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これのおかげで、元々のたまごっちの仕様がライフスタイルに合わないプレイヤーにも『たまごっち』がプレイ出来るようになるという需要も産んだ。~ たまごっちブーム全盛期の作品であることから、100万本以上を売り上げた。 **特徴 -基本的なルール --たまごっちが生まれてくる「たまご」は、最初ハンゾーはかせから8つのたまごを渡され、そこから1つ選んで育てていく。最大3つまで育てることが可能。 --ゲームの基本は本家のたまごっちと同じで、食事を与えることで「おなか」を満たし、おやつをあげたり遊ぶことで「ごきげん」をとり、たまごっちを育てて大きくしていく。 --わがままを言ったらちゃんと叱ることで同様にしつけのパラメータが上昇する。 ---以上が本家と同じな点だが、本作ではそれ以外に様々な追加要素が存在し、「たまごっちを眺めているだけのゲーム」ではなく、より優秀なたまごっちを育成するゲームへと変化している。 -食べ物のバリエーション追加 --本家と異なるのは、元のゲームは「ごはん」と「おやつ」が1種類しかあげられなかったのに対し、本作は食べ物の種類が増えていること。 ---食べ物にはそれぞれ追加効果があり、例えば「おにく」や「ケーキ」は、おなか・ごきげんは一度で多く満たされるが、体重が激増するし、やさいは体重が上昇しないなど様々。 ---ちなみに「ごはん」にはたまごっちの種類ごとに好き嫌いが存在し、好みのものをあげればストレスもあがらない。やさいを好むたまごっちもいる。 ---実はこれらの要素は現在の新しいたまごっちでは当たり前どころかそれ以上のことが携帯液晶機で出来るのだが、当時においてはなかなか画期的な追加要素だった。 -「からだ」「あたま」などのパラメータ追加 --本作では「たまごっちコンテスト」が存在。そこで優秀な成績を得るため、たまごっちを鍛えていく。運動ゲームでからだ、勉強ゲームであたまのパラメータが上昇する。ただし成長期によってあがる最大値には限りがある。 ---運動ゲームは球拾い。左右にジャンプで移動しながら、落下してくるボールに接触して手に入れる。ノルマ達成でクリア。プレイヤーが放置しているとたまごっちが勝手に動くが、プレイヤーで操作することも可能。 ---勉強ゲームはたまごっちに簡単な算数の問題を解かせるゲーム。Aボタンを押すことで解答を促すことが出来るが、正解するかどうかはたまごっちの育て方次第になってしまう。 -操作性の良さ --本作では一部(ミニゲームなど)を除いて、お世話中でも別のたまごっちの部屋に移動し、別の育成作業が可能である。これを行うことで効率化が図れる。 -しつけコマンドに「ほめる」を追加 --運動ゲーム、勉強ゲームをやった後、コンテストに優勝した後などにたまごっちを褒めることが出来る。本家ではわがままを言うたまごっちを叱ることしか出来なかったため、わりと大きな変化。 -初代たまごっち、新種発見のたまごっちの進化系統の混成 --本来、たまごっちの進化系統は初代と新種発見で独立していたが、本作は本家ではありえない「まるっち→とんがりっち」といった作品を超えた変化を起こすことがある。 --ただし、まるっちやみみっちなどといった優秀なたまごっちに関しては、原作と同じ系統でないと進化が起こらないという、限定進化も存在する。 -時間の流れ --流石にゲームボーイの電池耐久でリアルタイム育成は無理があったためか、本作の時間の流れはプレイヤーが「おそい、ふつう、はやい」の3段階が設定出来る。 --ちなみに最大の「はやい」は1分間=1時間。慣れると3匹育成でもこの設定でプレイができ、育成の効率化も図れる。 --なお、たまごっちが全て就寝すると、たまごっちが起床するまで時間を飛ばすことが出来る。 **評価点 -ゲームボーイに『たまごっち』のゲーム性をうまく落とし込んでいる --たまごっちに能力育成の要素を取り込んだのは先見の明があると言えよう。以降は他のコンシューマー版でもこのコンセプトは多く見られるようになった。 --時間を同じくリアルタイムにせず、効率化を可能にした点は、もし気づかなければプレイがままならないところだったため、よく配慮されていると言えよう。 --おかげで、「たまごっちを持っていると私生活に影響が…」という大人のプレイヤーでも、気が向いた時にプレイ出来るようになった。 --手を加えることがその分多くなり、本家とは別の愛着が沸くように仕向けられている。 ---ちなみにコンテストに全優勝するなどして優秀なたまごっちを育てると、たまごっち星から使者が来て、死後、母星へたまごっちを連れて帰り、殿堂入りを果たすことになる。 ---しかし死んだモーションの後に殿堂入りの話がくるため、死んだはずのたまごっちが何故か元気な状態に戻る。 -3匹同時育成の楽しさ --1匹だけ集中的に愛でるのも楽しいが、それだけだと流石にゲームがぬるくなるので、1匹、また1匹と増やして育てていくと歯ごたえが生まれる。 --時間を「はやい」にすると、プレイヤーをコールするたまごっちの声があちこちで鳴り響き、あくせくすることになるが、まるで現実の大変な子育てのような感覚にもなれる。 -たまごっち達の表情がとても豊か --ゲームの液晶では実現が難しい感情表現を、本作はしっかり行っている。なお、グラフィックは公式イラストに忠実。 --喜怒哀楽はそれぞれのたまごっちで全て異なるため、お気に入りのたまごっちへの愛着も沸く。 ---ごきげんがマックスだと、たまごっちは画面内を元気に飛び回る、どのキャラもとても可愛い。 ---ちなみに、ぎんじろっちのようにフーテンの寅さんのコスプレなど、元々の設定を拾ったアクションが見られることもある。 -進化系統の幅が広くなった --初代と新種の垣根を超えた進化が生まれたことで、次に何になるかわからないという本家にはない楽しみが生まれた。 --身も蓋も無いことを言うと、それぞれのたまごっちには進化条件があり、それを達成すればお望みのたまごっちへと進化しやすくなるのだが。 -電子音などが結構本家に忠実or雰囲気を壊さないようにしている --例えば本作にしかないトイレ((本家では排泄後の糞を流すことしか出来ないが、本作はコール中にトイレマークを押すことでおまるにトイレをさせることが出来る。))のコール音は本家にはないが、あってもおかしくないような雰囲気ができている。 --再現し過ぎて、本家お馴染みの死亡時の心電図が止まる直前のような電子音は、むしろ本家よりも長く演出されるため、世の子供達のトラウマとして焼き付けられてしまった感はあるのだが。 **問題点 -たまごっちのアイデンティティの崩壊 --リアルタイムに「擬似ペット」を育てるというのがたまごっちの醍醐味であるが、本作は悪く言えばそれを無視して別のゲームにしてしまっている。 --代用品としてある程度の需要は満たしてはいるが、リアルタイム感のない本作では満足出来ないファンがいたのも確か。 --ファンの中でも剛の者は、本家も本作のような派生作も両方愛し、併用して育てていた人もいたくらいだったが。 -トイレ中、他のたまごっちの部屋に移動出来なくなる --例えば、1匹のトイレコールの最中にもう1匹がトイレをしたがった場合、下手をするとどちらかを捨てて一方のしつけを怠ることになってしまう。 --同時にコールするということはそこまで頻繁にないのが救いだが、時間差でのコールはわりとよく起こるため、いらないハラハラ感がある場面も。 -「あそび」のこっち向いてホイ!が本家と同じく完全に作業 --失敗してもデメリットがなく、完全な運ゲーであるため、適当にカーソルを動かして成功するまで何度もやるだけの内容になっており、退屈。 --かといっておやつをあげると、進化に関わる体重のパラメータが大きく変動してしまうため、そう簡単に頼れない。 ---一応運動ゲームをやればダイエットは可能だが、これは確実性が高い反面1回1回が短くないので、効率を考えるとご機嫌取りは「こっち向いてホイ!」が実は一番効率的である。 -たまごっちごとの能力差が激しい --まめっち、みみっちといった、当時において最も優良児と言われたたまごっちは何をやらせても優秀。特に勉強とビューティーコンクールは変な育て方をしなければほぼ勝利確定。 --一番酷いのがビューティーコンクール。たまごっちがポーズをとり、それを審査員が採点するというものなのだが、優良児なたまごっちの最高ポーズの得点が明らかに優遇され、コンクールで対戦相手として当たると負けやすい。 --あたまを最大まであげても、くちぱっち、はしぞーっちといったたまごっちは、難しい問題になると間違えてしまい、決勝で敗退ということもしばしば。 ---- **総評 たまごっちのコアなファンには反発的な意見もあるが、ゲームボーイのたまごっちとしては割合高い完成度を誇っている作品。~ 当時、たまごっちが手に入らず、これだけは持っていたという人もいただろう。~ しかし本作は単に品薄をごまかすだけの内容ではなく、ハードをコンシューマーに移行させたことで実現させた要素もたくさん詰まっている。~ たまごっちの液晶実機を持っているプレイヤーにもわりとオススメは出来る方なゲームである。~ 好評だったのか、元々予定があったのかは不明だが、続編の『ゲームで発見!!たまごっち2』はその約4ヶ月後の10月に発売された。~ ゲームボーイでしばしば見られるにしても驚くべきリリースの早さであるが、こちらもミリオンを達成している。 ---- *ゲームで発見!!たまごっち2 【げーむではっけんたまごっちつー】 |ジャンル|育成シミュレーション|&amazon(B000069S0W)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|トムクリエイト|~| |発売日|1997年10月17日|~| |定価|4,500円|~| |判定|なし|~| |ポイント|むしっち、さかなっち登場&br()育てられるたまごっちが2匹、しかも種類固定と窮屈に&br()たまごっちは自分の足で探して見つける&br()スピード発売の裏に使い回し地獄|~| **概要(2) 前作からわずか4ヶ月という超スピードで発売された新作。流石に間が空かなすぎたのか、前作の素材の多くを流用(特にBGMやシステム)している。~ しかし登場する「たまごっち」は全て新規であり、初代・新種発見からのキャラは一切ない。~ 本作はRPG的な要素も増えており、森や海を散策してむしっちやさかなっちの卵を探しだして育てるという形になっている。 本作で登場したたまごっちは後に「森で発見!!たまごっち」「海で発見!!たまごっち」の2作品が液晶ゲームとして発売された。本作はそれらの先駆け的作品だったと言える。 **評価点(2) -通信ケーブルを用いたたまごっちの交換を実装 --ある程度ではあるが、これで解禁していないたまごっちを埋めることがある程度やりやすくなった。 -冷凍冬眠機能の実装 --これを使うことでたまごっちの時間を一時的ながら止めるという新たなアクションが出来るようになった。 -マップ散策によるダレの防止 --前作は飼育部屋から一切出ずに全て終わっていたが、これを導入することで新たなゲーム性を確立した。 **問題点(2) -使い回しが酷い --いくら登場するたまごっちを一新しているとはいえ、BGMだけならいざ知らず、他のミニゲームはほとんど前作の使い回しである。 --皮を取り替えただけの粗製濫造作品と言われても仕方ない部分がある。発売元から無茶な要求をされたからなのかもしれないが。 -2匹しか育てられないうえ、育てられるのはむしっちとさかなっち一匹ずつで固定 --前作は多すぎたという批判があったのかもしれないが、必ずしも3匹の育成を強要されるものではなく、ここは劣化点としかいいようがない。 -たまごっち達のデザインやコンセプトに賛否が分かれる --モチーフが固定化されたことで、昆虫と海洋生物という題材に二分されたことで、バリエーション自体は減った感はある。 --虫も魚も好きではない人からすると、むしっちもさかなっちも全般的に受け付けないものになってしまうだろう。 **総評(2) 前作の正統進化というより別の形を模索した作品という感があるゲーム。~ 内容的には正直前作の安定感がやや薄れたうえ、馴染みのないたまごっちが出てくるだけのゲームになってしまった感は否めず。~ ただ、通信ケーブル連動の実装やマップ散策など、新しい要素は組み込まれており、進化点が見当たらないわけではない。~ 本作もなんとか「たまごっちブーム」に乗りきれたため、前作と同じくらい売り上げたとのこと。 ---- **その後の展開 -『2』より約3ヶ月後の1998年1月15日、ゲームボーイ三部作の最終作品となる『ゲームで発見!!たまごっち オスっちとメスっち』が発売された。 --流石に3作品連続投球は無理があったのか、開発はトムクリエイトからトーセに変更されている。 --今回は前作と異なり、実機でのオスっちメスっち展開後の販売であり、登場するたまごっちはある程度馴染みのあるキャラ選となっている。 -開発が変わったためか、「ご飯を与えている時の操作受付」や「「大会」などといったやりこみ要素」等、これまでできていたことの多くが不可能となり、微妙な内容になってしまった。~ ゲームとしてのクオリティが低下、さらにたまごっちブームの終焉が重なり、『オスっちとメスっち』はミリオンどころか鳴かず飛ばずで終了となった。
この記事では、ゲームボーイで発売された『ゲームで発見!!たまごっち』『ゲームで発見!!たまごっち2』の2作品について記載しています。 ---- #contents ---- *ゲームで発見!!たまごっち 【げーむではっけんたまごっち】 |ジャンル|育成シミュレーション|&amazon(B0000645N4)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|トムクリエイト|~| |発売日|通常版:1997年6月27日&br()限定版((ゲームボーイポケットとのセット商品。)):1997年7月11日|~| |定価|通常版:4,500円&br()限定版:11,550円(共に税込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|極品薄だったたまごっちの救世主&br()3匹同時育成がなかなかの楽しさ&br()しつけの他に「知力」と「体力」の要素を追加&br()たまごっちのアイデンティティは失われている|~| |>|>|CENTER:''[[たまごっちシリーズリンク>たまごっちシリーズ]]''| **概要 いわゆる『第1期たまごっち』における作品群の1つで、記念すべき初の「家庭用ゲーム機専用たまごっち」。~ 開発経緯は不明だが、当時社会現象となるほど品薄だった「たまごっち」の穴を埋めるべく開発されたという見方が強い。~ 続編が半年以内に発売されたことから見て、相当な急造品だったことが見て取れるが、ゲームとしての完成度は意外にも良い。~ 少なくとも『たまごっち』ブームに華を添えるだけの完成度は保っている。 単に電子ペットのたまごっちをゲームボーイに持ってきただけでなく、携帯ゲームハードに移行するうえで様々な仕様の調整、独自の追加要素がある。~ これのおかげで、元々のたまごっちの仕様がライフスタイルに合わないプレイヤーにも『たまごっち』がプレイ出来るようになるという需要も産んだ。~ たまごっちブーム全盛期の作品であることから、100万本以上を売り上げた。 **特徴 -基本的なルール --たまごっちが生まれてくる「たまご」は、最初ばんぞーはかせから8つのたまごを渡され、そこから1つ選んで育てていく。最大3つまで育てることが可能。 --ゲームの基本は本家のたまごっちと同じで、食事を与えることで「おなか」を満たし、おやつをあげたり遊ぶことで「ごきげん」をとり、たまごっちを育てて大きくしていく。 --わがままを言ったらちゃんと叱ることで同様にしつけのパラメータが上昇する。 ---以上が本家と同じな点だが、本作ではそれ以外に様々な追加要素が存在し、「たまごっちを眺めているだけのゲーム」ではなく、より優秀なたまごっちを育成するゲームへと変化している。 -食べ物のバリエーション追加 --本家と異なるのは、元のゲームは「ごはん」と「おやつ」が1種類しかあげられなかったのに対し、本作は食べ物の種類が増えていること。 ---食べ物にはそれぞれ追加効果があり、例えば「おにく」や「ケーキ」は、おなか・ごきげんは一度で多く満たされるが、体重が激増し、やさいは体重が上昇しないなど様々。 ---ちなみに「ごはん」にはたまごっちの種類ごとに好き嫌いが存在し、好みのものをあげればストレスもあがらない。やさいを好むたまごっちもいる。 ---実はこれらの要素は現在の新しいたまごっちでは当たり前どころかそれ以上のことが携帯液晶機で出来るのだが、当時においてはなかなか画期的な追加要素だった。 -「からだ」「あたま」などのパラメータ追加 --本作では「たまごっちコンテスト」が存在。そこで優秀な成績を得るため、たまごっちを鍛えていく。運動ゲームでからだ、勉強ゲームであたまのパラメータが上昇する。ただし成長期によってあがる最大値には限りがある。 ---運動ゲームは球拾い。左右にジャンプで移動しながら、落下してくるボールに接触して手に入れる。ノルマ達成でクリア。プレイヤーが放置しているとたまごっちが勝手に動くが、プレイヤーで操作することも可能。 ---勉強ゲームはたまごっちに簡単な算数の問題を解かせるゲーム。Aボタンを押すことで解答を促すことが出来るが、正解するかどうかはたまごっちの育て方次第になってしまう。 -操作性の良さ --本作では一部(ミニゲームなど)を除いて、お世話中でも別のたまごっちの部屋に移動し、別の育成作業が可能である。これを行うことで効率化が図れる。 -しつけコマンドに「ほめる」を追加 --運動ゲーム、勉強ゲームをやった後、コンテストに優勝した後などにたまごっちを褒めることが出来る。本家ではわがままを言うたまごっちを叱ることしか出来なかったため、わりと大きな変化。 -初代たまごっち、新種発見のたまごっちの進化系統の混成 --本来、たまごっちの進化系統は初代と新種発見で独立していたが、本作は本家ではありえない「まるっち→とんがりっち」といった作品を超えた変化を起こすことがある。 --ただし、まめっちやみみっちなどといった優秀なたまごっちに関しては、原作と同じ系統でないと進化が起こらないという、限定進化も存在する。 -時間の流れ --流石にゲームボーイの電池耐久でリアルタイム育成は無理があったためか、本作の時間の流れはプレイヤーが「おそい、ふつう、はやい」の3段階が設定出来る。 --ちなみに最大の「はやい」は1分間=1時間。慣れると3匹育成でもこの設定でプレイができ、育成の効率化も図れる。 --なお、たまごっちが全て就寝すると、たまごっちが起床するまで時間を飛ばすことが出来る。 **評価点 -ゲームボーイに『たまごっち』のゲーム性をうまく落とし込んでいる --たまごっちに能力育成の要素を取り込んだのは先見の明があると言えよう。以降は他のコンシューマー版でもこのコンセプトは多く見られるようになった。 --時間を同じくリアルタイムにせず、効率化を可能にした点は、もし気づかなければプレイがままならないところだったため、よく配慮されていると言えよう。 --おかげで、「たまごっちを持っていると私生活に影響が…」という大人のプレイヤーでも、気が向いた時にプレイ出来るようになった。 --手を加えることがその分多くなり、本家とは別の愛着が沸くように仕向けられている。 ---ちなみにコンテストに全優勝するなどして優秀なたまごっちを育てると、たまごっち星から使者が来て、死後、母星へたまごっちを連れて帰り、殿堂入りを果たすことになる。 ---しかし死んだモーションの後に殿堂入りの話がくるため、死んだはずのたまごっちが何故か元気な状態に戻る。 -3匹同時育成の楽しさ --1匹だけ集中的に愛でるのも楽しいが、それだけだと流石にゲームがぬるくなるので、1匹、また1匹と増やして育てていくと歯ごたえが生まれる。 --時間を「はやい」にすると、プレイヤーをコールするたまごっちの声があちこちで鳴り響き、あくせくすることになるが、まるで現実の大変な子育てのような感覚にもなれる。 -たまごっち達の表情がとても豊か --ゲームの液晶では実現が難しい感情表現を、本作はしっかり行っている。なお、グラフィックは公式イラストに忠実。 --喜怒哀楽はそれぞれのたまごっちで全て異なるため、お気に入りのたまごっちへの愛着も沸く。 ---ごきげんがマックスだと、たまごっちは画面内を元気に飛び回る、どのキャラもとても可愛い。 ---ちなみに、ぎんじろっちのようにフーテンの寅さんのコスプレなど、元々の設定を拾ったアクションが見られることもある。 -進化系統の幅が広くなった --初代と新種の垣根を超えた進化が生まれたことで、次に何になるかわからないという本家にはない楽しみが生まれた。 --身も蓋も無いことを言うと、それぞれのたまごっちには進化条件があり、それを達成すればお望みのたまごっちへと進化しやすくなるのだが。 -電子音などが結構本家に忠実or雰囲気を壊さないようにしている --例えば本作にしかないトイレ((本家では排泄後の糞を流すことしか出来ないが、本作はコール中にトイレマークを押すことでおまるにトイレをさせることが出来る。))のコール音は本家にはないが、あってもおかしくないような雰囲気ができている。 --再現し過ぎて、本家お馴染みの死亡時の心電図が止まる直前のような電子音は、むしろ本家よりも長く演出されるため、世の子供達のトラウマとして焼き付けられてしまった感はあるのだが。 **問題点 -たまごっちのアイデンティティの崩壊 --リアルタイムに「擬似ペット」を育てるというのがたまごっちの醍醐味であるが、本作は悪く言えばそれを無視して別のゲームにしてしまっている。 --代用品としてある程度の需要は満たしてはいるが、リアルタイム感のない本作では満足出来ないファンがいたのも確か。 --ファンの中でも剛の者は、本家も本作のような派生作も両方愛し、併用して育てていた人もいたくらいだったが。 -トイレ中、他のたまごっちの部屋に移動出来なくなる --例えば、1匹のトイレコールの最中にもう1匹がトイレをしたがった場合、下手をするとどちらかを捨てて一方のしつけを怠ることになってしまう。 --同時にコールするということはそこまで頻繁にないのが救いだが、時間差でのコールはわりとよく起こるため、いらないハラハラ感がある場面も。 -「あそび」のこっち向いてホイ!が本家と同じく完全に作業 --失敗してもデメリットがなく、完全な運ゲーであるため、適当にカーソルを動かして成功するまで何度もやるだけの内容になっており、退屈。 --かといっておやつをあげると、進化に関わる体重のパラメータが大きく変動してしまうため、そう簡単に頼れない。 ---一応運動ゲームをやればダイエットは可能だが、これは確実性が高い反面1回1回が短くないので、効率を考えるとご機嫌取りは「こっち向いてホイ!」が実は一番効率的である。 -たまごっちごとの能力差が激しい --まめっち、みみっちといった、当時において最も優良児と言われたたまごっちは何をやらせても優秀。特に勉強とビューティーコンクールは変な育て方をしなければほぼ勝利確定。 --一番酷いのがビューティーコンクール。たまごっちがポーズをとり、それを審査員が採点するというものなのだが、優良児なたまごっちの最高ポーズの得点が明らかに優遇され、コンクールで対戦相手として当たると負けやすい。 --あたまを最大まであげても、くちぱっち、はしぞーっちといったたまごっちは、難しい問題になると間違えてしまい、決勝で敗退ということもしばしば。 ---- **総評 たまごっちのコアなファンには反発的な意見もあるが、ゲームボーイのたまごっちとしては割合高い完成度を誇っている作品。~ 当時、たまごっちが手に入らず、これだけは持っていたという人もいただろう。~ しかし本作は単に品薄をごまかすだけの内容ではなく、ハードをコンシューマーに移行させたことで実現させた要素もたくさん詰まっている。~ たまごっちの液晶実機を持っているプレイヤーにもわりとオススメは出来る方なゲームである。~ 好評だったのか、元々予定があったのかは不明だが、続編の『ゲームで発見!!たまごっち2』はその約4ヶ月後の10月に発売された。~ ゲームボーイでしばしば見られるにしても驚くべきリリースの早さであるが、こちらもミリオンを達成している。 ---- *ゲームで発見!!たまごっち2 【げーむではっけんたまごっちつー】 |ジャンル|育成シミュレーション|&amazon(B000069S0W)| |対応機種|ゲームボーイ|~| |発売元|バンダイ|~| |開発元|トムクリエイト|~| |発売日|1997年10月17日|~| |定価|4,500円|~| |判定|なし|~| |ポイント|むしっち、さかなっち登場&br()育てられるたまごっちが2匹、しかも種類固定と窮屈に&br()たまごっちは自分の足で探して見つける&br()スピード発売の裏に使い回し地獄|~| **概要(2) 前作からわずか4ヶ月という超スピードで発売された新作。流石に間が空かなすぎたのか、前作の素材の多くを流用(特にBGMやシステム)している。~ しかし登場する「たまごっち」は全て新規であり、初代・新種発見からのキャラは一切ない。~ 本作はRPG的な要素も増えており、森や海を散策してむしっちやさかなっちの卵を探しだして育てるという形になっている。 本作で登場したたまごっちは後に「森で発見!!たまごっち」「海で発見!!たまごっち」の2作品が液晶ゲームとして発売された。本作はそれらの先駆け的作品だったと言える。 **評価点(2) -通信ケーブルを用いたたまごっちの交換を実装 --ある程度ではあるが、これで解禁していないたまごっちを埋めることがある程度やりやすくなった。 -冷凍冬眠機能の実装 --これを使うことでたまごっちの時間を一時的ながら止めるという新たなアクションが出来るようになった。 -マップ散策によるダレの防止 --前作は飼育部屋から一切出ずに全て終わっていたが、これを導入することで新たなゲーム性を確立した。 **問題点(2) -使い回しが酷い --いくら登場するたまごっちを一新しているとはいえ、BGMだけならいざ知らず、他のミニゲームはほとんど前作の使い回しである。 --皮を取り替えただけの粗製濫造作品と言われても仕方ない部分がある。発売元から無茶な要求をされたからなのかもしれないが。 -2匹しか育てられないうえ、育てられるのはむしっちとさかなっち一匹ずつで固定 --前作は多すぎたという批判があったのかもしれないが、必ずしも3匹の育成を強要されるものではなく、ここは劣化点としかいいようがない。 -たまごっち達のデザインやコンセプトに賛否が分かれる --モチーフが固定化されたことで、昆虫と海洋生物という題材に二分されたことで、バリエーション自体は減った感はある。 --虫も魚も好きではない人からすると、むしっちもさかなっちも全般的に受け付けないものになってしまうだろう。 **総評(2) 前作の正統進化というより別の形を模索した作品という感があるゲーム。~ 内容的には正直前作の安定感がやや薄れたうえ、馴染みのないたまごっちが出てくるだけのゲームになってしまった感は否めず。~ ただ、通信ケーブル連動の実装やマップ散策など、新しい要素は組み込まれており、進化点が見当たらないわけではない。~ 本作もなんとか「たまごっちブーム」に乗りきれたため、前作と同じくらい売り上げたとのこと。 ---- **その後の展開 -『2』より約3ヶ月後の1998年1月15日、ゲームボーイ三部作の最終作品となる『ゲームで発見!!たまごっち オスっちとメスっち』が発売された。 --流石に3作品連続投球は無理があったのか、開発はトムクリエイトからトーセに変更されている。 --今回は前作と異なり、実機でのオスっちメスっち展開後の販売であり、登場するたまごっちはある程度馴染みのあるキャラ選となっている。 -開発が変わったためか、「ご飯を与えている時の操作受付」や「「大会」などといったやりこみ要素」等、これまでできていたことの多くが不可能となり、微妙な内容になってしまった。~ ゲームとしてのクオリティが低下、さらにたまごっちブームの終焉が重なり、『オスっちとメスっち』はミリオンどころか鳴かず飛ばずで終了となった。 ---- **余談 -概要にあるように、たまごっちは当時は特に品薄だった時期で「既に普及しているゲームボーイでプレイできる」という強みから確かに需要はいくらかあったものの、ポケットサイズの電子ゲームに比べるとさすがに大きく嵩張った形状のゲームボーイでは代替にならないという見方をするユーザーも少なくなかった。 --また、このソフト自体もブームに乗って過剰生産された節((電子ゲームのたまごっちは本来の需要を把握できず(1人が複数店舗に予約していることが多かった)、過剰生産してしまい1999年3月には250万個を不良在庫として廃棄処分した。このため最終的には45億円という大赤字。))もあり、ブームが終了して久しい2000年あたりには『1』『2』ともゲームショップで新古品(未使用の新品)が100円、果ては10円で投げ売りされたこともあった。

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