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La-Mulana」を以下のとおり復元します。
*La-Mulana
【ら・むらーな】
|ジャンル|アクション|
|対応機種|Wii(Wiiウェア)&br()Windows XP/Vista/7|
|メディア|ダウンロード専売ソフト|
|発売・販売元|【Wii】アスタリズム&br()【Win】AGM PLAYISM|
|開発元|NIGORO|
|発売日|【Wii】2011年6月21日&br()【Win】2012年7月13日|
|定価|【Wii】1,200Wiiポイント&br()【Win】Playsm:1,234円、Steam:1,480円|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|
|ポイント|元同人フリーソフトのリメイク作品&br()開発者からの挑戦状=高難易度&br()ねじるぞ!|

#contents(fromhere)
**概要
-2006年にMSXファンの同人グループ「GR3プロジェクト」がインターネット上で公開した同名のフリーゲームを、Wiiウェアとしてリメイクした作品。往年のMSXファン以外にも、国内外のコアなゲーマーから高い評価を得ている。Wiiウェアとして発売するにあたって、ミステリー雑誌ムーとタイアップを行った。
-いわゆる「インディーズゲーム」の一種である。発売元のアスタリズムからは、本作と同じく人気フリーゲームである「洞窟物語」がDSiウェアとしてリメイク発売されている。
-2012年7月13日に、ゲーム配信サイト「Playsm」からPC版を発売開始。内容自体はWii版から大きな変更はないが、海外向けに英語対応になり、Wii版で修正が間に合わなかった不具合の整理や細かいオプションなどの追加が行われている。2013年にはSteamでも配信が始まった。

**ストーリー
主人公のルエミーザ・小杉博士は日系三世の考古学助教授。ある日、博士の父親にして考古学者としての最大のライバルでもあるショーン・小杉から、「勝利宣言」が入った封筒が届けられた。考古学者としての対抗意識と知的探究心から、急ぎ出発の支度をするルエミーザ博士。向かうは、ショーンが研究していた「世界の全ての古代文明の共通の起源」になったと噂される、神秘の遺跡ラ・ムラーナ。ゲームは博士が「旅立ちの村」に到着したところから始まる。

**システム
-レトロチックなドット絵で構成された、ビューチェンジ型2D横スクロールACT。公式曰く「遺跡探検考古学アクションADV」。元がMSXファンの同人グループが製作したゲームとあって、全体的なゲームデザインはMSXの名作探索ゲーム『ガリウスの迷宮』をベースとしている。
-基本的なルールは、遺跡の各所で「アイテム集める」「敵を倒す」「仕掛けを解く」の3つをこなしながら、遺跡内に潜む合計8体のガーディアン(ボスキャラ)を倒して、遺跡の真実に迫っていく。ただし、ガーディアンと戦うにはガーディアンが封印された「アンク(十字架型のオブジェ)」を特定の部屋に出現させ、さらにアンクを破壊してガーディアンを呼び出す宝石「アンクジュエル」も入手しないとならない。もちろん、どちらとも決められた謎解きをこなす必要がある。
-これだけ聞くとそう難しくなさそうに見えるが、遺跡内には大量のトラップが仕掛けられているほか、遺跡内の重要なオブジェを攻撃すると、天罰の雷で大ダメージを受ける等、この手の探索ゲームでありがちな「詰まったらそこらのものを手当たり次第にいじってどうにかしてみる」という方法が通用しない構成になっている。

**評価点
-「考えて解き明かす」楽しさを存分に味わえる、洗練されたゲームバランス。本作は元々フリー版の時点から「''開発者からプレイヤーに送る挑戦状''」というスタンスであり、アクション、謎解き共に難易度はかなり高い部類に入り、初見殺しの要素も多い「死んで覚える」タイプのゲームだが、それゆえにクリア出来た時の達成感もひとしお。
-ゲーム自体のボリュームもかなりのもので、序盤から自由度の高い探索を楽しめる。一つのフィールドに専念して謎解きをするも良し、様々なフィールドを渡り歩いて先にアイテムを集めるも良しと、プレイヤーの好きなスタイルで探索できる。各フィールドは様々な繋がりを持っているため、その繋がりを探すことで新たな道を開く楽しみもある。ただし、前述のように初見殺しが点在するため、装備や予備知識無しに突撃すると痛い目に会う場所も多いので、大胆さと慎重さの両立が肝要。
--理不尽に難しいのではなく、救済策やトラップ避けのヒントも用意されている。例えば、錘を置く台座の周囲に骨が転がってるからこれはトラップだなと推測出来たり、罠にかかった時に警告音を発してくれるアイテムに従って、その場を大至急離れれば脱出もある程度可能等、プレイヤーの腕次第で十分事故死を回避出来る構成は見事。後半になるにつれ不意打ち同然のトラップも出てくるため、油断はできないが。
--DLCで購入出来るエキストラダンジョンに至っては、「プレイヤーがネット上でウィキや掲示板等で攻略情報を共有し合う」ことを見越したうえでの凶悪な難易度となっており、そのフィールドに突入するための手順から殺意が充満した真剣勝負である。昨今のゲームによくある「おまけと言いつつ実績に関わるような、ここ限定の特典」というものも無いので、手に負えないならスッパリ諦めても本編に支障は無い。その分、クリア時のオチも脱力ものなので「散々苦労させておいて最後にこれか!」と怒らないように。
-公式サイトでDL出来る初心者向けガイドブックも必見。昔のゲームの説明書らしさ満載の構成で、総量60ページにも及ぶボリュームは普通の読み物としても面白い。同じく初心者用のチュートリアル動画もニコニコ動画やYouTube等で配信されているので、これらに一通り目を通しておくとスムーズにゲームに入りやすい。ある程度先の展開にも触れているため、ネタバレを可能な限りシャットアウトしたい人にはちょっと不親切とも言えるが、そもそもちょっとバレた程度で楽になるような甘いゲームじゃないので無問題。
-BGMとグラフィックも高クオリティ。それぞれのフィールドの特色を存分に表現したドット絵や、ボスやフィールドごとに用意された個別BGMなど、ゲームの盛り上がりを支える良質なものが用意されている。
-遺跡や集落の住人とのやりとりがなかなかに愉快。ゲーム開始早々、主人公のパソコン((主人公が持っているパソコンの名前は「Mobile Super X」。それぞれの頭文字を取ると……。))に一方通行なメーラーをインストールしてくる村の長老や、古代人のくせに「我まいっちんぐ」等とぬかすヒロイン、村の売店で所持金が足りないと「''ねじるぞ!''」と恫喝してくる売り子等。所によっては開発者の愚痴などの内輪ネタが出てくることがあるので、そういうのが嫌いな人はちょっと注意。

**難点
-前述の高い難易度は、そのまま難点ともなりうる。本作では、オリジナルのフリーウェア版プレイ経験者の挑戦を見越したうえで、さらにその裏をかくように設定された謎解きも多いため、フリー版未プレイの完全初心者は何が何やら分からない、というケースも。とにかく''大切なのは「調べて」「考えて」「行動する」こと''だと肝に銘じてプレイする必要がある。自分の不注意でマップ上の変化を見逃すのは論外であり、その辺のオブジェをいい加減にいじってひどい目に会うのは自業自得である。
-元がレトロゲーム風作品なだけあって、主人公の操作性や挙動にも往年のレトロゲーのような独特の硬直感があり、最初のうちは思うように操作出来ずに戸惑うことがある。慣れてくれば問題なし。
-特定の行動を取った場合にバグで攻略不可能になる可能性がある。現在はほとんどアップデートで対処されているが、最近(2012年1月)になって、ある場所に設置されるはずだったヒントの置き忘れが発覚するなど、未対応の不具合も存在する。公式サイトのブログや2chの攻略スレ等で、プレイ前に更新情報をチェックしておくことを推奨。
-攻略ヒントを教えてくれるヒロインの元を訪れる際、進め方によっては重要なヒントを聞き逃す可能性がある。聞きそびれたヒントを後から聞き直すチャンスは無いので、現状ではこまめに足を運んで聞き洩らしが無いか注意するしかない。

**総評
 全体の構成は手堅くまとまっており、ボリュームも十分ある力作であるが、一方で昔っぽいゲームデザインと、挑発的な高難易度のために、人を選ぶゲームでもある。レトロゲーム世代の人や探索ゲーム、高難易度ゲームが好きな人なら違和感なくゲームになじめるが、そうでない人は何度もねじられる羽目になる。しかし、本作は前述のようにゲームそのものが「挑戦状」であり、オリジナル版の説明書からして、開発者から「''私が求める兵(つわもの)は、その昔ドルアーガを打ち倒し、ガリウスから赤子を連れ戻し、イビルクリスタルを封印した真の兵達です。''」というメッセージが添えられている。本作に興味があるなら、高難易度に臆することなくぜひ兵の仲間入りを果たせるよう、気合いを入れてかかること。

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