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Dragon's Dogma」を以下のとおり復元します。
本稿では『Dragon's Dogma』と、拡張版である『Dragon's Dogma Dark Arisen』を紹介しています。判定はともに「なし」です。
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#contents
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*Dragon's Dogma 
【どらごんずどぐま】
|ジャンル|オープンワールドアクション|CENTER:&amazon(B004Y8IPKG)&amazon(B004Y8IQVO)|
|対応機種|プレイステーション3&br()Xbox 360|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|2012年5月24日|~|
|定価|7,990円(税込)|~|
|プレイ人数|1人(ネットワーク機能対応)|~|
|レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~|
|廉価版|PlayStation 3 the Best / プラチナコレクション&br()2013年2月14日/2,990円(税込)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|簡単アクションで派手な戦闘部分は高評価&br()充実したキャラクタークリエイト機能&br()アクションRPGとしての出来は良し&br()しかしオープンワールドと呼ぶには底が浅い|~|
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#center(){{
 &big(){''思い描いた冒険が、ここにある。''}
}}
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**概要
日本では当時馴染みが薄かったオープンワールドゲームにカプコンが挑戦した作品。開発メンバーは伊津野英昭氏を始めとした『[[デビルメイクライ>デビルメイクライシリーズ]]』シリーズのスタッフが中心となっている。~
同社は次世代機で『[[DEAD RISING]]』などの箱庭を自由に行き来する作品は手掛けていたが、オープンワールドを全面に押し出したのは本作が初となる。~
『[[The Elder Scrolls>The Elder Scrollsシリーズ]]』シリーズや『[[Fallout>Falloutシリーズ]]』シリーズ、『Two Worlds』シリーズなどのMMORPGライクなオープンワールドゲームが世界的な人気と評価を得ている現状を前に、国内メーカーが初めて本格的に乗り出した、と言ってよい。

基本は剣と魔法の世界であり、全体的なデザインは良く言えば馴染み深いが悪く言えば使い古されているものの、手軽で爽快な戦闘面では独自のテイストが光る。~
多人数プレイは出来ないものの、非同期なオンラインシステムを搭載している。その交流にもSNSと連動させたりするなど、プレイヤー間の交流性は強い。

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**基本システム
''キャラクターメイキング''
-プレイヤーである「覚者」と、パートナーとなるNPC「メインポーン」を好みの容姿に作り上げることができる。

-顔、胴体、手足といった各パーツに多くの基本形状が用意されており、さらに筋肉量などの細かいパラメーターをスライダーで調整できる。
--設定した体格によって身長、体重も設定され、これらは当たり判定、攻撃のリーチ、スタミナ消費量と回復速度、所持重量など、ゲーム内で多岐にわたる影響を与える。
--完成したキャラクターはリアルタイムレンダによるムービーにも反映される。
--2012年のゲームとしてはかなり詳細なキャラメイクが可能で、若き美男美女からしなびた老人、怪物じみた大巨人まで幅広く作れる。ムービーでは表情も変化し、高品質な作り込みになっている。

-外見だけでなく、ボイスタイプの設定も可能。
--メインポーンにはシーンに合わせて多彩なセリフが用意されており、他の登場人物同様フルボイスで喋る。さらに口調の設定も可能。
--覚者にセリフはないが、掛け声や被ダメージ時の喘ぎ、息を呑むといった声の演技がある。

''ポーンシステム''
-本作の大きな特徴の1つ。最大4人のパーティを組めるが、プレイヤーの操作キャラは主人公である「覚者」のみで、残る3人はCPUが操作するNPCの「ポーン」になる。

-ポーンは常に覚者と行動を共にする「メインポーン」と、色々な場所で雇える「サポートポーン」の2種類がいる。

-ポーンには外見や能力値、習得スキルの設定のほか、性格や口調の設定もある。
--性格は「攻撃的か守備的か」といった単純なものではなく、様々な行動の優先度の集合体。これによって戦闘時の動き方が大きく異なる。
---優先度が設定される行動は「覚者の安全を優先する」「弱った敵を狙う」「強敵・特殊行動を持つ敵を狙う」「敵を掃討していなくてもアイテムを拾う」などと多岐にわたる。
---同じスキルを持っていても、それを活かせる性格であるか否かで、優秀さが全く異なるようなこともある。
--口調には「臆病」や「野蛮」などがある。性格とは関連がなく、口調は臆病なのに大物を真っ先に潰しに行くようなポーンもいる。

-メインポーンは覚者同様にジョブの変更が可能で、さらに性格や口調も変えることができる。
--メインポーンの性格・口調は、特定の設備やアイテムで調整することもできる。また、性格は戦闘時に実際に取った行動によって緩やかに変動する。

-サポートポーンはジョブやスキルの変更はできず、レベルも上がらない。より優秀な者に入れ替えていくのが基本。
--リムに入るとその時点の覚者と同レベルの者が数名出現するほか、ジョブや所持スキルなどの条件を設定して呼び出すことも可能。また、フィールドや街中を歩いている者を雇うこともできる。
--覚者より高レベルの者を雇うこともできるが、レベル差に応じて専用通貨が必要になるため、覚者より極端にハイレベルな者は雇いにくくなっている。
--オンライン接続時は、他プレイヤーのメインポーンをサポートポーンとして雇用できる(後述)。
--装備の変更はできるが、外した装備は消えてしまう上、与えた装備も「プレゼント」になり取り返せなくなる。他プレイヤーのポーンを雇う場合、これはコミュニケーションの一つになっている。

-ポーンは覚者と違い体力がなくなっても即死はせず、その場でダウン状態になる。
--蘇生はワンボタンで瞬時に可能。しかし、ダウン状態で長時間放置したり、特定の攻撃を食らったり、奈落や水に落ちたりすると「ロスト」し、パーティーから外れてしまう。
--ロストしても大きなペナルティはなく、メインポーンならリムに近寄るだけですぐに復活し、サポートポーンでも再雇用制限などは掛からない。もっとも近くにリムがないダンジョン内などでロストした場合は厄介だが。

-ちなみにポーンには「人間とほぼ同じ姿をした異世界出身の種族で、感情や主体性に乏しく、人間に護衛や兵士として使役されるためにこの世界へ来訪している」という設定がある。
--人間には無条件で仕える存在であり、プレイヤー(覚者)を「覚者様」「マスター」等と呼ぶ。
--作中であまり種族の詳細が掘り下げられることはないが、老化によって死ぬことはないらしい。

''所持重量''
-アイテムには重量が設定されており、キャラクターメイキングで決定されたキャラクターの体格で所持重量が決められる。

-所持重量の基本的な上限は高く、新たにアイテムが取れなくなるほど逼迫することは少ないが、総重量がかさむにつれてスタミナ回復速度や移動速度が低下するため、あまり低いと戦闘で不利になりやすい。

-装備品にも重量があり、所持重量に反映される。基本的に本作の装備品は防御力が高いほど重いため、重装備で固めると立ち回りには悪影響が出る。

''戦闘''
-同社の『[[モンスターハンター]]』と同じようにスタミナの概念がある。通常攻撃ではスタミナは消費されず、スキルを使用することで消費される。スキルには様々な武器攻撃や魔法が含まれる。

-魔法もスキルであり、スタミナを消費して使用する。
--「魔法は肉体の一部を触媒とし、それが重要な部分であるほど強力になる。大半の魔術師は肺や心臓を触媒にしており、戦士にも劣らぬほど身体に負担を掛けている」という設定が、とあるNPCとの世間話で語られる。

-操作系はシンプルで覚えやすい。
--通常攻撃は弱攻撃と強攻撃の2種類。ジャンプ中に攻撃すればジャンプ攻撃になる。
--スキルの使用も「R1ボタンを押しながら各ボタンを押すことで、それぞれにセットしたものを発動」とお手軽。
--ジョブランクを上げてから習得できる特定の派生技でも、「タイミングよくボタンを入力」や、「入力のタイミングを遅らせる」だけと同じくシンプル。

-アクションのキャンセル手段が多く、テンポの良い戦闘が可能。

-遠隔攻撃魔法には自動照準のものが多く、ストレスが少ない。一方で弓の攻撃は大半が手動照準で、レスポンスの悪いコントローラー操作では精密な狙撃はやりにくい。

-大型の敵にはしがみ付いて攻撃できる。しがみ付きながら移動も可能で、足を集中攻撃して転倒させる、翼を集中攻撃して飛べなくする、装甲を破壊して弱点を露出させるなど、『モンハン』シリーズに似た部位攻撃のシステムと併用されている。
--しがみ付き攻撃を得意とするジョブもいる。

-「つかむ」コマンドで人間サイズ以下の敵に羽交い絞めや押さえ込みを仕掛けられる。敵性のないポーンやNPC、小動物は抱え上げることも可能。
--対象は無防備になり、被ダメージが増加する。物理攻撃系のポーンは戦闘行動として羽交い絞め・押さえ込みを多用する。
--倒れたポーンを抱え上げて動かしたり、特にメリットはないがNPCを抱え上げて(この時点で好感度が下がる)高所から落としたり(場所によっては犯罪となり投獄される)もできる。

''ジョブ''
-覚者とポーンは何らかの「ジョブ」に就いてゲームを進める。

-片手剣と盾を使う「ファイター」、ダガーと弓でオールレンジの戦闘に対応する「ストライダー」、魔法による攻撃や支援を行なう「メイジ」等のジョブがあり、それぞれ習得できるスキルやアビリティ、レベルアップによるステータスの成長度合いが異なる。
--ファイター、ストライダー、メイジは基本ジョブであり、プレイヤーレベル10から「上位強化職」として「ウォリアー」「レンジャー」「ソーサラー」に就ける。また、覚者のみ「ミスティックナイト」「アサシン」「マジックアーチャー」という「上級混合職」に就くこともできる。
---どのジョブにも他ジョブにはできない仕事があり、ゲームが進んでも出番を失うジョブはない。基本ジョブでもエンドコンテンツを戦うことができる。
--各ジョブで最大2種類の武器を持てる。基本的に近接武器がメイン武器、遠距離又は防御用がサブ武器となっている((「メイジ」「ウォリアー」「ソーサラー」はサブ武器がない。))。防具もジョブごとに制限があるが、前述の混合職の場合、装備できる防具の種類が多くなる傾向にある。
--ジョブごとにプレイヤーレベルは共有で、レベルアップ時にどのジョブに就いていたかでステータスの成長度合いが変わるが、基本的にどのように育てても詰むことはないバランスに調整されている。

-覚者とメインポーンのジョブは、特定のNPCに話し掛けることで変更できる。
--一つのジョブで戦い抜くことも問題なく可能だが、最終的に目指すスタイルに向けて、計画的なジョブチェンジを行うのも楽しみ方の一つ。
---例えば、物理攻撃力の成長はイマイチだが高速の連撃を持つストライダーを最終ジョブとして、物理攻撃力の成長率が高いウォリアーでレベルアップを重ねるなど。
---6つまで装備できるパッシブ能力の「アビリティ」は、習得すればジョブ間で共有されるため、これを集めるのも最強キャラを目指す上では重要。所持重量が増えるファイターの「筋力」や、物理ダメージを軽減するウォリアーの「鉄壁」などは、どのジョブでも有用。
--基本職や上位強化職といった区分はあるが、ジョブチェンジルートのような制限はなく、近接系のファイターから魔法系のソーサラーへチェンジするようなことも可能。

#region(簡単なジョブ解説)

-ファイター
--基本職。使えるのはメイン武器が片手剣、サブ武器が盾。盾を使った直前防御や、接近戦で使い勝手のいいスキルが揃っているため、近接戦闘に優れる。一方で遠距離攻撃は持たないため飛行する敵などに対しては不利。

-ストライダー
--基本職。使えるのはダガーと弓。近距離戦も遠距離戦もこなせる上、二段ジャンプや回避行動なども行うことができるため機動性が高い。
--どちらかと言うとダガー関連のスキルが豊富なため、近接戦闘に向いている。特に空中で回転しつつ斬りつける「断頭台」というスキルは本作のスキルで屈指の高火力を誇る。

-メイジ
--基本職。メイン武器は杖。様々な攻撃魔法と補助魔法を使いこなすサポート役で、すべてのジョブの中で唯一回復魔法が使える職であるため、欠かせない存在。
--ただ、一部の強力な攻撃魔法は使えないため火力面では後述のソーサラーに劣る。また、装備できる防具は物理防御力が低めなものが多く防御面に難があり、敵の攻撃を受けない立ち回りが重要となる。

-ウォリアー
--上位強化職。メイン武器は大剣とハンマー。武器の攻撃力が高くダメージを受けてもよろめきにくいため、多少の反撃は気にせずゴリ押しで敵を倒すことができる。
--ただし、遠距離攻撃がないのはファイターと同じで機動性にも劣る。また、盾や回避行動などの防御手段を持たないため、強敵に対しては立ち回りを気にしなければあっという間にやられてしまう。

-レンジャー
--上位強化職。メイン武器はダガー、サブ武器が大弓。大弓は攻撃力や射程がストライダーの弓より優れておりスキルも豊富な、遠距離戦に特化した職。その代わりにダガーのスキルは少なくなっているため接近戦はやや不得意となっている。

-ソーサラー
--上位強化職。メイン武器は大杖。複数の隕石を降らせる「メテオフォール」や、巨大な竜巻を出す「ヴォルテクスレイジ」に加え、対象を即死させる「インスタントキリング」など、メイジより協力な魔法を使えるのが特徴。武器となる大杖も魔法攻撃力が杖より高く、高い火力を発揮できる。
--ただし、強力な攻撃魔法が使える一方で回復魔法は使えない上、補助魔法も種類が減っているためサポート役には向かない。また、大魔法は詠唱にかかる時間も長く、詠唱時の時間稼ぎをできるかどうかで仕事ができるかどうかが決まる。

-アサシン
--ストライダーとファイターの混合職。メイン武器は片手剣とダガー、サブ武器が盾と弓。豊富な武器を扱える上、それぞれ攻撃に特化したスキルが多く、「無心斬」「流し暗殺」のようなカウンター技も持つ。固有スキルが多いのも特徴。

-ミスティックナイト
--ファイターとメイジの混合職。メイン武器が片手剣とメイスと杖、サブ武器が魔道盾。アサシン同様使える武器が多いのが特徴。
--敵を追尾する弾を発射する主要スキル「魔撃砲」で近距離、中距離とカバーでき、魔道盾も各種属性エンチャントやカウンター技の「アビスアンガー」や、攻撃のリーチを伸ばす「アビスペイン」と補助系のスキルが豊富で、様々な敵に対応できる万能型。

-マジックアーチャー
--ストライダーとメイジの混合職。メイン武器はダガーと杖、サブ武器が魔道弓。魔法の矢を発射する魔道弓に関するスキルが揃っている。
--「帯魔防」「帯魔剛」「魔導護身陣」で自身や味方の能力強化を行いつつ、複数の矢を撃ち出す「連魔弾」や跳弾を放つ「跳弾魔従」や、物理攻撃で起爆する矢を放つ「爆散魔鋲」などで攻撃役として動くことができる万能アタッカー。公式曰く最強のジョブ。

#endregion

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**オンライン
''ポーン共有''
-プレイヤーが作った(育てた)ポーンをオンライン上で共有し、最大2人まで、自身のメインポーンとあわせて最大3人のポーンを引き連れて冒険に出ることが出来る。

-借りたポーンを介して装備やアイテムをそのポーンの主にプレゼントすることも出来、そのポーンの活躍ぶりも評価することもできる。

-ポーンの情報更新は宿屋に泊まることでアップロード及びダウンロードされ、借りられた先で得たクエストの知識や敵の知識の状態でメインポーンに反映される。借りられれば借りられるほど、後の攻略に役立つポーンになっていく仕組み。

-先述の通りポーンを借りるためには「リム」と呼ばれる石に触れなければらならないが、街や街道では同レベル帯の他者のポーンが徘徊しており、その場で話しかければ雇い入れることが出来る。

-なお、オフラインではこれらの機能は利用できないがゲーム内には予め大量のポーンが用意されているため、困ることはないが、能力はオンラインのポーンに比べると微妙なものが多い。
--オフラインのポーンは突出した能力がない平均的な能力になっていることが多く、装備スキルやアビリティも全然役に立たないものを装備して貴重な枠を潰していることもあるため、単純に性能を求めるならオンラインのポーンを雇ったほうが便利。

''ウルドラゴン''
-ある特定の場所では「ウルドラゴン」と呼ばれる強力なドラゴンが出現する。
--このウルドラゴンはオンライン状態だと以前戦った他プレイヤーによってウルドラゴンの体力が決定される。
---そのため、既に死に掛けの状態だったり、逆に全快状態だったりする。とは言うものの、オンラインによる協力を前提にしている膨大な耐久力を誇るため生半可に倒せる相手でもなく、故のオンラインの強さであると言える。
---戦闘では一定時間(10分)で撤退してしまうが、倒しきれなかった場合でも与えたダメージはしっかり蓄積される。ウルドラゴンにダメージを与えて討伐に貢献していれば、他の覚者が討伐した際にダメージに応じて報酬がもらえる。
---運良く自分が討伐できれば、ここでしか手に入らない貴重な装備が多数手に入る。
--なお、オフラインの場合でも一定時間で撤退するが、与えたダメージはそのまま引き継がれる。オフラインでのウルドラゴンは弱い(本編のドラゴンよりは強いが)ので簡単に討伐できるが、オンラインの際に比べると報酬のグレードが下がる。

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**評価点
''グラフィック''
-情景は非常に綺麗で、ドラゴンなどは一瞬プリレンダにも見えるほどリアル。破壊描写も同様。

-作成したキャラクターも、作成画面とフィールド画面で遜色なく反映されており、砂塵や炎などはプリレンダさながらなどで、非常に迫力がある。

-セーブ中や読み込み直後などに著しくカクつくものの、基本的には大型モンスターに4人で向かっていっても高fpsが維持されており、爽快感が損なわれることは少ない。

''キャラクターメイキング''
-パーツの数はかなり多く、作れるキャラの自由度は高い。

-DLCを購入・本編中にパーツを購入するなどすればさらにパーツを増やすことも可能。
--ただ、せっかく手の込んだキャラを作ってもそのキャラの外見によってはムービーがアレなことになってしまうのだが。

''簡単かつ派手な戦闘''
-ボタン一つで連続技から一撃必殺級の技まで繰り出すことができ、そのエフェクトも派手。

-技によってカメラアングルが変わり、演出面で戦闘の迫力を醸し出している。

-キャラクターの動きも凝っており、リアルの枠組みから外れたそれは爽快感をいかんなく感じさせるようになっている。高速ダッシュからのスライディングからの攻撃など、見ているだけで爽快感がある。

-大型の敵にしがみつくなど、アグレッシブな戦い方も可能など、戦い方に幅がある。
//意見箱より「ポーンシステムは評価点になるか」とのこと、加えるか検討。
//難点に繋がっている部分でもあるので要検討
//控えめだけど確かなオンライン要素というコンセプト自体は評価すべきだと思う。その他の問題点やランキングでの自演などはさておき

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**賛否両論点
''ポーンシステムと難易度がかみ合っていない''
-メインとサポート会わせて最大3人引き連れるポーンだが、主人公を入れた4人で敵を倒すとなると、比較的低いレベルで攻略できてしまう。ポーンシステム自体はなかなか斬新で面白いため、この調整不足は非常に痛い。
--クリア後にステータスを引き継いで2周目を行うことも可能だが、周回しても敵の強さは変わらないため、2周目以降はやり応えが薄くなってしまう。
--サポートポーンの数を1人か2人減らせば難易度は上がるのは言わずもがなだが、それでもレベルが上がれば普通に対応できてしまうレベル。最悪自身のメインポーンも倒して1人旅してもいいが、果たしてそれが楽しいかどうかは…。
--そしてパーティ人数を減らすと入手する経験値も増えるためにヌルゲーにならないように縛るとレベルがすぐ上がり結果的にもっとヌルくなる。そして経験値やレベルを加算させない、下げるという方法は無い。

-ただし、「簡単」「敵が弱い」と言ったが、決して考えもなしにテキトーに突っ込んでどうにかなるようなヌルゲーではない。
--特にゴーレムやメタルゴーレムなどの大型モンスターは、しっかりと対策を立てていかないと詰む可能性もあり得る。
--小型モンスターでも終盤に出現する「ヘルハウンド」は凶悪な強さを誇り、「ヘルハウンドのためだけに氷属性の武器を持ち歩くのが必須」と言われるぐらいである。

''同じ敵にばかり会ってしまう''
-数十種類の敵が出現するとの前情報だったが、体感としてはそこまで多く感じず同じ敵ばかり出てくるように感じてしまう。

-原因の1つとしては、「敵のリスポーンがほぼ固定である」ことが挙げられる。
--上述の通り、マップを徒歩で繰り返し移動することになるのだが、頻繁に通る場所であっても、めったに来ないダンジョンであっても、出現するモンスターは位置がほとんど固定である。
--そのため、小型だとゴブリン・ホブゴブリン・狼・盗賊、大型の場合サイクロプス・キメラなど特定のモンスターのみ遭遇頻度が上がってしまうのである。
--平野などの広々としたフィールドでは、通るたびに敵の群が固定位置に「湧く」のが見えるという場面も。
--同じ敵でも武装が異なるなど敵にもバリエーションがあるにはあるのだが、特に出会うことが多いゴブリンやサイクロプスなどには、多少武装が違っても「またこいつらか」とうんざりしてしまうこと必至。

-ただし、敵の種類自体は少ないわけではない。特に終盤に訪れる「エヴァーフォール」はこれまで以上に多様な敵が出現するため、同じ敵ばかりと感じることはほとんどない。
--それでも少なく感じてしまうのはやはり「''よく通る場所に同じ敵ばかり配置されている''」というせいである。
//--ストーリーを進めていくうちに強化されたり面子が変わっていくこともない。前述した最大の街周辺のフィールドは頻繁に通るため、このあたりのモンスターの変わり映えのなさには早々に飽きが来る。
//「決戦」後はある程度配置が変わってますよ

''武器強化の手順''
-本作の装備は最大4段階まで強化できる。
--1段階目から3段階目に関しては素材とお金さえあれば強化可能。段階を飛ばして強化することもでき、その場合は途中の段階の素材等が不要になる。
--ただし、最終段階の4段階目までは店で強化することができない。4段階目は「竜の血を浴びることで装備が変異する」という設定となっており、要するに強化したい装備を付けた状態でドラゴン系(ドレイク、ウィルム、ワイバーンなど)を討伐しなければならない。
--しかし、ドラゴン系は出現場所が限られているうえにリスポン間隔も通常の敵より長く、しかも、変異率は''Lv3の状態で18%''(Lv2で6%、Lv1で2%)と低めで、運が悪いとなかなか強化できない。
---なお通常のドラゴンが相手だと、無強化だと絶対に変異しない。
--無強化含むすべての装備が必ず変異するドラゴンもいるが、「メインクエストで一回しか戦えない本編ボスのドラゴン」「狙って倒すことがほぼ不可能なオンラインのウルドラゴン」とまずアテにならない。
---一応、オフラインのウルドラゴンはLv2で10%、Lv3で30%と変異率が高い。

''キャラメイクが破綻するムービー''
-特色として事前に大々的に宣伝されたキャラクターエディットであるが、ゲームの随所に挿入されるムービーなどにおいて、全てのムービーは主人公の外見がパッケージに写っているような「若い男」という想定となっているようで、女性主人公や老人でゲームを進めると要所要所で意味不明な展開に遭遇してしまう。
--例えば、''中年や老人が主人公であっても、村の若い娘と「幼なじみ」であるという設定は変わらない。''
--主人公が女性でも、途中で王妃と恋愛関係になる。ムービーは当然同じなのでキスシーンも普通にある。
//王妃が同性愛、もしくはバイセクシャルであると言う描写は特にないためここに記述。そういうソースあるなら訂正よろしく。
--他にも「女性を手篭めにしようとしたという嫌疑をかけられ牢で罰を受ける」というイベントがある。罰を受けている様は描写せず、男性看守からの罵倒セリフと主人公の苦悶のボイス(と叩かれる音)だけが流れるのだが、主人公を若い女性に設定しても''まったく内容は変わらない。''
--そのため、女性主人公の苦悶ボイスは人によっては''喘ぎ声のようにも聞こえる''のでCOLOR(red){''絵面が非常にヤバいことになる。''}

-せめて老若男女4種類でムービーの内容やNPCとの関係が変化する設定にすれば、面倒な周回プレイの励みにもなったのだが…。
//--このタイプで高い評価を得ているゲームは、得てしてプレイヤーキャラの年齢や性別に関係なく成立する物語が進むものである。それは、決してスタッフが物語を作る力が弱いわけではなく、キャラメイキングの自由さをゲームと乖離させないための工夫なのだが、今作のスタッフはそういうところをちゃんと研究して作ったのか疑問である。
//-こうした「キャラクターとその関係性に対する不徹底」は後述するNPC関連の問題も発生させる事になる。

''NPC関連''
-NPCとの会話が少なく、特に街中やフィールドをフラフラ歩いているモブは話しかけても「調子はどうだ」「厳しいご時世だよな…」など、だいたい同じことしか言わないため、セリフに代わり映えがないと言う意見が多い。
//曰く「話を聞いてまわらないと進まないゲームにしたくなかった」とのことだが、「会話によるフラグ成立を減らす」のと「台詞に多様性を持たせる」ことは普通に両立しうる。というか別の話である。
--しかし、全く変わり映えがしないかと言えばそうでもなく、ちゃんとしたセリフが用意されているNPCも少なくはない。クエストに絡む人物や店の主人、関所や城門など決まった場所にいる兵士なども固有のセリフが用意されていることが多く、ゲームの進行と共に頻繁に台詞も変わっている。そのため、そこまで手抜きというわけではない。
--また、セリフ関連に関しては開発側が「話を聞いて回らないと進まないゲームにしたくなかった」と語っており、「フラグ成立を減らしてスムーズに進められるようにした」という見方もできる。実際、今作では「フラグを立てないとゲームが進まない」ということがほとんどない。
---例としては、「石碑に書いてある文書の解読」というクエスト。本来は各地にいるNPCから石碑の情報を集めてから目的地に向かうのだが、攻略法を知っている場合、''情報収集をすっ飛ばして目的地に行くだけでクリアできる。''

-NPCの好感度が上がる要素があるのだが、システムのせいで場合によっては問題が発生する。
--「ほぼ全てのNPCに干渉によって増減する好感度が設定されている」こと自体はゲーム序盤で表示され、好感度を上げたからこのキャラのクエストが起きたのかなと察せる構造になっている。
---つまり本作ではこの好感度が、「会話をする」「何か物をあげる」「護衛クエストを行う」ことで上昇するという単純なシステムとなっている。
--そして、ストーリーの終盤に「好感度が一番高いキャラクターが主人公と親密な間柄であるかのようなイベントが発生する」という展開がかち合った結果…利用が集中する領都の宿屋((宿屋は多数存在するのだが、領都を拠点にして活動することが多いため、必然的に領都の宿屋を最も多く利用することになる。))の主人・アッサラームや武器屋の店主・キャクストンといったCOLOR(brown){''中年男性''}の好感度がどんどん上昇し、''最終的にはヒロインのような扱われ方になる''という、とんでもない事態になってしまうことがある(詳しい内容は下記で説明)。
--お目当てのキャラクターと添い遂げるためにはアッサラームに頻繁に武器を突きつけて好感度を下げ、目当ての相手に宿屋以上の回数を話しかける・プレゼントをするなどの手段を取るほかない。
---ただ、あるサブクエストで手に入る「絆の指輪」というアイテムは「渡した相手の好感度を最大にする」という効果があるため、これを使えばお目当ての人物と添い遂げるのは簡単になる。
//--好感度が関係するイベントなどでは、一定のモーションに、選ばれたキャラクターが嵌められるだけで、キャラクターそれぞれ固有のイベントやセリフがほとんどないため、どれを選んでクリアしても味気ないことに。NPC「''不安だらけの毎日さ''」

#region(以下ネタバレ)

-最終決戦の際、好感度が最も高いキャラクターが生贄に選ばれ、そのキャラクターが決戦時のイベントで重要なポジションを占めるのだが、このキャラクターの選別によっては以降のプレイが面倒くさいことになる。
--仮にメインクエストのみを単純に進めたり、特定のキャラクターとの好感度を上げていなかった場合、この時に生贄に選ばれるメインヒロインはおそらく''宿屋の主人であるアッサラーム''となる。
--この場合、''例えプレイヤーキャラクターが男性であったとしても''、彼がヒロインのような扱いとなり、ドラゴンに挑んで彼を助けることになる。プレイヤーは唖然とするほかない。
--また、この時生贄に選ばれたキャラクターは本来の居場所から姿を消すため、アッサラームが選ばれると''領都の宿屋が使用不可能になる。''面倒臭いことこの上ない。
---一応言っておくと、アッサラームが生贄に選ばれても領都にはもう1人宿屋の役割を果たすアルフォンソという兵士がいる。
---ただし、この兵士は''倉庫から物を引き出す機能が使えない''ため、物を引き出したい場合は宿営地かカサディスまで戻らなければならない。

-完全版となるDAでは後述されている通り、アッサラームを生贄にする方が難しいほどに修正されている。
--仮に生贄になったとしてもアッサラームと同一の機能を利用できる上により話しかけやすい位置にNPCが追加された((しかも、そのキャラはプレイ状況にかかわらず消えたりはしない。))。
#endregion

''ウルドラゴンについて''
-オン要素の目玉のはずのウルドラゴンが作業的。
--「尋常ではない体力を持つウルドラゴンを、世界中のプレイヤーと協力して倒す」という疑似オンラインゲーム的な要素だが、時間制限付きで30箇所に及ぶ部位を破壊しなければならない((破壊済の部位を攻撃してもダメージは与えられない。))。そのうえ体力ゲージがミリ単位でしか減らず、「これダメージ与えてんの?」と疑念を抱きながら延々戦っていくことになる。
---さらにチート対策として「一度の戦闘におけるダメージ上限」が設けられており、この値を超えたダメージを与えるとサーバーに情報が送られず無効となる仕様が問題。
---計画的な育成・アイテムの活用・装備の吟味などによって上記のダメージ上限は簡単に突破できてしまうため、「''尋常ではない体力を持つ強敵を、規制にひっかからないように加減しながらちくちくダメージを与えていく''」という訳のわからない戦い方を強制される。

''なぜかタイトル画面でB'z''
-タイトル画面でピアノの音から始まるのは、あのB'zの「さまよえる蒼い弾丸」の英語アレンジバージョン「Into Free -Dangan-((本作に合わせて歌詞や曲調をアレンジしたバージョン。))」で、しかもフルで聴ける。
--一応言っておくが、曲自体は名曲である。だが、「''冒頭のピアノだけが欲しかっただけ''」なんじゃないだろうかと思わざるを得ないほどのミスマッチ感が強い。
//しかも新曲ではなく、ゲームの発売時から見て実に14年前にリリースされた曲である。『Pleasure2』ではなく、あの『Pleasure』に収録されている。
//過去にリリースされた曲が使用されるのは別におかしくはないと思うが

''玉石混淆のDLC''
-発売前から「3ヶ月連続でDLCを配信」と大々的に宣伝され、直前にアンロック式のDLCが問題になったことからも期待と不安の両方が入り交じった反応をされていた。
--その後カプコンの海外役員が、本作にアンロック型のコンテンツが入っていることを話題に((DLCに対する姿勢の見直しをはかる、と言った談話の中で、そういった決定が下される前に開発され、いくつかのコンテンツがアンロック式で製品の中に既に入っている作品の例として本作を提示。))。やはりか、と落胆の声も上がったが、作品の寿命が伸びることを歓迎する声もあった。

-発売前に出版された情報誌の付録である「メダル百枚を集めるクエスト」を10分割したDLCを配信し、さらにそのシリーズが全て配信し終わった後にPart1~10まで入ったDLCを割安価格で販売するなど、カプコンの商魂を窺わせるDLC展開も見られた。

-ただし、キャラクタークリエイトの幅が広がる新しい髪型や珍しい装備や固有NPCとおそろいの装備、肌や髪色などに使用できる色を追加にするパックなどは概ね好評。

''謎の黒帯''
-プレイ中は常に画面の上下に黒い帯が配置されており、ゲーム画面を横長にしている。縦幅に対する横幅の比率がおそらく2を超えている。
--これは''16:9のディスプレイでHDMIに繋いでも起こる''現象で、4:3のディスプレイでプレイすると(ハードの仕様上により)余計黒帯が広くなる。解像度対策であるとの説が有力だが、開発側から特に説明はない。
--ちなみにこれ、''予告映像などではトリミングされ、買うまで黒帯があるとはわからないようになっている''。雑誌では切り取るかどうかして無理に消しているのか、スクリーンショットの比率が狂っている例も見られた。
--「映画みたいで格好いい!」と言う人から、「正直邪魔」「液晶が焼き付くからやめてくれ」と言う人まで様々。
--一応ディスプレイによっては画面設定で解消することは可能(両端が切れるが)。

''全編英語音声オンリー''
-本作品は全編英語音声で、日本語吹き替えには対応していない。世界観的にはこちらの方があっているという意見もあるが、切り替えできないこと等には否定的な意見も多く寄せられた。
--「覚者」を始めとして、作中の重要な用語や固有地名の多くが日本語だが、音声では英語なので当然訳語で喋る(覚者 → Arisenなど)。
--拡張版では、豪華声優を起用した吹き替えが用意された。

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**問題点
''オープンワールドとは名ばかりの狭さ・世界観の薄さ''
-''言うほどワールドが広くない''のが一番の問題点。数字にして約6平方km(狛江市と同程度)しかない。ちなみに、『[[GTA:SA>Grand Theft Auto: San Andreas]]』が約35平方km(葛飾区と同程度)、『[[Oblivion>The Elder Scrolls IV: Oblivion]]』は約40平方km(江東区と同程度)である。
--加えて、''ワールドの風景がバリエーションに乏しく薄っぺらい''のが次なる問題点。

-まともに人が暮らしているところは故郷の村と拠点となる街しかなく、他は城跡・駐屯地・祠といった作りこみの甘いものばかり。普通のRPGよりは広いが、『[[Skyrim>The Elder Scrolls V: Skyrim]]』などの大作と比べるとそのボリュームの乏しさはかなりのもの。また、それらの大作と比べずとも、果たして「オープンワールド」と自信を持って言い張れる程の数か疑問なレベル。
--序盤のうちに拠点となる街に到着し、以降はそこを拠点に行動を進めることになる。基本的にメインクエストが一本道で、他に大きなサブクエストがない。どんなプレイスタイルであっても、この街を拠点にすることが前提になっている。
--好きな街に拠点を構えたりといった自由度はない。別にこの最大の街に拠点を構えなくてはいけない理由はないのだが、単にここに構えたほうがプレイが快適である。
--他の村や拠点に特徴的な性格がつけられていることもなく、多少の不便を乗り越えてここに拠点を構えよう、という気になるような場所が他にない。
--結果、街を拠点に、毎度毎度遠くまで出向いてはクエストをこなして帰る、といったプレイが大半を占めてしまうことになる。この移動が快適かと言えばこれまたそうでもない、という旨については後述。

-では、狭いなりにワールド内のそれぞれの地域に工夫があり、バリエーション豊かなのかと言えば逆。どこもかしこも似たような景色。
--雪原や砂漠といった、気の利いた風景は一切ない。気候についても、ポーンがかろうじて「気候が違いますね」と言うぐらいで、見た目はどこに行っても同じ。残念ながら天候がプレイヤーのステータスや行動に影響を及ぼすなんてシステムはない。
--トロフィー、実績の中に「ロケーションを150ヶ所発見する」というものがある。数字だけ見れば立派だが、実はこれは街やダンジョンの数ではなく、街の中にある工房や店などを一軒一軒ロケーションに数えているだけというもので、水増し感は否めない。

-「オープンワールド」と言われた際、一般的に想像されるような、広大な地域をまるごと構築したマップではなく、「''中程度の大きさのいくつかのエリアが細い道によって繋がっている''」といった形のマップである。ワールドマップを見れば一目瞭然である。つまり、どんなプレイでも、通らなくてはならない場所と移動経路は変わらない。
//--例えば、『時のオカリナ』において、ハイラル平原からそれぞれの地方へと出向く際のロードが、細い道を延々歩くという作業に変わっただけ、と言った感触である。
//-敵の出現位置も固定であり、何度も同じ場所を通過すると飽きてくる。

-つまり未プレイの人間にも伝わるように説明すると今作はオープンワールドRPGではあるが、これ以前にリリースされていた『Skyrim』や『Fallout 3』のような「広いマップの各地に街やNPCやクエストが散りばめられていて適当にその辺を歩いているだけで何か話しかけられてイベントが起こる」というゲームでは''ない。''
--むしろ「1つの街を拠点に順番に各地にダンジョンや地域に赴いて話を進める一本道JRPGに広いマップとサブクエストを幾らか増やしたもの」というのが実態に近い。

-遠洋に泳ぎ出せない。設定的には「ヒュージブル」と呼ばれる魔物のせいだということにしているが、洞窟内の水深の深い場所などでもヒュージブルに襲われ暗転、元いた場所に戻されるという、いかにもゲーム的事情に乗っ取ったような設定として浮かんでしまっている。

''移動が面倒''
-移動手段が''徒歩か移動アイテム「刹那の飛石」の2つ''しかない。

-徒歩での移動の場合、マップそのものはたいした広さではないのだが、上述の通り、ショートカットや近道(例えば山を越えたり、海を泳いで突っ切ったり)ができないようなマップデザインになっており、いちいち大回りをして進まなければならない。
--仮に端から端まで歩いて移動すると4時間かかるという。この数字だけを見れば、オープンワールドのマップとしては中々といってよい広さだが、徒歩以外に移動手段がないのでは不便なだけである。
--ダッシュすることも可能だが、スタミナの消費が早く、すぐに息切れしてしまうためやはりテンポは悪い。
---一応、ダッシュから向こうに崖にジャンプしたりといったアクションはスピーディーで爽快感があり、まるっきり移動はダルいばかりでもないのだが…。
---また、ジョブによってスタミナの成長度合いも変わるため、スタミナが上がりやすいストライダー、レンジャーなどで進めていれば移動は快適になる。
--ファンタジー世界ではあるものの、馬などの乗り物が一切ないというのもやや寂しい所か。

-もう1つの移動手段である「刹那の飛石」は、いわゆるファストトラベルアイテムだが、「戻りの礎」と呼ばれる設置アイテムをフィールドに設置しない限り、移動できる場所は拠点の街である「領都グラン・ソレン」1つだけである。つまり、行きは徒歩で行き、帰りは飛石で帰るのが定石となる。
--ちなみにこの飛石、買うには2万G必要である。このゲームでの金稼ぎはクエストや売却などがあるが、そのクエストの時点で長距離移動を余儀なくされるものが多い上、素材を売却するのもたかが知れている金額にしかならない。
//マップ上でのダッシュとジャンプの爽快さ、崖につかまったりっていうスムーズな移動は、評価点にしてもいい気がする。あまり他のオープンワールドの移動にはない爽快感じゃないかしら。スタミナが邪魔をしているってだけで…
//ライオットアクト、アサシンクリード、バットマンアーカムシティというゲームがあってだな…
//一応付け足してみた。

//''装備の水増し感及びデザインの問題''
//-豊富な数の装備だが、色違いで別物のものがあったりするなど、実質的な数は思っているより少ない印象がある。
//-デザインが酷いものが多い。特に頭に被るものは酷いものが多く、そのグラフィック描写も玩具のよう。せっかく人間や景色はいいのにそれらの所為で台無しになることも。
//--いいデザインのものを見つけたと思っても、本作とコラボしたベルセルクに登場する鎧だったり…。

''シナリオが説明不足''
-散々引っ張ってようやく登場したドラゴンの存在が、終盤非常に小さいものとして描かれてしまっており、そのドラゴンをちっぽけなものにしてしまう存在が新たに出てきて、ドタバタして終幕…という、打ち切り漫画を彷彿させるかのような急いで片付けた展開。
--キャラクターに説明を任せてしまっている。さまざまな書物を拾得して読むことで世界観が明らかになっていったり、あるいは演出に盛り込まれていたりは一切せず、キャラクターがいちいち普通に説明する。それ以上の深みがこの世界にはない。
--しかも抽象的な概念を抽象的な言葉で説明するので、結局訳が分からない結末を迎える。
---あまりに唐突な展開が多いので、せっかくの美麗なムービー中の主人公ですらポカーンとした顔で呆然とする事がほとんどという有様。
//---これでは説明的な台詞でつじつまを合わせるダメ映画と何も変わらない。最低でも、台詞ではなく音楽と映像で説明しなくては野暮ったい。さらに言えば、仮にも「自由度の高いゲーム」を作るのなら、作中世界の図鑑・研究所・物語本などの書物、石版や絵画などのアイテムで、プレイヤーが自ら世界の仕組みを調べ上げていく楽しみを盛り込むべきだった。

-ラストの展開は蛇足だったと言う人が多い。
--あるサブクエストをやっていないと全く意味不明な展開で、正直やっていても良くわからない。

''ジョブの装備・成長・スキル制限''
-ジョブごとのステータス成長格差
--レベルアップで成長するステータスは「''レベルアップ時のジョブが持つ成長値''」で固定されるため、物理攻撃の得意なジョブでレベルを上げてきたプレイヤーが魔法攻撃の使えるジョブになってもステータスは物理偏重のままである。
--そのためレベルアップする直前に特定のジョブに変えるなどの計画的な育成をした場合とそうでない育成の場合、後半のステータスに雲泥の差が生まれる。さらに''この成長をやり直す術がゲーム本編、DLCのいずれにも存在しない。''
---ミスティックナイト((魔法と剣と楯を使えるファイター+メイジのジョブ。))やマジックアーチャー((短剣技と魔法弾を撃つ弓を使えるストライダー+メイジのジョブ。))の様な「魔法と物理攻撃のいいとこどり」が出来る混合職は幅広い場面に対応できる便利さの反面、攻撃面での低い成長率が足を引っ張る傾向が有る。
--主人公は混合職((一例として、ファイター+メイジでミスティックナイト。))と呼ばれる多くのジョブを合わせたジョブになれるが、ポーンは混合職にはなれない。
---そのため、専用装備が付けられなかったり、前述した育成システムのせいでポーンを後半でも役立つ存在にするには若干計画的な育成がいる。おまけに同じ種類の武器を使うジョブでも使えるスキルは共有できないため、自由度は低い。

-ジョブによって装備できるものが限られてしまっている。
--武器は仕方ないとは思えるが、防具も制限されており、やりたい組み合わせが出来ないことが多々ある。

''ポーンへの指示が面倒''
-ポーンは主人公との共闘や探索によって学習、成長した自身のAIによって動くが、これとは別に十字キーの上下左右で指示が出せるのだがこれが不便。
--「GO (前へ行って探索・戦闘しろ)」「HELP (補助行動をしろ)」「COME (行動をやめてこっちへ来い)」の3つしかない上に、この''指示自体が数秒しか持続しない''ため、ポーンを指揮するためにはアクションをしながら十字キーを何度も押す羽目になる
--特に困るのが強敵から逃走する時や、安全地帯で態勢を立て直す時であり、好戦的なポーンが勝手に前に出ては気絶し、補助的な性格を持つポーンはそれを救護しようと近づいて被害が拡大してしまう。
--そのため、プレイヤーは自身のアクションを行いながら何度も十字キーを押さなくてはならないというパターンが次回作の新エリア「黒呪島」では頻発した。

''アイテム管理が不便''
-メニュー画面のUIの使い勝手があまりよくない。アイテム移動などの動作が遅く、時間がかかってしまう。

-基本的に「ワンボタンでアイテムをどうにかする」という概念がゲーム上になく、基本的に全てのアイテムはアイテムメニューを開き、そこからさらに使うか捨てるかなどを選択して始めてアクティブになる。
--そのため、戦闘中も、メニューを開き時間を止めて無限に回復アイテムが使用できるなど「アクション」としての緊張感を大幅に欠くことに。
--後述の『Dragon's Dogma ONLINE』では(オンラインゆえに常時リアルタイム操作になるため)ショートカットキーが実装され、本作のリマスター移植版でも同様のホットキー機能が実装された。ただし瞬間的に大量のアイテムを使用できるのは同様である。

-また、夜の探索の必需品「ランタン」は、水に濡れると消えてしまうため頻繁に着脱や点火を行うことになるが、これには「メニューを開いてランタンを外す → ''メニューを閉じてキャラがランタンを外すのを確認する'' → メニューを開いてランタンを装備」という手順を踏んで、ようやくランタンを再点火するため、面倒臭い。

''状態異常が分かりづらい''
-アクションゲームとしての側面を強化するためか本作には多数の状態異常が用意されている。
--学習したポーンは効果を端的に喋ってくれることもあるが、表示されるアイコンは小さく見分けづらい((例えば「油まみれ」と「水まみれ」は効果が正反対だが、両方とも人の上半身のシルエットなので見分けにくい。))ために何の状態なのかわからない場合も多い。
--さらに不親切なことに、''ゲームの説明書に状態異常アイコンに関する説明はない。''
--個性を打ち出そうとしたのか、状態異常のアイコンが「本作独自のもの」であることも分かりにくさに拍車をかけている。
--一応、ステータス画面を見ることで確認することができるようにはなっているが、「ポーズメニューを開く」→「Status」を選ぶ → 下から2番目の「Condition」を選んで見ると手順が多く不便
--これで発生する二次被害として「''状態異常を勘違いして効果の無い薬を使ってしまう''」というのが挙げられる。本作では効果の無い治療薬を飲んでも消費してしまうため、「スキル封印((腕に枷の付いたアイコン。))」と間違って「沈黙((魔法が使用不能、スキル封印と効果が似ている。))」の薬を飲んだり、アイコンの似ている「スロー((足に枷の付いたアイコン。))」の治療薬を消費してしまったりと間違えやすい。

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**総評
オープンワールドを前面に出したものの、実際はオープンワールドを謳うには非常に苦しい作品であることは否めない。~
どちらかというと''寄り道要素が非常に多い一本道RPG''、といったほうが適切だろう。~
オープンワールド云々を抜きにしてもゲームバランス・移動・演出などユーザビリティに欠ける要素が多い。
//ユーザー評価も「中身のない空洞」「洋ゲーのガワをつけただけ」「誇大広告」と厳しい。

ただ、簡単操作で様々な敵と爽快かつ達成感のある戦闘を繰り広げる感覚は、オープンワールドゲームの中では頭一つ抜きん出た要素といえる。~
この戦闘面の魅力やノウハウは、後述の『Dark Arisen』や『ONLINE』に受け継がれていくこととなる。~
また、可能性があるゲームとして本作を評価するユーザーもおり、発売から9年以上経った今なお続編を望む声は少なくない。

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**余談
-本作は元々2000年代初頭に企画がスタートしたのだが、ディレクターの伊津野氏が本作の準備中に『[[デビルメイクライ2]]』の制作に加わったため、企画が2008年まで凍結され10年近く寝かされていたという経緯がある。

-三浦建太郎氏の人気漫画『[[ベルセルク>ベルセルク 千年帝国の鷹篇 聖魔戦記の章]]』と公式でコラボしており、作中にガッツとグリフィスの武器防具が用意されている他、ストーリーも参考にしていると思われる箇所が見られる。

-スタッフのブレっぷり・迷走具合を窺わせるインタビュー内容が物議を醸した。
//--「[[人間の大きさより小さいものに当たり判定がない>http://www.famitsu.com/blog/dd/2012/04/post_3.html]](巨大なモンスターに至ってはフィールドの木をすり抜けてこちらに迫ってくる)」(「負荷軽減のための画期的発想」として語られた。それはただの手抜k…)~
--「街は3つしかない((実際には「街」と言える規模のものは1つしかなく、あとは小規模な集落がポツポツあるだけである。))」といったことを''自慢気に語る''ディレクターを皮切りに「ドクロを60個集めて来いと言われるが、別の街のクエストをこなすことで、それが50個もらえる、それを僕らはそれを“わらしべクエスト”と呼んでいます。」等よくわからない物も。それはわらしべとは言わない([[参照>http://www.famitsu.com/blog/dd/2012/04/post_4.html]])。
//--当初の売上目標は海外の超大作に対抗してか[[1000万本>https://web.archive.org/web/20120513013443/http://www.choke-point.com/?p=11064]]であった。しかし、いつの間にか[[150万本に下方修正された>http://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/explanation/2012/2nd/explanation_2012_2nd_01.pdf]](注:リンク先pdf)。
//開発環境についても熱く語っていたが、''300人体制のスタッフがいつの間にか200人に減っていた''。
//300人が200人に減ったことが確認できなかったの保留。
//修正後の目標がこの数字であっていたかうろ覚え、間違っていたら指摘又は修正願う。
//--「○○と違ってモンスターの足元以外からも攻撃できるんですよ」というプロデューサーの頓珍漢な推しも見る者を呆れさせた。

//-そもそも開発に至る経緯がいいかげんな物であった。
//--「経験値をためる行為が面倒だったからドラクエを投げたというプロデューサーのRPG経験」→「最近のRPGはなっていないからアクションに強い自分たちがRPGを作る」

-海外のゲームレビューサイトでは「今世代で最もがっかりしたゲーム10選」に選出された。
--発売時期の失敗や開発会社の倒産を理由にノミネートされる作品が多い中、「探索する価値のないオープンワールドを用意されても正直困る」と作品そのものに対して手厳しい評価を下されている。
--とはいえ、「粗だらけでも何か1つ光るところがあればよし」な洋ゲー気質に本作のアンバランスさがマッチしたのか、総評は案外好意的だったりもする。

-日本国内ではPS3版が初週30万本を超えるヒットを記録した。
//洋ゲーは国内では売れにくいから、安易に比較するものではないと思う
--国内メーカーの開発であるゆえに細かい部分で日本人の嗜好と合ったのか、あるいは大規模な宣伝が功を奏したか、ともあれ日本国内でのこの売り上げは、メーカーの当初の予想を上回るものだったという。
--が、一方で既にこのジャンルに馴染みの深い海外ユーザーの眼鏡には適わなかったのか、はたまた他社の大作ゲームの発売のスケジュールに真っ向からぶつけた強気な発売スケジュールのせいか、海外での売り上げはメーカーの期待を下回る結果に終わってしまった。
--しかし、最終的には累計100万本を超えるというヒットを記録。メーカー的にも、新規タイトルにしてこの数値は手ごたえのあるものであったらしく、早々に拡張版の発表がなされた。
--2020年時点では''全世界累計530万本''に達している。

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**その後の展開
-2015年8月31日からは本作の世界観を継承した『Dragon's Dogma ONLINE』がPS4/PS3/Winでサービス開始された。本作をベースにしつつもストーリーや舞台は一新したMMORPGで、「メインクエスト」をクリアすることでストーリーが展開されていく他、最大8人パーティでクリアを目指す「グランドミッション」「ウォーミッション」や、支給されたアイテムだけでクリアを目指す「エクストリームミッション」等の多数のゲームモードがある。
--発売初日で70万ダウンロードを達成するほどの話題性があったものの、「サービスの継続が困難」といった理由で2019年12月5日をもってサービス終了した。

-2016年1月15日には海外でWin版がSteamで配信された。内容は後述の『Dark Arisen』として配信されているため、最初から完全版となっている。
--字幕・インターフェイスは日本語に対応しているもののライセンスの都合により海外版には日本語音声は未収録((非公式で自己責任だが、MODとして日本語音声が入手可能。ただし、すべての音声を差し替えるものなのでかなりファイルサイズがデカくなっている。))。
--また、発売当初は日本のSteamストアからは購入することはできなかったが、2017年10月5日の『Dark Arisen』PS4/One版発売と併せ日本からでも購入できるようになった。日本版は日本語音声にも対応している(Steamストアページに明記されている)。
--加えて、現時点では外部サイトでのSteamキー購入や認証は特に制限がかかっていない模様(ただし、グローバル版のキーであることが必須条件)。
---2017年6月5日にGOGでも購入が可能に。DRMフリーで当初は販売地域の制限がなかったが、現在は日本からの購入は出来ない((日本からストアページにアクセスしようとすると、トップページに転送されてしまう。))。また、CTDが頻発する(こちらはパッチで修正済)、音量が最大でも聞き取れないほど低いという不具合がある。

-2020年9月17日より動画配信サービス「NETFLIX」で本作のオリジナルアニメの配信が開始された。制作はCGアニメーション制作会社・サブリメイション。
--内容は本作の世界観や雰囲気を忠実に再現している一方で、本編とは比べ物にならないほどの激しい流血描写やゴア表現がある。
--また、''女性の乳房が丸出しになるシーンや全裸の娼婦と性行為をするといった濡れ場もある''ため、ゲーム本編と比べてかなり大人向けな作品となっている。

-2022年6月17日にはシリーズ10周年を迎え、シリーズの正式ナンバリング続編『Dragon's Dogma II』が発表された。
--その後、2023年5月25日配信の「PlayStation Showcase 2023」において、本作に引き続き王道ファンタジーであることと、新たな種族として獣人が登場することが明かされた。
---対応機種はPS5/XSX/Winで、2024年3月22日の発売が予定されている。

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*Dragon's Dogma Dark Arisen
【どらごんずどぐま だーくありずん】
|ジャンル|オープンワールドアクション|CENTER:&amazon(B00ANGBUQE)&amazon(B00CBT204C)&amazon(B07MSQYSSB)|
|対応機種|プレイステーション3&br()Xbox 360&br()Windows (Steam)&br()プレイステーション4&br()Xbox One&br()Nintendo Switch|~|
|発売・開発元|カプコン|~|
|発売日|【PS3/360】2013年4月25日&br()【PS4/One/Win】2017年10月5日&br()【Switch】2019年4月25日|~|
|定価|パッケージ版&br()【PS3/360】4,990円(税込)&br()【PS4/Switch】3,990円(税別)&br()ダウンロード版&br()【PS3/360】3,990円(税込)&br()【360】2,720MSP&br()【PS4/Win/Switch】3,694円(税別)&br()【One】3,700円(税別)|~|
|プレイ人数|1人(ネットワーク機能対応)|~|
|レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|操作のレスポンスの上昇&br()プレイ時の快適さの向上&br()新エリア「黒呪島」と数種の武具追加&br()日本語ボイス追加&br()根本的な問題点は未改善&br()かなりの難易度を誇る「黒呪島」|~|
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**概要(DA)
追加・改善要素を加えてほぼ1年後に発売された完全版と言える作品。~
前作からデータの引継ぎが可能で、引き継ぎ特典((刹那の永久石(無限に使える刹那の飛石)、装備品、10万Rの3つ。))も用意されている。~
無印版でのDLCクエストなども収録済み。

後にPS4/One/Win/に加え、Switchでも発売された。~
解像度の向上や細かい調整が行われているが基本的には従来の『Dark Arisen』収録分のソフトと変わりはない。~
前述の引継ぎ特典も含めて追加要素は収録されているため、新規に遊びたい者はこちらを勧める。

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**黒呪島
-本作最大の目玉要素である「黒呪島」と呼ばれる高難度ダンジョン。
--難易度は本編よりも圧倒的に高く、本編クリア後にある程度装備を整えて臨む必要がある。
--ガルム、カースドラゴン、リビングアーマーといった黒呪島でしか戦えない新たな敵が多数登場する。
--もちろん本編に登場した敵も出現するが、攻防共に強化されており、習性や見た目の異なる上位亜種のような存在も出現する。

-本編とは違い、倒した敵の死体はグロい状態で残る。そして、その死体の数が増えると、突然エリア内に新たな敵が現れる。これを「乱入」と呼ぶ。
--死体はマップを移動してもゲーム内で一定時間が経過するまではそのまま残る。そのため、帰り道で他の敵がその死体に釣られて現れていることも珍しくない。

-このダンジョンで手に入るアイテムの中には、そのままでは正体不明な「黒呪品」「黒呪装備」「黒呪武器」「黒呪防具」がある。
--これはある人物にリムを消費して解呪してもらうことで正体がわかるが、どういったアイテムとなるかは基本的にランダム。
--これら黒呪を関するアイテムにはそれぞれLv1~3が設定されており、Lvが高いほど上質なアイテムや装備になるが、その分入手は困難。

-強力な装備が多数追加され、アップグレードも拡張された。
--本編のエヴァーフォール限定の装備やウルドラゴン討伐時の装備を軽く上回る強さの装備も割と早めに手に入る。
--また、Lv4までだった装備の強化がLv6まで行えるようになっている。特にLv6の能力強化は凄まじく、物によっては攻撃力が2倍近くになる。
--武器を変異成長させるために必要な「強い竜の討伐」も黒呪島では強敵に事欠かないため、比較的狙って起こすことが出来る
---ただしLv5以上に強化するためにはLv4にする必要が有り、Lv5以降の強化は金ではなくリムが必要で、黒呪島でしか入手できないアイテムを多数要求されるため簡単には強化できない。

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**改善点
-メニューのレスポンスが良くなり、プレイに関する支障は小さくはなった。
--具体的に挙げると、倉庫でのアイテムの移動や調合が速くなる・倉庫で直接装備変更が可能・メニューを開く際の演出の高速化といった具合。

-移動の面倒さがある程度改善された。
--「刹那の秘石」の値段が2000Gと大幅に下がったため、気軽に使えるようになっている。
---無印からの引継ぎ特典の「刹那の永久石」があればファストトラベルは事実上は無料となる。そして後発に発売された機種は''引継ぎ特典が収録済み''なので今からPS3か360版を新規で遊ぶのでない限りは飛石を買う理由はない。
--飛石で戻れる場所が、領都だけではなくカサディスと黒呪島の入り江にも戻れるようになった。
---黒呪島入り江には都の宿屋と同じ機能ができるCOLOR(gray){美女の}NPCとタダ宿があり、しかも都へ飛ぶより早くアクセスできるため都へ行く理由が薄くなる((街の宿の方が便利な機能もあるので使い分ける選択肢が増えている。))。
--また、「戻りの礎」が一度のプレイで4つ入手できるようになったため、設置場所に悩む事が少なくなった。

-難易度選択がデフォルトで可能になった。
--ノーマルモードとイージーモードの変更はオプション画面でいつでも行えるため、よりライトユーザー向けになったと言える。

-前作での「アッサラームが生贄に選ばれることで終盤に宿屋が使えない」の対策のためか、アッサラームのみ会話で好感度が上がらないようになった。
--そのため、プレゼントを何度もあげたり、周回プレイで護衛クエストを繰り返し行わない限りアッサラームが生贄に選ばれることはなくなっている。

-前作で非常に強力だったアビリティ「修羅」「孤高」が下方修正された。
--それぞれの効果は前者が「夜だと攻撃力1.7倍、防御力+30」で、後者は「自分1人の状態だと攻撃力1.7倍、防御力+30」であり効果の高いアビリティだったが、どちらも「攻撃力1.2倍、防御力+20」と大幅に下げられた。

-新たな髪形の追加や各種キャラクターエディットのカラーの追加など、エディット部分での追加部分が多い。
--純粋にキャラクターメイキングの幅が広がっており、評価する声が多い。
--ただし、それらはオリジナル版でも配信されたDLCのものであり、そちらでDLCを購入済みのプレイヤーにとっては目新しさはない。

-英語のみだった前作と違い、日本語吹き替えが用意された。声優も非常に豪華で手は抜いていない((もちろん、英語との切り替えも可能。))。
---ただ、折角の日本語音声も種類は多いが同一声にピッチを変更しただけのものも一部散見されるという手抜きな印象を受けざるを得ないものになっている。

-新武器や防具が多数追加された。
--黒呪島でのみ手に入る装備も多く、装備のバリエーションがさらに増えた。
--しかし、オリジナルでもあった武器の色違い版というものは相変わらず存在している。

-前作のDLCで使えるようになったモードや装備、DLCクエストは最初から全て収録されている。
--タイムアタックモード・ハードモードは最初から選べるようになっているが、それ以外の要素はある程度ゲームを進めなければ受注できない・入手できない物が多い。
---タイムアタックモードはその名の通りゲームクリアまでの時間を競うモード。難易度はノーマルで固定、途中セーブ不可となっており、入手した経験値や金は一切手に入らない。
---ハードモードは難易度をさらに上げたモード。被ダメージ・消費スタミナが増える代わりに手に入る金が多くなる。タイムアタックとは違い必ず最初から始めることになり、途中の難易度変更は不可と言う厳しいモード。
---どちらのモードもクリア特典が用意されており、やり込み要素としては悪くない。

-前作で問題だった「ランタンの点火が面倒くさい」という点が、新たに追加されたアイテム「撥水のリング((水濡れ状態が即座に解除されるアイテム。))」を装備することで改善された。
--ただし、このアイテムは黒呪島をある程度進めなければ入手できない。

-タイトルのBGMが『さまよえる蒼い弾丸』の英語アレンジバージョン『Into Free -Dangan-』から、本作のメインテーマのボーカル版に変更された。

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**評価点(DA)
-演出が改善されたことで、ファンタジー作品としての全体の雰囲気が大きく向上した。
--タイトルで流れる本作のメインテーマから始まり、黒呪島最終戦の演出など女性ボーカル曲が効果的に使われている。
--作品全体として物悲しくも壮大な印象付けがなされており、少なくとも『Dark Arisen』から入ったプレイヤーには好評。
--特に前述の黒呪島最終戦において、メインテーマ『Coils of Light』の穏やかな導入から戦闘に移行する怒涛の演出やヒロインの語りが挿入される演出は非常に評価が高い。

-黒呪島のマップ設計上、無印の大きな魅力である戦闘を存分に楽しむことが出来る。
--ショートカットが各所に設けられているため、無印の問題点である移動の煩わしさが排除されているのが大きい。乱入システムも敵の出現位置が決まっていて緊張感に欠けた無印の欠点をある程度補完している。
--入り直すたびに敵が即座に湧き直す上、出現する敵のパターンが非常に豊富な場所もあり、コカトリスやアークハイドラ、メタルゴーレムといった本編では数回しか戦えなかった敵とも何回も戦うことができる。

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**賛否両論点(DA)
''新たに追加された「黒呪島」の難易度について''
-やり込み要素ではあるものの、難易度がかなり高めに設定されている。
--全体的に敵の攻撃力がインフレしており、同時に防御力も上がっていて弱点部分以外のダメージが通りづらい傾向があるため、ジョブによって攻略難度の偏りが強くなってしまっている。3周目だと一発食らっただけでそのまま追撃されてお陀仏になることも。
---敵の体力も多めに設定されているためジリ貧になりやすく、かつ敵の攻撃は苛烈なため、効率重視な戦闘になりがち。もっとも、高難易度のアクションゲームでは効率的な戦闘が求められるものだが。

-ジョブ格差
--上述したように黒呪島には高火力・高耐久・高強靭の三拍子揃った敵が多く出現し、近接職はその猛攻を掻い潜りながらダメージを与えに行かなければならない。
--ガードができるファイターやミスティックナイトならともかく、ガードがなく回避もできないウォリアーは明らかに不利となる。
---さらに黒呪島のモンスターは接近戦に強い、特定の属性以外に耐性を持つものも多く、属性攻撃に乏しく遠隔攻撃が出来ないウォリアーはメイジやソーサラーの補助なしでは攻略が苦しい。
--また、無印と同じく各ジョブごとの成長率格差を是正する手段が無いため、攻略しやすいジョブで進めてもレベルアップする時は違うジョブにしないとステータスで格差が開くという事態も起こる。
--マップの各所には、弓職の二段跳躍や魔法職のフローティングなしでは行けない場所に宝箱や様々なアイテムが配置されている場合がある。これらのアクションを持たないファイター・ウォリアーはこうした場所のアイテムは取得を諦めざるを得ない。

-2周目までならそれなりのLvと装備さえあれば普通に突破できる難易度となっているのだが、真の悪夢は3周目から。
--3周目は出現する敵のパターンは2周目と同じなのだが、ただでさえ高い敵のステータスに補正がかかってさらに強くなる。
--ドレイク凶種、エリミネーター、カースドラゴンといった元々の防御力が高い敵は、半端な攻撃力では弱点部位を攻撃しても体力ゲージが全く減らないことすら有り得る。
--攻撃力の方も''通常の2倍以上''とやりすぎなほどに強化され、どんな相手だろうと一瞬たりとも油断できなくなる。
---特に敵の魔法攻撃が恐ろしく強力で、「ウィルム凶種のサンダーレイン一発で1200ほどのダメージ」「リビングアーマーの魔石柱で2500近く」「汚染ソーサラーのロックビート一発で3500ほど」「ダークビショップのヴォルテクスレイジで何もできないまま死亡」と言った高威力の魔法攻撃が普通に飛んでくる。
---かと言って通常攻撃はほどほどかと言うとそうでもなく、「そこらの雑魚に小突かれただけで200~300ダメージ」「発狂エルダーオーガの殴りやリビングアーマーの斬撃で1000近く」「カースドラゴンの噛み付き一発で1500越え」「ガルムの突き上げでダウン → 他のガルムにダウン拘束からの引き摺り → 噛み付きのコンボで脱出が間に合わず食い殺される」といったこともよくある話。
--2周目の最終ボスを倒した後にあることをすると、3周目に進まずに2周目の状態のまま再探索ができるが裏技めいているので気付かないで進む者も多い。
--そして、3周目に進むとそれ以前には''二度と戻せない。''さらに、3周目は敵の強さが異常に跳ね上がるが得られるアイテムは''2周目とまったく同じ。''
--強敵と戦いたいやりこみ派はともかくとして、まずはじっくり武具を収集したい者にとっては罠でしかない。後戻りができない上に事前に示唆もされていないのは不親切といえよう。
---なお、この手法はPS4/One/Switch版では修正されており実行不可能。
--ただし、最強クラスの装備さえ整えれば決して戦えないレベルではない。大型モンスター相手では2、3発(ステータスや装備次第では1発)食らったらアウトという中でいかに敵の猛攻を掻い潜り弱点を付いて大ダメージを与えるかという、緊張感のある戦いが味わえる。

-乱入によるモンスターの登場タイミングもランダムなため、状況次第では「リビングアーマー+エルダーオーガ」「ドレイク凶種+カースドラゴン」のような恐ろしい配置となることも。
--とはいえ、黒呪島では基本的に逃げることができない場面はない(ラスボスのみ例外)ため、不利だと感じたらさっさと逃げることも可能。

-追加された敵キャラの「デス」による攻撃は問答無用で一撃死する代わりに攻撃速度が遅く避けやすいという特徴があるが、ポーンがこの攻撃を受けると、その場で行動不能になるのではなく一発でロスト扱いとなる。
--そのため、デスと対峙するとポーンを失う可能性が非常に高い。当然、デスによる攻撃で強制的に返却されたポーンが、知識や報酬を持ってくることはない。
--ポーンはデスの知識も学習するのだが、ポーンは知識最大の状態でもなぜかデスの攻撃に関してはロクに避けようとしない((なぜかデスが使う睡眠攻撃はしっかり回避する。))のもポーンを失いやすい原因。
--なお、デスを討伐するクエストがあるのだが、デスは「乱入でのみ登場、さらに一定時間経過または一定ダメージを受けると撤退する(ウルドラゴンと同様にダメージは蓄積される)」という性質があるため討伐が非常に困難。
---レンジャーで、攻撃力上昇アイテム「いくさ神のお守り」を4重掛けし、一定時間スタミナ減少がなくなる「強心薬」を使用して、矢を10本まとめて集中的に撃ち込む「綴れ撃ち」スキルで高威力の「爆裂の矢」を死ぬまで撃ち込み続ける((デスは一定ダメージを受けると強制ダウンし、ダウン中は撤退できない。))という攻略法はあるが…。

-マップは広いものの、基本的に同じ部屋のデザインを変えて使いまわしているマップが多い。
--構造がやればやるほど把握しやすいというメリットもあるが、飽きやすいという意見もある。

-強力な装備は「黒呪武器Lv3」「黒呪防具Lv3」から入手できるのだが、この2つのアイテムは出現率が極端に低く、普通に島を探索していてもまず入手できない。
--これらのアイテムが高確率で入手できる方法は「2周目以降のラスボスを倒す」であり、まともな装備が揃っていない状態ではハードルが高すぎる。
--僅かだがこれらが出現する宝箱があるため、「宝箱の前でセーブ → 宝箱開ける → 黒呪アイテムが出なかったらタイトルに戻りロード(もしくは自殺してコンティニュー)して出るまで粘る」という方法もある。

-黒呪島の黒呪アイテムで手に入る装備はいずれも強力なものばかりなのだが、そのせいで本編で手に入る装備の多くが産廃となっている問題もある(特に武器)。
--参考までに言うと、ダガーの場合、本編最強の「クリスナーガアーテリー」の攻撃力は1009、黒呪島で手に入る「デーモンフラメア」の攻撃力は1429となっている(どちらもLv6の数値)。

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**問題点(DA)
-基本的には無印に追加要素を施した拡張版であるため、無印の欄で述べた根本的な問題点はそのままとなっている。

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**総評(DA)
無印版の問題点が多数改善されており、今から遊ぶならよほどの理由がない限りこちらを購入することをお勧めする。~
目玉要素である「黒呪島」の高難易には賛否が分かれるものの、3周以上に渡ってやり込もうとしない限りは「歯ごたえのある難易度」として楽しめるだろう。

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**余談(DA)
-Switch版は『[[ノーモア★ヒーローズシリーズ]]』の新作である、『[[Travis Strikes Again: No More Heroes]]』とコラボしており、同シリーズの主人公であるトラヴィスをポーンとして雇用できる。
--ただし、前述の『ベルセルク』とのコラボはSwitch版と言った後発販売版にはない。

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