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ブレイカーズ」を以下のとおり復元します。
//仕分け議論を経て、カタログ行きが決定しました。
//ブレイカーズリベンジはブレイカーズのアッパーバージョンであるため、ページ名からは外しました。
*ブレイカーズ/ブレイカーズリベンジ
【ぶれいかーず/ぶれいかーずりべんじ】
|ジャンル|2D対戦格闘|~|
|対応機種|アーケード(MVS)|~|
|販売元|ビスコ|~|
|開発元(初期版)|~|~|
|開発元(リベンジ)|ビスコ|~|
|~|デジタルウェア|~|
|稼働開始日|初期版:1996年|~|
|~|リベンジ:1998年|~|
//|分類|''クソゲー扱いされやすい良作判定''|~|
|ポイント|SNK以外のネオジオ格ゲーとしては末期作|~|
|~|外見の地味さ加減でほとんど注目されず|~|
|~|格ゲーとしては及第点|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-当時アーケード業界に中枢に立っていたネオジオ対戦格闘の一角にあたるゲーム。製作元は以前にもMVSにも幾つかソフトをリリースしていたビスコ。
-MVSの対戦格闘としては後発に登場。すでにこの頃は格ゲー人気安定期に入っており、人気メーカーの続編ものでないとまず売れない状況だった。有名メーカー以外の作品はまともな作品と呼べる出来のものが無く、有名メーカーのものであっても人気シリーズの続編でなく完全新規作はたいてい外れ、続編ものであったとしても良い作品かどうかは分からない(むしろ外れの方が多かった)という状況下であった。~
そこに現れた本作は、格ゲー無名メーカーの新作という事で、全くと言っていい程期待されなかった。ネオジオ格ゲーのラインナップ自体が食傷気味であり、「どうせ有名どころをパクっただけの駄作だろう」という先入観で見られがちで、プレイするまでもなく劣化パクりという不毛なレッテルを貼られる事が多かった。
--しかし、そういう前印象の悪さとは裏腹に、当時の大手人気格ゲーと比べても遜色の無いバランスの良さで完成度は高い。「意外な良質格ゲー」「地味で古臭い雰囲気もあるけど、格ゲーとしての実用性は高い」と口コミで広がり、少数ではあるが本作は本物の格ゲーとして評価される事になる。

**主なゲーム内容
-餓狼伝説2などのパンチとキックの強弱4種のボタンを使用するタイプの、対戦格闘としては分かり易い操作法。特に複雑なシステムは採用しておらず、ストII・KOF系に馴染みのあるプレイヤーはすんなり入り込める。
-超必殺技ゲージが溜まっている状態でコマンドを入力すると、ゲージ1つ消費で超必殺技を出す事ができる。ゲージは最大3本まで溜める事が可能だが、ストZEROシリーズなどのゲージ2本、3本全消費の強力な超技は存在せず、必ず1本消費で固定。
-CPU戦はすべての(同キャラ含む)のキャラを倒すと専用のラスボスが登場、それを倒すと個別のエンディングを迎えてゲームクリアとなる。

**新バージョン『ブレイカーズリベンジ』
-初回版の約1年後に、新バージョンとして『ブレイカーズリベンジ』が登場。
--新キャラとして忍者キャラが追加され、前バージョンのバランスが少し見直された。またオープニングなどに少し変化がある。しかし、外見上はさほど大きな変化もなく、あまり新作という感じはしない。

**評価点
-なんといってもゲームバランスの良さと操作性の軽快さ、これに尽きる。
--当時乱立していた格ゲーの中には、明らかなバランス崩壊や操作性の劣悪さが目に付き、プレイヤーから不満の声が絶えない格ゲーは決して少なくなかったが、本作はそういった部分が非常に優秀であった。大手メーカーの作品であっても作り込みの甘さや対戦バランス崩壊で叩かれる作品が頻発していた中で、格ゲー無名メーカーが初回でここまで丁寧に作り込んだ事は評価に値する。
-キャラの個性も豊か。
--いわゆるリュウケンタイプの万人向けキャラから、クセは強いが使いこなすのが楽しいキャラまで、その種類は豊富である。誰一人として似たような性能のキャラは存在しない。
-圧倒的テンポの良さ。
--一試合に掛かる時間が絶妙に早く、異様な間延びは全くない。当時の有名格ゲーシリーズが無闇に長い連続技や戦闘以外の演出でテンポを損なっていた事とは対照的。
-同キャラ対戦により名前が変わる。
--当時の格ゲーで同キャラ対戦ができるのは極めて当たり前だが、本作ではなんとキャラの名前まで変わる。ゲーム的にはそれほど意味がある訳ではないが、ちょっと新鮮にプレイできる…のか?
--余談だが、名前が違う同性能キャラの裏設定まで用意されている。
-とても変わった仕様として、なんと''地上で攻撃を食らった側が「のけぞりモーションの後半をキャンセルして技が出せる」''というものがある。
--この仕様により、一見繋がっているコンボが実は非確定だったり、一部の技に食らいキャンセルから反撃が確定したりする。このため、相手が食らいキャンセルの出来ない空中コンボが非常に重要となる。
-KOFで通常技→キャンセル特殊技→キャンセル必殺技という連続技の流れがあるが、そちらよりも先にこのゲームがそのシステムを採用している。
-様々な補正があり、「攻撃をずっとしてない時や体力が赤く点滅したとき攻撃力が上がる」「体力が赤いときは削りダメージを受けない」「セットカウントを取られていると気絶しにくくなり、攻撃力が上がる」などがある。
--コンボ補正についても上手く調整されており、全体的に接戦になり易く、一方的な虐殺にはなり難いようになっている。
-とにかくゲージが溜まり易く(このゲームではダッシュやバックステップですらゲージが蓄積される)、超必殺技をどんどん出していける上に、その性能は全体的に高めに設定されている。
-業務用『ブレイカーズリベンジ』及びNCD版ではラスボスも隠しキャラとして使えるのだが、その出現コマンドが''1Pと2Pが同時にレバーを上に入れる''というもの。対戦する両者の合意のうえで選択する形であり、強力なボスキャラを使って相手プレイヤーを虐めるという事はできない。性能自体は実に高いので納得できる仕様であり、細かいところまでプレイヤーへ配慮している。

**不満点
-当時の格ゲーとしては選択できるキャラが全8人(リベンジは9人)と少ない。同時期の他の格ゲーはほとんど20人前後、KOFでは30人近くのキャラが使用可能だった事を考えると、大分控えめである。
-実はCPU戦が結構難しい。アルゴリズムにランダム性が強い上、こちらの技に対して超反応で返してくることがあり、パターンに持ち込みにくくなっている。そしてCPUの攻撃力がプレイヤー側より高めに設定されていて、同じ攻撃を相打ちすると確実にこちら側の分が悪い。
--一本も取られないで勝ち進むとさらにCPUの攻撃力が上がるため、ノーミスクリアは困難を極める。おそらくはインカム(売り上げ)の効率を上げる対策だと思われるが、これにより格ゲー入門者にとっては厳しい間口になってしまった。
-対戦バランスもやりこむと上位・下位の差が結構激しいことに気が付く。満場一致の最強キャラであり主人公の「ショウ」はもちろん、リベンジで追加された強キャラの一人「サイゾウ」は飛び道具が強力すぎてキャラによっては近づくことすら困難。
-逆にブレイカーズの裏アイドル? として知られる「ピエール・モンタリオ」は弱すぎて泣けるほどの性能。

**総評
-格ゲーとしての出来は素晴らしかったものの、当時プレイヤーの注目はカプコン&SNKの寡占状態で、ほんの一部の格ゲーマーにしか相手にされずにひっそりと消えてしまった不遇の良作。
-今でも熱狂的なファンは微少ながら存在する。とある格ゲーサークルが、本作と似たタイトルのフリーゲームを公開しているあたりからも、その支持力は決して低くないことが分かるだろう。

**その他
-元々は『天麟の書 死華護』というタイトルでネオジオ格ゲー絶頂期にリリースされる予定だったが、諸般の事情でお蔵入りし、誰もがその事を忘れていた頃に突如、死華護をベースに作り直された本作がリリースする事になった。
-当時のゲーメスト誌が本作を気にいったらしく、特集記事が組まれていた事がある。特にコンドルというキャラへの愛着はかなり凄かった。また、ネオジオフリーク誌でもピエールというキャラがよくネタに使われた。
-初期版は家庭用ネオジオROMとネオジオCDに移植されているが、PS・SSといった大御所ハードの移植は未だにされていない。またバーチャルコンソールなどの配信サービスの予定も今現在ない。リベンジに至っては、ネオジオを含め一切の移植・配信はされていない。
-AC北斗で有名な某店で今も大会が繰り広げられている。その店曰く「まだ研究の余地があるゲーム、格ゲー経験者なら5分でできるようになる」とか。

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