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*ポポロクロイス物語II 【ぽぽろくろいすものがたりつー】 |ジャンル|RPG|#amazon(B000069SQI)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|ジーアーティスツ&br()シュガーアンドロケッツ|~| |発売日|2000年1月27日|~| |定価|6,800円|~| |廉価版|PlayStation the Best:2001年4月5日/2,800円(税抜)&br;PS one Books:2001年12月6日/2,400円(税抜)|~| |配信|ゲームアーカイブス:2007年12月26日/600円(税5%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ポポロクロイス物語シリーズリンク>ポポロクロイス物語シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ポポロクロイス物語]]』の(正式な)続編。~ 本作との間に発売された『[[ポポローグ]]』は、外伝という扱いを受けている。~ ---- **あらすじ 昔むかし、まだ竜が空を舞い、妖精が森にあふれていた頃…あるところにポポロクロイスという王国がありました。~ 王子ピエトロとその仲間達が氷の魔王を倒し、母:サニアを再び王妃に迎えてから二年の月日が流れ、王国はいまだ平和そのものでした。~ 12歳になったピエトロ王子はある日、王位継承の儀式のため、王家の洞窟に眠る「知恵の王冠」を取りに向かいました。~ 無事王冠の元にたどり着き安堵するピエトロ王子。~ しかしその直後、眩い光が辺りを包み、光の中からバスカルと名乗る謎の預言者が現れ、ピエトロ王子に語り掛けてきました。~ やがて世界を包む災厄「堕落した美しき者」と、平和をもたらす鍵「本当の王の宝」~ バスカルが語った二つの預言に、ピエトロ王子は戸惑いを隠しきれないまま洞窟を後にします。~ 儀式を制したピエトロ王子を多くの人々が祝福し、穏やかな平和の時が過ぎていきます。~ そして三年の月日が流れ15歳に成長し、身も心も風格がついたピエトロ王子。しかしバスカルが語った本当の王の宝とは何なのかはわかっていません。~ そんなある日、港町パーセラで起きた暴れ竜の事件をきっかけに、ピエトロの本当の王の宝を探す旅が始まるのでした…。 ---- //「前作」がローグと1作目のどちらを指しても問題ない箇所以外は『I』『ローグ』に変更しています **特徴・評価点 -前作以上に魅力的な温かみのあるキャラ・世界観。 --すでに時代がポリゴンに移行しつつあるなかあえてドット絵を使用。温かみのある世界観をうまく表現している。 --ドット絵自体のクオリティも高い。特にキャラクターグラフィックの出来は素晴らしく、キャラの魅力を存分に表現している。 --メッセージテキストにいくつか絵文字を採用。文章でもコミカルさが表現されるようになった。 -''キャッチフレーズ:「二人の恋に、涙がポポロ」''に偽りないストーリー。 --家族愛・種族の壁・仲間との絆・恋愛・「本当の美とは?」をあまり説教臭くなくかつ魅力的に演出している。 --ほのぼの一貫ではなく、中には結構キツイ展開もあり、ラスボスはかなり外道。ゲーム中の強さは置いといて…。 --ネタバレになるので詳細は省くが、EDの評価は特に高く、感動したという声も少なくない。 -また、ディスク3枚組の大容量によりイベント時にキャラクターの音声が流れるようになった。 --声優陣も折笠愛氏・白鳥由里氏・大塚明夫氏など実力者をそろえており、演技に対する批判はほとんど無い。~ 意外な所では、当時まだ無名だった''水田わさび氏(現ドラえもん)''が出演している。 ---実はガミガミ魔王以外の『I』のメインキャラ達は声優陣が変更されており、その点で批判されることがまれにある。とは言え今作の声優陣ももれなくハマリ役であるため、結果として批判意見はそれほど目立つことはなかった。 ---しいて言えばサボーの声が『I』では大川透氏だったのが今作では麦人氏であり、''2年で老けすぎ''であることくらいか。 --ただしボイスを際立たせる為かイベントに突入する際、特に画面の切り替えを伴う時は暗転が解ける前にBGMの音量が少し小さくなる。~ これを「暗転が解ける前からイベント発生だと分かってしまう」と取るか「突然のイベント発生に驚かなくて済む」と取るかは難しい所。 -ピエトロ・ナルシア・白騎士といったメインキャラクターも『I』から引き続き登場。 --特にピエトロは『I』と比べるとかなり逞しく成長している。ジルバやレオナといった今作からの追加キャラもうまく溶け込んでいる。 --また、それぞれのキャラにきっちりと見せ場が用意されており、それがキャラクターの魅力を引き出すことにつながっている。特に白騎士は、レオナとの恋愛模様や終盤のとあるシーンでの行動など、印象的な見せ場が多い。 -Gutsメーターを削除するなど『I』以上に操作・システムは単純かつ直感的で、誰でも手軽に楽しめる。 --『I』では魔法と必殺技・大魔法に分かれていた特殊コマンドも特技という一つのコマンドに統合された。 --その特技の使用も(「ガミガミミサイル」のような過去作で特定のアイテムを消費する必要のあった技も)全て「MPの消費」に統一された。((『I』では必殺技(大魔法)の使用は「気力を消費」「次ターンは動けない」「弾薬を消費」などだった。)) ---特技の仕様そのものは統一されているが、キャラ毎に固有の名称を用意することで個性化を図ってもいる(ピエトロの「竜の力」、ナルシアは「魔法」、白騎士なら「必殺技」といった具合)。 -前作から戦闘中の演出面が大幅に洗練された。 --技のエフェクト・効果音ともに格段に迫力が増しており、技のレベルによる差分演出も豊富に用意され、高いクオリティを誇る。~ また前二作に引き続き、技発動時のキャラボイスもしっかり用意されており、退屈せずに楽しめる。 -戦闘のテンポが格段に向上した。 --『I』と比較すると、~ ・エンカウント→コマンド入力可能までの時間が大幅に加速。(ロード時間も皆無)~ ・雑魚敵の力尽きるアニメーションの短縮。~ ・戦闘勝利ファンファーレが簡潔なものになった。~ ・「敵を倒した」のメッセージと、経験値・獲得ゴールド加算の表示が同時に行われる。~ 等々の戦闘時間を短縮する施工を、今作は多く取り入れている。~ また、敵の落とした宝箱は自動で開封するようになった。 -「ゲームを普段やらない人でも楽しめる難易度」のため、難易度は非常に低い。 --上記の通り、良好な戦闘テンポにより稼ぎは非常にスピーディ。一時間同じ場所で戦えば簡単に適正レベル以上に成長する。ちなみにラスボスに挑む適正Lvは45前後となっている。 -前二作と同様に町人などの台詞が豊富 --同じ町人でもゲームの進行によって台詞が細かく移り変わり、中にはちょっとしたドラマが展開されるなど単に情報収集にとどまらない存在となっている。 --更に今作では、動物と会話ができるレオナを連れて動物に話しかけると''本当に動物達の言葉を翻訳してくれる''。 -前二作と同様に物を調べた際のピエトロのコメントが豊富に用意されている --中盤ピエトロが不在の場合はしっかりナルシアのコメントが用意されている。 -サブイベントの数も、終盤の仲間再加入イベントやガボの特技修得イベントなど前作と比べて大幅に増加している。 --ピエトロの趣味のコレクション「おみやげ」や「モンスターカード」も前作と同様に収集可能。~ また、「おみやげ」は『I』と『ローグ』のセーブデータを引き継ぐことで、今作でも引き続き飾ることが出来る。 --また、サル型のモンスター「ウッキィ」関連のサブイベントは、レオナを連れていくと彼らのサル語を翻訳してくれる、''フルボイスで。''しかも意外とシリアスな内容なので、ぜひ彼女を連れていくことをお薦めする。 -今作のパーティは終盤において、7人+1匹の中から好きな3名を選び加えることが出来る。ただし、ピエトロは強制参加。 -アルバムモード --本作のクリア時に作成できる「アルバムデータ」を保存すると、ゲーム内で披露されたボイス付の主要イベント・アニメーションのみを振り返り鑑賞できるアルバムモードに接続できる。 --プレイヤーが見落としたイベントは鑑賞不可能な点は注意。 ---- **問題点 -バランスブレイク要素 --ガボとジルバがよく挙げられる。 --ガボは最初こそ使い道がみつからないのだが、ゲーム終盤ある隠し要素を発見することで最強格の仲間キャラへと変貌する。更に、レベルがある程度上がると防御力がインフレを起こし、ラスボス相手でも''あらゆる被ダメージを1''に抑え込んでしまう。 --ジルバは防御力こそ低いが、攻撃力・素早さが高水準で成長し、格上の相手にも先手を取りやすい。~ その上で、全体回復、全体攻撃、周囲攻撃技など便利な技が一通り揃っており、~ 中でもカウンター状態付与技「スルーブレイカー」は、通常攻撃に対してしか発動しないとはいえ、 ---一度発動すると戦闘終了まで効果持続。 ---受けたダメージに対して与えるダメージが明らかに大きすぎる。 ---クラスチェンジし「レッグスカウンターブレイク」になると、''通常攻撃完全回避の効果が追加''~ など、性能が狂っている。 --能力値が全体的に低めに設定されているガミガミ魔王も、アイテムを射出して攻撃する特技が強力。中には9999ダメージをたたき出せる装備品(しかも期間限定ながら店売り)があり、これを用いると四天王的ボスであるはずの「ズール」が''一撃で沈む''。 -竜の剣が強すぎる。 --『I』と同様の「竜の剣はピエトロと共に成長する」という仕様が再び復活したが、~ 今作の竜の剣の修正値の算出式が「攻撃力=''ピエトロのLv×3''」と、強烈な成長性を誇り、上記の「稼ぎは非常にスピーディ」の仕様も相まって、剣を買い替える必要が無くなるペースで成長し続ける。 ---しかもこれは竜の剣強化アイテム「竜の玉」無しの状態での話。シナリオ上必ず取得する分の玉二個獲得だけでも「Lv×5.5」にまで倍率が上昇する。~ これは、ラストダンジョンで入手できる最後の剣(攻撃力215)ですら、ピエトロがLv40に達した瞬間お役御免となってしまう程と言えばその強さが伝わるだろうか((玉三個獲得で倍率はなんと「Lv×6.5」。Lv99ならば攻撃力600を超える。))。 --一応今作では、竜の剣やピエトロ本人が使用不能になる期間があり、再び戻ってくるまでそれなりに時間がかかるが、それにしても極端。 -特技が強力かつ燃費が良すぎるので、戦闘は終始特技の連発になりがち。 --MPリソースの管理が難しい序盤や極端な縛りプレイでもしない限り、通常攻撃を使う機会はない。 --ボスに至ってもHPがただ多いだけで歯応えのない敵が多く、ダメージを受けたらすぐ回復を心がけ、それ以外はただ特技を連発するだけで勝てるほど。あろうことかラスボスまでそれだけで撃破可能。 --特技が一定のレベルに達すると「クラスチェンジ」し、全く別の特技へと変化する。だが、クラスチェンジ後はそれまでの特技は使えなくなってしまう。クラスチェンジ直後は技のレベルもリセットされるため、使い勝手が悪くなってしまう事も。また、クラスチェンジ前の方が演出が凝っている技もあったり等単純に使えない事が惜しいという声もある。 -全体的に低難度の本作の中で、一部場違いな難度のボスが存在する。 --特に有名なのが、''シナリオ上撃破必須''ボスの中で別格の強さを誇る「ガープ」。~ "味方キャラの姿に変身"する技を駆使して襲ってくるのだが、なんと変身したキャラのレベルと特技内容までもコピーする。~ 全体的に味方の特技が強烈な今作において、「味方の技が敵に使われる」というシチュエーションは非常に厄介であり、要はプレイヤーが強ければ強いほど、変身したガープも凶悪化する。 --上記の評価点の「LV上げが快適」の要素と合わさり、初見では必要以上に鍛えすぎてしまいガープ戦で躓くケースも多く、特に、強力な技が揃ったピエトロに変身されれば詰みといわれるほどである。~ ピエトロの最終奥義クラスの技を使われると難度はまさに鬼畜。パーティ同士の距離を離す、属性耐性のある装備をする、等の対策はあるものの、 陣形によってはその攻撃一回だけで全滅しかねない。 -問題視される部分は、この強さのガープが「シナリオボス」である点に尽きる。他の凶悪ボスはいずれも本筋シナリオには登場せず、撃破はクリアに必須ではないので場違いな強さもまだ許される範囲だろう。 #region(他の凶悪ボス) --隠しイベントボス「ブルンバブン」は、([[某作裏ボスの如く>ファイナルファンタジーV]])作中最強威力の水属性全体攻撃を繰り出すため、やりこみ級に鍛えこむか、水属性耐性装備をするかの対策が無ければまず全滅する。(魔法防御力の高いナルシア・ガボ以外はレベル45でも即死する)。しかし、その水属性対策を用意すると今度は圧倒的に楽となるという極端なバランスである。~ ~ --ラスボスより攻撃が苛烈といわれる「ウッキィカイザー」。クリア適正レベル前後では、攻撃一手で前衛キャラでも瀕死、後衛キャラだとレベルが高くない限り確実に一撃で倒れる。~ こちらは上記のボスとは異なり装備などの対策もなく、さらにこのボスは素早さもかなり高いので適正レベルでも運が悪いと連続2回、レベルが低いと''連続3回以上''行動してくる事もあり、一人倒されたらそのまま片っ端から薙ぎ倒される事も多い。~ ~ --上記3体には劣るものの、初プレイでは隠しイベントボス「エスペランサ」も厳しい。イベント発生の条件を満たした時点で最も身近におり、傍目にはオブジェが光っているだけなので「何だろう?」と思って調べるとボス戦を強いられる。エスペランサ自体も決して弱くは無く、強力な全体攻撃を連発してくる。 #endregion -雑魚戦闘から逃走すると、所持金の一割が丸々無くなるという少々厳しいバランス。 --前作までは逃走によるペナルティは殆ど無かった。 -『I』経験者からすれば、「ガミガミ魔王」の扱いが悪いことに批判が集中している。 --共に大冒険をした間柄であるにもかかわらず、白騎士は最後までガミガミ魔王に対して何の反応もせず、会話すら全く無い。~ また、ナルシアはある場面で「○○や○○の居る、この世界が好き」と数名列挙するのだが、その中にガミガミ魔王の名前は無い。これらに関してはガミガミ魔王は『I』中盤までは敵だったということを考えると少しの冷遇はやむなしでもあるが。 --終盤における全キャラ共通の再び仲間に加えるイベントを除けば出番が二章後半~三章前半と短く、最後はジャングル奥地の村に置き去りにされる所で出番が終了である。 --その上HPや防御力を初めとした能力が低いので運用しにくく愛で補う必要がある。(一部の技や上記のアイテム射出技は強力ではあるが) -エンカウント率がただでさえ高いのに移動速度が非常に速いため、プレイヤーからすると「少し歩いたらまた戦闘」と感じてしまう。 --ピエトロの魔法「マジカルロード」でエンカウント率を一定歩数激減させることができるため、それを使えば問題ない。 --ただし中盤にピエトロが離脱する期間があるため、そこは忍耐するのみ。 --戦闘自体は、開始から終了まで非常にスピーディに進むため、エンカウント率の高さの不快度とは相殺されている。 -防具の属性防御効果がアイテム説明欄でも説明されず隠し効果扱いといっても良く、攻略本か情報サイトなどでも見ない限り、まず分からない。 --『I』では「ほのおのおふだ」「こおりのうでわ」といった分かり易い名前だった上に、説明欄でも「○の属性を30%軽減する」など明記されていた。 -長所であるアルバムモードだが、取り逃したものがあると見られなくなってしまう。しかもセーブデータをそれ専用に上書きして使うため、元のセーブデータをプレイできなくなる。 --しかも1つだけ「特定のボスに敗北後の再戦イベント」がアルバムに入っている為、そのボス戦を一度目で勝つと確実に未収録ができてしまう。 -パーティ編成システムの都合上、ラストダンジョン突入~ラスボス撃破までピエトロ以外のキャラがイベントにほぼ出てこない。台詞もほぼない。突入時のムービーも、ピエトロ以外のキャラは画面に映りすらしない。ナルシアだけはメインヒロインなのでラストのムービーには出てくる。~ こんな調子なので終盤のイベントはかなり寂しい。ストーリーが重要な本作では結構痛い点。 -ナルシアは森の魔女の掟として「海水に触れると泡になって消えてしまう」というものがあり、その対策として変身アイテム『黄金の鍵』を使ってカイに変身している。~ 本作でも波打ち際に足がつかる海岸通りを通る際はカイに変身しており、ある事情で黄金の鍵を手放した後はナルシアを連れて海岸通りを通ることができなくなる。また、コトリコ島へ向かうにあたって船に乗る際もカイに変身している。~ …のだがブリオニアや龍のほこら(どちらも船に乗って海を渡る必要がある)へ行く時は特に気にする様子もなく変身もしない。特に後者は大雨の中((龍のほこらがある日の国は守り神の神龍が死んでしまっているため、常に大雨が降り続いている。))時代劇に出てくるような手漕ぎの小舟に乗って向かっており、海水厳禁な者としては不自然である。船の上で水に触れていないとはいえ、もし転覆すれば助からない状況である。 -一部投げっ放しの設定。 --白騎士の最終目的は「キングナイトの剣を手に入れる」こと、これは『I』から語られていたことである。ラストダンジョンのある場所でついにキングナイトと出会うのだが、''これといってイベントはない''。ずっと引っ張っておいて結局有耶無耶なまま終わる。 ---戦っていた相手がキングナイトと分かって驚き、駆け寄るも消えてしまって肩を落とすという描写が一応追加されるがセリフが無く、その後も語られる事は無い。''ガッカリしただけで終わり''である。 --ガボはイベントで専用の強力な能力を身につけていく。その際意味深な会話があり「何故ガボがそんな能力を使えるのか?」「ガボの正体は?」の答えが自ずと見えてくるのだが、明確には示されない。長々と謎めいたイベントをこなしても最終的に何かがあるということは結局ない。 ---そもそも実際にガボの正体が話に出てくるある人物だったとしても、その人物が具体的に何なのかもわからない為あまり意味がない。謎だけが増える。 -序盤でピエトロは、マイラ四天王の1人であるボクシーに騙されたことにより非常に辛い事件を起こしてしまうのだが、ラストダンジョンでそのボクシーとの再戦時のイベントにおいて、怒りをぶつける描写が無いどころか戦わずに素通りしようとした上に失敗すれば「やっぱりダメかな」と軽い口調で会話するという違和感の強い描写になっている。 --一応、整合性が取れる様に補足しておくとピエトロがボクシーに興味を無くしたのは『度重なる戦いを経て精神的に強くなった影響で格下で矮小なボクシーに対して眼中に無くなった』と言う事である。心優しい一面もあれば急に激昂する事も多かった掴み所の無いピエトロが、急にボクシーに対して興味を無くし、逆にマイラに対して敵意を示すのは見方によってはやや不気味に感じなくもない。 -第2章で初めて鬼面童子と出会った際に「お主(ピエトロ)から何か懐かしい感じが…」と言われるのだがその事についてその後語られることは無く、意味が分からない。 --公式ガイドブックにて「守り神の水龍と知り合いであり、ピエトロに竜族の力を感じたから」と説明されたが、基本的に作中に登場するのはいわゆる『ドラゴン(西洋竜)』であるのに対し、守り神の水龍は『龍(東洋龍)』である。一括りに「竜(龍)」と言ってもかなり別物の存在であり、前述の理由に気づけというのは少々難しいのではないだろうか。 -後のピノン世代に繋がる世界観等の設定の根幹が固まった一方で、『I』の設定が有耶無耶になっている部分がある。 --ピエトロの母、サニア王妃は『I』では「地上世界を守護する為に光の世界の使いとしてやってきた竜」だったのが今作では「竜族の王である老竜神の娘」となっており、竜族であることしか面影が無い。 --また、光の世界、闇の世界といった設定は『I』でしか登場せず、今作を含めた後の作品においては全くといっていいほど見られない。 --『I』の終盤でナルシアは戦闘中カイに変身できるようになったはずだが、何故かガミガミ魔王は今作の本編で再会するまで「ナルシア=カイ」であることを知らない。 --これは細かい話になるが、今作ではギルダがナルシアの生い立ちを話す回想シーンがあり、その中に『I』第一章の後と思しき場面がある。そこではナルシアがギルダに「ピエトロってポポロクロイスの王子様なんだって」と、まるで初耳のような話し方をする。ピエトロはギルダやナルシアと初めて出会った時にポポロクロイスの王子だと名乗ったはずなのだが…。「王子様であることを認識せず仲良くなれた」というヒロイン性の強調にはなるのだが。 ---ちなみに『I』ではピエトロとナルシアの初対面時、ギルダがピエトロの存在はもちろん、ポポロクロイス王国のことすらろくに知らないような描写があるが、続編の『ローグ』では(少なくとも先代ペトロフ国王の時代には)森の魔女がポポロクロイス王国と密接な関係にあることが示唆されている。『I』の時点では続編を製作する予定がなかったこともあり、これらの設定はシリーズ化に伴って変遷したものと思われる。 ---- **総評 綺麗にまとまった内容やとっつき易さで、シリーズ最高傑作の呼び声が高く、多くの人が楽しめる。~ 「手軽に遊びたい」「RPGは未経験」という人にはオススメ。 ---- **その後の展開 -現在はPSP・PS3・PSVitaのゲームアーカイブスで購入可能。 -今回の「ガミガミ魔王」の冷遇っぷりは後の『[[ポポロクロイス 月の掟の冒険]]』で解決されている。~ ピノン(ピエトロとナルシアの息子)を終始バックアップするナイスミドルなおじ様になっている。
*ポポロクロイス物語II 【ぽぽろくろいすものがたりつー】 |ジャンル|RPG|#amazon(B000069SQI)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|ジーアーティスツ&br()シュガーアンドロケッツ|~| |発売日|2000年1月27日|~| |定価|6,800円|~| |廉価版|PlayStation the Best:2001年4月5日/2,800円(税抜)&br;PS one Books:2001年12月6日/2,400円(税抜)|~| |配信|ゲームアーカイブス:2007年12月26日/600円(税5%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[ポポロクロイス物語シリーズリンク>ポポロクロイス物語シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[ポポロクロイス物語]]』の(正式な)続編。~ 本作との間に発売された『[[ポポローグ]]』は、外伝という扱いを受けている。~ ---- **あらすじ 昔むかし、まだ竜が空を舞い、妖精が森にあふれていた頃…あるところにポポロクロイスという王国がありました。~ 王子ピエトロとその仲間達が氷の魔王を倒し、母:サニアを再び王妃に迎えてから二年の月日が流れ、王国はいまだ平和そのものでした。~ 12歳になったピエトロ王子はある日、王位継承の儀式のため、王家の洞窟に眠る「知恵の王冠」を取りに向かいます。~ 無事王冠の元にたどり着き安堵するピエトロ王子。~ しかしその直後、王冠から眩い光が溢れ出し、ピエトロは光の中に飲み込まれてしまいます。~ ~ 「さだめに導かれし若き獅子王ピエトロよ…こころして聞くがよい」~ 暗闇の中、目を覚ましたピエトロの前に現れたバスカルと名乗る預言者は、ピエトロ王子に予言を語りだしました。~ やがて世界を包む災厄「堕落した美しき者」。平和をもたらす鍵『本当の王の宝』。~ バスカルが語った二つの預言に、ピエトロ王子は戸惑いを隠しきれないまま洞窟を後にします。~ 「邪悪な渦に光る小さな灯火が災厄を払えるかは、お主しだいだ」~ 「『本当の王の宝』がなにか 自分でみつけだすのだ…」 儀式を制したピエトロ王子を多くの人々が祝福し、穏やかな平和の時が過ぎていきます。~ そして三年の月日が流れ15歳に成長し、身も心も風格がついたピエトロ王子。しかしバスカルが語った本当の王の宝とは何なのかはわかっていません。~ そんなある日、港町パーセラで起きた暴れ竜の事件をきっかけに、ピエトロの「本当の王の宝」を探す旅が始まるのでした…。 ---- //「前作」がローグと1作目のどちらを指しても問題ない箇所以外は『I』『ローグ』に変更しています **特徴・評価点 -前作以上に魅力的な温かみのあるキャラ・世界観。 --すでに時代がポリゴンに移行しつつあるなかあえてドット絵を使用。温かみのある世界観をうまく表現している。 --ドット絵自体のクオリティも高い。特にキャラクターグラフィックの出来は素晴らしく、キャラの魅力を存分に表現している。 --メッセージテキストにいくつか絵文字を採用。文章でもコミカルさが表現されるようになった。 -''キャッチフレーズ:「二人の恋に、涙がポポロ」''に偽りないストーリー。 --家族愛・種族の壁・仲間との絆・恋愛・「本当の美とは?」をあまり説教臭くなくかつ魅力的に演出している。 --ほのぼの一貫ではなく、中には結構キツイ展開もあり、ラスボスはかなり外道。ゲーム中の強さは置いといて…。 --ネタバレになるので詳細は省くが、EDの評価は特に高く、感動したという声も少なくない。 -また、ディスク3枚組の大容量によりイベント時にキャラクターの音声が流れるようになった。 --声優陣も折笠愛氏・白鳥由里氏・大塚明夫氏など実力者をそろえており、演技に対する批判はほとんど無い。~ 意外な所では、当時まだ無名だった''水田わさび氏(現ドラえもん)''が出演している。 ---実はガミガミ魔王以外の『I』のメインキャラ達は声優陣が変更されており、その点で批判されることがまれにある。とは言え今作の声優陣ももれなくハマリ役であるため、結果として批判意見はそれほど目立つことはなかった。 ---しいて言えばサボーの声が『I』では大川透氏だったのが今作では麦人氏であり、''2年で老けすぎ''であることくらいか。 --ただしボイスを際立たせる為かイベントに突入する際、特に画面の切り替えを伴う時は暗転が解ける前にBGMの音量が少し小さくなる。~ これを「暗転が解ける前からイベント発生だと分かってしまう」と取るか「突然のイベント発生に驚かなくて済む」と取るかは難しい所。 -ピエトロ・ナルシア・白騎士といったメインキャラクターも『I』から引き続き登場。 --特にピエトロは『I』と比べるとかなり逞しく成長している。ジルバやレオナといった今作からの追加キャラもうまく溶け込んでいる。 --また、それぞれのキャラにきっちりと見せ場が用意されており、それがキャラクターの魅力を引き出すことにつながっている。特に白騎士は、レオナとの恋愛模様や終盤のとあるシーンでの行動など、印象的な見せ場が多い。 -Gutsメーターを削除するなど『I』以上に操作・システムは単純かつ直感的で、誰でも手軽に楽しめる。 --『I』では魔法と必殺技・大魔法に分かれていた特殊コマンドも特技という一つのコマンドに統合された。 --その特技の使用も(「ガミガミミサイル」のような過去作で特定のアイテムを消費する必要のあった技も)全て「MPの消費」に統一された。((『I』では必殺技(大魔法)の使用は「気力を消費」「次ターンは動けない」「弾薬を消費」などだった。)) ---特技の仕様そのものは統一されているが、キャラ毎に固有の名称を用意することで個性化を図ってもいる(ピエトロの「竜の力」、ナルシアは「魔法」、白騎士なら「必殺技」といった具合)。 -前作から戦闘中の演出面が大幅に洗練された。 --技のエフェクト・効果音ともに格段に迫力が増しており、技のレベルによる差分演出も豊富に用意され、高いクオリティを誇る。~ また前二作に引き続き、技発動時のキャラボイスもしっかり用意されており、退屈せずに楽しめる。 -戦闘のテンポが格段に向上した。 --『I』と比較すると、~ ・エンカウント→コマンド入力可能までの時間が大幅に加速。(ロード時間も皆無)~ ・雑魚敵の力尽きるアニメーションの短縮。~ ・戦闘勝利ファンファーレが簡潔なものになった。~ ・「敵を倒した」のメッセージと、経験値・獲得ゴールド加算の表示が同時に行われる。~ 等々の戦闘時間を短縮する施工を、今作は多く取り入れている。~ また、敵の落とした宝箱は自動で開封するようになった。 -「ゲームを普段やらない人でも楽しめる難易度」のため、難易度は非常に低い。 --上記の通り、良好な戦闘テンポにより稼ぎは非常にスピーディ。一時間同じ場所で戦えば簡単に適正レベル以上に成長する。ちなみにラスボスに挑む適正Lvは45前後となっている。 -前二作と同様に町人などの台詞が豊富 --同じ町人でもゲームの進行によって台詞が細かく移り変わり、中にはちょっとしたドラマが展開されるなど単に情報収集にとどまらない存在となっている。 --更に今作では、動物と会話ができるレオナを連れて動物に話しかけると''本当に動物達の言葉を翻訳してくれる''。 -前二作と同様に物を調べた際のピエトロのコメントが豊富に用意されている --中盤ピエトロが不在の場合はしっかりナルシアのコメントが用意されている。 -サブイベントの数も、終盤の仲間再加入イベントやガボの特技修得イベントなど前作と比べて大幅に増加している。 --ピエトロの趣味のコレクション「おみやげ」や「モンスターカード」も前作と同様に収集可能。~ また、「おみやげ」は『I』と『ローグ』のセーブデータを引き継ぐことで、今作でも引き続き飾ることが出来る。 --また、サル型のモンスター「ウッキィ」関連のサブイベントは、レオナを連れていくと彼らのサル語を翻訳してくれる、''フルボイスで。''しかも意外とシリアスな内容なので、ぜひ彼女を連れていくことをお薦めする。 -今作のパーティは終盤において、7人+1匹の中から好きな3名を選び加えることが出来る。ただし、ピエトロは強制参加。 -アルバムモード --本作のクリア時に作成できる「アルバムデータ」を保存すると、ゲーム内で披露されたボイス付の主要イベント・アニメムービーシーンのみを振り返り鑑賞できるアルバムモードに接続できる。 --なおプレイヤーがゲーム内で見落としたイベントは鑑賞不可能な点は注意。 ---- **問題点 -バランスブレイク要素 --ガボとジルバがよく挙げられる。 --ガボは最初こそ一切特技を持たず、HPと攻撃力もさっぱり成長しないのだが、ゲーム終盤ある隠し要素を発見することで最強格の仲間キャラへと変貌する。更に、レベルがある程度上がると防御力がインフレを起こし、ラスボス相手でも''あらゆる被ダメージを1''に抑え込んでしまう。 --ジルバは防御力こそ低いが、攻撃力・素早さが高水準で成長し、格上の相手にも先手を取りやすい。~ その上で、全体回復技、全体攻撃技、周囲攻撃技など便利な技が一通り揃っており、戦闘一手目での殲滅力に優れる。~ 更にその中でも、自身にカウンター待機状態を付与する特技「スルーブレイカー」は、通常攻撃以外の攻撃には反応しないとはいえ、 ---一度発動すると戦闘終了まで効果持続。 ---受けたダメージに対して与えるダメージが明らかに大きすぎる。 ---クラスチェンジし「レッグスカウンターブレイク」になると、''通常攻撃完全回避の効果が追加''~ など、性能が狂っている。 --能力値が全体的に低めに設定されているガミガミ魔王も、アイテムを射出して攻撃する特技が強力。中には9999ダメージをたたき出せる装備品(しかも期間限定ながら店売り)があり、これを用いると四天王的ボスであるはずの「ズール」が''一撃で沈む''。 -竜の剣が強すぎる。 --『I』と同様の「竜の剣はピエトロと共に成長する」という仕様が再び復活したが、~ 今作の竜の剣の修正値の算出式が「攻撃力=基礎数値11+''ピエトロのLv×3''」と、強烈な成長性を誇り、上記の「稼ぎは非常にスピーディ」の仕様も相まって、剣を買い替える必要が無くなるペースで成長し続ける。 ---しかもこれは竜の剣強化アイテム「竜の玉」無しの状態での話。シナリオ上必ず取得する分の玉二個獲得だけでも「Lv×5.5」にまで倍率部分が上昇する。~ これは、ラストダンジョンで入手できる最後の剣(攻撃力215)ですら、ピエトロがLv38に達した瞬間お役御免となってしまう程と言えばその強さが伝わるだろうか((玉三個獲得で倍率はなんと「Lv×6.5」。Lv99ならば攻撃力650を超える。))。 --一応今作では、竜の剣やピエトロ本人が使用不能になる期間があり、再び戻ってくるまでそれなりに時間がかかるが、それにしても極端。 -特技が強力かつ燃費が良すぎるので、戦闘は終始特技の連発になりがち。 --MPリソースの管理が難しい序盤や極端な縛りプレイでもしない限り、通常攻撃を使う機会はない。 --ボスに至ってもHPがただ多いだけで歯応えのない敵が多く、ダメージを受けたらすぐ回復を心がけ、それ以外はただ特技を連発するだけで勝てるほど。あろうことかラスボスまでそれだけで撃破可能。 --特技が一定のレベルに達すると「クラスチェンジ」し、全く別の特技へと変化する。だが、クラスチェンジ後はそれまでの特技は使えなくなってしまう。クラスチェンジ直後は技のレベルもリセットされるため、使い勝手が悪くなってしまう事も。また、クラスチェンジ前の方が演出が凝っている技もあったり等単純に使えない事が惜しいという声もある。 -全体的に低難度の本作の中で、一部場違いな難度のボスが存在する。 --特に要注意なのが、''シナリオ上撃破必須''ボスの中で別格の強さを誇る「ガープ」。~ "味方キャラの姿に変身"する技を駆使して襲ってくるのだが、なんと変身したキャラのレベルと特技内容までもコピーする。~ 全体的に味方の特技が強烈な今作において、「味方の技が敵に使われる」というシチュエーションは非常に厄介であり、要はプレイヤーが強ければ強いほど、変身したガープも凶悪化する。 --上記の評価点の「Lv上げが快適」の要素と合わさり、初見では必要以上に鍛えすぎてしまいガープ戦で躓くケースも多く、特に、強力な技が揃ったピエトロに変身されれば詰みといわれるほどである。~ ピエトロの最終奥義クラスの技を使われると難度はまさに鬼畜。パーティ同士の距離を離す、属性耐性のある装備をする、%%ピエトロに変身されないことを祈る、%%等の対策はあるものの、 陣形によってはその攻撃一回だけで全滅しかねない。 -問題視される部分は、この強さのガープが「シナリオボス」である点に尽きる。他の凶悪ボスはいずれも本筋シナリオには登場せず、撃破はクリアに必須ではないので場違いな強さもまだ許される範囲だろう。 #region(他の凶悪ボス) --隠しイベントボス「ブルンバブン」は、([[某作裏ボスの如く>ファイナルファンタジーV]])作中最強威力の水属性全体攻撃を繰り出すため、やりこみ級に鍛えこむか、水属性耐性装備をするかの対策が無ければまず全滅する。(魔法防御力の高いナルシア・ガボ以外はレベル45でも即死する)。しかし、その水属性対策を用意すると今度は圧倒的に楽となるという極端なバランスである。~ ~ --ラスボスより攻撃が苛烈といわれる「ウッキィカイザー」。クリア適正レベル前後では、攻撃一手で前衛キャラでも瀕死、後衛キャラだとレベルが高くない限り確実に一撃で倒れる。~ こちらは上記のボスとは異なり装備などの対策もなく、さらにこのボスは素早さもかなり高いので適正レベルでも運が悪いと連続2回、レベルが低いと''連続3回以上''行動してくる事もあり、一人倒されたらそのまま片っ端から薙ぎ倒される事も多い。~ ~ --上記3体には劣るものの、初プレイでは隠しイベントボス「エスペランサ」も厳しい。イベント発生の条件を満たした時点で最も身近におり、傍目にはオブジェが光っているだけなので「何だろう?」と思って調べるとボス戦を強いられる。エスペランサ自体も決して弱くは無く、強力な全体攻撃を連発してくる。 #endregion -雑魚戦闘から逃走すると、所持金の一割が丸々無くなるという少々厳しいバランス。 --前作までは逃走によるペナルティは殆ど無かった。 -『I』経験者からすれば、「ガミガミ魔王」の扱いが悪いことに批判が集中している。 --共に大冒険をした間柄であるにもかかわらず、白騎士は最後までガミガミ魔王に対して何の反応もせず、会話すら全く無い。~ また、ナルシアはある場面で「○○や○○の居る、この世界が好き」と数名列挙するのだが、その中にガミガミ魔王の名前は無い。これらに関してはガミガミ魔王は『I』中盤までは敵だったということを考えると少しの冷遇はやむなしでもあるが。 --終盤における全キャラ共通の再び仲間に加えるイベントを除けば出番が二章後半~三章前半と短く、最後はジャングル奥地の村に置き去りにされる所で出番が終了である。 --その上HPや防御力を初めとした能力が低いので運用しにくく愛で補う必要がある。(一部の技や上記のアイテム射出技は強力ではあるが) -エンカウント率がただでさえ高いのに移動速度が非常に速いため、プレイヤーからすると「少し歩いたらまた戦闘」と感じてしまう。 --ピエトロの魔法「マジカルロード」でエンカウント率を一定歩数激減させることができるため、それを使えば問題ない。 --ただし中盤にピエトロが離脱する期間があるため、そこは忍耐するのみ。 --戦闘自体は、開始から終了まで非常にスピーディに進むため、エンカウント率の高さの不快度とは相殺されている。 -防具の属性防御効果がアイテム説明欄でも説明されず隠し効果扱いといっても良く、攻略本か情報サイトなどでも見ない限り、まず分からない。 --『I』では「ほのおのおふだ」「こおりのうでわ」といった分かり易い名前だった上に、説明欄でも「○の属性を30%軽減する」など明記されていた。 -アルバムモードの落とし穴 --長所であるアルバムモードだが、取り逃したものがあると見られなくなってしまう。しかもセーブデータをそれ専用に上書きして使うため、元のセーブデータをプレイできなくなる。 --しかも1つだけ「特定のボスに敗北後の再戦時のイベントシーン」がアルバムに入っている為、そのボス戦を遭遇初戦で倒してしまうと確実に未収録ができてしまう。 -終盤のイベントはかなり寂しい。 --パーティ自由編成システムの都合上、ラストダンジョン突入~ラスボス撃破までピエトロ以外のキャラがイベント中ほぼ棒立ちに徹してしまう。台詞もほぼない。決戦前後のアニメーションムービー中も、ピエトロ以外のキャラは画面に映りすらしない。 --ナルシアだけはメインヒロインなのでクライマックスでの出番は用意されている。 ---こんな調子なので終盤のイベント演出は急激な尻すぼみとなる。ストーリーが重要な本作では結構痛い点。 -ナルシアのキャラ設定による違和感 --ナルシアは森の魔女の掟として「海水に触れると泡になって消えてしまう」という体質を持ち、その対策として変身アイテム『黄金の鍵』を使って海水耐性を持つ姿の「カイ」に変身している。~ 本作でも波打ち際に足がつかる海岸通りを通る際はカイに変身しており、ある事情で黄金の鍵を手放した後はナルシアを連れて海岸通りを通ることができなくなる。また、ストーリーで「コトリコ島」へ向かうために船に乗る際もカイに変身している。~ …のだが、ブリオニアや龍のほこら(どちらも船に乗って海を渡る必要がある)へナルシアを連れて赴く際に、''ナルシアの姿のまま''特に動揺する様子も無くあっさり船に乗り込んでしまう。特に後者は大雨の中((龍のほこらがある日の国は守り神の神龍が死んでしまっているため、常に大雨が降り続いている。))時代劇に出てくるような手漕ぎの小舟に乗って向かっており、海水厳禁な者としては非常に違和感が大きい。船の上で水に触れていないとはいえ、もし転覆すれば助からない状況である。 -一部投げっ放しのキャラの伏線。 --白騎士の旅の最終目的は「キングナイトの剣を手に入れる」こと、これは『I』の頃から語られていた伏線である。~ そして本作のラストダンジョンのある場所で、ついに白騎士はキングナイトとの邂逅が叶う訳なのだが、''これといってイベントはない''。ずっと引っ張っておいて結局有耶無耶なまま終わる。 ---戦っていた相手がキングナイトと分かって驚き、駆け寄るも消えてしまって肩を落とすという描写が一応追加されるがセリフが無く、その後も語られる事は無い。''ガッカリしただけで終わり''である。 --ガボは終盤の各地のイベントで専用の強力な能力を身につけていく。その会得イベントにおいて意味深な会話があり「何故ガボがそんな能力を使えるのか?」「ガボの正体は?」の答えが自ずと見えてくるのだが、明確には示されない。長々と謎めいたイベントをこなしても最終的に何かがあるということは結局ない。 ---そもそも実際にガボの正体が話に出てくるある人物だったとしても、その人物が具体的に何なのかもわからない為あまり意味がない。謎だけが増える。 --第2章で初めて鬼面童子と出会った際に「お主(ピエトロ)から何か懐かしい感じが…」と言われるのだが、この伏線について明確に理由を語られることは無い。 ---公式ガイドブックではこの伏線について、「守り神の水龍と知り合いであり、ピエトロに竜族の力を感じたから」と補足したが、基本的に作中に登場する竜はいわゆる『ドラゴン(西洋竜)』であるのに対し、守り神の水龍は『龍(東洋龍)』である。一括りに「竜(龍)」と言ってもかなり別物の存在であり、前述の台詞の理由というには少々難しいものがある。 -序盤でピエトロは、マイラ四天王の1人であるボクシーに騙されたことにより非常に辛い事件を起こしてしまうのだが、ラストダンジョンでそのボクシーとの再戦時のイベントにおいて、怒りをぶつける描写が無いどころか戦わずに素通りしようとした上に失敗すれば「やっぱりダメかな」と軽い口調で会話するという違和感の強い描写になっている。 --一応、整合性が取れる様に補足しておくとピエトロがボクシーに興味を無くしたのは『度重なる戦いを経て精神的に強くなった影響で格下で矮小なボクシーに対して眼中に無くなった』と言う事である。心優しい一面もあれば急に激昂する事も多かった掴み所の無いピエトロが、急にボクシーに対して興味を無くし、逆にマイラに対して敵意を示すのは見方によってはやや不気味に感じなくもない。 -後のピノン世代に繋がる世界観等の設定の根幹が固まった一方で、『I』の設定が有耶無耶になっている部分がある。 --ピエトロの母、サニア王妃は『I』では「地上世界を守護する為に光の世界の使いとしてやってきた竜」だったのが今作では「竜族の王である老竜神の娘」となっており、竜族であることしか面影が無い。 --また、光の世界、闇の世界といった設定は『I』でしか登場せず、今作を含めた後の作品においては全くといっていいほど見られない。 --『I』の終盤でナルシアは戦闘中カイに変身できるようになったはずだが、何故かガミガミ魔王は今作の本編で再会するまで「ナルシア=カイ」であることを知らない。 --これは細かい話になるが、今作ではギルダがナルシアの生い立ちを話す回想シーンがあり、その中に『I』第一章の後と思しき場面がある。そこではナルシアがギルダに「ピエトロってポポロクロイスの王子様なんだって」と、まるで初耳のような話し方をする。ピエトロはギルダやナルシアと初めて出会った時にポポロクロイスの王子だと名乗ったはずなのだが…。「王子様であることを認識せず仲良くなれた」というヒロイン性の強調にはなるのだが。 ---ちなみに『I』ではピエトロとナルシアの初対面時、ギルダがピエトロの存在はもちろん、ポポロクロイス王国のことすらろくに知らないような描写があるが、続編の『ローグ』では(少なくとも先代ペトロフ国王の時代には)森の魔女がポポロクロイス王国と密接な関係にあることが示唆されている。『I』の時点では続編を製作する予定がなかったこともあり、これらの設定はシリーズ化に伴って変遷したものと思われる。 ---- **総評 綺麗にまとまった内容やとっつき易さで、シリーズ最高傑作の呼び声が高く、多くの人が楽しめる。~ 「手軽に遊びたい」「RPGは未経験」という人にはオススメ。 ---- **その後の展開 -現在はPSP・PS3・PSVitaのゲームアーカイブスで購入可能。 -今回の「ガミガミ魔王」の冷遇っぷりは後の『[[ポポロクロイス 月の掟の冒険]]』で解決されている。~ ピノン(ピエトロとナルシアの息子)を終始バックアップするナイスミドルなおじ様になっている。

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