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*ミュータントナイト 【みゅーたんとないと】 |ジャンル|アクション| |対応機種|アーケード| |販売・開発元|UPL| |稼動開始日|1987年| **特徴 -UPL製作の2Dアクションゲーム。任意スクロール(主に横)。 --8方向1レバー2ボタン式。残機制+戻り復活で、敵や敵弾との接触は即ミスとなる。自機はミュートロンくん(インストや起動直後の画面で確認できる正式名称)。 --道中に出現するアイテムを入手すると様々な効果を発揮する。無敵になったり分身したりと効果は様々。 ---攻撃用アイテムの効果には時間制限がある。ミスしたりステージクリアしてもアイテム効果時間内ならばアイテムの効果は引き継がれる。 ---また、かなり後の方に永続パワーアップアイテムも存在する。 --ジャンプボタンが連打による空中浮遊を中心とした操作になっている。空中にいる状態でジャンプボタンを押す事で再ジャンプする事ができる。 ---ジャンプを繰り返すと徐々に一回ごとの浮遊高度が低下。ある程度浮遊を繰り返していると着地した際に硬直してしまう。 --道中にある出口に接触する事でステージクリアとなる。 ---1周31面構成の、3周エンド。93面クリアでゲーム終了という長丁場である。 **問題点 -自機の「ミュートロンくん」のデザインをはじめ、敵キャラや背景のデザインがかなり人を選ぶ。 --ミュートロンくんは白い餅のような体をしているが、青く巨大な単眼だけでできた頭部。外見は完全な非人間型エイリアンである。 --同様に、敵キャラクターも概ね無機質なのだが生物的でもあるためなんとも言えない薄気味悪いデザインが多い。グロテスクさはないのだが、見るものを不安にさせる。 --背景も抽象画や騙し絵のようなサイケデリックなものが中心。 ---これらのデザインセンスは、次作「アトミックロボキッド」にてさらに加速する。 -仕様や敵配置の練り込み不足が原因で理不尽な点が多々あり、''3周ALLどころか1周クリアさえ困難を極める''有様。 --自機性能の割りに敵の数が多い・接触判定が大きい・素早い敵ばかり、という点がまず基本的な難度を相当高めている。 --トラップのような意地の悪い敵の配置や、抜けられるか運次第の無限沸き敵の配置が各周中盤から散見される。 ---例1:18面ゴール間際、「地面から出現した瞬間放物線を描いて体当たりする敵」がランダムに無限沸きする場所に飛び降りる場面。 ---例2:25面は、ジャンプボタンを猛連打して敵の猛攻を回避しながら上に上に登っていく場面が2回もあるゲーム中屈指の難所。 -1周目でさえ理不尽に難しいが、''2周目と3周目のゲームバランスが完全に破綻している。'' --''2周目以降、ほぼ全ての敵が自機狙い破壊可能弾を撃つようになる''という変更で理不尽に難しくなる。ファンタジーゾーンのように「撃つ直前に光る」といった工夫や「至近距離からは撃ってこない」などという事は特に無く、至近距離から突然撃ちまくってくるという事などザラ。 ---正直、この変更は取ってつけたような感が否めない。1周目がかろうじてノーコンティニュークリアできた程度では、前述の意地悪な敵配置の面が理不尽に強化されているせいで地獄を見ることは間違い無いだろう。 --3周目は、2周目よりさらに高頻度で弾を撃ってくるようになる。 **総評 素直に可愛らしいとは言えないミュートロンくんだが、動作一つ一つが非常に細かく丁寧に描かれており仕草も愛嬌がある。慣れてくれば愛着も湧いてくる。が、たいていの場合デザインに慣れる云々以前にその独特な仕様と非常に高い基本難度、中盤以降の理不尽な難度にくじけてしまう事が想像に難くなく、プレイヤーに「次こそは」と思わせない要素が強い点が残念でならない。~ 移植はされていない・基板出荷枚数が少ない(4桁未満とも言われる)・それなりに人気があり手放す人が少ない等の理由から、本作の真価を知りえる人が殆どいないのは悲しい事でもある。~ **後継作「アトミックロボキッド」について 本作が持つ空気、無機質なキャラクター、サイケデリックな背景デザインは後継作「アトミックロボキッド」に色濃く受け継がれる。~ そちらではミュータントナイトおよび「忍者くん 阿修羅ノ章」をさらに昇華したような練られた基本仕様とゲームバランスが発揮されており完成度が高い作品に進化を遂げている。~ また、「アトミックロボキッド」はPCエンジンおよびメガドライブに移植されている(前者は良アレンジ・後者は良移植)ので、そちらから体験して雰囲気を掴んでみるという手もある。~ ミュータントナイトと併せ、雰囲気がプレイヤーに合えば長く記憶に残るゲームとなるはずだ。