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スーパーペーパーマリオ - (2020/11/24 (火) 00:55:57) の最新版との変更点

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//判定変更議論により良作に変更(2020/11/24追記) //本作品の判定を勝手に「判定なし」から「良作」に変える荒らしユーザーがいます。ゲーム一覧や判定変更履歴は編集されておらず、本作は「判定なし」として扱われています。 //あと、「ペーパーマリオRPG」に合わせてストーリー面を賛否両論点に移してみましたが、いかがでしょうか。 *スーパーペーパーマリオ 【すーぱーぺーぱーまりお】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B000NOLWCS,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41umGOezUGL._SL160_.jpg)| |対応機種|Wii|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|2007年4月19日|~| |定価|5,800円|~| |配信|【WiiU】2016年8月3日/2,700円(税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|RPGからアクション+謎解きにジャンルが転向&br;過去作以上に濃厚でカオスなストーリーとキャラ|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[マリオストーリー]]』『[[ペーパーマリオRPG]]』に続くペーパーマリオシリーズ3作目で、同時にWii((当初はGCで発売予定だった))初のマリオシリーズ作品。~ 基本的にRPGだった前2作とは違い、本作はアクション+謎解きにジャンルが大きく変化している。~ 舞台がマリオ達の住む世界とは違う次元であるため、世界観も他のシリーズとは大きく異なる点が多く、前2作の小ネタは出てくるが直接的な繋がりは無い。 **あらすじ ある日キノコ城が襲撃され、またしてもピーチ姫がさらわれてしまう。~ その知らせを聞いたマリオとルイージはクッパの仕業だと思い、クッパ城へ侵入。 しかし、クッパはピーチ姫について何も知らない様子。では誰がピーチ姫を?~ その時、突如ノワール伯爵と名乗る謎の人物が登場。ピーチ姫は彼にさらわれたらしい。~ 直後、伯爵は異次元空間への入口を作り、クッパやその部下達、さらにはルイージまでをも吸い込んで行き、去っていった。 ただ1人取り残されたマリオは「アンナ」という蝶のような妖精に出会い、ピーチ姫を助けるため異次元の世界へと向かっていった。 **システム -前2作『[[マリオストーリー]]』『[[ペーパーマリオRPG]]』は「アクション要素のあるRPG」であったが、本作は本家『[[スーパーマリオブラザーズ]]』のような「''横スクロールアクションにRPG要素がある''」という風にゲーム性が大きく変更されている。 --本家と同様、2ボタンでジャンプし、クリボーやノコノコと言ったお馴染みの敵を踏みつけて倒して進む。ただし「Bダッシュ」は存在しない。((ただし、後術する100部屋ダンジョンで仲間になるフェアリンの力で1ボタンでダッシュする「1ダッシュ」はできる。)) --敵にはHPが数値として設定されており、マリオもスコア(経験値)を稼ぐことでレベルアップ、HPや攻撃力が上昇するというRPG要素も残されている。 --初代での裏技の代表格「無限1UP」を模した箇所も存在し、高スコアを稼ぐことができる…と思いきややりすぎるとスコアを逆に引かれる((初代でも無限1UPをやりすぎると内部数値がマイナスになり、1ミスでゲームオーバーになる。))。 --レベルが上がるとHPなどが全回復する。100階ダンジョンなどでは重要な回復手段となる。 -フィールド上における謎解き要素も多い。 --後述する次元ワザ、フェアリン、キャラの切り替え、アンナのスキャンなどの要素を駆使してギミックを解いていく必要がある。ゲーム的にはアクション要素よりもむしろこちらがメインと言える。 -当然「紙」らしい演出・システムも健在。 -収集要素として味方や敵キャラのカードを集める事が出来る。 --カードはカード屋で買える他、特定の場所で入手出来る。 --単なる収集要素だけではなく、雑魚キャラのカードは集めた枚数に応じてそのキャラに与えるダメージが増加するため攻略の助けになる。 ***次元ワザ -基本的に冒険中のステージは2Dだが、マリオ使用時のみ「次元ワザ」(ステージを2Dから''3Dにチェンジ''させる)が使える。 --3Dになったステージは敵も障害物もペラペラになって当たり判定が無くなる他、2D時は背景だったものが足場になったりする。 --一見進めないような道や避けられないような敵でも、次元ワザを使うことで簡単に進むことができる場面も多く、本作の基本にして最重要システムになっている。 --3Dになっている間はゲージが減っていき、ゼロになるとマリオがダメージを受けるので連続使用はできない。 ***仲間 本作ではマリオ、ピーチ姫、クッパ、ルイージの4人を状況に応じて使い分けることができる。当然各キャラごとに特技が違い、使い勝手も全然違う。 -''マリオ'' --前述の次元ワザを唯一使える。能力的には可もなく不可もないと言ったところで、使う機会も多い。 -''ピーチ姫'' --ジャンプボタンを押しっぱなしにすると、パラソルを開いてゆっくり降下することができるので、幅が広い穴でも飛び越えることができる。しゃがむとパラソルで身を守るので防御力も高いが、足はマリオやルイージに比べて遅い。 -''クッパ'' --攻撃力が他のキャラの2倍で、しゃがむと炎を吐いて攻撃もできる。ただし足が最も遅く、梯子が登れないなど機動性は低め。 -''ルイージ'' --スーパージャンプという攻撃力2倍の大ジャンプ攻撃が可能。通常のジャンプもマリオより大きく、そして滑りやすい。4人の中で加入がステージ7と最も遅い。((これは仲間になる前にザ・伯爵ズに洗脳されていた事と、マリオ達が洗脳されたルイージ(ミスターL)に気づかなかった事が要因。ちなみに他の2人はステージ2とステージ3で仲間になっている。)) ---スーパージャンプは下から敵をつき抜けてダメージを与えられる。 ***アンナ -マリオ達の旅に同行することになる虹色をした蝶型のフェアリン。他のフェアリンと違い、常にプレイヤーに追従するため切り替える必要がない。 --Wiiリモコンを画面に向けるとスキャン画面になり、ポインタを合わせることでアンナの「真実を見通す能力」により、オブジェクトやキャラの解説をしてもらえる。従来の「ものしり」の発展系のような能力。 --敵のHPや攻略情報が教えてもらえたり、脇役の裏設定が知れたりする他、隠された扉を発見したりとこの能力を駆使しないと進行できない場面も多い。 ***フェアリン -冒険を各々の能力でサポートしてくれる妖精のようなもの。基本的に冒険の途中で仲間になるが、中には条件を満たさないと仲間にならないフェアリンもいる。性格、言動ともになんとも奇妙な奴らだが…。((名前もひらがな・カタカナが入り混じってどことなく狂っている。)) --今までにもあった「ハンマー」「爆弾」などのアクションは彼らに依存することになる。 --詳細は後述するが、このただのお助けキャラに思えるこのフェアリンたちにも詳細な設定が存在する。 ***その他 -収集要素は健在。 --キャラクターデータは解析ではなく「カード」というアイテムの収集に変更、基本的にカードショップで購入するかどこかで拾うかして入手する。ちなみにマリオ達のカードを始め、前作のキャラクターのカードもある。 --初代からの収集要素でもある料理は今作でも健在。((ただし、荒削りしすぎた次回作では当然のようにリストラされているが。)) **評価点 -アクションアドベンチャーとして安定した出来 --アクション面は『スーパーマリオブラザーズ』よろしくオーソドックスな横スクロールアクションなので取っ付きやすい。HPがライフ制でゲームオーバーになりにくいので難易度も低めと、アクションが苦手なプレイヤーでも安心。 ---また「次元ワザ」を使えば敵を簡単に避けられる部分も多いので、工夫次第でさらにプレイしやすくなる。 --謎解きアドベンチャー部分も、『ゼルダの伝説』シリーズを彷彿させる頭を使ったギミックが豊富。難易度も難しすぎず簡単すぎない程度。 -相変わらず独特で魅力的な世界観とグラフィック --「紙」をテーマにした演出や世界観の魅力は相変わらず。本作はそれに加え、幾何学模様がデザインのメインモチーフになっており、さらに味のある雰囲気になっている。 -キャラクター --敵キャラの「ザ・伯爵ズ」は旧作キャラのように非常に魅力のあるキャラクターの集まりとなっており、人気も高い。 --一見ただのコミカルな連中にしか見えない彼らだが、それぞれ独自の行動理念・理想が存在し、それぞれに物語や設定が組まれている。またペーパーマリオらしいシリアスな面や裏設定もあり、ただの悪党の集まりではない。 --ちなみに、このザ・伯爵ズという名前はメンバーの一人のドドンタスだけが使っている名称なため、正式なチーム名と決まっているわけでもない模様。 --メインキャラ以外にサブキャラ・モブキャラも濃すぎるくらいしっかりキャラが立っており、ストーリーが進む毎にセリフも細かく変わる。 **賛否両論点 前2作において既にマリオシリーズの中でも異彩を放っていたペーパーマリオシリーズだが、''本作は前2作を遙かに上回るシリアスかつカオスな要素が満載''。 -本作のテーマはずばり「愛」。この時点でマリオシリーズとしてかなり異質であることが分かる。 --さらにワールド毎に「オタク」「文明と自然の共存」「死後の世界」など様々に焦点をあてたシナリオが展開される。 --キャラクターの設定まわりが結構『アレ』。 ---例えばフェアリン。元は古代の民によって造られた『生きた道具』生きているので自我を持ち自立行動ができ、各自固有の魔術的な能力を持つ(作中のサポート能力がそれ)。 #region(その実態は) ---実は''元人間''。故に道具として扱われることに不満を持ったフェアリンたちが反乱を起こしたことがあった。~ そのことに危機感を覚えた当時の人間の手によって、2度と逆らえないように手を施された。~ 彼らの発言、思考がファンキーでクレイジーで奇妙奇天烈なのは前述した通りだが、そうなってしまったのは要するに''頭を弄られまともな思考能力を奪われてしまったから''である。 #endregion ---他、ザ・伯爵ズの面々やレギュラー以外のサブキャラクターの来歴や末路なども濃い。 ---ただの一般人もアンナの力で調べると中々アレな過去が語られたりする。そのあたりは『[[マリオストーリー]]』からの伝統でもあるのだが。 --「コントンのラブパワー」なる暗黒エネルギーがこの物語の始まりを招くきっかけとなるのだが、そもそもこのゲーム自体が相当混沌としている。 #region(混沌具合の一例) -ゲーム開始後、[[最初のデアールの頼みを断り続けるといきなりゲームオーバーとなる。>ドラえもん ギガゾンビの逆襲]] -冒頭で仙人の所へ行き、次元ワザを教えてもらうのだが、その際「''勇者だから武器や技をタダでもらえると思うな''」と説教され金を要求される。 -借金まみれになり、地下王国のような場所で借金仲間達と拷問染みた肉体労働をするはめに。 -あるキャラが自身の偽物から逃げるために一時避難する。それはいいのだが、その避難場所がよりによって''便器''。しかもこのキャラは''女性''である(なので隠れる場所も女子トイレ)。 --その後、偽物と本物の区別がつかなくなったところで、本物を見分けるという名分で''いきなりシリーズ恒例のクイズショーに移行''。いくら恒例とはいえ…。 --なお、偽者の変身能力は完璧で、一見するだけではまったく本物と見分けがつかない厄介な代物なのだが、前述のように本物が便器に隠れていたことが伏線となって、本物を見分ける非常に分かりやすいヒントへとつながるという、あんまりなオチ。 -ステージ3-2途中で登場する超巨大ゲッソー。こいつの弱点は一本だけ色の違うゲソである。 --全くの余談だが、イカ系の生物の生態は結構変わっていて、''雄のゲソ10本の内1,2本は交接腕と呼ばれる特殊なものになっている''。ん? --更に言えば、そのゲソを攻撃すると''「そこはカンニンや」''という結構アレな発言をする(初回のみ)。 -''カメレゴン''。本作最大の''迷''キャラクター。異常なまでに彼に関する描写が濃い。ピーチとのイベントはある意味''本作のカオスさを象徴するイベント''である。 --どういうキャラかというと、任天堂のキャラクターでは極めて異質な''絵に描いたようなヲタク''。ちなみに割と生産的なヲタクらしく、古城を改造して色んなロボットを作ったりもしている。 ---その他彼の部屋には過去作の仲間キャラのグッズが並べられている。 --ボス戦前の会話は恋愛シミュレーション風になる。テキストもやたら多い選択肢にそれぞれあるあたり無駄に手の込んだ仕様である。 --なお、ゲームクリア後に会い行くと、とある重要な機能を復帰させてくれる。必ず立ち寄ろう。 -あるワールドでは突然宇宙に放りだされる。酸素が無いので''金魚鉢''をかぶって宇宙へ……((ちなみにそのワールドに初めて向かう際に、アンナに金魚鉢を被るように言われるが、その際に被るか被らないかの選択肢が登場し、3回とも「いいえ」を選ぶと、アンナがマリオ達に失望し、そのままゲームオーバーになる。また、これ以外にも3回とも「いいえ」を選ぶとゲームオーバーになるストーリーイベントがいくつかある。)) --さらにその宇宙にある''公衆便所''では''紙が切れて立ち往生したまま数百年そこで過ごすはめになった''キャラが登場。しかも、いざ便所から出てきてみれば、そもそも便所という施設自体を必要としそうにないキャラだったりする。 --一向に客が来ない''コンビニ''が登場する(マリオの世界観ではその存在自体が十二分に異質である)のだが、その立地がこれまた宇宙。何故そんなところに…(店員も「そりゃこんなとこじゃ誰も来ねーよ」と言ってたりする)。 ---ちなみにこのコンビニ、売り物が''お菓子3種類だけ''。普通の場所に店を構えたとしても客は来そうにない。 -終盤、とある中ボスに「いざ、往かん」とばかりに意気込んで勝負を挑んだら[[何故か戦闘がRPG風>燃える!お兄さん]]((ドラクエっぽいなどと言われることもあるが、インターフェイスはMOTHERに近い))。 -同じく終盤ある3人の人物を探すことになるのだがそのうちの1人の隠れ場所が''またもや公衆便所'' -ゲームの心得を教えてくれる一般人に「困った時は人に聞け」「それが駄目なら攻略本」「それでもダメなら売っちまえ」と言われ、終いには「つまらないゲームをやるのは時間の無駄」と言われる。クソゲーに対する批判だろうか?%%…さすがに本作に対する自虐ではないと信じたい%% --ちなみに他にも「攻略本を買え」と言う人がいたりする。宣伝? -本編攻略に必須ではないフェアリンを入手するためのサブイベントがあるのだが、途中「この面倒なお使いイベントを…ゲフンゲフン」というメタなセリフがある。 #endregion --もはやお約束の緑のヒゲ。スタッフも相当お気に入りなのか&s(){可愛がりに磨きがかかっている}劇中での描写が濃い。 ---過去のペーパーマリオシリーズではそこまで酷い扱いを受けていなかった。ルイージがとにかく酷い扱いをされるのはマリオ&ルイージRPGシリーズの方であったのだが、そちらのノリがこちらに&s(){より凄まじい扱いになって}輸入された格好である(マリルイと違ってこちらはルイージが喋るということも)。 --ただし、敵を踏んで倒すというシステム上、ジャンプ力が高くスーパージャンプも可能なルイージはマリオよりは[[使い勝手が良い。その点では優遇されている。>スーパーマリオ64DS]]そしてペーパーマリオシリーズで唯一ルイージを操作できるゲームである。 と、これだけでは半分にも満たないほど。~ この重いんだか軽いんだかわからないシリアスなストーリーとカオスな要素が新たに熱烈なファンを生み、同時に旧作のファンからは首を傾げられることになった。   **問題点 -相変わらず移動のテンポが悪い。 --移動速度を大きく上げるフェアリンもいるが、入手するには100部屋ダンジョン(表)をクリアしなければならず、中々面倒。 ---ステージ2-1クリア後に100部屋ダンジョンに入れるようになるため、頑張ればすぐに入手できる。しかしその間にレベルアップしすぎて本編がヌルくなる恐れもある。((ちなみに2-2にはそのフェアリンを入手していると反応が変わるギミックがあり、ステージをクリアするとそのギミックは使えなくなるため「即100部屋ダンジョン」というプレイは恐らくスタッフの想定内。)) --これまで同様、近道の土管はあるが、街中の移動にしか使えない。 --ハザマタウンとウラハザマタウン、2軒あるカード屋、2人いる料理人などの間を行き来するのも非常に面倒。従来作では1~2個の食材を1人の料理人が料理してくれたが、本作では食材が1個の場合と2個の場合で料理人が別になったため明らかな劣化となっている。 -4人のキャラを操作できるが、クッパが強力すぎて他のキャラが移動時くらいしか使えない。 --冒険中手に入る「ミニみ」というフェアリン(操作キャラを小さくする能力を持つ。小さくなっている間は敵に気付かれない。)を使って火炎放射をしているだけで簡単に雑魚を倒せてしまう(具体的には小さくなる→敵にある程度近づく→火炎放射→炎に触れた敵が自滅)。 --しかしボス戦時に小さくなるメリットはほとんど無く、クッパでは進めない場所や倒しにくい敵も多く存在するため、「ミニみとクッパのみしか使えない」というわけではない。 ---ちなみにボス相手にはクッパよりも浮遊して連続で踏めたり、ガードが出来るピーチの方が有利な事が多い。 -新規キャラクターの造形の好みが分かれる。 --異世界が舞台だからか全体的にカクカクした直線的なデザインが多く、丸みのある形をしたキャラクターは全体的に少ない。これだけでも本作の異質な雰囲気を占めているといってもいいぐらい。 ---一方でノワール伯爵のように「カッコイイ」と好評なキャラもいる。 --いつものマリオのキャラクターはクリボーやノコノコなどのクッパ軍団を除きほぼ出てこない。冒頭でキノピオが出てくる程度。((そもそも今回のメインとなる拠点がキノコ王国ではなく、異世界であるハザマタウンなので、オリジナルキャラがうじゃうじゃ出てくるのは妥当っちゃ妥当であろう。)) -従来のシリーズに比べコインが貯まりにくく、物価が高い。 --特に攻撃アイテムの値段が跳ね上がっており、使うのが躊躇われる。 --敵を倒した際に出すのはだいたい0~4コイン。一方アイテムの値段は基本となるものでも30コインは下らない。 ---なお、きらめくパンジーさんを使って簡単にコインを稼げる方法があり、それを使えばコインには困らなくなるが、そうすると今度は999コインまでしか所持できない点がネックとなる。 -仕掛けの演出が過剰で、若干イライラする。 --特にタワーに上るエレベーターの演出は長い割にカットできない。モドルドカンを使ってワープした方がエレベーターに乗るより早い。 -アクション面の難易度が低い。 --敵の体力や攻撃力がかなり低く設定されており、道中に回復が多く配置されているため、よほどアクションが苦手でもない限りそうそう死ぬことはない。 --敵の攻撃力についてはステージ1~3あたりは攻撃力1~2、4~5は3、6~8は4程度。もう少し上げてもよかったのでは… --あらゆる攻撃が効かず爆弾を飲み込ませるしかない敵や、倒さないかぎり永遠とクローンを量産する敵、やたら攻撃時のSEが大きい敵などいやらしい敵もいる。 ---ただし過去作と違いステージ攻略中に宿屋や回復ブロックが一切ないなどいつでも何度も回復出来る場所はない。 --また、後半は攻撃力が2倍になるアイテムが店売りで簡単に入手できるため、ボス相手でも瞬殺可能。 -ボスが全般的に弱い。 --前述したように従来のマリオにRPG要素が半端に残っている所為もあるのだが、HPが低く、それに加え無敵時間が無い為、割とすぐ倒せるボスが多い。~ 特にエルガンダーは演出とステージの都合上、輪をかけて酷いことになっている。一応HPは他に比べ高めに設定されているが、それでも状況的に足りていない((戦闘がSTG形式になっており、こちらは弾を連射できるにもかかわらずパワーアップアイテムの入手で更に火力が増強されるため、ほぼ焼け石に水でしかない。))。 ---マネーラやドドンタス(3回目)((2回目までのドドンタス戦で有効だった「フェアリンの能力で掴んで投げ飛ばす」という基本戦術が、やたらと素早く動き回るせいでやり辛くなっている。))やノワール伯爵((攻撃するたびにジゲン技で身を隠すため、他のボスと違って連続攻撃ができない。これはディメーンも同様。))のように比較的強い中ボスやボスもいるのだが、それでも大体ごり押しが通用してしまう。 --ラスボスの最大攻撃力が何とたったの6。前座の方が高いが、それでも8しかない。 -クリア後のやり込み要素が少ない。 --表裏含めた100部屋ダンジョンもモノノフ王国100人抜きも前述の方法で簡単にクリアできるため、達成感があまり無い。 ---100部屋ダンジョン(裏)は''2回クリアしないとボスと戦えない''。初回は100部屋目にたどり着いても何も起こらず、''もう一回ここまで来い''と言われるのみ。 ---100部屋ダンジョン自体の難易度は前作『[[ペーパーマリオRPG]]』よりもかなり簡単になってはいる。 ---ただし、100部屋ダンジョン(裏)のカゲ敵たちは手強く、ひじょうしょくを大量に持ち込まないとクリアが難しかったりする。 --一応他にも「カード集め」「宝探し」などのやり込み要素が存在する他、クリア後にしか行けない場所もある。 -サウンドテストの仕様が不便。 --クリア後のハザマタウンのバーに現れる「キュービィ」に話しかけ、10コイン払うことでゲーム内の音楽を鑑賞できるのだが…実質的なサウンドテストであるにもかかわらず''自分で曲を選択することができない''という謎仕様になっている。 --しかもどれが流れるかはランダム。本作のBGMはおよそ80曲以上収録されているため、全て聴こうと思ったら''約900枚ものコインを稼いでこなければならない''。なおほんのわずかだがBGMの抜けがある。(ヘルワンワン戦の中ボスの「きょうてきあらわる」のアレンジ曲など。) ---そもそも何故サウンドテストにコインを払う必要があるのかも疑問である。バーなのだから普通にジュークボックスで好きな曲を掛ける等の方法でよかったのでは… ---一応、全てのBGMを聴き終えるまでは毎回違う曲を流してくれる。またマリオシリーズでは珍しく曲名も付いている。BGM自体も評価が高い。 --この仕様は続編の3DS『[[ペーパーマリオ スーパーシール]]』にも更に悪化した形で引き継がれてしまった。 #region(ラスボス及びクリア後について(ネタバレ注意)) -ラスボス戦でルイージが使用できない。 --これはルイージが洗脳されラスボスとなるからである。 --上記の通りルイージの加入は終盤のステージ7と遅く、ボス戦で活躍出来るのはステージ7とラスボス直前のノワール伯爵戦だけとなる。 -エンディングでのイベントでアンナがノワール伯爵と一緒に離脱してしまい、クリア後の後日談でも復帰することはない。 --よってアンナが担当していたスキャン機能が一時的に使えなくなるが、その復帰方法がで分かりづらい。((宝探しの攻略で手に入るカードでようやくそのキャラの存在を知ることが出来る。)) --ちなみに、復帰のさせ方はカメレゴンに会いに行き、彼がアンナを観察して開発したメカ「ジャスミン2世」を買い取れば良い。 #endregion **総評 人気の「ペーパーマリオ」シリーズ第3作だが、「アクション要素のあるRPG」だった前2作から、「RPG要素のある謎解きアクション」にゲーム性がほぼ別物に大転換。~ それゆえ従来のRPG路線を期待したシリーズファンからは戸惑いの声も聞かれるものの、単体で見れば一定の完成度を誇る作品である。~ ジャンルは変わったものの、どこかブラックな雰囲気や密度の高い小ネタなどシリーズの雰囲気はしっかり受け継がれている。~ **余談 -いままで謎であった「ルイージはおばけが苦手だが、本編のマリオでは全く気にせずお化け屋敷ステージに入れる」理由がフォローされている。
//判定変更議論により良作に変更(2020/11/24追記) //本作品の判定を勝手に「判定なし」から「良作」に変える荒らしユーザーがいます。ゲーム一覧や判定変更履歴は編集されておらず、本作は「判定なし」として扱われています。 //あと、「ペーパーマリオRPG」に合わせてストーリー面を賛否両論点に移してみましたが、いかがでしょうか。 *スーパーペーパーマリオ 【すーぱーぺーぱーまりお】 |ジャンル|アクションアドベンチャー|&amazon(B000NOLWCS,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41umGOezUGL._SL160_.jpg)| |対応機種|Wii|~| |発売元|任天堂|~| |開発元|インテリジェントシステムズ|~| |発売日|2007年4月19日|~| |定価|5,800円|~| |配信|【WiiU】2016年8月3日/2,700円(税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|RPGからアクション+謎解きにジャンルが転向&br;過去作以上に濃厚でカオスなストーリーとキャラ|~| |>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[マリオストーリー]]』『[[ペーパーマリオRPG]]』に続くペーパーマリオシリーズ3作目で、同時にWii((当初はGCで発売予定だった))初のマリオシリーズ作品。~ 基本的にRPGだった前2作とは違い、本作はアクション+謎解きにジャンルが大きく変化している。~ 舞台がマリオ達の住む世界とは違う次元であるため、世界観も他のシリーズとは大きく異なる点が多く、前2作の小ネタは出てくるが直接的な繋がりは無い。 **あらすじ >ある日キノコ城が襲撃され、またしてもピーチ姫がさらわれてしまう。~ その知らせを聞いたマリオとルイージはクッパの仕業だと思い、クッパ城へ侵入。~ ~ しかし、クッパはピーチ姫について何も知らない様子。では誰がピーチ姫を?~ その時、突如ノワール伯爵と名乗る謎の人物が登場。ピーチ姫は彼にさらわれたらしい。~ 直後、伯爵は異次元空間への入口を作り、クッパやその部下達、さらにはルイージまでをも吸い込んで行き、去っていった。~ ~ ただ1人取り残されたマリオは「アンナ」という蝶のような妖精に出会い、ピーチ姫を助けるため異次元の世界へと向かっていった。 **システム -前2作『マリオストーリー』『ペーパーマリオRPG』は「アクション要素のあるRPG」であったが、本作は本家『[[スーパーマリオブラザーズ]]』のような「''横スクロールアクションにRPG要素がある''」という風にゲーム性が大きく変更されている。 --本家と同様、2ボタンでジャンプし、クリボーやノコノコと言ったお馴染みの敵を踏みつけて倒して進む。ただし「Bダッシュ」は存在しない。((ただし、後術する100部屋ダンジョンで仲間になるフェアリンの力で1ボタンでダッシュする「1ダッシュ」はできる。)) --敵にはHPが数値として設定されており、マリオもスコア(経験値)を稼ぐことでレベルアップ、HPや攻撃力が上昇するというRPG要素も残されている。 --初代での裏技の代表格「無限1UP」を模した箇所も存在し、高スコアを稼ぐことができる…と思いきややりすぎるとスコアを逆に引かれる((初代でも無限1UPをやりすぎると内部数値がマイナスになり、1ミスでゲームオーバーになる。))。 --レベルが上がるとHPなどが全回復する。100階ダンジョンなどでは重要な回復手段となる。 -フィールド上における謎解き要素も多い。 --後述する次元ワザ、フェアリン、キャラの切り替え、アンナのスキャンなどの要素を駆使してギミックを解いていく必要がある。ゲーム的にはアクション要素よりもむしろこちらがメインと言える。 -当然「紙」らしい演出・システムも健在。 -収集要素として味方や敵キャラのカードを集める事が出来る。 --カードはカード屋で買える他、特定の場所で入手出来る。 --単なる収集要素だけではなく、雑魚キャラのカードは集めた枚数に応じてそのキャラに与えるダメージが増加するため攻略の助けになる。 ***次元ワザ -基本的に冒険中のステージは2Dだが、マリオ使用時のみ「次元ワザ」(ステージを2Dから''3Dにチェンジ''させる)が使える。 --3Dになったステージは敵も障害物もペラペラになって当たり判定が無くなる他、2D時は背景だったものが足場になったりする。 --一見進めないような道や避けられないような敵でも、次元ワザを使うことで簡単に進むことができる場面も多く、本作の基本にして最重要システムになっている。 --3Dになっている間はゲージが減っていき、ゼロになるとマリオがダメージを受けるので連続使用はできない。 ***仲間 本作ではマリオ、ピーチ姫、クッパ、ルイージの4人を状況に応じて使い分けることができる。当然各キャラごとに特技が違い、使い勝手も全然違う。 -''マリオ'' --前述の次元ワザを唯一使える。能力的には可もなく不可もないと言ったところで、使う機会も多い。 -''ピーチ姫'' --ジャンプボタンを押しっぱなしにすると、パラソルを開いてゆっくり降下することができるので、幅が広い穴でも飛び越えることができる。しゃがむとパラソルで身を守るので防御力も高いが、足はマリオやルイージに比べて遅い。 -''クッパ'' --攻撃力が他のキャラの2倍で、しゃがむと炎を吐いて攻撃もできる。ただし足が最も遅く、梯子が登れないなど機動性は低め。 -''ルイージ'' --スーパージャンプという攻撃力2倍の大ジャンプ攻撃が可能。通常のジャンプもマリオより大きく、そして滑りやすい。4人の中で加入がステージ7と最も遅い。((これは仲間になる前にザ・伯爵ズに洗脳されていた事と、マリオ達が洗脳されたルイージ(ミスターL)に気づかなかった事が要因。ちなみに他の2人はステージ2とステージ3で仲間になっている。)) ---スーパージャンプは下から敵をつき抜けてダメージを与えられる。 ***アンナ -マリオ達の旅に同行することになる虹色をした蝶型のフェアリン。他のフェアリンと違い、常にプレイヤーに追従するため切り替える必要がない。 --Wiiリモコンを画面に向けるとスキャン画面になり、ポインタを合わせることでアンナの「真実を見通す能力」により、オブジェクトやキャラの解説をしてもらえる。従来の「ものしり」の発展系のような能力。 --敵のHPや攻略情報が教えてもらえたり、脇役の裏設定が知れたりする他、隠された扉を発見したりとこの能力を駆使しないと進行できない場面も多い。 ***フェアリン -冒険を各々の能力でサポートしてくれる妖精のようなもの。基本的に冒険の途中で仲間になるが、中には条件を満たさないと仲間にならないフェアリンもいる。性格、言動ともになんとも奇妙な奴らだが…。((名前もひらがな・カタカナが入り混じってどことなく狂っている。)) --今までにもあった「ハンマー」「爆弾」などのアクションは彼らに依存することになる。 --詳細は後述するが、このただのお助けキャラに思えるこのフェアリンたちにも詳細な設定が存在する。 ***その他 -収集要素は健在。 --キャラクターデータは解析ではなく「カード」というアイテムの収集に変更、基本的にカードショップで購入するかどこかで拾うかして入手する。ちなみにマリオ達のカードを始め、前作のキャラクターのカードもある。 --初代からの収集要素でもある料理は今作でも健在。((ただし、荒削りしすぎた次回作では当然のようにリストラされているが。)) ---- **評価点 -アクションアドベンチャーとして安定した出来 --アクション面は『スーパーマリオブラザーズ』よろしくオーソドックスな横スクロールアクションなので取っ付きやすい。HPがライフ制でゲームオーバーになりにくいので難易度も低めと、アクションが苦手なプレイヤーでも安心。 ---また「次元ワザ」を使えば敵を簡単に避けられる部分も多いので、工夫次第でさらにプレイしやすくなる。 --謎解きアドベンチャー部分も、『ゼルダの伝説』シリーズを彷彿させる頭を使ったギミックが豊富。難易度も難しすぎず簡単すぎない程度。 -相変わらず独特で魅力的な世界観とグラフィック --「紙」をテーマにした演出や世界観の魅力は相変わらず。本作はそれに加え、幾何学模様がデザインのメインモチーフになっており、さらに味のある雰囲気になっている。 -キャラクター --敵キャラの「ザ・伯爵ズ」は旧作キャラのように非常に魅力のあるキャラクターの集まりとなっており、人気も高い。 --一見ただのコミカルな連中にしか見えない彼らだが、それぞれ独自の行動理念・理想が存在し、それぞれに物語や設定が組まれている。またペーパーマリオらしいシリアスな面や裏設定もあり、ただの悪党の集まりではない。 --ちなみに、このザ・伯爵ズという名前はメンバーの一人のドドンタスだけが使っている名称なため、正式なチーム名と決まっているわけでもない模様。 --メインキャラ以外にサブキャラ・モブキャラも濃すぎるくらいしっかりキャラが立っており、ストーリーが進む毎にセリフも細かく変わる。 ---- **賛否両論点 前2作において既にマリオシリーズの中でも異彩を放っていたペーパーマリオシリーズだが、''本作は前2作を遙かに上回るシリアスかつカオスな要素が満載''。 -本作のテーマはずばり「愛」。この時点でマリオシリーズとしてかなり異質であることが分かる。 --さらにワールド毎に「オタク」「文明と自然の共存」「死後の世界」など様々に焦点をあてたシナリオが展開される。 --キャラクターの設定まわりが結構『アレ』。 ---例えばフェアリン。元は古代の民によって造られた『生きた道具』。生きているので自我を持ち自立行動ができ、各自固有の魔術的な能力を持つ(作中のサポート能力がそれ)。 #region(その実態は) ---実は''元人間''。故に道具として扱われることに不満を持ったフェアリンたちが反乱を起こしたことがあった。~ そのことに危機感を覚えた当時の人間の手によって、2度と逆らえないように手を施された。~ 彼らの発言、思考がファンキーでクレイジーで奇妙奇天烈なのは前述した通りだが、そうなってしまったのは要するに''頭を弄られまともな思考能力を奪われてしまったから''である。 #endregion ---他、ザ・伯爵ズの面々やレギュラー以外のサブキャラクターの来歴や末路なども濃い。 ---ただの一般人もアンナの力で調べると中々アレな過去が語られたりする。そのあたりは『[[マリオストーリー]]』からの伝統でもあるのだが。 --「コントンのラブパワー」なる暗黒エネルギーがこの物語の始まりを招くきっかけとなるのだが、そもそも&b(){このゲーム自体が相当混沌としている}。 #region(その混沌具合の一例) -ゲーム開始後、[[最初のデアールの頼みを断り続けるといきなりゲームオーバーとなる。>ドラえもん ギガゾンビの逆襲]] -冒頭で仙人の所へ行き、次元ワザを教えてもらうのだが、その際「''勇者だから武器や技をタダでもらえると思うな''」と説教され、とんでもない額のコインを要求される。 -[[物を割ったことで借金まみれになり、地下王国のような場所で借金仲間達と拷問染みた肉体労働をするはめに。>賭博黙示録カイジ]] -途中、ザ・伯爵ズメンバーの一人「マネーラ」の変身シーンがあるのだが、その描写が''ややグロい''。更には「グギッ」というリアルな効果音のおまけ付きで、マリオゲーらしからぬ不気味さがより増している。 -あるキャラが自身の偽物から逃げるために一時避難する。それはいいのだが、その避難場所がよりによって''便器の中''。しかもこのキャラは''女性''である(なので隠れる場所も女子トイレ)。 --その後、偽物と本物の区別がつかなくなったところで、本物を見分けるという名分で''いきなりシリーズ恒例のクイズショーに移行''。いくら恒例とはいえ…。 --なお、偽者の変身能力は完璧で、一見するだけではまったく本物と見分けがつかない厄介な代物なのだが、前述のように本物が便器に隠れていたことが伏線となって、&font(#8b4513){本物を見分ける非常に分かりやすいヒント}へとつながるという、あんまりなオチ。 -ステージ3-2途中で登場する超巨大ゲッソー。こいつの弱点は一本だけ色の違うゲソである。 --全くの余談だが、イカ系の生物の生態は結構変わっていて、''雄のゲソ10本の内1,2本は交接腕と呼ばれる特殊なものになっている''。ん? --更に言えば、そのゲソを初めて攻撃すると''「そこはカンニンや」''というアレな発言をする。 -''カメレゴン''。今回(に限らずスーパーマリオシリーズ全体と言っても過言ではない)で最大の''迷''ボスキャラクター。異常なまでに彼に関する描写が濃い。ピーチとのイベントはある意味''本作のカオスさを象徴するイベント''である。 --どういうキャラかというと、一言で言うと''絵に描いたようなヲタク''。任天堂のキャラクターとしては極めて異質((他にはおそらく「テレビアニメ版星のカービィ」のオタキングくらい。))である。しかし、割と生産的なヲタクらしく、古城を改造して色んなロボットを作ったりもしている。 ---その他、彼の部屋には過去作の仲間キャラのグッズが並べられている。 --彼とのボス戦前の会話は恋愛シミュレーション風になる。テキストもやたら多く、選択肢にそれぞれあるあたり無駄に手の込んだ仕様である。 --自前のカメラの性能自慢を独り言で言うシーンがあるが、これも何故か10種類も存在する手の込みよう。%%大半のプレイヤーは全部見ずに終わる%% ---しかもこの自慢、やけに詳しく「F値」「ノイズリダクション」といった専門用語を使いまくる。 --なお、ゲームクリア後には行いを改めており、とある重要な機能を復帰させてくれる。必ず立ち寄ろう。 -あるワールドでは突然宇宙に放りだされる。酸素が無いので''宇宙ヘルメットの代わりに金魚鉢''をかぶって宇宙へ……((ちなみにそのワールドに初めて向かう際に、アンナに金魚鉢を被るように言われるが、その際に被るか被らないかの選択肢が登場し、何度も「いいえ」を選ぶと、アンナがマリオ達に失望し、そのままゲームオーバーになる。また、これ以外にも「いいえ」を選び選ぶとゲームオーバーになるストーリーイベントがいくつかある。)) --さらにその宇宙にある''公衆便所''では''紙が切れて立ち往生したまま数百年そこで過ごすはめになった''キャラが登場。しかも、いざ便所から出てきてみれば、そもそも便所という施設自体を必要としそうにないキャラだったりする。 --一向に客が来ない''コンビニ''が登場する(マリオの世界観ではその存在自体が十二分に異質である)のだが、その立地がこれまた無人の星。まあ宇宙に公衆便所があるのもおかしいのだが、何故そんなところに…((実際に店員も「店を出す場所… まちがえたかな…」とコメントしていた。))。 ---ちなみにこのコンビニ、売り物が''チョコバー3種類だけ''。有人の地に店を構えたとしてもそりゃあ客は来そうにない。 -終盤、とある中ボスに「いざ、往かん」とばかりに意気込んで勝負を挑んだら何故か戦闘がRPG風。 --[[ドラクエ>ドラゴンクエスト]]っぽいなどと言われることもあるが、インターフェイスは『[[MOTHER]]』に近い。 -同じく終盤ある3人の人物を探すことになるのだがそのうちの1人の隠れ場所が''またもや公衆便所''。 -ゲームの心得を教えてくれる一般人に「困った時は人に聞け」「それが駄目なら攻略本」「それでもダメなら売っちまえ」と言われ、終いには「つまらないゲームをやるのは時間の無駄」と言われる。クソゲーに対する批判だろうか?%%…さすがに本作に対する自虐ではないと信じたい%% --ちなみに他にも「攻略本を買え」と言う人がいたりする。宣伝? -本編攻略に必須ではないフェアリンを入手するためのサブイベントがあるのだが、途中「この面倒なお使いイベントを…ゲフンゲフン」というメタなセリフがある。 -その他、ザコ敵がこちらと同様に無敵アイテムを使ってくる、急に脳トレが始まる、途方も無い数の敵を相手に1対1で対決する事になった際に''プレイヤーの心境をメタ台詞で煽ってくる''、技が決まると八秒程のやたら長い決めポーズを取ってくるボスが居る…など枚挙に遑がない。 #endregion -もはやお約束の&font(white,green){緑のヒゲ}ことルイージの扱い。スタッフも相当お気に入りなのか&s(){可愛がりに磨きがかかっている}劇中での描写が濃い。 --過去のペーパーマリオシリーズではそこまで酷い扱いを受けていなかった。ルイージがとにかく酷い扱いをされるのはマリオ&ルイージRPGシリーズの方であったのだが、そちらのノリがこちらに&s(){より凄まじい扱いになって}輸入された格好である(マリルイと違ってこちらはルイージが喋るということも)。 -ただし、敵を踏んで倒すというシステム上、ジャンプ力が高くスーパージャンプも可能なルイージはマリオよりは[[使い勝手が良い。その点では優遇されている。>スーパーマリオ64DS]]そしてペーパーマリオシリーズで唯一ルイージを操作できるゲームである。 と、これだけでは半分にも満たないほど。~ この重いんだか軽いんだかわからないシリアスなストーリーとカオスなギャグ(?)要素が新たに熱烈なファンを生み、同時に旧作のファンからは首を傾げられることになった。 ---- **問題点 -相変わらず移動のテンポが悪い。 --移動速度を大きく上げるフェアリンもいるが、入手するには100部屋ダンジョン(表)をクリアしなければならず、中々面倒。 ---ステージ2-1クリア後に100部屋ダンジョンに入れるようになるため、頑張ればすぐに入手できる。しかしその間にレベルアップしすぎて本編がヌルくなる恐れもある。((ただし、本作の回復はレベルアップ時の回復の依存が大きめのためレベルアップの必要スコアが本来よりも増えて回復回数が減ってしまうことにより場面によっては苦戦する。ちなみに2-2にはそのフェアリンを入手していると反応が変わるギミックがあり、ステージをクリアするとそのギミックは使えなくなるため「即100部屋ダンジョン」というプレイは恐らくスタッフの想定内。)) --これまで同様、近道の土管はあるが、街中の移動にしか使えない。 --ハザマタウンとウラハザマタウン、2軒あるカード屋、2人いる料理人などの間を行き来するのも非常に面倒。従来作では1~2個の食材を1人の料理人が料理してくれたが、本作では食材が1個の場合と2個の場合で料理人が別になったため明らかな劣化となっている。 -4人のキャラを操作できるが、クッパが強力すぎて他のキャラが移動時くらいしか使えない。 --冒険中手に入る「ミニみ」というフェアリン(操作キャラを小さくする能力を持つ。小さくなっている間は敵に気付かれない。)を使って火炎放射をしているだけで簡単に雑魚を倒せてしまう(具体的には小さくなる→敵にある程度近づく→火炎放射→炎に触れた敵が自滅)。 --しかしボス戦時に小さくなるメリットはほとんど無く、クッパでは進めない場所や倒しにくい敵も多く存在するため、「ミニみとクッパのみしか使えない」というわけではない。 ---ちなみにボス相手にはクッパよりも浮遊して連続で踏めたり、ガードが出来るピーチの方が有利な事が多い。 -新規キャラクターの造形の好みが分かれる。 --異世界が舞台だからか全体的にカクカクした直線的なデザインが多く、丸みのある形をしたキャラクターは全体的に少ない。これだけでも本作の異質な雰囲気を占めているといってもいいぐらい。 ---一方でノワール伯爵のように「カッコイイ」と好評なキャラもいる。 --いつものマリオのキャラクターはクリボーやノコノコなどのクッパ軍団を除きほぼ出てこない。冒頭でキノピオが出てくる程度。((そもそも今回のメインとなる拠点がキノコ王国ではなく、異世界であるハザマタウンなので、オリジナルキャラがうじゃうじゃ出てくるのは妥当っちゃ妥当であろう。)) -従来のシリーズに比べコインが貯まりにくく、物価が高い。 --特に攻撃アイテムの値段が跳ね上がっており、使うのが躊躇われる。 --敵を倒した際に出すのはだいたい0~4コイン。一方アイテムの値段は基本となるものでも30コインは下らない。 ---なお、きらめくパンジーさんを使って簡単にコインを稼げる方法があり、それを使えばコインには困らなくなるが、そうすると今度は999コインまでしか所持できない点がネックとなる。 -仕掛けの演出が過剰で、若干イライラを引き起こしかねない。 --特にタワーに上るエレベーターの演出は長い割にカットできない。モドルドカンを使ってワープした方がエレベーターに乗るより早い。 -アクション面の難易度が低い。 --敵の体力や攻撃力がかなり低く設定されており、道中に回復が多く配置されているため、よほどアクションが苦手でもない限りそうそう死ぬことはない。 --敵の攻撃力についてはステージ1~3あたりは攻撃力1~2、ステージ4~5は3、ステージ6~8は4程度。もう少し上げてもよかったのでは… --あらゆる攻撃が効かず爆弾を飲み込ませるしかない敵や、倒さない限り延々とクローンを量産し続ける敵、やたら攻撃時のSEが大きい敵などいやらしい敵もいる。 ---ただし過去作と違い、ステージ攻略中に宿屋や回復ブロックが一切ないなどいつでも何度も回復出来る場所はない。 --また、後半は攻撃力が2倍になるアイテムが店売りで簡単に入手できるため、ボス相手でも瞬殺可能。 -ボスが全般的に弱い。 --前述したように従来のマリオにRPG要素が半端に残っている所為もあるのだが、HPが低く、それに加え無敵時間が無いため、割とすぐ倒せるボスが多い。~ 特にエルガンダーは演出とステージの都合上、輪をかけて酷いことになっている。一応HPは他に比べ高めに設定されているが、それでも状況的に足りていない((戦闘がSTG形式になっており、こちらは弾を連射できるにもかかわらずパワーアップアイテムの入手で更に火力が増強されるため、ほぼ焼け石に水でしかない。))。 ---マネーラやドドンタス(3回目)((2回目までのドドンタス戦で有効だった「フェアリンの能力で掴んで投げ飛ばす」という基本戦術が、やたらと素早く動き回るせいでやり辛くなっている。))やノワール伯爵((攻撃するたびにジゲン技で身を隠すため、他のボスと違って連続攻撃ができない。これはディメーンも同様。))のように比較的強い中ボスやボスもいるのだが、それでも大体ごり押しが通用してしまう。 --ラスボスの最大攻撃力が何とたったの6。前座の方が高いが、それでも8しかない。 -謎解きで詰まることがある。 --ステージ中、様々な謎解き的ギミックが存在し、ある意味このゲームの最大コンテンツでもあるのだが、こうした謎解きは詰まると先に進めない。難易度は決して高くないが、数が多いので、詰まることも。 ---一応、救済措置も存在し、ハザマタウンのある店でコインを支払うとヒントをくれる。が、ステージによってはハザマタウンに戻れなくなることもあり、そういったステージでは自力で謎解きをクリアしなければならない。 -クリア後のやり込み要素が少ない。 --表裏含めた100部屋ダンジョンもモノノフ王国100人抜きも前述の方法で簡単にクリアできるため、達成感があまり無い。 ---100部屋ダンジョン(裏)は''2回クリアしないとボスと戦えない''。初回は100部屋目にたどり着いても何も起こらず、''もう一回ここまで来い''と言われるのみ。 ---100部屋ダンジョン自体の難易度は前作『[[ペーパーマリオRPG]]』よりもかなり簡単になってはいる。 ---ただし、100部屋ダンジョン(裏)のカゲ敵たちは手強く((オリジナルより大幅にステータスが強化された雑魚敵が出現する。終盤に登場した厄介な雑魚敵もしっかり強化されている上に、複数の系統が存在した雑魚敵は最上位種として君臨する。))、ひじょうしょくを大量に持ち込まないとクリアが難しかったりする。 --一応他にも「カード集め」「宝探し」などのやり込み要素が存在する他、クリア後にしか行けない場所もある。 -サウンドテストの仕様が不便。 --クリア後のハザマタウンのバーに現れる「キュービィ」に話しかけ、10コイン払うことでゲーム内の音楽を鑑賞できるのだが…実質的なサウンドテストであるにもかかわらず''自分で曲を選択することができない''という謎仕様になっている。 --しかもどれが流れるかはランダム。本作のBGMはおよそ80曲以上収録されているため、全て聴こうと思ったら''約900枚ものコインを稼いでこなければならない''。なおほんのわずかだがBGMの抜けがある。(ヘルワンワン戦の中ボスの「きょうてきあらわる」のアレンジ曲など。) ---そもそも何故サウンドテストにコインを払う必要があるのかも疑問である。バーなのだから普通にジュークボックスで好きな曲を掛ける等の方法でよかったのでは… ---一応、全てのBGMを聴き終えるまでは毎回違う曲を流してくれる。またマリオシリーズでは珍しく曲名も付いている。BGM自体も評価が高い。 --この仕様は続編の3DS『[[ペーパーマリオ スーパーシール]]』にも更に悪化した形で引き継がれてしまった。 #region(ラスボス及びクリア後について(ネタバレ注意)) -ラスボス戦でルイージが使用できない。 --なんとルイージが洗脳されてしまい、ラスボスになるからである。 --上記の通りルイージの加入は終盤のステージ7と遅く、ボス戦で活躍出来るのはステージ7とラスボス直前のノワール伯爵戦だけとなる。 -エンディングでのイベントでアンナがノワール伯爵と一緒に離脱してしまい、クリア後の後日談でも復帰することはない。 --よってアンナが担当していたスキャン機能が一時的に使えなくなるが、その復帰方法が分かりづらい。((宝探しの攻略で手に入るカードでようやくそのキャラの存在を知ることが出来る。)) --ちなみに、復帰のさせ方とは上記のカメレゴンに会いに行き、彼がアンナを観察して開発したメカ「ジャスミン2世」を買い取る事。 ---ここにも罠があり、なんと要求される額が''999コイン''と最大値でカウントストップした額。溜まっていなかったら稼ぐ所から始めなければならない。 #endregion ---- **総評 人気の「ペーパーマリオ」シリーズ第3作だが、「アクション要素のあるRPG」だった前2作から、「RPG要素のある謎解きアクション」にゲーム性がほぼ別物に大転換。~ それゆえ従来のRPG路線を期待したシリーズファンからは戸惑いの声も聞かれるものの、単体で見れば一定の完成度を誇る作品である。~ ジャンルは変わったものの、どこかブラックな雰囲気や密度の高い小ネタなどシリーズの雰囲気はしっかり受け継がれている。~ ---- **余談 -いままで謎であった「ルイージはおばけが苦手だが、本編のマリオでは全く気にせずお化け屋敷ステージに入れる」理由がフォローされている。

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