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*グルーヴ地獄V 【グルーヴじごくふぁいぶ】 |ジャンル|クソゲー|&amazon(B000069TQR)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|オーパス・スタジオ|~| |発売日|1998年1月8日|~| |定価|5,544円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|&bold(){地獄で待ってるぜ。}&br()自称『&bold(){クソゲー}』|~| |>|>|CENTER:''電気グルーヴシリーズ(グルーヴ地獄シリーズ)''&br;&bold(){グルーヴ地獄V }/ [[バイトヘル2000]]/ [[The Last Guy]]| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -本作は『[[DEPTH]]』の流れを汲む「SweepStationシリーズ」の二作目となる作品。テクノバンドである電気グルーヴがプロデューサーとして参加しており、ゲーム全体のプロデュースをメンバーのピエール瀧、音源のプロデュースを同じくメンバーである石野卓球と砂原良徳が監修している。 -また、本作のキャラクターデザインはゲーム『[[バスト ア ムーブ]]』やアニメ『OH!スーパーミルクチャン』のキャラクターデザインなども手掛けている田中秀幸が担当している。電気グルーヴの楽曲のPVも担当しており、関わりが深い。 -基本的には前作『DEPTH』と同じく、音源を集めて簡易的なシーケンサーを操作して遊ぶという内容になっている。 -- ・・・のだが、ピエール瀧の個性が思う存分発揮された結果、&bold(){「クソゲー」が出来上がってしまった。} -オープニングは夕暮れ時のサラリーマンが鬼の面やスピーカーが装飾された&bold(){暴走トラックに轢かれる}映像となっている。 -タイトル画面のBGMはピエール瀧による「グルーヴ地獄ファイブ~」とアカペラで歌唱するものとなっている。 **ゲームシステム -&bold(){バイトをして、お金を稼ぎ、ガチャガチャを回して、音源を集めて遊ぶ。}簡単に言えばこれだけである。 ***バイトジゴク -メインメニューの「ジゴク」を選択すると出てくる。所謂「バイト斡旋所」。合計8つのバイトの内、ランダム3つの「バイト」が選べる。BGMはなぜか剣道場の練習音が聞こえる。 --どうやら「バイト=つらい=地獄」ということらしい。 -しかし、この「バイト」が一癖も二癖もあり、正に「クソゲー」と呼ぶに相応しい内容になっている。当時のゲームレビューでは「&bold(){3分で飽きる}」「ゲームをする前に取扱説明書のゲーム説明を読んでいる間が一番幸せなひととき」と評された((マイウェイ出版『プレイステーションクソゲー番付』より))。 -以下、主なバイトを紹介する。 -『ボールペンコウジョウ』 --名前の通り、&bold(){フルポリゴンで描かれたボールペンにキャップを嵌めるだけの仕事。} --嵌める、送る、嵌める、送るの繰り返しであるが、たまにペンが上下逆になって来るのでひっくり返して嵌める必要がある。&bold(){たまに赤色のボールペンも来るが、色が違うだけでなにも変わらない。} ---作業中のBGMは無く、周りの作業員と思われる話し声がボソボソ聞こえてくる。 --何本嵌めろというクリア条件は無いため、&bold(){カンストするまで思う存分キャップを嵌める仕事が出来る((計算上およそ16年と3ヶ月かかる))。} ---もちろん途中で辞めることが出来るので、そこまで嵌めた本数のバイト代が貰える。 --嵌めずにそのまま流してしまったり、上下逆のまま嵌めて送ってしまった場合のペナルティは無いが、給料はその分引かれてしまう。 --しかし、あまりに良い成績を出していると、終了時にボールペン工場の社長が現れ、社員になるように勧められる((非常に歪んだ「ゴッドファーザー 愛のテーマ」のイントロが流れる。))。ここで社員になることを選択すると、&bold(){ボールペン工場の社員となりゲームオーバー}となる。 -『薪割り』 --おばあさんが出してくる薪を割っていく仕事。 --たまに動物を出してきたり、動物の形をした薪が出てくるので、注意が必要である。 --薪を割るのが遅い、もしくは動物を割ってしまうと終了となってしまう。動物を割ってしまった際には&bold(){お経が流れる}。 -『崖レース』 --赤い帽子に青いオーバーオールをしたおじさん((プレイヤー側。「マ」と表示されている。))とロバ((英語でドンキーと呼ぶ。))がカートに乗り、チキンレースをする。それなんて&s(){マリオカート} -『ときめいていいとも』 --略すと「&bold(){ときめも}」。タイトルBGMは長らく平日のお昼に放送されていた番組のテーマのような曲。 --女の子が行う花占いで「好き」に当たれば得点が得られ、バイト代がもらえる。 --たまにサングラスでオールバックヘアーの人物が現れる。「&bold(){明日いいかな?}」と聞いてくるので「&bold(){いいとも!}」と答えると、翌日の12時になり、高額なバイト代が貰える。 -『心霊写真鑑定人』 --流れてくる写真に対し、心霊写真だと思うものに○ボタンを押していくゲーム。 --しかし、流れてくるものは&bold(){全部心霊写真}(という名の電気グルーヴのオフショット写真をコラージュしたもの)である。 ***ガチャガチャ -「バイト」で貯めたお金を使う場所。 -3台あるガチャガチャのどれかを選び、ガチャを回す。ちなみにどれを選んでも変化することは無く、一回100円均一となっている。 --カプセルの中身は、音ネタとガラクタのどちらかが入っている。カプセルは上下で別になっており、音ネタが2つ手に入ることもある。もちろん上下どちらもガラクタの可能性もある。 ***ジタク -「ミュージックエディター」と呼ばれる簡易的なシーケンサーと一台のターンテーブルがある。 -『DEPTH』と同じくプレイヤーが音ネタをエディットし、ターンテーブルで自由に演奏することが出来る。簡易的なエフェクトをかけることも可能。 --コントローラーのボタンひとつの簡単操作なので、誰にも楽しめる要素となっている。 --プレイヤーが遊んだリプレイを保存することが可能であり、友人などに共有することが出来る。過去にはピエール瀧によるリプレイセーブデータが配布されていた。 ***セーブデパート -ごく普通のデータセーブ・ロードができる。受付のお姉さんはなぜか血まみれとなっている。BGMもなぜか銃撃音が鳴り響いている。 ***トモダチ -友達に電話をかけることができる。ただの友達との会話なので、&bold(){攻略情報などはあまり教えてくれない。} **評価点 -バカバカしい演出やパロディが大半を占めている点。 --自称『クソゲー』ではあるが、『バカゲー』要素の方が大きいとも言える。 -金策に困ることは無い。 --「ときめいていいとも」のレアバージョンに当たると11111円もゲット出来る。「心霊写真鑑定人」も○ボタンを押すだけでいいので300円は確実貰える。 - ミュージックエディターが優秀。 --上述した通り、コントローラーのボタンひとつの操作で完結してしまうので、非常にプレイしやすい。ユーザーインターフェースも良好である。 -「音ネタ」が豊富であること。 --先述の通り、音ネタ部分は電気グルーヴの楽曲制作の中心となってる二人が監修しており、電気グルーヴの楽曲で使用された音源なども存在している。「ベース」「ハイハット」などジャンル分けが細かく分けられているため、あらゆるパターンの音ネタを組み合わせる事が可能。 --また、音ネタをゲットすると一つ絵柄が開放されていき、一つのジャンルの音ネタをコンプリートすると一枚絵となるコレクション要素もある。 ---ちなみに本作発売後、電気グルーヴがこの音ネタをサンプリングした楽曲「&bold(){地獄に堕ちろ電気グルーヴ}」を発表している。 -バグが存在しない。 --&s(){意外と}堅実な作りとなっている。 **問題点 -ゲームのシステム上、人を選ぶ点。 --ミニゲーム集ではあるが、ブラックジョークやパロディが含まれている為、好き嫌いが分かれる作風となっている。 --電撃プレイステーションでは、簡単に作曲ができるという点では評価されており、「ゲームとしてはダメ」「コメントに困る」というレビューがされていた。 -シンプルな出来となっているが、悪く言えば単調な点。 --バイトをする→ガチャを回す→バイトをする→ガチャを回すという流れであり、バイトも8つしか存在しないため、飽きが来てしまう。 **総評 1998年当時としては誰にでもDJ感覚で楽曲をプレイすることが可能であり、作曲ソフトとしても楽しめるゲームになっている。~ 前作『DEPTH』よりもミュージックエディター部が強化されており、音楽部分においては正当進化したものと呼べるだろう。~ ピエール瀧曰く、「&bold(){エディター部分だけ遊んでも面白くないからクソゲーを入れた}」との事。~ その後、2005年にはミニゲーム部分が強化された『[[バイトヘル2000]]』が発売。同じくピエール瀧がプロデュースしている。しかし、エディター部分がオミットされているため、本作のゲームアーカイブス化やリメイク版を求める声も存在している。~ 「SweepStationシリーズ」としては、2000年に『BEAT PLANET MUSIC』が発売。こちらは本作よりも前作『DEPTH』の「CRUISE STAGE」を正当進化させたような内容となっている。
*グルーヴ地獄V 【グルーヴじごくふぁいぶ】 |ジャンル|''クソゲー''|&amazon(B000069TQR)| |対応機種|プレイステーション|~| |発売元|ソニー・コンピュータエンタテインメント|~| |開発元|オーパス・スタジオ|~| |発売日|1998年1月8日|~| |定価|5,544円(税込)|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |ポイント|&bold(){地獄で待ってるぜ。}&br()自称『&bold(){クソゲー}』&br()ミュージックエディターは高評価|~| |>|>|CENTER:''電気グルーヴシリーズ(グルーヴ地獄シリーズ)''&br;&bold(){グルーヴ地獄V }/ [[バイトヘル2000]]/ [[The Last Guy]]| |>|>|CENTER:''[[SIEワールドワイド・スタジオ作品]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 -本作は『[[DEPTH]]』の流れを汲む「SweepStationシリーズ」の二作目となる作品。本作ではテクノバンドである電気グルーヴがプロデューサーとして参加しており、ゲーム全体のプロデュースをメンバーのピエール瀧、音ネタのプロデュースを同じくメンバーである石野卓球と砂原良徳が担当している。 -また、本作のコ・プロデューサーとして、ゲーム『[[バスト ア ムーブ]]』やアニメ『OH!スーパーミルクチャン』のキャラクターデザインなども手掛けている田中秀幸も参加しており、瀧氏と共に後述する「バイト」のアイデア出しの他、本作のパッケージやゲーム内のデザインを担当している。 --田中氏は本作以前から瀧氏と合同でCGアニメや映像演出を制作する関係でもあり、関わりが深い人物でもある。 -基本的には前作『DEPTH』と同じく、プレイヤーは音ネタを集めて簡易的なシーケンサーを操作して遊ぶという内容になっている。 -- ・・・のだが、ピエール瀧の個性が思う存分発揮された結果、&bold(){「クソゲー(自称)」が出来上がってしまった。} --「クソがしたくなるゲーム(石野卓球)」「ゲームの雑誌で0点をつけてほしい(砂原良徳)」とメンバーはそれぞれコメントしている。 -オープニングは夕暮れ時のサラリーマンが鬼の面やスピーカーが装飾された&bold(){暴走トラックに轢かれてしまう}衝撃的なCGアニメとなっている。なお、&bold(){本編とは全く関係がない}。 -タイトル画面のBGMはピエール瀧が「グルーヴ地獄ファイブ~」と&bold(){アカペラで熱唱}するものとなっている。 --当然だが、グルーヴ地獄Ⅰ~Ⅳは存在しない。 -ゲームのローディング中はアニメーションが表示され、様々なパターンのアニメが表示される。 --麻雀の牌が揃っていき「ツモ」になる・&color(#F54738){飛行機がビルに突っ込む}・口に含んだガムを手で伸ばすなどがある。 **ゲームシステム -&bold(){バイトをしてお金を稼ぎ、ガチャガチャを回して、音ネタを集めて自宅で遊ぶ。}簡単に言えばこれだけである。 ***メインメニュー -ゲームを開始するとまずこの画面が表示される。ここから後述する「ジゴク」や「ジタク」などを選択することができる。 -なぜかテレビ番組「ドリフの大爆笑」のコント「もしもシリーズ」で使用されているBGM風のものが流れる。 ***バイトジゴク -メインメニューの「ジゴク」を選択すると出てくる。所謂「バイト斡旋所」。合計8つのバイトの内、ランダム3つの「バイト」(ミニゲーム)が選べる。なぜかBGMは剣道の稽古をしている様子が聞こえる。 -しかし、この「バイト」が一癖も二癖もあり、正に「クソゲー」と呼ぶに相応しい内容になっている。当時のゲームレビューでは「&bold(){3分で飽きる}」「ゲームをする前に取扱説明書のゲーム説明を読んでいる間が一番幸せなひととき」と評された((マイウェイ出版『プレイステーションクソゲー番付』より))。 -以下、主なバイトを紹介する。 -『ボールペンコウジョウ』 --プレイステーションの機能をフルに活用したフルポリゴンのボールペンを組み立てるハイテクな作業(取扱説明書より)。 ---と、聞こえはいいが実態は&bold(){フルポリゴンで描かれた黒色ボールペンにキャップを嵌めるだけの仕事。} --嵌める、送る、嵌める、送るの繰り返しであるが、たまにペンが上下逆になって来るのでひっくり返して嵌める必要がある。&bold(){たまに赤色のボールペンも来るが、ただの赤色ボールペンなので得点が加算されたりすることは無い。} ---作業中のBGMは無く、周りの作業員と思われる話し声がボソボソ聞こえてくる。BGMが存在しない理由について、ピエール瀧曰く「&bold(){工場だから}」との事。 --作業を続けていると何かが起こる・・・というのがゲームとしての通例であるが、『ボールペンコウジョウ』においては、あくまでも「バイト」として作業をしているため、延々と同じ画面でボールペンにキャップを嵌め続けることとなる。時間制限や何本嵌めろというクリア条件は無いため、&bold(){カンストするまで思う存分キャップを嵌める仕事ができる((計算上およそ16年と3ヶ月かかる))。} ---もちろん途中で辞めることが出来るので、そこまで嵌めた本数のバイト代が貰える。もちろん、バイトなので&bold(){キャップを80本嵌めたところで300円程度しか貰えない}。 --嵌めずにそのまま流してしまったり、上下逆のまま嵌めて送ってしまった場合、給料はその分引かれてしまう。 -『薪割り』 --&bold(){イジワルなクソババア}(取扱説明書より原文ママ)が出してくる薪を割っていく仕事。かなりシビアであり、タイミングよく割っていかないと即終了となってしまう((この時にも「ドリフ大爆笑」のコントのオチのSE風のものが流れる。))。1本10円なので、10本割ると100円がバイト代になる。 ---たまに動物を出してきたり、動物の形をした薪を出してくるので、注意が必要である。 --薪を割るのが遅い、もしくは動物を割ってしまうと終了となってしまう。動物を割ってしまった際には&bold(){お経が流れる}。 -『崖レース』 --赤い帽子に青いオーバーオールをしたおじさん((プレイヤー側。「マ」と表示されている。))とロバ((ちなみに英語でロバは「ドンキー」という。))がカートに乗り、チキンレースをする。それなんて&s(){マリオカート} -『キノコ or DIE』 --「フロッガー」のパロディゲーム。絵柄も8bitのドット風になっている。 ---50年間もの交通量が多い道を渡り続けているおじいちゃん(64歳)を、車を避けながら対面側の歩道まで移動させてあげるゲーム。 --道の途中にキノコが生えており、キノコを集めながら向こう側に行くとボーナスが入り、バイト代が上がる。 ---ちなみに、このキノコは「&bold(){一部の若者の間で人気}」という設定になっている。 --当初のゲームの名称は「[[スーパーマリ岡64歳>スーパーマリオ64]]」だったが、流石に怒られたらしい。 -『心霊写真鑑定人』 --流れてくる写真に対し、心霊写真だと思うものに○ボタンを押していくゲーム。 --しかし、流れてくるものは&bold(){全部心霊写真}(という名の電気グルーヴのオフショット写真をコラージュしたもの)である。 ---「心霊写真」は非常にシュールかつ、適当な合成がされているため、一目で心霊写真だと分かるようになっている。要するに○を押すだけでお金が貰えるため、非常に楽なバイトである。 -『ときめいていいとも』 - 取扱説明書には書かれていない隠しバイト。 --略すと「&bold(){ときめも}」。タイトルBGMは[[長らく平日のお昼に放送されていた番組>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A3%AE%E7%94%B0%E4%B8%80%E7%BE%A9%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%BC_%E7%AC%91%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%84%E3%81%A8%E3%82%82!]]のテーマっぽい曲。 --[[とある恋愛シミュレーションゲーム>ときめきメモリアル]]に似ている画面の中、女の子が行う花占いで「好き」に当たれば得点が得られ、バイト代がもらえる。 --たまに[[サングラスでオールバックヘアーの人物>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%A2%E3%83%AA]]から電話がかかってくる。「&bold(){明日いいかな?}」と聞いてくるので「&bold(){いいとも!}」と答えると、翌日の12時になり、高額なバイト代が貰える。 ***ガチャガチャ -「バイト」で貯めたお金を使う場所。 -3台あるガチャガチャのどれかを選び、ガチャを回す。ちなみにどれを選んでも変化することは無く、一回100円均一となっている。 --カプセルの中身は、音ネタとハズレのどちらかが入っている。カプセルは上下で別になっており、音ネタが2つ手に入ることもある。もちろん上下どちらもハズレの可能性もある。 --また、音ネタをゲットすると一つ絵柄が開放されていき、一つのジャンルの音ネタをコンプリートすると一枚絵となるコレクション要素もある。 ---ハズレは字の通り「ハズレ」なので、なにも得られない。 ***ジタク -&s(){実は}&bold(){こちらがゲームの中心部分である。} -- 瀧氏や砂原氏も「シーケンス部分にもっと注目してほしい」と語っている。 -「ミュージックエディター」と呼ばれる簡易的なシーケンサーと一台のターンテーブルがある。『DEPTH』における「GROOVE EDITOR」のような位置づけとなっている。 -「ハイハット」「バスドラム」などの計8つのトラックで構成されているものに対し、プレイヤーが集めた音ネタで自由に組み替えてチャンク((簡単に言えば「音ネタを組み合わせた一つのフレーズ」のこと))を作っていく。 --チャンクはランダムで生成する事も可能なため、作り方が全くわからない初心者でも楽しめる仕組みとなっている。 --チャンクの音量(ボリューム)やパン(音の左右の振り分け)、速さ(BPM)を調整することも出来る。 -作り終えたチャンクはターンテーブルで自由に切り替えて演奏することが出来る。また、簡易的なエフェクトをかけることも可能。プレイヤーが作った音を入れ替えしてそのリズムを楽しむ。 --操作はコントローラーの各ボタンに割り当てられており、R1/2、L1/2でトラックのミュート・ミュート解除、○ボタンでトラックの頭出し、□ボタンでエフェクト、左右キーでシーケンスを選び、×ボタンでシーケンスの切り替えという仕組み。 --エディター画面は非常に簡潔としており、どこで何の音が鳴っているのか一目で分かる。また、コントローラーのボタンひとつの簡単操作なので、誰でも簡単にDJプレイが楽しめる。 --プレイヤーが遊んだリプレイを保存することが可能であり、友人などに共有することが出来る。過去にはピエール瀧によるリプレイセーブデータが配布されていた。 ***セーブデパート -ごく普通のデータセーブ・ロードができる。受付のお姉さんはなぜか吐血している。「セーブ」にちなみ「西部劇」をイメージしているのか、BGMは馬の鳴き声や銃撃音だらけとなっている。 ***トモダチ -友達に電話をかけることができる。ただの友達との会話なので、&bold(){攻略情報などはあまり教えてくれない。}というより、&bold(){意味不明な事ばかり言ってくる。} --たまに普通にバイトやミュージックエディターのアドバイスが貰える。 -また、「ボールペンコウジョウ」で良い成績を出していると、ボールペン工場の社長が電話に出るようになり((ここで非常に歪んだ「ゴッドファーザー 愛のテーマ」のイントロが流れる。))、工場の社員になるように勧められる。ここで社員になることを選択すると、&bold(){ボールペン工場の社員となりゲームオーバー}となる((本作で唯一、本当にゲームオーバーとなってしまう。))。 **ゲームクリアはあるの? -前作『DEPTH』と同じく、明らかに「ゲームクリア」と呼べる物は存在しない。しかし、本作には一応ゲームクリアのような要素はある。 --一枚絵(音ネタ)をすべてコンプリートすると、水木しげるによるイラストが見られるようになる((この時「ゲゲゲの鬼太郎」風のBGMが流れる。))。 --その後、「グルーヴ天国」モードとなり、「バイトジゴク」も「バイトテンゴク」へ変化。「バイト」がランダムではなく、自由に選べるようになる。 ---更に一枚絵が追加され、この一枚絵をコンプリートすると、里中満智子によるイラストが見られるようになる((この時「ファイナルファンタジー」風のBGMが流れる。))。 -ただし、&bold(){エンディングやエンドロールは存在しない。} **評価点 -バカバカしい演出やパロディが大半を占めている点。 --自称『クソゲー』ではあるが、『バカゲー』要素の方が大きいとも言える。 -金策に困ることは無い。 --「ときめいていいとも」のレアバージョンに当たると11111円もゲット出来る。「心霊写真鑑定人」も○ボタンを押すだけでいいので300円は確実に貰える。 ---タイトル画面でコマンドを入力すると、音ネタが全解放された状態で遊べるようになっている隠し要素もある。 - ミュージックエディターが優秀。 --上述した通り、コントローラーのボタンひとつの操作で完結してしまうので、非常にプレイしやすい。 --チャンクの切り替えもシームレスなため、プレイヤーは好きなタイミングで自由に切り替えることが可能である。 --エフェクトをかけると画面が揺れるなど変化が起こるため、視覚的にも分かりやすい。ユーザーインターフェースも非常に良好である。 -「音ネタ」が豊富であること。 --合計192種類もの音ネタが収録されている。音ネタ部分は電気グルーヴの楽曲制作の中心となってる二人が監修しているため、数秒のパターンではあるが本格的な音作りとなっている。また、電気グルーヴの楽曲で使用された音源も存在している。 --ジャンルも細かく分けられているため、あらゆるパターンの音ネタを組み合わせる事が可能。 ---ちなみに本作発売後、電気グルーヴが本作の音ネタをサンプリングした楽曲「&bold(){地獄へ堕ちろ電気グルーヴ}」を発表している。((電気グルーヴ8枚目のアルバム「VOXXX」収録曲。このアルバムの制作中に砂原良徳が脱退し、石野卓球とピエール瀧の2人体制になった。)) -バグが存在しない。 --&s(){意外と}堅実な作りとなっている。 **問題点 -ゲームのシステム上、人を選ぶ点。 --電撃プレイステーションでは、簡単に作曲ができるという点では評価されており、「ゲームとしてはダメ」「コメントに困る」というレビューがされていた。 --また、ミニゲームはブラックジョークやパロディが含まれている為、好き嫌いが分かれる作風となっている。 -シンプルな出来となっているが、悪く言えば単調な点。 --バイトをする→ガチャを回す→バイトをする→ガチャを回すという流れであり、バイトも8つしか存在しないため、飽きが来てしまう。 ---ピエール瀧は本作発売当時のインタビューにて、本来の予定では収録されるバイトの数も多かったが、諸事情により8つになってしまったと語っている。 ---本作発売当時の電気グルーヴ・田中氏へのインタビューによると、ミニゲームはあくまでも「おまけ」というスタンスだった模様である。 -所持する音ネタが揃っていくと、ガチャガチャで被る確率も高くなること。 --ハズレも字の通り本当にハズレで何もないため、フラストレーションが溜まってしまう。 **総評 Sweep Stationシリーズはゲーム本編そのものではなく、音楽で遊ぶことを比重を置いており、前作『DEPTH』では「ゲーム」として見るか「エディター」として見るかで評価が分かれていた。本作では、シュール・ギャグ・パロディなんでもありの「バイト」、『DEPTH』より発展させた「ミュージックエディター」の2つが楽しめるようになっており、ゲームとして成立している。主にエディター部は前作から強化されており、誰にでも簡単にプレイすることが可能となっている。音楽部分においては正当進化したものと呼べるだろう。~ ただし、『DEPTH』のように「楽曲」を遊ぶのではなく、本作では「リズムパターン」を遊ぶため、前作とは方向性は少し異なる。 ミニゲームに関しても数は少ないが、シンプルならではの中毒性がある。ペンにキャップを嵌めるゲームやチキンレース、フロッガーなどのパロディゲームなどバラエティ豊かとなっている。まともなミニゲームを入れなかった理由について、昔のゲームは単調なバイトと似ていることに着想を得た結果、「単純作業」をテーマにしたとのこと。~ また、電気グルーヴと田中秀幸による不条理な世界観もしっかり存在しており、自称「クソゲー」のミニゲームによって、電気グルーヴを知らない人にも概ね好意的に受け入れられた。~ その後、2005年には本作のミニゲーム部分が大幅に強化された『[[バイトヘル2000]]』が発売。同じくピエール瀧がプロデュース、田中秀幸がデザインを担当している。本作に登場したミニゲームの一部も『バイトヘル』に収録されている。しかし、こちらは「ミニゲーム集」としての要素が強く、エディター部分はオミットされているため、本作のゲームアーカイブス化やリメイク版を求める声も存在している。~ 「SweepStationシリーズ」としては、2000年に三作目『BEAT PLANET MUSIC』が発売。こちらは本作よりも前作『DEPTH』の「CRUISE STAGE」を進化させたような内容となっている。音ネタを集めて遊ぶことに変化は無いが、プレイヤーが所持しているCDからサンプリング((音源の一部分を抜き出すこと))も可能になっている。 **余談 -砂原氏は電気グルーヴ加入前にCSK総合研究所の関連会社で働いていた事があり、メガドライブ版「[[ギャラクシーフォースII]]」のBGMコンバートに携わったことがある。未発売となってしまったが、SFCソフト「[[ジェリーボーイ]]2 ちょっとあぶない遊園地」のBGMも担当していた。 --また、瀧氏は「[[ドラクエ3>ドラゴンクエストIII そして伝説へ…]]にハマりすぎて専門学校を中退した」「電気グルーヴの楽曲制作中はずっとマリオカートで遊んでいた」などの逸話を持つゲーム好きであり、本作発売当時に放送されていたゲーム番組「ゲームカタログII」にも準レギュラーとして出演していた。 -ジャンル名 --開発がほぼ終わった頃に、カタログに載せるジャンル名を決める必要があると言われた瀧氏はどうするか悩んだ末にあてはまるジャンルがないので「&bold(){じゃあ"クソゲー"でいいですよ}」と答えたため、ジャンル名が「クソゲー」になった。 --また、アイデアとして出たクソゲーの中には「自機と敵が1ドットのシューティング」なんてのもあったが、流石に怒られて没になったことを本作発売当時のインタビューで語っている。 -没となったミニゲーム --上述した通り、諸事情により8つのみになってしまったミニゲームだが、没になったゲームの内容が当時の雑誌記事にいくつか掲載された。 -もともとの生産数が少なく、あまり市場に流通していなかった為、一時期は中古価格がプレミア価格で高騰していた。 --石野卓球氏は「プレミア商品になるでしょう。それは保証します!」と当時のインタビュー記事で自虐ネタにしていた。 -本作発売当時、ピエール瀧氏は「&bold(){[[ドラクエ>ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち]]を待て!}」「(本作の三週間後に発売される予定の)&bold(){[[バイオハザード2]]を買ったほうが間違いなく楽しめる}」と豪語していた。~

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