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#contents(fromhere) ---- *この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO 【このよのはてでこいをうたうしょうじょ ゆーの】 |ジャンル|SFアドベンチャーゲーム|&image2(yu-no98.jpg,height=200)| |対応機種|PC-9801VM/UV以降&&br()Windows|~| |発売・開発元|エルフ|~| |発売日|1996年12月26日|~| |定価|【PC98】9,600円|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| ---- **概要 『[[EVE burst error]]』で知られる剣乃ゆきひろ(現:菅野ひろゆき)が手掛けたAVG。「並行世界」をテーマの一つとし、それをシステムに取り込んで見事に表現した傑作と名高い。~ システム、ストーリー共に評価が高く、SFアドベンチャーゲームの金字塔にして到達点の1つとされている。~ 『[[DESIRE 背徳の螺旋]]』『EVE』と並んで「剣乃三部作」と呼ばれる事もある。 シーズウェア(姫屋ソフト)退社後、エルフに移籍した剣乃氏が、エルフで作った唯一の作品である。 **ストーリー 境町学園の三年、有馬たくやは、一学期がようやく終わり明日から夏休みだというのに学校にとどまっていた。~ そこに、少し前に赴任した女医で新担任でもある武田絵里子が現れる。二言三言の会話の後、たくやは彼女から慰めの言葉を受けた。~ それは彼の父、有馬広大が死亡した事への彼女なりの気遣いだった。~ 二ヶ月前、歴史学者だった広大は研究のため家を出た後に落石事故で行方不明になった。~ 捜索はしたものの結局発見できず、1ヶ月前に死亡と認定された。~ ただたくやには、父は非常にアクが強くアグレッシブで、その性格が死と結びつかなかったためか~ 不思議と父が死んだという印象が沸かなかった。~ たくやは既に実母も幼い頃に亡くしており、父の死後は父の後妻である亜由美と暮らしていた。~ たくやの父と結婚してからほんの半年で未亡人となってしまった亜由美だが、そんな影を見せないよう気丈に振舞っていた。~ だが、たくやはそれが演技であるとうすうす感じていた。~ 亜由美は町内に勤務先があるジオ・テクニクス社の社員で、現在はその新オフィス建造の総責任者となっている。~ だが、その工事において最近おかしな事件が起こっていた。工事現場となっている境町の海岸で、三度も落雷死亡事故が起こったのだ。~ 落雷が同じ場所に三度も落ちたことだけでなく、全て死亡事故となっていたことでその事故は~ 「三角山の祟りのせいではないか」という妙な噂が立っていた。~ 「三角山」とは工事現場の海岸の端に立っているまるで塔のような岩のことで、~ その麓にまだ解明のされていない古代の遺跡の痕跡らしきものが存在した。 そんなある日、たくや宛てに小包が届く。~ 開けてみると奇妙なものが入っており、それは大きめの古代の鏡のような円形のものと、~ 何かをはめ込む穴がいくつもあいた石版のようなものであった。そして石版には二つほど、水晶のようなものがはまっていた。~ 最後には手紙があり、開けてみるとそれは父、広大のものだった。~ その中には歴史は不可逆だが時間は可逆という理解しがたい一文、そしてなんと広大は生きているということが書かれていた。~ だが考えてみると、手紙を書いた時点では父が生きていた、という話ならなんの不思議もないように思える。~ しかし、その手紙には最後に「今日の22時に三角山の麓である人に会え」という奇妙な事が書かれていたのだ。~ 別に手紙に日付指定をしている訳でもないのに、今日とはいつを想定して言っているのか。だが時計を見ると、22時まであとわずかである。やがてたくやは思案の末、その手紙の指示通り三角山へと向かった。だが、そこで待っていたものは…。 **システム -ADVの基本システム部分はプロローグ等一部はコマンド選択式、メイン部分はポイント&クリック方式 --P&Cの画面では、画面中をマウスでクリックし、話す、調べる、使う、移動などのコマンドが実行される。 -並行世界を具現化した''「A.D.M.Sシステム」'' --一言でいえば「ゲーム全体のフラグを自由に管理できるシステム」で、一般的な分岐型のADVゲームでは実現困難であった、選択されなかったルートの先にあるフラグを変更して現在進行中のルートに反映したり、そのルートでは本来持ち得ないアイテムを所持(これもフラグの一種である)してプレイを進行する事などを可能にした、当時としては画期的なシステムである。 --システム画面を開くと、いわゆるADVゲームのシナリオ分岐とも言える物が樹形図のように表示される。 ---一般的なADV同様、選んだ行動によりシナリオは分岐し、それにより一度でも通ったルートは可視化され、ルート表示が増えていく。 --プレイヤーは「宝玉」を使用する事で並行世界間の移動が可能になっている。 ---「宝玉」の設置は、手持ちの「宝玉」を使用する事で行う。これで他のシナリオ上から戻ってくる為の目印が設置される。 ---ADMSを使用した移動は、システム画面で過去に自身で設置した「宝玉」をクリックする事で行われる。移動時には設置した「宝玉」は回収される。~ また、「宝玉」を使用した移動でなくても、「宝玉」を設置した場所より前の時間に移動した後にそのままストーリーを進める等で、設置したシナリオに戻れば同じく回収される。 ---大雑把に説明すると、チェックポイントに「戻る」のみのタイムマシンのような事が可能になっている。 --「宝玉」の数は有限。ゲーム開始時は所持数が少なく、各地に散らばった「宝玉」を集めるのもゲームの目的の1つ。 ---ADMSを使った移動には1つは「宝玉」を持っておく必要があるため、不用意に使いすぎると移動ができなくなってしまう。 ---最終手段として本編開始時点からの再開機能もあるので、それで「宝玉」の回収は可能。 --ゲームシナリオの楽しみ方とは別に、手持ちの宝玉の使用ポイントや回収タイミングを組み立てる戦略的な楽しさがある。 #region(画像) |&image2(YU-NO-ADMS.png,width=350)右下の丸が所持宝玉(8個中2個を所持)&br線の先の白い丸が現在地点。&br光った丸が未回収の宝玉。&br四角いマークは何かしらのシナリオの終点。| #endregion -上記とは別にゲームの中断機能も存在 --一般的なADVで行われる「選択肢の前でセーブ」というような事は「宝玉」で行うので、それらの情報も含めた一時中断機能。 -エンディングは1つのみ。 --もちろん複数のストーリーラインがあり、それぞれがなんらかの結末を迎えるのだが、そこでは終われず、また別のシナリオへと進む必要がある。 ---- **評価点 -「A.D.M.Sシステム」により、ADVのシナリオ分岐と並行世界をシナリオ・システムとしてまとめ上げている。 --一般的なADVにおいて、シナリオの分岐は「独立したストーリーラインを選んでシナリオを読む」物だが、本作では並行世界を行き来することで「別ルートで入手したアイテムや情報を用いてシナリオを進める」事が可能になっている。 ---これにより全く別のシナリオ上で手に入れたアイテムはもちろん、未来にならないと手に入らないアイテムを使用する事でシナリオを変える事も可能になっている。 --このシステム及び、本作における並行世界の概念も作中でしっかり設定されており、「ADVのルート分岐」というものが1つのゲームとしてまとまっている。 --フラグの組み合わせのパターンは膨大であるが、シナリオ進行上目立った不具合も無く纏められている事も特筆される。 -ストーリーは秀逸かつ複雑。 --並行世界を行き来しながら話が進むため、伏線が意外な所で回収されたりと驚かされる面もある。 --物理・数学・哲学・歴史・宗教の知識を深く取り入れた独特の世界、また剣乃作品に共通するテーマ「愛と別離」、これらも本作の評価を高めている。 -キャラクター性や台詞回しにやや古臭さを感じるものの、登場人物は魅力的。 --「ツンデレ」という言葉はない時代だったが、ツンデレキャラも存在する。 --女性キャラの方は魅力的に描かれているが、男性キャラの方は当時のアダルトゲームらしく嫌味だったり下種・小物だったりと、ややくどいステレオタイプに作られている。現在の、男性サブキャラも魅力的に描かれている作品に慣れている場合は、違和感を覚えるかもしれない。 ---また主人公も前髪で目の部分を隠した、当時に多く見られた(現在ならば古臭い)キャラデザインである。リメイク版及びアニメ版は普通に目が露出したデザインに変更されている。 //---ただし、上記の特徴はエルフ系列メーカーの要素でもあり00年代でも大半の作品で保持されている一方、他のメーカーではそこまで頻繁にみられていたわけではない。たとえば同時期に名前をはせたアリスソフトではほとんどそういったキャラデザは行われていない。 //系列以外でもPSのギャルゲなんかでも見られた要素だし、全部が全部そうって書いてるわけでもないから反例はいらんでしょ -BGMも評価が高い。 --エルフのPC-98シリーズのゲームで唯一86ボード対応でBGMが作られた作品でもある。 **賛否両論点 -コマンド選択時に無駄なコマンドが多い。 --具体的には、天井を選択して「天井だ…」、電柱を選択して「電柱だ…」など --お遊び要素なども含まれているので、探してみるのも楽しい反面、先に進み難くもなりやすい。 -ゲームシステム上悲劇の回避が目的になりやすいが、実質的に鬱シナリオを強制的に発生させざるを得ない箇所がある。 --これ自体は普通のADVなら選択肢でバッドエンドを回避できるところを、ゲームシステムを活かした上で回避する為の物。 ---たとえば時間が経たないと(バッドエンドが確定した後でないと)手に入らないアイテムを用いて、普通ならどうやっても回避出来ない悲劇を、入手後に過去に戻る事で回避する、など。 ---ただ、鬱イベント自体を出来るだけ回避したい人にはやはり辛い。 --「悲劇を知ったからこそ助けられる」「悲劇を知ってからの方が助けた喜びは大きくなる」「本来助けられないはずなのに、未来で手に入れたアイテムを過去で使用する事で助けられる」と、シナリオを盛り上げる事には一役買っている。 --ただしプレイヤーが行うのは「歴史の改変・改竄」ではなく「別の結末に向かう並行世界の創造」であるので、仮にこの手法であるキャラを救いハッピーエンドを迎えたとしても、その世界とは別にそのキャラを救えなかった並行世界も厳然と存在するという事実もある。 --また、どんなルートを辿っても絶対に救えないキャラクターもいる(ゲーム中では死へ向かう運命へのベクトルが余りにも強すぎるためと説明されている)。 -倫理的に問題のある描写(近親相姦・カニバリズムなど)が存在する。 --どちらもシナリオ上大事な場面であり、特に後者は葛藤シーン等も強く描写されている為、シーン自体の評価は高い。 --カニバリズムと書いたが、正確には対象となるのは「人間」ではない。 ---ただしそれを行う人物にとっては、対象は非常に親しい存在であるため、もちろん重度のショックを受けることになる。 ---なお、自主規制によるものか対象のデザインは後述のSS版やフルリメイク版を経ていく度に変更されている。 --近親相姦は2組描写される。 ---その内1組は後の情報を積み上げていくと「2人は肉親である可能性がある」事がわかる、といった表現だが、もう1組は疑いようもなく「血のつながりのある者同士」。 ---前者の情報が出そろうのはストーリー進行上Hイベント発生後であるため、当事者の2人(及びプレイヤー)はその時点では近親関係にあるかもしれないという可能性を認識しておらず、男女関係の帰結として結ばれただけである。 ---後者は当事者がその点をきちんと認識した上で関係を持っている為、問題点に挙げられやすい。ただし「18歳以上推奨」であるSS版や「17歳以上対象」であるリメイク版ではさすがに問題があるのか、「最中」の表現はカットされており、あくまで行われたかもしれない事(今風でいうところの「事後」)を匂わせる程度にとどまっている。 --上記ほどの問題ではないが、未亡人認定されているとはいえ、継母と関係を持つというのも気になる人は気になる要素。アダルトゲームと考えるなら普通であるが。 **問題点 ''ストーリー・キャラクター'' -一部のヒロインの設定は人によっては抵抗のある物がある --菅野氏の作品では割とよくある事だが、本作はいわゆるハーレム物としての作りではなく、性関係はシナリオの一要素として作られている。その為、ヒロインが既に他の男性(中には主人公の父親と)関係を持っていたり、寝とられそうになったりと言った展開が含まれている。そういうのが苦手な人には少々きつい。 -異世界編の主人公の行動 --異世界編の主人公があまり気分の良い行動を取れていない。 #region(終盤の展開のネタバレ有) --後半開始直後に主人公は一時的にリフレクターデバイスを失う事になるのだが、主人公の度重なる軽率な行動が目立つようになる。具体的には「手紙を確認せず、帝都に送る」「子供を放置して妻の復讐に行く」など…。 --そのせいで多くの仲間や家族を傷つけ、失う事になってしまう。しかもリフレクターデバイスが無いせいで、物語前半での常套手段だった「別の並行世界線で入手したアイテムを駆使して危機を回避する」という手段が使えないのである。故にプレイヤーは「自分の意思とは関係なしに仲間を死なせることになる」という印象を受けてしまう。 //--主人公は、後半になり他の登場人物から成長したと言われるのだが、そうは思えない。 //--前述のカニバリズムイベントもこの時点で起こり、しかもそれは主人公が事前に周到な準備を行って食糧を整えていれば回避できていた。故にプレイヤーは「自分の意思とは関係なしに仲間を死なせることになる」という印象を受けてしまう。 //収容所に捕まっていたのだから用意周到に食料を準備しても意味ないのでは? --これが旧来のアドベンチャーでのイベントであればそこまで不満を抱かなかったかもしれないが、非常に自由度の高いA.D.M.Sシステムに慣らされてしまったプレイヤーには、どうにもこの終盤以降の展開は納得し難いものとなってしまう。物語後半は完全に一本道であり、終盤以降に起きる数々の悲劇はやり直す事は出来ないうえに、必ず見せつけられる事になる。 --最終的に主人公はリフレクターデバイスを取り戻し、再びA.D.M.Sシステムを駆使してユーノを救出する事になるのだが、それが可能になるのは物語の最終盤、エンディング直前である。それ以前にリフレクターデバイスを使えれば、主人公の為に犠牲になった多くの人々を助けられたかもしれないのに…と焦燥感を抱いたプレイヤーは多かったのではないだろうか。 --とはいえ前述の通り、リフレクターデバイスで可能なのは「新たなる並行世界線の創造」でしかなく、主人公が新しく構築した並行世界線で犠牲になった人々を助ける事が出来ても、「助けられなかった並行世界線」もまた存在し続けている事に変わりは無いのだが。 #endregion -やや強引なラスト近辺 --A.D.M.Sシステムを駆使した物語前半に対して、旧来のコマンドシステムを使った後半については駆け足気味な展開が待っている。 ---この点については、開発時間が足りなかったための措置であり仕方のない面ではある。 -一部伏線を回収し切れてない部分があり、疑問が残る。 --特に序盤に多数ちりばめられた謎の内、物語に影響がない部分は放置されがち。ある程度はプレイヤー間で考察もされており、何となくの答えは出ているが、明確な答えは出ないままである。 ''システム・演出'' -画面クリック形式のコマンド選択が色々と不便。 --別の所をクリックしたつもりでも同じ結果が出るなんて事もしばしばで、「どこをクリックしても同じ事を言われる」ことも多くストレスになりやすい。 ---誰かとの会話シーンでも、「会話」→「特定の箇所を見る」→「会話」と進行させなければいけないようなシーンも多く、会話を続けたいのに上手くいかず相手からは文句を言われたりもする。 --一部判定の小さい箇所があり、画面を総当たりしているつもりが通り過ぎてしまい、総当たりしても話が進まなく詰まることも。 ---そもそも選択肢が具体的に見えないため、総当たりしたのかどうなのかが分かりにくい。 --一応、同じストーリーラインをたどる時、フラグを立てるコマンドが分かっていれば、マウスによる操作の方が早いという利点もある。 -宝玉の使い方を間違えると非常に時間がかかる。このためストーリー重視のADVとしては、難易度が高めである。 --スキップの速度自体は爆速なので、周回プレイはそれ程苦では無いのだが。 -「石棺パズル」が完全な前知識なしでは難しすぎる --ようは「独自の文字を使用したお絵かきロジック」であり、「独自の文字と数字の変換機能を持ったPCは用意されている」、「そのPCでお絵かきロジックを再現可能((例えば左上だけを黒くするとその行の上と左に1と表示される。))」、「数字と数字の間は一つ間を空けるという説明はされる」と、ヒント自体は用意されている。 ---ただ、それでもお絵かきロジックの知識がない人からは「何をどうすれば良いのか意味が分からない」と言われる事も多く、ここで詰まってしまった人も多かった。 ---一応、PC-98版では追加ディスクである「スペシャルディスク」にルールの説明を受けられるヒントコーナーと、同じルールでプレイできる脱衣(?)ミニゲームが収録されていた。 //説明自体は作中の手帳で説明はされてるよ -一か所だけ非常にシナリオ分岐がしにくい箇所がある。 --「特定のルート未到達時」もしくは、「ゲームクリア後」でしか通れないシナリオ分岐が存在し、ルート達成率100%の壁になってしまいやすい。 ---特に前者の原因となるルートは初回プレイ時に到達してしまいやすいルートであり、分岐自体は早期の段階で目に見えているので、どうやってこの分岐に入るのかとゲームクリア前に悩んだプレイヤーも多い。 --ゲームクリアにおいてはこのルート分岐自体は不要な為、ゲームクリアには影響はない。 -標準でCGモードが無い --PC-98版には当時すでに一般的になっていたCGモードが標準装備されていない。製品同梱の用紙で購入できたSPディスクにて追加されたが、CGの量が多いにもかかわらず、リストの表示がCG番号だけでサムネイルはおろかキャラ分けもされていないため、見たいCGが一見して分からないという不便さがあった。 -一部CG不足 --ドラッグストアの場面などCGが無く、黒バッグで会話のみの場面がある。 //これはPS4の問題じゃなく昔から ----- **総評 並行世界をシナリオだけではなく、ゲームシステムとして見事に具現化した点は他に類を見ず、この点だけでも評価に値する。また、そのため各世界の出来事が複雑に絡み合う、シナリオ構成も見事である。惜しむらくは伏線の一部を回収し損なっている点だが、それでも本作の魅力はなお余りある。さらにその独特な世界観と、剣乃作品特有の余韻も本作を印象深いものとしている。~ いささか古さは否めないものの、特異なADVとしてその評価は非常に高く、数多くのフォロワー作品を生み出すなど、今なおADVの最高峰として挙げる人もいるほどである。~ ---- **移植・リメイク -セガサターン版 --グラフィックの描き直しやボイスの追加等がされたCS移植。詳しくは下記。 -Windows版 --elf会員限定で販売された『エルフ大人の缶詰』に古い作品をまとめた『elf classic』が入っており、その中に『YU-NO』も収録されている。 ---後に『elf Classic』も限定的に単独販売されたが、elfの他作品とは異なりDL販売はされていなかった。 --基本的にPC98版の移植で家庭用ハードのようにアダルト要素が丸々削除されたりはしていないが、当時のソフ論規制に合わせ伏字や一部シーンの削除などがされオリジナルのままではない。 -フルリメイク版 --2017年3月16日、『[[STEINS;GATE]]』等の作品で知られるMAGES.により発売されたフルリメイク版。詳しくは下記。 ---2014年12月29日の発表後に度々延期され、2016年11月発売予定のTVCMが流れた後にも再度延期された。 --Switch版は2019年3月14日に発売された。 --Steam版は2019年10月2日に発売。 -この世の果てで恋を唄う少女YU-NO【Windows10対応版】 --上記『elf classic』版の再販。FANZA GAMESによるWindows 10/11に対応している。 ---- *この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO(セガサターン版) 【このよのはてでこいをうたうしょうじょ ゆーの】 |ジャンル|SFアドベンチャーゲーム|&amazon(B000069UG7)| |対応機種|セガサターン|~| |発売・開発元|エルフ|~| |発売日|1997年12月4日|~| |定価|7,800円(通常版)&br;9,800円(マウス同梱版)|~| |レーティング|18歳以上推奨|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| **概要(SS版) 上記ソフトのコンシューマ移植版。 **変更点(SS版) -グラフィックが全て描き直されている。 -一部シナリオの変更 --CS環境に合わせて性描写等、一部描写の削除・変更 --PC-98版のスペシャルディスクに収録されていた追加エピソードが、後編ストーリーに組み込まれた。 -追加要素 --主要キャラクター全員にボイスがついた。 --手に入る宝玉の数が2個追加された。 ---アニメーションの追加。 **評価点(SS版) -SSに合わせ、演出面が全体的に強化された。 --書き直されたグラフィックは全体的に綺麗になった。 --追加されたボイスも檜山修之氏、立木文彦氏、井上喜久子氏、今井由香氏、冬馬由美氏等々、非常に豪華な声優陣であり、実にはまり役。 --OPムービーも後述のような問題はあれど、出来自体は良い。 -宝玉の追加で遊びやすくなった。 --ゲームシステム上、うかつな宝玉の使用(=セーブポイントを作る)で窮屈なプレイになってしまいやすく、使い切った際には面倒な事になるのだが、宝玉が増えた事で遊びやすくなった。 **問題点(SS版) -ディスク入れ替えの手間が増えた。 --ディスク3枚組み構成になっており、別ルートへ飛ぶ際にはディスク入れ替えが必要。 ---一応、分け方は考慮されており、全くの別ルートへ飛ばない限りはディスク入れ替えは発生しない作りにはなっているが、プレイに行き詰った際等に色々とルートを変える際には割と面倒である。 -OPムービーに2部のネタバレが入っている --PC98版では1部のシーンしか入れない事でネタバレを防ぎ、2部の衝撃に一役買っていたのだが、それをOPに入れてしまった事には否定的な声も。 -「石棺パズル」へのサポートは特になし --PC-98版の頃に比べると『[[マリオのピクロス]]』等もあってルールは知れ渡ったが、やはりルールを知らない人は大抵ここで詰まった。 **総評(SS版) グラフィックやボイス等、演出面が強化され、宝玉の追加で遊びやすくもなった良好な移植版。~ CSに移植された事で幅広く遊ばれ、『[[EVE burst error]]』と合わせPCユーザー以外にも菅野ひろゆきの名前を広める事となった。 ---- *この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO(フルリメイク版) 【このよのはてでこいをうたうしょうじょ ゆーの】 |ジャンル|SFアドベンチャーゲーム|&amazon(B06XK8BCZ6)|&amazon(B01J16N6DQ)|&amazon(B07MNNYY3L)| |対応機種|プレイステーション4&br;プレイステーション・ヴィータ&br;Nintendo Switch&br;Windows(Steam)|~|~|~| |開発元|MAGES./5pb.|~|~|~| |発売元|【PS4/PSV/Switch】MAGES./5pb.&br;【Steam】スパイク・チュンソフト|~|~|~| |発売日|【PS4/PSV】2017年3月16日&br;【Switch】2019年3月14日&br;【Steam】2019年10月2日|~|~|~| |定価|【PS4/PSV】&br;7,800円(通常版) / 7,000円(DL版) / 11,000円(限定版)&br;【Switch】&br;7,344円(パッケージ版・税8%込) / 6,480円(DL版・税8%込)&br;【Steam】5,180円|~|~|~| |レーティング|CERO:D|~|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|~| |備考|PS4/PSV初回限定版には攻略本とサウンドトラック(5枚組)が付属&br;Switch版には初回特典として『ファミコレACT ユーノの大冒険』DLコード及び&br;パッケージ版のみパッケージセットが付属|~|~|~| **概要(フルリメイク版) 上記ソフトのリメイク版。~ PS4/PSV版は初回生産特典としてPC98版がダウンロード出来るプロダクトコードが同梱された。~ DL期限は発売日から1年後の2018年3月15日(木)までだったが、期限直前にこの期限以降もDLできるよう変更された。~ (変更後の期限は記載されていない為、新たな発表があるまでは無期限になった物と思われる)~ ([[リメイク版公式サイト>http://yu-no.jp/]]) 2019年3月14日には同内容でSwitch、10月2日にはSteamでも発売・配信された。 **変更点(フルリメイク版) -グラフィック及びCVの変更。 --CGは「[[アルネトリコ>アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女]]」シリーズ、「[[ラングリッサーI&II]](フルリメイク版)」などでお馴染みの凪良氏が担当。全て描き直されているが、構図は原作に準拠している。 ---キャラクターは全員のCVが変更になっている他、服装や髪型も変更されているものの、立ち絵等も原作準拠の為、完全新規の物はない。 -BGMを全てリメイクし、新曲も追加。設定でオリジナル版の音源にする事も可能。 -画面クリック時にプルーフターゲットシステムを採用。 --同じく菅野氏の作品である[[探偵紳士シリーズ]]のシステムが使われており、画面内をクリックするポイント&クリック方式の画面では画面中に〇が配置されている。それらにカーソルを合わせると「空」「机」「あたりの様子」等、クリックする対象の項目名が表示される。 -選択時に同じメッセージしか出ない選択肢は表示が暗くなる。 -ADMSの画面で宝玉セーブにサムネを追加。 --その場面の時間とルート名、開始時の文章が載っている。 --各ルートも色分けされており、カラフルな見た目になった。これにより今現在誰のルートにいるのかが分かりやすくなっている。 -石棺パズルの解答を見られる機能を追加。 --オプションに「パネル解答表示」が存在する。(標準ではオフ) -新規に作成されたCGも収録されている。代わりにSS版にあった一部のCGが何故か収録されていない。 -Switch版では移動マップの可視化やヒント機能の搭載、全編がプルーフターゲットシステムで遊べるようになっている。 **評価点(フルリメイク版) -システムの改善で遊びやすくなった。 --プルーフターゲットシステムの採用と選択肢のグレー化で、ゲーム性はほぼ変えずに元々のシステムの問題であった「選択肢が目に見えず総当たりしにくい」「変わり映えのない選択肢を繰り返してしまう」が改善された。 ---進行フラグの立て方が分かりづらい箇所は残ったままだが、それでも総当たりが目に見えて可能になった事で以前に比べるとかなり進めやすい。 --ADMS画面でのサムネの追加も便利。 --石棺パズルも答えをそのまま表示させてしまうのはどうかとも言えるが、今までが最終手段もなく詰まってしまった人間もいたので、こういう解決も仕方ないと言える。 -初回生産特典のPC98版移植(PS4/PSV版のみ)。 --グラフィックの変更はやはり原作ファンからの抵抗が強く、またシステム変更のない原点のままで遊べるというのも原作ファンには嬉しい要素。 ---オプションでPS4/PSV版同様のターゲット表示も可能になっており、あくまでグラフィックやBGMを元のままで遊びやすくというのも可能。 ---マウスでの操作に対応していないのは残念だが、普通にプレイする分には特に問題無いだろう。 --家庭用への移植という事もあり、さすがに完全移植では無く、現在の倫理基準に従って18禁などの一部シーンに修正が加えられているが、これは仕方ないだろう。 **賛否両論点(フルリメイク版) -変更する際に必ず槍玉に上がる問題だが、声優・キャラクターデザインの変更は原作ファンに違和感を与える。 --元のグラフィックは今のゲームとして出すには絵柄が古いので、今風の絵柄への変更は仕方ないとも言える。ただし、よくも悪くも有象無象のアニメ調の絵柄であり、受け入れやすい一方で問題点の「ヒロイン設定」の部分に非常に違和感を覚えやすい。 //別に禁じ手なんて言われてない --また、新声優はSS版プレイヤーからするとやはり違和感が強い。 ---決して下手なわけではないので、新規プレイヤーからは特に問題視はされていない。 -プルーフターゲットシステムの導入で小ネタが目に見えるようになった。 --特に主人公の自室が健著で、クリアには必要ない項目が多数ちりばめられているのが、システム変更で見つけやすくなった。 --半面、こういった小ネタは探す楽しみでもあった為、それをはっきり項目を出してしまうのは楽しみが減ってしまってもいる。 **問題点(フルリメイク版) -キャラデザ変更による問題 --前述の通り、キャラデザ変更による好みの違いが出ているが、それとは別に全体的に幼く見える絵柄は作風に合っていないとも言われている。 ---特に大人の女性は幼く見えすぎてしまっており、キャラとのギャップが出てしまっている。 -OPムービーの変更でゲーム中のヒントが分かりづらくなった。 --OPムービーのみに存在するゲーム中のヒントが存在するのだが、その箇所が非常に短時間で気づきにくくなっており、さらにゲーム中でこのOPムービーを見る機会が本編開始直前のみとほぼない。 ---今までの機種では起動の度にOPムービーを見る機会があり、ヒントの箇所も直接的な描写だったおかげでまだ気づきやすかったのだが、本作初プレイではまず気づけなくなってしまっている。 --一応、タイトル画面で別のヒントも追加されているが、これも曖昧な表現でヒントとは気づきにくい。ゲームをプレイするたびに知らずに何度もすっ飛ばしてしまい詰んだプレイヤーも多いと思われる。 --OPムービー自体は動画サイトや公式サイトにおいて公式配信されているのでいつでも確認する事は可能だが、実際ゲームを始めた後に見に行く事は稀なので、攻略の面では役に立っているとは言えないだろう。 -プルーフターゲットシステムの問題点 --システムありきでクリック個所を設定した既存のゲームと違い、クリック個所ありきでクリック箇所を分かりやすくさせる為に導入した為、顔のど真ん中に〇(正確には小さい虫メガネ)が出てきたりと見た目としては良い物ではない。 ---選択可能な箇所の多い本作では画面中に虫メガネマークが散らばっており、悪い言い方をすれば本来のグラフィックの画面中にゴミが散らばったような見た目になってしまっている。 #region(画像) |&image2(yu-no_ps.jpg,height=200)頭、髪、表情、等に元々チェック箇所があった為、&br()顔だけでも複数のマークが配置されてしまっている。| #endregion -不具合 --一部で音が止まるバグがある。 //--絵と一致しないセリフがある。 //気づかなかったけど、具体的にどの場面? //--エンディングが初回からスキップ可能になってしまっている。 //これはこういう仕様ってだけで別に不具合じゃないだろう。こういうゲームも多いから飛ばせるだけで問題とも言えないし。 -PC98移植版のOPムービーが一部不自然になってしまっている。 --元々はOPムービー開始時にelfのメーカーロゴマークが表示され、その一部(eの上の三角マーク)がそのまま残りムービーの一部になるという演出なのだが、elf表示を消した上でその残るマークのみを残してしまっている為、謎の三角だけが表示されるという違和感のあるOPになってしまっている。 -画像が存在しないキャラとの会話はそのまま --新規の背景やキャラは作られていない為、ドラッグストアの場面などが黒バックなのはそのままである。 -ボイスの読み間違いがある。 --「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の「志」を「し」と読んでしまっている。 ---しかも間違えているのが老人である為、余計おかしく聞こえる。これはSS版ではきちんと「こころざし」と読んでいた。 ---後述の同キャストによるアニメ版では「こころざし」と読んでいる。 //-既読スキップが完全ではない //--既読スキップが完全と言えず、別ルートで話した内容が、他のルートでもう一度話されることがある。 //--このゲームでは並行世界の話で別のルートでも物によっては同じ話をすることもあるゲームではあるが、それならば表現を変えるなり、あっさり流すなり工夫すればいいだけの話である //並行世界でも影響ない部分は同じ事が起きる、どっちが先にプレイかの判定は一部のアイテムを持ってるかみたいな場合を除けば全体的に行われてないし、この指摘は的外れとしか言えない。全く同じだからこそ意味あるんだよ。 -直接関係のない作品のCMのためのDLC --2017年6月5日に追加シナリオを収録した修正パッチが配信されたが、その内容が『ミステリートF』の宣伝であり、『YU-NO』自体とは全く関係のない物だった。 ---ゲームクリアが必要な上、公式で新ルートの追加と宣伝、いかにもな雰囲気の気になる場面の公開等、それなりの文量の新規シナリオではないかと噂されていたのだが、結局、内容は「もう戻ってこれない」といった内容の会話の後、1分もない『ミステリート』冒頭を映して終わりという、肩透かしにも程がある内容だった。さらに『ミステリートF』は[[紆余曲折を経て開発しなおし>https://dengekionline.com/articles/103848]]となった。 **総評(フルリメイク版) グラフィックやボイスの変更はあるものの、内容自体はシナリオやシステムをほぼいじらずに遊びやすくなっており今からYU-NOに触れるなら本作でも良いだろう。~ PS4/PSV版かつ初回生産版のみではあるがPC98版の移植もDL出来るようになっており、現環境で過去の名作が遊べるという原作ファンにも嬉しい一作。~ ADVの名作としていまだに名前が挙がる事が多いのに遊びにくい環境が続いていたので、本作は過去の名作に触れる良い機会となった。~ ---- **メディアミックス展開 -18禁のOVAが発売されている。 --全4話にまとめられているのと、あくまでアダルトアニメとして作られている為、内容にはかなりの変更が加えられている。 ---後述のTVアニメ化に伴い、全1巻にまとめたゴールドディスク(廉価版DVD)が発売された。 -月刊Gファンタジーでまりお金田による漫画版が連載された。 --全1巻である為、かなり展開を端折っている。 -神代創による小説版がケイエスエスから発売されている。全4巻。 -PS4/PSVリメイクに合わせ再度各種メディアミックス展開がなされた。 --石田総司による漫画版がコミッククリアにて2巻分が連載された。 --2017年3月17日にiOSで''パズルゲーム''『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 2048』が配信された。 --2018年に2クールでのTVアニメ化が決定され、2019年4月から10月まで放送。キャラデザイン及びキャストはフルリメイク版基準(一部キャストのみSS版準拠)となる。 ---アニメの尺もあるだろうが、元々ゲームシステム部分をアニメにしにくいのもあってか、大筋はゲームのシナリオそのままだが、シナリオは結構な手が入っている。原作で描写されなかったシーンの補完やアニメオリジナルとなるシーンも多い。 ---特に異世界編はその傾向が顕著であり、上述の主人公の問題のある行動についても多くが改変されている。一方で、知的な面があまり見られずスケベでお調子者な面が強調されるなど性格描写については不評意見が多い。 ---ちなみにアニメ版では何故か武田絵里子の髪型が目隠れから片目隠れに変更されている。 ---- **余談 -2枚組のサウンドトラックが発売されている(店頭販売はされず、パッケージ同梱の注文書で購入する形であった)。そのジャケットは2つ折りの紙製という非常に簡素な装丁であった。また、後述するSS版も同じ形式でサントラが販売された(ジャケットはプラケースにグレードアップされていた)。 -上記、フルリメイク版が発売されるまでは少々プレイが困難な環境が続いた。 --PC98版は言わずもがな。 ---上記の通り、PS4/PSV版の初回生産特典としてPC98版が移植された。 --Windows版はどちらも限定販売のみで、現在はプレミアになってしまっている。 ---elfは旧作のダウンロード販売も行っていたのだが、本作は販売しなかった。 ---その後elfは倒産してしまったのだが版権がMAGES.に移った事もあり、現在はSteamにてフルリメイク版が販売されている。ちなみに何故かパブリッシャーはスパイク・チュンソフトとなっている。 --2023年3月31日にはWindows版が再販されたため、原作に近いバージョンもプレイしやすくなった。 --SS版は多少プレミア値が付いているが、PC98・Windows版に比べれば入手しやすい。リメイク版が発売されるまでは本体を用意できれば一番遊びやすい環境だった。 ---なお、SS版は現在のCERO:CかD指定程度の描写。あくまで18歳以上「推奨」であって18禁ではない。 ---前述のフルリメイク版はCERO:D(17歳以上対象)。性表現はSS版とほぼ遜色は無い。 ---ちなみにアニメ版は性表現を匂わす描写が大分抑えられている。 -製作者、剣乃ゆきひろ氏による本作への評価 --「僕たちの美少女ゲームクロニクル」にて、本作を「駄作」と評していた。原因はA.D.M.Sシステムでゲームのほとんどの部分を構成したかったのに、開発期間の影響もあり物語後半部分で旧来の一般的ADVのシステムを使わざるを得なくなったこと。 ---だが、その後、プレイヤーからの非常に高い評価を受け、自信を取り戻したそうである。 -本作のキャラクター武田絵里子は、『[[THE KING OF FIGHTERS '97]]』の「シェルミー」のモデルと言われている。 -パズルを入れる案は梅鳥うりり(旧名:福永ユミ)氏が出したとのこと。([[参考リンク>https://megalodon.jp/2020-1113-0832-03/https://twitter.com:443/uriri_umetori/status/1240763879740719105]]) //[[ウィキペディアでの本作の項目>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%93%E3%81%AE%E4%B8%96%E3%81%AE%E6%9E%9C%E3%81%A6%E3%81%A7%E6%81%8B%E3%82%92%E5%94%84%E3%81%86%E5%B0%91%E5%A5%B3YU-NO]]が、アダルトゲームの項目としては異常に充実していることで知られる。考察の部分に難解な点が多々存在することと、ネタバレの記述が存在する点には注意。 //他、[[ニコニコ大百科の項目>https://dic.nicovideo.jp/a/%E3%81%93%E3%81%AE%E4%B8%96%E3%81%AE%E6%9E%9C%E3%81%A6%E3%81%A7%E6%81%8B%E3%82%92%E5%94%84%E3%81%86%E5%B0%91%E5%A5%B3yu-no]]も2019年現在は有志により非常に充実した内容となっている。ただ、主観寄りにバイアスが掛かっている。 -フルリメイク版公式サイトにネタバレになる人物相関図がある。 --本来プレイ前には開示されない異世界編のキャラクターまで紹介してしまっている。 //詳しく書くと「似てるけど同一人物?」って疑問まで解消しちゃうネタバレになる //何故か余談に書き換えられていたが公式ネタバレはこの上無いほど問題だろ余談で済むような話では無い //ゲーム内に入ってない事なんだから企業問題であって余談で触れる事 -本作の登場人物の苗字は九州の戦国武将から取られている。 -2017年1月に音楽家・高見龍氏へのインタビュー記事が[[掲載された>https://automaton-media.com/articles/interviewsjp/20170124-38850/]]。 --開発状況や移植に関する事情など、本作に関して詳しい記述がなされている。 -奇しくも、シナリオの菅野氏とサウンドの梅本竜氏は、同じ2011年に病没している。 -フルリメイク版のおまけゲーム『ユーノの大冒険』は『GUNDEMONIUMS』『チェルシーさんは7の魔人をブッ殺さなくてはならない』『[[メイドさんを右にミ☆]]』等''数々の変態向けゲーム製作''で知られるPlatineDispositifが製作している。
*&this_page() ここは完全フリーのサンドボックスです。編集の練習、記事の下書きなど、自由にご利用下さい。~ ただし「[[記事下書き]]」ページと異なり、1ヶ月の内容保持は保証されず、誰かにいきなり消されてしまうこともあります。~ ここに大事な内容を書き込む際には、ご自分でもテキストを保存しておいてください。~ 記事の執筆準備については「記事下書き」ページの利用をお勧めします。 #contents_line(level=1,sep= / ,fromhere) #areaedit *『[[スーパーロボット大戦F]]』の問題点の整理 ここでは記事本文で主に長文になっている個所をなるべく簡略化する目的で編集しています。 *問題点 **両編共通 //副主人公加入など、『F』での行動が『完結編』に影響を及ぼす件もこちらに記述 ''演出面'' -相変わらず戦闘アニメをスキップできず、毎回ロードが挟まるために戦闘のテンポが悪い。 --これ自体は同じCD-ROM媒体である『第4次S』や『[[新>新スーパーロボット大戦]]』から引き継いだ難点といえる。しかし問題なのは肝心の戦闘アニメが、グラフィックが綺麗になった点以外はSFC版の『第4次』と大差ないレベルであること。 ---静止画の立ち絵をベースに攻撃エフェクトを加えた程度であり、一部の武器は色やエフェクト、効果音が原作と異なっている。 ---ちなみに『新』の戦闘アニメは、機体/パイロットのカットインを多用したり、戦艦のメガ粒子砲が画面一杯に広がるほど巨大だったり、コマ数こそ少ないが手が動いていたり、ローテクながらも相当な工夫を施していた。なぜ退化してしまったのだろうか? --またほとんどの武器で「キャラが喋り終わる→攻撃」の手順を踏むため、ロード時間とは別に、使用武器によっては戦闘アニメのテンポが非常に悪くなる。これも初めて戦闘にボイスが付いた『第4次S』からの改悪点といえる。 --スタッフは当時の雑誌インタビューで「戦闘アニメのスキップ機能を持たせることはできたが、折角作ったのだから飛ばさず全て見てほしかったので搭載しなかった」と語っている。しかしプレイヤーの快適さを犠牲にしてまで見せる程の出来とは言えないため、評価を下げる要因になっている。 ''戦闘面'' -ユニット・パイロットのバランス調整が不十分。 --リアル系パイロットは「ニュータイプや聖戦士などの強力な特殊能力を持つ主役級は強く、それ以外は弱い」という極端なバランスで、しかも敵のインフレが激しくプレイヤーの愛で弱キャラを使い続けることが困難。その結果「''ニュータイプ(と強化人間と聖戦士)にあらずんば人にあらず''」と評された。 ---特に『ガンダム0083』のコウや『ガンダムW』のガンダムチームなどは、主役級なのにとにかく使いづらい性能にされてしまったため、槍玉に挙がりやすい。 ---さらに、リアル系の主役級ユニットのメイン武器(ファンネルなど)は切り払い可能なものであることが多く、終盤は位置取りに気を付けないとボス級はおろか雑魚敵にすら切り払われ「踏み込みが足りん!」と煽られる。 --スーパー系パイロットはリアル系より命中・回避が低く、加入が早いユニットの場合は運動性も低いため、中盤以降は精神コマンドの「必中」がないとリアル系には雑魚にすら当てづらくなる。必殺技クラスの武器の燃費も悪め。 ---とはいえ「必中」をかけた必殺技が大ボスの撃破に重要な役割を果たす場面も多いので、ある程度育てておく必要はある。 --スーパー系・リアル系を問わず、命中・回避を補う精神コマンドを覚えない味方パイロットが多い。特に『完結編』の大ボスクラスになると、能力が高くても命中・回避を補う精神コマンドがない場合はまず当てられず避けられない。 ---敵の「シールド防御」(ダメージ半減)や「切り払い」(剣や実弾の攻撃を無効)の確率が、旧作以上に高まっているのもやっかいな点の一つ。終盤ともなると、実質的に50~60%程度の確率でいずれかが発動してしまう。切り払いは「必中」で無効化できるが、シールド防御はそれもできず((防御系技能を無効化する精神コマンド「直撃」は、本作時点では存在しない。))、運に任せるほかできなくなっている。 --地形適応の設定も雑で、『F』『完結編』共に後半は殆どが宇宙であるにもかかわらず、マジンガーシリーズ((『第4次/S』まで参戦していた『グレンダイザー』は本作では不参戦。))や『ダンバイン』など原作で宇宙戦が存在しない作品や魔装機神系のユニット・パイロットは、たとえ主役級でも宇宙適応がB(最大のAより1段階劣るランク)となっており不利になる((本作はダメージ計算式の中で地形適応が占める割合が大きく、数値がインフレした終盤戦において、A(1.2倍)とB(1.0倍)ではダメージなどに結構な差が出てきてしまう。なお本作の地形適応は命中・回避には影響しない。))。サイバスターなどのように強力な要素を持つものを除いて、終盤は二軍落ちしやすい。 ---地形適応を補う強化パーツは空適応をAにするミノフスキークラフトのみで、ユニットの空以外の地形適応はフル改造ボーナスでのみ補えるが莫大な資金がかかり、パイロットの地形適応は本作では一切改善できない。仕様上パイロット・機体の適応値双方がAでないと総合でB以下と判定されてしまうため、パイロット側の地形適応が悪い場合はどうしようもない((主題歌の歌詞に「宇宙スペースNo.1」と出てくるゴーショーグンは、パイロットである真吾の宇宙適応がBに設定されたせいで、一部のプレイヤーから「宇宙Bの宇宙スペースNo.1(笑)」などと皮肉られる羽目に。))。 ---「スーパー系・宇宙A・強力な必殺武器・戦闘系精神コマンド(命中系+熱血or魂)」という4つの条件を併せ持つユニットは、真ゲッター・イデオン・ガンバスター・ダンクーガ(条件付き)と、スーパー系主人公機のグルンガストくらい。~ 特にイデオンは攻撃力9999・射程∞という規格外すぎるMAP兵器を持ち、更にパイロットの一人が精神コマンドの「魂」を覚えるなどぶっ飛んだ性能を持つが、どうしてもクリアできない時の救済要員としての色合いが濃いうえ、イデゲージが上がりすぎると制御不能になって味方を攻撃したり、イデが発動してゲームオーバーになるというリスクも背負っている。 --このようなバランスの悪さから、攻略本で「全滅プレイ((「ゲームオーバーになるとその面で得た資金・経験値を繰り越した上でやり直せる」というもの。スパロボ伝統の仕様であり、資金稼ぎの基本テクニックである。ただし本作では一度でも中断セーブから再開すると実行できない。))の繰り返しと修理・補給によるLvカンスト((「修理のできる機体を2つ用意し、MAP兵器を当ててHPを削り、お互いに修理をして経験値を稼ぐ」または「補給可能なユニット同士でお互いを補給し合う」というもの。))」が推奨されるほどであった((どちらもターン数がかかってしまうが、総ターン数が終盤の分岐に影響した『第3次』『第4次/S』と違い、本作では総ターン数は隠しキャラであるセイラの加入にしか影響しない。))。ただし『F』ではパイロットレベルの上限が40に設定されている(『完結編』では従来通りLv99が上限)。 ---「普通にクリアする場合は主力を絞れば何とかなる」という報告もあるが、作品単位で不遇な作品が存在する点は、キャラゲーとして問題と言える。 //ユニットの限界反応に関する問題については、それが顕著になる『完結編』のほうに記述。 -SS版とPS版、『F』と『完結編』で若干性能が修正された機体やパイロットがいるのだが、ことごとくプレイヤー不利になっている。 --『エルガイム』のダバや『ガンダムZZ』のルーなどは、2回行動解禁レベルがSS版『F』とそれ以外を比較すると後者が多少高くなってしまっている。 ---そのうえ、『エルガイム』の敵パイロットは2回行解禁動が遅れておらず、ポセイダル軍のパイロットの大半(ハッシャ、アスフィー以外の全員)がダバより早いという状態に陥っている。条件付きで味方入りするギャブレーもその例に漏れず、ダバは主人公の面目丸つぶれとなってしまっている。 -武器の地形適応(以下、武器適応)が戦闘に与える影響が少々複雑。 --本作では基本的に格闘武器(拳のアイコンが付いている武器)は「相手のいる地形」を、射撃武器(照準のアイコンが付いている武器)は「自分のいる地形」を参照してダメージ計算が行われる((たとえば射撃武器であるガンダムMk-IIの拡散バズーカの武器適応は「空A/陸A/海B/宇宙A」で「海にいる敵へのダメージが落ちる」のではなく「海の中で撃つとダメージが落ちる」。))。 ---ただし地形適応が「-」の場合は相手への攻撃不可判定が優先され、たとえ射撃武器であっても相手がその地形にいる場合、その武器で攻撃できなくなる。((武器適応「空A/陸A/海-/宇宙A」のビームライフルは海の敵に対して撃つことができない。また自分が海の中に入って敵を撃つと強制的に10ダメージになってしまう。)) --マジンガーZのロケットパンチなど、分類自体は格闘武器だが、射撃武器と同様自分のいる地形を参照する「格射武器」も存在する。ただし隠し設定となっており、通常の格闘武器との区別がつかない。 --わかりにくいと判断されたのか、次回作以降では格闘武器も射撃武器も相手側のいる地形を参照するようになっている。 -反撃行動の選択時、シールド防御は「防御」を選択すると、分身は「反撃」以外を選択すると絶対に発動しなくなる。一方で切り払いは防御・回避のどちらを選択しても発動する。 --『完結編』に限り、これらの防御系の技能は「反撃」を選択しなければ(「反撃不能」も含む)発動しない仕様になっている。前述した切り払い対象武器も、相手が反撃不能となる位置から攻撃すれば切り払われない。 --これら防御技能の発動可否の違いが仕様か不具合かは不明だが、仮に仕様だったとしてもその意図が分からない。 -過去作と違い、敵ユニットが積極的にMAP兵器を使用するようになっている。本作では範囲内に2機以上自機がいると確実に撃ってくるため、適当に進軍していると部隊壊滅の憂き目に遭う。 --2回行動可能な敵が多くなる『完結編』終盤では「1度目の行動で位置を合わせ、2度目の行動でMAP兵器」という行動も増えるため、対処が難しい。 -特定のマップで出現する一部の敵ユニットを倒したときに手に入る強化パーツが、低確率で高性能なパーツに変化する((たとえばとある敵は倒すと90%でチョバムアーマーを、10%でより高性能なハイブリッドアーマーを落とす。))。落とすパーツはその敵の出現時に決定されるが、どちらを落とすかは実際に倒すまで確認できない。 --こうした敵は改造したスーパー系の最強武器を結集しなければならないほど強力であることが多く、目当ての強化パーツを入手するのは非常に骨が折れる。 -前後編に分かれているシナリオにおいて、「前編で気力100を超えたパイロットは、後編にも出撃すると気力が下がる」という仕様がある。「連戦からくる疲労」という理由付けはあるので、納得するか理不尽に思うかは個人差である。 --「前編と後編で満遍なくユニットを使ってほしい」という意図だと思われるが、前編・後編共に全力を出さないと厳しいマップが多く、二軍のユニット・パイロットまで出す余裕はあまりない。 --「気力100以下で前編を終了したパイロットは、後編では気力100で出撃する」という仕様もある。このため「前編で出撃した主力パイロットの気力を補給や戦艦の搭載などで100以下に下げ、前編と同じ戦力で後編に臨む」という、非常に時間のかかる作業が推奨された。 --この仕様はあまりにも評判が悪かったのか、採用されたのは本作のみである。 ''シナリオ面'' -『第4次/S』でリアル系ルートが優遇された反動なのか、本作では逆にリアル系ルートが不遇となっている。 --版権作品側でいくつか例を挙げると「コン・バトラーVの武装追加が『完結編』終盤と大幅に遅れる((追加武装は便利ではあるが威力に乏しく、『F』ならともかく終盤に追加されても使い道がない。))」「テキサスマックが入手できない((飛行可能・それなりのHPと移動力・切り払い/シールド防御可・主兵装が実弾・2人乗り・貴重な海A等の有利な要素が多く、加入していればインフレ前の『F』中盤までは十分戦力となれる。))」「ルー・ルカの加入が『F』中盤の終わり頃にずれ込む((一軍というほどでもないがMSパイロットとして十分戦力になり、「幸運」「かく乱」といった便利な精神コマンドを習得してくれる。))」「Gディフェンサーが『F』終盤まで登場しない((ガンダムMk-IIと合体してスーパーガンダムになれる。火力こそ低いが、飛行可能・二人乗り・長射程武器と2種類の実弾兵器・移動力6という特長を持つ。))」「シャイニングガンダムの使用可能期間が短い((どちらのルートも第26話で正式加入するのだが、スーパー系のみ正式加入の前に一定期間スポット参戦してくれ、戦力として大いに役立ってくれる。))」などがある。 //コン・バトラーVの武装追加が遅い件は大きな問題と取れないので削除 //取れない理由が不明瞭で、あえて削る理由にはならないので削除に反対。ファンからしてみればルーやテキサスマックより深刻かと。あと、パイロットは「仲間になるor加入する」で、機体は「入手できる」の方が適切かと。本作は勇者ロボみたいな意識のある味方機体は(EVAは微妙だけど)なかったはずなので。 --ゲームオリジナル側についても、「主人公の初期機体であるゲシュペンストが空を飛べず、最強武器がビームコート持ちのヘビーメタルに通りにくい」「後継機のゲシュペンストMk-IIの追加が遅い((通常は『完結編』での入手になるが、スーパー系のみ後述の選択肢で「恋人がいる」を選択すると『F』中盤で入手可能。))」「主人公・副主人公ともに命中/回避に補正を掛ける精神コマンドの集中や必中を覚えない((スーパー系の場合はどちらも「必中」を覚える。なお本作では『第4次/S』と違い主人公と副主人公の精神コマンドは固定で、誕生日と星座を変えても精神コマンドの構成は変わらない。))」といった難点がある。 ---ただしリアル系副主人公は「激励」「再動」といった強力な精神コマンドを覚える。スーパー系の副主人公は「信頼」以外戦闘寄りの構成なので、「サポートが強い」という点においてはリアル系が有利と言える。 -『第4次/S』と同様、『F』のシナリオ内で「主人公に恋人はいるか」という質問を投げられるが、この時「いない」と答えると''副主人公が『完結編』の最後まで一切登場しない''。『完結編』を引継ぎなしで最初から始めた際に「恋人はいない」を選択しても同様。 --『第4次/S』では副主人公の登場タイミングや展開が変わるくらいで、本作も同様と考えた『第4次/S』プレイ済みの人に対するトラップとなってしまっている。 -こちらも『第4次/S』と同様、死亡描写も無く退場する敵キャラや、『第3次』までは登場していながら本作では一切登場しないキャラ((『Zガンダム』のサラ、『ガンダムZZ』のキャラ・スーン、『ダンバイン』のガラリアやベルなど。『グレンダイザー』『ライディーン』など作品ごといなくなったものについてはさすがに仕方ないが。))が複数存在している。 //「声優絡みで出演できなかった」という主旨の文章は推測を多分に含むので削除 ''その他'' -設定ミスについて --『Zガンダム』のアッシマーのユニット性能に、スタッフの勘違いと思しき設定がされている。本来の装備に含まれないビームサーベルを使用し、大気圏内専用機のはずなのに宇宙でも出撃するマップがある(宇宙適応もA)((前者は原作でガンダムMk-IIのビームサーベルを奪ったシーンを勘違いしたものと思われる。後者は『ZZ』終盤でグレミー軍がアッシマーを宇宙で運用している描写が1カットのみあったが、これは作画ミスである。))。 --『ゴーショーグン』の敵・ブンドルは原作での登場時にクラシック曲を流しており、その再現として彼との戦闘ではクラシック曲が戦闘BGMとして使用される。しかし本作で流れる「ワルキューレの騎行」は原作でブンドルが嫌っている曲であり、選曲としては不適切である。 --ゼイドラムなど一部の敵には、剣などの斬撃武器が武装にないにもかかわらず「剣装備」が設定されており、パイロットが切り払い技能を持っていれば通常通り発動する。 -不具合について --規模の大小を問わず、バグは多め。『F』の修正版や『完結編』、PS版では修正されているものもあるが、逆にそれらで追加されてしまったバグも存在する。 --武器に設定されているクリティカル率の補正値は「-20/-10/±0/+10/+20」の5段階だが、実際の補正値が表示上のものより1段階低いもので扱われる。 ---表示上は最低の「-20」は1周回って「+20」で扱われる。この影響で、表示上の補正値が「-20」になっていることが多いバルカン・機銃系の武器が異様にクリティカルヒットしやすくなっている。 --防御技能の切り払いとシールド防御がLv9の時の発生確率にバグがあり、切り払いは100%発動し、シールド防御はLv1の時と同じ発生率になってしまっている((データ構造の話になるが、技能Lvに対応したコードがそれぞれLv8までしか用意されておらず、Lv9に対応した場所に全く別のコードが入っていることが原因。))。 --SS版のみ、精神コマンド「夢」((出撃しているほかのパイロットの精神コマンドを、SP消費2倍で使用できる。))を使用する際、特定の手順を踏むとSP消費なしで様々な精神コマンドを使用できてしまう。ただし使っても実際には効果が発揮されないものもある。 -評価点にあるようにSS版のBGMはクオリティが全体的に高いのだが、バックで流れているドラム(ファンの通称:セガドラム)について「バンバン喧しい」との意見もある。 --指折りの人気BGMである「はるけき彼方で」は相変わらず人気があるが、セガドラムの多さに加えて曲調とテンポが激しくなったことで「『第4次』にあった哀愁がなくなっている」と難色を示すプレイヤーもいる。 --修正版『F』や『完結編』では「熱風!疾風!サイバスター」など一部BGMの打ち直しが行われた。 **『F』 ''戦闘面'' -序盤から全体的に難易度が高め。 --リアル系は2話でオージェ(HP9000でビーム軽減のビームコート持ち)、3・4話でウイングガンダムといった強敵と、戦力不足の中で戦うことになる。これらは放っておくと撤退するのだが、強力な強化パーツを落とすので悩ましい。 ---本作ではビームコートの仕様が『第4次/S』の「ビーム兵器を1200まで無効化」から「ビーム兵器を1000軽減」に変更されており、ビーム兵器が多いMSは代わりに実弾武器などを使わないと戦いづらい。 --『F』のシナリオの半数以上はポセイダル軍との戦いとなっているのだが、シナリオが進むと上記のオージェのように高性能・強力な武装・ビームコートの三拍子が揃った(一部は加えてMAP兵器持ち)A級ヘビーメタルが大量に出現するようになる。こちらには運動性の低いスーパー系とビーム兵器メインの弱小MSが多いので、相手にするのに骨が折れる。 --『第4次/S』では終盤にしか出なかったオリジナル敵組織の超強力な機体「ライグ=ゲイオス」と戦うマップがいくつか存在する。序盤用に能力が弱められているわけでもなく、''HP42000/装甲3000/最大攻撃力2500''と明らかにおかしい性能。 ---一部マップではターン経過で撤退するが、南米ルートの第18話「ジェットスクランダー危機一髪!!」では撤退条件がターン経過ではなくHP51%以下になっているため、真正面から戦わなければいけない。おまけになぜか機体・武器共に5段階改造済みのため、これまでの育成・改造状況によってはこのマップで詰むことも。 ---終盤では、そのライグ=ゲイオスを上回る敵幹部専用機が現われる。この時は顔見せだけだが、絶望の上乗せである。 --中盤の分岐で南米ルートを選んだ際の第14話「ゴラオン救出」と第17話「敵包囲網を突破せよ」は難易度が苛烈。いずれも敵ユニットの改造段階が3以上(一部ユニットはこちらがまだ実行できない6段階以上)と不公平なことになっており、「当てにくい・当てても大して効かない・反撃で大ダメージ」と嫌な三拍子になっている。 ---「ゴラオン救出」はほぼ全ての敵が森の地形効果を得ているため余計に戦いづらく、「敵包囲網~」のほうは前述のライグ=ゲイオスまで出現する。 ---どちらのマップも一応ストーリー上の会話で難関であることが示唆されており、救済措置も用意されている((「ゴラオン救出」の場合は11ターン目から毎ターン撤退するかどうかの選択肢が出て、撤退を選択すれば敵がいくら残っていてもクリアとなる。「敵包囲網を突破せよ」は「敵が2機しか存在しない東側に逃げればクリア」と最初から指示されている。))。しかし''高難易度であることを伝えられるのはルートを選択した後''と間が悪すぎる。 --『第4次/S』でも存在した輸送機のミデアを救出・護衛するマップがある。ミデアが生き残った数が多いほど自軍への恩恵も大きいのだが、本作のミデアは移動後に攻撃できる範囲に敵がいると、脱出そっちのけで敵に攻撃を仕掛けてしまう。 ---輸送機ゆえの低火力・低耐久ゆえに撃墜される危険が激増しており、完全に余計な行動となっているため、不評を買った。 --以上のように難点は多いが、''『F』の時点では''高難易度とはいえまだ理不尽というほどではなく、ライグ=ゲイオスなど場違いな強敵もやり方次第ではきちんと倒せるなど、高難度ながらバランスは取れていると言えなくもない。 ''その他'' -SS初期版は、前後編構成であるにもかかわらず、''パッケージに前編であることを明記していない''。説明書には一応書いてあるものの、配慮が行き届いていない。 --『F』のパッケージイラストにいるイデオンやガンバスターは『F』のシナリオでは登場せず、『F』クリア後に挿入される『完結編』の予告とオプションでのカラオケモードのデモにしか出番はない。まさにパッケージ詐欺である。 --後述のバグ修正版およびPS版はパッケージ裏に前編であることが明記されている。 -不具合について --SS版『F』では''メモリ内のすべてのゲームのセーブデータを巻き込んでデータが消える''というスパロボ史上最大の凶悪なバグがある。一部小売店ではこのバグのために販売を停止した場所まで出た。 ---戦闘アニメやデモ中にフリーズすることもある。相談センターに電話すると修正版へ交換したうえでハンカチ同封のサービスが行われた(ただし、それでも改善されない場合もある)。 ---基本的に交換対応であったこともあり、市場でのバグ修正版の出回りは少ない。中古では高確率で未修正版であることが多く、パッケージ等が修正版でもソフト本体は未修正版というケースも多々あるため注意。 #region(バグ修正版の見分け方解説動画) &nicovideo2(sm13091667) //&nicovideo2(sm14821946) //見分け方を確認するだけであれば1つ目の動画で十分(2つ目は細かい差分レベルの話が主)なのでコメントアウト。 #endregion --後半で加入する副主人公は、特定の状況でスーパー系の時のステータスとリアル系の時のステータスが入れ替わる。こちらは『完結編』でデータ引継ぎを行う際に正しいステータスに修正される。 **『完結編』 ''戦闘面'' -もともと高難易度だった『F』より戦闘面のバランスが悪化している。 --防御力の強化がユニット改造(味方の場合はそれに加えて強化パーツ)のみに限られ、また気力補正などの影響が強いことから、敵味方ともにダメージのインフレも進むようになる。精神コマンドを駆使すればHP数万の大ボス級も一撃で吹き飛ぶほど。 ---結果として、戦闘における命中面の比重が更に大きくなり、命中率を補正できる精神コマンドや技能が無いパイロットで戦い抜くのは相当厳しい。 --敵ユニットの性能が全体的にインフレを起こすようになり、外見と名前は『F』と同じユニットでも異常に能力が上がっている。名有りパイロット搭乗機はもちろん、雑魚ですら脅威になりうる。 ---『完結編』中盤まではポセイダル軍に代わって『Zガンダム』のティターンズと主に戦うことになるが、たとえば弱めの量産型MSであるガブスレイでさえHP6000/運動性135と、『F』トップクラスの自軍MSだったZガンダム(HP3800/運動性100)より高性能。それなのに撃墜資金は1500前後と低め(下記のヘビーメタルは3000~5000程度が多い)。一方でバランス調整なのかは不明だが、ティターンズ兵を倒した時の経験値は他組織の一般兵より高めに設定されている。 ---ポセイダル軍も『完結編』の中盤(『F』全体で言えば終盤)に再び戦うことになるが、こちらもHP14000/装甲2700/運動性160/シールド・ビームコート・MAP兵器持ちのA級ヘビーメタル・アシュラテンプルなどが一般兵機として出てくるようになる。 ---一部の戦艦もやたらと強力。ウィル・ウィプスやドロスは、4000近くの装甲を誇るうえ、運動性も130近くと''νガンダム並みに高い。''そのため「お前のような戦艦がいるか」と揶揄されている。 ---例外は『イデオン』のバッフ・クランの機体。ほかの敵部隊のメカと違い、全体的に運動性や装甲が現実的なバランスになっており、剣や盾を持たないため切り払いやシールド防御に悩まされることがない。戦艦も同様で、名有りパイロット用の強化版などもなく、程よい強さとなっている。 ---大ボス級の敵やラスボスは限界反応と運動性が恐ろしく高く、主役級のニュータイプ+運動性をフル改造した高性能MSですら攻撃を当てるのが困難(下手をすると命中率が20%を切ることも)。 --『F』の頃から自軍に配備されているユニットには(後継機のあるゲッターロボやシャイニングガンダムなどを除いて)ほとんど強化措置が行われない。Zガンダムやビルバイン((一応ビルバインは、『F』では1だった強化パーツスロットが2に増加している。))、エヴァンゲリオン初号機といった『F』当時の高性能機も、『完結編』終盤までの運用は厳しめ。 ---「序盤からいるユニットが終盤に使いづらくなる」という風潮は当時のスパロボでは当たり前ではあったが、前作に当たる『新』ではこれが改善されていた。だが、本作では上記の敵の過剰なインフレもあって以前よりさらに極端なものとなっている。 --本作の通常プレイでのクリア時のパイロットレベルは60台であるとされる。スーパー系パイロットは2回行動可能になるレベルが60代後半以降に設定されていることがほとんどで(リアル系は早くてLv30台、遅くてもLv50台が多い)、本作では「Lv60以降の必要経験値が増加する」((今までの作品はLv80に達すると必要EXPが500から1000になっていた。))という仕様もあるため、スーパー系の2回行動解禁が非常に厳しくなっている。 -ユニットの出撃に過剰な制限が課された結果、難易度が高いシナリオが複数ある。シナリオ担当とパラメータ担当の連絡不行き届きがあった可能性が指摘されているが、詳細は不明。 --終盤の「灯火は炎となりて」は実質ZZガンダム一機でザク改などの弱小MSたちを数ターンフォローする必要があり((『ガンダム0083』の主役機であるGP-03デンドロビウムも強制出撃だが、ザクほどではないにしろこちらも弱い。))、終盤DCルートの「理想と現実」では初期出撃で選べるユニットの中に一軍半以下のものが多いうえに5機しか出せず、本隊の到着も遅い。 --後半地上ルートの「決戦、第2新東京市」は暗黒大将軍率いる軍勢をEVA3機のみで迎え撃つのだが、何故か敵の運動性がフル改造されており、EVAの改造状況やパイロットのレベルによっては攻撃が当たらず詰む危険性がある。EVA初号機をわざと撃墜させて暴走させるという手もあるが、修理費40000が痛い。 -機体性能の1つである「限界反応」((いくら運動性を高めても、「パイロットの命中/回避+機体の運動性」が限界反応内に収まっていなければそれ以上の性能を発揮できない。ロボットアニメによくある「パイロットの成長に機体がついていけなくなる」展開の再現。))に調整ミスがある。能力が高くなる『完結編』で顕著になり、この問題も過去作から引き継いでしまった。 --真・ゲッター1((無改造の場合、運動性110に対し限界反応は280。パイロットである竜馬のLv60時点での命中は246(356)、回避は254(364)と運動性との合計値が限界反応を超え、どちらも280で扱われてしまう。))やキュベレイMk-II((運動性105・限界反応330。MSパイロットは命中と回避が高いので、限界反応を超えやすい。))など一部のユニットは運動性の高さに反して限界反応が低く設定されており、パイロットの成長やユニットの改造状況によっては簡単に命中/回避と運動性の合計が限界反応を超えてしまう。 --なお『エルガイム』のアトールV((『完結編』だと運動性165と高いが、限界反応はたったの330。名有りパイロット専用なのでいつも限界反応に引っ掛かり、ほかの名有りパイロットの乗機と比べてあまり強くない。))など、敵側にも当てはまるユニットが存在する。 -『F』から『完結編』中盤まではユニットと武器の改造が5段階までに制限されており、これは『第4次/S』の7段階より低い((『新』はユニット改造が7段階、武器改造が15段階。))。終盤に差し掛かるころで10段階改造が解禁される((なおSS初期版『F』の説明書ではユニットの改造段階が10段階になっているゲーム画面が掲載されているが、修正版では5段階のものに差し替えられた。))が、さすがにタイミングが遅すぎる。 --なお6段階以降は必要金額が跳ね上がるため、多くの機体を改造しようとすると資金不足になりがち。改造による能力上昇値も高くなるため、今まで以上に必要な点を見極めた改造を強いられる。 --基本的に二軍のユニットや使いどころのない武器を改造する余裕はないが、前述の通りその二軍ユニットを出さなければいけないシナリオもあり、資金繰りには最後まで悩まされることになる。 -当時のインタビューでは「(宇宙世紀の)ガンダム系の機体の強さは年代順です」と答えられている。 --『F』全般や『完結編』の味方に関してはおおむねその通りだが、『完結編』の敵に関しては「『逆襲のシャア』のジェガン((連邦軍のユニットとして敵対時に登場。))や『F91』のベルガ・ギロスが『Z』のガザCやギャプランより遥かに弱い」など統一されていない。これに関しては前述の性能インフレなどが影響している。 --年代のみを参照したせいか、『Z』世代のMSに匹敵する性能を持つ『0083』のMSが弱く設定されており、攻略本などでツッコまれた。 --また「MSの強さを年代順にすること自体が非常に雑な調整」という指摘もある。スパロボ世界は原作シリーズとは全く異なる世界観なので、開発タイミングや技術の発展が原作と同じとは限らないのである((この点は『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズや『コンパチヒーロー』シリーズにおいても同様。))。 -『完結編』中盤のルート分岐以降、プロペラントタンクやリペアキットといった消費パーツも含め、なぜか敵がほとんど強化パーツを落とさなくなる(終盤のシナリオ「敗者への凱歌」のキュベレイがサイコフレームを落とすのみ)。 ''シナリオ面'' -『[[第2次>第2次スーパーロボット大戦]]』からシナリオを担当していた阪田雅彦氏は、健康問題を理由に本作途中から降板し、『完結編』の後半からはウィンキーソフトの堀川和良氏がシナリオを担当している。そのためか、本作は後半から徐々に不可解な展開も増えていく。 --いくつか例を挙げると「『エヴァ』のアスカが『ガンダムW』のカトルになびく」「ソロシップクルーと甲児・万丈・忍を除くスーパー系パイロットがインターミッション中の会話にほとんど登場しない」「『イデオン』や『エヴァ』の原作再現イベントで、主人公のコスモやシンジがほぼ無言となる」など。 --オリジナル主人公・副主人公も『完結編』後半は一切喋らず、正真正銘のいるだけ主人公となってしまっている。『第4次/S』で好評だった副主人公との告白イベントなども存在しない。 #region(最終話付近の展開にも少々疑問符がつく。(ネタバレ注意)) --最終分岐のポセイダルルートの最終話では通常だと「トレーズがラスボスのシャピロに特攻して突破口を開いた直後、自軍への恨みを抱えたジェリドが突然ジ・Oで出撃して敵対する」という展開なのだが、先にトレーズが撃墜されていると「ラスボスと少々ややこしい因縁を持つジェリドが、なぜか自軍そっちのけでラスボスに特攻する」という展開に変わる。前者は明らかに場違いだし、後者は激高型のジェリドにしては冷静すぎる。 --一方のDCルート最終話の1話前では、事前に特定の条件を満たしておくと「バスクがジャミトフの敵討ちとしてラスボスのシロッコに特攻(自爆)する」というイベントが発生する。本作のバスクは原作と違いジャミトフに忠誠を誓っているため行為自体の違和感は少ないが、「悪印象の強い敵の総大将の敵討ちによる、敵同士の潰しあい」という展開はイマイチ盛り上がらない。 ---シナリオというよりシステムの問題だが、上記2つの特攻イベントは味方ユニットを巻き込んで撃墜してしまうことがあるというはた迷惑なイベントになっている。 --どちらのルートの最終話も、『Gガンダム』の最終決戦が無理やりねじ込まれた形になっている。ラスボスと自軍の会話が終わっていざ勝負…という時になってウルベがデビルガンダムを引き連れて乱入し、長々と喋り始める。こちらも空気が読めない存在になってしまっている。 #endregion -理不尽なユニット廃棄イベントが2つ存在する。SFCの『第4次』では容量不足を回避するためにユニット廃棄や離脱イベントが多かったが、本作で実施する意図は不明。 --ピンチに陥ったキュベレイMk-II2機を救助するシナリオが存在するのだが、仮に両方撃墜されずにクリアしても、実際に使えるのはどちらか1機のみという不可解な展開になる。 ---片方のみ撃墜された場合は撃墜されたほうが永久離脱するのみだが、両方撃墜された場合は「両方の修理費を払ったうえで片方を廃棄する」という理不尽を味わう羽目になる。 --中盤で「増え過ぎた機体を買い取ってもらう」という名目の強制廃棄イベントがあり、資金と引き換えに一部のMS・ヘビーメタル・オーラバトラーが自動で廃棄されるが、一部に不親切な仕様がある。 ---「次のシナリオの開始時点で誰も載っていない機体」が廃棄対象で、インターミッション前の会話で廃棄対象外の機体と搭乗パイロットの組み合わせ(アムロ+νガンダム等)をメモするように言われる。しかしこの組み合わせでの自動的な乗り換えが発生するのは次のシナリオの開始時点。このせいで意図しない機体が廃棄処分される可能性がある((たとえばアムロをインターミッション中にガンダムに乗せ換えても、次のシナリオ開始時には自動的にνガンダムに乗せられ、ガンダムは無人→廃棄となる。))。 ---ネモやジェガンのような弱小MSは捨てられてもさほど困らないが、このイベントはビギナ・ギナやキュベレイMk-II等の一級MSまで廃棄対象に含まれるのが厄介。 ---例外として旧ザクとザク改は、前者はビーチャ、後者は原作にはない「ザクマニア」の設定を付与されたバーニィの進言により誰も乗っていなくても廃棄されないが、メリットは特にない((ソフトバンクの攻略本でそれぞれ「どうすんだこんなの」「どーすんだ、これ」とこき下ろされるほど弱い。なお、のちのルート選択によってはどちらのザクも強制廃棄となる。))。 ---また『ダンバイン』のトッド((なお担当声優の逢坂秀実氏は当時既に引退していたが、中原茂氏や平松広和氏の協力により半年掛かりで探し出したという。))を事前に仲間にしていた場合、仲間にした際の乗機であるライネックに加えて、上記のメモ会話の直後にトッド専用ダンバインが手に入るが、これらも廃棄対象。「折角の隠し機体が入手早々に捨てられる可能性がある」という酷い事態になる。 -一部の味方の永久離脱 --『Gガンダム』のシュバルツとレイン、『ガンダムW』のゼクスとノインは仲間になった後途中で自軍を抜け、二度と戻ってくることはない。ヒイロ・トロワ・カトルも『完結編』序盤で一度仲間にできるが中盤で強制離脱し、終盤のルート選択によっては復帰しない。 --彼らが稼いだ経験値やユニット・武器改造に使用した資金は一切還元されない。前情報なしで加入中に育成や改造をして損をしたプレイヤーもいる。 -中盤のシナリオ「解かれた封印」、終盤のシナリオ「招かれざる訪問者」「ダブル・フェイク」でわずかなターンで勝利条件を満たすと、ゲーム側から不正を疑われてしまう。 --終盤の2シナリオのほうは改造コードはおろかバグや裏技を(場合によってはイデオンも)使わなくても達成することが可能なのだが、スタッフはそこまで想定していなかったのだろう。 --「招かれざる訪問者」ではさらに総ターン数が非常に多いとプレイヤーを暇人扱いしてくる。根拠なき不正者扱いもそうだが、失礼極まりない。 --本作以降の一部作品では、倒すのが非常に難しい敵の撃墜などに成功すると、本作とは逆にプレイヤーを褒めたりボーナスが貰えるものが存在する。 ''その他'' -『新』に引き続き、『ガンダムW』の扱いが酷い。 --まず、『F』では主人公のヒイロを含めて、五機のガンダムパイロットが終始敵として立ち塞がる。 --『F完結編』では仲間に加えることが可能だが、ガンダムパイロット5人全員を自軍に揃えるには、ルート選択を含む多くの条件を満たす必要がある。特に、DCルートを選択すると主人公であるヒイロすら加入・復帰せず((そもそも、ヒイロを加入させるためには、5人全員が揃う条件を満たさなければならない。))、当然ながらファンから不評を買った。五飛だけは必ず仲間になるが、最終話直前で加入と異常に遅い。 //デュオは終盤にポセイダルルートを選んだ場合、『完結編』序盤で一度仲間にしないと再加入しない ---仲間にしたところで「デュオ以外は回避が低い((これは『F』序盤から敵対するための調整と考えられ、代わりに切り払いやシールド防御の最大レベルが高い。))」「2回行動解禁が遅い」「ヒイロの集中以外は命中補助系精神コマンドを覚えない(回避補助のひらめきは全員覚える)」と使いづらさが目立つ。 --唯一の優遇例として、特定の条件を満たすと入手できるウイングゼロカスタムは攻撃力・運動性・移動力のすべてが自軍リアル系トップクラスで、能力的に不遇と言えるパイロットたちでも十分終盤戦に通用するようになる。もっとも、使用可能期間はラスト3話と短いが。 -本作の隠し要素は攻略情報がないとまず気付けないものが多いうえ、大半は性能か使用可能期間に難がある。 --通常のザクの3倍移動でき運動性と限界反応もνガンダムより高いが武装が貧弱なシャア専用ザク、色替えのみで性能の変わらない夜間迷彩ビルバイン((バグで簡単な手順を踏むと通常のビルバインとの両立が可能。))、『F』からの総ターン数が条件((『完結編』から始めたデータは総ターン数がかなり多めになっているため、条件達成が困難となる。))と大がかりな割に能力が微妙な『初代ガンダム』のセイラなどは、オプションのロボット大図鑑・キャラクター辞典を埋めたいわけでもなければ入手価値に乏しい。 --マスターガンダムやウイングゼロカスタムは非常に高性能だが、入手が最終話の3~4話手前と非常に遅い。特にマスターガンダムはこの期に及んで無改造であるため、資金に余裕がなければ使うことをためらいがち。 -『完結編』単独で最初から始めた場合、前編未経験者のために「予めパイロットのレベルがある程度上がっており、様々な強化パーツを入手済みで、すべてのユニットと武器が無改造で、豊富な資金で自由に改造して準備を整えられる」というデフォルトデータが用意されている((強化パーツや各キャラのレベルはそれぞれ4種の設定の中からランダムで決められる。))のだが、この要素についても難点がある。 --全体の中盤に差し掛かったところなのでユニット数はそれなりに多く、事前情報がなければどれを改造していいか分からなくなる。改造する機体を間違えると余計に難易度が上がることになるため、開始時点で早速頭を悩ませることになる。 --パイロットは主役級や修理・補給ユニット乗りのレベルが高め(Lv20後半~30台)の傾向にあるが、バーニィとコウは原作での主役級であるにもかかわらずレベルが1桁のパターンが3つもある。開発スタッフから直々に戦力外通告を受けたようなもので、ファンからすればこれほど屈辱的な仕打ちはないだろう((シナリオ面では、バーニィはネタキャラ扱いで不遇な一方、コウはパイロットとしての資質に注目された会話イベントが何度かあるため、違和感が強い。))。 -設定ミスについて --『完結編』序盤で条件を満たすと、エルガイムとヌーベルディザードのどちらかにMAP兵器「バスターランチャー」を追加できるが、後者に追加すると何故か敵として登場するヌーベルディザードにまでバスターランチャーが追加され、結果として難易度がさらに上がってしまう((敵側の武装追加に対する警告などは特に行われないため、パラメータ設定に関するミスだと思われる。))。 --『ガンダムW』の五飛の乗り換え系統が誤って設定されており、仲間になった後に乗り換えでアルトロンガンダムから降ろすと、五飛がどの機体にも二度と乗れなくなってしまう。 --条件付きで仲間になる東方不敗とアレンビーは切り払い技能を習得しているが、乗機に「剣装備」の設定がないため切り払いを発動できない。 **「ウィンキー補正」について 本作を含むウィンキーソフト制作のスパロボでは「命中・回避に関して敵側有利の補正がかかっているのではないか?((「敵の10%は余裕で当たるがこちらの90%は軽く避けられる」「シールド防御・切り払いの発生確率が異常に高い」など。))」という不満・疑問がプレイヤーから噴出していた。~ これは「ウィンキー補正」と名付けられ、一種の都市伝説としてプレイヤーの間で長年囁かれていたのだが、後年になってこの補正に相当する要素がゲーム内に実装されていることが明らかになった。~ 「見た目の命中率が当てにならない」というのは、SRPGとしては大問題である。 切り払い・シールド防御に関する事象については「両編共通」項の「その他」を参照。 -謎の命中判定 --命中率1~5%の攻撃、および命中率96~99%の攻撃は、普通に乱数を使った命中判定を行うが、命中率6~95%の攻撃は「通常の乱数判定+独自の命中判定」が設定されており、この独自設定のせいで表示されている命中率と実際の命中率が明らかに異なる。 --詳しい仕様は長くなるうえに複雑なため、各自で検索されたい。 -命中率100%すらあてにならない --命中率100%の攻撃、つまり''本来なら絶対に当たるはずの攻撃が回避される事がある''(分身などの防御技能ではなく通常の回避モーションである)。 ---コン・バトラーVの超電磁ヨーヨー等「切り払いで防がれるが、切り払いモーションが設定されていない」武器が一部存在しており、この武器を切り払った場合は通常の回避モーションが発生する。 ---ビルバインのオーラキャノンやF91のビームライフルなど、切り払い対象外の武器が命中100%で回避された報告があるため、ほかに要因があることは確かなのだが、発生報告が少ないため現在も原因不明。 ---ちなみに、本作をベースに開発された『[[スーパーロボット大戦コンプリートボックス]]』でも、これと全く同じ不具合が存在する。 *余談 //プレイに支障が出ないレベルの内容は余談項に移す -通常のプレイでは聞けない音声データがいくつか存在している。 --たとえば『Zガンダム』のブランにはアッシマー搭乗時の被撃墜セリフとして「アッシマーがっ!」が用意されているが、設定ミスにより彼専用の強化型アッシマー搭乗時に撃墜してもこのセリフをしゃべってくれない。 test 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