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エターナルメロディ」を以下のとおり復元します。
*エターナルメロディ
【えたーなるめろでぃ】
|ジャンル|育成+恋愛SLG|&image2(emss.jpg,width=250)|&image2(emps.jpg,width=250)|
|対応機種|セガサターン、プレイステーション|~|~|
|発売元|メディアワークス|~|~|
|開発元|シグナルライト|~|~|
|発売日|【SS】1996年10月4日&br()【PS】1996年11月22日|~|~|
|価格|5,800円|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント|メディアワークスのゲーム本格参戦|~|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
1995年に『ときめきメモリアル』がPSに発売(移植)されてから、さながら雨後の筍のようにギャルゲーが発売されるようになっていた。この『エターナルメロディ』もその1つである。~
盛り上がりを見せ始めていたPSと共に上昇気流に乗っていたゲーム雑誌『電撃プレイステーション』のメディアワークス(現:アスキー・メディアワークス)は、当作品を皮切りとして以後も様々なギャルゲーを出していくことになる。~
当時の電撃プレイステーション誌上では自社作品ということもあってか強烈なプッシュをしており、雑誌自体も元々オタク受けを狙っているものであったため、オリジナルのギャルゲーにしては売れ行きも上々だったようだ。

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**シナリオ概要
ごく普通の青年である主人公は、通りかかった工事現場で鉄骨の落下事故に遭遇する。死を覚悟した主人公だが、気がつくと見知らぬ異世界の地に。あまりの事態に途方に暮れる主人公だったが、この世界の住人である吟遊詩人のロクサーヌから、何でも願いを叶える「魔宝(まほう)」の存在を教えられ、その魔宝の力で元の世界に戻ろうと考える。
しかし、世界征服を狙う魔族カイル、マリエーナ王国第3王女レミットもまた魔宝の力を狙っており、三者は自らの目的のために仲間を集め、魔宝を探す旅をすることになる。果たして、主人公は無事元の世界に戻ることができるのだろうか?

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**システム
パーティメンバーの選定、一定期間の訓練と休息イベントの繰り返し、すごろく+RPG戦闘によるイベント戦闘、と、後の悠久幻想曲シリーズとほぼ同様のシステムになっている。~
こちらの方が古いので当然といえば当然だが、悠久幻想曲シリーズに比べるとまだ荒削りなところが多く、難易度が少々高い。~

''パーティ選択''
-プレイヤーはゲーム開始時にヒロイン9人の中からパーティーメンバーを3人加えることになる。
--選ばなかったメンバーは''ライバルキャラのパーティーに加わる。''
---その為、強力なキャラをライバルパーティに回すと少々苦労する事になる。
-ちなみにライバル固定のカイルやレミットも誘う事はできる。
--旅のメンバーを誘う時点ではまだライバルでない為だが、もちろん勧誘は失敗する。

''訓練パート''
-町から町への移動中は訓練パートとなり、キャラの能力値を育成していく事になる。
--各メンバーには得意とする訓練と苦手とする訓練がある。
--訓練にかける費用も設定できて、お金を多くかけると成功率は高まる。
--成功ばかりしているとステータス異常の「自信過剰」に、失敗ばかりしていると「自信喪失」になり、育成がスムーズにいかなくなる。
-訓練では好感度も変化する。(主人公とヒロインだけではなく、ヒロイン同士の横の関係もある。)
--同じ訓練をして成功すればお互いの友好が上昇していき、さらに成功率が高まる。
--逆に失敗がかさむと険悪になってしまい、最悪の場合はケンカが発生する。

''休憩パート''
-町に到着後は、アルバイトやヒロインとのデート、悪ステータスの改善などが行える。
--訓練するのにもお金がかかる他、遊園地に行くには高額の金がかかるので、アルバイトによる金稼ぎも大事。
--アルバイトはヒロインと職種によって得意不得意があるが、成功すればお金だけでなく、能力をアップさせられる。
--デートでは行く先にもよるが、好感度を高められる。

''戦闘パート''
-一定期間ごとのイベントである魔宝争奪戦と、各ヒロイン個別のダンジョンイベントでは、スゴロク形式で他チームと勝負を行う。
--モンスターと戦う戦闘マスやボスマスに止まったときと、他チームと会ったときは戦闘となり、RPG形式の戦闘画面へ移行する。逃走コマンドは無く、戦闘は必ずどちらかが全滅するまで続く。
--戦闘に負けると一回休みとなり、HP・MPが全回復する。勝ったときはHPは回復するがMPは回復しない。
--ライバルパーティとの戦闘のときは、負けると更に所持金の半分を奪われてしまう。勝ったときは逆に相手の所持金を奪い、相手が一回休みとなる。
---ライバルパーティの育成は自チームの育成状況と関係なく順当に育成されているので、自チームの育成に失敗しているとあっさりやられてしまうこともある。
--すごろくに負けてもゲームオーバーになったりすることは無いが、最終戦だけはライバルに負けるとバッドエンドになる。
---各スゴロクの結果は、最終的に元の世界に戻れるかどうかの判定に影響する。また、各ヒロインのスゴロクはヒロインからの告白やキャラ別結末((主人公に告白しなかったキャラクターの後日談的なもの。CG付き(成功)とCGなしがある。))にも影響する。
-スゴロクの数字はボタンでパワーゲージを止めてルーレットを回す形式で、ゲージ量が同じならルーレットは同じだけ回転する。そのため、慣れれば好きな数字で止めることも可能となる。

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**評価点
-温かみのあるシナリオ
--前作に当たるとも言える『[[ウィザーズハーモニー]]』と同じく、人の優しさ、心の繋がり、信頼といった普遍的で温かみのあるテーマをメインにシナリオを作っており、全体的にプレイしていて心地の良いシナリオになっている。
--「moo」氏のキャラクターデザインも作風にマッチしており、可愛らしく描かれている。
---これらの事から、本作品を好むユーザーは「雰囲気や空気がいい」と評価をする者も多い。

-声優もそこそこ豪華
--ウィザーズハーモニーがダメゲーとして評価された最大の原因である声優の下手っぷりについては、本作品では問題の無いレベルまで上がっている。
--知名度の低い声優が多いが、一部は豪華。ベテランの島本須美さんや日高のり子さんを起用している。

-豊富なエンディング数。
--メインキャラ9名+ライバルキャラ3名それぞれに主人公と結ばれ帰還成功/失敗EDと結ばれなかった場合の汎用ED、最終戦でライバルパーティに負けた場合のバッドエンド2種、主人公が誰にも告白されなかったエンド、計27種のEDがある。
---すべてを見るためには最短でも7周することになるため、やりごたえがある。

-操作性とテンポの良さ。
--これは『ウィザーズハーモニー』の良さを引き継いでいる。

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**賛否両論点
''難易度が高目''
-ゲームバランスの問題
--ある程度のゲーム内容や育成に関しての知識なしでは厳しいゲームバランス。
---ライバルパーティーの育成はそれなりに順当に育てられている為、手探りでプレイしていると育成がおぼつかないまま、敵にパーティ育成を置いて行かれる事態になりがち。特に一周目はライバルにも勝てず、そのままずるずると上手くいかないままEDにいってしまう事も多い。
---ただし、こちらがベストに近い育成をすれば圧倒する事も出来る程度ではある。
--ゲームに慣れてくると敵チームの育成に理不尽さを感じる事もなくなる為、ゲームを理解した上で2周目以降に臨むとちょうど良いバランスになっている。

''グラフィック''
-キャラクターデザインのmoo氏の絵柄は好き嫌いが分かれやすい。
--moo氏にはコアなファンも多いが、ハッキリ下手と断言する人もいる。
---好みによるところが大きい話なので、これは一度ゲーム画面等を見てみるのをオススメする。

-背景イラストはモザイクがかかってるような感じであるが、これはむしろ演出と考えるべきだろう。

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**問題点
''理不尽な妨害要素''
-町でのアルバイトやデートでもライバルキャラが妨害してくる事がある。
--防ぎようがない上に、アルバイトの場合は弁償としてそのアルバイトで稼ぐはずだった金額と同額のお金を没収されるというとんでもないペナルティつき。
---しかも妨害したライバルには何のペナルティもない。
//すごろくイベントでも常にプレイヤーより先に順番が来る上にサイコロにあたるルーレットで5や6を容赦無く出しまくり、戦闘ともなれば容赦無く全体攻撃魔法の嵐でこちらを壊滅状態に持っていく。育成が上手くいってないと、それだけで手も足も出ずに全滅することも珍しくない。
//少々誇張気味なのと、ルーレットに関しては押すタイミングで操作できる分、逆に嵌ってる事もあるので、これでは誤解を招く。ライバルの出目も偏っておかしくはない。

-すごろくイベントにおいてライバルパーティがイベントを無視することがある。
--ライバル側のイベントはカットされておりイベント有無による分岐を無視して進行する。そのせいで近道への分岐条件が「そのマップ序盤での迂回イベント」の場合、プレイヤーからすると理不尽なショートカットをされてしまう。
---もっとも、無視した結果逆に両方遠回りすることもあるので、CPUの仕様と割り切るしかないだろう。

-フィリーとロクサーヌの個別EDがない。
--ライバルキャラにも個別のEDが存在する事もあり、この二人だけバッドエンド時の一緒に旅するEDしかないのは残念である。

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**総評
ゲームとしては粗い部分が多く、それほど評価の高い作品ではない。だが、その独特な個性にファンも少なからずいる作品である。~
全体的に悠久幻想曲シリーズの方が遊びやすくはなっているが、2周目以降に非常に難易度が落ちるあちらとは異なり、こちらは2周目以降が本番とも言える難易度。~
その為、ゲーム難易度的にはこちらを好むユーザーもおり、キャラの好み等も含めてこっちの方が好きというユーザーもいるくらいには根強い人気もあるゲームである。

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**機種別の違い
-SS版の1ヵ月後にPS版が発売しているのだが、PS版には細かい調整が入っている。
--OP/ED曲の変更他、演出面の変更
---OPはムービーも変更されている。他にも一部イベントが声付きになっている。
--ゲームバランスの調整
---一緒に特訓をした際の相性が上がりやすくなっている。
---魔法のMP消費量が減った。魔法寄りステータスのキャラが使いやすくなった。
---相性が良ければステータス異常時でもデートに誘えたのが不可能になった。
--「隠しパスワード」の存在
---主人公の名前入力欄に特定の文字列を入力すると、おまけのCGなどが見れるコーナーがあったり、システムセーブに上書きは出来ないが全プロフィールやCGを閲覧可能にするコマンドも存在する。当時の電撃プレイステーションDなどの一部媒体でしか公開しなかった要素であり、ファンであっても知らない人も多い。詳細は「エターナルメロディ パスワード」で調べられる。

**その後の展開
-サントラの他、ドラマCDが発売されている。
--これは後の『[[悠久幻想曲]]』シリーズでも引き続き発売されている。

-ノベライズもされている。
--メインキャラの一人であるウェンディが主人公と結ばれなかった場合のEDに繋がる本編の後日談となっている。

-直接的な続編ではないが、moo氏や開発スタッフ(現在のブリッジ)が共通した似た雰囲気の作品は作られ続けた。
--この作品を基にしてスマッシュヒットしたシリーズ『悠久幻想]』シリーズが生み出された。
--他にも出来は様々だが、同様の作風の単発作品等もいくつか発売されており、固定ファンをしっかりキープしている。

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**余談
-SS版のOP/EDに「畑亜貴」氏、PS版のOP/EDに「伊藤真澄」氏を起用している。
--主にアニメのキャラクターソングやゲームBGMなどの分野で活躍している2人だが、当時はまだ知名度がそれほど高くなかった。
---当作品の頃からファンだったユーザーは、彼女たちの出世を喜んだり、遠いところまで駆け上がったことを寂しがったりと悲喜こもごもである。

-2010年4月1日にブリッジのホームページのTOPでエイプリルフール企画としてこの作品リメイク告知CGが掲載された。
--ファンの反応は驚いたり、懐かしさを感じたり、嘘であることに絶望したりと様々だった。

-カレンのシナリオ「SKY HIGH」と『ときめきメモリアル』の番長イベントとの酷似
--相手「自分を倒すとは」>主人公「番長/チャンプ…」>相手「その名はもうふさわしくない。(ここから名前が『元』番長/)チャンプに変わる)これからはお前が番長/チャンプだ。彼女と仲良くな」という流れが細かいセリフ回しが違うだけで完全に一致する。
---パクリと見るかオマージュと見るかは人それぞれだが…。
//当時両方やった上で自分もパクリと思ったので問題点に入れるべきと判断。
//パクリについては余談で扱う事になった

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**『ウィザーズハーモニー』との関連性
-当作品は『ウィザーズハーモニー』と同系列の作品として扱われることも多い。
--キャラクターデザインのmoo氏(『ウィザーズハーモニー』時代は別名義)を含め開発スタッフの多くがウィザーズハーモニーに関わっており、作風も近い。
--ゲーム内の設定においても、ヒロインの1人「紅若葉」には兄がいるが離れ離れという設定があり、実際にウィザーズハーモニーには「紅蒼紫」という男性キャラがいるなど、直接的では無いが間接的な繋がりは匂わせている。

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