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おしりかじり虫のリズムレッスンDS カワイ音楽教室監修」を以下のとおり復元します。
*おしりかじり虫のリズムレッスンDS カワイ音楽教室監修
【おしりかじりむしのりずむれっすんでぃーえす かわいおんがくきょうしつかんしゅう】
|ジャンル|リズムレッスン|&amazon(B0011Y4ALO)|
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|発売元|セガ|~|
|開発元|セガ&br()ナウプロダクション|~|
|発売日|2008年4月10日|~|
|価格|5,040円(税込)|~|
|ポイント|おしりかじり虫唯一のゲーム化&br()子供向けとはいえ作りの手は抜いていない&br()大人の目からして見ると簡単すぎる面も|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-NHKの定番歌番組「みんなのうた」を中心に活躍していたキャラクター「おしりかじり虫」を題材にしたゲーム。今現在、おしりかじり虫のゲーム化は本作のみとなっている。
-ゲームジャンルはいわゆる音楽ゲームに該当する。ニンテンドーDSのタッチペン操作にてお手軽にプレイできるゲームとなっている。
-ゲームタイトルが示す通り、本作はカワイ音楽教室が前面監修を勤めており、主に子供層を対象にお手軽操作でリズム感を身に付けられる様に作られた事を大々的にアピールしている。
-完全一人プレイ専用。複数人プレイには一切対応していない。操作はすべてタッチペン関連のもので十字キー/ボタンは一切使用しない。

**主なモード
-モードを選ぶ前にセーブデータを作成する事になる。
--セーブデータは全部で3つあり、プレイしたいデータを選ぶとモード選択画面に移項する。
---初めてセーブデータを作成するとパレット画面に移項する。下画面にパレットとカラーペンが用意されているので、ペンで書きたい絵などを描いて登録すれば以降セーブデータにそれが表示される。&br()パレットの背景を4色から、ペンのカラーは複数から自由に選んで描ける。また、ペンで書いた絵などはセーブデータ表示中に書いた順番通りのアニメーションする。
---セーブデータには上記のアニメーション絵の他に、「リズムレッスン」などで獲得したスターの総ストック数も表示される。
--セーブデータ以外にも、「おためしレッスン」なる項目があり、これを選ぶと「リズムレッスン」に関するチュートリアルプレイができる(これに関するセーブは一切不可)。
--セーブデータ選択後は以下の5つのモードから選択が可能となる。

-''リズムレッスン''
--本作のメインモードにあたる。
--様々な楽器を駆使して様々なレッスンをこなしていくのが目的となる。
--詳細は下記の主なルールにて。

-''カワイレベルチェック''
--「リズムレッスン」で稼いだスターを集計して、プレイヤーの腕前を級方式で測るモード。
--稼いだスターが多ければ多い程高い級が表示される。
--一日一回限定でダーツがプレイできる。ダーツ中にDS本体に息を吹きかけると矢を飛ばし、ダーツに止まった分のスターが得られる(但し、スターが減少する事もある)。

-''めいきょくをきこう''
--有名なクラシック楽曲のピアノ演奏を聴けるモード。
--総計で100曲、6時間相当の演奏時間の曲が収録されている。また、特別なサプライズとして「おしりかじり虫(楽曲)」のクラシックピアノアレンジも収録されている。
--曲の選び方は「曲の雰囲気で選ぶ」「作曲家から選ぶ」「全リストから選ぶ」の3つからの選択が可能な他、曲選択の総演奏やシャッフルも可能である。
--演奏中は「作曲家や楽曲に関する情報表示」「オルガン演奏に変更する」といった項目を選ぶ事ができる。

-''スペシャルレッスン''
--異なる4つの分野から項目を選び演奏などを行うモード。
--分野ごとに操作方法や目的に相違がある。詳細が下記の主なルールにて。

-''オプション''
--その名の通りのオプション設定となる。
--「スタッフロールの確認」「セーブデータ作成で描いた絵を書き直す」「セーブデータの消去」が可能。

**主なルール 
***リズムレッスンに関するルール
-このモードでの主な流れは以下の通りとなる。
--すごろく風のステージMAPが表示されるので、マスを選択すると「○○かじりめ」という表示がされた後にレッスンがスタートする。
--○○かじりめ毎のレッスンは3~6つ用意されている。そのレッスンを連続ですべて攻略していかなければならない。
---レッスンをプレイし終えると、成績の高い順から「金」「銀」「銅」のメダルが貰え、それをすべて埋めるとその○○かじりめはクリアとなり、次の○○かじりめに進めるという流れ。
--すごろくの最後のマスは「発表会」となっており、レッスンとは若干違うクリア方式でプレイする事になる。
---但し、同じステージ内の○○かじりめのレッスンで特定数の金メダルを取得していないと発表会はプレイできない。
---発表会はメダルの概念はないが、プレイの仕方によって「合格」「不合格」の結果に分かれる。後者だと再びやり直しで発表会に挑まなければならない。
---発表会を合格すると次のステージ(MAP)に進め、そのステージの最初からのスタートとなり、「○○かじりめを特定数クリア ⇒ 発表会クリア」の繰り返しとなる。
--すごろくといってもあくまでも「風」なだけであって、ゲーム自体は一切の○○かじりめや発表会を無視する事はできない一本道進行である。
--一度クリアした○○かじりめや発表会は好きなだけ再プレイが可能となっている。
---再プレイ時にて獲得したレッスンのメダルは価値の高いものが上書きされる。例えば、銀メダルを取得中に再プレイで金メダルを得れば、それが上書きされ以後は金メダル固定となる。
--ステージ内にて特定条件を満たすと、モードの「スペシャルレッスン」で選べるステージが増えていく隠し要素がある。
--○○かじりめ数は総計35、発表会及びステージ数は総計で6つ存在する。以下ステージ数の紹介。楽器に関しては下記にて。

|ステージ数|○○かじりめ|発表会の楽器|
||||
|ステージ1|1かじりめ ~ 4かじりめ|タンバリン|
|ステージ2|5かじりめ ~ 9かじりめ|キッチン|
|ステージ3|10かじりめ ~ 14かじりめ|ハンドベル(3種)|
|ステージ4|15かじりめ ~ 20かじりめ|どうぶつ合唱団|
|ステージ5|21かじりめ ~ 27かじりめ|ドラムセット|
|ステージ6|28かじりめ ~ 35かじりめ|ドラムセット|

-レッスンと発表会のゲームルール説明。
--専属のBGMが演奏され、下画面におしりかじり虫のアイコンが時計回りにぐるぐると回っており、これが数ループ間続く。
---下画面にはおしりかじり虫アイコンの他にも様々な楽器の絵が表示されており、それをタッチする事によりその楽器の音が鳴る。
---おしりかじり虫アイコンの回り先にある、色分けされた「★」というアイコンがおしりかじり虫アイコンに触れた瞬間に、その★に対応した楽器をBGMのリズムに乗りながらタッチしていく。
---タイミングよく★に合わせてタッチすれば上画面に表示されたゲージが上がる。タイミングが悪かったり、タッチしなっかたり、違う楽器をタッチしてしまうとゲージが上がらずのままとなる。
---★の配置は原則的にループが続いても不動だが、楽器の「シロフォン」「トイピアノ」のみは★の色が変化するレッスンがある。
---曲の演奏終了後は上画面に何かしらのポーズをとっているおしりかじり虫の絵が表示され、下画面をタッチする事でダンスしているおしりかじり虫が複数のポーズを行う。&br()一定時間以内にダンス側のおしりかじり虫が絵のポーズと一致した状態で放置すればゲージ上昇やスター((スターに関しては説明書では「星」表記なのだが、アイコンの「★」と紛らわしいので、このページでは判定は「★」、ボーナスは「スター」表記で統一する。))獲得のボーナスとなる。
---BGM演奏終了後によるゲージの溜まり具合によって、レッスンでは3種類のメダルのどれかを貰え、発表会では合否の結果がされて終了する。
---同じくBGM演奏終了後の結果に応じて「スター」というボーナスが獲得でき、溜めた分がセーブデータにストックされる。&br()これはモードの「カワイレベルチェック」の級表示に影響を及ぼすので、できるだけ多く稼いでおきたい。

-楽器に関して。
--このモードにおける楽器は総計で11種類のものが用意されている。楽器によっては★のタッチの仕方が変わってくるものもある。以下詳細。
---楽器はステージ内のレッスンなどにおいて完全に固定化されており、レッスン途中などで楽器が切り替わったり、プレイヤーの任意で演奏したい楽器を選択する事は一切できない。

#region(演奏楽器の紹介)
--「カスタネット」(COLOR(yellow){''★''})
---カスタネットが表示されているのでそれをタッチしていく。
---音色は1種類のみ。
---「COLOR(yellow){''★''}」 ⇒ カスタネット

--「タンバリン(COLOR(yellow){''★''})
---タンバリンが表示されているのでそれをタッチしていく。
---音色は1種類のみ。
---「COLOR(yellow){''★''}」 ⇒ タンバリン

--「おしりかじり虫DJセット」(COLOR(yellow){''★''})
---DJレコードが表示されているのでそれをタッチしていく。ゲーム的な意味はあまりないが、スクラッチ的な回し操作も可能。
---形式上の音色は1種類のみだが、ランダムでラップボイスが変化する仕掛けあり。
---「COLOR(yellow){''★''}」 ⇒ DJレコード

--「キッチン」(COLOR(yellow){''★''})
---「シチューを煮込む鍋」「ステーキを焼くフライパン」「包丁で人参を切るまな板」があるのでそれらをタッチしていく
---音色は3種類あるが、★のタイミングさえ合っていれば何をタッチしてもかまわない。
---「COLOR(yellow){''★''}」 ⇒ 鍋・フライパン・まな板

--「和太鼓」(COLOR(yellow){''★''}・COLOR(red){''★''})
---「太鼓の中心部」「太鼓のふち」があるのでそれらをタッチしていく。
---音色は2種類あり、それに対応した★をタッチしなければならない。
---「COLOR(yellow){''★''}」 ⇒ 太鼓中心部&br()「COLOR(red){''★''}」 ⇒ 太鼓ふち 

--「ハンドベル(2種)」(COLOR(red){''★''}・COLOR(yellow){''★''})
---「赤いハンドベル」「黄色いハンドベル」があるのでそれらをタッチしていく。
---音色は2種類あり、それに対応した★をタッチしなければならない。
---「COLOR(red){''★''}」 ⇒ 赤ハンドベル&br()「COLOR(yellow){''★''}」 ⇒ 黄ハンドベル

--「ハンドベル(3種)」(COLOR(red){''★''}・COLOR(green){''★''}・COLOR(yellow){''★''})
---「赤いハンドベル」「緑のハンドベル」「黄色いハンドベル」があるのでそれらをタッチしていく。
---音色は3種類あり、それに対応した★をタッチしなければならない。
---「COLOR(red){''★''}」 ⇒ 赤ハンドベル&br()「COLOR(green){''★''}」 ⇒ 緑ハンドベル&br()「COLOR(yellow){''★''}」 ⇒ 黄ハンドベル

--「ドラムセット」(COLOR(red){''★''}・COLOR(blue){''★''}・COLOR(yellow){''★''})
---「スネアドラム」「バスドラム」「シンバル」があるのでそれらをタッチしていく。
---音色は3種類あり、それに対応した★をタッチしなければならない。
---「COLOR(red){''★''}」 ⇒ スネアドラム&br()「COLOR(blue){''★''}」 ⇒ バスドラム&br()「COLOR(yellow){''★''}」 ⇒ シンバル 

--「どうぶつ合唱団」(''象''・''羊''・''豚''・''猿''・''獅'')
---「ゾウ」「ヒツジ」「ブタ」「サル」「ライオン」が待機しているのでそれらをタッチしていく。
---この楽器(?)のみ★表示ではなく、その動物の顔のアイコンが★の替わりに表示される。
---音色(泣き声)は5種類あり、それに対応した動物アイコンをタッチしなければならない。
---「''象''」 ⇒ ゾウ&br()「''羊''」 ⇒ ヒツジ&br()「''豚''」 ⇒ ブタ&br()「''猿''」 ⇒ サル&br()「''獅''」 ⇒ ライオン  

--「シロフォン」(COLOR(red){''★''}・COLOR(orange){''★''}・COLOR(yellow){''★''}・COLOR(green){''★''}・COLOR(blue){''★''})
---5種類の音盤に分けられたシロフォンがあるのでそれらをタッチしていく。
---音色は5種類あり、それに対応した★をタッチしなければならない。この楽器ではループする毎に★の色が変化する場合がある。
---「COLOR(red){''★''}」 ⇒ 赤音盤&br()「COLOR(orange){''★''}」 ⇒ 橙音盤&br()「COLOR(yellow){''★''}」 ⇒ 黄音盤&br()「COLOR(green){''★''}」 ⇒ 緑音盤&br()「COLOR(blue){''★''}」 ⇒ 青音盤

--「トイピアノ」(COLOR(red){''★''}・COLOR(orange){''★''}・COLOR(yellow){''★''}・COLOR(green){''★''}・COLOR(blue){''★''}・COLOR(purple){''★''}・COLOR(greenyellow){''★''})
---7種類の鍵盤に分けられたシロフォンがあるのでそれらをタッチしていく。
---音色は7種類あり、それに対応した★をタッチしなければならない。この楽器ではループする毎に★の色が変化する場合がある。
---「COLOR(red){''★''}」 ⇒ 赤鍵盤&br()「COLOR(orange){''★''}」 ⇒ 橙鍵盤&br()「COLOR(yellow){''★''}」 ⇒ 黄鍵盤&br()「COLOR(green){''★''}」 ⇒ 緑鍵盤&br()「COLOR(blue){''★''}」 ⇒ 青鍵盤&br()「COLOR(purple){''★''}」 ⇒ 紫鍵盤&br()「COLOR(greenyellow){''★''}」 ⇒ 黄緑鍵盤

#endregion

-特殊なプレイのレッスン。
--レッスンによっては通常とは違い形式でのプレイを強いられる場面がある。以下詳細。
--「記憶力レッスン」
---奇数ループでは通常通りのプレイだが、偶数ループになると★が一切表示されなくなり、★の位置を暗記しなければならない。ビートマニアでいうところの一時的なヒドゥンプレイの様な状態である。
--「×回避レッスン」
---★と一緒に「×」というアイコンが配置されている。×はタッチしてはいけないマイナスアイコンであり、これを無視して★だけをタッチしなければならない。

***スペシャルレッスンに関するルール
-4つの分野から好きなものを選び、演奏などをプレイできる。
--「リズムレッスン」とは全くプレイルールが異なるので、別のゲームとして考えた方がいいと思われる。
--以下、4分野に関する情報を示す。

-ボーカルレッスン
--全部で8ステージが用意されている(隠し含む)ので、好きなステージを選んでゲームスタート。
--おしりかじり虫が「ドレミ~♪」とボイス発音で歌うので、その後にDSのマイク機能でそれを真似て歌う。数回程それを繰り返せばステージ終了となる。
--正しくおしりかじり虫と同じ音程で歌えると黄色いスターマークが表示され、逆に音程がずれていると赤いスターマークが表示される。
--ステージ終了後に黄色いスターマークの数が赤のそれを上回っていればステージクリア。その逆だとクリア失敗となる。

-指揮者レッスン
--全部で16ステージが用意されている(隠し含む)ので、好きなステージを選んでゲームスタート。
--BGMにのせながら下画面に指示された矢印の通りにスライドを行っていく。最初はお手本で自動的にスライドがされるので、それを参照にそのリズムをキープするのが攻略の鍵である。
--スライドの仕方によってはおしりかじり虫が「うまいうまい」「もっとはやく」「もっとゆっくり」というボイスを発してくれるので、リズムにズレが生じた場合の調整の目安となる。
--正確にリズムを刻んでスライドさせると黄色スターマークが、リズムがずれていると赤スターマークが表示される。
--このレッスンも、ステージ終了後に黄色いスターマークの数が赤のそれを上回っていればステージクリア。その逆だとクリア失敗となる。

-ピアノレッスン
--20の白鍵盤と14の黒鍵盤が搭載されたピアノをタッチして自由に弾いていく。
--ピアノはDSの画面表示の関係上、一画面ではすべての鍵盤が表示しきれない仕様となっている。左右に表示された矢印キーをタッチする事で他の鍵盤の位置に移動できる。
--ピアノの音色を16種類から選択可能。また、4種類の伴奏機能も搭載されている。
--ステージやクリアの概念は一切存在しないので、好きな様に演奏すればいい内容となっている。

-ボイステスト
--作中に収録されたおしりかじり虫などのボイスを、総計40種類から選んで聴く事ができる。
--もちろん、ステージやクリアの概念はない。要はただのボイステストである。

**評価点
-おしりかじり虫のゲームとしてのキャラゲー度はなかなかのレベル。
--番組内と同じノリでおしりかじり虫が活躍するイベントが豊富に取り揃えられ、ファンならばこれだけでも嬉しいのでないだろうか。
--ほぼフルボイスでおしりかじり虫が例のハスキーボイスで喋ってくれる演出も多数収録。というか、むしろ喋らない場面を探す方が難しいレベルという程に喋る。
--原作の「おしりかじり虫(楽曲)」はもちろん歌入りで収録され、専用のアニメーションまでも用意されている。

-上質なテンポの良さと快適性。
--「リズムレッスン」におけるレッスンで流されるBGMは1分かかるか否かといえる位の手短さであり、ひたすらにさくさくとクリアできるお手軽さを持っている。
--ほぼフルボイスで喋ってくれるおしりかじり虫だが、ゲームの邪魔になる位のうざさは全くなく、「空気を読んで喋る」心配りがされているのも好感触である。
--「キャラゲーらしく魅せる部分は魅せるが、過剰に出しゃばらない素朴な一面を見せる」という、キャラゲーにおける良い見本を見事に踏んでいるといえるだろう。

-簡単操作で誰でも楽しめる配慮。
--大方は「タッチペンをタッチするだけ」の操作性なので、複雑な操作系統に悩まされる心配はない。
--それでいて、「要所でタッチする部分を変えてプレイしなければならない」というスパイスが聴いているので、極力単調にならない作り込みもなされている。
--子供向けだからといって子供騙しな手抜きはせずに、「子供向けだからこそそれ相当に作り込もう」というスタッフのこだわりを感じさせられる。

-子供だけではなく、大人向けの要素もあり。
--もちろんお子様がおしりかじり虫のリアクションを堪能しつつもゲームを楽しめる配慮がされている本作だが、ちゃんと大人向けの要素も取り入れられている。
--「めいきょくをきこう」では100曲6時間分ものピアノ演奏のクラシック楽曲が紛れもなく収録されている。DSの容量的に考えると相当頑張ってるのではないだろうか。
---これに関してはメーカー側もジャケット裏にて「大人でも楽しめる」と大々的にアピールしている。
---DSの音源なので若干ピアノの音質が大人しいのがやや残念だが、それでもこれだけの楽曲が自由に聴けるのは嬉しい限り。

**問題点
-ゲームとしてはややボリューム不足。
--「リズムレッスン」はお子様はともかく、ある程度音ゲーに慣れているプレイヤーからしてみると簡単に全ステージを攻略できてしまう節がある。
---テンポの良さは裏返しでいえば「プレイ時間が短い」事を意味する。よって、「難しいけどやりがいのある音ゲーをプレイしたい」プレイヤーにとっては相当なる物足りなさを覚えるのは必至であろう。
---ちなみに難易度的には「音ゲー慣れプレイヤーならば''全レッスンを即効で金メダルクリアして、発表会を完勝できる''」程のレベルだと思われる。
---これに関しては「子供向け故に難易度の高騰化は絶対に避けたかった」という事情があったのかもしれない。もちろん、それ自体は間違った解釈では断じてないのだが…。
--「リズムレッスン」以外でまとまったゲーム性を持ったモードは、「スペシャルレッスン」のボーカルレッスンと指揮者レッスンのみ。
---他は楽曲を聴くだけの「めいきょくをきこう」や、ゲーム性が皆無の「スペシャルレッスン」のピアノレッスンとボイステスト位しかない。

-「リズムレッスン」における一部問題点。
--「シロフォン」「トイピアノ」のレッスンにて、「時計回りのループが終わった瞬間」に★の色が変わってしまう。
---すなわち、''★の色がまともに確認できないまま次ループが進んでしまう''ので、即座に何の色の音盤(鍵盤)をタッチしなければならないのかがかなり分かり辛い。
--同じく、「シロフォン」「トイピアノ」のCOLOR(red){''★''}とCOLOR(orange){''★''}の色彩が似すぎてどっちがどっちの色なのかが判別しにくい。
---「これは赤なのか、それともオレンジなのか?」と混乱している最中にミスになるケースが多発しがちである。
--実は''「トイピアノ」のCOLOR(greenyellow){★}が出現するレッスンが一切存在しない''。
---一応、上記のルールでは説明書の基準に応じて7色音色と表記したが、実際は黄緑鍵盤はただタッチして音が鳴らせるだけで、ゲーム内に使う機会は全くない。何故だ?
---さらにいうと、「トイピアノ」は35かじりめだけにしか演奏できないレア楽器になっている。一番華やかな音色を持つ楽器なのに…。
--発表会で使用する楽器が何故か5つしかなく、他6つの楽器はレッスン専用に収まっている。
---特に音色が他の楽器よりも多彩で奏でる楽しみが多いはずの「シロフォン」「トイピアノ」までもがレッスン専用楽器でしかない。
---ステージ5~6は連続で「ドラムセット」演奏とダブり楽器続きなのもかなり謎である。11もの楽器が用意されているのに勿体無い…。
--ゲームとはあまり関係がないが、「和太鼓」が太鼓の音には聞こえず、どちらかといえばコンガみたいな音になっている。
---『太鼓の達人シリーズ』の太鼓は「ドン」「カッ」という豪快なる音色だが、本作では「タン」「パン」とやけに音が軽い。

**賛否が分かれそうな点
-ゲームに使用された楽曲は、そのほとんどがクラシック関係の収録となっている。
--本作は『太鼓の達人シリーズ』や『ポップンミュージックシリーズ』の様な、「多種多様なバラエティに富んだ楽曲が目白押し」という路線ではない。
---実際、本作は「おしりかじり虫(楽曲)」を除くと、クラシックや童謡、オリジナル曲といった、版権が関わらない楽曲のみの収録となっており、そういう意味ではかなり地味な音ゲーであるといえる。
---また、「めいきょくをきこう」の楽曲はロングバージョンだが、それ以外のモードでの楽曲は演奏時間が短いものばかりで、&br()「太鼓やポップンクラスのまとまった時間の楽曲を演奏したい」と感じる人にとっては尚更地味に感じるだろう。
---そもそも本作は「カワイ音楽教室監修による子供の為の音楽教養ゲーム」としてのコンセプトで製作されているので、太鼓などのバラエティ路線と作風が違っているのは当然ではある。

**総評
-ゲームとしては(もちろん問題点で示した件もあるが)本当丁寧で好感を持てる作りであり、この土台でボリュームとやり込み要素を強化すれば純粋なる良ゲーになれる素質を持っていると思う一作。
-悲しいかなこのゲームがリリースされた時期はおしりかじり虫ブームが沈静化しており、それは続編が作られる可能性が低い事を意味する残酷な現実…。

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