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イース セルセタの樹海 - (2015/12/18 (金) 00:30:00) の最新版との変更点

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*イース セルセタの樹海 【いーす せるせたのじゅかい】 |ジャンル|アクションRPG|CENTER:&amazon(B008DRIFYU)| |対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~| |発売・開発元|日本ファルコム|~| |発売日|2012年9月27日|~| |定価|通常版:7,140円&br() イース生誕25周年記念パック:8,925円|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|暴力|~| |分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|20年後しの純正イースIV&br()前作の不満点は軒並み改善&br()バランスはパッチでいくらか修正&br()シナリオが少々雑|~| |>|>|CENTER:''[[イースシリーズリンク>イースシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『イースIV』のリメイクであるが、これまではライセンシーのみからの販売であったため、ファルコムとしては&bold(){完全新作}を謳って開発された。~ その前提からか、以前の作品では「I・IIの続編」という色合いが強かったが、本作ではその名残はほとんどなくなっており、別個の独立したイース作品という立ち位置になった。~ ゲームシステムは『[[イースSEVEN]]』を更に昇華させたもので、作品としてのクオリティはハード性能に比例して向上がはかられている。~ またイース生誕25周年の特典として、歴代の名曲をアレンジした「イース古今曲集」、アドルが綴ったという「世界地図のクリーナー」~ 本作をベースとして収録されたおなじみのドラマCD、そして発売間近で急遽追加された「歴代ヒロインのオリジナル描きおろしイラストカレンダー」が付属する。~ シリーズ伝統となったキャッチフレーズは「&bold(){冒険心を呼び覚ませ。}」 **シナリオ ゴールドラッシュに沸くロムン辺境の街キャスナン―――~ 赤毛の青年が、鉱員や人足が行き交う中を彷徨っていた。~ その肩が荒くれ者の鉱員にぶつかり、~ 因縁をつけられて、したたかに殴りつけられる。~ 「ここはー体どこなんだ? ・・・・ ・・僕は ・・・・ 誰だ?」~ 青年がつぶやいた、その直後のことだった。~ 「おい、アドル、アドルじゃないか!」~ 不意に声をかけてきたのは銀髪で偉丈夫と言ってもいい体躯の持ち主だった。~ もちろん青年には見覚えがない。~ 風貌のわりに馴れ馴れしく、妙に軽薄な男は情報屋のデュレンと名乗った。~ デュレンによると、どうやら自分の名前はアドル・クリスティンというらしい。~ 数週間前にこの街でデュレンと出会ったアドルは~ 地元の人間も滅多に踏み込むことのない<<セルセタの樹海>>へ旅立ち、~ その後消息不明になっていたというのだ。~ 魔の領域と呼ばれる<<セルセタの樹海>>で一体自分に何が起こったのか?~ 何故自分は一切の記憶を失くしてしまったのか?~ 真相を確かめるため、アドルはデュレンとともに~ 禁断の地<<セルセタの樹海>>に再び挑む決意をするのだった―――。~ **ゲームシステム -基本的にはイースSEVENのものをそのまま引き継いでいるため、そちらを参照。以下は新規追加されたものとする。 -フラッシュムーブ --フラッシュガードの回避行動版。発動させると、少しの間画面がスロー再生となるが、自身は通常の速度で移動できる。この間、無敵になるので殴り放題である。 ---フラッシュガードともどもトロフィーの項目に組み込まれているので、気になる人は慣れなければならない。 -パーソナルアクション --キャラ固有の特殊アクション。壁を壊すといったような進行には絶対不可欠なものだが、アドルの初期アクションのみ、使わなくともクリア可能。 -クエスト --今回はちゃんと依頼主から受注することになっており、前作の曖昧だったシステムが改善された。 -武具強化 --今回は素材を使って強化のみ行い、作成はできない。毒・凍結・炎上などのパラメータがあり、下限が0で上限が9までとなっている。どれか能力がアップすれば+nとなり、パラメータは8個存在する。~ 故に最高値は+72となる。 ---素材は店で買えるもの、敵が落とすもの、樹海やダンジョンで採取できるもの、交換所で交換することで入手できるものがある。 -周回特典 --前作の強い批判点であったものが、目出度く実装された。周回時にはレベル、所持アイテム(イベント系除く)、装備、スキルおよびそのレベル、樹海踏破率やアイテム採取率を引き継ぐ。というか、イベント絡みの要素以外全て引き継ぐ。~ また、2週しないと絶対に収集できないものや大金を投じないと入手できないものも増え、やりこみ要素が上がった。 -トロフィー --本作というよりは、PS Vitaの特徴の一つ。アイテムの収集率や、動物に好かれた(街の動物に素材を上げる)数等、ユニークなものもある。 -コンボ --エアリアル(空中殺法)、エクセレント(弱点属性殺法)、スキルフィニッシュ等による。ただし、これが問題点の一つとなっている(後述)。 -記憶 --記憶に触れることで、アドルの失った記憶を取り戻していく。アドルのステータスが上がったり、味方のHP・状態異常が全快したりする。きおくのちからって すげー! -地図 --グリゼルダから依頼されることで実施可能。セルセタの樹海を歩いて、空白の地図を埋めていく。踏破率が10の倍数に達する度に報酬がもらえる他、ルートの確認や宝箱の取り逃し・採掘ポイントなどをチェックできて便利。 **キャラクター #region(要展開) -アドル・クリスティン --ご存知赤毛の主人公。今回は記憶を失っている。今回の属性は斬で固定。しかもレギュラーから外せる。 --前作でも掛け声だけついていたが、今回はバトル中ならそこそこ喋るようになった。担当声優はこれまでの草尾毅氏から梶裕貴氏に変更になっている。%%だからといって「美少女起こしてくれー!」とは言わない。%% --容姿はこれまでと比べて非常にカジュアルとなっている。記憶を失う前も同じ格好だったことから、イメチェンでも目指したのだろうか。 --本編でセリフはない((幼少時代のセリフはある。))が、ADVのような選択肢が出るようになり、Yesマン・アドルを返上した。その中には、ツッコミを入れたくなるようなものもある。 --パーソナルアクションは記憶の回収と古代兵器の停止。全般的に高めのステータスで穴がなく、スキルも用途に富む汎用性高いバランス型。そして最後に習得するスキルがえげつないほどの性能を誇っている。 -デュレン --プレイアブルキャラ。属性は打。人格や体格はドギに似た印象のキャラだが、壁壊し担当では無い。 --記憶を失ったアドルを介抱し、冒険の手引きをする頼れる兄貴である。アドルに「このお人好しめ」と嘆息するが、当人がそれを上回りかねないお人好し。 --にも関わらず、フリーダやニア、そしてカンリリカからの扱いが悪いことから、苦労人というイメージがつく。%%公式のプロローグの項でもぞんざいな呼び方である。%% --パーソナルアクションが宝箱の鍵開けなので、某所では「鍵さん」「キーマン」と呼ばれている。スキルに若干癖がある上に玄人向け((唯一のマイナス面もあるスキルなど))なので、ドギが担当していた打属性及びスタン担当をカンリリカが取って代わっていることから、鍵開け時しか使われなかったりするため。不憫な。 --パッケージでは何故かセンターを飾っており、その迫力からか主人公よりも目につきやすい。 -カーナ --プレイアブルキャラ。属性は突。 --コモドという樹木を街にした場所で住んでいる。下手な男よりも腕が立つ元気娘。 --酒でもないのに酔っ払って寝落ちしたり、久方ぶりに再会したアドルに抱きついたり、実父にアドルとの婚姻を仄めかされても素でいたり、かなり天然気質が強くなっている。 --メンバー唯一の遠距離攻撃キャラで、ナイフを投げつけて攻撃する。安全な位置から一方的に攻撃でき連射も効くので、SPゲージをためるのに優秀で状態異常も起こしやすい。攻撃の隙が少なく射程も取れるため、的確に反応すれば被弾しにくく、手元の弱さをフォローして余りある広範囲な周囲攻撃スキルもある。 --これらが非常に現れるのは実は自分が操作している時よりも随伴時で、一人だけHP減ってなかったりする。ただその代償として防御力がかなり低く、高難易度設定では一発即死なんてことも。攻撃力の無さも手数でフォローできるとはいえ、少し厳しい。 --パーソナルアクションは投げナイフによる吊り下げられた物の落下、そして足場の確保。 -オズマ --プレイアブルキャラ。属性は突。 --セルレイの若きリーダー。武器は銛。というか手槍。 --真面目で口数は少ないが、その性格さ故にツッコミもいちいち真面目すぎて逆に面白い。 --パーソナルアクションは槍による''水中の''壁破壊。そのため、水がなければわざわざギミックを使って水没させないといけない。%%今回のドギポジションだろうか。%% --デュレン以上にスキルに癖があり、使いこなすには慣れが必要。通常攻撃もリーチ・攻撃力はあるが、出が遅く判定が細く隙も大きい。連射がある上に隙が少ないカーナと違い、使いにくい感は否めない。 -カンリリカ --プレイアブルキャラ。属性は打。 --ハイランドのエルディールに仕える「使徒」の(自称)筆頭候補者。武器は魔力を伴ったメイス。これで色々なものをぶっ飛ばしたりする。 --思春期な年頃なのか、非常に大人ぶった生意気な少女。デュレンの天敵。 --体力こそ少ないものの防御力は高く、通常攻撃も出が早く唯一の6連撃で更にフィニッシュ付きと使いやすい。そしてデュレンを遥かに凌駕するスタン奪取能力の持ち主であり、ボス戦でも大活躍。他のスキルもザコ掃討からボス戦まで強力なものが揃う。デュレンの株を奪い去る魔性の少女。 --パーソナルアクションは、メイスによる魔法機器の起動。 --名前の由来は、アイヌの英雄シャクシャインの&bold(){息子}だが、何故それを引用したのかというと、初期原案((初期案では、カンリリカはダナンの長老というポジションだった。それがどうしてピンクロリになったかは、スタッフ曰く「キャラデザイナーが描いたサブキャラのイラストが良すぎたため、設定は基本そのままにプレイアブルキャラに昇格した結果」とのこと。))のせいと思われる。%%打属性だからロリ担当という訳ではない。%% -フリーダ --プレイアブルキャラ。属性は斬。 --デュレンの幼馴染で、ダナンの戦士。お姉さんである。自分でもそう言う。 --武器はハルバートで、長い射程と横に広い攻撃範囲がウリ。通常攻撃でも雑魚を数匹纏めて攻撃しやすく、雑魚殲滅に特化している。…というか、&bold(){女性キャラが優遇されすぎ}(男性キャラが冷遇ともいう)である。 --ただし、武器の属性がお馴染みの主人公にして高汎用性&強スキル持ちのアドルと被ってしまったのが不幸であり、瞬間火力の低さもあって強さの割りにユーザーからの使用率は低い。 --パーソナルアクションは氷結魔法による瘴気口の封印。使いどころがかなり限定的。 --ニアという人造精霊を連れている。前作に登場したバンダナの傭兵に近いものを感じるが。明言こそされないが、どういう関係なのかは作中で少し語られる。 -リーザ --エルディールに仕える使徒。お淑やかで穏やかな性格ながら、大切なものを守るためなら戦う強さもある…という典型的ヒロインなのだが、実は&bold(){とんでもない能力}を持っている。 --詳細は割愛するが、初めて見たときは絶句必至。更にその後やろうとすることに更に絶句してしまうだろう。 --上記を除けば、至ってシンプルな王道ヒロインといえる。除くには厳しい重要設定だが。 --過去作では扱いが結構あんまりな彼女であったが、本作ではちゃんとヒロインしている。ただ絡みはあまり無い%%ため「セルセタではアドルがヒロイン攻略をしなかった」「というか誰がヒロイン?」と言われる始末%%。 -エルディール --ハイランドの奥地にある塔に住む有翼人。 --飄々とした性格で中々に喰えない性格。リーザが呆れるくらい整理整頓が下手。 --どうやら、アドルは彼と面識があるようだが…? -レムノス --カーナの双子の弟、ということに今回はなっている。 --狩り中心の生活をするコモドに居ながら、音楽を弾いたり伝承の研究を好む優男。男衆のウケは悪いが、女衆からのウケはいい。 -スパーダ --セルレイの限られた人間(本作ではオズマのみ)に飼育されている聖獣。 --激流も容易く泳げ、背中に人を乗せて水上を移動できる。見た目は某ハンティングアクションゲームの海竜種に似ている。 --恐らくだが、CEROがBになったのはこの聖獣のとあるシーンが原因と思われる。 -グルーダ --キャスナンに赴任したロムンの青年軍人。 --物腰柔らかい、穏やかな性格だが…? --アドルより小柄で、公式HPではっきり「短身」と書かれたアワレな人。過去に発売された全てのイースIVにも登場しているが、別に低身というわけではなかった。 -ガディス --腕に鞭のような武器を仕込んでいる大男。言葉遣いが悪く、粗暴な性格をしている。 --オズマとは意外なもので確執を生むことになる。 -バミー --ガディスと顔見知りらしい、妖艶な女性。性格は冷酷無比で、やや古臭い高笑いが特徴。 -レオ --ちょんまげ風味の侍風剣士。「雷光のレオ」と呼ばれる。PCエンジンのIVでは悪役キャラだったが、本作ではギャグキャラである。 --更に加えれば、唯一のツンデレキャラである。[[イースVI>http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/1302.html]]といい、ファルコムは男のツンデレが好きなのだろうか。 -サンチョ&パンサ --レオに引き連れられているロムン軍兵士2人組。 --愚痴などが多く、レオに引き回されている感がある。毎度繰り広げられるレオとの%%漫才%%掛け合いが面白い。 -グリゼルダ --キャスナンに赴任した総督。アドル達に地図の作成を依頼する。彼女の素性にはある秘密が・・・。 -ヴァンジョー --ダナンの里の長老。 --カンリリカが昇格した後のためか、どこかで見たことあるような、声にギャラクシーが付きそうな見た目。 #endregion **評価点 -&bold(){大きく向上したグラフィック} --ハードが進化したので当然といえば当然だが、グラフィックは非常に滑らかになっている。 --ある程度であるがアップ気味と引き気味に画面を調整できるため、大きめのキャラでアクションを楽しむもよし、広い視界を取って戦うも良し。 //((ただし、メニュー画面等以外はネイティブ解像度ではないので少々ぼけてしまっている。))←脚注にするくらいなら堂々と。また「等以外」という表現もよくない。具体的に。 -&bold(){更に向上したアクション} --キャンセルが可能で、通常攻撃からのスキルやスキルヒット→キャンセルスキルはもちろん、スキルヒット→キャンセルダッシュしてフラッシュムーブ→更にスキル使用、など畳み込むような連携も可能。 --キャラチェンジは更に可能なポイントが多く、スキル発動→直後に別キャラに切り替えて同時攻撃、などもできる。 --クリティカル連発できる攻撃的でハイリスク・ハイリターンなフラッシュガードか、比較的楽に発動できる防御的でローリスク・ローリターンなフラッシュムーブかという選択も発生。上級者のフラッシュガード・フラッシュムーブを駆使したボス戦は見応えがある。 --しかしこういったテクニックを狙わなくても、ノーマル程度なら十分にクリア可能。柔軟性は更に増しているが、攻略上必須でもないという良調整は変わらず。 --スキルは強力だが、そのゲージを効果的に溜めるには何も攻撃しないでチャージしてからの攻撃となるため、連続したスキル使用は制限される。 --随伴するキャラも攻撃するかさせないかの設定が可能。スキルに熟練度が設定されたため、攻撃させない設定の出番は結構多い。 -&bold(){良好な操作性} --前作ゆずリの良好な操作性に加え、VITAの画面タッチ機能等を加えてある。 --マップ表示やアイテム画面呼び出しを画面タッチでショートカット表示可能。同様にマップ上のワープポイント指定やマーキングも可能。 --画面を触らずとも、従来通りのカーソル&ボタンでも同様の操作が可能。 -&bold(){前作を正当に引き継ぎつつ不満点を改善} --SEVENでの攻撃属性がモンスターの弱点と違う場合「斬属性以外はほぼノーダメージ・斬属性でもカスダメージ」が改善され、プレイヤーが操作しているキャラなら弱点属性以外でもある程度のダメージは通るようになった。モンスターも属性が無いものが増えたため、どれかでないとということも減った。攻撃重視にすれば味方がかなり積極的に攻撃するため、任せてしまうのも可能。これによりモンスターに合わせて一々キャラチェンジしなくても戦闘継続が十分可能となった。 --その他にも、依頼や武具強化が大幅ボリュームアップする、ボスラッシュの装備など、本Wikiで上げられている『フェルガナの誓い』や『SEVEN』の不満点はほぼ全て改善策が取られている。 --一方で、&bold(){サクサク進むザコ戦}と&bold(){手応え有るボス戦}、&bold(){幅広い難易度の間口}など好評な点はそのままにしてあり、ユーザーの評価に真摯な姿勢が見える。更に難易度はいつでも引き下げ可能(上げるのは不可)になり、これは難しいと思えば進行度はそのままに難易度を下げられる。 --ただ周回引き継ぎなどは改善されすぎた感がある。詳細は賛否両論点参照。 -&bold(){評価が高い楽曲} --安心印のファルコムサウンド(ただし純正に限る)に漏れず粒ぞろい。 --新規に追加されたものは非常にクオリティが高い、特に「神代の地」は本作筆頭の人気曲。 --原曲アレンジも「燃ゆる剣」の正当アレンジ、「バトル#58」のような原曲再現アレンジ等評価は高い。しかし、原曲アレンジについては全てが全て素晴らしい出来にはなれなかった(後述)。 -新規のシナリオ --完全新作と謳うだけあって、他のイース4をプレイしていたとしても、全く違うシナリオを楽しめる。 --基本設定は同じなので完全新作といえるかどうかはあるが、それ以外はほぼ全てといえるほど一変しており、リメイクの範囲では無いことも確か。 -やりこみ要素の大幅アップ --トロフィーや地図の踏破等、一筋縄ではいかないやりこみが評価されている。特に樹海探索はシナリオに密接に関わっているため、ゲームとの相乗効果が高い。 ---なお、察しはつくと思うが、マップ踏破率や宝箱回収率などは95%くらいからが地獄。幸い、周回しても踏破状態などはそっくり引き継がれるので、1周目は諦めて2周目に回すのもあり。 --これまで恒例となったボスラッシュも帰ってきただけでなく、それが「記憶」メニューと同じところにあるのが粋である(要は戦いの記憶とでもいおうか)。個別のボスを指定してタイムアタックも可能。 --シリーズ恒例だったがSEVENではなかった、ラスボスより強い裏ボスもしっかり居る。 --集取できる素材も効果がすごい薬を作ったりなどに必要で、下位素材は上位素材に交換可能。そういった素材集めもやりごたえある。 -溺死対策 --SEVENでは水中に入ると溺死してしまう%%不具合%%が、本作では泳ぐようになったことで改善された。ひょっとして、アドルが軽装になったのはこのためか? //前作とはなにをさしていますか?溺死する過去作がありましたか? //=>SEVENでは水深の深い(ゲームが進み、潜水できるようになるアイテムを取ることで進めるようになる)とこに入ると突然、窒息死する仕様でした。 //SEVENにおいても水深の深い所では短いながらも酸素ゲージが表示されます。"即"溺死や突然という表現は正しくないのでは? -VIとの関連性 --ダナンという街にて、シリーズのあるキャラの設定が明らかになり、シナリオの整合性が取られた。 --今回では竜神兵が数多く登場していることから、VIとの関連が強く表れている。 --これにより、続く[[V>イースV -失われた砂の都ケフィン-]]のリメイク((明言されたわけではないが、インタビューで「いつか作りたい」と社長が発言している。))でもこの設定が盛り込まれるのではないか、とファンの期待の声が上がっている。 //-優れたGUI //--今作は全面的にタッチで使うことを前提としたGUIとなっており、直感的に操作しやすい上、タッチ操作の便利さを実感できるGUIとなっている。 -秀逸なOP --前作が完全に紙芝居(アニメーションすらない)だった反省からか、トゥーンアニメーションを使ったぬるっとした動きで、熱いOPを演出した。 --ただし、実際のムービングについては従来のファルコムと同様なので、過剰な期待は禁物。 --楽曲は「The Dawn of YS」ではなくなったが、OPの曲も中々にテンション向上に一役買う熱い一曲。しかも、終盤では…。 #region(OPおよび関連曲(後者はネタバレのため閲覧注意)) -OP &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=DdFqHBFaRiU){300,200} -ラストバトル一戦目 &youtube(http://www.youtube.com/watch?v=TgA0Lc5g8cE){300,200}~ ご覧の通り、OPをフルオケアレンジしたものとなっている。~ ラストバトルでのOPアレンジは、イースとしては初めての試み((ラストバトルがオーケストラ調なのはV以来。))であり、~ ファルコムとしては「零の軌跡」、「Zwei!!2」以来。 #endregion **改善点 1/10より、公式サイトから修正パッチが配布され、ゲームバランスの調整が図られた。~ コンシューマ機では初の対応である。 -白銀の魔 --白銀の「間」というダンジョンで、様々なバグが散見されている。どれもゲーム進行に影響があるため、ここの攻略にはこまめなセーブが必須。 --これ以外でも、戦闘中等のフリーズバグも解消された。 -表示バグ --地図で表示されるあべこべな宝箱や採取場所が修正された。 -各キャラの性能の調整 --アドルの最終技、並びにカンリリカのブリッツチェイサー等の壊れ技が少々弱体化。ブリッツチェイサーは多段ヒット時のダメージが減った。 -ボスの難易度の調整 --前作と比べて、ボスの凶悪度が鳴りを潜めていたが、全体的にモンスターの性能が強化された。 --特に最弱と言われていたヴォルナークが顕著で、開幕数秒で倒す、という事態は流石に無くなった。 -UIの改善 --メニュー画面の操作が快適になった。 //あくまで公式の見解なので、具体的な部分が書ける方お願いします。 なお11/7より修正パッチVer.1.02が配信され、以下の点に調整が入った。 -タッチ専用操作をワイヤレスコントローラに対応(PS Vita TV) -一部のタッチ専用操作をボタンやスティックに対応(PS Vita) --右スティック上で「攻撃優先」指示、下で「回避優先」指示、左右で画面の拡大縮小ができるようになった。 -描画処理速度の向上 **問題点 -バトルのテンポ --何かしらのコンボ殺法や弱点属性での撃破などをするとヒットストップがかかり、戦闘中事あるごとに画面が止まってテンポがやや悪い。 --明確に停止といえるほどスロウ効果がかかるのはスキルで倒した場合のみで長くはないが、それは普通に多いのでそこまでの演出が要るのかという点なども、気にすると気になる程度。 -楽曲の削除 --新作ということだけあってか、多くの楽曲が削除の憂き目にあっている。 #region(削除等の詳細) |CENTER:曲名|CENTER:収録|CENTER:備考| |復活の儀式|○|| |THE DAWN OF Ys|○|OPではなくテーブルマウンテン| |プロマロック|○|曲自体はキャスナンにおいて使われている。プロマロックという街は消滅した(作中では行き先が閉鎖されていて進めない)| |THE SYOBAININ|×|買い物画面ではBGMは変化しない| |涙の少年剣士|○|記憶シーン| |カーナ|×|| |ロムン帝国|○|レオ将軍のテーマとなった| |フィールド|×|| |優しくなりたい|○|盗作疑惑あり| |壊れた砂時計|×|| |ダンジョン|○|| |バトル#58|○|| |溶岩地帯~エルディールにくちづけを|○|導きの塔。曲名もそれに倣って変更| |五忠臣|×|| |偉大なる試練|×|盗作疑惑あり| |闇の一族|×|ゲーム中に描写はある| |セルセタの樹海|○|| |追憶の彼方に|×|| |燃ゆる剣|○|| |賢者|○|| |古代の伝承|○|ダナン| |リーザ|×|| |伝説へ続く道|×|| |リーザ~胸に秘めた想い|×|| |聖域|○|イリス最深部| |エルディール|○|| |流砂の渓谷|×|| |不安|×|| |紅の翼|×|| |THEME OF ADORU 1993((正式には「THEME OF ADOL 2012))|○|タイトル画面。オルゴールアレンジ| |お家|×|| |道化師の誘い|○|聖獣の棲家| |幻覚|×|| |悲しくて|×|| |レファンス|○|| |古代都市胎動および始動|×|| |青銅の街区|×|| |蒼い月の詩|×|| |太陽の神殿|×|| |アレム|○|ある楽曲の間奏に組み込まれている。| |灼熱の炎の中で|○|汎用ボス戦| |最終決戦|○|| |新たなる始まり|×|代替えとして「新たなる時代のステージへ」を収録| |FANTASY HORIZON|×|| |塔|○|イリス専用曲。曲名も変更| |クレーター|○|元未使用曲| ただし、最後の楽曲等、復活したものもあるので一概に問題点とするかは人によると思われる。 #endregion -SEVENよりは悪化したAIとロード --明らかに届かない敵にも反応してしまい、目の前の採掘などがやりにくかったりする。 ---そういった遠くまで届くキャラやスキルがあったりするので、無駄な機能という訳ではないが、面倒なのは確か。 --随伴キャラのAIがやや劣化している ---広範囲攻撃を避けきれず食らうことが多く、水中など回避に制限がかかっている状態でもよく食らう。キャラとボスによっては全く操作していないのにHP1ということも…((SEVENでは無敵の回避で避けていたが、本作のダッシュには無敵時間が無い&随伴キャラではフラッシュムーブが発動しないことが影響していると思われる)) ---障害物回避しての移動は少し賢くなったが、その分かワープをかなり離れない限りしなくなったため、結果として地形に引っかかることが多くなっている。 --ロードも「Now Lording…」をほぼ見なかったSEVENと違い、暗転が各所で目立つ程度にはある。 --もっともこれらもかなり優秀だったSEVENと比較しての話であり、重大という程ではないが。 -バグが多い(修正パッチ適用前) --発生率は高くないが、ゲーム進行上重大なものもあり、修正パッチ必須。パッチ当てても表示上は残るものがあり、初回プレイ前に当てるのが望ましい。 --重大ではなく一部だが、まだ修正されていないのものもある。 -代わり映えしないバトル --基本的に7から大きく変化したわけでもないので、もう少し目新しい要素が欲しかったかもしれない。 --一応変わっている要素としては、樹海に周辺モンスターと釣り合わない強さの大型モンスターがいきなり配置されている、というサプライズは用意されている。初登場時に挑むと殺されること必至である。 --通常モンスターより大きめ強めの強ザコといえるモンスターや、ザコが密集していて連携っぽい攻撃をしてくる場所、黄金のピッカードというレアモンスターなどもあって、掃討していけるザコとは違う程良いアクセントとなっており、単調さはやや改善されている。 -魔法具付け替えが面倒 --冒険の至るところで付け替えが必要で、いちいちメニューを開いて装備しなければならないため面倒。 ---画面上の魔法具をタッチすれば魔法具変更画面にショートカット出来るが、画面下中央にあるためやや押しづらい。 -パーソナルアクションもちょっと面倒 --パーソナルアクションが必要な時にそのキャラをパーティに組み込んでいない場合、パーティ編成画面を開く→キャラを組み込む→戻る→アクション、と手間がかかる。 --デュレンの鍵開けなどは必要なのがその場では1回だけで纏まっていないため、面倒だと余計に感じる。フリーダやオズマは、地域やダンジョンによって必要となるのでやや纏まっており、まだマシだが。 -タッチパネルギミックが半端 --序盤のダンジョン二つの石板パズル、カエルのお宿の石積みなど、難易度がかなり低い上に発生回数が少なく、わざわざギミック化する必要があるのかよく分からないものが結構ある。 ---水中遺跡や黄金の間などを見ればタッチパネルで操作して行うギミックの必要性は分かるが、もう少し数を増やすなりメインを張れる要素にすべきだと思われる。おそらくはメーカー側も初VITAであり、手探りとテストな面があったのだろうが。 -シナリオ --SEVENよりは劣るという評価が多く、シナリオだけはSFC版などの方が良いとの評もある。 --結構なことをやらかしたキャラがしれっとそのままだったり、反省や許しも無いかあっさりしすぎている。敵キャラが顔見せの後の出番は殆ど倒す時だけ、終盤の危機感の演出も薄いなど、粗いというよりもっと丁寧に描写すべきだったのでは、という点はいろいろ有る。 --リーザの扱いも軽く、いろいろ設定が追加された割には重要性が低い。プレイヤー視点で初登場も時期がかなり遅く、絡みも少なく、これといってインパクトもない。別の方向ではインパクトがあるが…。 **賛否両論点 -なお緩い難易度 --戦闘中に使えるアイテムに上限がなく、蘇生アイテムなども最大99個まで使用可能。余程のことがない限り全滅は有り得ない。 --また、周回引継ぎ要素が、イベントアイテム以外ほぼ全て、レベルも武器も道具も引き継ぐ、とフェルガナに比べてかなり軟化したため、難易度低下に拍車をかけている。 ---難易度を上げたい人は、使用アイテムの個数を制限するなど縛りプレイをするしかない。装備品を制限すれば、実質的に攻撃力・防御力が下がったことになるので、高難易度モードと同じ感覚にはなる。 ---高難易度設定にすれば歯ごたえは十分あるし、ボスラッシュのタイムアタックなどもある。やさしくできるが元からやさしい訳では無い。ユーザーに委ねられる裁量が多い分、フェルガナよりかなりマシ。 //シリーズ全体を見ればむしろ初心者に「優しい」のは当然でフェルガナのような高難易度ぶりが異常だったのでは? //↑優しいってのは易しいとは違うよ。それにファルコム的には既に優しいイースは6で終わってる。フェルガナはともかく、あくまでSEVENと比較してることを考慮して下さい。 -原曲アレンジの出来 --アレンジで取り沙汰されるのは、人気の高い「セルセタの樹海」および「The Dawn of YS」。~ 前者はPCE版ではなく、原曲準拠のものとなっているため、PCE版等にあったアレンジがなく視聴時間が短い((その代わりか、1フレーズの主旋律を入れ替える手法を行なっている。))。逆に「バトル#58」はアレンジが盛り込まれている。~ アレンジ自体は決して悪くないのだが、直前のマップで流れる「燃ゆる剣」のアレンジが秀逸すぎるため、こちらのアレンジが地味に((曲によって「原曲に忠実」「大幅アレンジ」と二分されていることが原因。))聴こえてしまう。~ 後者のThe Dawn of Ysは[[吹奏音メイン>英雄伝説 零の軌跡/碧の軌跡]]のため、かの[[&bold(){パペパプー}>イースIII ~ワンダラーズ フロム イース~ (SFC/PS2)]]を再現している&bold(){トンキンアレンジ}((イース3(SFC版)の、余りにも個性的すぎる編曲にちなんで。))、と評されている。~ アレンジ手法に大きな差が出てしまっているため、この辺りはもう少し作曲に統一を見せて欲しかったという意見もちらほら。~ そのため、原曲アレンジよりも初収録となった新曲のほうが人気が高い、という『フェルガナの誓い』とは真逆の評価が一般的。 -ED --あっさりしすぎている。しかもナレーションはそれを煽るような文句となっており、この点についてはもう少し後日談が知りたいという意見が多い。 ---ただし、アドルの著作による冒険譚は本作から始まったので、後日談がわかると却って不自然という解釈も出来る。 //今作は冒険譚をひも解いている第三者による語りという体裁であり、アドル・クリスティンという人物が「冒険譚としてここから先は書く必要はない」と思ったことは書いていないという意味で。 -ギミック要素のテンポの悪さ --ダンジョンには仕掛けが多く設置されているが、起動すると画面が数秒間操作不能となる。そして、何故か最後に若干画面をズームアウトさせている。意味はあるのか?~ 特にラストダンジョンのある場所では、それを頻繁に起動させなければならないため、攻略には否が応でも時間がかかる。 //-ガディスの改変 //--粗暴の悪さは相変わらずだが、言ってることは間違っておらず、割とまともなキャラにされている。ボイス付きで「ぶっ殺してやるー!」が聴けないのも少し残念。←PCエンジン版のガディスは言動と意思がちゃんと理解できる普通の悪役。それに悪役に間違ってるもなにもない。 //---一応、デモムービーでは&bold(){「ぶっ殺してやる(冷静)」}を聴けるので本当に聞きたい方はそちらへ //-ヒロイン?リーザ //--一応ヒロイン筆頭ではあるが、ゲーム本編でやったことは(誤解していたとはいえ)正直褒められたものではない。そしてお咎めなしでシナリオにしれっと参入する。 //リーザはグルーダから太陽の仮面の効果について嘘を教えられていたので、誤解と言うより騙されていたのでは? 誤解と騙されたとでは行動の評価が違うと思いますが。 -シナリオ --テンプレート通りで良く言えば王道、悪く言えば捻りがなく予想がつきやすい。 --ただイースシリーズは基本そんなシナリオばっかりなので、そもそも求める人は多くないだろうし大した問題ではないが。 -背面タッチパネル --発売前には上下左右フリックで細かい指示が出せる触れ込みだったが、いざ発売してみたらピンチアウト/インで「回避優先(要は採取のみ実施)」と「攻撃優先」の二つのみ。~ というか、アクションゲームで背面タッチとはやりづらいという意見も少なくない。むしろ誤発動しやすく戦闘中の意図的な発動が少し難しい。 ---前述の通り修正パッチVer.1.02で、右スティック上に「攻撃優先」、下に「回避優先」が割り当てられ改善された。 **余談 -副題として「セルセタの樹海」がつけられているが、収録している楽曲には名曲である「セルセタの樹海」が含まれている。~ また、新OPの曲名は「The Foliage Ocean in CELCETA」。訳すと「&bold(){セルセタの樹海}」である。こだわりが凄いが、使いすぎでややこしい。 -楽曲の一つである「溶岩地帯~エルディールに口づけを~」という曲はその名の通りの場所で使われていたが、~ 本作では「&bold(){導きの搭}」で使用されているため、サントラでは前述通り「導きの塔~エルディールに口づけを~」という曲名に変更となった。~ ちなみにこの曲、前述の「イース古今曲集」にアレンジされており、その際は「溶岩地帯」となっている。紛らわしい。 -PCE版等で問題視された楽曲、「偉大なる試練」は削除されている。 //流石にファルコムも偉大なる%%豚%%貴族の試練に立向うことはしなかったようだ。←何のネタかわからんが侮辱はよろしくない。 --しかし、ウルトラマンレオの曲に酷似しているとされる「優しくなりたい」は収録。基準がわからない。 -古今曲集のアレンジは大体は生音によるクオリティアップなアレンジであるが、「Mighty Obstacle」だけはFM音源によるマイナーアレンジとなっている。 -直前の冒険で共にしたドギやリリアは、記憶や選択肢に出るだけに留まっている。リリアはともかく、ドギはこの冒険のさなかどこにいたのだろうか((記憶でセルセタまでは一緒であり、ドギだけ一時的に離れることが語られているので、その間に全ての事件が起こって終わったと推測される。))。~ PCE版のラスボスも、もしかした何らかの形で出てくるのでは?とファンをやきもきさせたが、そんなことは全くなかった。 -楽曲削除に当たり、シリーズでは唯一&bold(){ヒロインの名を冠したテーマ曲が使われていない}作品となった。 -生誕25周年パックは、その特典の豪華さと汎用性、およびゲーム自体の需要もあってか早々にプレミアが付いている。 -発売して時間が経ってないせいもあるが、今では当然となったDLC等は特に予定されていない。また、10月15日には体験版が配信されている。 -アンサイクロペディアでは発売&bold(){わずか3日}で記事が作成されている。当然(?)「ネタバレ」カテゴリを含んでいる。 -2011TGS発表の際にPVが流されたが、そのPVではイース7をグラフィックを改良しただけのようなゲームになっていたため、「本当はPSPで出すつもりだったのは?」と当時、ユーザーから勘繰られていた。 --さらに言えば、そのPVで使われた新曲は何故か本編ではお蔵入りの曲となってしまい、幻の曲となった。 **総評 いつも通りのイースで、評価の高かった前作SEVENを正当に進化させており、難易度の間口もかなり広く取ってあるため、アクションゲーム苦手な人も熟練者も新規も古参も楽しめるだろう。~ 自由度・やりこみ要素は更に増しているが必須はかなり低くとってあり、「できる」のであって「やらされ」ではない感覚が、爽快感と共に救世ではなく「冒険」である、というテーマにも通じている。 ホコリの出ない作品はないので、ある程度の問題はあるものの、修正パッチがあるためゲーム進行に影響のある問題点はほぼ解決され、名作の保証は折り紙つきといえる。~ 値崩れも無く、売値は安定している。初週売上は4万2千本となった。ファミ通クロスレビューでは9点、9点、9点、8点でプラチナ殿堂入りを果たした。ちなみにファルコムのゲームでプラチナ殿堂は本作が初である。海外の評価サイトでも「VITAを持っているならプレイすべき」と高い評価を得ている。~ さすがにハードのキラーソフトとは言えないものの、普及率を考えればまずまずの成果。PS Vitaでほどよいアクションがプレイしたい人には、うってつけの作品である。~
「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。 ---- *イース セルセタの樹海 【いーす せるせたのじゅかい】 |ジャンル|アクションRPG|CENTER:&amazon(B008DRIFYU)| |対応機種|プレイステーション・ヴィータ&br()Windows(Steam)|~| |発売・開発元|日本ファルコム&br()【Win】Xseed Games|~| |発売日|2012年9月27日&br()【Win】2018年7月26日|~| |定価|通常版:7,140円&br() イース生誕25周年記念パック:8,925円&br()Win版:2570円|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|暴力|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|20年越しの純正イースIV&br()『SEVEN』の不満点は軒並み改善&br()バランスはパッチでいくらか修正&br()シナリオが少々雑|~| |>|>|CENTER:''[[イースシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『イースIV』のリメイクであるが、これまではライセンシーのみからの販売であったため、ファルコムとしては&bold(){完全新作}を謳って開発された。~ その前提からか、以前の作品では「I・IIの続編」という色合いが強かったが、本作ではその名残はほとんどなくなっており、別個の独立したイース作品という立ち位置になった。~ シリーズ伝統となったキャッチフレーズは「&bold(){冒険心を呼び覚ませ。}」 -ゲームシステムは『[[イースSEVEN]]』を更に昇華させたもので、作品としてのクオリティはハード性能に比例して向上がはかられている。 -またイース生誕25周年の特典として、歴代の名曲をアレンジした「イース古今曲集」、アドルが綴ったという「世界地図のクリーナー」、本作をベースとして収録されたおなじみのドラマCD、そして発売間近で急遽追加された「歴代ヒロインのオリジナル描きおろしイラストカレンダー」が付属する。 **ストーリー >ゴールドラッシュに沸くロムン辺境の街キャスナン――― >赤毛の青年が、鉱員や人足が行き交う中を彷徨っていた。~ その肩が荒くれ者の鉱員にぶつかり、~ 因縁をつけられて、したたかに殴りつけられる。 >「ここはー体どこなんだ?……僕は……誰だ?」 >青年がつぶやいた、その直後のことだった。 >「おい、アドル、アドルじゃないか!」 >不意に声をかけてきたのは銀髪で偉丈夫と言ってもいい体躯の持ち主だった。~ もちろん青年には見覚えがない。 >風貌のわりに馴れ馴れしく、妙に軽薄な男は情報屋のデュレンと名乗った。~ デュレンによると、どうやら自分の名前はアドル・クリスティンというらしい。 >数週間前にこの街でデュレンと出会ったアドルは~ 地元の人間も滅多に踏み込むことのない<<セルセタの樹海>>へ旅立ち、~ その後消息不明になっていたというのだ。 >魔の領域と呼ばれる<<セルセタの樹海>>で一体自分に何が起こったのか?~ 何故自分は一切の記憶を失くしてしまったのか? >真相を確かめるため、アドルはデュレンとともに~ 禁断の地<<セルセタの樹海>>に再び挑む決意をするのだった―――。 (※[[公式サイトのプロローグ>https://www.falcom.co.jp/ysc_psvita/world.html]]より引用) ---- **ゲームシステム 基本的なシステムは[[イースSEVEN>イースSEVEN]]を参照の事。以下の記述は新規追加された物。 -フラッシュムーブ --フラッシュガードの回避行動版。発動させると少しの間画面がスロー再生となるが自身は通常の速度で移動できる。この間は無敵。 ---これら2つはトロフィー対象となっているのでマスターすること推奨。 -パーソナルアクション --特定の場所で発動可能なキャラ固有の特殊アクション存在する。 -クエスト --掲示板に張り出され、依頼主から受注するという導線が固定となった。 -武具強化 --本作は強化のみが可能となっている。((武器を作る内容のイベントはある。またアクセサリーは作成で入手する))。 ---毒・凍結・燃焼など8種のパラメータがあり、どれか能力がアップすれば名前が「○○+n」(nは強化の合計値)となる。各パラメータの上限は9で、最高合計値は+72。 ---素材は店で買えるもの、敵が落とすもの、樹海やダンジョンで採取できるもの、交換所で交換することで入手できるものがある。 -周回特典 --レベルや装備、スキルなど、&bold(){イベントに関連するアイテム以外}は全て引き継いで二周目に入れる。 ---選択制の武具もあるので収集癖のある人に多大な恩恵。 --いつでもボスラッシュをプレイ可能。個別のボスを指定したタイムアタックも可能。 -トロフィー --本作というよりは、PS Vitaの特徴の一つ。アイテムの収集率や、動物に好かれた(街の動物に素材を上げる)数等、ユニークなものもある。 -戦闘ボーナス --エアリアルコンボやエクセレントキルなど、戦闘中の行動で戦利品などにボーナスがつく。 ---ただし、これが問題点の一つとなっている(後述)。 -パーティーアビリティ --攻撃属性がバラバラでも、重複していてもボーナスが得られるようになった。 -記憶 --記憶に触れることで、アドルの失った記憶を取り戻していく。アドルのステータスが上がったり、味方のHP・状態異常が全快したりする。&s(){きおくのちからって すげー!} -地図作成 --グリゼルダからの依頼としてセルセタの樹海を歩いて空白の地図を埋めていく。 ---地図の作成具合を報告すると踏破率10%毎に報酬がもらえる。ルートの確認や宝箱の取り逃し・採取ポイントなどのチェックが可能。 **キャラクター #region(要展開) -アドル・クリスティン --ご存知赤毛の主人公。今回は記憶を失っている。今回の属性は斬で固定であり、4人以上のパーティになるとレギュラーから外せる。 --前作でも掛け声だけついていたが、今回はバトル中ならそこそこ喋るようになった。担当声優はこれまでの草尾毅氏から梶裕貴氏に変更になっている。%%だからといって「美少女起こしてくれー!」とは言わない。%% --容姿はこれまでと比べて非常にカジュアルとなっている。記憶を失う前も同じ格好だったことから、イメチェンでも目指したのだろうか。 --本編でセリフはない((幼少時代のセリフはある。))が、ADVのような選択肢が出るようになり、Yesマン・アドルを返上した。その中には、ツッコミを入れたくなるようなものもある。 --パーソナルアクションは記憶の回収と古代兵器の停止。全般的に高めのステータスで穴がなく、スキルも用途に富む汎用性高いバランス型。そして最後に習得するスキルがえげつないほどの性能を誇っている。 -デュレン --プレイアブルキャラ。属性は打。人格や体格はドギに似た印象のキャラだが、壁壊し担当では無い。 --記憶を失ったアドルを介抱し、冒険の手引きをする頼れる兄貴である。アドルに「このお人好しめ」と嘆息するが、当人がそれを上回りかねないお人好し。 --にもかかわらず、フリーダやニナ、そしてカンリリカからの扱いが悪いことから、苦労人というイメージがつく本作随一のイジラレキャラ。%%公式のプロローグでも「妙に軽薄」とか酷い。%% --パーソナルアクションが宝箱の鍵開けなので、某所では「鍵さん」「キーマン」と呼ばれている。スキルに若干癖がある上に玄人向け((唯一のマイナス面もあるスキルなど))なので、ドギが担当していた打属性及びスタン担当をカンリリカが取って代わっていることから、鍵開け時しか使われなかったりするため。不憫な。 --とはいえ、彼自身がヘタレかつネタバレなため、イジラられるのも仕方ない。 --パッケージでは何故かセンターを飾っており、その迫力からか主人公よりも目につきやすい。 -カーナ --プレイアブルキャラ。属性は射。 --コモドという、大樹の上に築かれた集落に住んでいる。村長の娘で、男衆よりも狩りの腕が立つ元気娘。 --酒でもないのに酔っ払って寝落ちしたり、久方ぶりに再会したアドルに抱きついたり、実父にアドルとの婚姻を仄めかされても素でいたり、かなり天然気質が強くなっている。 --メンバー唯一の遠距離攻撃キャラで、ナイフを投げつけて攻撃する。安全な位置から一方的に攻撃でき連射も効くので、SPゲージをためるのに優秀で状態異常も起こしやすい。攻撃の隙が少なく射程も取れるため、的確に反応すれば被弾しにくく、手元の弱さをフォローして余りある広範囲な周囲攻撃スキルもある。 --これらが非常に現れるのは実は自分が操作している時よりも随伴時で、一人だけHP減ってなかったりする。ただその代償として防御力がかなり低く、高難易度設定では一発即死なんてことも。攻撃力の無さも手数でフォローできるとはいえ少し厳しく、火力出しがスキル頼りになりがち。 --パーソナルアクションは投げナイフによる吊り下げられた物の落下、それによる足場の確保。 -オズマ --プレイアブルキャラ。属性は射。 --大河のほとりにある集落セルレイの若きリーダー。武器は銛。というか手槍。 --真面目で口数は少ないが、その性格故にツッコミもいちいち真面目すぎて逆に面白い。 --パーソナルアクションは槍による''水中の''壁破壊。そのため、水がなければわざわざギミックを使って水没させないといけない。%%今回のドギポジションだろうか。%% --デュレン以上にスキルに癖があり、使いこなすには慣れが必要。通常攻撃もリーチ・攻撃力はあるが、出が遅く判定は細く隙も大きい。連射がある上に隙が少ないカーナと違い、使いにくい感は否めない。ただし水中では、他のキャラの攻撃が大幅悪化するのに対して、オズマはあまり悪化しないため扱いやすい。 -カンリリカ --プレイアブルキャラ。属性は打。 --ハイランドのエルディールに仕える「使徒」の(自称)筆頭候補者。武器は魔力を伴ったメイス。これで色々なものをぶっ飛ばしたりする。 --思春期な年頃なのか、非常に大人ぶった少女。生意気と見る向きもあるが、それは単に見下そうとして反撃されているだけである。デュレンのように。 --体力こそ少ないものの防御力は高く、通常攻撃も出が早く唯一の6連撃+フィニッシュ付きと使いやすい。そしてデュレンを遥かに凌駕するスタン奪取能力の持ち主であり、ボス戦でも大活躍。他のスキルもザコ掃討からボス戦向けまで強力なものが揃い、更には金稼ぎだのダウン中だろうが攻撃できるサブユニット召喚だの幅広く揃いすぎている。デュレンの株を奪い去る魔性の少女。その圧倒的な力はパッチが出るまでは、とあるボスを開始3秒で瞬殺していたほど。え、当ててもあまり変わっていない?いいんだよ細けえことは。 --パーソナルアクションは、メイスによる魔法機器の起動。 --名前の由来は、アイヌの英雄シャクシャインの&bold(){息子}だが、何故それを引用したのかというと、初期原案((初期案では、カンリリカはダナンの長老というポジションだった。それがどうしてピンクロリになったかは、スタッフ曰く「キャラデザイナーが描いたサブキャラのイラストが良すぎたため、設定は基本そのままにプレイアブルキャラに昇格した結果」とのこと。))のせいと思われる。%%打属性だからロリ担当という訳ではない。%% -フリーダ --プレイアブルキャラ。属性は斬。 --デュレンの幼馴染で、ダナンという集落の戦士。お姉さんである。自分でもそう言う。 --武器はハルバートで、長い射程と横に広い攻撃範囲がウリ。通常攻撃でも雑魚を数匹纏めて攻撃しやすく、雑魚殲滅に特化している。…というか、&bold(){女性キャラが優遇されすぎ}(男性キャラが冷遇ともいう)である。 --ただし、武器の属性がお馴染みの主人公にして高汎用性&強スキル持ちのアドルと被ってしまったのが不幸であり、対単体火力・瞬間火力の低さもあって強さの割りにユーザーからの使用率は低い。 --パーソナルアクションは氷結魔法による瘴気口の封印。使いどころがかなり限定的。 --ニナという人造妖精を連れており、武器も含めてイースSEVENに登場したバンダナの傭兵に近いところがある。明言こそされないが、どういう関係なのかは作中で少し語られる。イースVIもプレイ済みなら人間関係がより見えてくる。 -リーザ --エルディールに仕える使徒。お淑やかで穏やかな性格ながら、大切なものを守るためなら戦う強さもある…という典型的ヒロインなのだが、実は&bold(){とんでもない能力}を持っている。 --詳細は割愛するが、初めて見たときは絶句必至。更にその後やろうとすることに更に絶句してしまうだろう。 --上記を除けば、至ってシンプルな王道ヒロインといえる。除くには厳しい重要設定だが。 --過去作では扱いが結構あんまりな彼女であったが、本作ではちゃんとヒロインしている。ただ絡みはあまり無い%%ため「セルセタではアドルがヒロイン攻略をしなかった」「というか誰がヒロイン?」と言われる始末%%。 -エルディール --ハイランドの奥地にある塔に住む有翼人。 --飄々とした性格で中々に喰えない性格。リーザが呆れるくらい整理整頓が下手。 --どうやら、アドルは彼と面識があるようだが…? -レムノス --カーナの双子の弟、ということに今回はなっている。 --狩り中心の生活をするコモドに居ながら、音楽を弾いたり伝承の研究を好む優男。男衆のウケは悪いが、女衆からのウケはいい。 -スパーダ --セルレイの限られた人間(本作ではオズマのみ)に飼育されている聖獣。 --激流も容易く泳げ、背中に人を乗せて水上を移動できる。見た目は某ハンティングアクションゲームの海竜種に似ている。 --恐らくだが、CEROがBになったのはこの聖獣のとあるシーンが原因と思われる。 -グルーダ --キャスナンに赴任したロムンの青年軍人。 --物腰柔らかい、穏やかな性格だが…? --アドルより小柄で、公式HPではっきり「短身」と書かれたアワレな人。過去に発売された全てのイースIVにも登場しているが、別に低身というわけではなかった。 -ガディス --腕に鞭のような武器を仕込んでいる大男。言葉遣いが悪く、粗暴な性格をしている。 --オズマとは意外なもので確執を生むことになる。 -バミー --ガディスと顔見知りらしい、妖艶な女性。性格は冷酷無比で、やや古臭い高笑いが特徴。 -レオ --ちょんまげ風味の侍風剣士。「雷光のレオ」と呼ばれる。PCエンジンのIVでは悪役キャラだったが、本作ではギャグキャラである。 --更に加えれば、唯一のツンデレキャラである。[[イースVI>イースVI -ナピシュテムの匣-]]といい、ファルコムは男のツンデレが好きなのだろうか。 -サンチョ&パンサ --レオに引き連れられているロムン軍兵士2人組。 --愚痴などが多く、レオに引き回されている感がある。毎度繰り広げられるレオとの%%漫才%%掛け合いが面白い。 -グリゼルダ --キャスナンに赴任した総督。アドル達に地図の作成を依頼する。彼女の素性にはある秘密が…。 -ヴァンジョー --ダナンの里の総帥…ではなくて長老。 --カンリリカが昇格した後のためか、どこかで見たことあるような、声にギャラクシーが付きそうな見た目。その立場の割に性格や喋りは結構俗っぽい。 #endregion ---- **評価点 //システム -&bold(){大きく向上したグラフィック} --PS VITAなだけあり非常に滑らか。 --細かい設定を忠実に再現しており、グラフィックの使い回しを行わず個別に作られている。 -秀逸なOP --前作が完全に紙芝居(アニメーションすらない)だった反省からか、トゥーンアニメーションを使ったぬるっとした動きで、熱いOPを演出した。 --ただし、実際のムービングについては従来のファルコムと同様なので、過剰な期待は禁物。 --楽曲は「The Dawn of YS」ではなくなったが、OPの曲も中々にテンション向上に一役買う熱い一曲。しかも、終盤では…。 #region(OPおよび関連曲(後者はネタバレのため閲覧注意)) -OP &video(http://www.youtube.com/watch?v=DdFqHBFaRiU){300,200} -ラストバトル一戦目 &video(http://www.youtube.com/watch?v=TgA0Lc5g8cE){300,200}~ ご覧の通り、OPをフルオケアレンジしたものとなっている。~ ラストバトルでのOPアレンジは、イースとしては初めての試み((ラストバトルがオーケストラ調なのはV以来。))であり、~ ファルコムとしては「零の軌跡」、「Zwei!!2」以来。 #endregion -&bold(){良好な操作性} --VITAの画面タッチ機能等を加えてある。 --マップ表示やアイテム画面呼び出しを画面タッチでショートカット表示可能。同様にマップ上のワープポイント指定やマーキングも可能。 ---従来通りのカーソル&ボタンでも同様の操作が可能。 -&bold(){評価が高い楽曲} --安心と信頼のファルコムサウンド。 --新規に追加されたものは非常にクオリティが高い、特に「神代の地」は本作筆頭の人気曲。 --原曲アレンジも「燃ゆる剣」の正当アレンジ、「バトル#58」のような原曲再現アレンジ等評価は高い。しかし、原曲アレンジについては全てが全て素晴らしい出来にはなれなかった(後述)。 -やりこみ要素の大幅アップ --樹海探索のやり甲斐はその筆頭。シナリオに密接に関わっており探索のための探索を要求されないのも好感触。 ---といっても何処が済んでいるかは教えてくれないので「あと2%?どこだ?」という地獄は存在する。~ --ボスラッシュの復帰。戦いの記憶を再体験出来るのは評価ポイント。 --下位素材の収集アイテムが無駄にならない ---武具の強化・薬品の作成で使う機会が減った素材も、上位素材と交換が可能。~ 上位素材は割高で売れるため、使わないとしても作っておけば金策に使える。 -溺死対策 --泳ぐにあたり水竜の鱗がなくとも水面に沿って泳げるため、ちょっと潜ってうっかり溺死することが無くなった。 //シナリオ -新規のシナリオ --完全新作と謳うだけあって、イースⅣをプレイしていたとしても、全く違うシナリオを楽しめる。 ---根幹の設定が同じではあるのだが、リメイクやリマスターの範囲を越えている -VIとの関連性 --龍神兵の登場と、ダナンの街のイベントでシナリオの連続性が組まれた。 ---これに伴い[[V>イースV -失われた砂の都ケフィン-]]がリメイクされた際、シナリオの齟齬が無くなるのではないかと推測されている。 //バトル -&bold(){更に向上したアクション} --行動のキャンセルが可能となった。 ---スキルヒット→キャンセル→スキル使用など連携も可能。 --キャラチェンジを連携に盛り込める ---スキル→キャラチェンジ→攻撃など。 --フラッシュガードorフラッシュムーブの使い分けで戦闘の幅が出るようになっている --ハイリスク・ハイリターンのフラッシュガードかローリスク・ローリターンのフラッシュムーブか、自分の腕前にあわせて攻撃手段の方向性を選べるようになった。 --随伴するキャラも攻撃するかさせないかの設定が可能。スキルに熟練度が設定されたため、攻撃させない設定の出番は結構多い。 -&bold(){前作を正当に引き継ぎつつ不満点を改善} -操作キャラなら弱点以外でもダメージがある程度入る。 --相手の弱点属性にあわせてのキャラの変更が必須ではなくなったため、戦闘時間の向上に繋がるようになった。 ***改善点 1/10に公式から修正パッチが配布。~ ゲームバランスの調整が図られたがコンシューマ機では初の対応。~ 以下修正点。 -白銀の&bold(){魔} --白銀の「間」というダンジョンでゲーム進行に影響を及ぼしていたバグが軒並み修正された。 ---併せて戦闘中のフリーズバグも解消された。 -表示バグ --地図の表示と異なる位置にポップしていた宝箱や採取場所が修正された。 -キャラ性能の調整 --アドルの最終技、並びにカンリリカのブリッツチェイサー等の壊れ技が弱体化。 -ボスの難易度の調整 --全体的に大人しめに調整されていたボスが軒並み強化。歴代の凶悪性が再び。&s(){余計な事を} ---特に開幕数秒で落とされていたような雑魚ボス、ヴォルナークが大幅強化。あっという間の討伐という事はなくなった。 -UIの改善 --メニュー画面の操作が快適になった。 //あくまで公式の見解なので、具体的な部分が書ける方お願いします。 -11/7より修正パッチVer.1.02が配信され、以下の点に調整が入った。 --タッチ専用操作をワイヤレスコントローラに対応(PS Vita TV) --一部のタッチ専用操作をボタンやスティックに対応(PS Vita) ---右スティック上で「攻撃優先」指示、下で「回避優先」指示、左右で画面の拡大縮小ができるようになった。 --描画処理速度の向上 ---- **問題点 //システム -ギミック起動の待機時間 --ダンジョンの仕掛けを起動すると数秒操作できない他、若干画面がズームアウトされる。 --数キャラ分の間がある部屋同士のワープの演出もやはり待機時間がある。 ---これらが顕著なのがラストダンジョン。起動する回数も個数も多いため、その度に足を止められる。 -楽曲の変更 --新作として楽曲が製作されていることもあり、リメイクとしては楽曲の変更が多い。また復活曲もある。 #region(削除等の詳細) |CENTER:曲名|CENTER:収録|CENTER:備考| |復活の儀式|○|| |THE DAWN OF Ys|○|OPではなくテーブルマウンテン| |プロマロック|○|曲自体はキャスナンにおいて使われている。プロマロックという街は消滅した(作中では行き先が閉鎖されていて進めない)| |THE SYOBAININ|×|買い物画面ではBGMは変化しない| |涙の少年剣士|○|記憶シーン| |カーナ|×|| |ロムン帝国|○|レオ将軍のテーマとなった| |フィールド|×|| |優しくなりたい|○|盗作疑惑あり| |壊れた砂時計|×|| |ダンジョン|○|| |バトル#58|○|| |溶岩地帯~エルディールにくちづけを|○|導きの塔。曲名もそれに倣って変更| |五忠臣|×|| |偉大なる試練|×|盗作疑惑あり| |闇の一族|×|ゲーム中に描写はある| |セルセタの樹海|○|| |追憶の彼方に|×|| |燃ゆる剣|○|| |賢者|○|| |古代の伝承|○|ダナン| |リーザ|×|| |伝説へ続く道|×|| |リーザ~胸に秘めた想い|×|| |聖域|○|イリス最深部| |エルディール|○|| |流砂の渓谷|×|| |不安|×|| |紅の翼|×|| |THEME OF ADORU 1993((正式には「THEME OF ADOL 2012))|○|タイトル画面。オルゴールアレンジ| |お家|×|| |道化師の誘い|○|聖獣の棲家| |幻覚|×|| |悲しくて|×|| |レファンス|○|| |古代都市胎動および始動|×|| |青銅の街区|×|| |蒼い月の詩|×|| |太陽の神殿|×|| |アレム|○|ある楽曲の間奏に組み込まれている。| |灼熱の炎の中で|○|汎用ボス戦| |最終決戦|○|| |新たなる始まり|×|代替えとして「新たなる時代のステージへ」を収録| |FANTASY HORIZON|×|| |塔|○|イリス専用曲。曲名も変更| |クレーター|○|元未使用曲| ただし、最後の楽曲等、復活したものもあるので一概に問題点とするかは人によると思われる。 #endregion -索敵範囲が悪化 --攻撃が明らかに届かないであろう敵にも反応する。 ---眼の前で採掘したいのに遠くにいるモンスターに反応されると困る。 -随伴キャラの移動範囲 --ワープに入るまでの距離が延長され地形に引っかかるようになった。 -「Now Loading…」の暗転頻度が上がった。 -バグが多い(修正パッチ発行済み) --ゲーム進行に多大な影響を及ぼすものがあり、初回プレイ前にパッチを当てる事が推奨される。 ---これでもまだ取り切れていないバグも存在するほど。 -面倒な魔法具付け替え。 --シナリオの都合上付け替えの頻度が高いのだが、ショートカットが推しづらい位置にある。 ---画面上の魔法具の位置がもうちょっと手に近い位置にあれば良かったのだが。 -キャラ格差が大きい --クリアするに当たっては「カンリリカ、アドル、カーナ」が上位3人。 ---性能上位では高性能なカンリリカ、使いやすさトップのアドル、機動性と小回りの効くカーナの3人が進めやすい。 --下3人が雑魚専門のフリーダ、全体的に使い勝手の悪いデュレン、リーチだけで隙が大きいオズマとありどうしても上3人で固定されてしまう。 ---それでも使うとしたら雑魚にはめっぽう強いフリーダか。デュレンとオズマは使いづらい。 --そんな中でパーソナルアクションのために呼び出さなきゃいけないのが果てしなく面倒。 ---まあ呼び出さなくても良いのであれば、それこそ存在する理由が疑われてしまうのだが。 -面倒なキャラ変更 --パーソナルアクションを使用するにあたり、パーティにキャラを編成しなければならない。 ---特定のダンジョンやマップで立て続けに使うキャラならば一時的に入れる事で解決するが、~ 主力に成りきれず、それでも使用頻度の高いキャラを毎回入れ直すのが大変。 -半端に実装されているギミック --試しに導入してみたというレベルなのか、難易度が低く遭遇機会も少ないギミックが多い。 ---タッチパネル操作は水中遺跡や黄金の間などで遭遇するが、もう少し練って実装した方が良かったのではないだろうか。 -デザインの浮いているゲストキャラ --ファルコムの[[零の軌跡>英雄伝説 零の軌跡]]に登場していた「みっしぃ」というマスコットがデザインとして浮いている。 ---頭身が上がっている本作で一人ちんちくりんなため、無理やり登場させているように見える。 //グラフィック -光の照り返しが強い --明るい屋内でやや白く滲んでしまう。 -振動エフェクトの視認性 --弱点属性で倒すと画面が振動する。何度も何度も見たいものではない。 //シナリオ -リメイクにしては残念なシナリオ。 --あまりにもイース的な平々凡々。シナリオだけを見るとSFC版などに軍配が上がる。 --問題行動を起こしたキャラへの対応も甘く、危機感の演出も薄ければ、敵の扱いも顔見せの後は倒すだけなど描写が粗雑。 --設定が追加されたリーザもやはり描写が不足していると言わざるをえない。重要なキャラだが登場タイミングが遅く、遅さに見合うインパクトがない。 //戦闘 -スロウによるテンポの悪化 --タメ攻撃→スキルの発動が基本となる今作で、スキルで敵を倒すと一瞬スロウがかかる。 ---特に広範囲スキルで倒すと都度々々スロウがかかる。 -随伴キャラのAIが劣化 --広範囲攻撃を中々避けてくれない。 ---回避による無敵がないのに回避を連打して避けようとするからだろうか。 -タイムアタックのための下準備 --ボスラッシュに持ち込める要素はSP・EXTRAゲージとドーピング、それにアクセサリー。~ 下準備あってこそのタイムアタックであり、同条件でのプレイングとはならない。 --記録されるタイムは難易度にかかわらず最短記録のみが記録されるため、上達具合を見返す事が出来ない。 ---- **賛否両論点 -段階が一足飛びの難易度調整 --引き継ぎ要素が&bold(){イベントアイテム以外全て}であり、蘇生アイテムですら99個まで使用可能。「EASY」や「NORMAL」ならば準備があれば全滅とは縁遠いプレイができてしまう。 ---かたやHARDは「経験値や獲得ゴールドなどにマイナス補正」、NIGHTMAREなら「被ダメがNORMALの3.5倍」など、難しさに程よいラインがない。~ 歴代作品を考えるとHARDぐらいのレベルが日本ファルコム社の想定している一般難易度なのかもしれないが。 -原曲に忠実か、大幅なアレンジか --「セルセタの樹海」はPCE版のアレンジがなく原作準拠。「バトル#58」はアレンジされているが地味。~ 「The Dawn of Ys」は[[吹奏楽器がメイン>英雄伝説 零の軌跡]]のためか、[[&bold(){パペパプー}>イースIII -ワンダラーズ フロム イース-#id_4164f90f]]を再現している&bold(){トンキンアレンジ}とまで評されてしまった。 --作曲の方向性がある程度統一されていれば違和感を感じる事も無かったのではないだろうか。 -ナレーションベースで終わるエンディング --メンバーとの別れなど後日談がなく唐突に終わってしまう。 ---アドル・クリスティンによる冒険譚という体裁のため、分からない事は書けないという道理なのだが、あまりにも唐突。 -登場しないキャラ --ドギやリリアは記憶や選択肢だけでの出演。特にセルセタまで一緒だったドギが全く出演しないのは残念。一時離脱の間に全てが終わってしまったのだろうか。 --PCE版のラスボスも出演が期待されたが登場することはなかった。 -バトルシステムに大きな変化はない。 --一方で初見殺しの大型モンスターや雑魚側が連携してくるなど、&bold(){敵の行動には}目新しさがある。 -期待外れの背面タッチパネル --上下左右フリックで細かい指示が出せるとの触れ込みだったが、いざ蓋を開けてみればピンチアウト/インで「回避優先」か「攻撃優先」が出来る程度のものであった。 ---とはいえ期待外れなのはこの作品に限ったことではなく、元々背面タッチがそこまで操作性の良いものではないことには注意したい。 --修正パッチVer.1.02で、右スティック上に「攻撃優先」、下に「回避優先」が割り当てられたことで背面に触る必要はなくなった。 ---- **総評 SEVENの正当進化で難易度の裾野もだいぶ広がり、新規、古参双方におすすめ出来る作品に出来上がっている。 自由度ややりこみ要素は必須である要素が少なく、冒険の一環として楽しめるというのも評価ポイントだろう。 初期版で多かったバグの多くも解決しており今プレイするならば悩まされることはなく、イースという作品を楽しむ入り口に繋がる事は保証されているのではないだろうか。 さすがにハードのキラーソフトとは言えないものの、普及率を考えればまずまずの成果。~ PS Vitaでほどよいアクションがプレイしたい人には、うってつけの作品である。~ ---- **余談 -ファミ通クロスレビューでは9点、9点、9点、8点でファルコム作品初の殿堂入りを果たした。~ 海外の評価サイトでも「VITAを持っているならプレイすべき」と高い評価を得ている。 -また生誕25周年パックは、その特典の豪華さと汎用性、およびゲーム自体の需要もあってか早々にプレミアが付いている。 -ネットワーク配信によるゲーム販売が一般的な時代にDLCは存在しない。 --よって後日談を用意しなかったのは理由があってというより意図的な物と推測される。 -2011TGS発表の際にPVが流されたが、そのPVではイース7のグラフィックを改良しただけのようなゲームになっていたため、「本当はPSPで出すつもりだったのは?」と当時、ユーザーから勘繰られていた。 --おまけにPVで使われていた新曲も、何故かお蔵入りに。 -後に『セルセタの樹海・改』としてPS4に移植された。 ***楽曲関連 -アドルの冒険日誌『セルセタの樹海』は当作の副題、楽曲、OPタイトル((The Foliage Ocean in CELCETA))と統一してつけられている。 -楽曲によってはタイトルの場面が消えてしまった曲や、使われる場所が変更された事で改名された曲もある。 --代表例が「溶岩地帯~エルディールに口づけを~」→「導きの塔~エルディールに口づけを~」 --しかし『イース古今曲集』では「溶岩地帯」と初出の名前が残される事となった。 -また大幅な楽曲の入れ替わりにより、シリーズでは唯一&bold(){ヒロインの名を冠したテーマ曲が使われていない}作品となった。 --新曲を作って冠する事も出来たとは思うのだが。 ---- **Steam版について -2018年7月26日にWindows版『Ys: The Memories of Celceta』がSteamで配信された。 --発売元は海外CS機版のパブリッシャーを務めている、マーベラスUSA傘下のXseed Games。 --Steam版『7』同様に4K表示に対応し、120fpsや無制限など高フレームレート化にも対応している。 --当初は日本語字幕、英語ボイスという仕様だったが、2020年2月の『セルセタの樹海・改』の発売に併せ、日本語ボイスも追加された。 ---タイトル画面は海外版仕様のままなため、言語を日本語に設定しても変化しない。 --Steam実績に対応。内容は移植元のトロフィーと同じで、条件なども特に変わっていない。 --PCへの移植のため、ロード時間が短縮され。高速早送り機能や起動時にすぐにタイトル画面を表示するといったオプションも追加されている。 ---基本的にはベタ移植なので、ギミックを動かした後のフェードアウトの仕様がそのまま等、未改善な箇所も存在する。

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