクを起こして稼ぐ、必要な経験値を稼いだからウォーズブレイクを起こさず素早くクリアする…など、ステージ攻略に幅ができた。
--ちなみにウォーズブレイクにより登場する敵には別作品からのものが多く含まれており、[[スーパーロボット大戦シリーズ]]と見間違うほどに混沌としている。
#region(close,一例。ネタバレ注意)
---ジャブロー攻略作戦(『1st』)の最中に完成したアプサラスIIIでジャブローを火の海にするギニアス・サハリン(『第08MS小隊』)
---ザンスカール帝国(『V』)の地球クリーン作戦に興味を持ち、作戦を援護し始めるディアナ・カウンター(『∀』)
---人類を強制的に眠らせるエンジェル・ハイロゥ(『V』)を「平和の装置」とみなし、掌握したカイラスギリー((『∀』本編にも名前だけは出ており、福井晴敏の小説版では実際に発射もされた。))で破壊にかかるギム・ギンガナム(『∀』)
---世界の争いを監視する使命を持つシャッフル同盟(『G』)が邪魔で仕方がないので暗殺を企てるフロスト兄弟(『X』)
---ドモンのレインへの愛の告白を聞いてドン引きするアリー・アル・サーシェス(『00』)とフロスト兄弟
---『W』のリーブラ主砲をアルヴァトーレのGNフィールドで防ぐアレハンドロ・コーナー(『00』)
---『SEED』のアラスカ基地にガルマ・ザビを誘き出してサイクロプスでついでに謀殺しようとするシャア・アズナブル(『1st』)
---『SEED』の第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦に乱入するシャア(『Ζ』((ジオンの軍服にクワトロのサングラスと『若き彗星の肖像』を思わせる姿をしている。)))
---リリーナやマリーメイアら(『Endless Waltz』)のいるブリュッセル大統領府に突如乱入してデビルガンダムを呼び寄せる東方不敗マスター・アジア(『G』)
#endregion
-ゲストキャラクターと重複する自軍キャラクターの出撃禁止を撤廃
--「ゲストキャラクター」とは、原作ストーリーに準じてマップ上にあらかじめ配置されているキャラクターのことを指す。~
前作『SPIRITS』では、味方ゲストと同一人物をプレイヤー軍に編成するとそのキャラは出撃不可だったが、本作ではその制限は撤廃された。
--味方ゲストと同一人物を自軍に編成して出撃すると、マップ上のゲストのステータス値が自軍キャラクターのものに置き換わる(そのキャラが元々入っていた自軍枠は空白になる)。
--慣れるまでは若干ややこしく、プレイヤーにとって有利にも不利にもなる仕様だが、ステージによっていちいち「このキャラは出撃禁止」と言われてストレスを感じたり編成変更の手間をかける必要がなくなったのは改良点と言える。
--この仕様は基本的には好評であり、以降のシリーズでは更に発展して受け継がれた。
-オプションパーツの仕様変更
--ハロスコアの廃止に伴い、どんな形でも何らかのステージをクリアすれば、1種類ずつ順番に購入可能になっていく。実際に購入するにはもちろんキャピタル(やや高め)が必要。
--機体に3つまで装備可能になり、機体活用の幅が広がった。ただしゲームバランスを壊すほどの強力パーツは所持数制限あり。
-ユーザーインターフェースの改善
--テンポが大幅に良くなり、前作までと比べるとほぼストレスを感じることなく遊びやすくなった。
-オリキャラデザインの刷新
--オリジナルキャラクターは、前作ではほとんどが『[[ZERO>SDガンダム Gジェネレーション ZERO]]』や『[[F>SDガンダム Gジェネレーション F]]』のグラフィックに少々手を加えたものだったが、本作では全面的に一新され、垢抜けたものになった。
-キャラゲー要素の強化
--キャラクターに多彩なアビリティが付き、性能面でも個性豊かになった。
--『SPIRITS』では覚醒武装とビームコンフューズくらいしか特殊台詞がなかったが、『[[PORTABLE>SDガンダム Gジェネレーション PORTABLE]]』までにあったフィンガー系を使ったときの特殊台詞が今作ではボイス新録で復活。フィン・ファンネルにシャイニングフィンガーソード、ファングの特殊台詞が新たに追加された他、フィン・ファンネルIフィールドやゴッドスラッシュ・タイフーンといった本作にしか実装されていない特殊台詞も多数あり、小説版や声優ネタなどもあってニヤリとさせられる。
-カットインの改善
--前作『SPIRITS』にあったコクピットカットインだけでなく武装使用時にもキャラクターのフラッシュカットインが追加された。
---コクピットカットインも『SPIRITS』の限定された条件からユニット側とキャラクター側のカットインを組み合わせる仕様に変更されたため、『SPIRITS』よりも目にする頻度が大幅に増加した。
--上記の汎用カットイン以外にも、特定の必殺技に専用カットインが追加されるなどキャラゲーとしての演出が強化されている。
-超一撃BGMの多様化
--前作では超一撃時に流れるBGMは一種類だったが、今作では「翔べ!ガンダム」や「FLYING IN THE SKY」「あんなに一緒だったのに」といった主題歌のアレンジBGMが多く収録されるようになった。「モビルスーツ戦~交戦」や「MAIN TITLE」のように前作まではコレジャナイ感のあった一部BGMも原曲に近い新規アレンジがなされている。
-ムービー関連
--前作のムービーは盛り上がりに欠けるものが多かったが、今作品ではクロスオーバー要素やIF展開の導入により見ごたえのあるものが増えた。
**賛否両論点
-『SEED』や『00』などの比較的新しい作品は比較的真面目にシナリオを再現している((ただし、『SEED』でも大気圏突入後のキラがMIAになってからフリーダムに乗って再登場するまでがカットされていたり、『00』のトリニティの退場描写がないなどの箇所も存在する。))が、古い作品ほど原作改変が激しい。
--例えば『1st』の最終ステージでは、ホワイトベースがソーラ・レイに乗り込んで発射を阻止してしまう。
---『1st』はこれまでに何度もシナリオ再現されてきたので、''大幅に改変して新鮮味を出す''という発想も理解できなくはない。
--『W』ではゼクスとノインを操作して連合軍の支配するサンクキングダムを奪回する((『F』にも前哨戦としてなら存在した。))、ガンダムパイロットではなくミリアルドを操作してバルジ改を攻略するといった、良い意味でプレイヤーの意表を突くステージもある。
--『DESTINY』のシナリオはダイダロス基地攻略までで、打ち切りのような形で終わる。『PORTABLE』と違って本作のシナリオが一貫してシン視点なのを考えると仕方ない部分ではある((メサイア攻防戦はEXステージで用意されており、そちらではシンは敵として登場する。))。
**問題点
-アナザー作品の追加により、宇宙世紀作品の扱いが相対的に減少・悪化。シナリオの再現度はもちろん、削られたユニットやキャラクターも多い。
--『IGLOO』以外の映像作品は一応最低限のところは押さえているが、例えば『第08MS小隊』『ポケットの中の戦争』はユニット・キャラクターのみで単独ステージは用意されていない((原作敵キャラは『1st』ステージでウォーズブレイクを起こせば出てくるが、シローら主人公勢はシナリオに一切絡まず、影が薄い。))。
--『1st』以外のコア・ファイター系ユニットは軒並み削除。一方で61式戦車などの明らかに趣味な領域のユニットは残っている。
---戦車系やコア・ファイターは開発の起点となるユニットのため、どちらかと言えば素材として残された可能性が高い。
--『センチネル』『閃光のハサウェイ』『クロスボーン』などといった非映像作品は主要ユニット・主役級キャラクターが収録されているだけでライバルキャラはいないと『PORTABLE』時代の水準に戻った。前作であれほど優遇された『IGLOO』2作は合わせてユニットが3機のみ収録。ゲーム出身作品もガンダムタイプとそのパイロットを除くと惨憺たる状態で、シナリオには一切関わらない。
--そのほか『第08MS小隊』のジムヘッド((頭部を破壊された陸戦型ガンダムを、陸戦型ジムの頭部パーツで応急修理した機体。劇中で印象的な活躍をした。))も''削除''。そのため後期08小隊の機体が揃わない。
--また、分離形態が削除されたバウやハードポイントシステム(以下HPS)が削除されたガンダムF90など、''機体のアイデンティティが削除された''機体もある。
---もっともF90は原作漫画版ではミッションパックを装備していないので、ある意味原作再現だが。
--宇宙世紀限定であった前作に対し、本作は容量の問題もあるのでやむを得ないところではあるのだが、ファンにとっては残念なところ。
--せっかく前作でグラフィックを新調したユニットが削られているのはやはりもったいない話である。
-キャラクターも原作での味方キャラクターのほとんどがスカウトできるようになったのに比べて、敵キャラクターでスカウトできるのはライバルキャラなどごく一部。
--ヤザン・ゲーブルやザビーネ・シャルといった『SPIRITS』ではスカウトできた宇宙世紀の強パイロットらに加えて、『SEED』のイザーク・ジュールはスカウトできない上に戦闘で出てくるステージも1つだけ、タイトル画面以外ではカットイン皆無とかなり不遇。一部では同僚のディアッカが『[[スーパーロボット大戦Z]]』などと同様にボイスがない煽りを食らって出番を減らされたのではないかと推測されることも。
--これまでの「通信」「操舵」「整備」に代わって導入された「配置適性」により、適性のないキャラはその部門には配置できなくなった((例えば、パイロットにさせたいならパイロット適性がないといけない。))。容量の問題でボイスなしのキャラが出てくるのを避けたかった((ただし、NPC関連では『∀』最終ステージのウィルゲム艦長であるミハエル・ゲルンや『SEED』最終ステージのエターナル通信士であるマーチン・ダコスタにボイスがなかったりする。))のかもしれないが、キャラクター運用の自由度が下がったのはやはり問題だといえる。
-ウォーズブレイクで出てくる他作品のキャラクターは原作での敵キャラばかり。戦闘デモにある「ヒイロvs刹那」のような対決をステージ上で再現することができない。
--出てくる敵の面子も『∀』ステージでは『ΖΖ』と『G』、『00』ステージでは『SEED』と『DESTINY』と作品縛りになっており、同じ顔ぶれと機体ばかりと戦うことが多くやや飽きる。原典同様に機体を次々と乗り換えてくる『1st』ステージのラウ・ル・クルーゼのように面白い部分もあるが。
--EXステージでもウォーズブレイクがあるが、一部ステージでは過去の時間軸(本来なら既に死亡している扱い)の敵が登場する。
--ボイスあり台詞の掛け合いも原作台詞の切り貼り(会話のドッジボール)がほとんどで、本作の設定を反映した新規ボイスは少ない。
--最終ステージでは大幅に強化された各作品の主役ガンダムが敵として出てくるが、操っているのがいわゆるAIなので味気ない。
-前作で個性豊かだった一般兵のボイスがネオ・ジオンニュータイプ兵を除いて共通化。戦闘演出が一部簡略化されて、通信士や操舵手の台詞も減らされるなど、容量圧迫の煽りを受けたと思しき箇所も。
-前作では36人いたオリジナルキャラクターが20人に減らされたため、オリキャラだけでの部隊フル編成が難しくなった。
--本作では1グループ最大15人で編成でき、それを2グループ出撃させることができる。
--そのため、複数枠必要な2Lサイズ以上のユニットも含めて編成するならともかく、Lサイズ以下のユニットだけだとフルで出すにはオリキャラだけでは足りなくなることも珍しくない。
-総合的なボリュームが『F』や『PORTABLE』には及んでいない
--もっともこの点は『F』と『PORTABLE』が飛び抜けているだけで、本作もそこまで悪くはないのだが。
--そんな中で、当時の最新作であった『00』の再現度はなかなか頑張っていると言える((発売の約4ヶ月前に登場したガンダムエクシアリペアIIのモーションがほぼ原作再現されていたりする。))。ユニット性能やキャラクター能力など他に比べてかなり優遇されているが、いわゆる「ご祝儀」だったのだろう。
--『PORTABLE』には多く収録されていた『ASTRAY』系のユニット・キャラクターが一切収録されていない((OPとしては8(ハチ)やバチルスコンピュータウイルスが収録されている。アビリティでも「ジャンク屋」「傭兵」といったそれらしいものがある。))点は、やはり残念。
--本作の発表直後、某匿名掲示板にトムクリエイト社員を名乗る書き込み((収録ユニットの範囲や同一声優が担当しているディアッカに声がないがダコスタは収録したという情報をリークしていた。))があり、その時点でデータ容量がディスクから「溢れていた」という。公式サイトや発売前の雑誌記事などでは眼帯ロックオンや2nd版刹那が掲載されていたり、製品版にも『MSV』や『コロニーの落ちた地で…』『鋼鉄の7人』、『SEED-MSV』『ASTRAY』のものと思われる没アビリティがいくつも存在しており、開発開始の時点では非映像作品まで網羅しようとしていた可能性がある。
-フルボイスの廃止
--前作『SPIRITS』では一部を除いてフルボイスだったが、今作ではストーリーパートのボイスはナレーションのみで、それ以外は基本的に字幕のみという仕様に戻った。いくつかの名台詞のみ(戦闘パートも)ボイスあり。
---これについては、ストーリーパートまでフルボイスだった『SPIRITS』がとりわけ豪華だったと考えるべきか。
---『SPIRITS』はフルボイス仕様なのが仇となり「故人が担当していたキャラクターに声が入っていない、もしくは一部でしか喋らない」といったどうしようもない欠点も持っていた((このことから今後のガンダムゲームは、フルボイスにはこだわらない方が良いのかも知れない。))。
-『G』の最終ステージで詰む可能性
--原作を反映して、別マップに隔離されたゲストのシャッフル同盟5体だけでウルベのグランドマスターガンダムと戦う展開になるので、他ステージのように自軍を鍛えて力でねじ伏せるという方法が取りづらい((自軍キャラをゲストキャラに置き換えという形で一定の対策は可能。))。
--特に最終マップではゴッドガンダムがデビルガンダムと1対1で戦う羽目になり、普通に戦うと機体性能の差とDG細胞の自動回復でこちらが押され詰んでしまう。
--対策としては最終マップに行く前でドモンを超一撃状態にし、最終マップで石破天驚・ゴッドフィンガーを使えば一撃で倒すことは可能。
-Gジェネシリーズ共通の問題点として、序盤は自軍戦力が乏しくカツカツの部隊運営とシビアな戦闘を楽しめるが、自軍が強化されてくる中盤以降は力押しの作業ゲーとなる。ただしEXステージの敵はかなり強化されているため通常ステージとの難易度差が著しい。
//--次作『[[WORLD>SDガンダム Gジェネレーション WORLD]]』ではオリジナル系の敵がやたら強化されており、むしろ相当強化しないと勝てなくなっている。
-交換を駆使すれば開発系統を無視して序盤からいきなり強力な機体を作れるようになるので、ゲームバランスが若干悪化している。
--交換にはもちろん相当量のキャピタルが必要なので、稼ぎプレイをする必要があるが。
-オプションパーツ「デュートリオンビーム発信機」を装備できるMSがあり、特定の組み合わせで装備させるとMSでデュートリオンビームを発信して他のデュートリオンビーム受信機持ちを回復させたりする事ができる。
--これだけ聞くと大した問題には思えないが、この発信機を装備させ更に受信機を自分に装備するとなんと自分のENを回復できてしまう。
--更に照射コマンドを使いキャンセルすると何事もなかったかのようにもう一度行動できるようになる。多用すると無限に移動が可能になるのでゲームバランスが崩壊する。
--もちろん一種のバグなので、使わなければいい話なのではあるが。
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**総評
シリーズ他作品に比べると突き抜けた部分に乏しく、前作『SPIRITS』から削られたユニット・キャラクターが多い点は批判の対象となっているものの、『SPIRITS』のストレスの溜まる部分を大幅に改善した佳作。シリーズファンからの評価も高い。~
知名度の高い人気作品が順当に優遇されていることもあり、Gジェネ初心者にも薦めやすい作品と言える。