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ビックリマン大事界」を以下のとおり復元します。
*ビックリマン大事界
【びっくりまんだいじかい】

|ジャンル|データベース|~|
|対応機種|PCエンジン CD-ROM2|~|
|発売元|ハドソン|~|
|開発元|ミュウテック|~|
|発売日|1988年12月23日|~|
|定価|4,980円|~|
|ポイント|ビックリマンシールのデータベースソフト&br()登場が早すぎた家庭用データベースソフト|~|

**概要
-1988年にてハドソンがPCエンジンにリリースしたCD-ROM2用ソフト。
--CD-ROM2タイトルとしては『[[ファイティングストリート>ストリートファイター]]』『No・Ri・Ko』(共に同年12月4日発売のローンチタイトル)に次いで本作が3作目となる。
-俗にいうビックリマンシールのデータベースソフトであり、「遊ぶ」タイプのゲームではない。
--収録内容はビックリマンシールの10代目にあたる「悪魔 vs 天使シール」の中から第1弾~第13弾までの全499枚にも及ぶシールのデータが鑑賞できる。
--さらに特定条件を満たせば、ビックリマン世界の歴史が描かれたイベントシアターも鑑賞できる。
-本作の前年に『[[ビックリマンワールド>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/1125.html]]』というHuカードソフトがリリースされているが本作とは無関係(これはアーケード原作のキャラ変え移植でオリジナル作ではない)。
-一人プレイ専用。

**主なルール
-概要でも述べた通り、本作はデータベースソフトであり、下記のクイズ以外ではまとまったゲーム性は存在しない。

-ゲームの流れ。
--ゲームを始めると12の空間で構成された「ビックリマンワールド時空MAP」という画面に移行し、指カーソルを操作して空間の選択ができる。
---初期状態で選べる空間は「源層界」のみだが、ゲームを進めるにつれ残りの空間も選べる様になる。
---別の空間でも同じシールデータが重複している場合もある。「次界口」「未層圏」は選んでも軽いナレーションが流されるだけで次画面には移行しない。
---MAP内にて空間を選ばずにしばらく放置すると、''ナレーションボイスにブチギレられた挙句タイトル画面に戻される''という謎のゲームオーバーペナルティがある。&br()といっても、ゲームオーバー後も進行データがちゃんと残った状態での再開なので、やり直しの負担はあまりない。
--以下空間の紹介。
---「源層界」…初期状態ではこの空間しか選べない。''第1弾''のシールデータが収録されている。
---「天聖界」…''第1~2弾''のシールデータが収録されている。 
---「天魔界」…''第1~3弾''のシールデータが収録されている。 
---「ヘブンシティ」…''第1~4弾''のシールデータが収録されている。
---「無縁ゾーン」…''第2~5弾''のシールデータが収録されている。 
---「次界ロード」…''第6~9弾''のシールデータが収録されている。 
---「ウイングパス流」…''第7~10弾''のシールデータが収録されている。 
---「螺エリア」…''第9弾~11弾''シールデータが収録されている。
---「次界口」…空間の紹介がされるだけでシールデータは未収録。 
---「次動ネブラ」…''第10~12弾''のシールデータが収録されている。 
---「魔幻型」…''第13弾''のシールデータが収録されている。 
---「未層圏」…空間の紹介がされるだけでシールデータは未収録。

-空間について。
--各空間のどれかを選択すると、このゲームのメインとなるシールのデータベースが示されたノートを好きなだけ鑑賞できる。
---画面内にはその弾の「天使シール」か「スーパーヘッドシール」のシール絵とそれに関する情報ページが表示されている。
---ノートマークをクリックすると、その空間に収録された弾における他の天使かスーパーヘッドの情報ページに切り替えられる。
---三すくみマークをクリックすると、その天使シールに対応した三すくみの「お守りシール」と「悪魔シール」の選択ができ、それらのシール絵や情報も拝める。
---スーパーヘッドシールに関してはそもそも三すくみが存在しない(三すくみマークをクリックすれば「選択できない」といった趣旨のナレーションの愚痴は聞ける)。

-クイズについて。
--プレイ中の空間にて特定のページまで進むと、悪魔 vs 天使シールに関する三択クイズが発生する場合がある。
---これに正解すれば「歴史の石」というアイテムが貰えるが、3回クイズにミスすると上記と同様に''ナレーションボイスにブチギレられタイトル画面に戻される''(即再開できるのも同様)。
---歴史の石は全部で13個存在し、それをすべて集めると下記のイベントシアターが解禁される。また、本作のスタッフロールも流される。

-イベントシアターについて。
--歴史の石を13個全部集めると、ビックリマン世界の歴史を紙芝居とナレーションボイスで説明してくれる「イベントシアター」が鑑賞できる。
---歴史には複数の時代とチャプターが用意されているのでそれを選択してシアタースタート。各シアターはデータベース同様、いくらでも好きなだけ鑑賞が可能となる。

-その他の情報。
--本作はバックアップ機能に対応しており、ゲームを終了(リセット)しても、セーブ環境が整ってさえいればそれまでのプレイデータを保存してくれる。
---バックアップの他にもパスワード入力にも対応している。パスワード表示は空間のページ鑑賞中に表示されている。

**特徴
-登場時期が早すぎたデータベースソフト。
--当時のゲームソフトとしての本作はあまりにも異質な存在であった。
---今でこそ家庭用ゲーム機におけるデータベースソフトは携帯機中心で浸透しているが、このゲームがリリースされた時期はまだ「ゲーム機は遊べてナンボの存在」と概念が常識だった時代。
---そういう時代にCD-ROM2の大容量を駆使し、今までの家庭用ゲーム機ではできないであろうデータベースに特化した作りがなされたのが本作である。
---今までに前例のない内容であり、この路線で作られた本作には様々な賛否が分かれる事となる。

-ソフトとしての批評点。
--好意的に解釈すれば、夢のようなビックリマン世界の情報網が堪能できるところだろうか。
---約500ものシールのデータが収録されたボリューム感に加え、ビックリマン世界の歴史まで思う存分鑑賞できる。ファンにとっては非常に嬉しい内容であろう。
---PCEの画像解析度では若干絵柄が荒い面もあるが、原作におけるシールイラストの再現度はかなり頑張っており、絵柄の雰囲気としては十分すぎる程に伝わる製作愛を感じる。&br()シールイラストだけではなく、スーパーヘッドシールのホログラムまでぬかりなくそれっぽく再現されているこだわり様。
---子供向け対象のソフト故の配慮として、画面内に表示される文章表示が大きめで、漢字にほぼすべてルビが振られている。当時のゲームではこういう配慮を行うのは珍しい。
---CD-ROM2の性能を活かした有名声優陣のよるボイス演出もふんだんに取り入れられ、聴覚的な面でも豪華さが光る作品となっている。これは特別仕様なビックリマン本でも追いつけない要素である。
--しかし、無視できない問題点も多く抱えている。
---「ゲーム性が皆無な故に一通りデータを拝むと、よほどのファンでもない限りはプレイが長続きしない」というデータベースソフトとしての問題はもちろん避け様がない事実となる。
---データベースの快適性として見ても、「指カーソルの移動速度がとろい」「好きなシールの一発検索機能がない」「ロードによるウエイトが頻繁にかかる」などの不備が多い。
---唯一のゲーム性のあるクイズに関しても、問題数が数える位にしかないおまけ程度のもの。ビックリマンの「ゲーム」としてはの価値は、はっきりいって期待できないだろう。

-その他の特徴。
--ソフトの登場時期の関係上致し方ない事だが、本作におけるシールの収録データは13弾までしかなく、総計32弾((第31弾は前期版と完全版の2回に分けられての発売なので、厳密にいえば総計33弾である。))が発売されたシールの中のうちの半分も満たしていない。
---未収録分のフォローに該当するソフトリリースも期待されたが、残念ながらPCEにて本作の続編にあたるソフトは発売される事はなかったのが悔やまれる…。
--本作の主なナレーションボイス役として「見てちょんまげ」というキャラがいるが、その担当声優がかの千葉繁氏である。
---上記ルールで示した''ゲームオーバーのブチギレボイスはどう聞いても千葉氏の得意技であるアドリブ''っぽく、氏のお茶目っぷりが垣間見れる。
---一応追記しておくと、ブチギレ以外ではちゃんとした演技をしており、熟練声優だけあってその演技力は上手い。
--説明書は折りたたみ式で、ゲーム説明の裏側ページは有名キャラが集合した書きおろしミニポスターとなっている。壁などに飾れる説明書とはなかなか粋な作りである。
---しかし、今の感覚では付いていそうなビックリマンシールの様な購入特典は残念ながら付属されていない。
--データベース特化という意欲性は持っているものの、いかんぜん、このゲームがリリースされた当時のPCE本体の価格はかなりの割高感があった。
---PCE本体は24,800円、CD-ROM2システムは57,300円もかかり、''ビックリマンファンにとって「割高の本体とソフト価格の壁」という障害が立ちはだっていた''のが痛いところ。

**総評
-ゲームがゲームである時代でデータベースというジャンルを生み出した本作の存在意義は大きいが、当時のゲーム事情などの影響で深く浸透する事はままならず、あまりにも登場時期が早すぎた不遇の作品といえる。
-本作から約20年越しにて、ニンテンドーDSから『[[ビックリマン大事典]]』という、本作と同じ路線のデータベースソフトがリリースされた(発売メーカーはハドソンではない)。
--こちらは悪魔 vs 天使シールの第1弾から第31弾のほぼ全体の完全網羅を実現し、本作では成し得なかった収録をやり遂げ、ファンからは重宝されている模様。
--しかし、こっちはこっちで大きな問題点を抱えたゲームなので注意。詳しくはリンク先を参照の事。

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