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メタルギアソリッド ポータブル オプス」を以下のとおり復元します。
注意:このページではPSP用ソフト『メタルギアソリッド ポータブル オプス』と、その続編『メタルギアソリッド ポータブル オプス +』を併せて紹介する。
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#contents
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*メタルギアソリッド ポータブル オプス
【めたるぎあそりっど ぽーたぶる おぷす】
|ジャンル|タクティカル・エスピオナージ・アクション|CENTER:&amazon(B000FPUZ2I,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/513HVEG6DFL._SL200_.jpg)&amazon(B000K6ZTXW)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|
|開発元|コナミデジタルエンタテインメント(小島プロダクション)|~|
|発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~|
|発売日|2006年12月21日|~|
|定価|4,980円|~|
|レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~|
|コンテンツアイコン|犯罪、暴力|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|PSP向けタイトルで初の『MGS』&br;若き日のロイ・キャンベルが登場する『3』の続編&br;番外編的な扱いでシリーズとの関連性は薄い&br;操作キャラが変更可能なシステムなど新要素は光る部分あり&br;実質『MGS:PW』『MGSV』のプロトタイプでもある|~|
|>|>|CENTER:''[[メタルギアシリーズ]]''|
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**概要
PSP向けタイトル4作目にして、初めてシリーズ伝統の諜報アクションスタイルになった作品。~
携帯機で諜報アクション版が出るのは、GBCの『[[ゴーストバベル>メタルギア ゴーストバベル]]』以来。~
『[[MGS3>メタルギアソリッド3 スネークイーター]]』後のネイキッド・スネーク、すなわちビッグ・ボスの行動を描く物語となっている。

拡張パックとして対戦や兵士集めに特化した『メタルギアソリッド ポータブル オプス+』が発売されている。~
本作のセーブデータを引き継いで遊ぶことも可能。
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**ストーリー
>コロンビア中部沿岸・サンヒエロニモ半島。軍事的な理由から世界地図に正確な地形が記されていない。別名死者の半島。~
キューバ危機によって撤退した基地に代わりソ連の中距離ミサイル基地の建設が計画されていたこの土地は、東西の緊張緩和で基地の建設が放棄され、祖国に捨てられたソ連兵が存在していた。~
[[スネークイーター作戦>メタルギアソリッド3 スネークイーター]]から6年後の1970年11月2日。中央情報局(CIA)のある特殊部隊が軍の最高機密である新型の兵器を盗み、半島を占拠した。~
既にFOX部隊を除隊していた''ネイキッド・スネーク(ビッグ・ボス)''はこのクーデターに巻き込まれ、拘置所で捕虜尋問官を名乗る男に「賢者の遺産」の在り処を問われる。~
そこでスネークは同じく拘置所に捕まっていた若きグリーンベレー隊員・''ロイ・キャンベル''と出会い、共に脱出を図ることとなる。~
スネークは、かつての上官である''ゼロ少佐''が国家反逆罪の容疑で拘束されている事、スネーク自身が反乱の首謀者であるという容疑がかかっている事、~
そしてクーデターを起こした組織の名が、かつて自らも所属していた特殊部隊・''FOX''であることを知る。~
この嫌疑によって東側はもちろん、西側の陣営からも追われる身となったスネークは、仲間を集め、自らの潔白を証明するため''FOXHOUND''(FOXを狩るもの)を結成、FOX部隊の鎮圧へと乗り出す。

※Wikipedia参照
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**主な新要素
-潜入任務の変化
--これまでのシリーズは主人公が殆ど装備も与えられず一人で敵地に潜入し、後方支援部隊からの無線や現地の協力者の助力によって任務を達成する流れで、ゲーム自体も基本的に一本道のアクションだった。
--対して今作は仲間を集めて自身の部隊を結成し、拠点を中心として諜報活動に勤しむ構成となっている。シリーズジャンルである「戦略諜報アクション」の「戦略諜報」の部分がより明確に強調・発展されていると言え、従来のアクションに加えてシミュレーション的なシステムが盛り込まれている。
--ステージも従来のような地続きのマップではなく、各エリアが独立した箱庭型となっている。プレイヤーは全体マップからこれら潜入場所を選んで出撃する形となる。
--部隊の役割は潜入のみではなく、各地の情報収集を行う諜報班、アイテムや装備の開発を行う技術班、負傷者の治療を行う医療班とそれぞれの班が存在し、これらに人員を配置する事で部隊を大きくしていく。
--今回のスネークの相棒として、シリーズお馴染みのキャラであるロイ・キャンベルが若かりし頃の姿で登場し、彼を副官として共に部隊を率いる事になる。
---キャンベル自身は負傷のために出撃は出来ず、主にトラックの運転と捕まえた敵兵の説得を担当する。また、スネークに代わって作戦を立案したり仲間達をまとめるなど、後年のような指揮能力も発揮する。

-チーム制の導入
--これまではスネークが一人で潜入し諜報/工作活動を行うのが基本だったが、今回はチームを組んでの潜入となる。
---プレイヤーはチームの中から一人を選択して操作し、操作中のキャラ以外のメンバーは配置位置の''ダンボールの中''で待機する。
--ストーリー中に加入するキャラやGPSレシーバーで取得する兵士もいるが、基本は後述する捕獲で仲間を確保する。
--キャラによっては潜入時にカモフラ効果が発揮されることもあり、交代しながら進むことで円滑に任務を進められる。
---性能差こそあるが、全てのキャラがスネーク同様に操作可能で、モーションも共通。
---なので、一般兵やユニークキャラはもちろん、''技術者や医師、政治家などの非戦闘員ですら重火器やCQCを駆使してミッションに挑める。さらにホールドアップや尋問用のボイスまで用意されている。''
---ユニークキャラにしても、ストーリー中は非戦闘員のキャラだろうが一切の制限無く出撃可能。
--引き続きスタミナゲージが導入。今作では射撃精度などには影響しないが、0になると気絶してしまい、他のメンバーに交代するか、ミッションを中断しなければならなくなる。
--ミッションに出撃せず、待機をすることも可能。待機をすればライフやスタミナが回復する。また、他の班に配属して活躍させる事も可能。
--また、待機をすることによって、昼 → 夜と時間が経過。昼と夜では敵の配置が変わる他、夜間は敵に見つかりにくくなるため、潜入に向いている。
--ミッション中でも、リトライ・中断は自由に行えるが、リトライをしてもアラート数・殺傷数はリセットされず、中断をするとその分日付が経過する。
---なお、一部ユニークキャラクターの獲得に関わってくるだけで、どれだけ時間が経ってもゲームオーバーになることはない。ちなみに1972年になると表示がTIME PARADOXとなり日付が進まなくなる((1972年はシリーズの最重要人物2人が生まれた年であり、この年に至っても事件が終わっていなければ確実に歴史が変わってしまうため。))。

-サラウンドインジケーター
--今までの作品のレーダー的役割で、音源を察知する装置。前作の動体探知機に近いが、バッテリーは無制限で、位置も点ではなく波形で表示される。またソリトンレーダーとは違い、フェイズに関係なく常時使用できる。アイテムとしては登場しない。

-敵の捕獲
--麻酔銃やCQCで気絶させた敵兵士をトラックまで運ぶことで、彼らを自分たちの仲間に引き込める。
--チームを組むと、仲間が隠れているダンボールの近くまで運び、回収用の周波数に無線すると仲間に回収を依頼することができる(無線を使わず、ダンボールを攻撃してもOK)。こちらは複数の敵をまとめて回収できる利点がある。
--過去作でも倒した敵兵士を物陰に運ぶことができたが、外見としてはそれに近い。
--戦闘力の低いキャラでも、諜報やアイテム作成などに役立ってくれる。
--シリーズでは初となる、敵兵と非戦闘員に女性キャラが登場。シリーズお馴染みの雑誌((ほとんどの作品では、いわゆるエロ本。敵を引き付けて一時的に無力化することができる設置武器。))が通用しないという特徴を持つ。
---キャンベルが無線で遠回しに、男性より女性兵を仲間にしてほしいと言ってくる事がある((実は当時のキャンベルは女好きであり、敵兵の説得も女性を口説くための学んでいた心理学を活用している。))。

-カムフラージュシステム
--前作での迷彩服やフェイスペイントによるカムフラージュは廃止。その代わり、同じ姿の兵士・人員なら警戒されないという単純な変装システムがある。画面にカメレオンのアイコンが表示されている場合は、偽装状態になっている。
--ただし、進路を遮ったり、ストーキングやローリング、ホフク、銃を構えたり、敵兵を引きずるなど不自然な行動をすれば即座に変装は無効になる。
--物音を立てた場合や壁を挟んで足音を感知されると異常がないことを確かめるまで変装が無効になる。また、潜入フェイズ以外でも通用しない。
--前作までは怪しい行動を取ると制止され、大人しくしていれば見逃されたが、本作では即座にアラートになるため、難易度は少々上がっている。
---『[[MGA>メタルギアアシッド]]』では敵兵の前を横切っただけでもアラートになったため、緩和されてはいる。
---前作同様、科学者やメンテナンスクルーといった非戦闘員も登場するが、ちょっとした警戒でも即アラートになるなど厄介になっているため、非戦闘員のいるエリアでは偽装状態に持ち込んだ方がスムーズにミッションを進められる。
---ちなみにこう言った怯え逃げ回るだけの非戦闘員も、仲間にすれば途端にスネーク同様の潜入のエキスパートとして操作可能になる。
--基本的にシステムやアクションは『MGS3』と同じだが、ローリングで足音を感知されないなど細かな違いもある。

-スキル・キャリア
--捕獲した兵士やユニークキャラクターはそれぞれ得意分野があり、スキルが高いほど集弾率やダメージが上がる、手ブレが少なくなるといった恩恵がある。
--前作お馴染みのCQCもナイフスキルの値によって行えるアクションに制限があり、後方からでないと拘束できないなど一部仕様も変更されている。
---CQCのスキルレベルが最低レベル(C)だと拘束は出来ない。
--ほとんどの兵士はキャリアを持っており、移動速度が速くなる、回収したアイテムをその場でトラックに送ることができる、といった実戦向きのものから、アイテムを開発する、マップを詳細なものにする、というサポートに役立つものがある。
--ユニークキャラクター以外にはそれぞれランダムでコードネームが付加されるが、プレイヤーが任意のコードネームを付けることも可能。

-プレイヤーキャラクターの拡張
--上記のように捕獲した敵兵や捕虜以外にも条件を満たせばMGS3の登場キャラや今作で新たに登場するボス敵をプレイヤーキャラクターとして使用可能。
--モブキャラだけでも7種類(容姿が若干異なるものを含めればそれ以上)、ユニークキャラ((一般キャラよりも比較的高い能力を持ち、ミッション時に死亡しない。))を含めれば実に20種類以上のキャラクターを使うことができる。
--一般兵は戦闘力としてはスネークには劣るが、偽装効果やスネークにはないキャリアを持った兵士も存在する。
--他にも同じPSP作品である『MGA』『[[MGA2>メタルギアアシッド2]]』からテリコ、ヴィナスがゲスト登場する。
---この2人は出典元のセーブデータがあれば2周目以降で仲間になる。無い場合でも加入イベントを起こせば仲間にでき、後者では原典を意識した台詞やキャラに応じた小イベントも用意されている。セーブデータで仲間にした場合は見られないので、原作ファンは敢えてセーブデータを用いずにプレイする手もある。

-イベントムービー
--ムービーは漫画版MGSを手掛けたアシュレイ・ウッドの絵を動かすという、以前PSPで発売された『メタルギアソリッド バンドデシネ』に近い形になっている。
---『バンドデシネ』と異なりボイスはしっかりついている。吹き出しも無くなっており、デジタルコミック感は若干薄れている。

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**評価点
-グラフィック
--一見、前作の『MGS3』と比較しても見劣りしない美麗なグラフィック。キャラクターの顔がアップになってもジャギなどはない。
--目立った処理落ちも特にない。強いて言えば、ロケットランチャーをタクティカルリロードで連続使用した時ぐらい。

-BGM
--短めの曲が多いが、ストーリーのクライマックスで流れるメインテーマ「Show time」や戦闘系のBGMを始め、どれも素晴らしい出来。
--特にエンディングテーマ「calling to the night」は人気が高い。

-シナリオ
--シナリオは大筋は小島監督が考え、執筆は小説家の三雲岳斗氏((代表作は『アスラクライン』『ダンタリアンの書架』『ストライク・ザ・ブラッド』など。いずれもアニメ化される程の人気作である。))が担当。
--若き日のロイ・キャンベルをはじめとして、シリーズ中のミッシングリンクを埋めるような部分が多い。
---直近の『MGS3』に関しては仲間達との再会、ある重要キャラのまさかの再登場など、続編としての性質が強くファンを唸らせる。また、『MGS3』エンディングの年表で語られていた出来事((残りの「賢者の遺産」の回収や、(サブイベント扱いだが)行方不明とされたエヴァの消息など。))を補間する部分もある。
---また、過去シリーズで僅かに語られていた、後に「グレイ・フォックス」となるフランク・イエーガーとビッグ・ボスとの出会い、特殊部隊FOXHOUND結成の切っ掛け、予知能力を持つキャラクターによって時系列上未来の作品のストーリーを上手く取り入れていたりと、シナリオの質は高い。
---更には当時発売を控えていた『[[MGS4>メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット]]』への伏線も張っており、同作で明かされる事になる「愛国者達」やその元凶の正体についてもヒントが提示されているなど、『[[MGS:PW>メタルギアソリッド ピースウォーカー]]』や『[[MGSV>メタルギアソリッドV ファントムペイン]]』が登場するまでは本当にビッグボスとソリッド・スネークの物語を繋ぐミッシングリンク的な役割の作品であった。
--他にも今作の事件の主導者ジーンなど、敵キャラクターも魅力的かつインパクトのある面々が揃っている。

-チーム潜入
--4人のチームを組んで潜入するというのは今作独自の面白さに繋がっている。
--スネーク以外のキャラも使用でき、それぞれの得意武器やスキルの違いでさまざまな潜入を楽しめる。
--移動手段は主にトラックで、拠点に潜入することになる。ミッション中は1つの地点しか移動できないが、マップ自体は携帯機にしては広く作り込まれている。
--『MGS3』からの続投キャラは''全員''仲間にする事が可能になっており、しかも多くはイベント付き((ストーリーの流れでは合流不可のゼロは例外。オセロットもイベントこそあるが、こちらもストーリー上では合流しない。どちらもあくまでゲームシステム上で加入するのみ。))。あのキャラやこのキャラでミッションに出るという夢のような事が可能となっている。
---半ばネタキャラだった''イワン・ライデノビッチ・ライコフ''すらも再登場して仲間に出来る。%%『MGS3』で殺害しても「TIME PARADOX」にならなかったのは忘れよう。%%
--本作の新キャラもほぼ加入可能。協力の余地のあるキャラばかりか、完全な敵対者すらも''ラスボス含めて''仲間にしてしまえる。
---上述したイベントキャラと違っていずれもゲームシステム上でのみの加入であり、重要キャラを仲間にしてもストーリーに影響や矛盾は生じない((その為にスネークに仲間として協力しているオセロットがアメリカで暗躍、潜入しているソコロフに自分からの通信が入る、(プレイヤーの)ジーンが投げナイフでメタルギアを破壊する、といった珍現象も発生する。))((ボスの一人であるパイソンに限り、スタミナキルをするとボス戦後のイベントが彼を助けるものに変化し、以後は使用可能になる。それ以降は本編には登場しないので設定上の消息は明言されないが、スネークと和解して協力するようになったとも解釈できる作りになっている。))。
---その一方、今作におけるスネークの相棒であるキャンベルはどうやってもプレイアブルキャラにならない。彼の加入は『MPO+』まで待つ事になった。
--ただし、後述の通り仲間にするための条件はいずれもノーヒントでは厳しい。

-意外と高い自由度
--例えば特定の情報を入手する場合、「直接情報を入手」「情報を持つ敵兵を尋問或いは回収」「諜報員派遣で入手」と言うようにプレイヤーが取れる選択肢の幅が多い。
--数はそれほど多くないものの、アイテムや捕虜の回収といった本筋とは関係のないサブミッションも用意されている。
--ミッションを受けずに拠点を探索して兵士やアイテムを集めるフリーモードや選択肢の幅の多いミッションは『MGSV』に受け継がれた。

-オンライン対戦の導入
--ストーリーで集めてきた兵士たちと組んだチームで対戦可能。
--Wi-Fiアクセスポイントがあれば手軽にオンライン対戦が可能であった(ただ後述の問題も生まれた。)。

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**賛否両論点
-シナリオ面
--全般的にシリアスな展開で「小ネタ」が少なく、シリーズファンにはちょっと気になる部分。
--携帯機ということもあり、ストーリー自体は短い。前述のサブミッションのような寄り道要素もあるが、基本的には一本道で前作までのようなおまけのゲームモードはほとんどない。最高難易度EXも過去作と比べると簡単になっている。
---ゲームの構造上仕方なくもあるが、終盤も決して薄い訳ではないものの従来ほどは盛り上がらず、ラスボス戦もあっさり終わる。
--前作までの醍醐味だった無線はバリエーションが少なくボイスもついていない。その割に、強制無線が多く、読み込み時間も長め。
---それ故に、主人公であるネイキッド・スネークからは『MGS3』の無線で見せていた強烈なキャラクター性はほとんど見られず、終始真面目な人物となっている((恐らく前作の出来事から6年が経過したことで、より『メタルギア』のビッグボスの性格に近付けたいという意図があったと思われる。ちなみに本作の4年後にあたる次作『MGS:PW』では『MGS3』に近い性格に戻っている。))。
---『MGS3』で豊富な話題を提供してくれたパラメディックとシギントは仲間にすれば本作でも通信可能になるが、おまけ程度のバリエーションなのであまり楽しめない。~
今作では不可能になった動植物のキャプチャーに関する話題や、映画ネタなどが無くもないのだが数は少ない。
--本作は時系列としては『MGS3』の続編となるが、小島監督が脚本を担当していないため、正式な「メタルギアサーガ」とは言えない点もある。
---その影響は後年になって大きく響き、『MGS4』には本作のイベントシーンの一部も使用されたりなど発売から数年間は上述した通りミッシングリンク作として位置づけられていたのだが、『MGS3』の正統続編とされた『MGS:PW』の登場に伴って触れられなくなっていき、最終的にはシリーズ中ではなんとも微妙な立ち位置にされてしまっている。詳細は余談にて。
--「過去のトラウマ」「かつての戦いが仕組まれた物だったと解る展開」「首謀者から引き継ぐ遺産」「スパイを予想させる全滅した部隊の生き残り」等、パラレルの外伝作の『[[ゴーストバベル>メタルギア ゴーストバベル]]』と構成が被っている面も多い。
--一方で、雰囲気をぶち壊しにするような過剰なネタ要素がないのを評価するプレイヤーもいるので賛否両論とも言える。評価点で上述した通りシナリオの質自体は高い。

-ユニークキャラ関連
--''ジョナサン''
---シナリオ上、スネークが最初に捕獲する兵士。どのエリアの兵士を捕獲しても最初の1人はこの「ジョナサン」になる。
---分類上はユニークキャラ扱いだが、外見は他のソ連兵と全く同じという特殊な立ち位置のキャラクター。最初の仲間だけあってデモシーンや会話パートにしっかり登場し、ストーリーに関わる。
---ステータスはそこそこ優秀、引きずり速度が上がる「レスキュー隊」のキャリア持ち、ソ連兵のいるエリアで偽装可能、と1周目での仲間確保に役立つ。
---しかしゲーム後半、''シナリオ上必ず死亡する''ので周回毎に捕獲する必要がある。周回毎に能力値がリセットされるために育てるメリットが薄い。しかも周回毎に捕獲する必要があるので、彼の為に部隊の空きを作っておく必要がある。
--''エルザ''、''ウルスラ''
---キャラクターの設定上どちらか一人しか仲間にできない。『MPO+』では両方加えることができるようになった。
--''『MGS3』の登場人物達''
---全員加入方法がノーヒント((諜報員派遣の情報も明確な加入フラグだと解りにくい。))に等しく期間限定であり、パラメディック・シギント・オセロットは自分でコンタクトを取る必要がある。エヴァもフラグが厳しく情報抜きで加入させるのは困難。ゼロに至っては『MGSBD』のセーブデータが必要。
--『MGA』シリーズのキャラも、原作のセーブデータが無い場合の加入条件はかなり厳しく、やはりノーヒントでは難しい。ゼロと異なり、セーブデータが無くても加入可能な点はまだ救いがあるが。
--一応、パスワードで全員入手することは可能。ただし加入時にイベントがあるキャラはその場合は見られなくなる。
--ジョナサン以外のユニークキャラはあくまで隠し、おまけ要素でしかないので仲間にしなくてもストーリー面において支障は無い。だとしても加入条件の厳しさは些か意地悪と言わざるを得ないだろう。
//注釈は評価点の方に移動

-操作性
--PS2に比べてボタン数が減っているため、工夫されているとはいえ、少々操作性に難あり。
---デフォルトではアナログパッドで移動、方向キーでカメラ操作となっているため、慣れないと移動しながらのカメラ操作が難しい。
---DL版はPSVでのプレイにも対応しているので、右スティックにボタンを割り当てれば据置作品に近い操作が可能になる。
--一方で、ストーキングと走りをボタンで切り替えられることや、構えと発砲ボタンが別になった点は好評であり、いくつかの操作は『MGS4』にも取り入れられた(主観視点での移動や壁張り付きの手動化など)。

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**問題点
//これらは明らかに問題点だと思うんだが。
-武器について
--非殺傷武器がMK22のみであり、狙撃武器が非常に使いにくい。
---主観射撃も存在するが、PSPの仕様上微調整が難しい。主観視点でも移動が行えるようになったが、ヘッドショットを狙うよりも、ロック(オートエイム)で体に撃つ → ローリングorCQCの方が楽。
--本作でもサプレッサーは消耗品だが、自由に着脱が行えず、30発撃つと使用不可能になるというミッションごとに使い切りのアイテムとなっている。
--グレネードやクレイモアは爆発すると即危険フェイズという『MGS2』以前の仕様に戻っており、使い勝手が悪くなった。
---TNTやドラム缶の爆発は前作同様、警戒フェイズになるのみ。

-携行品が少ない
--装備変更が○ボタン → 方向キーになったこともあり、武器・アイテム合わせて1人4つまで。イベント用のアイテムもあるので、出来れば一つ空けておきたいが…。
--また、本作では武器ごとの所持上限を超えた場合には「弾薬」そのものをアイテムとして持ち歩くことができ、使用すれば弾薬の補充も行える。
--もっとも、ボスが出なければ徒手空拳でも問題なく進行可能。
---ただし警告や事前情報はないケースもあるので、目的地にたどり着いたがボス戦用の装備がないために泣く泣くリトライ、といったことも起こりうる。
--一部ユニークキャラは外すことのできない固有装備を持っているため、ただでさえ少ない枠が強制的に1つ埋まってしまう。
--地味なところだがボス戦時は装備が解除されるのも痛い。

-チート対策の不徹底
--数値データが暗号化なしでそのまま使われており、更い兵士の名前もアスキーコードをそのまま使っているため容易にチートが可能になってしまっている。
---兵士データを書き換える専用ツールまで作成され、チートユーザーが闊歩することとなってしまった。
--オンライン対戦にもチートデータを持ち込むプレイヤーが現れ問題になった。~
オンライン対戦で「何発撃っても死なない兵士」「ヘッドショットを無効化する兵士」などに当たって涙を呑んだプレイヤーもいるだろう。
---オンラインでのチート使用は御法度であり違法行為にもなるので、絶対に行ってはいけない。
--これらはプレイヤーのモラルの問題もあるのだが、前述のような状態ではチート対策が不十分と言われてしまっても仕方がないだろう。

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**総評
『メタルギア』シリーズの中でも毛色の違う作品だが、完成度は高く纏まっており、プレイすれば楽しめる一作。~
携帯機になったとはいえ質は落ちておらず、シリーズ作品の価値を感じる。~
チート問題に閉口したプレイヤーもいるだろうが、対戦そのものはクオリティが高く人気だった。~
後に発売された『[[メタルギアソリッド ピースウォーカー]]』『[[メタルギアソリッドV ファントムペイン]]』では~
敵の捕獲、育成要素、アイテム開発といった本作の新要素がパワーアップして取り入れられている。~
従来の潜入アクションに留まらないシミュレーション的なやり込み要素を備えた新たな『メタルギア』の礎となった作品と言えるだろう。

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**余談
-上述の通り、本作は『MGS:PW』以前と以後で扱いが異なり、シリーズでは微妙な立ち位置にある。
--小島監督作品である『MGS:PW』登場後は、ソリッドとネイキッドの時代を繋ぐミッシングリンクの役割をそちらが担うようになり、シリーズ25周年記念の特設サイト「[[メタルギアソリッドの真実>http://www.konami.jp/mg25th/truth/]]」(2012年)にも本作は「サーガ」の作品には含まれていない。
---その『MGS:PW』ではほんの一言程度だが本作の舞台に触れており、小説版『MGS:PW』でも「かつてスネークが核テロの首謀者の嫌疑をかけられ、東西両陣営から追われる身となった」という記述があり、無かった事にしている訳でもなかった。
---しかし、シリーズ最後の小島監督作品となった『MGSV:TPP』の年表からは本作の出来事が省かれてしまっていた。
--20周年記念『メタルギア 20th アニバーサリー メタルギア ソリッド コレクション』には他の「サーガ」作品と同等の扱いで収録されていたのだが、『MGS:PW』発売後の25周年記念の『メタルギアソリッド レガシーコレクション』には入れ替わる形で『MGS:PW』が収録されて本作は未収録となった。
--小島監督によると本作の位置付けは「ストーリーライン的にはサーガの本流に入っているが、細かい部分は本流から外れている感じ」との事である。ケータイアプリの『メタルギアソリッド モバイル』や後の『[[MGR>メタルギアライジング リベンジェンス]]』のような立場と言ったところか。
---また、「監督を務めた作品とプロデューサーとして携わった作品は自分の中で棲み分けている」という旨の発言もしており、下記のロゴの件も含めその違いを明確にする意図があったと思われる。
--『[[MGSV:GZ>メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ]]』のデジャブミッション(シリーズ作品のロゴを消していく内容)では他のパラレル作品同様に本作と『MGR』のロゴは消せず、消そうとしても「こいつは違う」と語られたりと、扱いが悪い印象が否めない形で登場している。
---コジプロのネット配信番組である「コジステ」にて上記のシーンが流れ、スタッフから「OPSは消せないんですか?」と問われた際、小島監督は「''OPSは黒歴史…''」と口を滑らせている。
--一方、EDテーマ「calling to the night」はボーカルアルバムにも収録されるなど、監督の心情とは別にシリーズとしては扱いをおざなりにしている訳ではない事も窺える。
---2023年に発売された『METAL GEAR SOLID: MASTER COLLECTION Vol.1』付属の「デジタルマスターブック」に掲載されているシリーズの年表には、スピンオフ作品とはされつつも本作と『MGR』の出来事もちゃんと正史の一部として記載されている。

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&aname(plus){}
*メタルギアソリッド ポータブル オプス +
【めたるぎあそりっど ぽーたぶる おぷす ぷらす】
|ジャンル|タクティカル・エスピオナージ・アクション|&amazon(B000TUQYHE)|&amazon(B000TUSQ4I)|
|対応機種|プレイステーション・ポータブル|~|~|
|開発元|コナミデジタルエンタテインメント(小島プロダクション)|~|~|
|発売元|コナミデジタルエンタテインメント|~|~|
|発売日|2007年8月23日|~|~|
|定価|通常版 2,400円&br;DX版((無印とプラスのセット版。)) 4,300円|~|~|
|レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~|~|
|コンテンツアイコン|暴力|~|~|
|判定|なし|~|~|
|ポイント|部隊育成・収集に特化|~|~|
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**概要
前作の「サンヒエロニモ半島事件」後、舞台は同じサンヒエロニモ半島にて、残党の殲滅を兼ねて"FOXHOUND"の部隊強化を行う。~
ナビゲーションは引き続き足を怪我をしているキャンベルが行うが、メタ的な発言が増えて、ルール説明役に徹している。

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**システム変更点
-仲間にできるキャラの上限が100名から200名に引き上げられた。
--ただし、兵種が増えているため、これでも十分な余裕はない。

-成長システムの変更
--スキルレベルの上位Lv.追加
---これまでの"S"の上に"S2","S3"が追加された。&br;これに伴い、前作から引き継いだユニークキャラにおいて、スキルレベルが"S"ランクだったスキルのレベルはデータ引き継ぎ直後に一律"S2"に引き上げられる。
--新アイテム「教本」を与えることで、その「教本」の表紙に描かれたマークのスキルレベルを上げることが出来る。
--経験値の導入
---前作では出撃回数に応じて体力とスタミナがそれぞれ+1されていたが、今作では経験値に応じて成長する。
---本作では出撃部隊だけでなく、諜報や技術、医療支援部隊にも経験値が入る。

-キャリアの設定変更
--新規キャリアが追加された。&br;新規キャリアはいずれも少しネタに走っている。
---「人事部長」は敵兵のキャリアと将来性を査定できる。
---「鍼治療師」は仲間に麻酔銃を撃つと回復できる。オンラインでしか意味がない。
--キャリアによる効果の変更。
---「政治家」の効果は、フルトンの出現率アップに変更された。
---「技術者」を技術部隊に入れておくとステルス装置などのバッテリーの消費が少なくなるようになった。
---本作では階級が高いほど諜報力が高いという設定となった。
--尋問
---本作ではストーリーに絡む尋問はないが、敵兵がキャリアを持っている場合に「逃げ足は自信があったのに(アスリート)」「針さえあれば(鍼治療師)」とキャリアをほのめかすセリフを言う。
-インフィニティミッション&br;本作のメインである
--インフィニティミッションは4つの難易度のランクがあり、"EASY"をクリアすると"NORMAL"が解禁されるという風に、順次開放されていく。
--インフィニティミッションは複数のステージから成っている
---"EASY"は5ステージ、"NORMAL"は10ステージと順次増えていく。
---"EASY"の5ステージは毎回固定であるが、"NORMAL"以上ではどのステージから始まり、どのステージに転戦するのかはランダムである。
--前進ポイント,後退ポイント,撤退ポイント
---インフィニティミッションにおいて、次のステージに移動するポイント(前作の最初のミッションで「留置所」から「通信基地」へ移動した際と同じ感覚)を"前進ポイント"、逆に、1つ前のステージに戻れるポイントを"後退ポイント"、最初のステージからブリーフィングへ戻れるポイントを"撤退ポイント"と呼ぶ。
---後退ポイントから前のステージに戻ると、既に拾ったマップ配置のアイテムが復活することがある。
---グラフィック的には前作のストーリーまたはイベントミッションに於ける目的地と同じような表現なのだが、前作と違いMAP上には表示されない。
--ただし、ミッション中に"機密文書"を入手すると前進ポイントが"×"でマッピングされる。
---前進ポイントは音を立てているという設定で、近くにいる場合はサウンドインジケーターに変化が生じる。
---本作ではサウンドインジケーター上に敵兵の位置が"■"で表示されるようになったため、至近距離で"■"表示がない場合は前進ポイントである可能性が高い。
--ステージ開始時に、そのステージをクリアするために必要な"特殊ミッション"が課せられることがある。
---例えば「全ての敵を無力化せよ。ただし敵に発見されると援軍が来る」の場合、最終ステージであれば、全ての敵を無力化した時点でミッション終了となり、それ以外のステージでは前進ポイントが出現する。&br;ただし、敵兵に見つかると援軍が来る。もちろん、その援軍も無力化する必要がある。&br;前作では同一ステージで出現する援軍の数には上限があったが、このステージでは無限に湧いてくる。
--''フルトン''を天井のない場所で使用すると撤退できる。&br;ただし、そのミッションの経験値および拾得アイテム、捕まえた捕虜を放棄することとなる。
--アイテムは持ち込めない。しかし、アイテムは持ち帰れる。
---持ち込めない以上、持ち帰る意味は無い様に思われるが、ミッションクリア時に保有していた回復アイテムの数に応じてボーナス経験値が、出撃部隊だけでなく、諜報や医療の支援部隊の全員にも付与されるため集める意味はある。
--ミッション中のステージ間でインターミッションがある場合がある。例えば"EASY"未クリア時の"EASY"でのステージ2とステージ3の間。
---装備を入れ替えたり、ミッション中に仲間にしたキャラを出撃部隊と入れ替えて次のステージから出撃させたり出来る。&br;この時も、入れ替えれるアイテムはそのミッション中で入手したアイテムのみであり、本拠地のアイテムは使えない。
---この時点でそれまでのステージクリアによる難易度ごとに固定の経験値が付与され、それに伴い、出撃中にもかかわらず各種パラーメータが成長していることがある。
--ミッション終了後、ミッションの成績に応じたボーナスポイントが、最終ステージクリア時に使用していたキャラにのみ付与される。
--ミッション終了後、出撃部隊及び仲間になったキャラのライフとスタミナは完全に回復する。
// ---アイテムの持ち込みも出来ないことから、今作では医療部隊は何も生産しない。&br;同様に諜報部隊は何も略奪してこないし、技術部門も何も生産しない。
***データ引き継ぎ特典
-前作のデータが引き継げる
--ただし、出撃回数による成長分はリセットされ、その兵士の初期値に戻る。
--あの"ジョナサン"が引き継ぐセーブデータでは仲間でない状態でも復活する。
-トレーニングメニュー内の"ボスラッシュ"が解放される。
--データ引き継ぎ以外の方法でボスラッシュ"を開放することは出来ない。

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**評価点
-兵種が増えている
--「天狗兵」「山猫部隊」「ゲノム兵」などの兵種が追加されている。%%時代設定と矛盾する者が含まれているような…%%
--女性山猫部隊はシリーズ初の登場。SEALs隊員と敵として戦えるのも本作が初。

-本編の使い回しではあるが、オンライン対戦に新規のマップが追加されている

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**問題点
-ゲーム本編には新規MAPが無い

-成長に上限がある
--各キャラ毎にスキルレベルの上限値が設定されており、思い入れのあるユニークキャラを最強まで育てることは出来ない。
--なお、敵の位置をマップ上に表示させるセンス(SNS)は全く成長しない。新たにキャリアが追加されることもない。

-残念ながら、本作もチート対策が不十分
--無敵や常時ステルスなどのゲームバランスを崩壊させるような物から、自キャラをクネクネさせる、空中を歩くと行ったネタレベルの物まで様々なチートが存在しており、それらを適用したままオンライン対戦に臨む悪質なプレイヤーが多数見られた。
---対戦相手のPSPをフリーズさせるような悪質極まりないチートまで存在していた。
--チート行為の蔓延はオンライン対戦を急速に衰退させることとなった。
--オンライントレードという機能を用いることで、チートツールを使用していないプレイヤーでも容易に改造兵士を入手できた。

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**総評
ストーリーは無く、前作未プレイの場合は味気なく感じるだろう。あくまでも前作の対戦や部隊育成にハマった人向けのゲームである。~
複数ステージをまたぐ本作のミッションは前作に比べ武器装備やスタミナの管理に気を配らねばならず、どこに飛ばされるか分からないことや、無茶な"特殊ミッション"により、難易度は前作以上となっている。

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